JP2009518618A - 難燃性シールド - Google Patents

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Abstract

耐燃性耐弾性複合体布帛を提供する。特に、構造体は、優れた耐燃性と耐弾性をもつ材料から製造する。本布帛及び構造体は、好ましくは膨張性である非−ハロゲン含有炭化難燃剤を含み、これによって熱にさらされたときに、炭化材料は炭化発泡体を形成し、断熱層を提供する。難燃剤を添加していても、本布帛及び構造体は、元の材料の優れた最適な耐弾性を保持する。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は耐燃性、耐弾性複合体布帛に関する。特に本発明は、優れた耐燃性及び耐弾性をもつ材料から形成した構造体に関する。
従来の技術の説明
変形可能な発射体(deformable projectile)に対して優れた耐性をもつ高強度繊維を含む耐弾性物品(ballistic resistant article)は公知である。軍装備品の防弾チョッキ、ヘルメット、車輌パネル及び構造部材などの物品は、通常、高強度繊維を含む布帛から製造される。通常使用される高強度繊維としては、ポリエチレン繊維、パラ-アラミド繊維、たとえばポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミド)、グラファイト繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維などが挙げられる。チョッキまたはチョッキの部品などの多くの用途に関しては、それらの繊維は織り布帛(woven fabric)または編み布帛(knitted fabric)で使用することができる。他の用途の多くに関しては、繊維を母材材料中に封入して又は埋め込んで、硬質または軟質布帛を形成する。
ヘルメット、パネル及びチョッキなどの物品の形成に有用な種々の耐弾性構築物が公知である。たとえば、本明細書中、その全てが参照として含まれる米国特許第4,403,012号、同第4,457,985号、同第4,613,535号、同第4,623,574号、同第4,650,710号、同第4,737,402号、同第4,748,064号、同第5,552,208号、同第5,587,230号、同第6,642,159号、同第6,841,492号、同第6,846,758号は、長鎖(extended chain)超高分子量ポリエチレンなどの材料から製造した高強度繊維などを含む耐弾性複合体について記載する。これらの複合体は、銃弾、砲弾、榴散弾などの発射体からの高速度衝撃による貫通に対して様々な程度の抵抗性を示す。
たとえば、米国特許第4,623,574号及び同第4,748,064号は、エラストマー母材に埋め込んだ高強度繊維を含む単純な複合体構造を開示する。米国特許第4,650,710号は、高強度、長鎖ポリオレフィン(ECP)繊維から構成された複数の柔軟な層を含む柔軟製品を開示する。網状構造の繊維は、低弾性率エラストマー材料でコーティングされている。米国特許第5,552,208号及び同第5,587,230号は、ビニルエステルとジアリルフタレートを含む母材組成物と高強度繊維の少なくとも一つの網状構造を含む製品及びその製造法を開示する。米国特許第6,642,159号は、繊維層の間のエラストマー層と共に、母材に配置されたフィラメントの網状構造を含む複数の繊維層をもつ耐衝撃性硬質複合体を開示する。この複合体を硬質プレートに結合して、防護具を貫通する発射体に対する防御性を高める。
現在の耐弾性布帛及び製品に関する一つの問題は、その難燃性が限定的であるという点である。耐弾性材料における難燃性は、耐弾性品によって提供される防御を最大化することが強く望まれている。通常、ポリマー材料の難燃性を改善するために利用可能な好ましい手段は、ポリマーに難燃剤を配合することである。難燃剤は、ポリマーまたは他の材料の燃焼過程を妨害することによって作用する。種々の添加剤が利用可能であり、各添加剤は通常、異なる活性機構によって難燃性をもたらす。たとえば、凝縮相(condensed-phase)活性難燃剤として公知の部類のものは、火災に消費される燃料の量を減らしたり制限したりすることによって炭化を促進する。揮発相(volatile-phase)活性難燃剤として公知の別の部類の難燃剤は、燃焼の間に放出される熱量を減少させることによって燃焼過程を阻害する。
特定の部類の添加剤としては、非制限的には、材料の炭化を促進させる炭化型の添加剤;ヒートシンク添加剤、例えば、周囲の雰囲気に熱を吸収且つ消散させる、三水和アルミナ及び水酸化マグネシウム;毒性抑制剤、これは可燃性材料に添加すると、熱分解の間に一つ以上の毒性気体が発生するのを顕著に減少または抑制する;及び相乗効果を利用する添加剤の組み合わせ、即ち、相異なるものの協働的な活性機構を有する、最適化された組み合わせの複数の添加剤が挙げられる。かくして、他の難燃剤と比べて、種々の難燃剤が燃焼過程の種々の段階で効果的である可能性があり、異なる難燃剤は、また、これらが作用する機構に基づく特定の用途に関して、他の添加剤と比較して特定の好都合な点や不都合な点ももつこともあるだろう。
たとえば、米国特許第5,480,706号は、難燃性を付与するために、ハロゲン化パラフィンなどのハロゲン化難燃剤を配合する耐燃性耐弾性製品を提供する。しかしながら、ハロゲン化難燃剤は、環境及び安全面に対する懸念から望ましくない。たとえばハロゲン化難燃剤は、燃焼の間に、塩素及び臭素などの毒性の高い気体を発生する。さらに、これらの物質が水と混ざると、非常に強力な酸が形成する。これらの副生成物は、環境面に対して危険をもたらすことに加えて、耐弾性製品のユーザーに対しても極めて有害となり得る。別の種類の添加剤は、元のポリマーの物理的特性に大きな影響を与えることがある。用途によっては、比較的多量の難燃剤が必要になることもあるが、この難燃剤が可塑剤として又は充填剤として挙動するかに応じて、特性のバランスは大きく変化する可能性がある。たとえば、粘度や砂などの大量の充填剤材料は難燃性を高めるのに有用であるかもしれないが、そのような材料は実質的に耐弾性製品の重量を増加させ、その実用性を制限してしまうので、耐弾性製品には有用ではない。
従って、耐弾性を低下させることなく、優れた難燃性をもち、ユーザー及び環境の両方にとって危険性の少ない耐弾性材料を提供することは、耐弾性製品の分野では切望されており、好都合なことである。本発明ではこの要求に対する解決策を提供する。本発明は、母材組成物中に結合した高強度繊維を含む耐燃性耐弾性布帛であって、前記母材組成物は炭化難燃剤を含有する、前記耐燃性耐弾性布帛を提供する。この母材組成物は通常、バインダー材料(母材ポリマー)を含み、炭化難燃剤はバインダー材料上に存在するか、又は、バインダー材料にブレンドすることができる。炭化(charring)とは、炭化物が主に炭素から構成されるように、燃焼する材料から水素と酸素を除去する不完全な燃焼過程である。炭化物形成の好都合な点としては、揮発性物質の質量が減らせるということ、すなわち、炭素と水素の一部は凝縮相中に残り、放出される揮発性の可燃性分解フラグメントの量を減少させる;熱容量が高いこと、すなわち、炭化-ポリマー混合物の形成により、非炭化材料に対して材料の熱容量が増加する;及び可燃性気体の遮断、すなわち、炭化表面が物理的障壁として作用して、下にある非炭化材料の劣化により生じた可燃性気体の流れを妨げて、ポリマーの表面へ酸素が近づけないようにする;が挙げられる。さらに、炭化物の形成により断熱性も提供され、これによりポリマーが劣化するにつれて、炭化物層が残りの非炭化ポリマーの上に形成され、炭化層の低い熱伝導率によってこれが断熱材として作用することができ、投入熱量を幾らか吸収して、非炭化ポリマーに到達する熱流速を減少させる。炭化難燃剤は好ましくは非−ハロゲン放出性であり、好ましくは膨張型難燃剤であり、これにより熱に暴露されると炭化されている材料の容積が膨張し、泡状物質を形成して、熱に暴露されたときに断熱障壁を提供する。たとえば、多数の小さな気泡からなる非−ハロゲン化膨張性炭化物は、ハロゲン化難燃剤から通常形成される硬質の、脆い密の炭化物よりも優れた断熱性をもつ。配合した難燃性添加剤の膨張性炭化挙動は、本発明の布帛の耐弾性に対してごく僅かな影響しか与えておらず、元の材料の最適な耐弾性を保持するという知見が得られた。
発明の概要
本発明は、
a)結合されて布帛を形成する、配列された複数の繊維であって、約7g/デニール以上の靱性と約150g/デニール以上の引っ張り弾性率を有する前記繊維;及び
b)前記繊維上に炭化難燃剤を含むマトリクス組成物を含む耐燃性耐弾性布帛を提供する。
本発明は、繊維の少なくとも一つの圧密化網状構造を含む耐燃性耐弾性布帛であって、前記繊維の圧密化網状構造は複数の交差して積み重ねられた繊維層を含み、それぞれの繊維層は実質的に平行に配列された複数の繊維を含み;前記繊維は約7g/デニール以上の靱性と約150g/デニール以上の引っ張り弾性率をもち;前記繊維はその上に母材組成物を有し、その母材組成物は炭化難燃剤を含み;複数の交差して積み重ねられた繊維層は前記母材組成物で圧密化されて前記繊維からなる圧密化網状構造を形成することを特徴とする、前記耐燃性耐弾性布帛も提供する。
本発明はさらに、耐燃性耐弾性布帛を含む耐燃性耐弾性製品であって、前記耐燃性耐弾性布帛は、
a)結合されて布帛を形成する、配列された複数の繊維であって、約7g/デニール以上の靱性と約150g/デニール以上の引っ張り弾性率を有する前記繊維;及び
b)前記繊維上に炭化難燃剤を含むマトリクス組成物を含む前記製品を提供する。
本発明はさらに、耐燃性耐弾性布帛の製造法であって、
a)複数の繊維を実質的に平行な一方向性配列に配列させることにより形成された、少なくとも二つの繊維層を形成すること、このとき、前記繊維は約7g/デニール以上の靱性と、約150g/デニール以上の引っ張り弾性率をもち;前記繊維が炭化難燃剤を含む母材組成物でコーティングされている;
b)前記繊維層を配列すること、このとき、各層の一方向性配列されたが、それぞれ隣接する層に対して交差して積み重ねられるように配列する;及び
c)単層圧密化網状構造を形成するのに十分な条件下で、前記交差して積み重ねられた層を結合して、布帛を形成すること、
を含む前記方法を提供する。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、優れた弾道貫入抵抗性をもつ耐燃性布帛複合体に関する。本発明の目的に関して、優れた弾道貫入抵抗性をもつ布帛とは、変形可能な発射体に対して優れた性能を示すものを表す。本発明の耐燃性布帛は、好ましくは、当業界で母材組成物とよばれるエラストマー又は硬質ポリマー組成物中に繊維の単層圧密化網状構造(a single-layer, consolidated network)を含み、ここで前記母材組成物は少なくとも一種の炭化難燃剤を含む。繊維の網状構造は一緒に積み重ねられた複数の繊維層を含み、それぞれの繊維層は前記母材組成物でコーティングされ、実質的に平行配列に配列された複数の繊維を含み、前記繊維層は圧密化されて前記単層圧密化網状構造を形成する。この圧密化網状構造は、そのような母材組成物でコーティングされ、複数の層に形成され、布帛に圧密化されている複数のヤーンも含むことができる。
本発明の目的に関して、「繊維(fiber)」とは、長さ方向が幅及び厚さの横の寸法よりもはるかに大きい細長い物体である。本発明で使用するための繊維の断面は、種々に変動することができる。断面は円、平坦または楕円形であってもよい。従って、「繊維」なる用語は、規則的または非規則的な断面をもつフィラメント、リボン、ストリップなどを包含する。これらは、繊維の線状、または長手方向の軸から突出する一つ以上の規則的なまたは非規則的なローブ(lobe)をもつ非規則的または規則的なマルチローバル(多分葉:multi-lobal)の断面であってもよい。繊維はシングルローブ(single-lobed)であり、実質的に円形の断面をもつのが好ましい。
本明細書中で使用する「ヤーン(yarn)」とは、絡まり合った(interlocked)繊維のストランドである。「配列(array)」とは、繊維またはヤーンの規則正しい配列を指し、「平行配列」とは繊維またはヤーンの規則正しい平行配列を指す。繊維「層」とは、織りまたは不織繊維またはヤーンの平面的配列を指す。繊維「網状構造(network)」は、相互接続した複数の繊維またはヤーン層を指す。繊維網状構造は種々の構造をとることができる。たとえば、繊維またはヤーンは、フェルトまたは別の織り、不織若しくは編みものとして形成することができるか、あるいは任意の他の慣用法によって網状構造に形成することができる。特に好ましい圧密化網状構造に従って、複数の網状構造を組み合わせ、これによってそれぞれの繊維層が一方向に配列された繊維を含み、共通の縦の繊維方向に沿って互いに実質的に平行となる。「圧密化網状構造(体)(consolidated network)」なる用語は、繊維層と母材組成物との圧密化組み合わせを指す。本明細書中で使用する「単層」構造なる用語は、一つの一体的な構造内に圧密化された一つ以上の個々の繊維層から構成された構造体を指す。通常、「布帛」とは、織り材料または不織材料のいずれかに関することができる。
本明細書中で使用する「高強度、高引っ張り弾性率繊維」とは、いずれもASTM D2256試験法に従って測定して少なくとも約7g/デニール以上の好ましい靱性、少なくとも約150g/デニール以上の好ましい引っ張り弾性率と、少なくとも約8J/g以上の好ましい破断エネルギーをもつものである。本明細書中で使用する「デニール」なる用語は、線密度の単位であり、繊維またはヤーン9000メートル当たりのグラムで表した質量に等しい。本明細書中で使用する「靱性」なる用語は、力を加えていない試験片について、線密度(デニール)当たりの力(グラム)として表した引っ張り応力を指す。繊維の「初期弾性率(initial modulus)」なる用語は、変形に対するその耐性を示す材料の特性である。「引っ張り弾性率」なる用語は、グラム重/デニール(g/d)、対、元の繊維長の関数(インチ/インチ)として表わされた歪みの変化で表示される、靱性の変化の割合を指す。
特に好適な高強度高引っ張り弾性率繊維材料としては、長鎖(extended chain)ポリオレフィン繊維、たとえば高度に配向した、高分子量ポリエチレン繊維、特に超高分子量ポリエチレン繊維、及び超高分子量ポリプロピレン繊維が挙げられる。また好ましいものは、長鎖ポリビニルアルコール繊維、長鎖ポリアクリロニトリル繊維、パラ-アラミド繊維、ポリベンザゾール繊維、たとえばポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維及びポリベンゾチアゾール(PBT)繊維並びに液晶コポリエステル繊維が挙げられる。これらの繊維のタイプはそれぞれ当業界で従来より知られている。
ポリエチレンの場合、好ましい繊維は、少なくとも500,000、好ましくは少なくとも1,000,000、より好ましくは2,000,000〜5,000,000の分子量をもつ長鎖ポリエチレンである。そのような長鎖ポリエチレン(ECPE)繊維は、本明細書中、参照として含まれる米国特許第4,137,394号または同第4,356,138号に記載の溶液紡糸プロセスによって作ることができるか、または本明細書中、参照として含まれる米国特許第4,551,296号及び同第5,006,390号に記載のような溶液から紡糸してゲル構造を形成することができる。
本発明で使用するのに最も好ましいポリエチレン繊維は、Honeywell International社よりSpectra(登録商標)の商品名で市販されているポリエチレン繊維である。Spectra繊維は当業界で公知であり、たとえばHarpellらの共有の米国特許第4,623,547号及び同第4,748,064号に記載されている。Spectra(登録商標)高性能繊維は水に浮くほど十分に軽いのに、重量比で言えばスチールより10倍も強い。この繊維は、衝撃、水分、化学的摩耗及び穿刺に対する耐性などの他の重要な特性ももつ。
好適なポリプロピレン繊維としては、本明細書中、参照として含まれる米国特許第4,413,110号に記載の高配向の長鎖ポリプロピレン(ECPP)繊維が挙げられる。好適なポリビニルアルコール(PV-OH)繊維は、本明細書中、参照として含まれる米国特許第4,440,711号及び同第4,599,267号に記載されている。好適なポリアクリロニトリル(PAN)繊維は、本明細書中、参照として含まれる米国特許第4,535,027号に開示されている。これらの繊維の種類はどれも通常、公知であり、広く市販されている。
好適なポリアミド(芳香族ポリアミド)繊維は市販されており、たとえば米国特許第3,671,542号に記載されている。たとえば有用なポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)フィラメントは、KEVLAR(登録商標)の商標名のもとDupont社より商業生産されている。本発明の実施では、NOMEX(登録商標)のもとDupont社より商業生産されているポリ(m-フェニレンイソフタルアミド)繊維が有用である。本発明の実施に好適なポリベンズアゾール繊維は市販されており、本明細書中、それぞれ参照として含まれる米国特許第5,286,833号、同第5,296,185号、同第5,356,584号、同第5,534,205号及び同第6,040,050号に開示されている。好ましいポリベンズアゾール繊維は、Toyobo Co.製のZYLON(登録商標)ブランド繊維である。本発明の実施に好適な液晶コポリエステル繊維は市販されており、本明細書中、それぞれ参照として含まれる米国特許第3,975,487号、同第4,118,372号及び同第4,161,470号に開示されている。
本発明で使用するための他の好適な繊維種としては、ガラス繊維、炭素から形成した繊維、玄武岩(basalt)及び他の鉱物から形成した繊維、M5(登録商標)繊維並びに上記材料の組み合わせが挙げられ、これらは全て市販されている。M5(登録商標)繊維はMagellan Systems International社(バージニア州リッチモンド)により製造されており、そのそれぞれが本明細書中、参照として含まれる米国特許第5,674,969号、同第5,939,533号、同第5,945,537号、及び同第6,040,478号に記載されている。特に好ましい繊維としては、M5繊維、ポリエチレンSpectra繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)及びポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール)繊維が挙げられる。より好ましくは、繊維は高強度、高弾性率ポリエチレンSpectra繊維である。
本発明の目的に関して最も好ましいものは、高強度、高引っ張り弾性率の長鎖ポリエチレン繊維である。上記のごとく、高強度、高引っ張り弾性率繊維としては、ASTM D2256により測定して約7g/デニール以上の好ましい靱性、約150g/デニール以上の好ましい引っ張り弾性率と、約8J/g以上の破断エネルギーをもつものがある。本発明の好ましい態様では、繊維の靱性は約15g/デニール以上、好ましくは約20g/デニール以上、より好ましくは約25g/デニール以上であり、最も好ましくは約30g/デニール以上である。本発明の繊維は、また、300g/デニール以上、より好ましくは約400g/デニール以上、より好ましくは500g/デニール以上、より好ましくは約1,000g/デニール以上、最も好ましくは約1,500g/デニール以上の引っ張り弾性率をもつ。本発明の繊維はまた、約15J/g以上、より好ましくは約25J/g以上、より好ましくは約30J/g以上、最も好ましくは約40J/g以上の破断エネルギーをもつ。これらの組み合わせた高強度特性は、溶液成長プロセスまたはゲル繊維プロセスを使用することにより得ることができる。米国特許第4,413,110号、同第4,440,711号、同第4,535,027号、同第4,457,985号、同第4,623,547号、同第4,650,710号及び同第4,748,064号は一般に、本発明で使用する好ましい高強度長鎖ポリエチレン繊維について議論しており、これらの特許の開示は、本明細書中、参照として含まれる。
本発明の繊維は、繊維に母材組成物を適用し、次いでこの母材組成物−繊維の組み合わせを固める(圧密化する)ことによって、母材組成物でコーティングされ、母材組成物で含浸され、母材組成物中に埋め込まで、又は母材組成物が塗布される。「圧密化(固化)(consolidate)」なる用語は、この母材材料とそれぞれの繊維層を組み合わせて一つの一体的な層にすることを意味する。圧密化(固化)は乾燥、冷却、加熱、圧力またはその組み合わせによって実施することができる。
本発明の布帛複合体は、低弾性率エラストマー母材組成物と高弾性率硬質母材材料の両方を含む、種々の母材材料を使用して製造することができる。本明細書中で使用する「母材(matrix)」なる用語は当業界で公知であり、圧密化後に繊維を一緒に結合するポリマー材料を表すのに使用する。「複合体(composite)」なる用語は、繊維と母材材料との圧密化結合物を指す。好適な母材材料としては、非排他的には、それぞれ37℃で、ASTM D638により測定して約6,000psi(41.3MPa)未満の初期引っ張り弾性率をもつ低弾性率エラストマー材料と、少なくとも約300,000psi(2068MPa)の初期引っ張り弾性率をもつ高弾性率硬質材料が挙げられる。本明細書中で使用するように、引っ張り弾性率なる用語は、繊維に関してはASTM 2256により、そして母材材料に関してはASTM D638により測定した弾性率を意味する。
エラストマー母材組成物は、種々のポリマー性及び非ポリマー性材料を含むことができる。好ましいエラストマー母材組成物は、低弾性率エラストマー組成物を含む。本発明の目的に関しては、低弾性率エラストマー組成物は、ASTM D638試験法に従って測定して約6,000psi(41.4MPa)以下の引っ張り弾性率をもつ。好ましくはエラストマーの引っ張り弾性率は、約4,000psi(27.6MPa)以下、より好ましくは約2400psi(16.5MPa)以下、より好ましくは1200psi(8.23MPa)以下、最も好ましくは約50psi(3.45MPa)以下である。エラストマーのガラス転移温度(Tg)は好ましくは約0℃未満であり、より好ましくは約−40℃未満であり、最も好ましくは約−50℃未満である。エラストマーは、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約100%の破断点伸びももち、最も好ましくは少なくとも約300%の破断点伸びをもつ。
低弾性率の種々のエラストマー材料及び配合物を母材として使用することができる。好適なエラストマーの代表例は、the Encyclopedia of Polymer Science、第5巻 (John Wiley & Sons. Inc.1964年)の合成エラストマーの章にまとめられている構造、特性、配合物と架橋方法をとる。好適に低い弾性率のエラストマー母材材料としては、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレンコポリマー、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー、ポリスルフィドポリマー、ポリウレタンエラストマー、ポリクロロプレン、当業界で公知の一種以上の可塑剤(たとえばジオクチルフタレート)を使用する可塑化ポリ塩化ビニル、ブタジエンアクリロニトリルエラストマー、ポリ(イソブチレン-コ-イソプレン)、ポリアクリレート、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリエーテル、フルオロエラストマー、シリコーンエラストマー、熱可塑性エラストマー、フェノール樹脂、ポリブチラール、エポキシポリマー、スチレンブロックコポリマー、たとえばスチレン-イソプレン-スチレンまたはスチレン-ブタジエン-スチレンタイプ並びに、繊維の融点未満で硬化可能な他の低弾性率ポリマー及びコポリマーが挙げられる。種々のエラストマー材料のブレンド、またはエラストマー材料と一種以上の熱可塑性樹脂とのブレンドも好ましい。
特に有用なのは、共役ジエンとビニル芳香族モノマーとのブロックコポリマーである。ブタジエンとイソプレンは好ましい共役ジエンエラストマーである。スチレン、ビニルトルエン及びt-ブチルスチレンは好ましい共役芳香族モノマーである。ポリイソプレンを含むブロックコポリマーを水素化して、飽和炭化水素エラストマーセグメントをもつ熱可塑性エラストマーを製造することができる。このポリマーはA-B-A型の単純な三ブロックコポリマー、(AB)n型(n=2〜10)のマルチブロックコポリマー、またはR-(BA)x型(x=3〜150)のラジカル配置コポリマー(radical configuration copolymer)であってもよく、ここでAはポリビニル芳香族モノマー由来のブロックであり、Bは共役ジエンエラストマー由来のブロックである。これらのポリマーの多くはKraton Polymers社(テキサス州ヒューストン)により商業製造されており、“Kraton(登録商標)Thermoplastic Rubber”ブレティン、SC-68-81に記載されている。最も好ましい母材ポリマーは、Kraton Polymers社により商業生産されている登録商標Kratonのもとで市販されているスチレンブロックコポリマーを含む。
本明細書において有用な好ましい、高弾性率硬質母材材料としては、ビニルエステルポリマーまたはスチレン−ブタジエンブロックコポリマーなどの材料、ビニルエステルとジアリルフタレートまたはフェノールホルムアルデヒドとポリビニルブチラールなどのポリマーの混合物も挙げられる。本発明に特に好ましい硬質母材材料は、好ましくはメチルエチルケトンなどの炭素−炭素飽和溶媒に可溶性で、硬化したときにASTM D638により測定して少なくとも約1×106psi(6895Mpa)の高い引っ張り弾性率をもつ熱硬化性ポリマーである。特に好ましい硬質母材材料は、本明細書中、参照として含まれる、米国特許第6,642,159号に開示されているものである。
本発明の布帛組成物から形成した製品の硬度、衝撃及び耐弾特性は、母材ポリマーの引っ張り弾性率によって影響を受ける。たとえば米国特許第4,623,574号は、約6000psi(41,300kPa)未満の引っ張り弾性率をもつエラストマー母材で構築した繊維圧密化複合体は、より高い弾性ポリマーで構築した複合体と、母材を使用しない同一繊維構造体の両方と比べて、優れた耐弾性をもつことを開示する。しかしながら低い引っ張り弾性率の母材ポリマーでも低硬度の複合体を生成する。さらに特定の用途、特に複合体が抗弾性(anti-ballistic)及び構造モードの両方で機能しなければならない特定の用途では、耐弾性と硬度の優れた組み合わせが必要である。従って、使用される母材ポリマーの最も好適な種類は、本発明の布帛から形成すべき物品の種類に応じて変わる。両方の特性の折衷を実現するために、好適な母材組成物は低弾性率材料と高弾性率材料とを組み合わせて、単一の母材組成物を形成することができる。
本発明の好ましい態様では、繊維の割合は、好ましくは複合体の約70重量%〜約95重量%、より好ましくは複合体の約79重量%〜約91重量%、最も好ましくは複合体の約83重量%〜約89重量%を構成する。複合体の残りの割合は、母材と難燃剤との組み合わせである。母材組成物は、カーボンブラック若しくはシリカなどの充填剤も含むことができ、油で増量することができるか、または当業界で公知のように硫黄、過酸化物、酸化金属若しくは放射線硬化系により加硫することができる。母材組成物はさらに、Ciba Specialty Chemicals Corporation(スイス)から市販されているIrganox(登録商標)のもと販売されているものなどの酸化防止剤、特にIrganox1010((テトラキス-(メチレン-(3,5-ジ-ターブチル-4-ヒドロシンナメート)メタン));及び母材組成物で難燃剤が沈降しないようにする界面活性剤、たとえばUniqema社(オランダ)から市販されているCirrasol(登録商標)のもと販売されているもの、特にCirrasolG1096(ポリオキシエチレンソルビトールエステル)を含むことができる。
本発明に従って、母材組成物は少なくとも一種の炭化難燃剤を含む。燃焼の間、炭化難燃剤は繊維と母材材料と結合して炭化物を形成する。本明細書中で使用するように、「炭化難燃剤(charring flame retardant)」なる用語は、炭化物を生成するか、または物質の炭化を促進する難燃性化合物、組成物またはブレンドを指し、ここで炭化とは、物質が炭素残留物から主に構成されるように、燃焼される物質から水素と酸素を除去する不完全な燃焼プロセスである。好ましい炭化難燃剤としては、非ハロゲン放出性膨張性材料が挙げられる。本明細書中で使用する「膨張性(intumescent)」なる用語は、熱や火炎にさらされて所定の温度を超えると、容積が膨張する材料を指す。好適な非−ハロゲン化炭化難燃剤は、非排他的には、金属の水酸化物、たとえばアルミナ三水和物及び水酸化マグネシウム(または水和マグネシウム)、水和カーボネート、炭酸カルシウム、ホウ素を含む難燃剤、例えばホウ酸亜鉛、芳香族ホウ酸、たとえば1,4-ベンゼンジボロン酸及びフェニルボロン酸、ペンタエリスリトール、ノボラック、非−ハロゲン放出性鉄添加剤、たとえば酸化鉄、並びにポリフェニレンオキシド及びリン、リン含有化合物、たとえばジフェニルホスフェート及びトリフェニルホスフェート、並びに上記の組み合わせが挙げられる。
炭化難燃剤の種類では、様々な種類の材料またはブレンドが種々の方法で作用し得る。たとえばリンベースの難燃剤は、一般に(加熱されたときに)リン酸を形成することによって炭化を促進し、可燃性揮発性物質の放出を減少させることによって凝縮相で主に作用する。リン酸化合物を加熱するときにリン酸が生成し、その酸がポリマー中の炭素と結合して炭化物を生成する。あるいは、金属の水酸化物、たとえば水酸化マグネシウムまたはアルミナ三水和物は、火炎の熱で分解して、水和物の水を放出する。そのような物質は防煙剤としても作用する。これらの難燃剤は、他の難燃剤が含まれている(たとえばリンをベースとする化合物)難燃処理化ポリマー系への補助的な添加剤としても使用することができる。
本発明の好ましい態様において、炭化型の難燃剤は材料のブレンドを含むのが好ましい。たとえば、本発明の炭化難燃剤は、炭化物形成の有効性を高める一種以上の協力剤、炭化物を泡状に膨張させる発泡剤、または炭化速度を高める炭化触媒などの添加剤を含有するブレンドを含むことができる。好適な協力剤としては、メラミンポリホスフェート、アンモニウムポリホスフェート及び窒素ガス放出性材料が挙げられ;好適な発泡剤(としては、アミン/アミド、メラミン、ジシアンジアミド、尿素及び加熱されると主に窒素を放出する他の多くの発泡剤が挙げられ;好適な触媒としては、燃焼過程の間にホウ酸、リン酸若しくは硫酸を放出して燃焼過程の間に複合体のポリマーと結合して上記リン化合物、たとえばリン酸アンモニウム及びリン酸エステル、芳香族ボロン酸及びホウ素化合物を形成する物質が挙げられる。たとえば発泡剤メラミンは窒素ガスを放出し、炭化物の厚み(loft)を増やして、リンなどと結合して物質を炭化する。メラニンによって放出された窒素ガスも不活性なので燃焼過程を遅延させる。従って、好適な炭化難燃剤は、上記材料のブレンドを含むのが好ましい。
特に好ましい炭化難燃剤としては、Intumax(登録商標)(従前はMacixhar(商標)として公知)、Exolit(登録商標)及びBudit(登録商標)の商品名で市販されている材料、特にBroadview Technology社(ニュージャージー州ニューアーク)からIntumax(登録商標)のもと市販されているメラミンポリホスフェートとビス(メラミンピロリン)酸を含む膨張性ブレンド;Chemische Fabrik Budenheim Kg Limited Partnership社(ドイツ)からButid(登録商標)3077BGの商品名で市販されているポリリン酸アンモニウムを含む膨張性ブレンド;及びClariant International社(スイス)からExolit(登録商標)の商品名で市販されているポリリン酸アンモニウムを含む膨張性ブレンドが挙げられる。
炭化難燃剤は、当業界で公知の方法を使用して母材組成物のバインダーとブレンドするのが好ましい。たとえば、難燃剤を大きな容器中で溶媒と、溶液中に難燃剤を保持するために界面活性剤を使用してミキサーで混合し、次いで母材バインダーポリマーを溶解してブレンドを作成する。本発明の好ましい態様では、炭化難燃剤は全母材組成物の約1重量%〜約20重量%を構成し、より好ましくは全母材組成物の約3重量%〜約10重量%、特に約5重量%〜約7重量%を構成する。あるいは炭化難燃剤は当業界で公知の方法を使用して母材ポリマーの層に塗布して、それによって二層母材組成物を形成することができる。炭化難燃剤を母材ポリマーにブレンドせず、難燃剤が母材ポリマーに適用する前に粉末状である場合には、当業界で公知のように、炭化難燃剤は場合によりエポキシ、アクリル材料または他のポリマー若しくは非ポリマー材料などの別のバインダーと混和することができる。本発明の好ましい態様では、母材組成物は炭化難燃剤と母材ポリマーバインダーとのブレンド、たとえばリンまたはリン含有炭化難燃剤とKratonポリマーとのブレンドを含む。
通常、本発明の耐燃性耐弾性布帛は、高強度繊維を一つ以上の繊維層に配列することによって形成する。それぞれの層は個々の繊維またはヤーンの配列を含むことができる。母材組成物は、層を形成する前後のいずれかで高強度繊維に適用して、続いて母材材料−繊維組み合わせを一緒に圧密化して多層複合体(multilayer complex)を形成するのが好ましい。
母材は、繊維表面上に母材組成物の溶液をスプレーまたはロールコーティングし、続いて乾燥するなどの多様な方法によって繊維に適用することができる。ある方法は、液体、粘稠固体若しくは懸濁液中の粒子など、または流動床としてコーティング材料のニートポリマーを繊維に塗布することである。あるいはコーティングは、塗布温度で繊維の特性に悪影響を与えない好適な溶媒中の溶液またはエマルションとして塗布することができる。たとえば繊維またはヤーンを母材組成物の溶液内を運搬して、繊維またはヤーンを実質的にコーティングし、乾燥してコーティング済み繊維またはヤーンを得ることができる。次いで得られたコーティング済み繊維またはヤーンを所望の網状構造に配列することができる。別のコーティング方法では、最初に繊維層を配列し、続いてこの層を母材材料を含む溶液浴に浸漬し、次いで溶媒を蒸発させて乾燥することができる。浸漬手順は所望により数回繰り返して、繊維上に所望の量の母材材料を置くことができる。
ポリマーを溶解または分散させ得る任意の液体を使用することができるが、好ましい溶媒群としては、水、パラフィン油及び芳香族溶媒または炭化水素溶媒が挙げられ、代表的な具体的溶媒としてはパラフィン油、キシレン、トルエン、オクタン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン(MEK)及びアセトンが挙げられる。溶媒にコーティングポリマーを溶解または分散させるために使用される方法は、種々の基板上に同様の材料をコーティングするのに通常使用する方法である。
繊維を高温延伸操作にかける前に、溶媒を繊維から除去する前後に(ゲル紡糸繊維形成法を使用する場合)、高弾性率前駆体(ゲル繊維)をコーティングするなどの、繊維にコーティングを適用する他の方法を使用することができる。次いで繊維を高温で延伸してコーティング化繊維を製造することができる。
ゲル繊維は、所望のコーティングを実現するための条件の下で、好適なコーティングポリマーの溶液の中を通過させることができる。ゲル繊維中の高分子量ポリマーの結晶化は、繊維が溶液中を通過する前に起きてもよいし、起きなくてもよい。あるいは繊維は、好適なポリマー粉末の流動床中で延伸することができる。さらに延伸操作または他の操作プロセス、たとえば溶媒交換、乾燥などを実施する場合、コーティングは最終繊維の前駆体材料に適用することができる。本発明の最も好ましい態様では、本発明の繊維を最初に母材組成物でコーティングし、続いて織繊維層または不織繊維層に複数の繊維を配列する。そのような手順は当業界では公知である。
母材材料は、選択した母材材料により繊維またはヤーンの少なくとも一つの表面をコーティングし、好ましくは個々の繊維をそれぞれ実質的にコーティングまたは封入する。母材材料を塗布した後、層の中のそれぞれの繊維を圧密化(固化)させる前にそれぞれ接着してもよいし、接着しなくてもよい。この圧密化によってそのようなコーティング済み繊維を一緒に圧迫及び融合することによって複数の繊維またはヤーンを一体化させる。本発明の布帛複合体は好ましくは、圧密化によって単層圧密化繊維網状構造に形成された複数の織または不織繊維層を含む。本発明の好ましい態様では、層は不織繊維を含み、前記圧密化繊維網状構造のそれぞれの繊維層は好ましくは、共通する繊維方向に沿って互いに平行に配置された繊維を含む。そのような一方向に配列された繊維の連続層は、前の層に対して回転させることができる。複合体のそれぞれの繊維層は、それぞれの層の一方向性繊維の繊維方向を隣接する層の一方向性繊維の繊維方向に対して回転させるように、交差して積み重ねることが好ましい。一例としては、必ずしもこの順である必要はないが、第二、第三、第四及び第五層を第一の層に対して+45°、−45°、90°及び0°で回転させた五層構造体が挙げられる。本発明の目的に関しては、隣接層は、もう一つの層の長手方向の繊維方向に対して約0°〜約90°の間の実質的に任意の角度で配列させることができる。好ましい例は、約0°と約90°の配向にある二層が挙げられる。そのように回転された一方向性配列は、たとえば米国特許第4,457,985号、同第4,748,064号、同第4,916,000号、同第4,403,012号、同第4,623,573号及び同第4,737,402号に記載されている。繊維網状構造は、米国特許第6,642,159号に記載されている方法などの種々の公知の方法によって実施することができる。本発明の単層圧密化網状構造は、通常、種々の用途に好ましいように、たとえば約20〜約40層以上の任意の数の交差して積み重ねられた層を包含するものと理解すべきである。
本発明の好ましい態様では、本発明の繊維を最初に上記方法の一つを使用してエラストマー母材組成物でコーティングし、続いて複数の繊維を不織繊維層に配列する。好ましくは、個々の繊維を互いに隣りあうように接触させて配置し、繊維のシート様配列に配列させて、そこでは繊維が共通する長さ方向の繊維方向に沿って互いに実質的に平行に配列している。繊維をそのような配置に配列させる特に効果的な方法では、繊維をエラストマー材料の溶液を含む浴に通して引き出し、次いでシリンダーなどの好適な形の周り及びその長さに沿って一枚のシート様の層に螺旋状に巻き付ける。次いで溶媒を蒸発させて、平行に配置させた繊維のプレプリグシートを残し、これをシリンダー形から剥がして所望のサイズに切断する。あるいは、複数の繊維を同時にエラストマー溶液の浴に通して引き出し、好適な表面上で互いに接近し、実質的に平行な関係となるように配置する。溶媒を蒸発させると、実質的に平行で且つ共通の繊維方向に沿って整列するエラストマーコーティングされた繊維から構成されるプレプリグシートが残る。
好ましくは上記方法を実施して少なくとも二つの一方向性繊維層(unidirectional fiber layer)を形成して、これにより繊維は全ての繊維表面上で母材組成物によって実質的にコーティングされる。その後、好ましくは繊維層を圧密化し、単層圧密化繊維網状構造体とする。これは、一つの層の上面に別の繊維層を積み重ね、続いて全体の構造をヒートセットするために、熱及び圧力をかけて一緒に結合させて、母材材料を流して全ての残りの空隙を塞ぐことによって達成することができる。当業界で公知のように、一つの層の繊維配列方向が、別の層の繊維配列方向に対して回転するように、これらが平行でないように交差して積み重ねられると、優れた耐弾性が得られる。たとえば好ましい構造体は、一つの層の長手方向の繊維方向が別の層の長手方向の繊維方向に対して直角となるように、一緒に配置された本発明の二つの繊維層をもつ。
最も好ましい態様では、一方向に配列した繊維の二つの層を0°/90°配置で交差して積み重ね、次いで成型して前駆体を形成する。この二つの繊維層を、好ましくは層の一つを、0°/90°配向で他の層の幅にわたって連続して交差配置し得る長さに切断し、ユニテープ(unitape)として当業界で公知のものを形成することができる。米国特許第5,173,138号及び同第5,766,725号は連続クロスプライ(cross-plying)用の装置について記載する。次いで得られた連続二層(two-ply)構造を、それぞれの層間の分離材料層と一緒にロールに巻き取ることができる。最終用途用の構造体を形成する準備ができたら、ロールを巻き戻して分離材料をはぎ取る。次いで二層サブアセンブリをスライスして別々のシートに分割し、複数層になるように重ね、次いで必要により最終形状を形成し、母材ポリマーを硬化させるために、熱及び圧力をかける。同様に複数のヤーンを配列して単層を形成する場合には、ヤーンを同様に一方向に配列し交差して積み重ね、続いて圧密化させる。
繊維層を圧密化し、単層圧密化網状構造または布帛複合体にする好適な結合条件としては、慣用の公知ラミネート法が挙げられる。典型的なラミネートプロセスとしては、約200psi(1379kPa)圧力下、約30分間、約110℃で交差して積み重ねられた繊維層を圧縮することが挙げられる。本発明の個々の繊維層の圧密化は、好ましくは約200°F(〜93℃)〜約350°F(〜177℃)の温度、より好ましくは約200°F〜約300°F(〜149℃)の温度、最も好ましくは約200°F〜約250°F(〜121℃)の温度で、約25psi(〜172kPa)〜約500psi(3447kPa)以上の圧力で実施する。当業界で公知のように、圧密化はオートクレーブ中で実施することができる。
加熱時、母材は完全に融解せずに貼り付いたり流れさせたりすることが可能である。しかし、母材材料を融解させる場合、複合材料を形成するには比較的少ない圧力が必要とされるが、母材材料を付着点(sticking point)に加熱だけする場合、通常、圧力はもっと必要である。圧密化段階は通常、約10秒〜約24時間かかる。しかしながら、温度、圧力及び時間は通常、ポリマーのタイプ、ポリマー含有量、プロセス及び繊維のタイプに依存する。
それぞれの布帛層の厚さは、個々の繊維の厚さに依存する。従って、本発明の好ましい単層圧密化網状構造は、約25μm〜約500μm、より好ましくは約75μm〜約385μm、最も好ましくは約125μm〜約255μmの好ましい厚さをもつ。そのような厚さが好ましいが、特定の需要を満足させるために他のフィルム厚さを製造することができ、それも本発明の範囲内に含まれる。
布帛の形成後、これらを種々の用途で使用することができる。繊維の前記単層圧密化網状構造の一つ以上のシートが成形用にさらされる温度及び/または圧力は、使用する高強度繊維の種類に応じて変動する。たとえば、防護パネルは、約150〜約400psi(1,030〜2,760pKa)、好ましくは約180〜約250psi(1,240〜1,720pKa)の圧力及び約104℃〜約127℃の温度のもとで、前記シートの積層体を成型することによって製造することができる。ヘルメットは、約1500〜約3000psi(10.3〜2036MPa)の圧力及び約104℃〜約127℃の温度のもと、前記シートの積層体を成型することによって製造することができる。また、米国特許第4,623,574号、同第4,650,710号、同第4,748,064号、同第5,552,208号、同第5,587,230号、同第6,642,159号、同第6,841,492号及び同第6,846,758号に記載の製品を成形するのに適した方法も好適である。
本発明の布帛複合体は、特に、耐燃性耐弾性「硬質」防護製品の製造に特に有用である。「硬質」防護具とは、相当の圧力がかかったときに、崩壊することなく自立可能な構造的剛性を維持するのに十分な機械的強度をもつ、ヘルメット、軍用車輌用パネルまたは防護シールドなどの製品を意味する。繊維網状構造は、それぞれテキスタイル布帛の高い柔軟性を保持することができ、好ましくは互いに離れたまま、即ち、結合されていなくてもよい。あるいは複数層の布帛を一緒に縫い合わせるか、あるいは接着性物質または熱可塑性若しくは非熱可塑性繊維または材料を使用して一緒に結合することができる。従って、本発明の物品は、結合または非結合配列に組み立てられた複数の不織の耐燃性布帛を含むことができる。単層圧密化網状構造を複数の別々のシートに切断して、物品を形成するために積み重ねることができ、又は、または製品を製造するために使用される前駆体に成形することができる。そのような方法は当業界で公知である。
本発明の衣料品は、当業界で公知の方法により形成することができる。好ましくは衣料品は、本発明の耐燃性布帛と衣類製品とを接合させることによって形成することができる。たとえば、チョッキは、本発明の耐燃性布帛と結合している通常の布帛チョッキを含むことができ、これにより本発明の布帛は戦略的に配されたポケットに挿入される。これによって、チョッキの重量を最小化しつつ、弾道に対する保護を最大化することができる。本明細書中で使用する「接合している(adjoining)」または「接合した(adjoined)」なる用語は、耐燃性耐弾性布帛が場合によりチョッキまたは他の衣料品から容易に取り外すことができるように、別の布帛と一緒に縫い込みまたは接着など、並びに非付着結合または並置することにより取り付けることを含めるものとする。本発明に従って構築した複数層の布帛から構成されたチョッキまたは他の衣料品では、優れた柔軟性と快適性が、優れた弾道防護及び耐燃性と一緒に得られる。柔軟性シート、チョッキ及び他の衣料品などの柔軟な構造体を形成するのに使用される布帛は、低い引っ張り弾性率の母材組成物を使用して布帛から形成することが好ましい。ヘルメット及び防護具などの硬質製品は、高い引っ張り弾性率の母材組成物を使用して布帛から形成するのが好ましい。
布帛の耐燃性は、当業界で公知の標準試験手順を使用して決定する。たとえばASTM E1354試験法(コーン熱量計試験:Cone Calorimeter Testing)では、高温及び火炎(intense heat and flame)(50KWの熱に等しい)をサンプルに適用する。次いで試験片の燃焼の間に、パラメーター数を記録する。
耐弾性は、当業界で公知の標準試験手順を使用して決定する。たとえば、弾道複合体(ballistic composite)のスクリーニング研究では通常、22口径の、特定の重量、硬度及び寸法の非変形性スチール破片(Mil-Spec、MIL-P-46593A(ORD))を使用する。
ある構造体の保護力または耐貫通性は、通常、発射体の50%が複合体を貫通する衝突速度(impacting velocity)(V50としても知られ、防御物によって50%が遮蔽される)を引用することにより表す。本明細書中で使用する物品の「貫入抵抗性(penetration resistance)」なる用語は、銃弾、破片、榴散弾などの物理的物体及び、爆発による爆風などの非物理的物体などの指定された脅威物体(designated threat)による貫通に対する耐性である。表面積で割った複合体パネルの重量に相当する面密度(equal areal density)の等しい複合体の場合、V50が高ければ高い程、複合体の抵抗性も優れている。本発明の布帛の耐弾性は、様々な要因、特に布帛を製造するのに使用した繊維のタイプに応じて変動する。しかしながら、炭化難燃剤を母材組成物に配合すると、以下の実施例で見ることができるように、本発明の布帛の弾道特性にマイナスの影響を与えないという知見が得られた。
本発明を説明するために、以下の非限定的な実施例を提供する。
実施例1(比較例)
0°/90°の二層交差積層不織複合体は、高弾性率ポリエチレン繊維(HMPE)(SPECTRA1000、1100デニール繊維)の層から形成した。HMPE繊維の第一のユニテープは、コームに繊維数クリール(creel:糸巻き)から繊維を通して、一方向性配列を形成して製造した。繊維を母材でコーティングし、続いてキャリヤウエブに置いた。母材ポリマーは、シクロヘキサン溶媒中に溶解したKratonポリマー溶液であった。39gsm繊維面密度をもつコーティング化繊維をオーブンに通して、シクロヘキサン溶媒を蒸発させた。乾燥後、繊維ウエブをロールに巻き取った。このロールの幅は63“であった。繊維ウエブのポリマー含有量は20重量%であった。
第二の同様のユニテープも別に製造した。二つの繊維網状構造体を0°/90°で交差して積み重ね、耐弾性材料の連続ロールを製造する熱及び圧力下で圧密化した。交差して積み重ねた材料の全面密度は98gsmであった。
第一のユニテープの0.22”厚さ、12×12”パネルは、交差して積み重ねた材料を50層積み重ねて成型した。パネルの成型条件は、240°F、500psi圧力で20分であった。パネルは、MIL-P-46593Aに合わせた17グレインフラグメントシミュレーティング発射体(FSP)を使用し、MIL-STD-662F試験法を使用して耐弾性に関して試験した。このパネルのV50は1750フィート/秒(fps)であった。
第二のユニテープの0.1”厚さのパネルは、交差して重ね合わせた材料22層を積み重ねて成形した。このパネルの成形条件は上記と同じであった。4”×4”サンプルを上記パネルから切り出し、耐燃性に関して試験した。ASTM E1354-コーン熱量計試験(Cone Calorimeter Test)を、熱エネルギー50KWを使用してサンプル上で使用した。試験サンプルの平均質量損失率は、12.269kg/m2であり、ピーク熱発生率(peak heat release rate)は645.17KW/m2であり、燃焼の間の平均熱発生率は325.43KW/m2であり、熱放出のピーク率までの時間は110秒であった。
実施例2(比較例)
水性のKratonポリマーエマルションを使用して、第一及び第二のユニテープの両方を形成した以外は、実施例1を繰り返した。ポリマー含有量は16%であった。交差して重ねたロールは、4層(0°、90°、0°、90°)配置を使用して製造した。この4層の交差積み重ねロールの全面密度は250gsmであった。
第一のユニテープの0.22”厚さ、12”×12”パネルは、交差して重ね合わせた材料20層を積み重ねて成形した。このパネルの成形条件は240°F熱と500psi圧力で20分であった。このパネルをMIL-P-46593Aに合わせて17グレインフラグメントシミュレーティング発射体を使用してMIL-STD-662F試験法を使用して耐弾性に関して試験した。このパネルのV50は1825フィート/秒(fps)であった。
第二のユニテープ0.1”厚さのパネルは、交差して重ね合わせた材料9層を積み重ねて成形した。パネルの成形条件は上記と同様であった。4”×4”サンプルを上記パネルから切り出し、耐燃性に関して試験した。ASTM E1354-コーン熱量計試験を熱エネルギー50KWを使用してサンプル上で実施した。試験サンプルの平均質量損失率は、12.334kg/m2であり、ピーク熱発生率は752.45KW/m2であり、燃焼の間の平均熱発生率は308.42KW/m2であり、熱発生のピーク率までの時間は135秒であった。
実施例3
Budit(登録商標)3077BG炭化難燃性ブレンドを複合体の5重量%Kraton(登録商標)ポリマー溶液と混合した以外には、実施例1を繰り返した。母材組成物は、ポリリン酸アンモニウムとメラミン含有材料を含有する膨張性ブレンドを含む炭化難燃剤を含む以下の配合物で構成されていた。
Figure 2009518618
二層交差積み重ねロールは、98gsmの全面密度であった。
第一のユニテープの0.22”厚さ、12”×12”パネルは、難燃性の交差して積み重ねた材料50層を積み重ねて成形した。パネルの成形条件は、240°F熱及び500psiで20分間であった。このパネルを、MIL-P-46593Aに合わせて17グレインフラグメントシミュレーティング発射体を使用してMIL-STD-662F試験法を使用して耐弾性に関して試験した。このパネルのV50は1795フィート/秒(fps)であった。
第二のユニテープの0.1”厚さのパネルは、交差して重ね合わせた材料22層を積み重ねて成形した。パネルの成形条件は上記と同様であった。4”×4”サンプルを上記パネルから切り出し、耐燃性に関して試験した。ASTM E1354-コーン熱量計試験をサンプルで実施し、ここで高熱及び火炎(熱エネルギー50KW)をサンプルに適用した。試験サンプルの平均質量損失率は、9.930kg/m2であり、ピーク熱発生率は521.12KW/m2であり、燃焼の間の平均熱発生率は274.73KW/m2であり、熱発生のピーク率までの時間は100秒であった。
これらのサンプルは、耐弾性布帛の母材組成物に炭化型の難燃剤を添加すると、布帛の耐弾性も構造特性も損なうことなく難燃性が付与されることを示している。
実施例1〜3の結果を以下の表にまとめる。
Figure 2009518618
実施例4
窒素含有協力剤と一緒にポリリン酸アンモニウムを含有する膨張性ブレンドを含む炭化難燃剤を含む以下の母材配合物を使用して、実施例3を繰り返す。
Figure 2009518618
実施例5
膨張性リン含有ブレンドを含む炭化難燃剤を含む以下の母材配合物を使用して、実施例3を繰り返す。
Figure 2009518618
本発明は好ましい態様を参照して記載してきたが、当業者には本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく種々の変形及び変更が可能であることは容易に理解されよう。本請求の範囲は、開示された態様、上記の代替物及びその全ての等価物を網羅するものと解釈すべきである。

Claims (40)

  1. a)前記繊維は結合されて布帛を形成する、配列された複数の繊維であって、約7g/デニール以上の靱性と約150g/デニール以上の引っ張り弾性率を有する前記繊維;及び
    b)前記繊維上に炭化難燃剤を含む母材組成物
    を含む耐燃性耐弾性布帛。
  2. 前記母材組成物がバインダーとブレンドした炭化難燃剤を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  3. 前記母材がバインダー上に炭化難燃剤を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  4. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン放出性の膨張性材料を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  5. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン放出性の発泡性材料を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  6. 前記炭化難燃剤がリン含有材料を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  7. 前記炭化難燃剤がポリリン酸アンモニウム含有材料を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  8. 前記炭化難燃剤が前記布帛の約1重量%〜約20重量%を構成する、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  9. 前記炭化難燃剤が前記布帛の約3重量%〜約10重量%を構成する、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  10. 前記炭化難燃剤が前記布帛の約5重量%〜約7重量%を構成する、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  11. 前記繊維が、長鎖ポリオレフィン繊維、アラミド繊維、ポリベンゾアゾール繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維、液晶コポリエステル繊維、ガラス繊維、炭素繊維及びその組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  12. 前記繊維がポリエチレン繊維を含む、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  13. 前記母材組成物において、37℃で測定した初期引っ張り弾性率が約6,000psi未満である、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  14. 前記母材組成物において、37℃で測定した初期引っ張り弾性率が少なくとも約300,000psiである、請求項1に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  15. 繊維の少なくとも一つの圧密化網状構造を含む耐燃性耐弾性布帛であって、前記繊維の圧密化網状構造は複数の交差して積み重ねられた繊維層を含み、それぞれの繊維層は実質的に平行配列に配列された複数の繊維を含み、前記繊維は約7g/デニール以上の靱性と約150g/デニール以上の引っ張り弾性率をもち、前記繊維はその上に母材組成物を有し、その母材組成物は炭化難燃剤を含み、複数の交差して積み重ねられた繊維層は前記母材組成物により圧密化されて前記繊維の圧密化網状構造を形成する、前記耐燃性耐弾性布帛。
  16. 前記母材組成物がバインダーとブレンドした炭化難燃剤を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  17. 前記母材組成物がバインダー上に炭化難燃剤を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  18. 前記繊維層の各層が、それぞれの隣接する繊維層の繊維方向に対して約90°で交差して積み重ねられている、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  19. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン放出性、膨張性材料を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  20. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン放出性、発泡性材料を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  21. 前記炭化難燃剤がリン含有材料を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  22. 前記炭化難燃剤がポリリン酸アンモニウム含有材料を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  23. 前記炭化難燃剤が前記布帛の約1重量%〜約20重量%を構成する、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  24. 前記炭化難燃剤が前記布帛の約3重量%〜約10重量%を構成する、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  25. 前記炭化難燃剤が前記布帛の約5重量%〜約7重量%を構成する、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  26. 前記繊維が長鎖ポリオレフィン繊維、アラミド繊維、ポリベンゾアゾール繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維、液晶コポリエステル繊維、ガラス繊維、炭素繊維及びその組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  27. 前記繊維がポリエチレン繊維を含む、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  28. 前記母材組成物において、37℃で測定した初期引っ張り弾性率が約6,000psi未満である、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  29. 前記母材組成物において、37℃で測定した初期引っ張り弾性率が少なくとも約300,000psiである、請求項15に記載の耐燃性耐弾性布帛。
  30. 耐燃性耐弾性布帛を含む耐燃性耐弾性製品であって、前記耐燃性耐弾性布帛は、
    a)前記繊維は結合されて布帛を形成する、配列された複数の繊維であって、約7g/デニール以上の靱性と約150g/デニール以上の引っ張り弾性率を有する前記繊維;及び
    b)前記繊維上に炭化難燃剤を含む母材組成物を含む、前記製品。
  31. 成型されたパネルを含む、請求項30に記載の耐燃性耐弾性製品。
  32. 衣類を含む請求項30に記載の耐燃性耐弾性製品であって、前記耐燃性耐弾性布帛は単層網状構造に圧密化された複数の繊維層を含み、ここで前記網状構造の一つ以上は前記衣類に接合されている、前記耐燃性耐弾性製品。
  33. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン放出性の膨張性材料を含む、請求項30に記載の耐燃性耐弾性製品。
  34. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン放出性の発泡性材料を含む、請求項30に記載の耐燃性耐弾性製品。
  35. 前記炭化難燃剤がリン含有材料を含む、請求項30に記載の耐燃性耐弾性製品。
  36. 前記炭化難燃剤が、ポリリン酸アンモニウム含有材料を含む、請求項30に記載の耐燃性耐弾性製品。
  37. 耐燃性耐弾性布帛の製造法であって、
    a)複数の繊維を実質的に平行な一方向性配列に配列させることにより形成される、少なくとも二つの繊維層を形成すること、ここで前記繊維は約7g/デニール以上の靱性と、約150g/デニール以上の引っ張り弾性率をもち、前記繊維は炭化難燃剤を含む母材組成物でコーティングされている;
    b)前記繊維層を配列すること、ここでそれぞれの層の繊維の一方向性配列は、それぞれ隣接する層に対して交差して積み重ねられる;及び
    c)単層圧密化網状構造を形成するのに十分な条件下で、前記交差して積み重ねられた層を結合して、布帛を形成すること、
    を含む前記方法。
  38. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン含有膨張性材料を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記炭化難燃剤が非−ハロゲン含有発泡性材料を含む、請求項37に記載の方法。
  40. 前記炭化難燃剤がリン含有材料を含む、請求項37に記載の方法。
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