JP2009517626A - 加熱した窒素含有ガスの注入を用いる、NOxが低減された石炭燃焼方法及びシステム - Google Patents

加熱した窒素含有ガスの注入を用いる、NOxが低減された石炭燃焼方法及びシステム Download PDF

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Abstract

窒素含有ガス流を加熱し、石炭と搬送ガスとの流れの中へと注入して、窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流を生成する。酸素を、窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流中へと注入して、窒素含有ガスと石炭と搬送ガスと酸素との混合流を生成する。混合した窒素含有ガスと石炭と搬送ガスと酸素とは、燃焼チャンバ内で燃焼させる。
【選択図】 図2

Description

背景
NOxは、一般に、一酸化窒素NOと二酸化窒素NO2とを意味している。双方は、酸性雨及びスモッグ(地表オゾン)問題の主な要因である。微粉炭ボイラの煙道ガスにおけるNOxの配分は、典型的には、95%超がNOであり、残りがNO2である(Mitchell S.C., NOx in Pulverized Coal Combustion, IEA Clean Coal Center Report CCC/05, 1998)。石炭の燃焼の間、NOxの生成は、三つの異なる機構:
・燃料−NOx機構、
・熱−NOx機構、及び
・刺激(prompt)−NOx機構
に由来する。
微粉炭ボイラでは、70%乃至80%のNOxが燃料に束縛された窒素種(燃料−N)から燃料−NOx機構によって形成され、残りのNOxは、大気窒素(N2)から、熱−NOx機構によって(5〜25%)及び刺激−NOx機構(5%未満)によって形成される(Wu Z., NOx control for pulverized coal-fired power stations, IEA Clean Coal Center Report CCC/69, 2002)。それゆえ、微粉炭燃焼におけるNOx形成を理解し、制限することは、燃料−N転化機構と強く関連している。50を超える中間種と数百もの反応とを含んだ複雑な一連の反応は、石炭に束縛された燃料窒素のNOx又はN2への変換を説明する。
燃料−NOx形成プロセスに影響を及ぼす2つの主要のパラメータは、燃料の揮発性物質含量及び化学量論(空燃比)である。石炭窒素含量(束縛された窒素のみ)も、NOx排出レベルに強く影響を及ぼす。石炭は、典型的には、乾燥重量で0.5%乃至3%の窒素を含有している。ちなみに、天然ガスも幾分かの窒素(0.5乃至20%)を含有しているが、それは分子窒素N2であり、それゆえ、燃料−NOx機構によって影響されない。
図1は、燃焼プロセスにおいて燃料−窒素に影響を及ぼす主要な反応を要約している(Zevenhoven R., Kilpinen P., Control of pollutants in flue gases and fuel gases, Picaset Oy, Espoo, ISBN 951-22-5527-8, 2001)。4つの主要な段階を確認することができる。
1−石炭窒素化合物(石炭−N)を、主にHCNとして、幾分かはNHiとして気相中に放出(揮発性−N)する脱揮発成分化(devolatilization)。残りの石炭−窒素化合物は、固相中に留まり(チャコール)、チャコール−Nと呼ばれる。
2−HCNのNHi種への変化。
3−局所的な条件に依存したNHiのNOへの酸化又はN2への還元。
4−幾分かのNOが炎の高温還元性ゾーンへと再循環され、CHiラジカルと接触しながら変換されてN2へと戻される再燃焼。
揮発性−N及びチャコール−Nの双方が、NOとして又はN2として放出され得る。燃料−NOxの形成は、特定の条件を実行してNOよりはむしろN2を生じさせることによって最小化される(Van Der Lans R. P., Glarborg P., and Dam-Johansen K., Influence of process parameters on nitrogen oxide formation in pulverized coal burners, Prog. Energy Combust. Sci. Vol. 23, p. 349-377, 1997; Bowman C.T., Kinetics of Pollutant Formation and Destruction on Combustion, Prog Energy Combust Sci 1 33-45, 1975; and Proceedings of the 6th International Conference on Technologies and Combustion for a Cleaner Environment, Oporto, Portugal, 2001を参照のこと)。
所定の石炭及び粒径については、3つの主な条件が、独立して又は共同して、燃料に束縛された窒素のNOよりはむしろ分子窒素N2への転化を促進する。
− バーナレベルにおける燃料リッチ(還元性)条件:脱揮発成分化段階の間、炉内に燃料リッチ「ゾーン」を配置することにより、気相中の窒素種(揮発性物質)は、NOへと酸化されるよりはむしろ分子窒素(N2)へと還元され易い。
− 燃焼の早い段階における高い温度は、揮発性物質の収率を増加させる。揮発性物質はバーナ出口の近傍で燃焼するので、揮発性−N(気体)からN2への転化の制御は、チャコール−N(固体)からN2への転化よりも遥かに容易である。また、バーナ出口における高い温度は、再循環されたNOの再燃焼率と揮発性−NのN2への転化率とを増加させる(Sarofim A. F., Pohl J. H., Taylor B.R., Strategies for Controlling Nitrogen Oxide Emissions during Combustion of Nitrogen-bearing fuels, 69th Annual Meeting of the AIChe, Chicago, IL, 1976; and Bose A.C., Dannecker K.M. and Wendt J.O.L., Energ. Fuel, Vol. 2, p.301, 1988を参照のこと)。
− ボイラ中の高温還元性ゾーンにおける長い滞留時間は、燃料−NからN2への及びNOからN2へのより高い転化へと導く。
以前の研究は、酸素を単独で使用し、NOx形成を低減したことを示している。安全及び他の懸念のせいで、酸素は、比較的低温で及び燃焼の直前にバーナ内に注入していた。
要約
或る方法とこの方法を実行するためのシステムとが提供される。窒素含有ガス流は、加熱され、石炭及び搬送ガス流中へと注入されて、窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流を生成する。この窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流は、燃焼チャンバにおいて、酸素を用いて燃焼させられる。
図面の簡単な説明
本システム及び方法の本質及び目的の更なる理解のために、添付の図面と共に、以下の詳細な説明への参照が為されるべきである。これら図面において、同様の要素には同一又は類似した参照番号が付されており、ここで、
図1は、燃焼プロセスにおいて燃料−窒素に影響を及ぼす主要な反応を要約した略図であり、
図2は、バーナの上流における酸素注入を伴うシステムの概略図であり、
図3は、バーナの位置における酸素注入を伴うシステムの概略図であり、
図4は、矩形アパーチャを備えた管状注入素子の斜視図であり、
図5Aは、管状注入素子において使用する円形アパーチャの略図であり、
図5Bは、管状注入素子において使用する矩形アパーチャの略図であり、
図5Cは、管状注入素子において使用する三角形アパーチャの略図であり、
図5Dは、管状注入素子において使用する楕円形アパーチャの略図であり、
図6は、3組の矩形アパーチャを有している管状注入素子の斜視図であり、
図7は、漸減的により短くなった3組の矩形アパーチャを備えた管状注入素子の斜視図であり、
図8は、千鳥状(staggered)パターンで配置された矩形アパーチャを備えた管状注入素子の斜視図であり、
図9は、上下に不均一な矩形アパーチャの分布を有している管状注入素子の斜視図であり、
図10は、矩形アパーチャを備え、空力的な尖った先端を有している管状注入素子の斜視図であり、
図11は、矩形アパーチャを備え、空力的な丸まった先端を有している管状注入素子の斜視図であり、
図12は、楕円形アパーチャを備え、空力的な丸まった先端を有している管状注入素子の斜視図であり、
図13は、楕円形アパーチャを備え、空力的な尖った先端を有している管状注入素子の斜視図であり、
図14は、楕円形アパーチャを備え、空力的な丸まった先端を有している管状注入素子の斜視図であり、
図15Aは、窒素ランスに設置された渦発生部(swirler)と、燃料ダクトの内壁に設置された接線方向注入型注入素子とを備え、それらの渦巻及び接線方向の注入は大まかに同一方向である2つの注入の斜視図であり、
図15Bは、窒素ランスに設置された渦発生部と、燃料ダクトの内壁に設置された接線方向注入型注入素子とを備え、それらの渦巻及び接線方向の注入は大まかに反対方向である2つの注入の斜視図であり、
図16は、渦発生部の開口及び壁の幅を示す側面図であり、
図17は、互いから放射状に離間し、一端に少なくとも1つのアパーチャを備えた脚を有している4つの注入素子の斜視図(空力的先端は図示していない)であり、
図18は、図17の注入素子構成の側面図(空力的先端を図示した)であり、
図19は、図17の注入素子構成の正面図(空力的先端を図示した)であり、
図20は、フィン構成を有している二重注入素子構成(two-injection element configuration)の正面図であり、
図21は、図20の二重注入素子構成の側面図であり、
図22Aは、上下方向に配向した楕円形の断面形状を有している軸方向注入素子(axial injection element)の側面図であり、
図22Bは、水平方向に配向した楕円形の断面形状を有している軸方向注入素子の側面図であり、
図23は、軸に対して或る角度で酸素を注入するべく一端で放射状に離間した3つのアパーチャを有している管状注入素子の斜視図であり、
図24Aは、1つの円の中に配置された複数の円として構成された複数のアパーチャを備え、1つのアパーチャがその中心に位置した管状注入素子の側面図であり、
図24Bは、複数のアパーチャからなる鋸歯形状パターンを周縁部に備えた管状注入素子の側面図であり、
図24Cは、複数のアパーチャからなる4つの楔型パターンを備えた管状注入素子の側面図であり、
図24Dは、星形状アパーチャを備えた管状注入素子の側面図であり、
図24Eは、湾曲した十字形状のアパーチャが中心に設けられた管状注入素子の側面図であり、
図24Fは、図24Eと類似しているが、より大きな幅を有し、周縁部で広がった、湾曲した十字形状のアパーチャを備えた管状注入素子の側面図である。
好適な態様の説明
燃焼に先立ち、石炭の温度を上昇させて揮発性物質を酸素欠乏環境中へと安全に解放させると、NOx形成機構が妨げられ得る。これは、ここに提案する方法及びシステムでは、バーナの上流に高温窒素含有ガス流を注入することによって、そして、任意に、酸素含有ガスをバーナ内に又はバーナの直ぐ上流に注入することによって達成される。高温窒素含有ガスのO2欠乏環境中での注入は、揮発性物質を解放する石炭の脱揮発成分化を生じさせ、また、それらをN2へと分解し得る。チャコール中の燃料に束縛された窒素も、N2へと分解され得る。また、このプロセスは、揮発性物質−N及びチャコール−Nの主燃焼ゾーンにおける滞留時間を増加させ、これにより、N2への分解に有利に作用する。更に、NOxの還元は、注入される窒素を補償し、燃料リッチ条件において炎の温度を高める酸素含有ガスのバーナ内又はバーナの直ぐ上流における任意の注入によって得られる。双方のプロセスが、NOxの代わりにN2の形成を促進する。
低減されたNOx排出で石炭を燃焼させるためのシステムは、石炭と搬送ガスとの混合物の供給源と、酸素含有ガスの供給源と、窒素含有ガスの供給源と、窒素供給源からの窒素を加熱するように適合され且つ構成された加熱デバイスと、燃焼チャンバと、燃焼チャンバの壁に設置されたバーナと、石炭と搬送ガスとの混合物の供給源と流体的に連絡した燃料ダクトであって、バーナに向けて延びた燃料ダクトと、加熱デバイス及び燃料ダクトと流体的に連絡した窒素含有ガス注入素子であって、加熱した窒素含有ガスを加熱デバイスから石炭と搬送ガスとの混合物流中へと注入し、それらを燃料ダクトの内側で互いに混合するように適合され且つ構成された窒素注入素子とを含んでいる。
低減されたNOx排出で石炭を燃焼させる方法は、以下の工程を含んでいる。窒素含有ガス流を加熱する。加熱した窒素含有ガス流は、石炭と搬送ガスとの流れの中に注入し、窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流を生成する。混合した窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとは、燃焼チャンバの壁に設置されたバーナの位置に導入する。石炭は、燃焼チャンバ内で酸素を用いて燃焼させる。
このシステム又は方法は、以下の側面の1つ以上を含み得る。
− 酸素含有ガス注入素子が、酸素の供給源及び燃料ダクトと流体的に連絡し、この酸素含有ガス注入素子は、窒素含有ガス注入素子が燃料ダクトと流体的に連絡した位置の下流であってバーナの上流又はバーナの位置で燃料ダクトと流体的に連絡し、この酸素含有ガス注入素子は、酸素含有ガス供給源からの酸素含有ガスを加熱した窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流中へと注入するように適合され且つ構成されていること。
− 酸素含有ガスの供給源と窒素含有ガスの供給源とは、空気分離ユニット(ASU)を備えていること。
− 搬送ガスは、酸素含有ガス供給源からの酸素含有ガスと混合された燃焼チャンバからの煙道ガスを含んでいること。
− 加熱デバイスは、窒素含有ガス供給源からの窒素に炎から熱を直接に与えるように適合され且つ構成されていること。
− 加熱デバイスは、窒素含有ガス供給源からの窒素含有ガスと、燃焼チャンバにおける石炭と酸素との燃焼に由来する熱との間で熱交換するように適合され且つ構成された熱交換器であること。
− 搬送ガスは、酸素と混合された燃焼チャンバからの煙道ガスであること。
− 加熱デバイスは、窒素含有ガス供給源からの窒素含有ガスと、燃焼チャンバにおける石炭と酸素との燃焼に由来する熱との間で熱交換するように適合され且つ構成された熱交換器であること。
− 加熱デバイスは、窒素含有ガス供給源からの窒素含有ガスと、燃焼チャンバにおける石炭と酸素との燃焼に由来する熱との間で熱交換するように適合され且つ構成された熱交換器であること。
− 前記搬送ガスは空気であること。
− 酸素含有ガス注入素子は、バーナの位置で燃料ダクトと流体的に連絡していること。
− 窒素含有ガス注入素子は、燃料ダクトの周縁部で燃料ダクトと流体的に連絡していること。
− 窒素含有ガス注入素子は、燃料ダクトの中心軸に沿って燃料ダクトと流体的に連絡していること。
− 酸素含有ガス注入素子は、燃料ダクトの周縁部で燃料ダクトと流体的に連絡していること。
− 酸素含有ガス注入素子は、燃料ダクトの中心軸に沿って燃料ダクトと流体的に連絡していること。
− 窒素含有ガス及び酸素は、ASUから得られること。
− 窒素含有ガス流を加熱する工程は、炎からの熱を窒素流に直接に与えることを含んでいること。
− 窒素含有ガス流を加熱する工程は、炎からの熱を、熱交換器を介して窒素流へと間接的に与えることを含んでいること。
− 窒素含有ガス流を加熱する工程は、燃焼させる工程からの熱を、熱交換器を介して窒素流へと間接的に与えることを含んでいること。
− 窒素含有ガス流を、所望のレベルの脱揮発成分化が起こるように加熱すること。
− 窒素含有ガス流を、約1,000°F乃至約1,800°Fの範囲内の温度へと加熱すること。
− 加熱した窒素含有ガス流の注入が、石炭中の殆どの揮発種の脱揮発成分化を生じさせること。
− 燃焼させる工程から生成した何れかの煙道ガスの少なくとも幾分かを集め、酸素含有ガスをこの集めた煙道ガス中へと注入して互いに混合し、混合した酸素と煙道ガスとをバーナへと導くこと。
− 酸素含有ガスを、混合した酸素含有ガスと煙道ガスとにおける酸素濃度が約3%乃至約20%となるような量で、集めた煙道ガス中へと注入することと、
− 窒素含有ガス流を加熱する工程が、燃焼させる工程からの熱を、熱交換器を介して窒素流へと間接的に与えることを含んでいること。
また、ここに提案する方法及びシステムは、石炭燃焼プロセスにおける燃料−NOx形成を低減させる。先の節に記載したように、燃料に束縛されたNは、脱揮発成分化が起こる局所的な条件に依存して、分子N(N2)又はNOへと変換され得る。高温窒素含有ガスを石炭流中に注入すると、還元性環境において、揮発性物質と燃料によって束縛されたN化合物とが解放される。還元性環境は、石炭由来のN化合物をN2へと転化させる。
注入すべき窒素含有ガスの温度及び量は、石炭のタイプとNOx低減目標とに依存する。窒素含有ガスの温度は、石炭中の揮発種の脱揮発成分化温度よりも高い温度であるように選ばれる。様々な一般的なタイプの石炭の揮発特性は、よく知られている。特定のタイプの石炭の場合、揮発特性は、既知の方法によって実験的に測定されるかもしれない。一般的に言えば、温度は、燃焼させる特有のタイプの石炭について所望の程度の脱揮発成分化が起こるように選択すべきである。好適な温度は、約1,000°F乃至約1,800°Fの範囲内にある。窒素含有ガス注入の位置は、脱揮発成分化と窒素含有ガスへの転化とが起こるのに丁度十分な滞留時間があるように戦略的に決定すべきである。この距離を超えて高温の窒素含有ガスを注入することは、揮発性物質は非常に引火し易く、好ましくない燃焼が起こり得るので、安全面の問題を招き得る。
窒素含有ガスは、純窒素である必要はない。実際、大部分の窒素と微量の他のガスとを有している気体混合物は、このプロセス及びシステムを用いた使用に好適である。そのような微量成分は、O2並びにAr及びCO2などの不活性ガスを含んでいる。加熱すべき窒素含有ガス及びO2の双方について好ましい供給源は、空気分離ユニット(ASU)からのものである。好適なASUは、圧力スイング吸着(PSA)、真空スイング吸着(vacuum swing adsorption:VSA)、極低温蒸留、及び膜透過によって動作するものを含んでいる。これらASUタイプからの窒素富化及び酸素富化流における典型的なN2及びO2濃度は、よく知られており、ここで繰り返す必要はない。窒素の他の供給源は、窒素と煙道ガスとを含んだ気体混合物を含み得る。
混合した窒素含有ガスと搬送ガスと石炭との中へと任意に注入すべき酸素含有ガスも、純粋である必要はない。好適なガスは、空気よりも高く、100%の純酸素までの酸素濃度を有しているものを含んでいる。
ASUからのN2の場合、窒素含有ガスは、「直接加熱(direct fired)モード」又は「間接加熱(indirect fired)モード」で加熱され得る。直接加熱モードでは、流入する窒素含有ガスは、小さな炎と直接に接触することによって加熱される。間接加熱モードでは、窒素含有ガスは、熱交換器において、小さな炎から又は燃焼プロセスから熱を奪うことによって加熱される。
燃料リッチな炎の条件では、主要な燃焼ゾーンにおける酸素の注入は、温度を上昇させる。このより高温の還元性環境は、石炭から解放された残留揮発性物質からのN2の形成を促進する。任意の酸素含有ガス注入を選択する場合、酸素含有ガスは、安全面の目標及び石炭/搬送ガス/窒素含有ガス流との良好な混合の双方を達成する位置で注入される。この位置は、望ましくは、酸素富化された局所的なポケットにおける石炭粒子の部分燃焼を招くリスクを低減するために、バーナののどの蒸留である。これと同時に、この位置は、酸素含有ガスと石炭/搬送ガス/窒素含有ガスとの混合が殆どないほどバーナに近くはない。
搬送ガスは、粒子貯蔵又は発生位置、例えばミルからバーナレベル及び燃焼チャンバへと燃料粒子を搬送するあらゆるガスを含んでいる。例えば、このガスは、微粉化した又は微粒化した石炭を石炭燃料ボイラにおいて搬送するのに使用する一次空気を含み得る。好ましい搬送ガスは、空気及び再循環煙道ガスと酸素との混合物である。典型的には、再循環煙道ガスと酸素との混合物は、約60〜90%のCO2と、5〜20%のN2と、3〜20%のO2とを含んでいる。再循環煙道ガスと酸素との特に好ましい混合物は、約80%のCO2と約20%のO2とを含有している。
幾つかの異なるタイプの注入素子を使用してもよい。なお、窒素含有ガス及び酸素含有ガス注入素子の各々は、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。以下は、注入素子の幾つかの例である。
この方法を実行するためのシステムは、図2〜9に最もよく例示されている。図2に最もよく例示されているように、或る態様では、石炭及び搬送ガス流1は、燃料ダクト8へと入る。第1注入素子3からの加熱した窒素含有ガス流は、素子3の下流で、石炭及び搬送ガスと混合される。酸素含有ガスは、任意に、混合した石炭、搬送ガス及び窒素含有ガス中へと、バーナ9の上流の注入素子4によって注入される。混合した窒素含有ガス、酸素含有ガス(任意に注入された場合は)、石炭及び搬送ガスは、バーナを介して燃焼チャンバ6へと導入され、そこで燃焼7が起こる。
図3に最もよく例示されているように、他の態様では、石炭及び搬送ガス流1は、燃料ダクト8へと入る。第1注入素子3からの加熱した窒素含有ガス流は、素子3の下流で、石炭及び搬送ガスと混合される。酸素含有ガスは、任意に、混合した石炭、搬送ガス及び窒素含有ガス中へと、バーナ9の位置の注入素子5によって注入される。混合した窒素含有ガス、酸素含有ガス(任意に注入された場合は)、石炭及び搬送ガスは、バーナ9を介して燃焼チャンバ6へと導入され、そこで燃焼7が起こる。
なお、注入素子3,5は、燃料ダクト8の軸に沿って中心に配置されている必要はない。むしろ、それらは、燃料ダクト8の周縁部に沿って配置されていてもよい。これら多様な構成の幾つかは、以下の注入素子設計の幾つかにおいて最もよく例示されている。
放射状注入式注入素子設計:
図4に最もよく例示されているように、或る注入素子10は、閉じた端16と複数の矩形アパーチャ13とを有している管である。この設計は、この注入素子10の周面からの放射状の注入を提供する。
これらアパーチャの長さD1及び幅D2は、隣り合った2つのアパーチャ間の周方向アーク距離D0と同様に、運動量比J(酸素含有ガス又は窒素含有ガスジェット運動量の非気体状燃料/搬送ガス流の運動量に対する比)を制御するべく変化させてもよい。D1、D2及びD0は、一次流又は必要に応じて窒素含有ガスと混合した一次流中への注入ガスの浸透(penetration)も制御する。小さなD2/D1比(流線形の矩形アパーチャ)は、石炭などの固形燃料粒子への摂動を最小化するであろう。大きなD2/D1比(ブラッフボディ(bluff-body)スロット)は、固相に対してより大きな影響を有し、微粉炭などの固形燃料粒子をバーナ一次空気ダクトの中心線から押しやるであろう。これら2つの異なるアスペクト比は、ダクト出口における粒子と窒素又は酸素との異なる分布へと導くであろう。
これら3つのパラメータS1、D1及びD2は、更には、一次流又は必要に応じて窒素含有ガスと混合した一次流中への注入ガスの浸透も制御する。小さなD2/D1比(流線形のスロット)は、固相への摂動を最小化するであろう。大きなD2/D1比(ブラッフボディスロット)は、固相に対してより大きな影響を有し、石炭粒子をバーナ一次空気ダクトの中心線から押しやるであろう。これら2つの異なるアスペクト比は、ダクト出口における粒子と窒素又は酸素との異なる分布へと導くであろう。図5A〜5Dに示すように、スロットの形状自体は、円形、矩形、三角形又は楕円形とすることができる。
図6に示すように、注入素子20は、軸方向に延びた複数の行内で注入素子20の軸に沿って配列した複数のアパーチャ23を含んでいる。このパターンは、同一の行内で隣り合った2つのアパーチャ23間の軸方向距離D3が十分に大きい場合にはより良好な混合を達成する。アパーチャ23間の距離D3は、同一とすることができ、また、軸方向において閉じた端26に向けて変化させることもできる。
図7に最もよく例示されているように、注入素子30におけるアパーチャ33の長さ寸法D1、D4及びD5は、閉じた端36の方向に向けて短から長へと変化していてもよい。或いは、これら長さ寸法は、短から長、長から短、長から短を経て再び長、短から長を経て再び短、及び他の順列の何れの順序でも変化し得る。加えて、寸法D1又はD2は、方位(半径)方向にも変化し得る。これは、一次流中への注入ガスの浸透のより正確な制御を提供する。最後に、D3は、混合及び粒子の最小再分布(mixing and minimal redistributions of particles)を最適化する各プロセスの条件に合わされ得る。
図8に示すように、注入素子40において、アパーチャ43は、軸方向に延びている必要はない。むしろ、それらは、互いに対して異なる角度Θで千鳥状に配置されていてもよい。Θは、180°未満(流線形のスロット/軸方向スロット)から90°(ブラッフボディスロット/半径方向スロット)まで変化し得る。
図9に示すように、注入素子50は、方位方向に均一なアパーチャ53の分布を有している必要はない。前述のように、石炭燃料ボイラでは、石炭粒子搬送量(loading)は、断面全体に亘って常に均一である訳ではない(時々、所謂「ローピング(roping)現象」のせいで)。石炭の場合、注入素子50の底部における石炭/搬送ガス(又は石炭/搬送ガス/窒素含有ガス)流56の粒子濃度は、注入素子50の頂部における石炭/搬送ガス(又は石炭/搬送ガス/窒素含有ガス)流57のそれよりも高いかも知れない。この図面において、矢印の太さは、ガス流中の粒子の搬送量を示している。これによってもたらされる利益は、粒子搬送量がより小さい位置59と比較して、粒子搬送量がより大きい位置58において、より多くの窒素含有ガス又は酸素含有ガスが導入され得ることである。これは、各々がより高いレベルのNOxへと導き得る、脱揮発成分化の可能性がより低い局所的ポケット(窒素含有ガス注入の場合)又は燃料リーンな局所的ポケット(酸素含有ガス注入の場合)を生じる可能性を減少させる。この問題及び解決法に関し、粒子搬送量分布は、実験的な又はモデル化による研究によって容易に決定され得る。
注入素子設計10,20,30,40に類似して、アパーチャ53は、千鳥状であってもよく、軸方向及び方位方向に寸法が変化していてもよい。アパーチャ53間の距離、アパーチャ53の行の数、又はアパーチャ53の表面積も、変化させることができる。
この注入素子50は、バーナの幾何が石炭分級器(concentrator)又は分割器(splitter)を含んだ石炭燃料ボイラ(従来技術において微粉炭バーナからのNOx排出を低減するものとして分かっている技術)に対して特に有益な用途を有している。様々なレベルの窒素含有ガス又は酸素含有ガス注入を配置して、石炭がよりリッチなゾーンにおいて、より高いN2又はO2濃度を達成してもよい。結果として、石炭とN2との間(窒素含有ガス注入の場合)の及び石炭とO2との間(酸素含有ガス注入の場合)の当量比(equivalence ratio)が、より石炭リッチなゾーン(濃縮ゾーン)及びより石炭リーンなゾーンにおいて制御され得る。
空力的注入素子設計:
図10〜14に示すように、注入素子100,110,120,130,140は、空力的な閉じた端106,116,126,136,146を有していてもよい。空力的な形状は、石炭/搬送ガス流(窒素含有ガス注入の場合)の又は石炭/搬送ガス/窒素含有ガス流(酸素含有ガス注入の場合)の再循環、並びに、注入素子100,110,120,130,140のウェークにおける粒子欠乏及び低/逆速度ゾーンの生成を低減させる傾向にある。
図10の注入素子100を参照すると、矩形アパーチャ103は、閉じた端106に、図1〜7に記載した全ての置換において付加することができる。閉じた端106は、尖っており、点P1で終端し得る。距離D8及びD9並びに線L1及びL2によって規定される角度αは、最短距離における混合を最適化し且つ非気体状燃料への最小の外乱をもたらすべく変化させることができる。
図11の注入素子110を参照すると、矩形アパーチャ113は、閉じた端116に、図1〜7に記載した全ての置換において付加することができる。閉じた端116は、線L4及びL5の交点に位置した点P2まで延びる代わりに丸まっている。距離D10及びD11並びに線L4及びL6によって規定される角度δは、最短距離における混合を最適化し且つ非気体状燃料への最小の外乱をもたらすべく変化させることができる。
図12に例示するように、楕円形(又は円形)アパーチャ123A,123B,123Cが、注入素子120に存在していてもよい。注入素子120は、丸まった先端126へと延びている。アパーチャ123A,123B及び123Cの各々は、窒素含有ガス又は酸素含有ガス流PA,PB,PCを、石炭/搬送ガス(窒素含有ガス注入の場合)の又は石炭/搬送ガス/窒素含有ガス(酸素含有ガス注入の場合)の混合流中へと、ランスの軸に対して或る角度で注入するように構成されている。
図13に示すように、楕円形(又は円形)アパーチャ133A,133B,133Cが、注入素子130に存在していてもよい。注入素子130は、尖った先端136へと延びている。アパーチャ133A,133B及び133Cの各々は、窒素含有ガス又は酸素含有ガス流PD,PE,PFを、石炭/搬送ガス(窒素含有ガス注入の場合)の又は石炭/搬送ガス/窒素含有ガス(酸素含有ガス注入の場合)の混合流中へと、ランスの軸に対して或る角度で注入するように構成されている。
渦巻式注入素子設計:
この節において紹介する設計は、特許されたOxynator(登録商標:米国特許第5,356,213号)の概念に基づいている。それは、混合距離を最小化し、管壁近傍における高い窒素又は酸素濃度を防止するように設計されている。
第1の構成に関しては、図14に例示するように、壁232A,232Bによって規定される導管に対する燃料ダクト231の配置は、管の中の管である。窒素含有ガスは、酸素ランス236から中央の注入素子235へと供給される。それは、渦S2を伴って注入される。酸素含有ガスは、導管239から単一の周縁注入素子234へと供給され、それは、燃料ダクト231の内壁と面一に配置される。酸素含有ガスは、燃料ダクト231の内壁から注入素子234によって渦S1を伴って注入される。渦S1,S2の方向は、同一であってもよく、異なっていてもよい。周縁注入素子234へと続き、そこから延びた流路を空力的に(ベンチュリのように)設計して、流れへの最小の外乱をもたらすことができる。換言すれば、注入素子234の肩を使用することができる。また、燃料ダクト238は、注入素子231A,231Bを超えて延びている必要はないことも理解されるべきである。
第2の構成に関しては、導管239は、実際に、燃料ダクト231を取り囲んだ複数の導管であり、それらの何れか又は全ては注入素子234を与えてもよい。
図15Aに示すように、Oxynator(登録商標)に基づいた他の設計は、壁242A,242Bによって規定された導管249によって囲まれた燃料ダクト241を含んでいる(当業者には、二次又は遷移流ゾーンとして知られている)。燃料ダクト241の中心軸には、窒素含有ガスランス244が設置されており、その一端は注入素子244である(Oxynator(登録商標)に基づいて)。燃料ダクト241の内壁に沿って、複数の接線方向注入型注入素子245A,245B,245C,245Dが配置されている。運転中、ランス244によって注入素子244へと供給された窒素含有ガスは、燃料ダクト241中へ、渦S3を伴って注入される。導管249によって注入素子245A,245B,245C,245Dへと供給された酸素含有ガスは、燃料ダクト241中へと、渦S3と同じ方向の渦S4を伴って、燃料ダクト241に対して接線方向に注入される。
図15Bに示すように、Oxynator(登録商標)に基づいた他の設計は、壁252A,252Bによって規定された導管259によって囲まれた燃料ダクト251を含んでいる(当業者には、二次又は遷移流ゾーンとして知られている)。燃料ダクト251の中心軸には、窒素含有ガスランス254が設置されており、その一端は注入素子254である(Oxynator(登録商標)に基づいて)。燃料ダクト251の内壁に沿って、複数の接線方向注入型注入素子255A,255B,255C,255Dが配置されている。運転中、ランス254によって注入素子254へと供給された窒素含有ガスは、燃料ダクト251中へ、渦S5を伴って注入される。導管259によって注入素子255A,255B,255C,255Dへと供給された酸素含有ガスは、燃料ダクト251中へと、渦S5に対して反対方向の渦S6を伴って、燃料ダクト251に対して接線方向に注入される。
図14、15A及び15BのOxynator(登録商標)に基づいた全ての設計は、以下のように変化させてもよい。図16に示すように、隣り合った2つの羽根の間の空間221の円周方向の境界に沿った注入素子アーク222は、寸法A1を有している。他方、羽根223の円周方向の縁は、寸法A2を有している。羽根223の数並びに寸法A1及びA1は、混合及び粒子搬送量を最適化するべく変化させてもよい。寸法A1,A2の比は、注入速度を、それゆえ、ジェットの浸透を最適化するように選択してもよい。小さなA2/A1比は、固相への外乱を最小化するのに好ましい。
ブラッフボディ注入素子設計:
酸素含有ガスは、ほぼ単一の軸方向位置に位置した複数の位置で、複数の異なる注入阻止によって注入してもよい。
図17〜19によって示されるように、ランス部301からは、第1及び第2部分302A,303Aと、第2部分302Aの一端に位置した少なくとも1つのアパーチャ304Aとを有している脚部材を備えた注入素子が延びている。他の注入素子も同様に、第1及び第2部分(302B,303B;302C,303C,302D,303D)と、第2部分302B,303C,303Dの一端に位置した少なくとも1つのアパーチャ304B,304C,304Dとを有している脚部材を備えている。明確化の目的で図17には描いていないが、ランス部301の端の位置であって、ランス部301と第1部分302A,302B,302C,302Dとの間の接合の直後に、空力的先端306を含んでいる。
図19によって例示されるように、各注入素子は、高さ及び長さ寸法D13,D14を有している。これら注入素子は、窒素含有ガス又は酸素含有ガスを、燃料ダクト中へと、燃料ダクトの軸に対して並びに線L10及びL11によって規定される角度βで注入する。これら注入素子を様々な位置に戦略的に配置することにより、酸素と石炭/搬送ガスとの混合は、ジェット運動量を制御することによって高められる。これら全ての注入素子の流れ面積(flow area)に垂直な累積投影面積(cumulative projection area)は、一次流の流れ面積よりも遥かに小さい。それゆえ、これら注入素子は、粒子搬送流の流動を顕著には妨げない。この設計において、寸法D13及びD14、注入角度β、及び各アパーチャの径は、窒素含有ガスの浸透又は酸素含有ガスの浸透と局所的な混合とを正確に制御すべく独立して調節され得る。
図20〜21に示すように、第1及び第2部分は、より流線形の形状で置換される。ランス部401からは、放射状に離間したフィン402が延びている。図19の側面図は、石炭/搬送ガスの流れに対して垂直に向いた少なくとも2つのフィンの表面上の複数のアパーチャ403を描いている。しかしながら、このタイプの表面、このフィンの他方側の反対面、又はフィンの下流に向いた面は、注入ガスをそのジェット運動量及び局所的浸透の正確な制御と共に導入すべく、アパーチャ403を有していてもよい。
ランス部402は、空力的先端406を有している空力的本体405において終端している。フィン402の各々は、空力的な流線形形状を有している。アパーチャ403は、図3A〜3Dに示すように、円形の穴、スロット、スリット、及び他の形状の開口として構成される。
図16〜21の全てのブラッフボディ設計において、ランスの端の何れかの先端の形状は、1つ以上の開口を備えているか又は備えていない空力的設計を有している。この先端状の開口は、前述した何れの設計であってもよい。
軸方向注入型注入素子設計:
他のタイプの注入素子は、窒素含有ガス又は酸素含有ガスを、石炭/搬送ガスの流れの中へと、下流に向いた表面から注入するように構成されている。この表面は、あらゆる形状のあらゆる数のアパーチャを有し得る。図24A〜Fに、幾つかの代表的な形状701A〜Fが最もよく示されている。アパーチャの数、寸法、形状及び注入角度は、混合と固形燃料搬送とを最適化するために調節され得る。
出口端近傍に配置されたバッフルは、窒素含有ガス及び/又は酸素含有ガスの均一な混合を促進し得る(バッフルの使用は、出口端における乱流を増加させることによってより効果的な混合を達成するので、従来技術の設計を上回る改良である)。様々なバッフルの数、形状及び寸法が用いられてもよい。管から出るジェットの速度制御はバーナの空気動力学を左右する決定的なパラメータであるので、これらバッフルの断面積は、注意深く選ばれるであろう。
類似したタイプの軸方向注入型注入素子は、異形断面を有している。重力は粒子の動きに影響を及ぼすので、例えば、楕円形の鉛直断面は、粒子の軌跡に対する外乱がより小さく、同時に、改良された混合を提供し得る。管の断面の変形は、窒素含有ガス又は酸素含有ガスの軸方向ジェットの速度を低下させるか又は上昇させることを可能とする。図22Aに最もよく例示されているように、窒素又は酸素ランス503は、水平に配向した楕円形の端503で終端している。同様に、図22Bは、垂直に配向した楕円形の端505を描いている。
図23に示すように、他の軸方向注入型の注入素子は、下流側の表面に放射状に離間したアパーチャ602A,602B,602Cを有している部材601を含んでいる。アパーチャ602A,602B,602Cの各々は、窒素含有ガス又は酸素含有ガスの流れF4,F5,F6を、燃料ダクトの軸に対して或る角度で注入するように構成されている。
本発明の実施に好適なプロセス及び装置を説明した。本発明の真意及び範囲から逸脱することなしに、上述した態様に多くの変更及び修飾が為されてもよいことは、当業者に理解されるであろうし、また、明白である。前述したものは単なる例示であって、複数の側面が添付の請求の範囲に記載された本発明の真の範囲から逸脱することなしに、この方法及びシステムの他の態様が用いられてもよい。
燃焼プロセスにおいて燃料−窒素に影響を及ぼす主要な反応を要約した略図。 バーナの上流における酸素注入を伴うシステムの概略図。 バーナの位置における酸素注入を伴うシステムの概略図。 矩形アパーチャを備えた管状注入素子の斜視図。 管状注入素子において使用する円形アパーチャの略図。 管状注入素子において使用する矩形アパーチャの略図。 管状注入素子において使用する三角形アパーチャの略図。 管状注入素子において使用する楕円形アパーチャの略図。 3組の矩形アパーチャを有している管状注入素子の斜視図。 漸減的により短くなった3組の矩形アパーチャを備えた管状注入素子の斜視図。 千鳥状パターンで配置された矩形アパーチャを備えた管状注入素子の斜視図。 上下に不均一な矩形アパーチャの分布を有している管状注入素子の斜視図。 矩形アパーチャを備え、空力的な尖った先端を有している管状注入素子の斜視図。 矩形アパーチャを備え、空力的な丸まった先端を有している管状注入素子の斜視図。 楕円形アパーチャを備え、空力的な丸まった先端を有している管状注入素子の斜視図。 楕円形アパーチャを備え、空力的な尖った先端を有している管状注入素子の斜視図。 楕円形アパーチャを備え、空力的な丸まった先端を有している管状注入素子の斜視図。 窒素ランスに設置された渦発生部と、燃料ダクトの内壁に設置された接線方向注入型注入素子とを備え、それらの渦巻及び接線方向の注入は大まかに同一方向である2つの注入の斜視図。 窒素ランスに設置された渦発生部と、燃料ダクトの内壁に設置された接線方向注入型注入素子とを備え、それらの渦巻及び接線方向の注入は大まかに反対方向である2つの注入の斜視図。 渦発生部の開口及び壁の幅を示す側面図。 互いから放射状に離間し、一端に少なくとも1つのアパーチャを備えた脚を有している4つの注入素子の斜視図。 図17の注入素子構成の側面図。 図17の注入素子構成の正面図。 フィン構成を有している二重注入素子構成の正面図。 図20の二重注入素子構成の側面図。 上下方向に配向した楕円形の断面形状を有している軸方向注入素子の側面図。 水平方向に配向した楕円形の断面形状を有している軸方向注入素子の側面図。 軸に対して或る角度で酸素を注入するべく一端で放射状に離間した3つのアパーチャを有している管状注入素子の斜視図。 1つの円の中に配置された複数の円として構成された複数のアパーチャを備え、1つのアパーチャがその中心に位置した管状注入素子の側面図。 複数のアパーチャからなる鋸歯形状パターンを周縁部に備えた管状注入素子の側面図。 複数のアパーチャからなる4つの楔型パターンを備えた管状注入素子の側面図。 星形状アパーチャを備えた管状注入素子の側面図。 湾曲した十字形状のアパーチャが中心に設けられた管状注入素子の側面図。 図24Eと類似しているが、より大きな幅を有し、周縁部で広がった、湾曲した十字形状のアパーチャを備えた管状注入素子の側面図。

Claims (32)

  1. NOx排出が低減された石炭燃焼システムであって、
    a)石炭及び搬送ガスの混合物の供給源、
    b)酸素含有ガスの供給源、
    c)窒素含有ガスの供給源、
    d)前記窒素含有ガスの供給源からの窒素を加熱するように適合され且つ構成された加熱デバイス、
    e)燃焼チャンバ、
    f)前記燃焼チャンバの壁に設置されたバーナ、
    燃焼チャンバと作用可能に関連したバーナ、
    g)石炭及び搬送ガスの混合物の前記供給源と流体的に連絡した燃料ダクトであって、前記バーナに向けて延びた燃料ダクト、及び
    h)前記加熱デバイス及び前記燃料ダクトと流体的に連絡した窒素含有ガス注入素子であって、加熱した窒素含有ガスを前記加熱デバイスから石炭及び搬送ガスの混合物流中へと注入し、それらを前記燃料ダクトの内側で互いに混合するように適合され且つ構成された窒素注入素子
    を具備したシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、酸素の前記供給源及び前記燃料ダクトと流体的に連絡した酸素含有ガス注入素子を更に具備し、前記酸素含有ガス注入素子は、前記窒素含有ガス注入素子が前記燃料ダクトと流体的に連絡した位置の下流であって前記バーナの上流又は前記バーナの位置で前記燃料ダクトと流体的に連絡し、前記酸素含有ガス注入素子は、前記酸素含有ガス供給源からの酸素含有ガスを加熱した窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流中へと注入するように適合され且つ構成されたシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムであって、酸素含有ガスの前記供給源と窒素含有ガスの前記供給源とはASUを具備したシステム。
  4. 請求項1に記載のシステムであって、前記搬送ガスは、前記酸素供給源からの酸素含有ガスと混合された前記燃焼チャンバからの煙道ガスを含んでいるシステム。
  5. 請求項1に記載のシステムであって、前記加熱デバイスは、前記窒素含有ガス供給源からの窒素に炎から熱を直接に与えるように適合され且つ構成されたシステム。
  6. 請求項1に記載のシステムであって、前記加熱デバイスは、前記窒素含有ガス供給源からの窒素含有ガスと、前記燃焼チャンバにおける前記石炭及び酸素の燃焼に由来する熱との間で熱交換するように適合され且つ構成された熱交換器であるシステム。
  7. 請求項2に記載のシステムであって、前記搬送ガスは、酸素含有ガスと混合された前記燃焼チャンバからの煙道ガスであるシステム。
  8. 請求項2に記載のシステムであって、前記加熱デバイスは、前記窒素含有ガス供給源からの窒素含有ガスと、前記燃焼チャンバにおける前記石炭及び酸素の燃焼に由来する熱との間で熱交換するように適合され且つ構成された熱交換器であるシステム。
  9. 請求項6に記載のシステムであって、前記加熱デバイスは、前記窒素含有ガス供給源からの窒素含有ガスと、前記燃焼チャンバにおける前記石炭及び酸素の燃焼に由来する熱との間で熱交換するように適合され且つ構成された熱交換器であるシステム。
  10. 請求項1に記載のシステムであって、前記搬送ガスは空気であるシステム。
  11. 請求項2に記載のシステムであって、前記酸素含有ガス注入素子は、前記バーナの位置で前記燃料ダクトと流体的に連絡しているシステム。
  12. 請求項1に記載のシステムであって、前記窒素含有ガス注入素子は、前記燃料ダクトの周縁部で前記燃料ダクトと流体的に連絡しているシステム。
  13. 請求項1に記載のシステムであって、前記窒素含有ガス注入素子は、前記燃料ダクトの中心軸に沿って前記燃料ダクトと流体的に連絡しているシステム。
  14. 請求項1に記載のシステムであって、前記酸素含有ガス注入素子は、前記燃料ダクトの周縁部で前記燃料ダクトと流体的に連絡しているシステム。
  15. 請求項1に記載のシステムであって、前記酸素含有ガス注入素子は、前記燃料ダクトの中心軸に沿って前記燃料ダクトと流体的に連絡していること。
  16. 低減されたNOx排出で石炭を燃焼させる方法であって、
    窒素含有ガス流を加熱する工程、
    加熱した前記窒素含有ガス流を石炭と搬送ガスとの流れの中に注入して、窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの混合流を生成する工程、及び
    混合した窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの流れからの前記石炭を、酸素含有ガスを用いて、燃焼チャンバ内のバーナの位置で燃焼させる工程
    を含んだ方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、酸素含有ガスを、混合した窒素含有ガスと石炭と搬送ガスとの前記流れの中へと、前記バーナの上流で又は前記バーナの位置で注入する工程を更に含んだ方法。
  18. 請求項16に記載の方法であって、前記窒素含有ガス及び酸素はASUから得られる方法。
  19. 請求項16に記載の方法であって、窒素含有ガス流を加熱する工程は、炎からの熱を前記窒素流に直接に与えることを含んだ方法。
  20. 請求項16に記載の方法であって、窒素含有ガス流を加熱する工程は、炎からの熱を、熱交換器を介して前記窒素含有ガス流へと間接的に与えることを含んだ方法。
  21. 請求項16に記載の方法であって、窒素含有ガス流を加熱する工程は、燃焼させる工程からの熱を、熱交換器を介して前記窒素含有ガス流へと間接的に与えることを含んだ方法。
  22. 請求項16に記載の方法であって、前記窒素含有ガス流を、約1,000°F乃至約1,800°Fの範囲内の温度へと加熱する方法。
  23. 請求項16に記載の方法であって、加熱した前記窒素含有ガス流の注入は、前記石炭中の殆どの揮発種の脱揮発成分化を生じさせる方法。
  24. 請求項16に記載の方法であって、前記搬送ガスは空気である方法。
  25. 請求項16に記載の方法であって、
    燃焼させる工程から生成した何れかの煙道ガスの少なくとも幾分かを集める工程、
    酸素含有ガスを集めた前記煙道ガス中へと注入して互いに混合する工程、及び
    前記酸素含有ガスと前記煙道ガスとを前記バーナへと導く工程
    を更に含んだ方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、酸素含有ガスを、混合した酸素含有ガスと煙道ガスとにおける酸素濃度が約3%乃至約20%となるような量で、集めた前記煙道ガス中へと注入する方法。
  27. 請求項17に記載の方法であって、窒素含有ガス流を加熱する工程は、燃焼させる工程からの熱を、熱交換器を介して前記窒素含有ガス流へと間接的に与えることを含んだ方法。
  28. 請求項17に記載の方法であって、前記窒素含有ガス流を、約1,000°F乃至約1,800°Fの範囲内の温度へと加熱する方法。
  29. 請求項17に記載の方法であって、前記搬送ガスは空気である方法。
  30. 請求項17に記載の方法であって、
    燃焼させる工程から生成した何れかの煙道ガスの少なくとも幾分かを集める工程、
    酸素含有ガスを集めた前記煙道ガス中へと注入して互いに混合する工程、及び
    前記酸素含有ガスと前記煙道ガスとを前記バーナへと導く工程
    を更に含んだ方法。
  31. 請求項27に記載の方法であって、前記窒素含有ガス流を、約1,000°F乃至約1,800°Fの範囲内の温度へと加熱する方法。
  32. 請求項31に記載の方法であって、
    燃焼させる工程から生成した何れかの煙道ガスの少なくとも幾分かを集める工程、
    酸素含有ガスを集めた前記煙道ガス中へと注入して互いに混合する工程、及び
    前記酸素含有ガスと前記煙道ガスとを前記バーナへと導く工程
    を更に含んだ方法。
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