JP2009513873A - コンロッド無しピストン機械 - Google Patents

Abstract

本発明は機械工学に係り、特にコンロッド無しピストン内燃エンジンに関係しており、小型の寸法の安全で長寿命なコンロッド無しピストン内燃エンジンを作ることの課題を解決する。エンジンは、カバープレートを有する本体と、出力軸（カバープレートに設けられてギヤと相互作用する）と、同じ面に配置されているシリンダとピストンとをも備えている。ピストンは、支持ワッシャと軸方向ベアリングと共に設けられ、軸方向ベアリングは球状面を有するネック部で構成されている。これらの球状面は、支持ワッシャと軸方向ベアリングのネック部との間に配置された端部リングのスロットと相互作用する。軸方向ベアリングは、ギヤのハブに配置されたローラプッシャと接触し、ギヤは出力軸の台に位置決めされ、固定されたはめ歯歯車と相互作用する。同時に、本体はリング状の形態で製造されて、ギヤとはめ歯歯車との変速比は１：２に等しい。
【選択図】図２

Description

本発明は機械工学に係り、すなわちコンロッド無しピストン機械に関し、例えば内燃エンジン、ピストン圧縮機、そしてポンプなどの国内経済の様々な分野で利用される。

知られた先行技術として、交差形状のコンロッド無しピストン内燃エンジンがある（S.S. Balandin著 「コンロッド無しピストン内燃エンジン」 Mashinostroenie，モスクワ，１９６８，第２５頁，図２３，第３９頁，図４０，第４７頁，図４８参照。）。その交差形状は、シリンダがＸ字状あるいはＹ字状に配置されるものである。このエンジンは、クランクケース、シリンダ、ロッドを備えるピストン、スライドブロックあるいはそれらをギヤで置き換えたもの、クランクシャフトなどを備えている。

スライドブロックの存在は、エンジンの寸法を低減することに結びつくが、構造を複雑にしてしまう。
知られた先行技術として、コンロッド無しピストン内燃エンジンが開示されているが（発明認定番号１２６２０７４、ＵＳＳＲ Ｃｌ.Ｆ０４Ｂ７５／２４、１９８６年１０月
７日参照。）、これはロッドによってお互いに固定的に接続されると共に前後移動可能にシリンダ内に配置される２つのピストンと、２つのクランクシャフトと、そのネック部がベアリングの助けによりロッドに接続されており、クランクシャフトを接続する２つのロッドと、ギヤによって接続軸に結合されたクランクと、２つのガス分配機構とを備えている。

そのようなコンロッド無しピストン内燃エンジンは構造が複雑で、クランクシャフトの存在はその長さ方向の寸法を増大させる。
また、認められたプロトタイプのコンロッド無しピストン内燃エンジン（特許第２００６６２７、ＲＵ、 ｃｌ. Ｆ０２Ｂ７５／３２、１９８６年１月３０日参照。）が知ら
れている。このエンジンはサイドカバーを有する本体を備えており、その２つの側方部がクランクギヤの支持部として機能し、それに固定された少なくとも１つのギヤを有する出力軸と、追加の結合リンクと相互作用する台を有するピンピストンによってクランクギヤに運動学的に接続される、それらに取り付けられるシリンダを備え、それは適当なシリンダの軸線に横断的に配置されており、２つの内部接合されたギヤとピンによってヒンジ接合されている。また、結合リンクは一方で筒状の突出部となっており、その軸線は結合リンクの軸線に直角であり、他方では旋回軸穴となっている。そして、結合リンクは突出部と穴によって相互接続されている。

この機械の欠点は、結合リンクと相互作用する台を有するピストンの存在にある。それは結合リンクの中間のロッドへの力の影響の下でのピストンの出力行程によって、ピストンの作動力に釣り合う相当な摩擦力と共に、とても大きな曲げモーメントが発生するからである。この摩擦力は、ピストンロッドと結合リンクの接合箇所に作用する。そのことにより、「ピストンロッド−結合リンク」の接合部に損傷を与え、その結果コンロッド無し内燃エンジンの安全性および寿命が低下する。

提案された発明によってなされる技術的責務は、そのような安全で長寿命で、半径方向および長さ方向の寸法が小型のコンロッド無しピストン機械を作り出すことにある。
そのような課題は、以下のような方法によって解決される。すなわち、コンロッド無しピストン機械は、カバーを有する本体と、それらの中にギヤと相互作用する出力軸が設けられ、シリンダとピストンとが同じ面に配置されており、前記ピストンには支持ワッシャと球状面を有するネック部と共に構成される軸方向ベアリングが設けられ、軸方向ベアリングは端部リングに形成されたスロットのラジアル内部輪郭と相互作用し、端部リングは支持ワッシャと軸方向ベアリングのネック部との間に配置され、軸方向ベアリングは出力軸の台に設けられたギヤのハブに取り付けられたローラプッシャと接触し、固定されたはめ歯歯車と相互作用する。同時に、軸方向ベアリングは、自由移動可能に前記端部リングのスロットに配置され、前記本体はリング状の形態で製造され、前記ギヤと固定されたはめ歯歯車との機械的利得は１：２に等しい。

支持ワッシャと球状面を有し、自由移動可能に端部リングのスロットに設けられたネック部を備える軸方向ベアリングとを備えるピストンの実現は、端部リングのスロットのラジアル内部輪郭で軸方向ベアリングのネック部が滑るのを可能にし、結果として対向するピストンの同期動作を実現し、ピストンとシリンダを破損へと導くピストンの横方向力の発生を防止し、軸方向ベアリングと端部リングの間の摩擦力を低減し、コンロッド無し内燃エンジンの構成要素の損傷を低減することで、安全性と耐久性を向上させる。更に、ピストンの軸方向ベアリングと出力軸の台に据えつけられ、固定されたはめ歯歯車と相互作用するギヤのハブに配置されたローラプッシャとの係合は、ピストンの継続的な連続作動を実現し、ギヤと固定されたはめ歯歯車との機械的利得は１：２に等しく、これはギヤの２回転内ですべてのピストン出力行程(power stroke)が結果的にエンジンの効率を向上させる。リング状の形態の本体の能力は、ピストン機械の半径方向および長さ方向の寸法を低減し、小型化できる。

コンロッド無しピストン機械、例えばコンロッド無し内燃エンジンは、リング状の形態の本体１で実現され、その中に同じ面に横たわり且つ対として反体に向きに据えられる、例えば８個のシリンダ２が等間隔で配置される。これらのシリンダ２は、固定されたヘッド３を備え、その中にはガス分配機構（図示略）が設けられている。これらの機構は、対応する円形の入口及び出口コレクタ(collectors)６，７に接続される入口および出口弁４，５を備えている。

シリンダ２の内部には、前後移動可能なピストン８が設けられている。これらのピストン８には、皿状バネの形態で作られた支持ワッシャ９と、軸方向ベアリングとが備えられ、軸方向ベアリングは、端部リング１４のスロットに位置する支持ワッシャ９と軸方向ベアリング１０との間に取り付けられた、端部リング１４のスロットのラジアル内部輪郭１３と相互作用する球状面１２を有するネック部１１が機能する軸方向ベアリング１０が取り付けられ、それは自由に移動し２つのギヤ１８のハブ１７の軸１６にとりつけられたローラプッシャ１５に接触し、それは台(stocks)２２のベアリング２１（軸２０で回転するよう）に取り付けられたブロック１９を備えており、本体１のカバー２５，２６のベアリング２４に取り付けられている出力軸２３に固定されている。

出力軸２３には、出力軸２３の台２２を固定する釣り合い錘ブッシュ２７が固定されている。
ギヤ１８は、ストッパ３１によって本体１に取り付けられるカップ３０のレジスタピン２９によって固定される移動しないはめ歯歯車(cog-wheel)２８と相互作用可能に、本体
１に配置されている。ギヤ１８と移動しないはめ歯歯車２８の機械的利益(mechanical advantage)は、１：２に等しい。

提案したコンロッド無し内燃エンジンの動作は、以下の手法によって実現される。
先ず燃料は、入口弁４を通って入口コレクタ６からシリンダ２へ来て、燃焼が起こる。
ガスの膨張中に生み出される力の下で、シリンダ２に沿って移動するピストン８は、出力工程の力を伝達するローラプッシャ１５と共に軸方向ベアリング１０を移動させる。コンロッド無しピストン内燃エンジンの中心を通る軌道に沿って直線状に移動するローラプッシャ１５は、ギヤ１８のブロック１９のハブ１７の軸１６に作用する。出力軸２３の台２２のベアリング２１上で回転するこのブロック１９は、固定されたはめ歯歯車２８とギヤ１８との係合を提供し、回転を出力軸２３に伝達する。同時にピストン８は、支持ワッシャ９を介して、圧縮工程の初期段階となっている反対側に配置されたピストン８へ動きを伝達する端部リング１４に作用し、その完了によりローラプッシャ１５が反対側の端部位置に到達するのを実現する。続いてピストン８は、直線状の軌道に沿って移動するギヤ１８のブロック１９のローラプッシャ１５を介して、回転を出力軸２３へ伝達し、出力軸２３の２回転の範囲で、エンジン動作のすべての４つの行程が確定する。

コンロッド無し内燃エンジンにおいて、端部リング１４はピストン８とローラプッシャ１５の移動速度の同調機(synchronizer)として作用し、それは２Eに等しいピストン８のストロークの大きさを決定する。ここで、２Eは偏心量の２倍の大きさである。コンロッド無し内燃エンジンの中心を通る直線状の軌道に沿って移動するそれぞれのローラプッシャ１５は、ピストン８の軸方向ベアリング１０と定常的な接触状態を持たないことから、固定されたはめ歯歯車２８のピッチ円の直径に等しいストロークを持っているが、軸方向ベアリング１０がローラプッシャ１５に接触した瞬間に、線形な速度が等しくされる。

支持ワッシャとピストンおよび球状面を有するとともに自由に移動することができる端部リングのスロットに据えつけられるネック部と軸方向ベアリングの実現は、軸方向ベアリングのネック部が端部リングのスロットのラジアル内部輪郭に沿って滑ることができるようにし、それによって反対側に配置されている各ピストンの同期的作動を実現し、ピストンおよびシリンダに対して悪化へ導くピストンにかかる横方向力の発生を防止し、軸方向ベアリングと端部リングとの間の摩擦力を低減し、コンロッド無しピストン内燃エンジンの細部の悪化を低減し、その結果その動作の安全性および耐久性を向上させ、加えてピストンの軸方向ベアリングが出力軸の台に設けられたギヤのハブに配置されたローラプッシャと接触し、はめ歯歯車と相互作用し、ピストンの継続した一貫性のある動作を提供し、１：２に等しいギヤと固定されたはめ歯歯車との機械的利益は、一連のすべてのピストンによってギヤの２回転の間に出力行程を満たすことを可能にし、エンジンの生産性を向上させる。リング状の形態の本体の製造は、コンロッド無し内燃エンジンの半径方向および長手方向の寸法を低減し、小型にする。

コンロッド無しピストン機械の上面から見た断面図である。 コンロッド無しピストン機械の側面から見た断面図である。

Claims (4)

1. コンロッド無しピストン内燃エンジンであって、
   カバーを有する本体を備えており、それらの中にはギヤと相互作用する出力軸が設けられており、シリンダとピストンとが同じ面に配置されており、
   前記ピストンには支持ワッシャと球状面を有するネック部と共に構成される軸方向ベアリングが設けられ、軸方向ベアリングは端部リングに形成されたスロットのラジアル内部輪郭と相互作用し、端部リングは支持ワッシャと軸方向ベアリングのネック部との間に配置され、軸方向ベアリングは出力軸の台に設けられたギヤのハブに配置されたローラプッシャと接触し、固定されたはめ歯歯車と相互作用することを特徴とするコンロッド無しピストン内燃エンジン。
2. 前記ピストンの軸方向ベアリングは、自由移動可能に前記端部リングのスロットに配置されていることを特徴とする請求項１に記載のコンロッド無しピストン内燃エンジン。
3. 前記本体はリング状の形態で製造されることを特徴とする請求項１に記載のコンロッド無しピストン内燃エンジン。
4. 前記ギヤと固定されたはめ歯歯車との機械的利得は１：２に等しいことを特徴とする請求項１に記載のコンロッド無しピストン内燃エンジン。

Images