JP2009513123A - 生体物質を処理するための装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、生体物質を処理するための装置であって、複数の試料収容領域が配置され、それぞれの試料収容領域が保持手段に実質的に取り囲まれる台座と、試料収容領域へと液体を供給し、さらに/あるいは試料収容領域から液体を取り出すように取り付けられた少なくとも1つの液体搬送部材と、を有しており、台座および液体搬送部材が、連続した試料収容領域が液体搬送部材と対向位置になるよう、お互いに対して可動である装置に関する。本発明は、細胞遺伝学的分析のための生体物質(とくに細胞懸濁液)の処理にとくに適している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体物質、とくに懸濁液で培養した細胞培養物を後の細胞遺伝学的分析のために処理するための装置に関する。
生化学、とくに分子生物学および細胞遺伝学における進歩が、特定の種類の疾病または状態について、信頼できる検査をもたらしている。検査は、長くて複雑な手順を必要とすることが多く、その多くは、完全に時間依存性である。大部分の検査は、例えば生検によって得られる試料、血液試料、および他の組織試料など、患者からの試料について実行される。これらの試料を、分析またはさらなる処理に先立って、処理する必要がある。したがって、臨床検査の科学者らは、大部分の時間を、処理済み試料を分析して医師が疾病または病状を正確に診断できるように結果の報告を作成するためにではなく、試料の処理に費やしている。実際、そのような処理は、きわめて反復的かつ時間がかかるものとなる可能性があり、さらには高度な技量を必要とするため、試料が誤って処理されることで、検査室での分析が不正確なものとなる恐れがあり、患者および患者の家族にとって深刻な結果につながりかねない。さらには、いくつかの手順には、ヒュームフード/またはキャビネット内で手順を実行する必要があり、あるいは手順を実行する臨床検査の科学者らが特別な防護服を着用しなければならないような危険な化学物質が関係する。
臨床試料の細胞遺伝学的分析に携わる臨床科学者によって実行される一般的な検査として、疾病素因に関する個人の染色体分析、またはダウン症など、個人の状態が染色体異常に関するものであるか否かの検査が挙げられる。免疫染色によって、腫瘍試料における内皮細胞の過剰な成長など、細胞試料の状態の範囲を明らかにすることができる。蛍光インサイチュ・ハイブリッド形成法(fluorescent in situ hybridisation:FISH)およびインサイチュ・ハイブリッド形成法(in situ hybridisation:ISH)を、細胞内の遺伝子またはたんぱく質の過剰な発現の評価など、多数の生物遺伝学的分析のために使用することができる。試料の検査に利用できる多数のさらなる検査(および、上述の検査の変型)が存在し、それらは当業者にとって明らかであろう。このような検査の多くは、スライドの表面へと載せられ、あるいはスライドの表面において乾燥させられた試料に対して検査を実行する前に、何らかのタイプの標準化された細胞処理および細胞固定を必要とする。そのような処理および固定は、まさにその性質から、架橋剤または有機溶媒など、臨床科学者を健康上の危険にさらす有害な化学物質を必要とすることが多い。
一般に、細胞懸濁液技法によって培養された細胞の細胞遺伝学的試験においては、まず、検査に使用できる材料の量を増やすために、試料細胞が集められて(細胞の増殖および分裂のために)培養される。適切な培地での培養の後で、後の中期レベルでの細胞分裂の停止をもたらす中期停止試薬(コルセミドなど)の導入によって、最初に紡錘体の形成を阻止することによって、細胞が収穫される(これにより、染色体を顕微鏡で見ることができる)。次いで、細胞に、細胞の体積を増加させ、顕微鏡スライド上へと乾燥させたときに核成分がより単層の配置をとりやすいようにする低張処理を加えることができる。分析またはさらなる処理の工程のためにスライドへと配置される前に、(懸濁液中の)細胞に、懸濁液からの水の除去(いくらかの膜材料に加えて)および懸濁液がスライドへと配置される前の生体物質の硬化の両方に機能する固定剤が加えられる。細胞懸濁液の処理に使用される試薬は、有害であることが多く、染色体収穫プロセスの全体を通しての懸濁培養の細胞からの試薬の周期的な分離が、遠心分離、渦動、および/または攪拌の工程を必要とする。また、試料が適切に処理されるためには、プロセスにおいて使用される試薬による培養時間が、正確である必要がある。
これら上述の問題のいくつかに対処するため、および臨床細胞遺伝学的検査室において、臨床検査技師の時間をより効率的に使用できるようにするため、試料を処理するためのいくつかの自動機械が製造されている。
生体試料を遠心分離器において直接、試薬によって開放的に処理するいくつかの装置が、すでに明らかにされている。この装置は、遠心分離工程を必要とする生体物質の処理に必要な人力の投入を低減するが、ユニットが大型であり、試料チューブを遠心分離器のバケット群へと1つずつ手作業で装填しなければならず、処理の際にチューブが破れ、装置が汚染される(装置が、容認できないほどの時間にわたって停止する結果となる)可能性もある。そのような装置は、現在のところ、日本のADSTEch(Hanabi(商標)ブランドで)およびイタリアのMires(商標)から市販されている。
本発明の目的は、生体試料の処理について、従来技術の装置および方法に関する問題の1つ以上に対処することにある。さらに、本発明の目的は、生体物質を処理するための装置であって、多数の試料を新規なやり方で同時に処理することができる装置を提供することにある。また、時間依存性の培養手順を有し、かつ遠心分離を必要とするプロセスを、大量の試料について実行しなければならない場合に、とくに好都合であると考えられる。さらに、本発明の実施の形態が、比較的限られた空間において使用でき、ヒュームフードまたは危険な生物学的薬剤の閉じ込めキャビネットに配置する必要がない装置を提供することが好ましい。
本発明によれば、生体物質を処理するための装置であって、複数の試料収容領域が配置され、それぞれの試料収容領域が保持手段に実質的に取り囲まれる台座と、試料収容領域へと液体を供給し、さらに/あるいは試料収容領域から液体を取り出すように取り付けられた少なくとも1つの液体搬送部材と、を有しており、台座および液体搬送部材が、連続した試料収容領域が液体搬送部材と対向位置になるよう、お互いに対して可動である装置が提供される。
すなわち、本発明は、多数の生体試料をただ1つの装置において容易に処理できる装置を提供する。この装置を、遠心分離器とともに使用することができ、さらには自動化または半自動化することが可能である。さらには、本発明は、作業者の手作業のばらつきを少なくし、熟練の作業者を検査室においてより効率的に活用することができる。
用語「台座」は、円板または腕付き部材(armed member)など、いくつかの異なる構造を包含するものと理解すべきであり、実際のところ、装置の効果的な動作を可能にすると考えられる任意の構造を包含するものと理解すべきである。次に、試料収容領域は、装置の外部で試料の装填を行うことができるよう、着脱可能であってよい。用語「液体」は、例えば架橋した物質または細胞膜の破片を含んでいる液体など、固形の物質を含んでいる液体を包含すると理解すべきである。
さらに、この装置は、試料収容領域の1つ以上を遠心分離するための遠心分離器を有することができる。試料収容領域は、チューブを含むことができる。保持手段は、チューブホルダを含むことができ、チューブホルダが、複数のチューブを保持することができる。チューブホルダが、遠心分離器に配置することができる特注または標準的な検査チューブを収容できることは、当業者にとって明らかである。必要であれば、保持手段を、さまざまなサイズおよび寸法のチューブを受け入れるように構成または調節することができる。保持手段は、好ましくは、開口が配置されてなる容器を含んでおり、この容器を選択的に開放および閉鎖するため、閉鎖手段が前記開口に対して位置している。容器の内部へのアクセスを可能にするために、閉鎖手段を、当該装置によって(アクセスが必要なときに)自動的に作動させることができ、さらには/あるいは(アクセスが必要なときに作業者によって)手動で作動させることができることが好ましい。したがって、容器が開かれているときに、チューブ(または、他の試料容器)を保持手段に配置することができ、試料が有害な試薬で培養されるときや、保持手段が遠心分離されるときなど、必要なときに容器を(閉じられたときに)周囲の環境から効果的に封じることができる。
好ましくは、閉鎖手段は、閉鎖位置へと付勢(ばねなどによって)された2つの相補的なカバーを有している。容器を、相補的なカバーに位置するタブ/突起を互いに離れるように移動させることによって、開放することができる。したがって、作業者または装置自身が、タブ同士を押し開く/引き離すことによって容器を開いて、試料収容領域(いくつかの着脱可能なチューブを備えることができる)へと進入することができる。また、保持手段を、台座および/または遠心分離器に収容されるように構成することができる。保持手段を、台座および/または遠心分離器に設けられた造作と相互作用/解放可能に係合する地形学的造作を備えるように構成することができる。例えば、台座に、1つ以上の保持手段を収容するための1つ以上の収容構造を配置することができる。好ましくは、収容構造が、台座の表面に放射状に配置される。必要であれば、台座を、遠心分離の台座そのものとして使用することができ、あるいは別個の遠心分離の台座を設けてもよい。また、台座が遠心分離の台座として使用されない場合には、液体搬送部材による試料収容領域の処理を、他の試料収容領域の遠心分離と同時に実行できることは、明らかである。さらに、保持手段は、内部の分割壁を特徴とすることができ、そのような分割壁が、閉鎖手段が閉鎖位置(設定位置)にあるとき、試料の完全性を保ち、試料の処理工程において生成されるエアゾールを閉じ込め、かつ保持手段に漏れが生じ、あるいは保持手段が揺れを受ける場合でも、試料収容領域間の交差汚染の可能性がないように構成されている。
装置は、1つ以上の保持手段を台座から遠心分離器へと移動させるための移動手段をさらに備えることができる。そのような移動手段は、この技術分野において公知の摘み上げアームを備えることができる。そのようなアームが使用される場合、そのようなアームは、好ましくは、保持手段を台座と遠心分離器との間で移動させるために、保持手段の外側に位置する地形学的造作を使用する。さらに装置は、遠心分離器を収容するためのボウルを有することができ、ボウルが、破損、故障、または機能不良の場合に物体が遠心分離器から飛び出すことがないように、金属または合金などの適切に硬い材料で製作されることが好ましい。
さらに装置は、台座を受け止めるように構成された支持部を有することができる。そのような支持部は、「装填」位置(作業者が、台座を装置へと装填できる)および「処理」位置(ここで装置が試料を処理できる)からスライド可能であってよい。支持部を、手動または自動で動かすことができ、支持部が、動作時に遠心分離器のカバーとしても使用できるカバーを構成してもよい。
液体搬送部材は、試薬の分注および/または1つ以上の試料収容領域に位置した1つ以上の試料からの廃棄物の除去を行うことができる複数の操作可能な管および管搬送具を有することができる。試薬を分注するための第1の管または第1の複数の管、ならびに廃棄物を除去するための第2の管または第2の複数の管を、設けることが可能であり、これらの管を、試薬ボトル/試薬混合ステーションおよび廃棄物ボトルなどへと接続することができる。さらに、液体搬送具は、保持手段の中の試料収容領域へのアクセスを得るために、前記相補的なカバーを開放するための作動手段をさらに備えることができる。作動手段は、保持手段への進入を可能にすべく、前記相補的なカバーの前記タブに接触させられて前記相補的なカバーのタブまたはラグを引き離すことができる1つ以上の手段を有することができる。作動手段の該手段は、スピアまたは枢動可能なレバーを備えることができる。前記相補的なカバーの滑らかかつ一貫した開放、および試料収容領域への液体の正確な移送を達成するために、液体搬送具は、実質的に垂直な平面内で試料収容領域に対して移動することができる。すでに述べたように、保持手段の容器に、台座および/または遠心分離器および/または液体搬送具の作動手段との当接係合のための1つ以上の地形学的造作を配置することができる。
いくつかの手順は、(例えば、試薬内で細胞を再懸濁するために)溶液の攪拌を必要とするため、装置は、試料収容領域を攪拌するための手段をさらに備えることができる。また、台座が、ゼネバ歯車によって回転させられることも好ましい。
装置を、動作時に、実質的に封じられたハウジング内に収容することができる。例えばポリカーボネート材料で製作できる透明/半透明な扉によって、内部にアクセスすることができる。さらに、必要なときに必要に応じて試薬および廃棄物の保守を行うことができるよう、装置の扉によって試薬および廃棄物へとアクセスすることができる。このようにして、処理が行われるときにハウジング内のいくつかのパラメータを制御することができる。例えば、手順の各工程の間または物質の処理の終わりにおいて、必要であれば、遠心分離された細胞ペレットまたは再懸濁させた細胞ペレットについて正確な乾燥速度を可能にするために、雰囲気を制御することができる。また、雰囲気を、装置の外部の周囲温度に対抗するように調節してもよく、実際、装置の雰囲気を、試料または試料の台座の付近または周囲の局所環境を制御できるような形で制御することができる。装置全体(または、台座の付近)の雰囲気を、以下の変数、すなわち温度、相対湿度、気圧、および空気の体積流量のうちの1つ以上を調節することによって、制御することができる。これらの変数を、試料が保持されている敏感な領域において精密に制御することができる。局所環境の制御には、個々の試料または試薬の供給に所与の手順において必要とされる局所環境条件を与えることができるよう、液体搬送部材の近くに配置され、あるいは液体搬送部材に組み合わせて配置される空調手段を利用することができる。現時点において入手できる空調装置(小規模の装置であっても)によって、上記変数のすべてを制御することが可能であり、空調された空気を、必要であればバッフルまたは同様の拡散装置を備える配管によって、試料収容領域、台座、またはハウジングの内部へと供給できることは、当業者にとって明らかであろう。空調((必要であれば)試料の乾燥も含む)を、自動化することができ、さらに/あるいは中央処理ユニットへと接続することができる。空調の自動化を助けるために、適切であれば変数の調節を行うべく中央処理ユニットへと状況データを伝えるために、センサを使用することができる。中央処理ユニットが、使用される手順に応じて上記変数を調節でき、さらに/あるいは中央処理ユニットを、特注の動作または手順に合わせて調節することができる。
上記に加え、あるいは上記に代えて、センサは、試料または試料のバッチを、後のスライド滴下/乾燥プロセスから最適化された質が出力されるように支援するため、すべてに正確な処理および処理条件が加えられるように保証すべく評価するために、濁度モニタを装置へと組み込んで備えることができる。さらに装置は、所与の量の試薬における最適な再懸濁のために、ペレット内の物質の量を評価するためのペレット・モニタを有することができる。好ましくは、装置は、実質的に封じることができるハウジング内に配置される。さらに、ハウジングは、試薬からのガスを実質的に装置内に閉じ込めることを可能にできる。また、ハウジングを、潜在的に有害な有機の蒸気煙を装置から外部または一体の蒸気出口へと取り去るために、空気抽出手段へと接続することができ、蒸気出口そのものは、中和剤(または「スクラブ剤」)として使用される活物質を有することができる。さらに、空気抽出手段は、生物学的または微生物学的汚染煙の処理装置(HEPAフィルタなど)を装置と一体、または装置の外部に配置して有することができ、一般に、そのような装置は、抽出およびスクラブおよびHEPAフィルタ装置として知られている。空気の流れが、装置の上部から装置の底部へと通過し、あるいは案内されることが好ましい。また、空気の流れを、ハウジングにおいて再循環させてもよい。煙の処理装置は、煙を煙吸収材料を横切って通過させ、その後の処理済みの空気を周囲の環境および/またはさらなる処理へと吐き出すことができる抽出ファンであってよい。煙吸収材料は、有機蒸気などの望ましくない化合物を吸収する触媒または物質(例えば、ソーダ石灰のカラムなど)であってよい。また、処理後の空気を装置へと再循環させ、例えば乾燥を助けるべく空調に使用することができ、全体として必要な装置への入力を低減することができる。装置を完結した処理ユニットにできるよう、試薬をハウジング内に保持してもよい。試薬へのアクセスを、装置の交換および洗浄を可能にするため、ハウジングに配置された別個の扉によって行うことができる。
装置において、いくつかの試薬を使用することができ、具体的な試薬が、生体物質に対して実行される手順に依存して決まることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、細胞遺伝学的分析のための細胞懸濁液の処理の場合には、3つの試薬を利用することができ、すなわち細胞周期停止試薬(コルセミドなど)、低張試薬、および必要であれば洗浄工程に加えて固定剤を利用することができる。所与の試薬を、前もって混合しておくことができ、あるいは生体物質への適用の前に装置内で調製することができ、保存寿命が長くないいくつかの試薬においては、後者が好ましい。任意の所与の試薬の温度も、装置によって制御可能である。例えば、試料に固定の手順が加えられる場合、固定剤を、試料へと分注すべく装置によって混合することが可能である。好ましくは、必要とされる固定剤が、試料のサイズおよび種類ならびに収穫プロセスの手順によって、適切な比および量で、あらかじめ自動的に混合され、あるいは固定剤の分注の直前にインラインにて混合され、これによって試料を正確に処理する。固定剤の構成物質を、装置のユーザによって定めることが可能であり、あるいは使用される手順に応じて装置によって自動的に選択することができる。さらに、試薬を、収穫プロセスの手順の要件に従い、分注に先立って冷却または加熱することができる。試薬を試料から徐々に溶出させるため、複数の洗浄工程が存在してもよい。例えば、試料へと完全な固定試薬の工程を加える前に、細胞膜の成分を取り除くために、複数の洗浄工程または前固定工程が必要とされてもよい。同様に、試料からニートな試薬を溶出させるために、複数の洗浄工程が必要とされてもよい。適切なポンプによって、試薬を分注することができ、かつ/または廃棄物を取り去ることができる。そのようなポンプは、好ましくは、測定される時間間隔に対して正しい量の試薬が分注されるように保証するため、電子的に制御される。好ましくは、液体搬送部材、試薬を量り取って試料へと分注でき、既知の量の試薬の単一の制御された滴を試料へともたらすことができる。すでに述べたように、除去部材を、装置内に位置する廃棄物タンクへと接続でき、あるいは装置の外部に位置する廃棄物処理装置へと接続することができる。廃棄物タンクが容量一杯になり、あるいは容量一杯に近付いた場合、ユーザにその旨を知らせるべく警報をもたらす(例えば、音声または視覚の警報をもたらす)ことができる。同様に、試薬供給容器が容量一杯になり、あるいは空になって、装置に含まれる試薬のストックがユーザの選択したプロセスの手順に従って所与の数の試料についてプロセスを完遂するのに不充分になる実質的な危険が存在する場合に、ユーザにその旨を知らせるべく警報を生成することができる。上記に代え、あるいは上記に加えて、タンク内の廃棄物の量または供給ボトルに保持されている試薬の量に関するインジケータを、設けることが可能である。また、特定の試薬が互いに両立しない(不都合に反応するなど)場合に、別個の廃棄物タンクが必要とされうることは、当業者にとって自明であろう。
試料収容領域および/または保持手段に、バーコード、ドットコード、または無線周波数放射体など、識別手段を配置することができる。さらに装置は、試料の存在の検出および/または試料の識別のためのセンサをさらに備えることができる。好ましくは、センサは、光学センサまたはRFセンサである。試料の存在の検出および/または試料の識別のためのセンサの他の例は、センサが磁気センサであってよい場合である。例を2つ挙げるならば、反射式の光学センサまたは走査レーザ・センサなど、いくつかのセンサを本発明の装置において使用できることは、当業者にとって明らかであろう。センサを、処理された生体物質の特徴を検出するために設けることが可能である。
ユーザが正しい試料を特定するうえで役に立つよう、試料に識別手段を配置することができる。そのような識別手段は、試料を一意に特定するバーコード、ドットコード、または無線周波数マイクロ回路を有することができる。識別手段を読み取るために適したセンサは、例えば、バーコードの場合にはレーザ・スキャナであってよく、無線周波数放射体の場合には無線周波数スキャナであってよい。識別手段を、結果を分析するためのセンサに加えて使用することで、複数の試料について迅速かつ自動化されたデータの照合が可能になり、これを印刷でき、アーカイブ化、監査、および試料の追跡の目的、ならびに/あるいはさらなるデータ分析のために、検査室情報管理システム(LIMS:Laboratory Information Management System)などの試料データベースへと結び付けることができることは、当業者にとって明らかであろう。このように、本発明の装置は、生体試料の処理および分析の実行および監視のために臨床科学者が行う繰り返し業務の時間および要件を大幅に少なくする。
装置の自動化を向上させるために、装置の構成要素を制御する電子制御ユニット/中央処理ユニットをさらに備えることができる。装置の構成要素として、ポンプ、台座、液体搬送部材、直線および回転走査アーム、センサ、および関連の構成部品を挙げることができる。このような電子制御ユニットは、プログラム可能であってよい。電子制御ユニットは、EPROM(消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ)デバイスであってよい。センサは、電子制御ユニットへと情報を伝えることができ、さらにはプリンタおよび/またはコンピュータとやり取りすることができる。したがって、装置を、さまざまな検査室の要件に応じた特注の動作手順にてプログラムし直すことができる。そのような再プログラミングは、画面を有する手持ち式の入力装置によることができ、あるいは装置へとリンクされたコンピュータによることができる。コンピュータは、装置のプログラミングを容易にするための適切なユーザ・インターフェイスを有することができ、コンピュータを、USB、シリアルまたはパラレル・ポートのケーブルなど、標準的な種類のケーブルによって装置へと接続することができる。
装置を、FISH、ISH、レポーター分子、免疫染色、細胞遺伝学、毒性分析のための化合物の高速スクリーニング、細胞培養、細胞培養最適化実験、などといった生体物質のいくつかのさまざまな検出手順のための予備分析プロセスにおいて使用できることは、当業者にとって明らかであろう。さらに、装置を、手順の一部において物質を処理するために使用することができ、あるいは実際に、試料が適切な形式である場合には、試料全体を処理するために使用することできる。好ましくは、装置は、懸濁培養において増殖させた細胞を、それらの細胞からスライド上に染色体を広げる前に、処理するために使用される。細胞遺伝学的分析のための生体物質の処理には、関連の染色体を異常、ゲノム変異、または対立遺伝子変異、などについて分析するための懸濁培養細胞の処理が含まれる。細胞遺伝学的分析に一般的に使用される技法は、G/Q/R/T/C‐分染またはNOR銀染色による技法であるが、他の染色体染色または分染の技法も、使用することが可能である。これから開発される新規な技法も、本発明の装置とともに使用することが可能であることは、当業者にとって明らかであろう。通常は、分析される細胞は、処理に先立って中期細胞周期へと促進された細胞内にあるが、例えば間期細胞のFISH検定など、他の段階にある細胞も使用可能である。
装置は、試薬の試料との反応時間についてより幅広い制御を可能にするために、試薬の一部またはすべてを冷却または加熱することができる。例えば、固定剤は、混合の直後でなければ有効でない可能性があり、したがって装置がインラインでの固定剤の混合に対応するように構成されていない場合には、固定剤を冷却することで、バッチ混合の固定剤をより長い期間にわたって使用できるようにすることが可能である。
本明細書において上述したような装置を、スライド上への染色体の塗布のための装置へと動作可能に接続して、(細胞懸濁液からの)生体試料の処理のプロセスを高度に自動化できることは、当業者にとって明らかであろう。
次に、本発明を、あくまで例として、添付の図面を参照し、添付の図面に示されているとおり説明する。
図1〜9を参照すると、生体物質を処理するための装置10が、いくつかのチューブホルダ16を収容するように構成された回転台14が内部に配置されてなるハウジング12を有している。ハウジング12が、回転台14を回転させることができる遠心分離機構18を、遠心分離ドラム20内に収容している。回転台14は、回転台14の押し込み配置を可能にするスライド式の台座22上にスライド可能に取り付けられている。ポリカーボネート製の1対の半透明扉24が、装置10の内部へのアクセスを可能にするため、および作業者が動作中の装置を観察できるようにするために、ハウジング12の外側に設けられている。さらに、試薬扉26が、必要に応じて試薬/放散ボトル(図示されていない)の補充または点検を行うことができるよう、ハウジング12の外側に設けられている。
さらに、回転台14は、必要なときに、必要に応じて、検査室において回転台を持ち運び、回転台をスライド式の台座22へと容易に配置できるように、中央のハンドル28を有している。さらに、回転台14は、平行な2枚のフィンによってチューブホルダ16を押し込んで配置することができる位置決め部材が形成されるように、複数のフィン30を放射状に構成して有している。フィン30は、フィンに強度をもたらすうえで役に立つ3つの構造要素32を備えて示されている。また、フィンは、チューブホルダ16の各側に配置されたV字形の2つの位置決め部材34に収容されうるように、形作られている。フィン30と同様、V字形の位置決め部材34も、強度を増すためのいくつかの構造要素36を含んでいる。
チューブホルダ16は、処理チューブ42を収容できる4つの開口を有しているハウジング38を有している。チューブホルダのハウジング38は、閉鎖位置(図3および4に示されているような)をとるようにばねによって付勢された2つの相補的な「貝殻状の」カバー44を有している。相補的なカバーのそれぞれの端部に、タブ46が位置しており、タブ46が、チューブホルダ16の内部へのアクセスを得ることができるよう、装置によってカバーを解放するための手段として使用される。さらに、タブ48は、位置決め部材48とともに、チューブホルダのハウジング38の外側から突き出しており、位置決め部材48は、チューブ42を処理するときにチューブホルダ16を押し込んで配置するために使用されるだけでなく、チューブホルダ16を安定させるためにも使用される。さらに、それぞれのチューブホルダ16は、チューブ42を受け入れるための開口40を有しており、各開口が、相補的なカバー44が閉鎖位置にあるとき、リップ70、71が開口42の尾根72を覆って密着することで、内蔵式となってそれぞれのチューブのための区画をもたらす。したがって、チューブ間の交差汚染が低減され、万一にチューブが破れても、開口内の液体を取り去って新たなチューブに配置することができ、試料を再び採取する必要がない。
さらに、装置10は、試薬および/または処理液(図示されていない)ならびに排出パイプ(やはり図示されていない)、などへと接続されたいくつかの処理アーム50を有している。それぞれの処理アーム50が、2つの管52、54を有しており、その一方が、試薬などを分注するために使用され、他方の管は、処理チューブ42内に保持された生体試料から余分または流体を取り去るために使用される。処理アームの配置は、複数の分注および排出除去管52、54によって複数の処理チューブ42を1回の作業で処理することができるように、構成されている。処理アーム50が垂直面56内を移動することで、相補的なカバー44のタブ46が2つのスペード形の部材60の傾斜面58に乗り上げて、ばねで付勢されている相補的なカバー同士44を押し広げ、チューブホルダ16の内部へのアクセスが可能になる。したがって、処理アーム50が上昇するときには、スペード形の部材60がチューブホルダ16に位置するタブ46との接触から滑らかに外れるため、相補的なカバー同士44が自動的に閉じる。さらに、スペード形の部材60の基部には、切り欠き62が位置しており、切り欠き62が、スペード部材60が相補的なカバー44のタブ46の間の所定の位置にあるときに、チューブホルダのハウジング38の位置決め部材48に当接して位置する。あるいは、それぞれの処理アームが、必要に応じて、必要なときに、所与の試薬を分注するため、あるいは廃棄物を取り去るために使用される。
使用時、この装置は、所与の生体試料の細胞遺伝学的分析のための中間処理工程において、生体物質の細胞懸濁液の処理に使用される。しかしながら、この装置を、液体試薬による生体試料の処理が用いられる生物学的研究の他の分野においても、使用することが可能である。装置10は、その配置形態に応じて、自立していても、あるいは実験台に配置されても、あるいは実際のところヒュームカップボード内に配置されてもよい。図には示されていないが、さらに装置は、試薬および/または処理工程から生じうる潜在的に有害なガスの除去および処理のために、真空ポンプおよび装置の底部から上部へと導かれるHEPAフィルタを有している。すでに述べたように、さらに装置は、試薬扉26の背後に配置され、処理アーム50の分注および排出管52、54に適切な試薬および廃棄物を入れることができる容器を提供するいくつかの試薬/廃棄物容器(図示されていない)を有している。
試薬が、試薬容器(図示されていない)に保持され、適切なポンプへと接続された供給管が、試薬容器へと挿入され、ポンプが、必要なときに分注管の先端に試薬を供給する。これらの蠕動ポンプも、電子制御装置によって電子的に制御される。さらに廃棄物容器が、やはり適切なポンプへと接続されて電子制御回路によって制御される排出管からの廃棄物を受け取るために設けられている。
回転台14は、装置から取り外すことが可能であるため、通常は、ハウジング12の外部において、所与の試料が配置されてなる処理チューブ42をチューブホルダ16の開口40内に配置することによって、検査技師によって装填が行われる。チューブホルダを開くため、2つの指把持部47が押し合わされ、2つの相補的なカバー44が開かれる。技師が、どの試料がどの処理チューブに関係しているかを正確に知ることができるよう、回転台14上の各位置および処理チューブ(特定の向きでなければ回転台へと挿入することができない)のそれぞれの位置に、番号が付されている。これに代え、あるいはこれに加えて、それぞれのチューブホルダ16に、固体および/または試料のバッチの確実な確認のために、外部の装置または装置10そのものによって容易に読み取ることができるバーコードを備えることができる。RFIDの使用も、試料の正しい配置などを保証するために、実現することができる。回転台14にチューブホルダ16が完全に(あるいは、部分的に)装填されたとき、回転台14がスライド台座22に配置される。すでに述べたように、スライド台座22は、装置10がそれぞれのチューブホルダ16の正確な位置を知ることができるよう、回転台を特定の形でのみ挿入できるようにする位置決め手段を有している。
回転台14が装置内の所定の位置に位置すると、生体試料が、ユーザによって定められ、コンピュータ(図示されていない)によって制御できる所与の手順に従って処理される。すなわち、試薬による培養の時間、遠心分離の速度および時間、攪拌および試薬の順序、などといったパラメータを定め、装置を使用して実現することができる。したがって、ひとたび装置に回転台が装填されると、手順を、装置の操作者によって開始させることができ、必要とされるすべての処理工程が、続いて装置によって自動的に開始される。
生体試料の処理の際に、それぞれの処理アーム50によって、所与のチューブホルダ16の処理チューブ42内に保持された生体試料を処理することができるよう、回転台14を、ハンドル28によって定められる軸を中心にして回転させることができる。実際には、処理アーム50は、チューブホルダ16へ進入する必要があるか否かによって、垂直軸線56で移動することができる。
処理アーム50がチューブホルダ16に向かって下方へと移動するとき、タブ46がスペード形の部材60の傾斜面58に乗り上げ、したがって相補的なカバー44が、カバーを一体に保持しているばね機構(図示されていない)に逆らって開かれる。スペード形の部材60の端部に配置された切り欠き62が、チューブホルダのハウジング38の位置決め部材48に当接し、処理の工程においてチューブホルダ16を安定させるように機能する。しかしながら、V字形の位置決め部材34およびフィン30の配置ゆえ、わずかな運動は許容される。したがって、試薬を、分注管54によって分注することができ、あるいは廃液を、処理チューブ42から廃棄物を吸い出す排出管56によって取り去ることができる。必要であれば、チューブホルダを、スペード形の部材60によって動かすことで攪拌でき、あるいは必要であれば、チューブホルダ16に直接的または間接的に触れるさらなる装置によって攪拌できる。生体試料に該当の処理工程が加えられた後、処理アームが自動的に上昇させられ、そのような上昇の際に、スペード形の部材が相補的なカバー44のタブ46との接触から外れることで、カバーをばねによって引き合わせ、チューブホルダを実質的に閉じることができる。
遠心分離の工程が生体物質の処理の工程に含まれる場合には、回転台14を遠心分離ドラム20へと下降させることができ、その後に遠心分離機構18を動作させ、チューブ・ハウジング16へと力を作用させることができる。あるいは、摘み上げアーム46を使用して、チューブホルダ16を回転台14から取り去り、遠心分離機構18へと直接装填することができる。摘み上げアーム64は、2つのつめ66を有しており、両方のつめが、個々のチューブホルダ16の位置決め部材48を収容するように配置された開口を有しており、したがって、それぞれのチューブホルダを個々に回転台14から摘み上げ、遠心分離機構18へと直接装填することができる。それぞれのチューブホルダ16が、遠心分離器に位置する円柱形の突起を収容できるV字形の部材34を有している。遠心分離器が回転を始めると、チューブホルダ16は、水平な姿勢をとるように前記突起を中心として回転できる。その後に、回転が終了すると、チューブホルダ16は、垂直な姿勢に復帰する。さらに、スライド式の台座22が、検査技師を保護するために、遠心分離機構のための「カバー」をもたらしている。しかしながら、遠心分離機構18が鋼製のドラム20の内部に位置しているため、内蔵式装置においては、カバーは必ずしも必要ではない。遠心分離の工程の後で、摘み上げアーム64が、それぞれのチューブホルダ16を再び回転台14上の正しい位置に配置するために使用され、必要に応じてさらなる処理工程が行われる。
他の実施の形態においては、処理アーム50が、ばね84、86によって閉鎖配置形態(図10)へと付勢された1対の枢動レバー80、82を有している。それぞれのレバー80、82が、「貝殻状の」カバー44に配置された1対のラグ88、90および88’、90’にそれぞれ収容される。アーム50が垂直面92内で下方に変位することで、チューブホルダ16の内部へのアクセスが可能になる。すなわち、レバー80、82がラグ88、90および88’、90’に係合し、ばね84、86の付勢およびカバー44を閉じ合わせているばね機構(図視されていない)に打ち勝つと、レバー80、82が、ばねによって付勢されているカバー44同士を押し広げつつ開放配置形態(図11)へと枢動する。
図に示されているように、それぞれの回転台は、それぞれが4つの試料を収容する12個のチューブホルダを収容することができ、したがって任意の所与の時点において72個の試料を処理することができる。実際、いくつかのチューブホルダを遠心分離機構に配置して該当の遠心力を加えつつ、別のチューブホルダに対して試薬の工程を行うことができる。実際、必要であれば、チューブホルダ16を、遠心分離機構18において直接的に処理してもよい。
チューブホルダ16のとくに相補的なカバー44の配置形態から、処理チューブ42が、チューブホルダのハウジング38内に内蔵され、したがって検査技師への漏れなどの恐れがさらに小さくなる。多くは遠心分離の際に、試料チューブが割れて、装置が完全に掃除されるまで使用不可能になることもしばしばであるが、万が一に処理チューブ42がチューブホルダ16内で破損しても、漏れはホルダ自身の内部に保たれるため、装置10がそのような漏れから保護されることが、当業者にとって自明であろう。
処理チューブ42は、特注のサイズであっても、あるいは現時点において検査室環境において使用されている標準的なチューブのサイズであってもよい。必要であれば、チューブホルダのハウジング38を、さまざまなサイズおよび形状の処理チューブ42を受け入れるように構成できるが、当然ながら、遠心分離機構18に正しく重量が加わるように注意を払わなければならない。さらに、処理アーム50および/または摘み上げアーム64を、衝突検出システムへと接続し、万が一にアームがチューブホルダに対して正しく位置していない場合に、検査技師へとエラーを報告するとともに、損傷が生じないように装置を停止させることができる。また、それぞれの生体試料が同じやり方かつ最適な条件で処理されるよう、湿度および温度などといった装置の内部の条件を制御することができる。回転台を、装置において、「ゼネバ」歯車によって、あるいは自明である任意の従来技術の機構によって、回転させることができる。また、それぞれの細胞培養物の完全性を保つとともに、順次に処理される管内の培養物の間の「持ち越し」または交差汚染の可能性をなくすため、試薬の管および管保持具の先端を洗浄するために、処理アーム、ならびに随意によりそれぞれの該当の遠心分離工程の後に試薬の吸引を実行するアームを、オンラインの洗浄ステーションへとアクセスさせるべく上昇させ、回転させ、下降させることができる。
装置は、電子制御装置に保持された内蔵のプログラムによって制御され、電子制御装置は、必要に応じてプログラムの変更が可能であり、そのような電子制御装置が、いくつかの手順を選択肢として有することができる。ユーザが、バッチの処理に先立って希望されるとおりに、自身の独自の手順を、電子制御装置へと接続されたキーボード(図示されていない)を介して入力してもよい。あるいは、電子制御ユニットを、装置のプログラムの変更のために、インターフェイスを介してコンピュータへと接続してもよい。処理すべきいくつかの試料が装置へと装填された後、プロセスを、(電子制御ユニット(図示されていない)へと接続されたキーボードにて選択することによって)選択された手順を始めることによって開始させることができる。全ての手順がそれぞれの試料へと加えられた後、装置は自動的に停止し、必要であればその旨が検査技師に伝えられる。
すでに述べたように、装置は、細胞遺伝学的分析に使用される生体物質の処理に広く使用され、この点に関し、使用される試薬として、コルセミド溶液、低張液、および固定剤(メタノールおよび酢酸の混合物、など)を挙げることができる。このような試薬の保存寿命は比較的短く、適用に先立っての混合が必要である場合が多いため、さらに装置は、必要であれば、処理アーム50における種々の試薬の混合を提供することができる。
本出願において、装置は、細胞周期において細胞周期中期停止へと促進された懸濁液細胞培養物の準備の中間工程において使用される。細胞遺伝学的分析に一般的に使用される細胞として、繊維芽細胞、胎盤中胚葉および羊水細胞、血液、骨髄、リンパ節、ならびに充実性腫瘍組織、細胞から由来する細胞が挙げられる。この手順を、スライド上への固定に先立ち、染色体内の構造的特徴を明らかにするためのプロセスを適用する(染色体のG‐分染の手順を加えるなど)前に、細胞培養物を準備するために使用した。装置は、実質的に漏れがなく、主要な論理および制御回路ならびにアクチュエータの大部分が、液体から隔てられた区画に取り付けられており、信頼できる装置をもたらしている。
本発明による装置の斜視切断図である。 装置内のスライド式回転台の斜視図である。 装置において使用されるチューブホルダの斜視図であり、カバーは閉鎖位置にある。 図3に示したチューブホルダの側面図である。 チューブホルダの斜視図であり、カバーは開放位置にある。 図5に示したチューブホルダの側面図である。 複数のチューブホルダが配置された状態の回転台の斜視図である。 回転台上に配置されたチューブホルダの上方に位置する分注管の列の斜視図である。 本発明の回転台上に配置されたチューブホルダ内に位置するチューブへと挿入された分注管の列を示している。 第1の配置形態にあるチューブホルダの上方に位置した分注管の斜視図である。 第2の配置形態にある図10の分注管およびチューブホルダの斜視図である。

Claims (43)

  1. 生体物質を処理するための装置であって、
    複数の試料収容領域が配置される台座であって、それぞれの試料収容領域が保持手段に実質的に取り囲まれた台座、および
    前記試料収容領域へ液体を供給し、および/または、前記試料収容領域から液体を取り出すように取り付けられた少なくとも1つの液体搬送部材を備えており、
    前記台座および前記液体搬送部材が、連続した試料収容領域が液体搬送部材と対向位置になるよう、お互いに対して可動である装置。
  2. 前記試料収容領域の1つ以上を遠心分離するための遠心分離器をさらに備えている請求項1に記載の装置。
  3. 前記台座が、前記液体搬送部材に対して回転可能である請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記試料収容領域が、チューブを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記保持手段が、チューブホルダを備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記保持手段が、開口が配置されている容器を備えており、該容器を選択的に開放および閉鎖するように閉鎖手段が前記開口に対して配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記閉鎖手段による前記容器の選択的な開放および閉鎖は、前記装置および/または手動により作動可能である請求項6に記載の装置。
  8. 前記閉鎖手段が、閉鎖位置へと付勢された2つの相補的なカバーを備える請求項6または7に記載の装置。
  9. 前記容器の開放が、前記相補的なカバーに配置されたタブを引き離すことによる請求項8に記載の装置。
  10. 前記保持手段が、前記台座および/または前記遠心分離器に収容されるように構成されている請求項2〜9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記台座に、1つ以上の保持手段を収容するための1つ以上の収容構造が配置されている請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記収容構造が、前記台座の表面に放射状に配置されている請求項11に記載の装置。
  13. 前記台座が、遠心分離の台座として使用される請求項2〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 1つ以上の保持手段を前記台座から前記遠心分離器へと移動させるための移動手段をさらに備えている請求項2〜12のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記移動手段が、摘み上げアームを備えている請求項14に記載の装置。
  16. 前記遠心分離器を収容するためのボウルをさらに備えている請求項2〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記台座を受けるためのスライド可能なカバーをさらに備えている請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記スライド可能なカバーが、前記遠心分離器のカバーとしても使用される請求項2〜17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記液体搬送部材が、試薬の分注および/または1つ以上の試料収容領域に位置した1つ以上の試料からの廃棄物の除去を行うことができる複数の管を備えている請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 試薬を分注するための第1の管および廃棄物を除去するための第2の管が設けられている請求項19に記載の装置。
  21. 前記液体搬送具が、前記保持手段の中の前記試料収容領域へのアクセスを得るために、前記相補的なカバーを開放するための作動手段をさらに備えている請求項19または20に記載の装置。
  22. 前記作動手段は、1つ以上のスピアであって、前記相補的なカバーの前記タブに接触したときに前記相補的なカバー上の前記タブを移動可能であるスピアを備えている請求項21に記載の装置。
  23. 前記液体搬送具が、実質的に垂直な平面内で前記試料収容領域に対して移動する請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記保持手段の前記容器に、前記台座および/または前記遠心分離器および/または前記液体搬送具の前記作動手段との当接係合のための1つ以上の地形学的造作が配置されている請求項21〜23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記試料収容領域を攪拌するための手段をさらに備えている請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記台座が、ゼネバ歯車手段によって回転させられる請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 実質的に封じられたハウジング内に収容される請求項1〜26のいずれか一項に記載の装置。
  28. 前記ハウジングが、空気抽出および/またはろ過手段へと接続されている請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。
  29. 前記試料収容領域および/または前記保持手段に、識別手段が配置されている請求項1〜28のいずれか一項に記載の装置。
  30. 前記識別手段が、バーコード、ドットコード、または無線周波数を備えている請求項29に記載の装置。
  31. 試料の存在の検出および/または試料の識別のためのセンサをさらに備えている請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。
  32. 処理された生体物質の特徴を検出するためのセンサをさらに備えている請求項1〜31のいずれか一項に記載の装置。
  33. 空調手段をさらに備えている請求項1〜32のいずれか一項に記載の装置。
  34. 試料の濁度を評価するための濁度モニタをさらに備えている請求項1〜33のいずれか一項に記載の装置。
  35. 所与の量の試薬における最適な再懸濁のために、ペレット内の物質の量を評価するためのペレット・モニタをさらに備えている請求項1〜34のいずれか一項に記載の装置。
  36. 電子制御ユニット/中央処理ユニットが、装置の前記構成要素を制御する請求項1〜35のいずれか一項に記載の装置。
  37. 前記センサが、前記ユニットへと情報を中継する請求項35または36に記載の装置。
  38. 前記制御ユニットが、プリンタおよび/またはコンピュータと交信可能である請求項35〜37のいずれか一項に記載の装置。
  39. 細胞遺伝学的分析に使用される生体物質の処理に使用される請求項1〜38のいずれか一項に記載の装置。
  40. スライド上への染色体の塗布に先立って、細胞培養物を処理するために使用される請求項1〜39のいずれか一項に記載の装置。
  41. スライド上への染色体の塗布のための装置へと動作可能に接続される請求項1〜40のいずれか一項に記載の装置。
  42. 添付の図面を参照して実質的に本明細書において説明され、添付の図面に示された請求項1〜41のいずれか一項に記載の装置。
  43. 前記作動手段が、1つ以上のレバーであって当該1つ以上のレバーが前記相補的なカバーに接触したときに前記相補的なカバーを引き離すことができるレバーを備えている請求項21に記載の装置。
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