JP2009502393A - 光干渉断層撮影技術の改良ならびに同技術に関連する改良 - Google Patents
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Abstract
光干渉断層撮影スキャンによって動物の組織の少なくとも一部のサンプルを撮像すること、および光干渉断層撮影スキャンされた画像を組織病理像データベースに格納された様々な病期の疾病状態にある該動物の組織種の組織病理像と比較することにより動物の疾病状態を測定する方法。
Description
本発明は、光干渉断層撮影技術、特に、ただし限定するものではないが疾病の状態を測定する方法と部品のキットとに関する。
生物医学的な撮像技術の最近の進歩により、様々ながんを早期発見するための診断に関する取り組みが数多くなされるようになった。これらの取り組みには、低線量スパイラル・コンピュータ断層撮影;陽電子放射断層撮影(PET)および磁気共鳴撮像における絶え間のない開発が挙げられる。しかしながら、これらの技術は従来の診断手法より著しく優れている一方で、同技術を提供するためには著しく高価な基幹施設の変更が必要であり、従ってその必要コスト/維持コストが原因で有用性が限られている。さらに、低線量コンピュータ断層撮影によるスクリーニングは、従来のX線撮影に比べて放射能レベルが高いため、それ自体の有害なリスクの増大も同時に伴ってきた。
いくつかの疾病、特に肺疾患の診断に使用される現行の撮像技術は、気管支上皮のようなある種の解剖学的組織内における重大な初期病理変化を検出するのに十分な分解能を提供していない。肺がんは現時点で西欧諸国において最も一般的な悪性腫瘍であり、がん関連の死亡の主要な原因である。肺腫瘍の85%超は気管支上皮内に生じ、多段階の細胞の変化が比較的長期間にわたって進行した後で最初の浸潤性がんが現れると認識されている。このように、病変が発生して進歩するにつれて、気管支上皮のin situにおける微細構造プロファイルはゆっくりと変化する。従って、肺がんの罹患率/死亡率を減少させ、スクリーニング法を強化することを目指す計画は、比較的治療可能な病期にある可能性の高い微細な侵襲性の病理学的病変をin situで検出することが可能な、安全で信頼できる診断法に投資する必要があるということになる。さらに、そのようなコスト効率の良いツールは、消費者に優しく、同時に環境にも優しいことを目標とすることになろう。そのような高度な光学ツールを利用できれば、肺がんの監視に驚異的な改善をもたらすであろう。
気道の直接撮像には、早期がん病変のようなin situにおける粘膜異常の特定および診断を向上させる蛍光気管支鏡が用いられてきた。しかしながら、自動蛍光気管支鏡(LIFE気管支鏡)は分解能および組織深部への侵入度の点で限界がある。EBUS(気管支内超音波検査)のような高周波超音波検査を組み入れた他の気管支鏡技術は、気管支の気道組織に深く侵入するが、その空間分解能は、多層の気管支上皮を明瞭に分画しin situにおける形態学的変化を特定するには不十分である。さらに、正常組織と悪性組織との間の音響インピーダンスの差は小さいため、EBUSによって提示される画像上のコントラストは本質的に低い。
非侵襲性の様式で迅速かつ高分解能の生物組織断面像を提供することができる比較的新しい撮像技術は、光干渉断層撮影(以下「OCT」とする)である。OCTはそれ自体、前述の方法とは技術的に異なるが、Bモード超音波検査に類似しており、ただし音響シグナルを使用せずに光を利用するものである。OCTは単一の光ファイバによって撮像部位に赤外線波を伝え、この赤外線がスキャンされた組織の内部微細構造の層に反射して、正常な生体構造および何らかのin situにおける形態学的異常をミクロン単位の分解能で取得できるようになっている。シグナル処理には、組織の内部微細構造からの反射光波の分析法である低コヒーレンス干渉法が用いられる(ホアン(Huang) D、スワンソン(Swanson) E A、リン(Lin) C Pら、「Optical Coherence Tomography」、Science 1991年、第254巻、p.1178−1181およびフジモト(Fujimoto) J G、ボパート(Boppart) S A、ティアニー(Tearney) G Jら、「High Resolution in vivo Intra−arterial Imaging with Optical Coherence Tomography」、Heart 1999年、第82巻、p.128−133)。光源の干渉長は縦分解能を決定する。適切な光源を用いると、OCT撮像では、高周波超音波検査の150μmと比較して、5〜15μmの分解能を確実に得ることができる。過去10年にわたって、OCT撮像の臨床における使用は、網膜組織、皮膚、胃腸管、泌尿器組織、軟骨、腱および歯を含めた様々な生物組織で、ex vivoで試験されてきた。
対照的に、ヒト呼吸器系撮像用のOCTの実現可能性に関する研究は比較的少ない(ピトリス(Pitris) C、ブレジンスキー(Brezinski) M E、ボウマ(Bouma) B Eら、「High Resolution Imaging of Upper Respiratory Tract with Optical Coherence Tomography: A Feasibility Study.」、Am J Respir Crit Care Med 1998年、第157巻、p.1640−1644およびヤン(Tang) Y、ホワイトマン(Whiteman) S C、ガイ・バン・ピティウス(Gey van Pittius) Dら、「Use of Optical Coherence Tomography in Delineating Airways Micro−structure: Comparison of OCT Images to Histo−pathological Sections.」、Phys.Med.Biol.2004年、第49巻、p.1247−1255)。
新鮮なヒト肺組織、特に肺切除手術を受けている患者の肺組織の区域についてリアルタイムでOCT撮像を提供し、気管支上皮の微細構造成分を識別するその能力を探求することは有利であろう。肺組織および他の組織における形態学的/病理学的異常をin situで検出することは更に有利であろう。
in situでOCTを実施するための装置であって、医師が、得られたOCT像を様々な病期の疾病状態にある対象の組織種の既知の画像とリアルタイムで正確に関連付けるための手段が付加された装置を提供することも有利であろう。
したがって、本願中に明確に開示されているかどうかに関わらず、先行技術における少なくとも1つの問題を克服または緩和することが、本発明の好ましい実施形態の目的である。
本発明の第1の態様によれば、動物の疾病状態を測定する方法であって、
(a)様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の複数の組織病理像を提供するステップと、
(b)光干渉断層撮影スキャンによって、対象動物の同じ組織種の少なくとも一部分のサンプルを撮像するステップと、
(c)動物の疾病状態を測定するために、光干渉断層撮影スキャンした画像を、該組織の組織病理像と比較するステップとを備える方法が提供される。
(a)様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の複数の組織病理像を提供するステップと、
(b)光干渉断層撮影スキャンによって、対象動物の同じ組織種の少なくとも一部分のサンプルを撮像するステップと、
(c)動物の疾病状態を測定するために、光干渉断層撮影スキャンした画像を、該組織の組織病理像と比較するステップとを備える方法が提供される。
好ましくは、ステップ(a)が、様々な病期のがん状態にある動物の組織種の組織病理像を提供する工程を備える。好ましくは、ステップ(a)が、少なくとも、非がん状態、前がん状態、炎症状態、およびがん状態にある組織種の組織病理像を提供する工程を備える。ステップ(a)が、非がん状態、前がん状態、炎症状態およびがん状態の各々について組織種の複数の組織病理像を提供する工程を備える場合もある。
したがって、ステップ(a)が、例えば、非がん状態の組織種の複数の組織病理像を提供する工程、および/または前がん状態の組織種の複数の組織病理像であって各々が異なる病期の前がん病期を示している画像と、炎症状態の組織種の複数の組織病理像であって各々が異なる病期の炎症状態を示している画像と、がん状態の組織の複数の組織病理像であって各々が異なる病期のがん状態にある該組織種を示している画像とのうち少なくともいずれかを提供する工程を備えてもよい。
好ましい実施形態では、非がん状態、前がん状態、炎症状態およびがん状態の各々について、組織種の複数の組織病理像が提供され、各状態について該組織種における特定の構造体内での変化が示される。例えば、任意の状態の複数の画像によって結合組織の多様な構造が示されてもよいし、がん状態の複数の画像によって、増殖および組織内または組織内構造体への侵入の様々な段階にあるがん細胞が示されてもよい。
組織種は動物の任意の適切な組織種でもよい。組織種は、好ましくは肺組織である。動物は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
光干渉断層撮影技術によるステップ(b)の組織サンプルの撮像は、好ましくは、マイケルソン型干渉計を使用した光干渉断層撮影スキャンを備える。
光干渉断層撮影技術によるステップ(b)の組織サンプルの撮像は、好ましくは、マイケルソン型干渉計を使用した光干渉断層撮影スキャンを備える。
好ましくは、該方法は、in situで動物の疾病病期を測定する方法を備える。適切には、該方法は、ステップ(b)において、光干渉断層撮影スキャンによって対象動物の組織種のサンプルをin situで撮像する工程を備える。
別例として、または追加として、光干渉断層撮影スキャンによるステップ(b)での対象動物の組織サンプルの撮像は、対象動物から組織のサンプルを取り出す工程と、取り出された該組織の少なくとも一部分を該動物から離れた状態で撮像する工程とを備える場合もある。
ステップ(c)は、単一の光干渉断層撮影像を複数の組織病理像のうち1つ以上と比較する工程を備えてもよい。ステップ(c)は、単一の光干渉断層撮影像をすべての組織病理像と比較して、どの組織病理像が光干渉断層撮影像との十分な関連を有するか決定する工程を備える場合もある。別例として、または追加として、ステップ(c)は、対象動物の組織の複数の光干渉断層撮影像を、複数の組織病理像のうち1つ以上と比較する工程を備える場合もある。例えば、一実施形態におけるステップ(c)は、例えばがん組織の単一の光干渉断層撮影像を、がん状態の同じ組織の複数の組織病理像のうち1つ以上と比較する工程を備えてもよいし、その光干渉断層撮影像を複数の組織病理像すべてと比較して、どの組織病理像が該光干渉断層撮影像に最もよく相当するか決定する工程を備えてもよい。
組織病理像は、様々な病期の疾病状態にある適切な組織の区域の画像を撮影することにより製作されることができる。画像は、例えば写真、電子顕微鏡写真などでもよい。好ましくは、画像は、組織の深さを示す組織断面図である。ステップ(b)で得られる光干渉断層撮影像は、画像の寸法および角度がステップ(a)の断面の組織病理像とほぼ一致することが好ましい。
組織病理像は、好ましくはデータベースに、より好ましくは電子データベースに格納される。
適切には、OCT像または各OCT像は、ステップ(c)において組織病理像のデータベースと比較される。適切には、OCT像または各OCT像は、データベースに、より好ましくは電子データベースに格納され、ステップ(c)は、OCT像のデータベースを組織病理像のデータベースと比較する工程を備えることが好ましい。適切には、OCT像のデータベースおよび組織病理像のデータベースはいずれも電子データベースであり、ステップ(c)は、例えばコンピュータのような電子計算の手段によるデータベース間の電子的比較を備える。
適切には、OCT像または各OCT像は、ステップ(c)において組織病理像のデータベースと比較される。適切には、OCT像または各OCT像は、データベースに、より好ましくは電子データベースに格納され、ステップ(c)は、OCT像のデータベースを組織病理像のデータベースと比較する工程を備えることが好ましい。適切には、OCT像のデータベースおよび組織病理像のデータベースはいずれも電子データベースであり、ステップ(c)は、例えばコンピュータのような電子計算の手段によるデータベース間の電子的比較を備える。
適切には、組織病理像のデータベースをOCT像のデータベースと電子的に比較する手段は、組織病理像との間に合致の可能性が生じる場合に表示する手段を備える。したがって、組織病理像のデータベースおよびOCT像のデータベースを電子的に比較する手段は、例えば、組織サンプルのOCT像を例えば腫瘍またはがん細胞のような既知の同じ組織構造体を有する同じ組織種の組織病理像と比較することにより、該OCT像中に腫瘍またはがん細胞のような特定の組織状態が存在する場合に、ユーザに対して表示しうることが好ましい。
好ましくは、該方法は、その組織種またはその組織種の微細構造の光学的性質のデータベースを作製するステップをさらに備える。このステップは、該方法の任意の時点で、すなわちステップ(a)の前、ステップ(a)と(b)の間、ステップ(b)と(c)の間、あるいはステップ(c)の後で実施可能である。好ましくは、該方法は、光干渉断層撮影スキャンされた画像を組織の光学的性質のデータベースと比較して、該OCT像中のスキャンされた組織の特性を決定する工程をさらに含む。
光学的性質のデータベースの作製は、分光光度計を使用して組織種を撮像することにより実施可能である。データベースに含まれる光学的性質には、組織種の、透過、拡散反射、散乱および吸収に関する特性が挙げられる。適切には、分光光度計を使用して、500nm〜2200nm、より好ましくは600nm〜2000nmの波長範囲にわたって組織種を撮像する。
光学的性質のデータベースは、好ましくは電子データベースであり、より好ましくはコンピュータと関連付けられている。好ましくは、該方法は、光干渉断層撮影スキャンされた画像を光学的性質のデータベースと電子的に比較するステップを備え、かつ、その組織種の光学的性質のデータベースからの1つ以上の光学的性質がOCT像と合致する場合にユーザに対して表示するさらなるステップを備えてもよい。
本発明の第2の態様によれば、
(a)光源、ビームスプリッタ、参照ミラーを含む参照アーム、および広帯域の光源から放射された光が通り抜けることができるサンプルプローブを含むサンプルアームを備える干渉計と、参照アームおよびサンプルプローブから反射された光を分析する手段とを含む光干渉断層撮影装置、および
(b)様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の組織病理像のライブラリとを備えるキットが提供される。
(a)光源、ビームスプリッタ、参照ミラーを含む参照アーム、および広帯域の光源から放射された光が通り抜けることができるサンプルプローブを含むサンプルアームを備える干渉計と、参照アームおよびサンプルプローブから反射された光を分析する手段とを含む光干渉断層撮影装置、および
(b)様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の組織病理像のライブラリとを備えるキットが提供される。
組織病理像、組織種、動物および疾病状態は、本発明の第1の態様について本願中で上記に述べた通りであることが好ましい。
好ましくは、干渉計はマイケルソン型干渉計である。
好ましくは、干渉計はマイケルソン型干渉計である。
広帯域の光源の中心波長は、好ましくは1000nm〜1500nmであり、より好ましくは1100nm〜1400nmであり、最も好ましくはほぼ1300nmである。広帯域の光源のバンド幅は、好ましくは40nm〜60nmであり、より好ましくは45nm〜55nmであり、最も好ましくは50nm〜53nmである。
広帯域の光源によって放射される光のほぼ50%が参照アームに向けられることが好ましい。参照アームは、好ましくはコリメータ、中性濃度フィルタ、回折格子、複光路ミラー、光学レンズおよび反射ミラーを含んでなる複光路スキャン装置を含むことが好ましい。干渉計は、広帯域の光源からの光が通って伝わる光ファイバを含むことが好ましい。好ましくは、サンプルアームのプローブヘッドは光ファイバケーブルの終端である可搬式の本体を含み、該光ファイバケーブルは、好ましくは50/50光ファイバカプラー経由で広帯域の光源に接続されている(50/50光ファイバカプラーは広帯域の光源からの単一の光ファイバを2つの光ファイバに分割し、2つのうち1つは参照アームに達し、1つはプローブヘッドに達する)。
プローブヘッドは、好ましくはコリメータレンズと対物レンズとを含む。したがって、コリメータレンズおよび対物レンズは、対象組織上に光を集中させ、該組織からの後方散乱光を、プローブから反射された光を分析する手段によって分析することを可能にすることができる。
干渉計において、プローブヘッドを通ってサンプルへと方向付けられた50%の光は光ファイバを通って後方散乱し、参照アームから反射された光と重ね合わされる。得られる最大の干渉縞を視覚化することができるように、偏光制御器が利用されてもよい。干渉計はさらに、光源からのノイズを最小限にする平衡検波器の仕組みを含んでいてもよい。適切には、参照アームおよびサンプルプローブから反射された光を分析する手段は、コンピュータのような電子的手段を含む。電子的手段は、増幅器フィルタ、復調器またはこれらの任意の混合体を備えていてもよい。
該装置は、コンピュータおよび表示手段のうち少なくともいずれか一方をさらに備えてもよい。例えば、表示手段は、コンピュータ用モニタ、テレビまたはその他同種のもののような表示スクリーンを備えてもよい。
コンピュータは、干渉計によって生成されたOCT像を格納することができるデータベースを備えることが好ましい。適切には、コンピュータは、OCT像を組織病理像ライブラリに含まれている組織病理像と比較する手段を備える。コンピュータは、OCT像と該画像ライブラリからの組織病理像との間の合致の可能性がある場合に表示する手段を備えることが好ましい。例えば、ユーザは、対象組織の特定のOCT像が既知の組織病理像と同じ構造体、例えばがん細胞、腫瘍、特定の形態の結合組織などを含むかどうか知りたいかもしれない。
様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の組織病理像ライブラリは、様々な病期の疾病状態にある特定の組織種の組織病理像を複数含んでなることが好ましい。好ましくは、複数の組織病理像は、様々な病期のがん状態にある特定の組織像を、より好ましくは、少なくとも1つの健康な状態の組織像、少なくとも1つの前がん状態の組織像、少なくとも1つの炎症状態の組織像、および少なくとも1つのがん状態の組織像を備えている。
組織病理像ライブラリは、好ましくは画像のデータベースであり、より好ましくは電子データベースである。
キットは、OCT撮像によって測定される動物の組織種または組織種の微細構造の光学的性質のデータベースをさらに備えることが好ましい。適切には、光学的性質のデータベースは、透過、拡散反射、散乱および吸収の特性から選択される少なくとも1つの組織の光学的性質を、好ましくは500nm〜2200nmの波長範囲にわたって、より好ましくは600nm〜2000nmの範囲にわたって含む。
キットは、OCT撮像によって測定される動物の組織種または組織種の微細構造の光学的性質のデータベースをさらに備えることが好ましい。適切には、光学的性質のデータベースは、透過、拡散反射、散乱および吸収の特性から選択される少なくとも1つの組織の光学的性質を、好ましくは500nm〜2200nmの波長範囲にわたって、より好ましくは600nm〜2000nmの範囲にわたって含む。
データベースは電子データベースであることが好ましく、あればコンピュータに格納されることがより好ましい。適切には、コンピュータは、OCT像の光学的性質をデータベース上の光学的性質と比較する手段を備える。コンピュータは、特定の組織についてOCT像の少なくとも1つの光学的性質とデータベース上に格納された光学的性質との間に合致の可能性が測定された場合に表示する手段を備えることが好ましい。
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様の方法を実施するための本発明の第2の態様のキットの使用が提供される。
本発明のよりよい理解のために、また、本発明の実施形態をどのように実行しうるかを示すために、ここで、添付の図面を参照しながら単なる例として本発明の種々の態様について説明する。
実施例
方法
図1は、本発明において有用なOCT(光干渉断層撮影)システムの概略図を示している。OCTは、組織サンプル内の後方散乱光の強度を干渉法により計測し、これを使用して組織の光学的不連続性を表わす。
方法
図1は、本発明において有用なOCT(光干渉断層撮影)システムの概略図を示している。OCTは、組織サンプル内の後方散乱光の強度を干渉法により計測し、これを使用して組織の光学的不連続性を表わす。
ベンチトップ型光干渉断層撮影(OCT)システムを、マイケルソン型干渉計(2)を組込んで構築し、該干渉計は、広帯域光源(4)であるバンド幅52nmの1300nmスーパールミネッセントダイオードを含み、該ダイオードは単一の光ファイバ(8)内へ連結され、かつ50/50光ファイバカプラー(10)によって分割され、該カプラー(10)はアイソレータ(6)経由で光源(4)に連結されているものとした。使用される光源(4)は、肺組織において10μmの距離分解能を与える。光の50%は干渉計(2)の参照アーム(15)に向けられ、干渉計では、干渉シグナルを調整し、かつ光路長スキャンを実施するために、迅速な複光路スキャンシステムが使用される。参照アームはコリメータ(16)を含み、コリメータは濃度フィルタ(18)、格子(20)、複光路ミラー(22)、光学レンズ(24)および最終的には反射ミラー(26)に接続されている。残りの光は、2×2カプラー(12)によってケーブル(8)から分割された光ファイバケーブル(11)によりプローブヘッド(30)を経由して試験サンプル(32)に向けられる。コリメータレンズおよび試験サンプル(32)上に赤外線ビームを集束させる対物レンズから構成されたレンズ系を、集束光学系とともに含む。高精度電動移動台(図示せず)がミラー(26)の移動を正確に制御する。サンプル(32)からの後方散乱光は、ミラー(26)から反射された光と重ね合わされる。これらのビームは、2つのビームの光路長が光の可干渉長内で一致する場合にのみ干渉する。得られる最大の干渉縞を視覚化することができるように、偏光制御器(28)を両方のアーム内で使用する。該システムは、光源(4)から発生する無秩序なノイズを最小限にするために平衡検波器の仕組み(34’、34”)を使用する。その後、サンプル(32)およびミラー(26)から反射された光は、差動増幅器、フィルタおよび復調器システム(36)を通過してからコンピュータ(38)で分析される。横分解能は、サンプル上に光を伝えるために使用されるレンズの開口数および従来の顕微鏡検査法のように入射光の光周波数によって制限されて、16μmと計測された。該システムのシグナルノイズ比(SNR)は、4OD中性濃度フィルタの使用によって100dBと計測された。
文書によるインフォームドコンセント後に、肺がんのため完全な肺全摘術(3人)、肺葉切除術(5人の患者)あるいは部分的な肺葉切除術(7人の患者)を受ける15人の患者から肺気道の切開サンプルを得て、該サンプルを上記のOCTシステムを使用してスキャンしてから組織学的処理を行った。サンプルは、スキャン処理中にサンプルが乾燥するのを回避するために、リン酸緩衝生理食塩水によって湿った状態を維持した。各スキャンの正確な位置について、細い針および糸を使用して印を付け、各画像の出発点を明示した。これらの印は、顕微鏡検査および組織病理学的染色のためのその後の組織サンプリング用のガイドとして作用し、OCT像と同じ解剖学上の位置が確実に顕微鏡検査されるようにするものである。スキャンされた組織上でのプローブヘッドのビームの位置は、可視光のガイドビームを使用してモニタし;光プローブヘッドはサンプルに全く接触しない状態であった。すべてのOCTスキャンは、切除された気道サンプルの管腔表面上で実施し、各サンプルの縦方向の区域を、肉眼で見て疾病のないサンプル部分から、炎症状態、前がん状態およびがん状態まで、サンプル中の腫瘍部位に至り同部位を含むまで連続的に検査した。スキャン領域は、2×6mmから2×12mmまで(深さ×長さ)様々であった。OCTスキャンに続いて、気道切開サンプルを10%緩衝ホルマリン中で48時間固定し、標準的なパラフィン包埋処理に供した。およそ5μm厚の切片を、サンプルの印の付いた組織部位から切除し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色して、OCT像と比較するための様々な病期の疾病状態の組織の組織病理像ライブラリを提供した。
観察者の先入観を回避するために、記録された断層像の分析的な比較および構造の寸法の計測を2名の組織病理学者によって独立に実施し、観察者間の変動性を評価した。観察者内の変動性を、各観察者が上記のOCTと組織病理との比較をすべての画像/切片について8週間の間隔をおいて独立に3回繰り返すことによって試験した。
結果
正常な(疾病のない)気管支気道の微細構造の特性解析
上述のように、スキャンを行った肉眼で見て疾病のない気道および疾病の気道の、対応する組織学的検査切片ライブラリ(図2a、3a、4a、5a、6a)をOCT像のバリデーションに使用した。組織学的分析から、ヒトの気道は、厚さ、微視的構造、機能および生物学的振る舞いにおいて異なっている同心性の組織層で形成されていることが実証された。図2aは疾病のない気管支壁の1サンプルの組織像を示し、健康なヒトの気道を特徴づける様々な層を示している。気道は気道上皮によって内張りされており、気道上皮は、該上皮をその下の固有層から隔てている基底膜の薄層の上に載っている線毛円柱細胞の単層で構成されている。固有層はエラスチンの豊富な結合組織の領域であり、粘膜の深部境界域を形成し、徐々にその下にある粘膜下組織と融合する。平滑筋、粘液腺および外側の軟骨プレートはすべて、血管と結合組織とに囲まれた粘膜下組織内に分布している。粘膜下組織内の腺は粘膜表面に開口している短い管路によって気道ルーメンに接続している。軟骨プレートは、気道を開通状態に保ち、軟骨膜のコラーゲン豊富な結合組織の層に囲まれている。そのような軟骨は気管および肺外気管支内にあり、肺内の気道においてはより小さく寸断状態となり、細気管支には存在しない。
正常な(疾病のない)気管支気道の微細構造の特性解析
上述のように、スキャンを行った肉眼で見て疾病のない気道および疾病の気道の、対応する組織学的検査切片ライブラリ(図2a、3a、4a、5a、6a)をOCT像のバリデーションに使用した。組織学的分析から、ヒトの気道は、厚さ、微視的構造、機能および生物学的振る舞いにおいて異なっている同心性の組織層で形成されていることが実証された。図2aは疾病のない気管支壁の1サンプルの組織像を示し、健康なヒトの気道を特徴づける様々な層を示している。気道は気道上皮によって内張りされており、気道上皮は、該上皮をその下の固有層から隔てている基底膜の薄層の上に載っている線毛円柱細胞の単層で構成されている。固有層はエラスチンの豊富な結合組織の領域であり、粘膜の深部境界域を形成し、徐々にその下にある粘膜下組織と融合する。平滑筋、粘液腺および外側の軟骨プレートはすべて、血管と結合組織とに囲まれた粘膜下組織内に分布している。粘膜下組織内の腺は粘膜表面に開口している短い管路によって気道ルーメンに接続している。軟骨プレートは、気道を開通状態に保ち、軟骨膜のコラーゲン豊富な結合組織の層に囲まれている。そのような軟骨は気管および肺外気管支内にあり、肺内の気道においてはより小さく寸断状態となり、細気管支には存在しない。
OCT像は、個々の複合構造要素への入射光の固有の異なる屈折率および散乱特性を検出することにより、気道壁を構成する構成要素の層を分離させることができた。具体的には、疾病のないヒト気管支の部分サンプルであってその後図2aに示した組織病理像に使用されたサンプルでは、OCTは次の解剖学的構成要素、すなわち:上皮(E)、固有層(LP)、平滑筋(SM)、粘液腺(G)および軟骨(C)を、図2bに示すように正確に描写した。これらの微細構造の層から層への移行は十分に明確化され、その後の組織学的検査像で描出された層状の外観を精密に反映していた。上皮、粘液腺の管路および軟骨の境界が特によく明確化され、固有層および粘膜下構造体もOCTによって容易に認識可能である。気道壁の様々な層にわたるOCT解像度の変動は、上皮および軟骨のような構造体内では核密度がより高いということにより説明可能であり、隣接する周囲の組織と比較して屈折率が高いことに反映されている。したがって、ある構造体の屈折率が相対的に高いと、より明瞭なOCT像が観察される。例えば、比較的密度の高い軟骨の細胞外マトリックスは入射光の散乱を減少させ、したがってOCT断層撮影像では暗い領域として示される。上皮の下の平滑筋を含む結合組織層は明確に画像化される。
構造体の構成要素の相対的な大きさは、図2b、3b、4b、5bおよび6bのOCT像上で正確に描出されている。OCTで計測された上皮および軟骨の厚さはそれぞれ100±25μmおよび450±15μmであり、上皮から軟骨までの間に介在する距離は250±28μmであり、これに対し組織学的検査による定量ではそれぞれ84±21μm、378±30μmおよび210±42μmであった。差が比較的小さいのは、組織学的処理の後で予想通り肺組織が収縮したことに起因するかもしれない。
すべてのサンプル区域にわたって、OCT撮像は、気道壁の厚さを完全に貫通して少なくとも軟骨プレートの外側境界部に達していた。10μmの空間分解能および1秒あたり1フレームのスキャン速度で、2.5mmまでの最大透過深度まで明瞭な画像化が見られた。上記の所見は、15例の患者肺切除サンプルについて実施した一連の区域全体にわたって一貫していた(各患者につき20〜30スキャン)。
in situにおける炎症および新生物の病理の特定
OCTは、気道の複合的な構造を深さ2.5mmまで正確に捕らえることができる。この「光学的フィンガープリント」は、肉眼では見えない気道の主要構成要素の形態を反映することにより、上皮表面の下で生じている変化の詳細を提供する。極度の慢性炎症が存在すると組織が均質化される傾向があり、図3aおよび3bに見られるように組織の境界に乱れが生じる。
OCTは、気道の複合的な構造を深さ2.5mmまで正確に捕らえることができる。この「光学的フィンガープリント」は、肉眼では見えない気道の主要構成要素の形態を反映することにより、上皮表面の下で生じている変化の詳細を提供する。極度の慢性炎症が存在すると組織が均質化される傾向があり、図3aおよび3bに見られるように組織の境界に乱れが生じる。
多量の喫煙歴を有し、かつ石炭末への曝露が知られた患者からのあるサンプルでは、OCTは、図4aおよび4bに示すような気管支上皮内の炭素色素の堆積を明白に識別した。組織学的検査では、粒状の黒色炭素色素が存在する場合、該色素はリンパ管に沿って視覚化されることが多い。図4bのOCT断層撮影像においては、大量の炭素色素の堆積が、上皮の微細構造像内の明白に識別可能な別個の明るい層として反映されている。腫瘍部位のすぐ近くおよび腫瘍部位を含む気道区域のOCT像を、同じ区域の組織学的分析と比較した。組織学的には、腫瘍の存在は、正常組織の境界を無視および消去した破壊性成長によって特徴づけられる。このような正常な組織構造の損失はOCTによって捕らえられ、OCTは、目下の空間分解能10μmにおいて、図5bに見られるように健康な気道壁の規律正しい多層の外観を欠いた特徴のない像を提供している。したがって、図3bに示す炎症を起こした組織サンプルに見られるような、上皮および固有層の明瞭な境界は失われている。
一部のサンプルでは、スキャンした気道区域の詳細な分析から、扁平上皮化生の組織学上の存在が示された。喫煙者では、細毛を有する気道上皮の正常な単層が多層の扁平上皮に置き換わり、肺腫瘍の発生に関連した初期の形態学的変化に好適な環境を提供することが多い。扁平上皮の領域は、光学顕微鏡検査法による正常な気道上皮の外観と比較した場合、より厚く、かつ異なる細胞形態を有し、その結果は図6aに示されている。扁平上皮化生の特徴であるこのような上皮厚の増加も、図6bに示すような対応するOCT像上に捕らえられており、正常な気道上皮の単層によって内張りされた気道の像とは対照的である。
代表的なOCT像は、12人の患者について実施した多数の肺区域サンプル全体で一貫していた。両方の組織病理学者による、OCT撮像から組織病理学検査への3回の別個の分析の間の差異の変動係数は3%〜10%であり;全体で2者の間の変動係数は<5%であった。
したがって、組織病理像ライブラリ(図2a〜6a)は、組織の他のサンプルの対応するOCT像を、in situで撮影されかつ組織病理像ライブラリの該参照ライブラリとリアルタイムで比較されているOCT像と比較するためにベンチマークとして利用することができる。
考察
新たに得られたヒト気道のリアルタイムOCT像を、ゴールドスタンダードの組織病理学的分析と比較した。OCT撮像は、健康な気管支気道の高度に組織化された多層構造の特徴解析を行うための、感度のよい光学的生検デバイスであり、構造上の分析結果および寸法という点で優れた組織学的相関を備えていることが分かった。さらに、OCTは、気道壁内の炎症および新生物形成に関連した形態学的変化をin situで識別できることが示された。
新たに得られたヒト気道のリアルタイムOCT像を、ゴールドスタンダードの組織病理学的分析と比較した。OCT撮像は、健康な気管支気道の高度に組織化された多層構造の特徴解析を行うための、感度のよい光学的生検デバイスであり、構造上の分析結果および寸法という点で優れた組織学的相関を備えていることが分かった。さらに、OCTは、気道壁内の炎症および新生物形成に関連した形態学的変化をin situで識別できることが示された。
OCTは、音ではなく光シグナルを利用し、撮像される組織に単一の光ファイバを通して赤外線波を伝える。その後、光は、スキャンされた区域内の内部構造の層から反射され、正常な解剖学的構造およびin situでの形態学的異常をマイクロメートル規模で捕らえることを可能にしている。標準的な組織学的分析によって明らかにされるように、個々の解剖学的構成要素の形態は、相対的な厚さ、細胞の組成および密度ならびに無細胞の細胞外マトリックスの相対量において様々である。その結果、光学的な散乱、反射および透過のような固有の様々な光学的性質がもたらされる。したがって、OCTにおける対比のメカニズムは通常の光学顕微鏡検査法とは異なるものの、OCTの感度が高いことから気道壁を構成する個々の微細構造の判別が可能であり、組織切片に匹敵しうる像が確保される。
これらの結果は、リアルタイムでヒトの気道を撮像し、かつ気道の病理を検出するOCTの能力を支持している。肺腫瘍の85%超は気管支上皮内に生じ、長期間にわたって漸進的に細胞変化が進展してから浸潤がんが発見されるので、OCTは初期の有害なin situでの変化という重大な診断情報を提供することが示された。
OCT像を、様々な病期の疾病状態にある組織の組織病理像のライブラリと比較して、in situにおいて疾病状態を測定したり、または患者から離れた状態で測定したりすることができる。
好ましい実施形態では、例えば、図2A、3A、4A、5Aおよび6Aに示すような組織病理像を好ましくはOCT像のように電子データベースに加え、コンピュータ38のような電子手段によって容易に比較できるようにし、該コンピュータは組織病理像とOCT像の両方のデータベースを読み取り、ユーザに対して最もよく合致する像について注意を喚起することができる。合致の基準には、例えば、ある組織構造の有無、ある組織構造またはその組み合わせの形態を挙げることができる。
特に好ましい実施形態では、組織病理像データベースをOCT像データベースと比較する電子手段は、組織病理像データベース中の疾病ではない組織間の潜在的な合致が対象のOCT像と合致する場合、OCT像が疾病状態の可能性のある組織の対応する組織病理像と合致する可能性がある場合、または対象のOCT像が明確な疾病状態の組織を示す(例えば、腫瘍またはがん細胞を示す等)対応する組織病理像と合致する可能性がある場合のうち少なくともいずれかの場合に、ユーザに対して表示する手段を含むことが好ましい。このように、ユーザは、組織のあるOCT像が、例えばがんのような急性または高リスクの疾病状態にある組織の既知の組織病理像と合致する可能性がある場合に、警告を受けることができる。
好ましい実施形態では、コンピュータ38はさらに、対象の組織種の光学的性質のデータベースも備え、該光学的性質には、組織または組織内微細構造の透過、拡散反射、散乱および吸収に関する特性が含まれうる。適切には、光学的性質はコンピュータ上のデータベース中にある。光学的性質は、分光測光法によって、例えばバリアン社(Varian)のCary500分光光度計を使用し波長範囲を500nm〜2200nm、より好ましくは600nm〜2000nmとして測定可能である。特に好ましい実施形態では、OCT像由来の対象組織種の光学的性質をデータベース上の光学的性質と比較する手段は、コンピュータ内にある。コンピュータはさらに、OCT像の組織または組織内微細構造の光学的性質の間の潜在的な一致がデータベース上の特定の組織種の光学的性質と合致した場合にユーザに対して表示する手段を含んでいることが好ましい。
本願に関連し本明細書と同時または本明細書に先立って提出され、かつ本明細書とともに公的に閲覧できるように公開されているすべての文献および文書に対して留意されたい。また、すべてのそのような文献および文書の内容は参照によって本願に組み込まれる。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面もすべて含む)に開示されるすべての特徴、かつ/または同様に開示される任意の方法または手順のすべてのステップは、そのような特徴かつ/またはステップのうちの少なくとも一部が相互排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせとすることが可能である。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面もすべて含む)に開示される特徴はそれぞれ、そうでないことが明記されないかぎり、同一、等価または類似の目的に役立つ代替の特徴と置き換えることができる。したがって、そうでないことが明記されないかぎり、開示される特徴はそれぞれ、等価または類似の総括的な一連の特徴の一例にすぎない。本発明は先述の実施形態の細部に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面もすべて含む)に開示される特徴のうち任意の新しいものまたは任意の新しい組み合わせにまで、あるいは開示される任意の方法または手順のステップのうち任意の新しいものまたは任意の新しい組み合わせにまで及ぶ。
Claims (26)
- 動物の疾病状態を測定する方法であって、
(a)様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の複数の組織病理像を提供するステップと、
(b)光干渉断層撮影スキャンによって、対象動物の同じ組織種の少なくとも一部分のサンプルを撮像するステップと、
(c)動物の疾病状態を測定するために、光干渉断層撮影スキャンした画像を、該組織の組織病理像と比較するステップとを備える方法。 - ステップ(a)が、様々な病期のがん状態にある動物の組織種の組織病理像を提供する工程を備える請求項1に記載の方法。
- ステップ(a)が、少なくとも非がん状態、前がん状態、炎症状態、およびがん状態にある組織種の組織病理像を提供する工程を備える請求項2に記載の方法。
- ステップ(a)が、非がん状態、前がん状態、炎症状態およびがん状態の各々について組織種の複数の組織病理像を提供する工程を備える請求項3に記載の方法。
- ステップ(a)が、非がん状態、前がん状態、炎症状態およびがん状態の各々について組織種の複数の組織病理像を提供する工程と、各状態について該組織種における特定の構造体内での変化を示す工程とを備える請求項4に記載の方法。
- 組織種が肺組織である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
- 動物がヒトである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
- 光干渉断層撮影技術によるステップ(b)での組織サンプルの撮像は、マイケルソン型干渉計を使用した光干渉断層撮影スキャンを備える請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(b)が、光干渉断層撮影スキャンによって対象動物の組織種のサンプルをin situで撮像する工程を備える請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(b)が、対象動物から組織のサンプルを取り出す工程と、取り出された該組織の少なくとも一部分を該動物から離れた状態で撮像する工程とを備える請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(c)が、単一の光干渉断層撮影像を複数の組織病理像のうちの1つ以上と比較する工程を備える請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(c)が、単一の光干渉断層撮影像をすべての組織病理像と比較し、どの組織病理像が光干渉断層撮影像との十分な関連を有するかを決定する工程を備える請求項11に記載の方法。
- ステップ(c)が、対象動物の組織の複数の光干渉断層撮影像を複数の組織病理像のうちの1つ以上と比較する工程を備える請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
- 組織病理像が電子データベースに格納される請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
- OCT像または各OCT像が電子データベースに格納される請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(c)が電子計算の手段によるデータベースの比較を備え、電子計算の手段は、組織病理像との間に合致の可能性が生じる場合に表示する手段を備える、請求項13に従属する請求項15に記載の方法。
- 組織種または組織種の微細構造の光学的性質のデータベースを作製するステップをさらに備える請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の方法。
- 光干渉断層撮影スキャンされた画像を組織の光学的性質のデータベースと比較し、該OCT像中のスキャンされた組織の特性を決定する工程を更に備える請求項17に記載の方法。
- 光学的性質のデータベースはコンピュータと関連付けられた電子データベースであり、該方法は、光干渉断層撮影スキャンされた画像を光学的性質のデータベースと電子的に比較するステップと、該組織種の光学的性質のデータベースからの1つ以上の光学的性質がOCT像と合致する場合にコンピュータがユーザに対して表示するステップとをさらに備える請求項17または請求項18に記載の方法。
- (a)光源、ビームスプリッタ、参照ミラーを含む参照アーム、および広帯域の光源から放射された光が通り抜けることができるサンプルプローブを含むサンプルアームを備える干渉計と、参照アームおよびサンプルプローブから反射された光を分析する手段とを備える光干渉断層撮影装置、および
(b)様々な病期の疾病状態にある動物の組織種の組織病理像のライブラリを備えるキット。 - 干渉計によって生成されたOCT像のデータベースを格納するためのコンピュータをさらに備える請求項20に記載のキット。
- コンピュータが、OCT像を組織病理像ライブラリに含まれている組織病理像と比較する手段、およびOCT像と該画像ライブラリからの組織病理像との間の合致の可能性がある場合に表示する手段を備える請求項21に記載のキット。
- OCT撮像によって測定される動物の組織種または組織種の微細構造の光学的性質のデータベースをさらに備える請求項11から請求項22のいずれか一項に記載のキット。
- 光学的性質のデータベースが、コンピュータに格納された電子データベースである請求項23に記載のキット。
- コンピュータは、OCT像の光学的性質をデータベース上の光学的性質と比較する手段、および特定の組織についてOCT像の少なくとも1つの光学的性質とデータベース上に格納された光学的性質との間に合致の可能性が測定された場合に表示する手段を備える請求項24に記載のキット。
- 請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の方法を実施するための、請求項20から請求項25のいずれか一項に記載のキットの使用方法。
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