JP2009297382A - 脳活動情報出力装置、脳活動情報出力方法 - Google Patents

脳活動情報出力装置、脳活動情報出力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来、精度の高い脳活動の情報を出力できなかった。
【解決手段】計測脳信号情報と脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する脳活動情報取得部と、計測脳信号情報と、1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得するアーチファクト情報取得部と、計測脳信号情報と脳活動情報と1以上のアーチファクト情報とを用いて、計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する出力脳活動情報取得部と、出力脳活動情報を出力する出力部とを具備する脳活動情報出力装置により、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、脳活動の信号である脳活動情報を出力する脳活動情報出力装置等に関するものである。
従来、主成分分析や独立成分分析を用いた統計的な手法により、EEGまたはMEGのアーチファクトを除去するアーチファクト除去の方法が提案されていた。しかし、かかる方法は、アーチファクトと同じような波形の脳活動が存在する場合、その脳活動の成分まで取り除いてしまう恐れがあり、有効な方法とは言えなかった。なお、アーチファクトとは、いわゆるノイズのことである。
また、アーチファクト源(眼球)にダイポールをおいて電流を推定し、それをEEGから差し引くことでアーチファクト除去を行なう方法が提案されている(非特許文献1)。なお、アーチファクト源とは、いわゆるノイズ源のことである。
P. Berg and M. Scherg, Electroencephalogr Clin. Neurophysiol.,79, 1, pp. 36-44 (1991).
しかしながら、非特許文献1における方法では、観測値にはアーチファクトだけでなく脳活動も含まれているので、必要な成分まで観測値から除いてしまう可能性があり、精度の高い脳活動情報が取得できなかった。
本第一の発明の脳活動情報出力装置は、計測された脳の信号に関する情報である計測脳信号情報を格納し得る計測脳信号情報格納部と、脳活動に関する事前の情報である脳事前情報を格納し得る脳事前情報格納部と、アーチファクト源に関する事前の情報である1以上のアーチファクト事前情報を格納し得るアーチファクト事前情報格納部と、前記計測脳信号情報と前記脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する脳活動情報取得部と、前記計測脳信号情報と、前記1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得するアーチファクト情報取得部と、前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記1以上のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する出力脳活動情報取得部と、前記出力脳活動情報を出力する出力部とを具備する脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、脳活動とアーチファクト源の事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除き、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本第二の発明の脳活動情報出力装置は、第一の発明に対して、前記アーチファクト事前情報格納部は、複数のアーチファクト事前情報を格納しており、前記アーチファクト情報取得部は、複数のアーチファクト源ごとに、アーチファクト情報を推定し、複数のアーチファクト情報を取得し、前記出力脳活動情報取得部は、前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記複数のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報から複数のアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、脳活動と複数のアーチファクト源の事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除き、さらに精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本第三の発明の脳活動情報出力装置は、第一、第二いずれかの発明に対して、前記脳事前情報、および前記1以上の各アーチファクト事前情報は、信号の強度に関する情報である強度情報を含み、前記脳事前情報の強度情報と、前記1以上の各アーチファクト事前情報の各強度情報は、異なることを特徴とする脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、脳活動とアーチファクト源の事前情報であり、信号の強度に関する情報である強度情報を含む事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除くことにより、さらに精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本第四の発明の脳活動情報出力装置は、第一から第三いずれかの発明に対して、前記1以上のアーチファクト事前情報は、被験者の生体に含まれるアーチファクト源に関する事前の情報である生体アーチファクト事前情報を含む脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、脳活動と生体に含まれるアーチファクト源の事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除き、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本第五の発明の脳活動情報出力装置は、第四の発明に対して、前記1以上のアーチファクト事前情報は、被験者の生体に含まない外部のアーチファクト源に関する事前の情報である外部アーチファクト事前情報を含む脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、脳活動と生体外のアーチファクト源の事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除き、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本第六の発明の脳活動情報出力装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、前記脳事前情報は、fMRI強度情報を電流分散とし、当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であり、前記1以上の各アーチファクト事前情報は、fMRI強度情報と比較して大きな電流分散を用い、かつ当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であり、前記脳活動情報取得部は、複数のダイポール位置での電流についての情報である脳活動情報を、前記計測脳信号情報と前記脳事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得し、前記アーチファクト情報取得部は、アーチファクト源のダイポール位置での電流についての情報である1以上のアーチファクト情報を、前記計測脳信号情報と、前記1以上のアーチファクト事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得し、前記出力脳活動情報取得部は、前記計測脳信号情報から、前記脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報と前記アーチファクト情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得する脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、脳活動の情報を電流レベルで推定できる。
また、本第七の発明の脳活動情報出力装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、前記計測脳信号情報は、頭部周辺で観測された磁場に関する情報であり、前記出力脳活動情報取得部は、前記脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報である電流の情報から磁場に関する情報である背景脳磁場情報を取得し、かつ、前記アーチファクト情報である電流の情報から磁場に関する情報であるアーチファクト磁場情報を取得し、前記計測脳信号情報から、前記背景脳磁場情報と前記アーチファクト磁場情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得する脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、センサレベルで推定できる。
また、本第八の発明の脳活動情報出力装置は、第一から第七いずれかの発明に対して、前記出力脳活動情報取得部が取得した出力脳活動情報と、前記計測脳信号情報とを用いて、当該出力脳活動情報におけるノイズ除去の精度に関する情報であるノイズ除去精度情報を取得するノイズ除去精度情報取得部をさらに具備し、前記出力部は、前記ノイズ除去精度情報が、予め格納されている閾値と比較して高い精度である場合のみ、前記出力脳活動情報を出力する脳活動情報出力装置である。
かかる構成により、一定以上の精度であることを確認した上で、脳活動の情報を出力できる。
本発明による脳活動情報出力装置によれば、脳活動とアーチファクト源の事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除き、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
以下、本発明に係る脳活動情報出力装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、脳活動とアーチファクト源の事前情報を用いて、アーチファクトの影響を取り除き、精度の高い脳活動の情報を出力できる脳活動情報出力システムについて説明する。また、本実施の形態において、電流レベルで脳活動の情報を推定する脳活動情報出力システムについて説明する。また、本実施の形態において、アーチファクト源が複数存在する場合について説明する。また、本実施の形態において、脳事前情報とアーチファクト事前情報との信号の大きさが異なることを想定している脳活動情報出力システムについて説明する。また、アーチファクト源は、生体である眼球、心臓、筋電などであったり、TVの電波などの外部のものであったりする。さらに、本実施の形態において、脳活動信号をチェックし、精度が一定以上であることを確認後、脳信号を出力について説明する。なお、アーチファクト事前情報とはノイズ事前情報と同意義である。
図1は、本実施の形態における脳活動情報出力システムのブロック図である。脳活動情報出力システムは、脳信号計測装置11、脳活動情報出力装置12を具備する。
脳信号計測装置11は、脳信号を計測する装置である。脳信号計測装置11は、例えば、脳磁計測装置である。脳磁計測装置は、脳活動に関する事象を観測する観測手段としてのブレインキャップ1101を含んでも良い。ブレインキャップ1101は、例えば、208チャンネルセンサを有する。ただし、ブレインキャップ1101のチャンネル数は問わない。なお、脳信号とは、磁場でも良いし、電流等でも良い。
脳活動情報出力装置12は、計測脳信号情報格納部121、脳事前情報格納部122、アーチファクト事前情報格納部123、脳活動情報取得部124、アーチファクト情報取得部125、出力脳活動情報取得部126、ノイズ除去精度情報取得部127、出力部128を具備する。
脳活動情報出力装置12は、脳信号計測装置11が取得した脳の信号に関する情報である計測脳信号情報から、アーチファクト除去を行い、精度の高い脳活動情報を出力する装置である。
計測脳信号情報格納部121は、計測された脳の信号に関する情報である計測脳信号情報を格納し得る。計測脳信号情報は、脳磁計測装置(脳信号計測装置11の一例)の測定結果でも良いし、当該計測結果から、低周波のドリフト除去を行った情報でも良い。また、計測脳信号情報は、MEGデータでも良いし、電流の情報でも良い。また、通常、計測脳信号情報は、複数地点(例えば、208チャンネル)の情報であり、計測脳信号情報格納部121には、複数の脳信号情報が格納されている。
計測脳信号情報は、例えば、被験者の脳神経活動の電気的変化に伴って、被験者の頭部周辺で観測された微弱な磁場である。例えば、神経電流を位置と方向が固定されたN個の電流ダイポールでモデル化し、その電流モーメントの強度をN次元ベクトルJで表すM個のMEGセンサ上での観測磁場をM次元ベクトルBで表すと、次式が成り立つ。
このM次元ベクトルBが、計測脳信号情報の例である。また、上記のN次元ベクトルJを計測脳信号情報の例としても良い。ここで、Gはリードフィールド行列と呼ばれ、単位電流モーメントによって発生する磁場を表す行列である。脳を囲む頭蓋内部が均一な媒質の球であると仮定すると、リードフィールドの成分はSarvasの式によって解析的に計算できる。MEG信号を生成する主要な脳活動成分は錐体細胞に流れる電流であるという知見に基づき、皮質表面上に垂直な向きを持つ電流ダイポールを仮定する、とする。なお、Sarvasの式は、公知の式であるので、詳細な説明は省略する。
計測脳信号情報格納部121は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。計測脳信号情報格納部121に計測脳信号情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して計測脳信号情報が計測脳信号情報格納部121で記憶されるようになってもよく、脳信号計測装置11から通信回線等を介して送信された計測脳信号情報が計測脳信号情報格納部121で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された計測脳信号情報が計測脳信号情報格納部121で記憶されるようになってもよい。
脳事前情報格納部122は、脳活動に関する事前の情報である脳事前情報を格納し得る。脳事前情報は、脳の電流に対する事前分布であり、事前知識に基づいて定められる情報である。脳事前情報は、例えば、後述するP(J)である。脳事前情報は、例えば、階層ベイズ推定を用いて、図示しない導出手段により導出されたものである。階層ベイズ推定では、次のようなダイポールに対する階層事前分布を取得する。また、脳事前情報は、信号の強度に関する情報である強度情報を含むことは好適である。さらに、脳事前情報は、fMRI強度情報を電流分散とし、当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であっても良い。
以下、階層事前分布の取得方法を説明する前に、階層ベイズ推定を用いて、ダイポール位置での電流を推定する方法について説明する。
つまり、脳表面近くのM点での測定した磁場をB=(B,...,B、脳表面上に仮定したダイポールに流れる電流分布をJ={J|i=1,...,N}と表す、とする。また、階層ベイズ推定において、電流分布Jが与えられたときに磁場Bが観測される確率P(B|J)が、数式2の正規分布に従うと仮定する。
数式2において、βはノイズ分散の逆数である。また、磁場Bを観測したときの電流Jの事後分布(P(J|B))は次の数式3で表される。
数式3において、P(B)は周辺尤度である。P(J)は電流に対する事前分布であり、所定の事前知識に基づいて定められる。階層ベイズ推定では、以下の数式4から数式6のようなダイポールに対する階層事前分布が導入される。
数式4において、Aはその対角成分がα={α|i=1,...,N}である対角行列であり、α?1 がJの事前電流分散に対応する。ここで、事前電流分散を表すパラメータを、以下の数式7に示すものとする。
階層事前分布のパラメータであるν0iバー(バーは、νの上の−を有する文字を意味する)とγ0iはハイパーパラメータと呼ばれている。これらの値はfMRIの活動強度情報(t値)、倍率のパラメータm、信頼度のパラメータγ・γ0iから定義されている。ν0iバーはfMRIのt値に応じて設定され、背景電流分散をν0,baseとすると、ν0iバーは、数式8のように表される。なお、ハイパーパラメータは、信号の強度に関する情報である強度情報の例である。
ここで、tハット(ハットは、tの上に^が存在することを示す)は最大値が1となるようにfMRIのt値を正規化した値である。
νバーが大きいと、電流の分散が大きくなる確率が高くなる(i番目のダイポールに電流が流れやすい、という事前情報を与えることを意味する)。ハイパーパラメータγ0iは階層事前分布の信頼度を制御する。γ0iが小さいほど信頼度が低く、大きいほど信頼度が高いことを表す。
脳事前情報は、例えば、図示しない脳事前情報取得手段により、fMRI活動強度情報を数式8に代入し,m=100、γ0i=100として事前分散の推定を行い、取得された情報である。なお、脳事前情報は、皮質上に配置したダイポールに対して、事前分散の推定を行い、取得された情報である。
脳事前情報格納部122は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。脳事前情報格納部122に脳事前情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して脳事前情報が脳事前情報格納部122で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された脳事前情報が脳事前情報格納部122で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された脳事前情報が脳事前情報格納部122で記憶されるようになってもよい。
アーチファクト事前情報格納部123は、アーチファクト源に関する事前の情報である1以上のアーチファクト事前情報を格納し得る。アーチファクト事前情報格納部123は、複数のアーチファクト事前情報を格納していることは好適である。アーチファクト源とは、例えば、生体の一部である眼球、咀嚼筋、心拍などである。また、アーチファクト源とは、例えば、生体以外の外部のアーチファクト源であるテレビ、輸送物(自動車、トラック、電車等)の通過などでも良い。つまり、アーチファクト事前情報は、被験者の生体に含まれるアーチファクト源に関する事前の情報である生体アーチファクト事前情報を含む。また、アーチファクト事前情報は、被験者の生体に含まない外部のアーチファクト源に関する事前の情報である外部アーチファクト事前情報を含んでも良い。アーチファクト事前情報は、脳事前情報と同様に、例えば、階層ベイズ推定を用いて得られる情報であり、数式4から数式6のようなダイポールに対する階層事前分布である。ただし、アーチファクト事前情報は、脳事前情報とは、電流分散の大きさ(信号の強度である強度情報)が異なる。例えば、各種のアーチファクト事前情報は、数式9、10のように表される。また、アーチファクト事前情報は、強度情報を含むことは好適である。また、脳事前情報の強度情報と、1以上の各アーチファクト事前情報の各強度情報は、異なることは好適である。さらに、各アーチファクト事前情報は、fMRI強度情報と比較して大きな電流分散を用い、かつ当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であることは好適である。
ここで,νeyeバー(バーとは、νの上の−を有することを示す)、νcardiacバー、νmasticatoryバーはそれぞれ眼球中心、心臓位置、咀嚼筋に配置したダイポールに関するハイパーパラメータν0iバーである。また、γeye、γcardiac、γmasticatoryは、ハイパーパラメータγ0iに対して同様の値を表す。
なお、νbrainバー:νeyeバー:νcardiacバー:νmasticatoryバーは、例えば、「1:50:5000:100」などの簡易な比でも良い。
また、これらの事前電流分散は、例えば、図示しないアーチファクト事前情報取得手段が、観測磁場と復元磁場のあてはまりの度合(Goodness−of−fit,GoF)である第一の指標、fMRIの活動強度情報と平均電流分散の相関係数である第二の指標、の2種類の指標をもとに決定したものであることは好適である。
具体的には、GoFは数式11により定義される量とした。
数式11において、チャンネルjでの計測磁場をBobs(j)、チャンネルjにおける復元磁場をBest(j)とする。Mはセンサ数とする。推定電流から計算される磁場(復元磁場)と観測磁場が一致しているならばGoFは大きくなる(100に近づく)。推定結果と計測結果が一致するようなハイパーパラメータを選択するための判断材料としてGoFを用いた。第二の指標については、fMRIの活動が期待される位置では、脳内での神経活動も大きくなることが期待される。そのため、fMRIの活動強度情報と平均電流分散には対応関係があると考えられる(ふたつの相関係数が最も大きくなることが期待される)。第一の指標と第二の指標の条件をできるだけ満たすようなハイパーパラメータの組を選択することでアーチファクト源の電流強度に関する粗い情報をあらかじめ設定し、アーチファクト事前情報取得手段は、ダイポールに関する事前分散(アーチファクト事前情報)を推定し、取得するものとする。アーチファクト事前情報格納部123は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。アーチファクト事前情報格納部123にアーチファクト事前情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してアーチファクト事前情報がアーチファクト事前情報格納部123で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたアーチファクト事前情報がアーチファクト事前情報格納部123で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたアーチファクト事前情報がアーチファクト事前情報格納部123で記憶されるようになってもよい。
脳活動情報取得部124は、計測脳信号情報格納部121に格納されている計測脳信号情報と、脳事前情報格納部122に格納されている脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する。脳活動情報取得部124は、複数のダイポール位置での電流についての情報である脳活動情報を、計測脳信号情報(例えば、B)と脳事前情報(例えば、P(J))とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得することは好適である。例えば、脳活動情報取得部124は、上述した数式3の情報を格納しており、当該数式3を用いて、電流Jの事後分布(P(J|B))を取得する。電流Jの事後分布(P(J|B))は、脳活動情報である。脳活動情報取得部124は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。脳活動情報取得部124の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
アーチファクト情報取得部125は、計測脳信号情報と、1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得する。アーチファクト情報取得部125は、複数のアーチファクト源ごとに、アーチファクト情報を推定し、複数のアーチファクト情報を取得することは好適である。アーチファクト情報取得部125は、アーチファクト源のダイポール位置での電流についての情報である1以上のアーチファクト情報を、計測脳信号情報と、1以上のアーチファクト事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得することは好適である。アーチファクト情報取得部125は、事前情報が異なるが、脳活動情報取得部124と同様の動作を行う。つまり、アーチファクト情報取得部125は、数式3を用いて、各アーチファクト源に対応する電流Jの事後分布(P(J|B))を取得する。アーチファクト情報取得部125は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。アーチファクト情報取得部125の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力脳活動情報取得部126は、計測脳信号情報と脳活動情報と1以上のアーチファクト情報とを用いて、計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する。つまり、アーチファクトの影響を取り除くために、脳皮質のダイポールとアーチファクト源のダイポールの推定を同時に行うこととなる。なお、脳皮質のダイポールの推定とは、脳活動情報取得部124が脳活動情報を取得する処理である。アーチファクト源のダイポールの推定とは、アーチファクト情報取得部125が、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を取得する処理である。
また、出力脳活動情報取得部126は、計測脳信号情報と脳活動情報と複数のアーチファクト情報とを用いて、計測脳信号情報から複数のアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得することは好適である。
さらに、出力脳活動情報取得部126は、計測脳信号情報から、脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報とアーチファクト情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得することは好適である。なお、脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールの情報は、予め設定されていても良いし、ユーザが手入力により与えるなどしても良い。
以下、出力脳活動情報取得部126等の具体的な動作例について説明する。今、脳皮質とアーチファクト源のダイポールをそれぞれJbrain,Jnoise,リードフィールド行列をGbrain,Gnoise,ダイポールの事前分散をA?1 brain,A?1 noiseとすると、以下の式12から14を用いて、脳活動情報取得部124、およびアーチファクト情報取得部125は、それぞれ脳皮質とアーチファクト源のダイポールJを推定する。
つまり、脳活動情報取得部124とアーチファクト情報取得部125により、階層ベイズ推定法でアーチファクト源と脳皮質のダイポールを同時に推定した後に、出力脳活動情報取得部126は、fMRIの活動がない位置に配置されたダイポールのみが作る磁場を、数式15にしたがって観測磁場Bから取り除き、Bprunedを算出し、メモリ上に配置する。なお、観測磁場Bは、計測脳信号情報の一例であり、Bprunedは、出力脳活動情報の一例である。
出力脳活動情報取得部126は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。出力脳活動情報取得部126の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
ノイズ除去精度情報取得部127は、出力脳活動情報取得部126が取得した出力脳活動情報と、計測脳信号情報とを用いて、当該出力脳活動情報におけるノイズ除去の精度に関する情報であるノイズ除去精度情報を取得する。ノイズ除去精度情報取得部127の具体的な処理の例は、後述する。ノイズ除去精度情報取得部127は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。ノイズ除去精度情報取得部127の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部128は、出力脳活動情報を出力する。出力部128は、ノイズ除去精度情報が、予め格納されている閾値と比較して高い精度である場合のみ、出力脳活動情報を出力しても良い。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。出力部128は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部128は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、脳活動情報出力システムを構成する脳活動情報出力装置12の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)脳活動情報取得部124は、計測脳信号情報格納部121から計測脳信号情報を読み出す。
(ステップS202)脳活動情報取得部124は、脳事前情報格納部122から脳事前情報を読み出す。
(ステップS203)脳活動情報取得部124は、予め格納している数式であり、脳活動情報等の推定のための数式を、メモリ上に読み出す。かかる数式は、例えば、階層ベイズ推定を実現するための式である。
(ステップS204)脳活動情報取得部124は、ステップS203で読み出した式に対して、ステップS201で読み出した計測脳信号情報と、ステップS202で読み出した脳事前情報を代入し、当該式を実行し、脳活動情報を取得し、メモリ上に配置する。
(ステップS205)アーチファクト情報取得部125は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS206)アーチファクト情報取得部125は、アーチファクト事前情報格納部123に、i番目のアーチファクト事前情報が存在するか否かを判断する。i番目のアーチファクト事前情報が存在すればステップS207に行き、存在しなければステップS210に行く。
(ステップS207)アーチファクト情報取得部125は、アーチファクト事前情報格納部123から、i番目のアーチファクト事前情報を読み出す。
(ステップS208)アーチファクト情報取得部125は、ステップS203でメモリ上に読み出された数式に、ステップS201で読み出された計測脳信号情報と、ステップS207で読み出したアーチファクト事前情報を代入し、当該式を実行し、アーチファクト情報を取得し、メモリ上に配置する。
(ステップS209)アーチファクト情報取得部125は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS206に戻る。
(ステップS210)出力脳活動情報取得部126は、ステップS204で取得された脳活動情報から、fMRI活動のない位置のダイポールに対する情報を取り除く。
(ステップS211)出力脳活動情報取得部126は、ステップS210で残った情報から、ステップS208で取得された1以上のアーチファクト情報を取り除く。そして、出力脳活動情報取得部126は、出力脳活動情報を得る。
(ステップS212)出力部128は、ステップS211で取得された出力脳活動情報を出力し、処理を終了する。
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS210、ステップS211における処理の順序、タイミングは問わない。ステップS210、ステップS211における処理は、例えば、上述した数式15を用いて行われる。
また、図2のフローチャートにおいて、ノイズ除去精度情報取得部127の処理は行わなかった。しかし、図2のフローチャートにおいて、出力部128は、ノイズ除去精度情報が、予め格納されている閾値と比較して高い精度である場合のみ、出力脳活動情報を出力しても良い。
以下、本実施の形態における脳活動情報出力システムを用いた実験結果について説明する。被験者は、正常な視覚を有する健常男性3名である。被験者3名(X,Y,Z)が、MEG計測実験とfMRI計測実験の両方に参加した。実験に先だって、被験者には実験内容についての説明を行い、同意を得た上で実験を行った。
MEG計測実験とは、以下のような実験である。脳信号計測装置11は、全頭型の208チャンネルセンサを有する市販の脳磁計測装置である。そして、脳信号計測装置11により、1000HzでMEGデータが記録した。なお、MEGデータは、計測脳信号情報の一例であるとも考えられる。
そして、実験課題として、被験者は運動する視標を、固視点を注視したまま、心的に追従する課題を行った(covert pursuit task)。具体的には、以下の(a)から(d)の流れで課題を遂行した。
(a)被験者は、準備が出来たら、タスク開始のボタンを押す。(b)固視点と視標が画面中央に現れる(1000±500ms間待つ)。ターゲットは画面中央で静止している。被験者は固視点を見つめ続けるように指示された。見つめる時間は4000msとした(pretrigger期間)。(c)その後、視標が水平方向に動き始める。被験者は、固視点を見つめながら視標を心の中で追従するように指示された。視標は4000ms間動き続けた。(d)視標が消え、被験者は休憩する。そして、(a)から(d)の流れを1試行とした。指標の運動パターンは3種類あり、それぞれ30試行ずつランダムに提示した(3種類×30試行=合計90試行)。これを1セッションとして、被験者は合計で3セッション(1セッション90試行×3セッション=合計270試行)課題を遂行した。
次に、fMRI計測実験について説明する。fMRI計測には市販の1.5TのMRIスキャナを用いた。視覚刺激は眼前から370mm離れた位置に設置したスクリーンに提示した。被験者は、正弦波の動きをする指標を、目を動かさずに心的に追従するテストブロックと、静止する固視点を注視しつづけるコントロールブロックを、それぞれ18秒間ずつ繰り返した。テストブロックの指標は、振幅4deg、周波数0.5Hzの正弦波運動する赤色の点とした。
まず、最初に、脳信号計測装置11が計測し、取得したMEGデータは、リファレンスセンサの値を用いて、図示しない低周波ドリフト除去手段(脳信号計測装置11が有する)により、低周波のドリフトの影響が除去された。次に、図示しないデータ切出手段(脳信号計測装置11が有する)により、指標の提示時刻を基準にして−400〜+4000msのデータを切り出し、これを1試行のデータとした。データ切出手段により、切り出されたMEGデータの最初の400ms間は指標が動き出す前の状態であり(pretrigger期間)、図示しない補正手段(脳信号計測装置11が有する)により、この期間の平均値を用いて基線補正を行った。上記の前処理をしたMEGデータが、計測脳信号情報格納部121に格納された計測脳信号情報の例であり、後述する電流推定に用いられる。
また、解析の際、タスク遂行中に瞬目の影響のあるデータは除外した。また、実験中に被験者が熟睡してしまったセッションのデータも除外した。そのため、被験者X、Y、Zから計測されたデータのうち、それぞれ53.3%、93.0%、76.3%のデータが解析に用いられた。
fMRIデータの解析はSPM5(The Wellcome Department of Cognitive Neurology)を用いて行われた。静止する固視点のみが提示され、それを注視している条件と、固視点を注視したままその上側で運動する指標を心の中で追従している条件での脳活動の有意差検定をt検定で行った。
あらかじめ計測しておいた被験者のMRI構造画像をもとに、Brain Voyager(Brain Innovation)を用いて大脳表面モデルを作成した。その全脳モデル上に、被験者Xは1886個、被験者Yは3229個、被験者Zは2789個のダイポールが配置された。このとき、タスクに関連した脳活動が期待される領域(fMRIでのt検定の有意差がp<0.01[uncorrected])は密になるように、ダイポールが配置された。その結果,fMRIの活動が期待される領域では2.15±1.31(mean±SD)[mm],それ以外の領域では、3.91±3.19[mm]の間隔でダイポールが配置された。
また、本実験では、主なアーチファクト源として、眼球付近、咀嚼筋、心拍を仮定し、それぞれの場所にダイポールを仮定した。眼球の中心位置、咀嚼筋の位置は、MRIの構造画像から割り出し、左右に一つずつダイポールを配置した。心臓の位置は、前交連(anterior commissure,AC)を原点として、前交連と後交連(posterior commissure,PC)を結ぶ線をy軸とする座標系を考え(x軸は正中矢状面に垂直な左右方向,z軸はこれらに垂直な上下方向),(x,y,z)=(−5,0,−23)[cm]の位置に配置した。
計測脳信号情報格納部121に格納されているMEGデータから、上述した階層ベイズ推定によって電流推定を行う際、fMRI活動強度情報(t値)を階層ベイズ推定の事前知識として用いた。つまり、脳事前情報格納部122には、fMRI活動強度情報(t値)を含む脳事前情報が格納されている。また、アーチファクト事前情報格納部123には、fMRI活動強度情報(t値)を含む、3つ(眼球付近、咀嚼筋、心拍に対応)のアーチファクト事前情報が格納されている。このとき、covert pursuit task に関連のある領域に絞って事前分布を与えることはせず、fMRIの解析によって得られた活動強度情報に基づいて事前分布が設定された。
以上により、計測脳信号情報格納部121、脳事前情報格納部122、およびアーチファクト事前情報格納部123に、それぞれの情報が格納された。
次に、出力脳活動情報取得部126等は、数式12から数式15を用いて、上述したようなアーチファクト除去を行った。そして、例えば、図示いない平滑化手段により、アーチファクトを除去されたデータに対して、100msの時間幅で移動平均を行い、データを平滑化した。
なお、本実験において、計測したMEGデータにPCAをかけて、その第一主成分がMCG(心磁図)波形に類似していることを目視で確認した上で、その成分を除去した。なお、PCAとは、主成分分析のことである。
(実験結果1)
脳活動情報出力装置12は、脳活動とアーチファクトの振舞いを同時に予測し、ノイズ除去を行うが、その精度を調べるために、被験者を伴うMEG計測実験を行った。被験者は、目の前に提示された動く視標を心的に追従する課題を実行するように指示され,そのときのMEGが、脳信号計測装置11により計測された。
このようなタスクを遂行する際に、MEGデータは、心拍や眼球アーチファクト、筋活動の影響を受けてしまう。そこで、それらのアーチファクト源と大脳皮質表面に対してダイポールを配置し、脳活動情報出力装置12により、それらの電流を推定することを試みた。その際、アーチファクト源や脳活動の信号強度は、上述したように、それぞれ異なることを考慮し、信号強度に関する情報を事前知識として、脳事前情報格納部122またはアーチファクト事前情報格納部123に、個別に蓄積し、出力脳活動情報取得部126が電流の推定を行った。そして、アーチファクト情報取得部125は、推定した電流からアーチファクトの磁場を復元し、出力脳活動情報取得部126が、計測データからアーチファクトの磁場を差し引くことによってアーチファクト除去を行い、出力脳活動情報を取得した。
図3のAは、頭部のどの位置で、MEGデータがどのような時間波形になるかを表している。アーチファクトを除去する前は頭部外側付近や眼球付近で波形が乱れている。しかし、アーチファクト除去後は、その乱れが小さくなっている(図3のB)。また、頭部中心付近は、外側部分に比べればアーチファクトの影響が小さいと予想されるが、そのような箇所では,ノイズ除去の前後で波形の特徴は変わらなかった(図3のC)。
次に、ノイズ除去精度情報取得部127は、ノイズ除去したデータと、(脳活動のみを反映した)真の値とのずれを、例えば、以下のように検知する。つまり、計測したデータを試行全体にわたって加算平均することによって、タスクに関係のない成分の影響を抑えることができる。ノイズ除去精度情報取得部127は、この値を、真の値と仮定し、その値からどの程度ずれが生じているかを検出する。具体的には、以下の数式16を用いて、ノイズ除去精度情報取得部127は、計測データ、PCA、VBMEGでクリーニングしたデータの各センサでのRMSE(root meansquare error)を計算する。なお、VBMEGとは、階層ベイズ推定を行なうためのソフトウェアのことである。
数式16において、Bは単一試行のMEGデータ、Bハット(ハットはBの上に^)はBの試行平均を表す。数式16において、Tはサンプル数、Kは試行回数を表す。ノイズ除去精度情報取得部127が行った、数式16を用いた計算結果を図4に示す。図4のA〜Cは典型的な被験者の視標パターン1のRMSEの試行平均値を頭部マップ上に表示した図である。
計測データ(図4のA)、PCA(図4のB)では頭部外側からくるアーチファクトの影響が見られるが、脳活動情報出力装置12における拡張ダイポールを用いた方法では、その影響が小さいことが分かる(図4のC)。
図4のDは、頭部外周部分(71個)のセンサのRMSEが観測値とPCA、VBMEGを用いた方法でRMSEの大きさを比較した図である。3つの解析方法について、分散分析を行うと、有意差がみられた(F(2,638)=762.61)。多重比較(TukeyのHSD検定)を行うと、すべてのデータ群の間に有意差があり([Observed]−[PCA]:p<0.01,[Observed]−[VBMEG]:p<0.01,[PCA]−[VBMEG]:p<0.01),VBMEGを使ってアーチファクト除去をした場合にRMSEが最も小さかった(図4のD)。
以上より、脳活動情報出力装置12は、頭部外側からのアーチファクトの影響をより良く除去できたことが分かる。
(実験結果2)
実験結果2では、脳内の格子点で推定された電流レベルでのアーチファクト除去が行われ、出力される脳活動情報が、電流レベルで推定精度が向上していることを示す。
図5は、視標を心的に追従しているときの推定電流波形の時間的・空間的パターンを表す(典型的な被験者の単一試行の結果の例)。図5のFは、視標位置の時間パターンである。図5のAは、脳表面にのみダイポールを配置して電流推定した場合の時間波形である。図5のBは、想定されるアーチファクト源にもダイポールを配置して、脳活動とアーチファクト源の振舞いを同時に推定した場合の推定電流波形である。そして、灰色の領域の時刻での平均電流分散の空間的なパターンを図5のC,Dに示す。
図5のC〜Eは、アーチファクト源に配置したダイポールの推定電流波形を表す。図5のDは、心臓のダイポールに関してであるが、心拍に似た特徴をもつ波形が得られた。脳内の推定電流が、アーチファクトによって大きく歪められているならば、脳内とアーチファクトの推定電流の間に何らかの相関があると考えられる。しかし、脳電流は、アーチファクト源に配置したダイポールでの推定電流と脳電流(Lateral Ocippito Temporal Cortex, LOTC)との相関はいずれも小さかった(被験者毎に相関係数を求め、すべての被験者の平均値と標準偏差は,[eye(left)]:(rx,ry,rz)=(0.00±0.07,0.00±0.07,0.02±0.08),[eye(right)]:(rx,ry,rz)=(0.00±0.08,0.00±0.00,0.0±0.00),[cardiac]:(rx,ry,rz)=(0.00±0.08,0.00±0.08,0.00±0.07),[masticatory muscle(left)]:(rx,ry,rz)=(0.00±0.07,0.00±0.08,0.00±0.07)),[masticatory muscle(right)]:(rx,ry,rz)=(0.00±0.07,0.01±0.07,0.00±0.08)).推定された脳電流がアーチファクトによって歪められている可能性は低いと考えられる。
脳表面だけにダイポールを配置した場合と、アーチファクト源と脳表面にダイポールを配置した場合で、推定結果を比較した。まず、磁場に関して、計測磁場と復元磁場について数式17で表されるあてはまりの度合(GoF)を調べた。
2つの条件で求めたGoFを比較した結果、アーチファクト源にダイポールを置くことによって、GoFは有意に大きくなり(paired t−test(8)=15.32,p<0.000001,図5F)、値は12.72±2.35%改善した。脳表面に配置したダイポールの数は1886〜3229個と多数であるのに対して、アーチファクト源に追加したダイポールの数はわずか15個([アーチファクト源5箇所]×[3軸方向])である。少ない数であるが、アーチファクト源に適切に配置することによって、GoFを効果的に改善することができた。
次に、推定電流に関して、fMRIで活動が期待される位置では、推定電流も大きくなることが予想される。そこで、fMRIの活動強度情報と推定電流の平均電流分散の相関関係を調べた。その結果、拡張ダイポールを置くことによって、相関が有意に大きくなり(paired t−test(8)=2.28,p<0.05,図6のB),fMRI活動強度情報と平均電流分散の相関においても改善がみられた。
以上、本実施の形態における脳活動情報出力装置12によれば、脳活動とアーチファクトの振舞いを同時に予測し、ノイズ除去を行うことができる。そのため、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本実施の形態によれば、アーチファクト源や脳活動の信号強度は、それぞれ異なることを考慮し、信号強度に関する情報を事前知識として個別に設定し、電流の推定を行うことにより、より精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本実施の形態によれば、推定した電流からアーチファクトの磁場を復元し、計測脳信号情報から差し引くことによってアーチファクト除去を行うことができ、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
また、本実施の形態によれば、計測脳信号情報は、主として、脳磁図(MEG)であった。ただし、計測脳信号情報は、脳波(EEG)でも良いことは言うまでもない。かかることは、他の実施の形態においても同様である。
さらに、本実施の形態によれば、拡張ダイポールを用いてアーチファクト除去を行い、従来の方法と比べて合理的かつ効果的にセンサレベルでノイズ除去ができる。また、アーチファクトも含めて脳電流を推定することによって、電流レベルでのクリーニングもできる。そのため、精度の高い脳活動の情報を出力できる。
なお、本実施の形態において、上述した数式の情報は、通常、当該数式を用いて演算する部、手段等が、予め保持しており、当該数式を読み出して、実行する。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における脳活動情報出力装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、記憶媒体に格納されている計測脳信号情報と脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する脳活動情報取得部と、前記計測脳信号情報と、記憶媒体に格納されている1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得するアーチファクト情報取得部と、前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記1以上のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する出力脳活動情報取得部と、前記出力脳活動情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記アーチファクト情報取得部は、複数のアーチファクト源ごとに、アーチファクト情報を推定し、複数のアーチファクト情報を取得し、前記出力脳活動情報取得部は、前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記複数のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報から複数のアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得するように、コンピュータを、機能させるためのプログラム、であることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記脳事前情報、および前記1以上の各アーチファクト事前情報は、信号の強度に関する情報である強度情報を含み、前記脳事前情報の強度情報と、前記1以上の各アーチファクト事前情報の各強度情報は、異なることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記1以上のアーチファクト事前情報は、被験者の生体に含まれるアーチファクト源に関する事前の情報である生体アーチファクト事前情報を含むことは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記1以上のアーチファクト事前情報は、被験者の生体に含まない外部のアーチファクト源に関する事前の情報である外部アーチファクト事前情報を含むことは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記脳事前情報は、fMRI強度情報を電流分散とし、当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であり、前記1以上の各アーチファクト事前情報は、fMRI強度情報と比較して大きな電流分散を用い、かつ当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であり、前記脳活動情報取得部は、複数のダイポール位置での電流についての情報である脳活動情報を、前記計測脳信号情報と前記脳事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得し、前記アーチファクト情報取得部は、アーチファクト源のダイポール位置での電流についての情報である1以上のアーチファクト情報を、前記計測脳信号情報と、前記1以上のアーチファクト事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得し、前記出力脳活動情報取得部は、前記計測脳信号情報から、前記脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報と前記アーチファクト情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得するように、コンピュータを、機能させるためのプログラム、であることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記計測脳信号情報は、頭部周辺で観測された磁場に関する情報であり、前記出力脳活動情報取得部は、前記脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報である電流の情報から磁場に関する情報である背景脳磁場情報を取得し、かつ、前記アーチファクト情報である電流の情報から磁場に関する情報であるアーチファクト磁場情報を取得し、前記計測脳信号情報から、前記背景脳磁場情報と前記アーチファクト磁場情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得するように、コンピュータを、機能させるためのプログラム、であることは好適である。
さらに、上記プログラムにおいて、前記出力脳活動情報取得部が取得した出力脳活動情報と、前記計測脳信号情報とを用いて、当該出力脳活動情報におけるノイズ除去の精度に関する情報であるノイズ除去精度情報を取得するノイズ除去精度情報取得部をさらに具備し、前記出力部は、前記ノイズ除去精度情報が、予め格納されている閾値と比較して高い精度である場合のみ、前記出力脳活動情報を出力するように、コンピュータを、機能させるためのプログラム、であることは好適である。
また、図7は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の脳活動情報出力装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図7は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図8は、コンピュータシステム340のブロック図である。
図7において、コンピュータシステム340は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412を含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
図8において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、MPU3413と、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3415と、MPU3413に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の脳活動情報出力装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の脳活動情報出力装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる脳活動情報出力装置は、精度の高い脳活動の情報を出力できる、という効果を有し、脳活動情報出力装置等として有用である。
実施の形態1における脳活動情報出力システムのブロック図 同脳活動情報出力システムの動作について説明するフローチャート 同アーチファクト除去前後でのMEG波形の比較を示す図 同観測値、PCA、VBMEGを用いた方法での平均からのずれを示す図 同推定電流の時間波形と空間マップを示す図 同拡張ダイポールの有無での推定結果の違いを示す図 同コンピュータシステムの概観図 同コンピュータシステムのブロック図
符号の説明
11 脳信号計測装置
12 脳活動情報出力装置
121 計測脳信号情報格納部
122 脳事前情報格納部
123 アーチファクト事前情報格納部
124 脳活動情報取得部
125 アーチファクト情報取得部
126 出力脳活動情報取得部
127 ノイズ除去精度情報取得部
128 出力部

Claims (10)

  1. 計測された脳の信号に関する情報である計測脳信号情報を格納し得る計測脳信号情報格納部と、
    脳活動に関する事前の情報である脳事前情報を格納し得る脳事前情報格納部と、
    アーチファクト源に関する事前の情報である1以上のアーチファクト事前情報を格納し得るアーチファクト事前情報格納部と、
    前記計測脳信号情報と前記脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する脳活動情報取得部と、
    前記計測脳信号情報と、前記1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得するアーチファクト情報取得部と、
    前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記1以上のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する出力脳活動情報取得部と、
    前記出力脳活動情報を出力する出力部とを具備する脳活動情報出力装置。
  2. 前記アーチファクト事前情報格納部は、
    複数のアーチファクト事前情報を格納しており、
    前記アーチファクト情報取得部は、
    複数のアーチファクト源ごとに、アーチファクト情報を推定し、複数のアーチファクト情報を取得し、
    前記出力脳活動情報取得部は、
    前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記複数のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報から複数のアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する請求項1記載の脳活動情報出力装置。
  3. 前記脳事前情報、および前記1以上の各アーチファクト事前情報は、
    信号の強度に関する情報である強度情報を含み、
    前記脳事前情報の強度情報と、前記1以上の各アーチファクト事前情報の各強度情報は、異なることを特徴とする請求項1または請求項2記載の脳活動情報出力装置。
  4. 前記1以上のアーチファクト事前情報は、
    被験者の生体に含まれるアーチファクト源に関する事前の情報である生体アーチファクト事前情報を含む請求項1から請求項3いずれか記載の脳活動情報出力装置。
  5. 前記1以上のアーチファクト事前情報は、
    被験者の生体に含まない外部のアーチファクト源に関する事前の情報である外部アーチファクト事前情報を含む請求項4記載の脳活動情報出力装置。
  6. 前記脳事前情報は、
    fMRI強度情報を電流分散とし、当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であり、
    前記1以上の各アーチファクト事前情報は、
    fMRI強度情報と比較して大きな電流分散を用い、かつ当該電流分布に対する事前知識を表す事前分布であり、
    前記脳活動情報取得部は、
    複数のダイポール位置での電流についての情報である脳活動情報を、前記計測脳信号情報と前記脳事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得し、
    前記アーチファクト情報取得部は、
    アーチファクト源のダイポール位置での電流についての情報である1以上のアーチファクト情報を、前記計測脳信号情報と、前記1以上のアーチファクト事前情報とを用いた階層ベイズ推定を用いて推定し、取得し、
    前記出力脳活動情報取得部は、
    前記計測脳信号情報から、前記脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報と前記アーチファクト情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得する請求項1から請求項5いずれか記載の脳活動情報出力装置。
  7. 前記計測脳信号情報は、
    頭部周辺で観測された磁場に関する情報であり、
    前記出力脳活動情報取得部は、
    前記脳活動情報のうちの脳の活動が無いと考えられる位置に配置されたダイポールに対応する脳活動情報である電流の情報から磁場に関する情報である背景脳磁場情報を取得し、かつ、前記アーチファクト情報である電流の情報から磁場に関する情報であるアーチファクト磁場情報を取得し、
    前記計測脳信号情報から、前記背景脳磁場情報と前記アーチファクト磁場情報とを除く処理を行い、出力脳活動情報を取得する請求項1から請求項6いずれか記載の脳活動情報出力装置。
  8. 前記出力脳活動情報取得部が取得した出力脳活動情報と、前記計測脳信号情報とを用いて、当該出力脳活動情報におけるノイズ除去の精度に関する情報であるノイズ除去精度情報を取得するノイズ除去精度情報取得部をさらに具備し、
    前記出力部は、
    前記ノイズ除去精度情報が、予め格納されている閾値と比較して高い精度である場合のみ、前記出力脳活動情報を出力する請求項1から請求項7いずれか記載の脳活動情報出力装置。
  9. 脳活動情報取得部、アーチファクト情報取得部、出力脳活動情報取得部、および出力部により実現される脳活動情報出力方法であって、
    前記脳活動情報取得部により、記憶媒体に格納されている計測脳信号情報と脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する脳活動情報取得ステップと、
    前記アーチファクト情報取得部により、前記計測脳信号情報と、記憶媒体に格納されている1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得するアーチファクト情報取得ステップと、
    前記出力脳活動情報取得部により、前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記1以上のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する出力脳活動情報取得ステップと、
    前記出力部により、前記出力脳活動情報を出力する出力ステップとを具備する脳活動情報出力方法。
  10. コンピュータを、
    記憶媒体に格納されている計測脳信号情報と脳事前情報とを用いて、脳活動の情報である脳活動情報を推定し、取得する脳活動情報取得部と、
    前記計測脳信号情報と、記憶媒体に格納されている1以上のアーチファクト事前情報とを用いて、アーチファクト源の情報である1以上のアーチファクト情報を推定し、取得するアーチファクト情報取得部と、
    前記計測脳信号情報と前記脳活動情報と前記1以上のアーチファクト情報とを用いて、前記計測脳信号情報からアーチファクトの影響を取り除く処理を行い、出力される脳活動の情報である出力脳活動情報を取得する出力脳活動情報取得部と、
    前記出力脳活動情報を出力する出力部、として機能させるためのプログラム。
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