JP2009287486A - Piston of internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関用のピストンに関し、特にピストンの冷却構造に関する。 The present invention relates to a piston for an internal combustion engine, and more particularly to a cooling structure for the piston.
往復型内燃機関のピストンにおいて燃焼室に面する部分は、最も高熱及び高負荷が作用する箇所であり、常に冷却が必要である。よって、従来、ピストンを内部から冷却する冷却通路(クーリングチャンネル)をピストンヘッド部に形成したピストンが知られている。例えば特許文献1に開示されたピストンは、耐摩環の内周側に断面コ字型の板金部材を接合し、これをピストン素材内に鋳包むことで冷却通路を形成している。
しかし、特許文献1のピストンでは、冷却通路を形成する板金部材に、熱伝導率が比較的低い鋼板を使用しているため、ピストンの熱が冷却通路内へ十分速やかに移動せず、冷却性能が不十分である、という問題があった。 However, in the piston of Patent Document 1, since a steel plate having a relatively low thermal conductivity is used for the sheet metal member forming the cooling passage, the heat of the piston does not move sufficiently quickly into the cooling passage, and the cooling performance There was a problem that was insufficient.
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、冷却性能を向上できる内燃機関のピストンを提供することにある。 The present invention has been made paying attention to the above problems, and an object of the present invention is to provide a piston of an internal combustion engine that can improve cooling performance.
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関のピストンは、ピストンヘッド部にオイルが流通する空洞が設けられ、前記空洞は、多孔質材料を含む中空部材をピストン素材内に鋳包むことで形成され、前記多孔質材料内には、該多孔質材料よりも熱伝導率の高い含浸材が含浸されていることとした。 In order to achieve the above object, the piston of the internal combustion engine of the present invention is provided with a cavity through which oil flows in the piston head portion, and the cavity is formed by casting a hollow member containing a porous material in the piston material. The porous material is impregnated with an impregnating material having a higher thermal conductivity than the porous material.
よって、冷却通路を形成する中空部材の熱伝導率を高めて、ピストンの冷却性能を向上できる。 Therefore, the thermal conductivity of the hollow member forming the cooling passage can be increased, and the cooling performance of the piston can be improved.
以下、本発明の内燃機関のピストンを実現する最良の形態を、図面に基づき説明する。 The best mode for realizing the piston of the internal combustion engine of the present invention will be described below with reference to the drawings.
図1は、実施例1のピストン1の軸方向断面図である。実施例1のピストン1が適用される内燃機関は直接噴射式のディーゼルエンジンであり、ピストン1はディーゼルエンジンのシリンダ内に摺動自在に収容されている。ピストン1は、ピストン本体2及び中空部材3を有している。
FIG. 1 is an axial sectional view of the piston 1 of the first embodiment. The internal combustion engine to which the piston 1 of the first embodiment is applied is a direct injection diesel engine, and the piston 1 is slidably accommodated in a cylinder of the diesel engine. The piston 1 has a
ピストン本体2は有底円筒形状であり、ピストンヘッド部(以下、ヘッド部2aという。)とピストンスカート部(以下、スカート部2bという。)を有している。ピストン本体2の下部に設けられたスカート部2bの内周には、空洞部20が形成されている。スカート部2b(空洞部20)の周壁にはピン孔22及びピンボス22aが形成されている。ピン孔22には、コンロッドをピストン1に連結するためのピストンピンが嵌挿される。
The piston
ヘッド部2aの頂面には、所謂リエントラント型の燃焼室を構成する凹状のキャビティ21が穿設されている。キャビティ21はピストン本体2と同軸に形成されており、キャビティ21の入口には該入口を絞るように径方向内側に突出したリップ部21aが形成されている。キャビティ2の底壁は断面山形状に隆起されており、この隆起部21bとリップ部21aとに囲まれてドーナツ形状の渦流室21cが形成されている。
A
ピストン本体2の外周面23の上側には、3本のリング溝A,B,Cが設けられている。リング溝A〜Cは、ヘッド部2aからスカート部2bへ向かって順に、トップリング溝A、セカンドリング溝B、オイルリング溝Cを有している。トップリング溝Aは耐摩環4に形成されており、セカンドリング溝Bとオイルリング溝Cは、ピストン本体2の周壁(外周面23)に直接形成されている。トップリング溝Aとセカンドリング溝Bにはコンプレッションリング(トップリング、セカンドリング)が設置され、オイルリング溝Cにはオイルリングが設置される。
Three ring grooves A, B, and C are provided above the outer
ヘッド部2aには、環状の中空部材3が鋳包まれている。中空部材3は、耐摩環4及びオイル通路形成部材5からなる。耐摩環4は、軸方向で切った断面がコ字状に形成された環状の部材であり、ヘッド部2aの外周側であってセカンドリング溝Bの上方、渦流室21cと略同じ高さに設置されている。耐摩環4の上記コ字状に囲まれた凹部によりトップリング溝Aが形成されている。すなわち、上記コ字状の開口部は耐摩環4の外周側に位置しており、耐摩環4がヘッド部2aに鋳込まれた状態で上記開口部がピストン本体2の外周面23に露出することでトップリング溝Aが形成されている。
An annular
オイル通路形成部材5は、上側部材51と下側部材52の二部材からなる環状の部材であり、キャビティ21(渦流室21c)の外側かつ耐摩環4の内側の位置に設けられている。上側部材51と下側部材52は、それぞれの内周側で互いに一体に接合され、かつそれぞれの外周側で耐摩環4と一体に噛み合った状態で、ヘッド部2aの内部に鋳込まれている。このように耐摩環4とオイル通路形成部材5とが一体に組み付けられることで、中空部材3が形成されている。
The oil
耐摩環4の内周面と上側部材51の下面と下側部材52の上面とで囲まれた空洞は、ピストン本体2と同軸にピストン1の全周に亘ってリング状に形成されており、冷却媒体としてのオイルが流通ないし循環するオイル通路6となる。オイル通路6の径方向外側の側壁は耐摩環4の内周側により構成されており、オイル通路6はトップリング溝5aの内側に隣り合った位置にある。
A cavity surrounded by the inner circumferential surface of the wear-
オイル通路6の径方向内側の側壁は上側部材51及び下側部材52の内周側により構成されており、オイル通路6は、キャビティ21の外側に、渦流室21cの最外径位置から所定距離をおいて配置されている。この所定距離は、オイル通路6とキャビティ21との間で必要最低限の肉厚を確保し、これによりピストン本体2の強度を十分確保できる値に設定されている。また、オイル通路6の底部の壁は下側部材52により構成されており、セカンドリング溝Bと略同じ高さにある。
The radially inner side wall of the
下側部材52(オイル通路6)の底部には、所定の周方向箇所にオイルの導入口INと排出口OUTが形成されている。また、ピストン本体2の内部には、空洞部20と導入口INとを連通する供給通路24、及び排出口OUTと空洞部20とを連通する排出通路25が、ピストン1の軸方向にそれぞれ形成されている。空洞部20には、ジェットノズルが導入口INに指向して配置されている。
At the bottom of the lower member 52 (oil passage 6), oil inlets IN and outlets OUT are formed at predetermined circumferential positions. Further, in the
ジェットノズルから噴出されたオイルは、供給通路24(導入口IN)からオイル通路6内に導入され、オイル通路6内を循環した後、排出通路25(排出口OUT)からクランクケース内に排出される。その際、キャビティ21及びトップリング溝Aの近傍におけるピストン1の熱を、(オイル通路6の周壁を構成する)耐摩環4及びオイル通路形成部材5を経由して吸収し、これをピストン1の外部へ排出する。すなわち、オイル通路6はピストン1を内部から積極的に冷却する冷却通路(クーリングチャンネル)として機能する。
The oil ejected from the jet nozzle is introduced into the
このようにクーリングチャンネルは、トップリング溝Aの内周側に中空部材3をピストン1の素材内に鋳包むことによって形成されている。クーリングチャンネルによりトップリング溝Aの裏側が冷やされることで、トップリングのトップリング溝Aへの焼き付きが防止される。また、燃焼室の裏側が冷やされることで、ピストン1の熱負荷が効果的に軽減される。
Thus, the cooling channel is formed by casting the
図2は、組み立てられた状態の中空部材3の軸方向断面を示す。説明のためピストン1の中心軸Oの方向にx軸を設け、下側部材52に対して上側部材51が設置される側を正方向とする。耐摩環4の上面(x軸正方向側の面)には、その内周寄りに、リング状の溝である凹部41が形成されている。同様に、耐摩環4の下面(x軸負方向側の面)には凹部42が形成されている。
FIG. 2 shows an axial section of the
上側部材51は、水平方向(x軸に対して垂直方向)に延びるように形成された円環部51aと、円環部51aの内周縁に連続して形成され、下方(x軸負方向)かつ中心軸Oに向かって傾斜するテーパ部51bと、テーパ部51bの内周縁に連続して形成され、x軸負方向に延びる円筒部51cと、を有している。円環部51aの下面(x軸負方向側の面)の外周端には、リング状の突起である凸部51dが形成されている。
The
下側部材52は、水平方向に延びるように形成された円環部52aと、円環部52aの内周縁に連続して形成され、下方かつ中心軸Oに向かって傾斜するテーパ部52bと、テーパ部52bの内周縁に連続して形成され、水平方向かつ中心軸Oに向かって延びるリング状の底部52cと、底部52cの内周縁に連続して形成され、上方(x軸正方向)に延びる円筒部52dと、を有している。円環部52aの上面(x軸正方向側の面)の外周端には、リング状の突起である凸部52eが形成されている。
The
円筒部52dの上方端には受け部52fが設けられている。受け部52fは、円筒部52dの上方端面と、円筒部52dの内周面に連続して僅かに上方に延びて形成された(円筒部52dよりも若干小径の)円筒部分の外周面とにより囲まれた窪みである。
A receiving
図2の組み付け状態で、耐摩環4とオイル通路形成部材5は、凹部41,42と凸部51d, 52eにおいて噛み合っている。すなわち、上側部材51の円環部51aの凸部51dは、耐摩環4の上面の凹部41に嵌合し、凹部41に保持されている。下側部材52の円環部52aの凸部52eは、耐摩環4の下面の凹部42に嵌合し、凹部42に保持されている。
In the assembled state of FIG. 2, the wear-
一方、上側部材51と下側部材52は、凸部51d, 52eとは反対側の内周端で、重なり部をつくって接合している。すなわち、上側部材51の円筒部51cと下側部材52の円筒部52dは略同径であり、円筒部51cの下方端面は円筒部52dの上方端面に接合している。そして、円筒部51cの下方端は円筒部52dの受け部52fに保持されている。言い換えると、円筒部51cの下方端は、円筒部52dの上方端とx軸方向及びx軸直方向で重なり合っている。
On the other hand, the
ピストン本体2は、アルミニウム合金により成形されている。耐摩環4は鋳鉄製であり、ニレジスト鋳鉄からなる。オイル通路形成部材5は、ニレジスト鋳鉄からなる多孔質材料により成形されており、内部に微小な空洞である気孔(以下、空孔という。)が多数形成されている。この空孔内には、ニレジスト鋳鉄からなる多孔質材料本体よりも熱伝導率の高い材料、具体的にはアルミニウム合金が含浸されている。
The
(ピストンの製造工程)
以下、ピストン1の製造工程を説明する。
第1工程では、ニレジスト鋳鉄からなる耐摩環4を上記形状(図2参照)に切削加工する。
(Piston manufacturing process)
Hereinafter, the manufacturing process of the piston 1 will be described.
In the first step, the wear-
第2工程では、耐摩環4を切削加工する際に発生した粉末(切削粉)を材料として、オイル通路形成部材5の上側部材51と下側部材52のそれぞれにつき、上記形状(図2参照)の成形体(圧粉体)を得る。具体的には、上側部材51と下側部材52のそれぞれの成形金型に、上記切削粉(以下、切粉という。)を可能な限り含めた焼結用の金属粉末を充填して、これに圧力を掛けて固化し、上記形状にプレス加工する。
In the second step, the shape (see FIG. 2) of each of the
第3工程では、上側部材51と下側部材52の成形体(圧粉体)同士を、耐摩環4を挟み込むように仮組み付けし、中空部材3を組み立てる(図2参照)。
In the third step, the molded bodies (compacts) of the
第4工程では、組み立てた中空部材3を、ニレジスト鋳鉄の融点に近い所定温度(例えば1000℃以上)で焼結炉において加熱し、オイル通路形成部材5の焼結体を作る。このとき、耐摩環4とオイル通路形成部材5とが焼着して接合するとともに、上側部材51と下側部材52とが受け部52fで焼着して接合する。これによりオイル通路6が焼成される。
In the fourth step, the assembled
ここで、圧粉体のオイル通路形成部材5(上側部材51と下側部材52)は、中実の耐摩環4よりも熱収縮率が大きい。耐摩環4と一体に仮組み付けしない状態でオイル通路形成部材5のみを焼結した場合には、体積が焼結前に比べて約20〜30%減少する。本実施例1では、体積があまり変化しない耐摩環4と組み合わせた状態でオイル通路形成部材5を焼結するため、オイル通路形成部材5の過度の収縮を抑制し、これにより製造精度を向上することが容易である。
Here, the green oil passage forming member 5 (the
一方、上側部材51と下側部材52が径方向(x軸に対して垂直方向)ないし軸方向(x軸方向)に収縮する際、耐摩環4の凹部41に引っ掛けられた上側部材51の凸部51dが凹部41に強く押し付けられるとともに、耐摩環4の凹部42に引っ掛けられた下側部材52の凸部52eが凹部42に強く押し付けられる。これにより、上側部材51及び下側部材52と耐摩環4との焼結による接合が容易になる。また、上側部材51と下側部材52が軸方向(x軸方向)に収縮する際、上側部材51の円筒部51cが下側部材52の受け部52fに押し付けられる。よって、上側部材51及び下側部材52の焼結による接合が容易になる。
On the other hand, when the
また、この第4工程では、オイル通路形成部材5(上側部材51と下側部材52)は、その内部で接触する粉末粒子同士が結合するとともに、粉末粒子間に無数の空孔を残し、全体としては加熱前の形状をおおむね維持して固まる。すなわち、オイル通路形成部材5の焼結体は、多数の金属粉末(切粉)が全体として溶融することなく、個々の粉末の表面が溶けて凝集・一体化することで、内部に無数の空孔が形成された多孔質の構造体となっている。後述するように焼結体の空孔率は、好ましくは30%から40%であり、空孔率がこの範囲内に収まるように、第2工程において、上側部材51及び下側部材52の圧粉体を調整する。
In the fourth step, the oil passage forming member 5 (the
第5工程では、焼結により成形された中空部材3を、鋳物用アルミニウム合金(例えば7〜14%のシリコンを含んだAC3A材)の溶湯(例えば650〜800℃)の中に浸漬する。これにより、アルミニウム合金がオイル通路形成部材4(上側部材51と下側部材52)の表面から内部の空孔内に進入し、浸透する。例えば10〜30分間浸漬した後、中空部材3を溶湯から引き上げる。
In the fifth step, the
第6工程では、溶湯から引き上げた中空部材3を空冷し、アルミニウム合金の結晶相を調整した後、再び上記溶湯に浸漬する。
In the sixth step, the
第7工程では、上記のように空孔にアルミニウム合金を含浸させた中空部材3をピストン1の金型(鋳型)内にセットし、ピストン本体2の素材となる鋳物用アルミニウム合金(例えばAC8A材)を流し込んで、ピストン1を成形する。すなわち、中空部材3をピストン1の素材に鋳包んで、ピストン本体2を中空部材3と一体に鋳込む。
In the seventh step, the
第8工程では、ピストン本体2の空洞部20にドリル刃を入れてピストン本体2に供給通路24及び排出通路25を穿設するとともに、オイル通路形成部材5(下側部材52)の底部に導入口INと排出口OUTを開口する。
In the eighth step, a drill blade is inserted into the
図3は、オイル通路形成部材5の空孔率とアルミニウム合金の浸透度及び形状保持性との関係についての実験結果を示す。
FIG. 3 shows experimental results on the relationship between the porosity of the oil
空孔率は、オイル通路形成部材5の全体積に占める全空孔の割合(空孔の含有率)である。オイル通路形成部材5の真密度ρ(kg/m3)と見かけ密度ρ'( kg/m3)を用いて、空孔率(%)={1−(ρ'/ρ)}×100により算出する。ここで真密度ρとは、空孔がないとした場合のオイル通路形成部材5の実質の密度であり、材料(ニレジスト鋳鉄)それ自身の理論密度をいう。見かけ密度ρ'とは、空孔の容積を含んで計算されるオイル通路形成部材5の見かけ上の密度であり、オイル通路形成部材5の焼結体において実際に測定された密度をいう。
The porosity is the ratio (total content of holes) of the total holes in the total volume of the oil
浸透度(%)とは、オイル通路形成部材5の内部へのアルミニウム合金の浸透度合いを示す値である。浸漬後のオイル通路形成部材5を切断し、その断面を観察して、その表面からアルミニウム合金が進入した距離がオイル通路形成部材5の板厚全体(例えば円環部51aのx軸方向幅)に占める割合を測定することで算出する。断面観察で板厚の10%未満の浸透しかなかったものを×、10%以上50%未満の浸透があったものを△、50%以上80%未満の浸透があったものを○、80%以上の浸透があったものを◎と表示している。熱伝導率が比較的高いアルミニウム合金の浸透により、鋳鉄製のオイル通路形成部材5の熱伝導率は全体として上がる。よって、浸透度が高いほど、オイル通路形成部材5の内部を熱が移動しやすくなる。
The degree of penetration (%) is a value indicating the degree of penetration of the aluminum alloy into the oil
形状保持性とは、焼結後も中空部材3がその形状を概ね維持できる程度すなわち強度を示し、焼結により中空部材3を組み立てることができるか否かを示す度合いである。中空部材3を組み立てることができる強度を有しているものを○又は◎と表示する。○よりも◎のほうが、強度が高いことを示す。
The shape retaining property is a degree indicating that the
空孔率と浸透度との関係に着目すると、空孔率が0〜10%では、アルミニウム合金の浸透は見られなかった(×)。空孔率が10〜20%では、オイル通路形成部材5の熱伝導率を上げるという観点からは、浸透度が不十分であった(△)。空孔率が20%以上で、上記観点から十分な浸透度が確保された(○◎)。特に、空孔率が30%以上では、上記観点から浸透度が良好であり(◎)、オイル通路形成部材5の熱伝導率を効果的に上げることができた。
Focusing on the relationship between the porosity and the degree of penetration, no penetration of the aluminum alloy was observed when the porosity was 0 to 10% (×). When the porosity is 10 to 20%, the permeability is insufficient from the viewpoint of increasing the thermal conductivity of the oil passage forming member 5 (Δ). The porosity was 20% or more, and sufficient permeability was ensured from the above viewpoint (◯ ◎). In particular, when the porosity was 30% or more, the permeability was good from the above viewpoint (◎), and the thermal conductivity of the oil
一方、空孔率と形状保持性との関係に着目すると、空孔率が0〜50%で、焼結後においても中空部材3の形状が保持された。すなわち、中空部材3の強度が、焼結による成形が可能な所定値を満たした。特に、空孔率が0〜40%では形状が十分に保持され、中空部材3をピストン本体2に鋳込む際の形状保持性やオイル通路6の形成といった観点から、強度が良好であった。一方、空孔率が50%以上では、上記所定値をクリアせず焼結による成形が不可能であるか、又は焼結後の強度が不足した。
On the other hand, paying attention to the relationship between the porosity and the shape retainability, the porosity was 0 to 50%, and the shape of the
以上より、中空部材3の強度を確保しつつオイル通路形成部材5の熱伝導率を上げることが可能な空孔率は20〜50%であり、特に30〜40%が望ましいことが分かった。
From the above, it was found that the porosity that can increase the thermal conductivity of the oil
[実施例1の作用]
以下、従来例と対比しつつ、本実施例1の作用効果を説明する。
従来、ディーゼルエンジンのピストンにおいて、燃焼室に面して高熱になるピストンヘッド部の内部に冷却用のオイル通路を形成したものが知られている。
[Operation of Example 1]
Hereinafter, the effects of the first embodiment will be described in comparison with the conventional example.
2. Description of the Related Art Conventionally, a piston of a diesel engine is known in which an oil passage for cooling is formed inside a piston head portion that faces a combustion chamber and becomes hot.
また近年、ディーゼルエンジンは高速高負荷で運転される傾向にあるため、ピストンに対する熱負荷が厳しくなってきており、ピストンのトップリング溝の近傍は圧縮、爆発による熱エネルギーで高温になる。それだけでなく、エンジン潤滑油の炭化や燃焼による煤が発生して付着し、ピストンリングと摩擦する。よって、ピストンリングの機能が低下し、オイル消費量が増大するおそれがある。これを改善するため、ピストン素材よりも高温時の耐摩耗性に優れたニレジスト鋳鉄等からなる耐摩環にトップリング溝を形成し、これをピストン本体に鋳込んだピストンや、この耐摩環の内周側(トップリング溝の近傍)に冷却用のオイル通路を配置したピストンも知られている。 In recent years, since diesel engines tend to be operated at high speed and high load, the heat load on the piston has become severe, and the vicinity of the top ring groove of the piston becomes hot due to thermal energy from compression and explosion. Not only that, soot is generated due to carbonization and combustion of engine lubricating oil and adheres to it and rubs against the piston ring. Therefore, there is a possibility that the function of the piston ring is lowered and the oil consumption is increased. In order to improve this, a top ring groove is formed in a wear-resistant ring made of Ni-resist cast iron, etc., which has better wear resistance at high temperatures than the piston material, and this is cast into the piston body, and the wear-resistant ring A piston is also known in which a cooling oil passage is disposed on the circumferential side (in the vicinity of the top ring groove).
ここで、オイル通路と耐摩環とを別体に設けた場合、すなわち、ピストン本体内であって耐摩環から所定距離をおいた位置に、例えば中子等を用いてオイル通路を形成した場合、オイル通路を形成する部材を別途設ける必要はない。ピストン本体からオイル通路内への熱の移動を妨げる部材がないため冷却効率もよい。しかし、この場合、ピストン製作時にオイル通路(中子等)と耐摩環との間にアルミニウム溶湯(ピストン素材)を流すことになるため、位置ズレ等のピストン製作上の困難がある。それだけでなく、オイル通路をトップリング溝に近づけることに対して制約があり、トップリング溝近傍の冷却効率が不十分となる。 Here, when the oil passage and the wear-resistant ring are provided separately, that is, when the oil passage is formed using a core or the like at a position within the piston body and a predetermined distance from the wear-resistant ring, There is no need to separately provide a member for forming the oil passage. Since there is no member that hinders the movement of heat from the piston body into the oil passage, the cooling efficiency is also good. However, in this case, since the molten aluminum (piston material) flows between the oil passage (core and the like) and the wear-resistant ring at the time of manufacturing the piston, there are difficulties in manufacturing the piston such as displacement. In addition, there is a restriction on bringing the oil passage closer to the top ring groove, and the cooling efficiency in the vicinity of the top ring groove becomes insufficient.
トップリング溝近傍の冷却性能を十分得るためにオイル通路の断面積を大きくしようとしても、例えばピストン頂面に燃焼室が穿設された内燃機関(典型的には直接噴射型のディーゼルエンジン)では、燃焼室の壁面からオイル通路までの距離が短くなってしまい、ピストンとして必要な強度を得ることが難しくなる。例えば、トップリング溝の位置はピストン頂面側に上がる傾向にあるが、この場合、耐摩環(トップリング溝)の内側にオイル通路を配置しようとしても、燃焼室の壁面からオイル通路までの距離を十分に確保できない。また、近年のディーゼルエンジンは、低排出ガスの要求から、燃焼室径が大きくなる傾向にあり、耐摩環の内側にオイル通路を設置するためのスペースを確保することが一層難しくなっている。 Even if an attempt is made to increase the cross-sectional area of the oil passage in order to obtain sufficient cooling performance in the vicinity of the top ring groove, for example, in an internal combustion engine (typically a direct injection type diesel engine) having a combustion chamber drilled in the piston top surface The distance from the wall surface of the combustion chamber to the oil passage is shortened, making it difficult to obtain the strength required for the piston. For example, the position of the top ring groove tends to rise toward the top surface of the piston. In this case, even if an oil passage is arranged inside the wear-resistant ring (top ring groove), the distance from the wall surface of the combustion chamber to the oil passage Cannot be secured sufficiently. In recent years, diesel engines have a tendency to increase the diameter of the combustion chamber due to the demand for low exhaust gas, making it more difficult to secure a space for installing an oil passage inside the wear-resistant ring.
そこで、上記特許文献1に開示されているように、断面コ字型の板金部材をオイル通路形成部材とし、これを耐摩環の内周側に接合して一体成形したものを、ピストン本体に鋳込む技術が知られている(以下、これを従来例という。)。この従来例では、オイル通路形成部材を耐摩環と一体に設けているため、オイル通路と耐摩環(トップリング溝)との間の距離をより短くできる。また、オイル通路形成部材と耐摩環とを鋳造によって一体成形するのではなく、断面コ字型の部材を耐摩環に接合する構成により、上記距離を可能な限り短くできる。よって、ピストン強度を確保しつつ、トップリング溝近傍の冷却効率をより向上できると考えられる。 Therefore, as disclosed in Patent Document 1 above, a sheet metal member having a U-shaped cross section is used as an oil passage forming member, which is joined to the inner peripheral side of the wear-resistant ring, and is integrally molded on the piston body. The technology is known (hereinafter referred to as a conventional example). In this conventional example, since the oil passage forming member is provided integrally with the wear ring, the distance between the oil path and the wear ring (top ring groove) can be further shortened. In addition, the above-mentioned distance can be shortened as much as possible by a structure in which the oil passage forming member and the wear-resistant ring are not integrally formed by casting, but a U-shaped member is joined to the wear-resistant ring. Therefore, it is considered that the cooling efficiency in the vicinity of the top ring groove can be further improved while ensuring the piston strength.
しかし、この従来例では、オイル通路形成部材を製作する際、帯状の鋼板をリング状に成形した後、絞り加工により断面コ字型に成形している。また、このように成形したオイル通路形成部材をロウ材や溶接により耐摩環に接合している。このため、高価な加工設備が必要になり、製造コストの抑制が困難である。また、熱伝導率が比較的低い(ピストン素材であるアルミニウム合金等よりも熱伝導率が劣る)鋼板を使用しているため、ピストンヘッド部ないしトップリング溝近傍の熱がオイル通路内へ十分速やかに移動しない。このため、冷却性能の向上に余地を残していた。 However, in this conventional example, when the oil passage forming member is manufactured, a strip-shaped steel plate is formed into a ring shape and then formed into a U-shaped cross section by drawing. The oil passage forming member formed in this way is joined to the wear-resistant ring by brazing material or welding. For this reason, expensive processing equipment is required, and it is difficult to suppress manufacturing costs. In addition, since steel plates with relatively low thermal conductivity (lower thermal conductivity than aluminum alloy, which is a piston material) are used, the heat in the vicinity of the piston head or top ring groove is quickly enough into the oil passage. Do not move to. For this reason, there is room for improvement in cooling performance.
これに対し、本実施例1では、オイル通路形成部材5を製作する際、耐摩環4を切削加工する際に発生した切粉を利用しつつ、焼結により成形するため、高価な加工設備が不要であり、製造コストの抑制が容易である。また、オイル通路形成部材5に熱伝導率が比較的低い材料を使用していても、多孔質材料からなるオイル通路形成部材5(焼結体)に熱伝導率が高い材料(アルミニウム合金)を含浸させることで、ピストンヘッド部2aないしトップリング溝Aの近傍からオイル通路6内への熱伝導率を高め、冷却性能をより向上できる。
On the other hand, in the first embodiment, when the oil
[実施例1の効果]
以下、実施例1から把握される本発明の内燃機関のピストン1の効果を列挙する。
[Effect of Example 1]
Hereinafter, effects of the piston 1 of the internal combustion engine of the present invention ascertained from the first embodiment will be listed.
(1)ピストンヘッド部2aにオイルが流通する空洞(オイル通路6)が設けられた内燃機関のピストンであって、空洞(オイル通路6)は、多孔質材料(オイル通路形成部材5)を含む中空部材3をピストン1の素材内に鋳包むことで形成され、多孔質材料内には、該多孔質材料(ニレジスト鋳鉄)よりも熱伝導率の高い含浸材(アルミニウム合金)が含浸されていることとした。
(1) A piston of an internal combustion engine provided with a cavity (oil passage 6) through which oil flows in the
よって、空洞(オイル通路6)を構成する中空部材3の熱伝導率を高めて、ヘッド部2aないしトップリング溝Aの近傍の冷却性能を向上できる、という効果を有する。
Therefore, the heat conductivity of the
(2)多孔質材料(オイル通路形成部材5)は焼結金属であることとした。 (2) The porous material (oil passage forming member 5) is a sintered metal.
よって、中空部材3(オイル通路形成部材5)を製作する際、鋼板の絞り加工等によった場合よりも成形が容易であり、高価な加工設備が不要となるため、製造コストの抑制を図ることができる、という効果を有する。 Therefore, when the hollow member 3 (oil passage forming member 5) is manufactured, forming is easier than in the case of using a drawing process or the like of a steel plate, and expensive processing equipment is not required. Has the effect of being able to.
(3)多孔質材料(オイル通路形成部材5)の空孔率は20〜50%であることとした。 (3) The porosity of the porous material (oil passage forming member 5) is 20 to 50%.
よって、空孔率が20%以上であることで、中空部材3(オイル通路形成部材5)の熱伝導率を上げることが可能である。また、空孔率が50%以下であることで、焼結による中空部材3の成形が可能であり、組み付け性を確保できる、という効果を有する。
Therefore, when the porosity is 20% or more, the thermal conductivity of the hollow member 3 (oil passage forming member 5) can be increased. Moreover, since the porosity is 50% or less, the
(4)多孔質材料(オイル通路形成部材5)の空孔率は30〜40%であることとした。 (4) The porosity of the porous material (oil passage forming member 5) is 30 to 40%.
よって、中空部材3(オイル通路形成部材5)の熱伝導率の向上と中空部材3の強度確保とを、より高度なレベルで実現できる。
Therefore, improvement in the thermal conductivity of the hollow member 3 (oil passage forming member 5) and securing of the strength of the
(5)含浸材はアルミニウム合金であることとした。 (5) The impregnating material was an aluminum alloy.
このように、多孔質材料(オイル通路形成部材4の空孔)内に含浸する材料として、熱伝導率が高いアルミニウム合金を用いることで、中空部材3(オイル通路形成部材5)の熱伝導度を向上し、ピストン本体2から冷却媒体(オイル)への熱移動を容易とすることができる。
Thus, the thermal conductivity of the hollow member 3 (oil passage forming member 5) is obtained by using an aluminum alloy having high thermal conductivity as the material impregnated in the porous material (holes in the oil passage forming member 4). The heat transfer from the
尚、含浸材として本実施例1ではアルミニウム合金を用いたが、多孔質材料(ニレジスト鋳鉄)よりも熱伝導性の良い材料であれば良く、例えば銅合金であってもよい。ここで、ピストン本体2の素材としては、アルミニウム合金を用いることが一般的である。よって、含浸材として本実施例1のようにアルミニウム合金を用いたときは、ピストン素材との間で材料の大部分を共通にすることが可能となり、低コスト化等を図ることができる。尚、この場合の含浸材におけるアルミニウム合金の組成としては、ピストン素材と同じであってもよいし、本実施例1のようにピストン素材と異ならせてその用途(熱伝導等)に最適な配合としてもよい。
In this embodiment, an aluminum alloy is used as the impregnation material. However, any material having better thermal conductivity than the porous material (Niresist cast iron) may be used, and for example, a copper alloy may be used. Here, as a material of the
(6)ピストンリング溝(トップリング溝A)の内周側にクーリングチャンネル(オイル通路6)が設けられた内燃機関のピストンであって、クーリングチャンネルは、ピストンリング溝を構成する鋳鉄からなる環状の耐摩環4と、耐摩環4の内周側に設けられ、耐摩環4に対して熱収縮が大きなリング部材(オイル通路形成部材5)とを噛み合わせることで形成された中空部材3をピストン素材内に鋳包むことによって形成されていることとした。
(6) A piston of an internal combustion engine in which a cooling channel (oil passage 6) is provided on the inner peripheral side of the piston ring groove (top ring groove A), and the cooling channel is an annular ring made of cast iron constituting the piston ring groove. The wear-
よって、トップリング溝Aとオイル通路6との距離を最小として、ピストン1の強度を確保しつつ、トップリング溝Aの近傍の冷却性能を向上できる。また、耐摩環4に対して熱収縮が大きなリング部材(オイル通路形成部材5)と耐摩環4とを噛み合わせて中空部材3を形成することで、加熱(焼結)による接合を容易とし、加工コスト(接合コスト)を低減できる。すなわち、オイル通路6を焼成すると同時にリング部材(オイル通路形成部材5)が耐摩環4と接合するため、接合のためのロウ付けや溶接などの追加の工程が不要となる。尚、本実施例1のような焼結材に限らず、熱収縮が大きな部材であれば上記作用効果が得られることは言うまでもない。
Therefore, the distance between the top ring groove A and the
(7)リング部材(オイル通路形成部材5)は焼結金属にて成形されていることとした。 (7) The ring member (oil passage forming member 5) is formed of sintered metal.
よって、リング部材(オイル通路形成部材5)を焼結により成形するため、鋼板の加工等により成形するよりも製造コストを抑制できる。また、焼結金属にて成形されるリング部材(オイル通路形成部材5)は熱収縮性が高いため、この焼結体の性質を利用して上記(6)のように中空部材3の加工性を向上し、製造コスト(接合コスト)の抑制を図ることができる。
Therefore, since the ring member (oil passage forming member 5) is formed by sintering, the manufacturing cost can be suppressed as compared with the case of forming the steel plate by processing or the like. Further, since the ring member (oil passage forming member 5) formed of sintered metal has high heat shrinkability, the workability of the
(8)リング部材(オイル通路形成部材5)は耐摩環4と同じ(同種の)材料(ニレジスト鋳鉄)によって成形されていることとした。 (8) The ring member (oil passage forming member 5) is formed of the same material (same type) as the wear resistant ring 4 (Niresist cast iron).
よって、リング部材(オイル通路形成部材5)と耐摩環4との間で材料を共通とすることで、低コスト化等を図ることができる。特に、本実施例1のように、耐摩環4を切削加工する際に発生した切粉をリング部材(オイル通路形成部材5)の材料に含めることで、焼結部材用の高価な金属粉を用いる必要性が小さくなって材料を節約できるため、製造コスト(材料コスト)を抑制できる。尚、切粉は均質に調整されておらず粒が粗いものの、この特質は、アルミニウム合金等を含浸するための空孔を作成するという観点からは却って有利に働き、特に不都合はない。
Therefore, by making the material common between the ring member (oil passage forming member 5) and the wear-
(9)耐摩環4とリング部材(オイル通路形成部材5)は、一方に設けられた凹部と他方に設けられた凸部によって噛み合っていることとした。
(9) The wear-
よって、中空部材3を加熱(焼結)により作成する際、リング部材(オイル通路形成部材5)が径方向ないし軸方向に収縮すると、耐摩環4の凹部41,42に噛み合ったオイル通路形成部材5の凸部51d,52eは、凹部41,42に対して上記方向で強く押し付けられる。したがって、加熱(焼結)による両部材の接合が容易になり、中空部材3の加工性を向上できる。尚、実施例1では耐摩環4に凹部41,42を設け、オイル通路形成部材5に凸部51d,52eを設けることとしたが、逆に、耐摩環4に凸部を設け、オイル通路形成部材5に凹部を設けてこれらを噛み合わせることとしてもよい。
Therefore, when the ring member (oil passage forming member 5) contracts in the radial direction or the axial direction when the
(10)ピストンヘッド部2aに空洞(オイル通路6)が設けられた内燃機関のピストンであって、空洞(オイル通路6)は、焼結金属材料からなる複数の構成部品(オイル通路形成部材5の上側部材51と下側部材52)を含む中空部材3をピストン素材内に鋳包むことで形成されていることとした。
(10) A piston of an internal combustion engine in which a cavity (oil passage 6) is provided in the
よって、空洞(オイル通路6)を形成する中空部材3を成形する際、焼結金属材料からなる複数の構成部品を用いることで、鋼板の加工等により成形する場合よりも製造コストを抑制できる。尚、本実施例1では上側部材51と下側部材52の2部材を組み合わせて中空部材3(オイル通路形成部材5)を構成することとしたが、適宜、3以上の部材を組み合わせることとしてもよい。
Therefore, when the
(11)本実施例1の内燃機関のピストン1の製造方法は、ピストンヘッド部2aに空洞(オイル通路6)が設けられた内燃機関のピストン1の製造方法であって、焼結金属材料からなる複数の構成部品(オイル通路形成部材5の上側部材51と下側部材52)を含む部品を組み合わせて中空部材3を仮組み付けする第1工程(実施例1の第3工程)と、仮組み付けされた中空部材3を焼成して各構成部品を一体化する第2工程(実施例1の第4工程)と、中空部材3をピストン1の鋳型に配置して鋳包みを行う第3工程(実施例1の第7工程)と、を含む工程によって空洞(オイル通路6)が形成されることとした。
(11) The manufacturing method of the piston 1 of the internal combustion engine of the first embodiment is a manufacturing method of the piston 1 of the internal combustion engine in which a cavity (oil passage 6) is provided in the
このように、空洞(オイル通路6)を形成する際、焼結金属材料からなる複数の構成部品を仮組み付けし、これを焼成して各構成部品を一体化する工程を有することで、鋼板の加工等により空洞(オイル通路6)を形成する場合よりも製造工程が簡素化される。したがって、ピストン1の製造コストを抑制できる。 Thus, when forming the cavity (oil passage 6), by temporarily assembling a plurality of component parts made of a sintered metal material and firing this to integrate each component part, The manufacturing process is simplified as compared with the case where the cavity (oil passage 6) is formed by processing or the like. Therefore, the manufacturing cost of the piston 1 can be suppressed.
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
[Other embodiments]
The best mode for carrying out the present invention has been described based on the first embodiment. However, the specific configuration of the present invention is not limited to the first embodiment and does not depart from the gist of the present invention. Any changes in the design of the range are included in the present invention.
例えば、実施例1では、上記ピストン構造ないしその製造方法をディーゼルエンジンのピストン1に適用した例を示したが、ガソリンエンジンのピストンにも適用できる。またクーリングチャンネル内に導入する冷却媒体はオイル以外のもの、例えばエア等が可能である。 For example, in the first embodiment, an example in which the piston structure or the manufacturing method thereof is applied to the piston 1 of a diesel engine is shown, but the present invention can also be applied to a piston of a gasoline engine. The cooling medium introduced into the cooling channel can be other than oil, such as air.
実施例1のピストン1では耐摩環4を設けたが、必ずしも耐摩環4を設けなくてもよい。実施例1では耐摩環4とオイル通路形成部材5を一体に設けたが、必ずしもオイル通路形成部材5を耐摩環4と一体に設けなくてもよい。
Although the wear-
また、耐摩環4を、オイル通路形成部材5と同様、焼結体により形成することとしてもよい。耐摩環4の材料として、実施例1ではニレジスト鋳鉄を用いたが、ピストン本体2よりも高い硬度を持つ材料であれば良く、特に限定しない。
Further, the wear-
また、オイル通路形成部材5の材料として、実施例1では耐摩環4と同じ材料(ニレジスト鋳鉄)を用いたが、耐摩環4と異なる材料(例えばオステナイト系ステンレス)を用い、その粉末を焼結することでオイル通路形成部材5を成形することとしてもよい。また、焼結金属材料として、鉄系材料に限らず、非鉄金属材料を用いてもよい。
Moreover, although the same material (Niresist cast iron) as the wear
実施例1では、多孔質材料(オイル通路形成部材5)の空孔率は20〜50%であることとしたが、上記作用効果が得られる限り、厳密に上記範囲内である必要はなく、20%を若干下回っていたり、50%を若干超えていたりしてもよい。また、空孔率は、焼結前の圧粉体に基づき計算してもよい。さらに、実施例1と異なる計算方法で空孔率や浸透度を算出することとしてもよい。 In Example 1, the porosity of the porous material (oil passage forming member 5) was determined to be 20 to 50%. However, as long as the above-described effects are obtained, it is not necessarily strictly within the above range. It may be slightly below 20% or slightly above 50%. The porosity may be calculated based on the green compact before sintering. Furthermore, it is good also as calculating a porosity and a permeability by the calculation method different from Example 1. FIG.
実施例1では、耐摩環4とオイル通路形成部材5を焼成により接合した後、この中空部材3を溶湯に浸漬し、その後一旦空冷し、再び上記溶湯に浸漬してから、ピストン本体2と一体に鋳込むこととしたが、空冷の工程を省略してもよい。すなわち、中空部材3を溶湯に浸漬後、これをそのままピストン金型内にセットして鋳込むこととしてもよい。
In the first embodiment, the wear-
また、アルミニウム合金の含浸方法として、実施例1では、焼成した中空部材3を溶湯に浸漬し、その後、ピストン金型内にこれをセットして鋳込むこととしたが、焼成した中空部材3をそのままピストン金型内にセットして、ピストン素材であるアルミニウム合金の溶湯をこの金型内に注湯し、その後、この溶湯に圧力を負荷することで中空部材3(オイル通路形成部材5)にアルミニウム合金を含浸させることとしてもよい。この場合、含浸材の組成はピストン素材と同一になる。
In addition, as the impregnation method of the aluminum alloy, in Example 1, the fired
1 ピストン
2a ピストンヘッド部
3 中空部材
5 オイル通路形成部材(多孔質材料)
6 オイル通路(空洞)
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
6 Oil passage (cavity)
Claims (11)
前記空洞は、多孔質材料を含む中空部材をピストン素材内に鋳包むことで形成され、
前記多孔質材料内には、該多孔質材料よりも熱伝導率の高い含浸材が含浸されている
ことを特徴とする内燃機関のピストン。 A piston of an internal combustion engine provided with a cavity through which oil flows in a piston head,
The cavity is formed by casting a hollow member containing a porous material in a piston material,
A piston for an internal combustion engine, wherein the porous material is impregnated with an impregnating material having a higher thermal conductivity than the porous material.
前記多孔質材料は焼結金属であることを特徴とする内燃機関のピストン。 The piston of the internal combustion engine according to claim 1,
A piston for an internal combustion engine, wherein the porous material is a sintered metal.
前記多孔質材料の空孔率は20〜50%であることを特徴とする内燃機関のピストン。 The piston of the internal combustion engine according to claim 1 or 2,
A piston of an internal combustion engine, wherein the porosity of the porous material is 20 to 50%.
前記多孔質材料の空孔率は30〜40%であることを特徴とする内燃機関のピストン。 In the piston of the internal combustion engine according to claim 3,
A piston for an internal combustion engine, wherein the porosity of the porous material is 30 to 40%.
前記含浸材はアルミニウム合金、又は銅合金であることを特徴とする内燃機関のピストン。 The piston of the internal combustion engine according to claim 1,
The piston of an internal combustion engine, wherein the impregnating material is an aluminum alloy or a copper alloy.
前記クーリングチャンネルは、ピストンリング溝を構成する鋳鉄からなる環状の耐摩環と、該耐摩環の内周側に設けられ、前記耐摩環に対して熱収縮が大きなリング部材とを噛み合わせることで形成された中空部材をピストン素材内に鋳包むことによって形成されていることを特徴とする内燃機関のピストン。 A piston of an internal combustion engine in which a cooling channel is provided on the inner peripheral side of the piston ring groove,
The cooling channel is formed by meshing an annular wear-resistant ring made of cast iron that constitutes a piston ring groove and a ring member that is provided on the inner peripheral side of the wear-resistant ring and has a large thermal shrinkage with respect to the wear-resistant ring. A piston for an internal combustion engine, wherein the formed hollow member is cast into a piston material.
前記リング部材は焼結金属にて成形されていることを特徴とする内燃機関のピストン。 In the piston of the internal combustion engine according to claim 6,
The piston of an internal combustion engine, wherein the ring member is formed of sintered metal.
前記リング部材は前記耐摩環と同じ材料によって成形されていることを特徴とする内燃機関のピストン。 The piston of the internal combustion engine according to claim 7,
The piston of an internal combustion engine, wherein the ring member is formed of the same material as the wear-resistant ring.
前記耐摩環と前記リング部材は、一方に設けられた凹部と他方に設けられた凸部によって噛み合っていることを特徴とする内燃機関のピストン。 In the piston of the internal combustion engine according to claim 6,
The piston of an internal combustion engine, wherein the wear-resistant ring and the ring member are engaged with each other by a concave portion provided on one side and a convex portion provided on the other side.
前記空洞は、焼結金属材料からなる複数の構成部品を含む中空部材をピストン素材内に鋳包むことで形成されていることを特徴とする内燃機関のピストン。 A piston of an internal combustion engine in which a cavity is provided in a piston head,
The piston of an internal combustion engine, wherein the cavity is formed by casting a hollow member including a plurality of components made of a sintered metal material in a piston material.
焼結金属材料からなる複数の構成部品を含む部品を組み合わせて中空部材を仮組み付けする第1工程と、
仮組み付けされた前記中空部材を焼成して各構成部品を一体化する第2工程と、
前記中空部材をピストンの鋳型に配置して鋳包みを行う第3工程と、
を含む工程によって前記空洞が形成される
ことを特徴とする内燃機関のピストンの製造方法。 A method of manufacturing a piston of an internal combustion engine in which a cavity is provided in a piston head part,
A first step of temporarily assembling a hollow member by combining parts including a plurality of constituent parts made of a sintered metal material;
A second step of integrating the respective component parts by firing the temporarily assembled hollow member;
A third step of placing the hollow member in a piston mold and carrying out casting;
The cavity is formed by a process including: A method for manufacturing a piston of an internal combustion engine.
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- 2008-05-30 JP JP2008141972A patent/JP2009287486A/en active Pending
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