JP2009249469A - 金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料及びそれを含む液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
液晶表示装置の駆動電圧を低下させることができる液晶材料の提供。
【解決手段】
1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料並びにこれを含む液晶表示装置。
【選択図】 なし
液晶表示装置の駆動電圧を低下させることができる液晶材料の提供。
【解決手段】
1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料並びにこれを含む液晶表示装置。
【選択図】 なし
Description
本発明は、金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料、更に詳しくは、1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料、及び該液晶材料を用いた液晶表示装置に関する。
従来、ナノ粒子を含有する液晶材料としては、0.5nm〜100nmの範囲の直径を備えるパラジウムナノ粒子などの金属ナノ粒子からなる核の周囲に液晶分子を結合させたものを添加した液晶材料が知られていた(特許文献1)。また、チタン酸バリウムの単結晶をボールミルなどでナノ粒子にまで粉砕し、これを液晶に添加した材料も知られていた(非特許文献1)。しかしながら、特許文献1では、液晶材料に周波数依存性が見られることから、既存の液晶ディスプレイには不適であり、また、金属カルコゲナイドナノ粒子についての言及がなされていない。また、非特許文献1では、液晶分子以外の界面活性剤が混在しているため、液晶表示への悪影響が懸念され、また、金属カルコゲナイドナノ粒子についての言及がなされていない。
一方、液晶表示装置においては、省電力化やバッテリーの寿命を延ばすために、閾値電圧を低下し駆動電圧を下げることが要望されている。
特開2003-149683号公報
Proceedings of Asia Display 2007, vol.1 p113.
本発明の課題は、上記問題点を解決した金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料を提供すること、ならびに、該液晶材料を含む液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の課題は、
(1)1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料;
(2)前記金属カルコゲナイドナノ粒子を液晶材料に対して0.001重量%〜0.4重量%の範囲の量で含有することを特徴とする(1)記載の液晶材料;
(3)(1)又は(2)記載の液晶材料を含む液晶表示装置
によって解決される。
(1)1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料;
(2)前記金属カルコゲナイドナノ粒子を液晶材料に対して0.001重量%〜0.4重量%の範囲の量で含有することを特徴とする(1)記載の液晶材料;
(3)(1)又は(2)記載の液晶材料を含む液晶表示装置
によって解決される。
本発明の液晶材料は、金属カルコゲナイドナノ粒子を含有しない元の液晶材料に比べて、液晶表示装置における閾値電圧を低下させることができるので、バッテリーの寿命を延ばすことができる。本発明の液晶材料は、特に、金属カルコゲナイドナノ粒子を、液晶材料に対して0.001重量%〜0.4重量%の範囲で含有する場合に、閾値電圧を大きく低下させるとともに、電圧保持率や相転移温度を低下させないという効果がある。
本発明は、1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料である。
本発明における金属カルコゲナイドとは、金属と周期律表の酸素の下の元素(硫黄、セレン、テルル)との化合物を示し、例えば、金属の硫化物、セレン化物、テルル化物が挙げられる。金属としては、例えば、銅、銀、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、白金、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、水銀などの金属が挙げられ、好ましくは、銅、亜鉛、又は、銀であり、さらに好ましくは、銅、又は、亜鉛である。金属カルコゲナイドとしては、好ましくは、テルル化銅(I)、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)、テルル化銀(I)、硫化銅(I)、硫化銅(II)、硫化亜鉛(II)、硫化銀(I)などが挙げられ、より好ましくは、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)、硫化銅(II)及び硫化亜鉛(II)などが挙げられ、特に好ましくは、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)又はこれらの混合物が挙げられる。なお、これらの金属カルコゲナイドは、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
本発明における液晶分子としては、任意の液晶分子、例えば、4'-n-ペンチル-4-シアノビフェニル、4'-n-ヘキシルオキシ-4-シアノビフェニル等のシアノビフェニル類;4-(trans-4-n-ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル等のシクロヘキシルベンゾニトリル類;4'-n-ペンチル-4-エトキシ-2,3-ジフルオロビフェニル、1-エトキシ-2,3-ジフルオロ-4-(trans-4-n-ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン等のフルオロベンゼン類;4-ブチル安息香酸(4-シアノフェニル)、4-ヘプチル安息香酸(4-シアノフェニル)等のフェニルエステル類;4-カルボキシフェニルエチルカーボネート、4-カルボキシフェニル-n-ブチルカーボネート等の炭酸エステル類;4-(4-n-ペンチルフェニルエチニル)シアノベンゼン、4-(4-n-ペンチルフェニルエチニル)フルオロベンゼン等のフェニルアセチレン類;2-(4-シアノフェニル)-5-n-ペンチルピリミジン、2-(4-シアノフェニル)-5-n-オクチルピリミジン等のフェニルピリミジン類;4,4'-ビス(エトキシカルボニル)アゾベンゼン等のアゾベンゼン類;4,4'-アゾキシアニソール、4,4'-ジヘキシルアゾキシベンゼン等のアゾキシベンゼン類;N-(4-メトキシベンジリデン)-4-n-ブチルアニリン、N-(4-エトキシベンジリデン)-4-n-ブチルアニリン等のシッフ塩基類;N,N'-ビスベンジリデンベンジジン等のベンジジン類;コレステリルアセテート、コレステリルベンゾエート等のコレステリルエステル類;ポリ(4-フェニレンテレフタルアミド)等の液晶高分子類が挙げられる。なお、これらの液晶分子は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、複数種の液晶分子混合物としては、市販品のものをそのまま用いることができる。
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子とは、金属カルコゲナイドの周辺で液晶分子が金属カルコゲナイドと物理的、化学的又は静電的に相互作用することによって形成される、当該金属カルコゲナイドを核としその周囲に当該液晶分子が結合しているナノサイズの粒子を意味する。
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子やこれを含む液晶材料は、例えば、以下に記載する第1製造法又は第2製造法によって、容易かつ大量に製造することができる。
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子やこれを含む液晶材料は、例えば、以下に記載する第1製造法又は第2製造法によって、容易かつ大量に製造することができる。
<第1製造法>
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子は、1種又は2種以上の液晶分子、1種又は2種以上の金属塩、及び、1種又は2種以上のカルコゲナイド前駆体を溶媒中で反応させることによって調製され得る(第1製造法)。ここで言及する「反応」とは、まず、金属塩からの金属イオンとカルコゲナイド前駆体が化学反応を起こして金属カルコゲナイドとなり、生成した金属カルコゲナイドの周辺で反応系内に含まれる液晶分子が金属カルコゲナイドと物理的、化学的又は静電的に相互作用により結合することによって、当該金属カルコゲナイドを中心としたナノサイズの粒子を形成することを意味する。
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子は、1種又は2種以上の液晶分子、1種又は2種以上の金属塩、及び、1種又は2種以上のカルコゲナイド前駆体を溶媒中で反応させることによって調製され得る(第1製造法)。ここで言及する「反応」とは、まず、金属塩からの金属イオンとカルコゲナイド前駆体が化学反応を起こして金属カルコゲナイドとなり、生成した金属カルコゲナイドの周辺で反応系内に含まれる液晶分子が金属カルコゲナイドと物理的、化学的又は静電的に相互作用により結合することによって、当該金属カルコゲナイドを中心としたナノサイズの粒子を形成することを意味する。
本発明の金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料は、たとえば、前記のように、1種又は2種以上の液晶分子、1種又は2種以上の金属塩、及び、1種又は2種以上のカルコゲナイド前駆体を溶媒中で反応させることによって調製され得る金属カルコゲナイドナノ粒子を、マトリクス液晶となる少なくとも1種の液晶中に含むものである。つまり、前記反応において、金属カルコゲナイドナノ粒子の形成に関与しない液晶は、マトリクス液晶として本発明の液晶材料を構成し得る。すなわち、本発明の液晶材料は、前記反応により形成した金属カルコゲナイドナノ粒子及び前記反応において金属カルコゲナイド粒子の形成に関与しなかった液晶並びに必要により追加の液晶を含み得る。
第1製造法で使用する液晶分子は、前述したものが使用できる。
第1製造法で使用する金属塩は、金属カルコゲナイドを形成する金属のイオンと対イオンからなる塩をいう。前記対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、ハロゲン酸イオン、過ハロゲン酸イオン、置換されていても良いカルボン酸イオン、アセチルアセトナートイオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオンが挙げられ、周期表第11族金属のイオンの場合には、対イオンとして、ヒドリドイオンも挙げられる。なお、これらの金属塩は、中性の配位子(例えば、一酸化炭素、トリフェニルホスフィン、p-シメン等)が配位していても良い。また、これらの金属塩は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
前記液晶分子の使用量は、金属塩1モルに対して、好ましくは0.1〜500モル、更に好ましくは1〜200モルである。
第1製造法で使用する金属塩は、金属カルコゲナイドを形成する金属のイオンと対イオンからなる塩をいう。前記対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、ハロゲン酸イオン、過ハロゲン酸イオン、置換されていても良いカルボン酸イオン、アセチルアセトナートイオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオンが挙げられ、周期表第11族金属のイオンの場合には、対イオンとして、ヒドリドイオンも挙げられる。なお、これらの金属塩は、中性の配位子(例えば、一酸化炭素、トリフェニルホスフィン、p-シメン等)が配位していても良い。また、これらの金属塩は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
前記液晶分子の使用量は、金属塩1モルに対して、好ましくは0.1〜500モル、更に好ましくは1〜200モルである。
第1製造法で使用するカルコゲナイド前駆体は、金属塩と反応させることによって、金属カルコゲナイド(金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物)を生成する化合物の総称を示す。なお、これらのカルコゲナイド前駆体は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
第1製造法において、前記金属硫化物を合成するためのカルコゲナイド前駆体(硫化剤)としては、例えば、チオアセトアミド、N,N-ジメチルチオアセトアミド等のチオアミド類;硫黄;硫化水素;チオ尿素、N,N-ジメチルチオ尿素等のチオ尿素類;硫化ナトリウム、硫化カリウム等のアルカリ金属硫化物類;硫化水素ナトリウム、硫化水素カリウム等のアルカリ金属水素硫化物類が挙げられる。好ましくはチオアミド類、チオ尿素類、アルカリ金属硫化物類、加えて周期律表第12族金属硫化物を合成するときには硫化水素も使用され、更に好ましくはチオアミド類、チオ尿素類、加えて周期律表第12族金属硫化物を合成するときには硫化水素も使用される。なお、これらのカルコゲナイド前駆体(硫化剤)は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
第1製造法において、前記金属セレン化物を合成するためのカルコゲナイド前駆体(セレン化剤)としては、例えば、セレン;セレン化水素;セレノアセトアミド、N,N-ジメチルセレノアセトアミド等のセレノアミド類;セレノ尿素、N,N-ジメチルセレノ尿素等のセレノ尿素類;セレン化ナトリウム、セレン化カリウム等のアルカリ金属セレン化物類;セレン化水素ナトリウム、セレン化水素カリウム等のアルカリ金属水素セレン化物類が挙げられる。好ましくはセレン、セレノアミド類、セレノ尿素類、加えて周期律表第12族金属セレン物を合成するときにはセレン化水素も使用され、更に好ましくはセレン、セレノ尿素類、加えて周期律表第12族金属セレン物を合成するときにはセレン化水素も使用される。なお、これらのカルコゲナイド前駆体(セレン化剤)は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
第1製造法において、前記金属テルル化物を合成するためのカルコゲナイド前駆体(テルル化剤)としては、例えば、テルル;テルル化水素;テルロアセトアミド、N,N-ジメチルテルロアセトアミド等のテルロアミド類;テルロ尿素、N,N-ジメチルテルロ尿素等のテルロ尿素類;テルル化ナトリウム、テルル化カリウム等のアルカリ金属テルル化物類;テルル化水素ナトリウム、テルル化水素カリウム等のアルカリ金属水素テルル化物類が挙げられる。好ましくはテルル、テルロ尿素類、アルカリ金属水素テルル化物類、加えて周期律表第12族金属テルル物を合成するときにはテルル化水素も使用され、更に好ましくはテルル、アルカリ金属水素テルル化物類、加えて周期律表第12族金属テルル物を合成するときにはテルル化水素も使用される。なお、これらのカルコゲナイド前駆体(テルル化剤)は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
前記カルコゲナイド前駆体の使用量は、金属塩1モルに対して、好ましくは0.1〜5モル、更に好ましくは0.2〜3モルである。
前記カルコゲナイド前駆体の使用量は、金属塩1モルに対して、好ましくは0.1〜5モル、更に好ましくは0.2〜3モルである。
第1製造法の反応において使用する溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;N,N'-ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。好ましくはニトリル類、エーテル類、芳香族炭化水素類、更に好ましくはエーテル類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、液晶分子1gに対して、好ましくは10〜500ml、更に好ましくは20〜200mlである。
前記溶媒の使用量は、液晶分子1gに対して、好ましくは10〜500ml、更に好ましくは20〜200mlである。
第1製造法の反応は、例えば、1種又は2種以上の液晶分子、1種又は2種以上の金属塩、1種又は2種以上のカルコゲナイド前駆体及び溶媒を混合し、場合により加熱し、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは20〜120℃、更に好ましくは40〜100℃であり、その際の反応圧力は特に制限されない。
<第2製造法>
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子は、1種又は2種以上の金属カルコゲナイドの結晶又は粉末を、1種又は2種以上の液晶分子を含む溶媒中で粉砕してナノ粒子とすることによっても調製され得る(第2製造法)。ここで言及する「粉砕」とは、超音波や熱などの物理的なエネルギーを金属カルコゲナイドに加えることによって当該金属カルコゲナイドがナノサイズにまで細かく砕かれる過程において、反応系内に含まれる液晶分子が金属カルコゲナイドと物理的、化学的又は静電的に相互作用し結合することによって、当該金属カルコゲナイドを中心としたナノサイズの粒子を形成することを意味する。
本発明における金属カルコゲナイドナノ粒子は、1種又は2種以上の金属カルコゲナイドの結晶又は粉末を、1種又は2種以上の液晶分子を含む溶媒中で粉砕してナノ粒子とすることによっても調製され得る(第2製造法)。ここで言及する「粉砕」とは、超音波や熱などの物理的なエネルギーを金属カルコゲナイドに加えることによって当該金属カルコゲナイドがナノサイズにまで細かく砕かれる過程において、反応系内に含まれる液晶分子が金属カルコゲナイドと物理的、化学的又は静電的に相互作用し結合することによって、当該金属カルコゲナイドを中心としたナノサイズの粒子を形成することを意味する。
本発明の金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料は、たとえば、前記のように、1種又は2種以上の金属カルコゲナイドの結晶又は粉末を、1種又は2種以上の液晶分子を含む溶媒中で粉砕して調製され得る金属カルコゲナイドナノ粒子を、マトリクス液晶となる少なくとも1種の液晶中に含むものである。つまり、前記粉砕において、金属カルコゲナイドナノ粒子の形成に関与しない液晶は、マトリクス液晶として本発明の液晶材料を構成し得る。すなわち、本発明の液晶材料は、前記粉砕により形成した金属カルコゲナイドナノ粒子及び前記反応において金属カルコゲナイド粒子の形成に関与しなかった液晶並びに必要により追加の液晶を含み得る。
第2製造法の粉砕において使用する液晶分子としては、任意の液晶が挙げられるが、例えば、第1製造法において記載したのと同じ液晶分子が挙げられる。なお、これらの液晶分子は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、複数種の液晶分子混合物としては、市販品のものをそのまま用いることができる。
第2製造法の粉砕で使用される金属カルコゲナイドとしては、前述の金属カルコゲナイドがあげられ、好ましくは、テルル化銅(I)、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)、テルル化銀(I)、硫化銅(II)、硫化銅(I)、硫化亜鉛(II)、硫化銀(I)などが挙げられ、より好ましくは、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)、硫化銅(II)及び硫化亜鉛(II)などが挙げられ、特に好ましくは、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)又はこれらの混合物が挙げられる。なお、これらの金属カルコゲナイドは、単独で又は2種以上を混合して使用しても良い。
第2製造法の粉砕において使用する溶媒としては、粉砕を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、第1製造法におけるのと同じ溶媒が挙げられる。
前記溶媒の使用量は、液晶分子1gに対して、好ましくは10〜500ml、更に好ましくは20〜200mlである。
前記溶媒の使用量は、液晶分子1gに対して、好ましくは10〜500ml、更に好ましくは20〜200mlである。
第2製造法において、金属カルコゲナイドの結晶又は粉末の粉砕方法は、ナノ粒子にできる方法であれば、特に制限されないが、例えば、超音波粉砕機、超音波照射装置付き攪拌装置、ビーズミル、ホモジナイザーなどを使用する方法が挙げられる。なお、これらの方法は、単独でも2種以上を併せて使用しても良い。
第2製造法の粉砕は、例えば、1種又は2種以上の液晶分子、1種又は2種以上の金属カルコゲナイド及び溶媒を混合し、場合により加熱または冷却し、攪拌しながら当該金属カルコゲナイドを細かく砕く等の方法によって行われる。その際の粉砕温度は、好ましくは20〜120℃、更に好ましくは40〜100℃であり、その際の反応圧力は特に制限されない。
第1製造法や第2製造法によって、金属カルコゲナイドナノ粒子、液晶分子および溶媒を含む分散液が得られるが、当該分散液を濃縮することによって、金属カルコゲナイドナノ粒子と液晶分子とを含むペースト状の本発明の液晶材料を取得することができる。なお、該分散液の濃縮方法は特に限定されないが、減圧下にて、好ましくは20〜100℃にて行うことができる。
本発明の液晶材料は、より好ましくは、第1製造法又は第2製造法によって得られたペースト状の液晶材料に更に追加の液晶を加えて得られたものである。追加の液晶を加えて得られた本発明の液晶材料は、閾値電圧の低下効果がより大きい点で好ましい。追加の液晶としては、任意の液晶が使用できるが、例えば、第1製造法で列記した液晶が好ましい。追加の液晶は、閾値電圧の低下効果の観点から、第1製造法又は第2製造法で使用した液晶分子と同一の液晶であることが特に好ましい。
本発明の液晶材料においては、閾値電圧を低下させる効果の観点から、金属カルコゲナイドナノ粒子を、液晶材料に対して、好ましくは0.001重量%〜0.4重量%の範囲、特に好ましくは0.01〜0.4重量%の範囲で含有する。金属カルコゲナイドナノ粒子の含有量が液晶材料の0.001重量%を下回ると、閾値電圧を低下させる効果が低くなり、当該ナノ粒子の含有量が0.4重量%を超えると、電圧保持率の低下や相転移温度の低下が起こるなどの不具合が生じる場合がある。
金属カルコゲナイドナノ粒子の液晶材料に対する含有量は、金属カルコゲナイドナノ粒子が金属テルル化物ナノ粒子である場合には、当該粒子分散液または当該粒子含有液晶材料を誘導結合プラズマ質量分析法(以下、ICP-MSと表記)にて分析し、金属又はテルルを定量することにより求めることができる。また、金属カルコゲナイドナノ粒子が金属硫化物ナノ粒子である場合には、当該粒子分散液または当該粒子含有液晶材料をイオンクロマトグラフィーにて分析し、硫黄を定量することにより求めることができる。
本発明の液晶表示装置は、前記の液晶材料を含むことを特徴とする。例えば、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶材料が封入された液晶セルを備える。
本発明の液晶表示装置は、スーパーツイストネマティック型、ツイストネマティック型、ゲストホスト型、インプレーンスイッチィング型、ポリマーネットワーク型等の各種液晶表示装置とすることができる。本発明の液晶表示装置は、常法により作成することができる。
本発明の液晶表示装置は、スーパーツイストネマティック型、ツイストネマティック型、ゲストホスト型、インプレーンスイッチィング型、ポリマーネットワーク型等の各種液晶表示装置とすることができる。本発明の液晶表示装置は、常法により作成することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1(テルル化亜鉛ナノ粒子の第1製造法による合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製容器に、複数種の液晶分子混合物 MO16(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.50g、テトラヒドロフラン50ml、亜鉛(II)アセチルアセトナート8.1mg(30.7mmol)、テルル3.8mg(30.0mmol)を加え、当該混合溶液を攪拌しながら65〜75℃に加熱し、反応させた。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、無色の均一な液体として、テルル化亜鉛ナノ粒子分散液50mlを得た。これを透過型電子顕微鏡により分析した結果、テルル化亜鉛ナノ粒子の粒径は3〜15nmで均一であった(図1)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製容器に、複数種の液晶分子混合物 MO16(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.50g、テトラヒドロフラン50ml、亜鉛(II)アセチルアセトナート8.1mg(30.7mmol)、テルル3.8mg(30.0mmol)を加え、当該混合溶液を攪拌しながら65〜75℃に加熱し、反応させた。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、無色の均一な液体として、テルル化亜鉛ナノ粒子分散液50mlを得た。これを透過型電子顕微鏡により分析した結果、テルル化亜鉛ナノ粒子の粒径は3〜15nmで均一であった(図1)。
実施例2(テルル化亜鉛ナノ粒子含有液晶材料の調製及び液晶表示装置の製造)
実施例1で調製したテルル化亜鉛ナノ粒子分散液1.73mlに、複数種の液晶分子混合物 MO16 182.5mg添加し減圧下で濃縮、乾燥を行い白色均一の液晶材料 200mgを得た。テルル化亜鉛ナノ粒子は、液晶材料に対して、0.1重量%含有されていた。次に、この液晶材料を液晶セルに毛管注入した。ここで、液晶セルは、NEMAPEARL X0088-05(ニッポ電機製、配向膜:SE130(日産化学工業製)、セル厚 5μm)を用いた。液晶材料の注入後、注入口(2ヶ所)をエンドシール剤(スリーボンド製、TB3026B)で封止して液晶表示装置を作成した。続いて、LCD評価装置(大塚電子株式会社製、商品名:LCD-5200)を用いて、作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図2に示す。図2から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表1に示す。
実施例1で調製したテルル化亜鉛ナノ粒子分散液1.73mlに、複数種の液晶分子混合物 MO16 182.5mg添加し減圧下で濃縮、乾燥を行い白色均一の液晶材料 200mgを得た。テルル化亜鉛ナノ粒子は、液晶材料に対して、0.1重量%含有されていた。次に、この液晶材料を液晶セルに毛管注入した。ここで、液晶セルは、NEMAPEARL X0088-05(ニッポ電機製、配向膜:SE130(日産化学工業製)、セル厚 5μm)を用いた。液晶材料の注入後、注入口(2ヶ所)をエンドシール剤(スリーボンド製、TB3026B)で封止して液晶表示装置を作成した。続いて、LCD評価装置(大塚電子株式会社製、商品名:LCD-5200)を用いて、作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図2に示す。図2から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表1に示す。
比較例1
本比較例では、液晶材料として、テルル化亜鉛ナノ粒子を含有しない複数種の液晶分子混合物 MO16(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例2と全く同一にして液晶表示装置を作成した。実施例2と同様にして、本比較例で作成した液晶表示装置の電圧−透過率特性を100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図3に示す。図3から得られる閾値及び閾値の周波数依存性とシャープネス値(V90/V10)とを表1に示す。実施例2と比較例1の電圧−透過率特性グラフを併せたグラフを図4に示す。図2〜4から、実施例2の液晶表示装置は、電圧印加に伴って透過率が減少しており、電圧により透過率を制御可能であり、周波数を変えても透過率曲線はほぼ一致している。一方、図4から、25℃において、実施例2で作成した液晶表示装置は、比較例1で作成した液晶セルよりも閾値電圧が低いことが明らかである。したがって、前記実施例2の液晶表示装置によれば、低電圧化することができ、省電力を図ることができる。
本比較例では、液晶材料として、テルル化亜鉛ナノ粒子を含有しない複数種の液晶分子混合物 MO16(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例2と全く同一にして液晶表示装置を作成した。実施例2と同様にして、本比較例で作成した液晶表示装置の電圧−透過率特性を100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図3に示す。図3から得られる閾値及び閾値の周波数依存性とシャープネス値(V90/V10)とを表1に示す。実施例2と比較例1の電圧−透過率特性グラフを併せたグラフを図4に示す。図2〜4から、実施例2の液晶表示装置は、電圧印加に伴って透過率が減少しており、電圧により透過率を制御可能であり、周波数を変えても透過率曲線はほぼ一致している。一方、図4から、25℃において、実施例2で作成した液晶表示装置は、比較例1で作成した液晶セルよりも閾値電圧が低いことが明らかである。したがって、前記実施例2の液晶表示装置によれば、低電圧化することができ、省電力を図ることができる。
実施例3(テルル化銅ナノ粒子の第2製造法による合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製容器に、複数種の液晶分子混合物 RDP-94561(大日本インキ化学工業株式会社製)0.50g、テトラヒドロフラン50ml、テルル化銅(II)(アルドリッチ製)28.6mg(0.149mmol)を加え、当該混合溶液を超音波(35kHz)を0.5秒間隔で照射しながら攪拌し、粉砕させた。粉砕終了後、混合物を室温まで冷却し、オムニポアメンブレンフィルター(ミリポア製、孔径0.2μm)を用いてろ過し、テルル化銅(II)ナノ粒子分散液50mlを得た。また、ICP-MSで、銅とテルルの定量分析を行い、Cu 14ppm、Te 31ppm、この結果からCuTe 42.1ppm含有していることがわかった。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製容器に、複数種の液晶分子混合物 RDP-94561(大日本インキ化学工業株式会社製)0.50g、テトラヒドロフラン50ml、テルル化銅(II)(アルドリッチ製)28.6mg(0.149mmol)を加え、当該混合溶液を超音波(35kHz)を0.5秒間隔で照射しながら攪拌し、粉砕させた。粉砕終了後、混合物を室温まで冷却し、オムニポアメンブレンフィルター(ミリポア製、孔径0.2μm)を用いてろ過し、テルル化銅(II)ナノ粒子分散液50mlを得た。また、ICP-MSで、銅とテルルの定量分析を行い、Cu 14ppm、Te 31ppm、この結果からCuTe 42.1ppm含有していることがわかった。
実施例4(テルル化銅ナノ粒子含有液晶材料の調製及び液晶表示装置の製造)
実施例1で調製したテルル化銅ナノ粒子分散液10mlを、減圧下で濃縮、乾燥を行い白色均一の液晶材料 100.4mgを得た。テルル化銅ナノ粒子は、液晶材料に対し、0.379重量%含有されていた。次に、液晶材料を液晶セルに毛管注入した。ここで、液晶セルは、NEMAPEARL X0088-05(ニッポ電機製、配向膜:SE130(日産化学工業製)、セル厚 5μm)を用いた。液晶材料の注入後、注入口(2ヶ所)をエンドシール剤(スリーボンド製、TB3026B)で封止し、液晶表示装置を作成した。続いて、LCD評価装置(大塚電子株式会社製、商品名:LCD-5200)を用いて、作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図5に示す。図5から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表2に示す。
実施例1で調製したテルル化銅ナノ粒子分散液10mlを、減圧下で濃縮、乾燥を行い白色均一の液晶材料 100.4mgを得た。テルル化銅ナノ粒子は、液晶材料に対し、0.379重量%含有されていた。次に、液晶材料を液晶セルに毛管注入した。ここで、液晶セルは、NEMAPEARL X0088-05(ニッポ電機製、配向膜:SE130(日産化学工業製)、セル厚 5μm)を用いた。液晶材料の注入後、注入口(2ヶ所)をエンドシール剤(スリーボンド製、TB3026B)で封止し、液晶表示装置を作成した。続いて、LCD評価装置(大塚電子株式会社製、商品名:LCD-5200)を用いて、作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図5に示す。図5から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表2に示す。
実施例5(テルル化銅ナノ粒子含有液晶材料の調製)
実施例4で調製したテルル化銅ナノ粒子含有液晶材料 13.4mgに複数種の液晶分子混合物 RDP-94561(大日本インキ化学工業株式会社製) 128.2mg加え、熱をかけて等方性の液体にして攪拌し、室温に戻してテルル化銅ナノ粒子含有液晶材料 141.6mgを得た。テルル化銅ナノ粒子は、液晶材料に対し、0.0359重量%含有されていた。次に、この液晶材料を液晶セルに毛管注入した。ここで、液晶セルは、NEMAPEARL X0088-05(ニッポ電機製、配向膜:SE130(日産化学工業製)、セル厚 5μm)を用いた。液晶材料の注入後、注入口(2ヶ所)をエンドシール剤(スリーボンド製、TB3026B)で封止し、液晶表示装置を作成した。続いて、LCD評価装置(大塚電子株式会社製、商品名:LCD-5200)を用いて、作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図6に示す。図6から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表2に示す。
実施例4で調製したテルル化銅ナノ粒子含有液晶材料 13.4mgに複数種の液晶分子混合物 RDP-94561(大日本インキ化学工業株式会社製) 128.2mg加え、熱をかけて等方性の液体にして攪拌し、室温に戻してテルル化銅ナノ粒子含有液晶材料 141.6mgを得た。テルル化銅ナノ粒子は、液晶材料に対し、0.0359重量%含有されていた。次に、この液晶材料を液晶セルに毛管注入した。ここで、液晶セルは、NEMAPEARL X0088-05(ニッポ電機製、配向膜:SE130(日産化学工業製)、セル厚 5μm)を用いた。液晶材料の注入後、注入口(2ヶ所)をエンドシール剤(スリーボンド製、TB3026B)で封止し、液晶表示装置を作成した。続いて、LCD評価装置(大塚電子株式会社製、商品名:LCD-5200)を用いて、作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図6に示す。図6から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表2に示す。
比較例2
本比較例では、テルル化銅ナノ粒子を含有しない複数種の液晶分子混合物 RDP-94561(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例4と全く同様にして液晶表示装置を作成した。実施例2に準じて、本比較例で作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図7に示す。図7から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表2に示す。実施例4と比較例2の電圧−透過率特性グラフを併せたグラフを図8に示す。実施例5と比較例2の電圧−透過率特性グラフを併せたグラフを図9に示す。図5〜9から、実施例4および実施例5の液晶表示装置は、電圧印加に伴って透過率が減少しており、電圧により透過率を制御可能であり、周波数を変えても透過率曲線はほぼ一致している。一方、図8、9から、25℃において、実施例4及び実施例5で作成した液晶表示装置は、比較例2で作成した液晶表示装置よりも閾値電圧が低いことが明らかである。したがって、前記実施例4及び実施例5の液晶表示装置によれば、低電圧化することができ、省電力を図ることができる。
本比較例では、テルル化銅ナノ粒子を含有しない複数種の液晶分子混合物 RDP-94561(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例4と全く同様にして液晶表示装置を作成した。実施例2に準じて、本比較例で作成した液晶表示装置の電圧-透過率特性(周波数依存性)を、100Hz、300Hz、1,000Hzの各周波数において測定した。25℃での電圧−透過率特性の駆動周波数依存性を図7に示す。図7から得られる閾値、閾値の周波数依存性及びシャープネス値(V90/V10)を表2に示す。実施例4と比較例2の電圧−透過率特性グラフを併せたグラフを図8に示す。実施例5と比較例2の電圧−透過率特性グラフを併せたグラフを図9に示す。図5〜9から、実施例4および実施例5の液晶表示装置は、電圧印加に伴って透過率が減少しており、電圧により透過率を制御可能であり、周波数を変えても透過率曲線はほぼ一致している。一方、図8、9から、25℃において、実施例4及び実施例5で作成した液晶表示装置は、比較例2で作成した液晶表示装置よりも閾値電圧が低いことが明らかである。したがって、前記実施例4及び実施例5の液晶表示装置によれば、低電圧化することができ、省電力を図ることができる。
本発明によれば、液晶表示装置における閾値電圧を低下できるので、駆動電圧を下げることができ、省電力化に寄与する。そのため、モバイル型端末機の液晶表示装置に用いることにより、バッテリーの寿命を延ばすことができる。
Claims (7)
- 1種又は2種以上の金属カルコゲナイドと1種又は2種以上の液晶分子とを含む金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料。
- 前記金属カルコゲナイドナノ粒子を液晶材料に対して0.001重量%〜0.4重量%の範囲の量で含有することを特徴とする、請求項1記載の液晶材料。
- 金属カルコゲナイドが、テルル化銅(I)、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)、テルル化銀(I)、硫化銅(I)、硫化銅(II)、硫化亜鉛(II)及び硫化銀(I)から選択される1種又は2種以上の混合物である請求項1又は2記載の液晶材料。
- 金属カルコゲナイドが、テルル化銅(II)、テルル化亜鉛(II)、硫化銅(II)及び硫化亜鉛(II)から選択される1種又は2種以上の混合物である請求項1又は2記載の液晶材料。
- 金属カルコゲナイドがテルル化亜鉛(II)、テルル化銅(II)、又はそれらの混合物である請求項1又は2記載の液晶材料。
- 金属カルコゲナイドが、テルル化亜鉛(II)又はテルル化銅(II)である請求項1又は2記載の液晶材料。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の液晶材料を含む液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008097789A JP2009249469A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | 金属カルコゲナイドナノ粒子を含有する液晶材料及びそれを含む液晶表示装置 |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2004347618A (ja) * | 2003-04-14 | 2004-12-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 高速度応答液晶素子および駆動方法 |
WO2008013250A1 (fr) * | 2006-07-27 | 2008-01-31 | Ube Industries, Ltd. | Nanoparticules de chalcogénure de métaux du groupe 11 ou du groupe 12 du tableau périodique des éléments et procédé pour les produire |
-
2008
- 2008-04-04 JP JP2008097789A patent/JP2009249469A/ja active Pending
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WO2008013250A1 (fr) * | 2006-07-27 | 2008-01-31 | Ube Industries, Ltd. | Nanoparticules de chalcogénure de métaux du groupe 11 ou du groupe 12 du tableau périodique des éléments et procédé pour les produire |
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