JP2009238966A - 電力変換装置及びこれを利用した直流送電システム並びに電力貯蔵システム - Google Patents

電力変換装置及びこれを利用した直流送電システム並びに電力貯蔵システム Download PDF

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Abstract

【課題】電力損失を低減させ、しかも小型化を促進可能な交流/直流変換装置を得る。
【解決手段】直流巻線1と、該直流巻線1が巻回される直流鉄心3と、直流鉄心3の両端に連結されて直流鉄心3を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心5と、該交流鉄心5に巻回される交流巻線4と、交流鉄心4あるいは直流鉄心3のいずれかに巻回されて鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点になるようにバイアス直流磁束17を流すバイアス巻線2とを備え、閉磁路に重畳される交流磁束成分の磁束の方向とバイアス直流磁束の方向とが同じ方向となる鉄心の一部を磁気飽和点を超える磁気飽和領域8とすると共に磁束の向きが互いに逆向きとなる鉄心の一部を磁気飽和点を下回る不飽和領域9として交流磁束成分の変化分がそのまま現れる主相互磁束10の通過磁路を交互に転換して転流現象を起こさせるようにしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は電力変換装置及びこれを利用した直流送電システム並びに電力貯蔵システムに関する。さらに詳述すると、本発明は、交流電力を直流電力に、あるいは直流電力を交流電力に変換する装置であり、直流送電系統に組込まれる交流/直流変換装置として好適であって、かつ変圧器、遮断器、電力貯蔵装置、周波数変換機の各機能を備え得る電力変換装置及びこれを利用した直流送電システム並びに電力貯蔵システムに関するものである。
現在、交流直流変換装置は電力系統の直流送電設備、太陽光発電、風力発電、電池電力貯蔵設備、電気自動車用モータ電源、核融合マグネット、加速器用マグネット、医療診断用MRIマグネット用の電源、家庭用機器や照明用電源など、多用な分野で大容量から小容量まで広い用途に用いられている。これらの変換機は、いずれもシリコン結晶を用いた半導体であり、一方向にしか電流を流さないシリコン半導体を組み合わせて、交流を直流にあるいは直流を交流に変換するようにしている。この変換機は、交流電圧を変換機に適した値に変圧する変換器用変圧器と組み合わせて用いられている(特許文献1)。また、整流時にリップルを伴うのでこれを解消するための平滑リアクトルを備えている。
また、従来の直流送電系統は、例えば図36示されるように、発電機101と需要家などの負荷102(あるいは変電所)との間に、交流線路内に設けられた逓昇変圧器103、サイリスタバルブ等による順変換装置104、平滑リアクトル105、106、直流線路107、逆変換装置108、交流線路内に設けられた逓降変圧器109、各変圧器両端に高調波フイルタ回路を配置することによって構成されている(特許文献2)。
特開平9−233833 特開2000−253582
従来のシリコン半導体を用いた変換機は、交流電圧を変換機に適した値に変圧する変換器用変圧器を必要とする上に、アーム短絡事故に備えて半導体素子の許容電流耐量を越えない漏れインピーダンスの変圧器を採用せざるを得ないので、半導体の電流耐量に比べて運転電流レベルを小さな範囲で運転せざるを得ない。また、アーム短絡の故障時に作動して故障電流が大きくなるのを防ぐ超電導導体を用いた限流器を用いたとしても、シリコン半導体の許容電流耐量に制限されるものである。このため、単一設備での大規模な電力変換に適しておらず、例えば発電所と電力需要家との間では何段もの電力変換設備を介在させなければならなかった。
また、常温巻線の変圧器とシリコン半導体を用いた変換機との組み合わせは、大きな損失を伴う。例えば、現在使用する機器の主たる損失は、損失の少ない大容量機器のうち最も効率の高いものでも、逓昇変圧器103及び逓降変圧器109を含めた変圧器と平滑リアクトル105、106とのそれぞれの銅損と鉄損が定格容量の0.5%程度、順変換装置104及び逆変換装置108での損失が定格容量の2%程度、約合計約2.5%以上の損失となって現れ、これが低電圧用のものでは8%を超えるものもある。2.5%以上の損失の値は、大容量直流送電系統の機器のうち最も効率の良いケースのものであるが、例えば500MW級の大容量送電系統の場合にはこの損失を上述のように2.5%に抑えることができたとしてもその損失の量としてはきわめて大きな値となる。しかも、通常の大容量機器での損失は2.5%に収まらないので、更に多くの損失が発生する恐れがある。また、小容量機器に至っては、損失の量としては大容量機器に比べ少ないのであるが、定格出力との比率からすれば一般に大容量機器の二倍もの損失が発生している。そこで、大容量機器でも小容量機器でも、電力損失を更にできるだけ減少させたいという要望がある。
また、大容量の送電系統の場合には、超高圧・大電流となって必然的に機器は大型化することになり、前述の逓昇変圧器103及び逓降変圧器109、順変換装置104及び逆変換装置108、及び平滑リアクトル105、106の各機器は小型化には限度があるという問題もある。
さらに、半導体変換素子の他に、変圧器、直流平滑用リアクトル巻線などを必要とし、装置の大型化・重量化を伴い、装置の製造費、運搬費、建設費を必要とする。
また、直流電圧を変圧するには、一旦交流に変換してから変圧器で変圧してから再度直流に変換する必要があり、変圧器と変換機を重複して必要とする。
本発明は、直流や交流の変圧器としての機能を併せ持つ電力変換装置の提供を目的とする。また、本発明は、遮断器としての機能を併せ持つ電力変換装置の提供を目的とする。また、本発明は、周波数変換器としての機能を併せ持つ電力変換装置の提供を目的とする。また、本発明は、高送電効率、低コストの直流送電システム並びに電力貯蔵システムを提供することを目的とする。また、電力損失を低減させ、しかも小型化を促進可能な電力変換装置の提供を目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の電力変換装置は、直流巻線と、該直流巻線が巻回される直流鉄心と、前記直流鉄心の両端に連結されて前記直流鉄心を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心と、該交流鉄心に巻回される交流巻線と、前記交流鉄心あるいは直流鉄心のいずれかに巻回されて前記鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点になるようにバイアス直流磁束を流すバイアス巻線とを備え、前記閉磁路に重畳される交流磁束成分の磁束の方向と前記バイアス直流磁束の方向とが同じ方向となる前記鉄心の一部を磁気飽和点を超える磁気飽和領域とすると共に前記磁束の向きが互いに逆向きとなる前記鉄心の一部を磁気飽和点を下回る不飽和領域として前記直流巻線と前記交流巻線とに鎖交しかつ前記交流磁束成分の変化分がそのまま現れる相互磁束を交互に発生させ、前記交流巻線若しくは前記直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた前記相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するようにしている。
また、本発明の電力変換装置は、直流巻線と、該直流巻線が巻回される直流鉄心と、前記直流鉄心の両端に連結されて前記直流鉄心を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心と、該交流鉄心に巻回される交流巻線と、前記鉄心の一部に空隙を形成し、磁束が通り易い物質と磁束が通り難い物質とを前記空隙に一定周期で交互に通過させ前記鉄心の磁気抵抗を切り替えることで前記直流巻線と前記交流巻線とに鎖交する相互磁束の磁束密度を変化させる磁束制御器とを備え、前記交流巻線若しくは前記直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた前記相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するようにしている。
さらに、本発明の電力変換装置は、直流巻線と、該直流巻線が巻回される直流鉄心と、前記直流鉄心の両端に連結されて前記直流鉄心を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心と、該交流鉄心に巻回される交流巻線と、前記交流鉄心あるいは直流鉄心のいずれかに巻回されて前記鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点になるようにバイアス直流磁束を流すバイアス巻線と、前記鉄心の一部に空隙を形成し、磁束が通り易い物質と磁束が通り難い物質とを前記空隙に一定周期で交互に通過させ前記鉄心の磁気抵抗を切り替えることで前記直流巻線と前記交流巻線とに鎖交する相互磁束の流れを制御する磁束制御器とを備え、前記閉磁路に重畳される交流磁束成分の磁束の方向と前記バイアス直流磁束の方向とが同じ方向となる前記鉄心の一部を磁気飽和点を超える磁気飽和領域とすると共に前記磁束の向きが互いに逆向きとなる前記鉄心の一部を磁気飽和点を下回る不飽和領域として前記交流磁束成分の変化分がそのまま現れる前記相互磁束を交互に発生させると同時に前記鉄心の一部の磁気飽和と同期させて前記磁束制御器の切替えを行って前記相互磁束の磁束密度を変化させ、前記交流巻線若しくは前記直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた前記相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するようにしている。
また、本発明の電力変換装置において、閉磁路に重畳される交流磁束成分は、交流巻線において発生する交流磁束であっても良いが、交流制御巻線によって閉磁路に発生する交流制御磁束であることが順変換のみならず逆変換を可能とする上で好ましい。
また、本発明の電力変換装置において、2箇所の非磁性体で分断された鉄心の一部に、非磁性体で挟まれた鉄心の一部との間で閉磁路を構成する制御鉄心を配置し、該制御鉄心あるいは鉄心の一部に交流制御巻線を巻回し、交流制御磁束を制御鉄心を介して循環させるものであることが好ましい。
また、本発明の電力変換装置は、直流鉄心あるいは交流鉄心の一部に空隙を設け、該空隙に出し入れ可能な磁性体と非磁性体とを備え、非磁性体あるいは磁性体の鉄心への挿入量を調整することにより磁気結合を変化させるものであることが好ましい。
また、本発明の電力変換装置において、直流鉄心の中央に非磁性体を介在させて直流鉄心と交流鉄心とを完全に磁気的に2つの磁気回路に分離し、直流巻線とバイアス巻線とは両直流鉄心に跨るように巻回し、交流巻線は2つに分離された交流鉄心のそれぞれに巻回されるものであることが好ましい。
請求項1記載の磁気飽和を利用した電力変換装置によると、鉄心の一部が飽和することにより交流磁束の変化分が少なくなり、飽和していない場合は変化分がそのまま現れることから、交流変化分の大きな相互磁束の流れが交流磁気回路側で交互に切り替えられ、直流巻線の部分では一定方向に通過し、交流巻線の部分では交互に磁束の通過方向が逆向きとなる相互磁束が発生して、交流巻線若しくは直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換することができる。ここで、2次回路に誘導される起電力は、その中の磁束を変化させることによって発生すると共に、その起電力は回路を通過する磁束の時間変化率に正比例する。つまり、順変換(交流から直流)を例に挙げると、磁気飽和点Isの上側で電流を正弦波状に変化させても直流巻線の鎖交磁束の変化は少ないためそのときの交番誘起電圧は少ないが、磁気飽和点Isの下側で正弦波変化させると直流巻線の鎖交磁束の変化が大きく交番誘起電圧は大きく現れる。したがって、交流磁束成分を重畳するだけで、交流から直流(逆変換)あるいはその逆の電力変換が可能となる。しかも、鉄心だけでクローズされた磁気回路とする場合には、鉄だけのシャープな飽和特性となり、少ない制御電流ですぐ飽和することから、制御電流を小さくすることができる。さらに、主相互磁束の切替に機械的な駆動部が存在しないために機械損失が一切ないことから、従来の交直変換装置において発生する損失と比較して熱による損失を大幅に減らすことができ変換効率の良いものとなる。
また、請求項2記載の電力変換装置によると、鉄心に設けられた空隙の磁気抵抗を磁束制御器によって切り替えることで相互磁束の磁束密度を変化させるようにしているので、磁束制御器を交流電力に同期させて駆動するだけで、磁気飽和を利用した電力変換装置と同様に鎖交磁束Φmが変わることで電力変換が極めて容易に行われる。
また、請求項3記載の電力変換装置によると、磁気飽和と磁束制御器の併用により逆変換器(インバータ)と順変換器(整流器)とを一台の変換器で効果的に実施することができる。また、磁束制御器の単独使用で逆変換を行ない、磁気飽和を利用して順変換を行うこともできる。磁気飽和切替方式も磁束制御器方式も、いずれの方式でも順変換・逆変換をそれぞれ単独で実施できるが、その変換効率は単独で実施するより協調すれば高めることができる。例えば、逆変換時には、磁気飽和切替方式だけでは大きな交流の電流電圧を発生することが難しいが、磁束制御器との併用によって不飽和鉄心の非磁性体の空隙を減少させて相互磁気回路(主磁束回路)の磁気抵抗を少なくすることで主磁束を大きくして変換効率を上げることにより、大きな交流の電流電圧を発生することが可能となる。さらに、磁束制御器による切替方式専用の場合には、順変換時と逆変換時とで鉄心に対する磁性体と非磁性体との幅が異なる2種類の磁性盤を用意し、取り替える必要があるが、混合型の場合には1種類例えば逆変換用の磁性盤のみを備えれていれば良い。
さらに、本発明の電力変換装置によれば、半導体整流器の許容電流耐量に適した電圧に変圧する変換器用の変圧器や限流器などを必要としない構造である上に電磁変換用の直流巻線そのものが平滑巻線としても機能して平滑巻線を必要としないか、あるいは平滑巻線を小容量化することが可能となる構造であることから、従来の交直変換装置に比べて装置のコンパクト化が図れる。しかも、本発明の電力変換装置によると、入力を切り替えるだけで順変換と逆変換を実行できる両用型の電力変換装置を簡単に構成できる。
また、交流巻線の巻線数に対する直流巻線の巻線数が交流半波電圧に対する直流半波電圧の変圧比になるので、これらの巻数比によって変圧器機能を持たせることができ、巻数比に応じて昇圧、降圧あるいは等圧での電力変換が可能となる。
また、請求項4記載の電力変換装置によると、交流制御磁束を発生する交流制御巻線を備えているので、磁気飽和を利用した逆変換が可能となる。
また、請求項5記載の電力変換装置によると、2箇所の非磁性体で分断された鉄心の一部に制御鉄心を配置して非磁性体で挟まれた鉄心の一部との間で閉磁路を構成するようにしているので、交流と直流巻線間の磁気結合を弱めて磁気抵抗を増すことにより、制御巻線から発生する磁束と交流巻線から発生する磁束の相互干渉を少なくして制御巻線による制御磁束の独立性を確保でき、相互磁束にノイズが重畳しない。
また、請求項6記載の電力変換装置によると、直流鉄心あるいは交流鉄心の空隙への磁束が通り難い物質あるいは磁束が通り易い物質の挿入量を調整することにより相互磁束が通過する相互磁気回路(主磁束回路)の磁気結合を変化させられるので、相互磁気回路の飽和特性が準線形型の滑らかな特性となって2次回路(制御鉄心回路)の飽和を発生しやすくするとともに、その飽和が主磁束回路に極力影響しないようにすることができる。また、磁束が通り難い物質即ち磁性体の挿入により空隙を減少し、相互磁気回路(主磁束回路)の磁気抵抗を少なくすることによって、主磁束を大きくして変換効率を上げることもできる。
また、請求項7記載の電力変換装置によれば、非磁性体の介在により完全に磁気的に2つの磁気回路に分離されるため、相互作用を防ぎ、強い磁気的結合が実現し、高い変換効率を実現できる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本発明にかかる電力変換装置は、交流から直流(順変換:整流器)並びに直流から交流(逆変換:インバータ)への電力変換機能の他、変圧器、遮断器、電力貯蔵機能、周波数変換機などの機能を併せ持つことができるが、まず電力変換装置としての構成・機能を説明し、次いでその他の機能を説明する。
本発明にかかる電力変換装置は、図示するように、直流巻線1が巻回される直流鉄心3と、該直流鉄心3を包囲するように直流鉄心3の両端に連結されて直流鉄心3を通過する2系統の環状の閉磁路を構成する交流鉄心5とで磁気回路が構成され、直流巻線1と交流巻線5とに鎖交する相互磁束10,11に磁気飽和を利用してあるいは磁気抵抗の変化を利用して若しくはその双方を併用することにより、交流磁束成分の変化分がそのまま現れる相互磁束あるいは磁気抵抗の変化に対応して磁束密度が増大する方向に変化した相互磁束(以下、これらを総称して主相互磁束10と呼ぶ)が通過する相互磁気回路(主磁束回路)を交流鉄心5に交互に逆向きに形成することにより、交流巻線4若しくは直流巻線1のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた相互磁束によって2次回路側の他方の巻線(直流巻線1若しくは交流巻線4)に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するものである。尚、説明の便宜上、主相互磁束10に対して、鉄心の一部の飽和により交流磁束の変化分が低減された相互磁束あるいは磁気抵抗の増大により磁束密度が低減した相互磁束を総称して減磁相互磁束11と呼ぶ。
ここで、電力変換装置における磁気回路を構成する鉄心の構造は、主に図1あるいは図13などに代表される三脚型、図2あるいは図16などに代表される門型並びに図3あるいは図22などに代表される五脚型とに大きく分類され、さらには直流鉄心3における磁路の形成の仕方で図7に示すブリッジ型と図8に示すダブル型に分類される。このブリッジ型とダブル型とは、あらゆる実施形態において成立するものである。そして、これら鉄心構造は磁路の切替方式のかかわらず、共通したものである。
また、鉄心構造としては、例えば図3に示すように、直流鉄心3の中央に磁束が通過する方向に沿って空隙やプラスチックなどの非磁性体14を仕切りとして介在させて直流鉄心3と交流鉄心5とを完全に磁気的に2つの磁気回路に分離する一方、直流巻線1とバイアス巻線2とを分離された直流鉄心3の双方に跨るように巻回すると共に交流巻線4を2つに分離された交流鉄心5のそれぞれに巻回するようにして、右側の磁気回路と左側の磁気回路とが磁気的に完全に分離されて左右の磁気回路の相互磁束の干渉を無くすダブル磁気回路型鉄心構造とすることが好ましい。このダブル磁気回路型鉄心構造もまた磁路の切替方式にかかわらず適用されるものである。勿論、図1に示されるように、非磁性体14により磁気的に直流鉄心3を分離せずとも、1本の鉄芯で直流鉄心3を構成して相互磁束が干渉する磁気回路を構成するようにしても本発明は成立するものである。また、交流巻線4は、三脚型鉄心及び五脚型鉄心の場合には、中央の直流鉄心3を挟んで左右に分配された交流鉄心5にリード線で直列接続された同じ巻きの巻線がそれぞれ巻回されている。したがって、交流電流の入力により各交流巻線4から同じ方向の交流磁束が発生する。また、門型鉄心の場合には、直流鉄心3を包囲する交流鉄芯5の外に配置されたヨーク7に1つの交流巻線4を配置し、ヨーク7を介して左右の交流鉄心5に主相互磁束10が交互に逆向きに通過するように設けられている。尚、交流巻線4と直流巻線1はそれぞれ外部の交流系統31と直流系統35に電気的に結合される。
まず、図1〜図11に磁気飽和を利用した本発明の電力変換装置の第1の実施形態(以下、磁気飽和方式と呼ぶ)を示す。尚、図示した実施形態では、順変換機能と逆変換機能とを発揮し得る装置構成を採るようにしているが、必要に応じて順変換装置あるいは逆変換装置として独立した別々の構成としても良い。
磁気飽和方式の電力変換装置は、交流鉄心5あるいは直流鉄心3のいずれかにバイアス巻線2を巻回して鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点になるようにバイアス直流磁束17を流すことにより、閉磁路に重畳される交流磁束成分の磁束の方向とバイアス直流磁束17の方向とが同じ方向となる鉄心の一部を磁気飽和点を超える磁気飽和領域8とすると共に磁束の向きが互いに逆向きとなる鉄心の一部を磁気飽和点を下回る不飽和領域9とするようにしたものである。そして、鉄心の一部が飽和することにより交流磁束の変化分が少なくなり、飽和していない場合は変化分がそのまま現れることから、順変換の場合には不飽和領域8を通過する交流変化分の大きな主相互磁束10の流れが直流巻線1の部分では一定方向に通過し、逆変換の場合には直流巻線1の部分を一定方向に通過する相互磁束10が不飽和領域8を通過して交流磁気回路側で交互に逆方向に向きが切り替えられるように磁路を変更する。例えば、図1に示す三脚型の電力変換装置の交流巻線4に対しては左右に分配された交流巻線4に対して主相互磁束10が交互に鎖交し、図2に示す門型の交流巻線に対しては主相互磁束10が交互に逆向きとなるように通過して、2次回路側の交流巻線4に電磁誘導で起電力を発生させて交流の電流を生じさせる。
この鉄心の磁気飽和現象を用いる飽和型磁束切替方式は、交流制御巻線を用いて鉄心の一部の磁束飽和を切替えるので電流制御が必要となる。そこで、図9に示すように、交流制御鉄心の一部を細くした縊れ部19を設けて磁気飽和し易くしたり、図11に示すように直流鉄心3に永久磁石18を入れて飽和点維持のための制御電流を補強することが好ましい。
また、図1の三脚型電力変換装置及び図2の門型電力変換装置において、順変換機能のみを与える場合には、交流制御巻線6を備えなくとも良い。順変換時に交流巻線4に入力される交流電流によって発生する交流磁束成分が磁気飽和点を運転開始点とするようにバイアス磁束17が制御されているので、交流磁束成分を重畳するだけで、交流から直流あるいはその逆の電力変換が可能となる。
しかも、図3〜図6に示すように、直流鉄心3あるいは交流鉄心5の一部に磁束制御器15が設けられている。この磁束制御器15は、鉄心3または5に設けられたスリット状の空隙22と該空隙22に挿入される磁性盤20とによって構成されている。磁性盤20は、空隙22に出し入れ可能な磁束が通り易い物質例えば磁性材料20aと磁束が通り難い物質例えばFRPなど非導電材料20bとを備え、磁束が通り難い物質20aあるいは磁束が通り易い物質20bの鉄心3,5のギャップ22への挿入量を調整することにより磁気結合を変化させることができる。磁性盤20の磁性体20aの挿入により磁気的カップリングを強くする。また、磁性体20aの抜き出し即ち非磁性体20bの挿入(あるいは空隙22の状態のままとすること)により磁気的カップリングを弱くすることにより鉄心の磁気特性を磁気飽和点が鈍った特性(図30の空隙+鉄心の特性)に変化させる。これにより、大きな電流を流しても飽和しないで磁束密度を変化させ得る。同時に、このことは電圧制御にもなり、電圧の細かい制御が可能となる。電圧制御は、この磁束制御器15による場合に限られず、交流巻線4あるいは直流巻線1に付けられたタップ23によって粗い電圧制御を行うこともできる。この場合には、粗い電圧制御となる。さらに、制御電流量の変化でも電圧は調整できる、この場合には、細密な電圧制御となる。ここで、磁性材20aと非磁性材20bとをプレート状に一体化した磁性盤20は、サーボモータ21によって駆動され、ギャップ22の間に出し入れ自在に設けられている。
さらに、この磁束制御器15を鉄心3あるいは5の一部に2箇所設けると共に、これら2箇所の非磁性体20bで分断され挟まれた鉄心の一部との間で閉磁路を構成する制御鉄心13を配置し、該制御鉄心13あるいは鉄心5あるいは3の一部に交流制御巻線6を巻回し、交流制御磁束を制御鉄心13を介して循環させるようにすることが好ましい。この場合には、各磁束制御器15の非磁性体20bを空隙22に挿入することで、相互磁束が通過する鉄心の磁気結合を変化させると共に、2箇所の非磁性体20bで区画された飽和磁気回路は鉄心だけでクローズされた磁気回路とされるので、鉄だけのシャープな飽和特性となり、少ない制御電流Isですぐ飽和することから、制御電流を小さくすることができる。また、この制御鉄芯13を含む閉磁路を構成する制御鉄心回路は、図3に示すように交流心5の側方に張り出すように設けた五脚型としても良いし、図4に示すように直流鉄心3の直前の交流鉄心5の下部に設けても良いし、さらには図5に示すように磁性体14の介在で完全に2つの磁気回路に分離されたタイプの直流鉄心3の場合には直流鉄心3との間で制御鉄心回路を構成するように設けても良い。また、図6に示すように、門型鉄心の場合には、直流鉄心3の両端に左右の交流鉄心5へと分岐する箇所にそれぞれ制御鉄心回路を設けるようにしても良い。いずれの場合においても、少ない制御電流で鉄心を飽和させることができる。
ここで、本実施形態の電力変換器にはおいては、様々な電圧調整が可能である。例えば、飽和型磁束切替は比較的小さく小範囲の電圧制御に用いることできる。一方、移動型磁束制御器15は磁気抵抗の変化により磁束密度が大きく変化するので大幅な電圧制御に用いることもできる。さらに、各巻線1、4には、複数の切替え可能な電圧タップ23が備えられ、対象となる電圧に応じあるいは過渡時の衝撃を緩和するため、超高圧から低圧までの電圧階級を切り替えて調整できるように設けられている。
また、図8に示すようなブリッジ型鉄心は、交流巻線4を巻回した交流鉄心5と交流制御巻線6を巻回した交流制御鉄心13とを個別にして、鉄心間をブリッジ磁気回路結合するものである。この構造の場合、鉄心のヨークの数が増えるが、交流巻線並びに交流制御巻線の数がそれぞれ1つ減る利点がある。また、図5に示すダブル型は、交流巻線4と交流制御巻線6を交流鉄心5に巻く場合と交流巻線4を巻回した交流鉄心5と交流制御巻線6を巻回した制御鉄心13を独立させる場合がある。このブリッジ型とダブル型とは、あらゆる実施形態において成立するものである。
各巻線1,2,6としては現在電気機器に用いられている銅線やアルミ線などの常電導導体あるいはY系やBi系の超電導導体を用いることができるが、特に直流巻線1としては、超電導導体を用い極低温環境下で運転すれば、常電導巻線を用いた変圧器とシリコン整流器とを組み合わせた従来の交直変換装置が有する問題点をなくすことができる。尚、各巻線1,2,4及び6は磁気結合を大きくするため各鉄心を覆い漏磁束を少なくすることが好ましい。
なお、本実施形態の場合には、巻線は、応答速度が悪くならないようにするため、抵抗が或る程度必要となる(時定数が長くならないようにするため)ことから、銅線を用いる。バイアス巻線2並びに直流巻線1は共に銅線などの常電導導体で構成されて冷却機能を備えずにそのまま露出されている状態とされているが、場合によっては各巻線1,2のみを包囲する容器24で覆って、その中に水、液体窒素、液体水素などの冷却媒体を導入して巻線1、2のみを冷却することが好ましい。この場合には、抵抗ロス(IR)を減らすことができる。特に、この変換器を超電導直流送電に適用する場合には、図24に示すように直流巻線1を超電導導体で構成すると共に直流巻線1の周囲を非磁性の容器24で覆い、直流巻線1の周囲に超電導直流送電系統の冷却材を導入して冷却することである。通常、超電導線29と電力変換器との間には室温/極低温端末が必要で、コストやエネルギー損失が生じ不利とされているが、本方式で電力変換器の超電導化により端末装置を省略できる。ここで、冷却用容器24としては、ステンレス、FRPなどの非磁性体容器の使用が好ましく、鉄心の外側を包囲して巻線のみを冷却するようなドーナッツ構造を成している。鉄心3の冷却は磁気特性が変わり、磁気特性がでなくなることも考えられるので好ましくない。冷却材としては、常温電導線の場合には空気や絶縁油、水の使用が好ましく、超電導導線の場合には極低温を維持できる液体窒素、液体水素の使用が好ましい。
また、閉磁路に重畳される交流磁束成分は、交流巻線4から入力される交流電流によって発生する交流磁束成分を利用しても良いが、独自の交流制御巻線6を備えることによって独立した交流制御磁束を印加するようにしても良い。この場合には、直流巻線1を1次回路側とする電力変換、即ち逆変換を可能にする。ここで、交流制御巻線6は覆い巻きにより鉄心を巻回することにより、漏磁束を少なくして直流鉄心と直接結合し磁気飽和/不飽和の切替制御をシャープにすることが好ましい。
バイアス巻線2は、交流鉄心5あるいは直流鉄心3のいずれかの鉄心に巻回され、鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点Isになるようにバイアス直流磁束17を流す。直流励磁器により直流巻線1との直流磁束の合計が磁気飽和点を維持するように電流制御するが、場合によっては図7や図11に示すように、直流鉄心3あるいは交流鉄心5の一部に永久磁石18を入れて飽和点維持のバイアス直流電流を補強することもある。この場合には、バイアス直流電流を小さくすることができる。図7の鉄心構造は門型鉄心の変形である。
尚、鉄心に発生する磁束は交流/直流巻線に鎖交する相互磁束と、個々の巻線のみに鎖交する漏磁束に分類されるが、これらの関係は図23の等価回路と数式1に示す微分方程式で表すことができる。
以上のように構成された磁気飽和型電力変換装置によると、以下に示すように磁気回路の磁気飽和特性を利用して交流電流から全波整流電流変換したり、順変換運転や逆変換運転を行うことができる。
(電力変換器の原理(図5及び図25参照))
(1)基本原理
飽和型電力変換器は交流鉄心5の磁気飽和現象(以下は磁気飽和、または単に飽和という)を利用している。図5の磁気回路で交流巻線4に交流電流を通電すると、不飽和鉄心9側では、交流電流に比例して相互磁束10が変化して直流巻線1には交流電流に比例した電圧が誘起されるが、飽和鉄心8側では交流電流が増減しても相互磁束の変化が急減し(変化率が小さくなり)直流巻線1の誘起電圧はほぼ零になる。そこで、バイアス巻線2と交流制御巻線6に電流を通電して交流制御電流の方向に合わせて交互に磁気飽和領域8を切替ると、直流巻線1に同一方向の半波整流磁束が交互に生じ交流電流を直流巻線で半波整流電流や電圧に変換することができる。このとき、直流鉄心3を通過する主相互磁束10と減磁相互磁束11の向きは互いに逆向きとなっている。
(2)飽和切替制御
この飽和切替の主相互磁束10の飽和特性曲線の運転動作点を直流巻線1とバイアス巻線2の起磁力の和で表して、切替起磁力Isとする。また飽和切替の正弦波交流電流での位相角を切替制御角αとする。直流巻線1の電流は外部回路の影響で変化するので常に一定の切替起磁力Isになるようにバイアス巻線2の電流を直流励磁器で制御すると同時に、交流電流も外部回路の影響で変化するので常に一定の制御角で飽和切替を行うように制御する必要がある。このための制御回路を図25に示す。尚、図25において、符号30は平滑リアクトル、31は交流系統、32は交流遮断器、33は電圧位相調整器、34は直流励磁器、35は直流系統、36は直流スイッチ、37は短絡スイッチである。
(3)飽和切替制御角の安定化
飽和切替の制御角αを安定に保持するために交流巻線4と直流巻線1の間は磁束制御器15を構成する磁性盤20の非磁性体20bを挿入したり、交流巻線4を開放型のソレノイド巻きにする。また交流制御巻線6はトロイダル巻きして直接制御鉄心13で磁気結合して一定の制御角を保持する。更に交流巻線4は交流直流鉄心間結合部に磁束制御器15の非磁性体20bを挿入して鉄心のみのシャープな磁気特性から飽和特性を鈍化させる(非磁性+鉄心の磁気特性とする)。また交流鉄心5は鉄心面積を縮小して小さな制御電流で飽和し易くすることが、制御電流を小さくする上で好ましい。
(変換器の運転制御方法(図25参照))
本方式では、磁束制御器15による非磁性体20bと磁性体20aとの出し入れによる磁気抵抗調整と、バイアス巻線2並びに交流制御巻線6による磁気飽和制御、交流巻線4と直流巻線1にそれそれ設けた巻線タップ23(図11参照)などの制御回路を使い分けて以下のような各種の運転ができる。
(電力変換器の初期状態)
中部/下部鉄心の制御磁束が磁気飽和点になる様にバイアス巻線の励磁電流を調整する。この状態で鉄心に変動磁束を加えると、飽和点以下の不飽和鉄心は透磁率が空気の数百倍と大きく(磁気抵抗が微小)高磁束密度で変化するが、飽和点以上の飽和鉄心は透磁率が空気と同程度と急減して(磁気抵抗が急増)磁束密度を大幅に減少する。
(1)変換器の起動と停止
(a)順変換器の起動
バイアス巻線2の励磁電流を直流励磁器34の操作により増加して磁気回路の一部が飽和点φs近くまで増磁した後に交流巻線4を励磁して鉄心に変動磁束を加え磁束制御器15の非磁性体20bの空隙22への挿入量を調整して空隙22を減少させ、相互磁気回路(主磁束回路)の磁気抵抗を少なくして主相互磁束10を大きくし変換効率を上げる。ここで直流巻線1と外部直流回路間の開閉器36をオンして、直流制御電流を鉄心飽和点φsまで増加すると直流巻線1に相互磁界が鎖交して全波整流電圧が生じ直流外部電流が流れる。
(b)逆変換器の起動
直流巻線1の短絡開閉器37をオフして直流回路間の開閉器36をオンして直流励磁する。この状態からバイアス巻線2を励磁して鉄心飽和点φsまで増磁することで主相互磁束10が生じて交流巻線4に交流電圧が誘起するので、外部交流回路の電圧と同期をとり交流遮断器32をオンして同期並列する。さらに電圧位相調整器33による誘起電圧位相調整により変換器の誘起電圧位相を進ませることで外部交流系統に電力供給する。
(2)変換器の緊急停止による直流遮断
バイアス巻線2に流す直流電流を急減し直流巻線1に鎖交する主相互磁束10の飽和切替を解消することによって変換器は動作停止して順変換器では直流電圧を停止、逆変換器では交流電圧の誘起を停止する。その後直流開閉器をオフして系統間の開閉器36を開放し、バイパス開閉器37をオンした後に交流回路側の遮断器32をオフすることにより、変換器は系統から切り離される。
(3)全波整流電流の発生
不飽和時の直流鉄心3の相互磁束10,11は互いに逆方向でキャンセルするため、直流巻線1に交流磁束が鎖交しないので直流遮断する。しかし、バイアス制御電流により飽点まで増磁することでバイアス磁束17と交流磁束が同一方向になる鉄心は飽和し(符号8で示される磁気飽和領域)、逆方向の鉄心は不飽和となる(符号9で示される不飽和領域)。飽和鉄心側の相互磁束11は飽和により変動が急減し相互磁束がほぼ一定値を保つが、不飽和鉄心側の相互磁束10はその変動を透過できるので相互磁束が変動する。そこで、交流磁束は半周期ごとに方向を変えるが自律的に左右鉄心の飽和切替が生じるので、交流磁束が+/−変化しても直流鉄心3を通る主相互磁束10は切替り、常に同一方向を保持するので直流巻線1には全波整流磁束が鎖交して全波整流電圧が発生する。直流巻線1がLdcのリアクタンスを持つ外部直流回路と結合すれば、次式により直流巻線には全波整流電流が生じる。
直流巻線の誘起電圧:Ed=dΦ/dt=Ldc×dId/dt
(4)順変換器の運転(図27,29参照)
順変換器運転ではバイアス巻線2に交流制御巻線6を加えて交流電流波形の任意の位相角で飽和切替(従来の変換器の転流)を強制的に制御することにより直流電圧を発生することができる。この飽和切替タイミングを交流制御電流により支配し、直流巻線による交流磁束の影響を極力少なくするため、交流鉄心と直流鉄心間を磁性盤20の非磁性体20bで結合して、交流制御鉄心と直流鉄心を直接結合する。
交流巻線の電流Iaと交流制御電流Iacの位相差角αを制御角とし1サイクルを360度とする電気角ではと2πラジアン(rad)となる。図27ではIacがIaより90度遅れてすなわち制御角α=+π/2の運転状態を例示している。
この図例では、開始から最初の1/4サイクルでIaが最大の時点でIacを反転させる右側の直流鉄心から左側の直流鉄心に磁気飽和を反転をさせている。これは次の2/4サイクルではIaが減少して交流磁束が減磁して直流誘起電圧が負になることを防ぐためで、飽和反転して現れる右側の相互磁束は増磁し直流誘起電圧は正方向になる。
次の3/4サイクルに入るとIac は負になるが右側の鉄心の相互磁束は増磁で直流誘起電圧は正値を保持するので飽和切替しない。
最後の4/4サイクルに入るとIa が最小値を透過して右側の相互磁束は減磁に転じるので直流誘起電圧を正値にするため左鉄心から右側鉄心に飽和切替し、最初の鉄心飽和状況にも戻す
図29は制御角αを+90度から−90度に変化した場合の直流巻線電圧の波形を例示したもので直流巻線誘起電圧Vdはα=90度で正の最大、0度で零、−90度で負の最大となる
・この結果から直流巻線の誘起電圧は制御角の調整で制御できでその関係はほぼ次の式で表すことができる。
Vd≒Vm×Sin(α)
(5)単相交流からの順変換
全波整流波形は直流とリップル波形の合成波なので直流電力変換できている。更に従来の平滑コイルやフィルター技術によりスムースな直流に変換できる。例えば、直流電流の平滑化は、三個の変換器の交流巻線を三相結合して三相交流を加え120度位相差の全波整流電圧を誘起したり、六個の変換器の交流巻線をΔ/YとY/Yの巻線結合にして三相交流を加え60度位相差を持つ六相交流電流を個々の交流巻線に通電し全波整流電圧を誘起させ、各変換器の直流巻線を直列結合して直流外部回路間に平滑用直流リアクトルを設ける。合成すれば平滑な直流電圧を得る。
(6)交流から直流への変換(順変換)
(a)巻線相互磁束の変化
初期状態から磁気飽和点の中部/下部鉄心に交流磁束を加えると制御磁束と交流磁束が同方向の鉄心では増磁して磁気抵抗が増加し、逆方向の鉄心では減磁して磁気抵抗が急減する。例えば中部左と下部右が飽和して中部右と下部左鉄心が非飽和の場合、飽和している鉄心を磁路とする左巻線相互磁束の透過が阻止されるが、不飽和鉄心を磁路とする右巻線相互磁束は磁気抵抗が小さいので透過しやすくなる。次の半サイクル期間は、この逆となり左巻線相互磁束が透過しやすくなる。
(b)全波整流電圧の電磁誘導
この様に交流通電の半サイクルごとに右と左の巻線相互磁束が交互に中間鉄心を透過する。この中間鉄心を透過する左右の巻線相互磁束は同方向の正弦波半波となるので、中間鉄心の直流巻線にはこれが重なった連続の全波整流磁束が鎖交し全波整流電圧が電磁誘導される。この直流巻線を外部回路に結合すれば、全波整流電流を供給する。
(c)単相交流からの順変換
全波整流波形は直流とリップル波形の合成波なので直流電力変換できている。更に従来の平滑コイルやフィルター技術によりスムースな直流に変換できる。
(d)直流電流の平滑化
三個の変換器の交流巻線を三相結合して三相交流を加え120度位相差の全波整流電圧を誘起したり、六個の変換器の交流巻線をΔ/YとY/Yの巻線結合にして三相交流を加え60度位相差を持つ六相交流電流を個々の交流巻線に通電し全波整流電圧を誘起させ、各変換器の直流巻線を直列結合して直流外部回路間に平滑用直流リアクトルを設ける。合成すれば平滑な直流電圧を得る。
(1)直流から交流への変換(逆変換)
・巻線相互磁束の変化:初期状態から磁気飽和点の中部/下部鉄心に交流制御巻線を用いて交流制御磁束を加えると制御磁束と直流磁束が同方向の鉄心では増磁して磁気抵抗が増加し磁束の透過量が減少するが、逆方向の鉄心では減磁して磁気抵抗が減少し加えた交流磁束が透過する。例えば中部右と下部左で増磁、中部左と下部右で減磁した場合、飽和した鉄心を磁路とする左巻線相互磁束の透過は少ないが、不飽和の中部左と下部右鉄心を磁路とする右巻線相互磁束は磁気抵抗が小さいので、加えて交流磁束を透過する。次の半サイクル期間は、この逆となり左巻線相互磁束の透過が大きくなる。
・交流電圧の電磁誘導:この様にして上部鉄心を透過する左右の巻線相互磁束が半サイクルごと交互に鎖交することにより交流巻線には電磁誘導により交流電圧が発生する。この交流電圧は外部回路の周波数と同じなので、これを外部回路と位相同期させ交流電流を供給することができる。
・交流制御電流の作成:この逆変換は高電力品質面から極力波形歪や位相遅のない正弦波電流を供給することが重要となる。そのため交流制御巻線には波形歪のない交流電圧を印加し、印加ごとの過渡現象によるステップ電流変化を保つように交流制御巻線は小インダクタンスとして時定数を少なくする必要がある。また外部交流周波数と同期して交流電圧を発生するために位相進み遅れ回路制御回路を設ける必要がある。
・直流/単相交流の逆変換:電磁誘導される交流電圧は、不飽和が主体で、飽和による逆方向の歪波をわずかなので、高品質化した正弦波の制御電流によりそれに比例した正弦波形を得る。
・直流/三相交流の逆変換:三個の変換器の直流巻線を結合して、各変換器の制御電流を120度位相差のある三相交流変化させることで3個の交流巻線に120度位相差の三相交流電圧を得る。
(2)全波整流から交流への変換(逆変換)
・巻線相互磁束の変化:初期状態から交流制御巻線に矩形波状の電流を通電して磁気飽和点の中部/下部鉄心に矩形波磁束を加えると制御磁束と直流磁束が同方向の鉄心では増磁して磁気抵抗が増加し、逆方向の鉄心では減磁して磁気抵抗が急減する。例えば中部右と下部左で飽和、中部左と下部右で不飽和した場合、飽和鉄心を磁路とする左巻線相互磁束の透過は減少するが、不飽和鉄心を磁路とする中部左と下部右鉄心は磁気抵抗が小さいので、加えて全波整流磁束を透過する。次の半サイクル期間は、この逆となり左巻線相互磁束の透過が大きくなる。
・交流電圧の電磁誘導:この様にして全波整流の左右の巻線相互磁束が半サイクルごと交互に方向を反転して上部鉄心を透過するので交流巻線には電磁誘導により交流電圧が発生する。この交流電圧は全波整流の元の交流周波数と同じなので、これを外部回路と位相同期させ交流電流を供給することができる。
・矩形波制御電流の作成:この逆変換は高電力品質面から極力波形歪の少ない矩形波制御電流を供給することが重要となる。そのため交流制御巻線には矩形波電圧を印加し、印加ごとの過渡現象によるステップ電流変化を保つように交流制御巻線は小インダクタンスとして時定数を少なくする必要がある。また外部交流周波数と同期して交流電圧を発生するために位相進み遅れ回路制御回路を設ける必要がある。
・全波整流/単相交流の逆変換:電磁誘導される交流電圧は不飽和が主体で飽和による逆方向の歪波は少ないので、高品質化した矩形波の制御電流によりそれに比例した正弦波形を得る。
・直流/三相交流の逆変換:三個の変換器の直流巻線を結合して、書く変換器の制御電流を120度位相差のある三相交流変化させることで3個の交流巻線に120度位相差の三相交流電圧を得る。
(3)直流電圧の変圧
変換器の直流や交流電圧の調整は次の方法があり、変圧幅や応答速度に合わせて選定できる。
・巻線タップ比:交流巻線と直流巻線のタップ比を変えることにより電圧を変化する。まず製作段階で平均タップ比を決め、運転中は交流変圧器と同様に+/−10%程度の変化幅とするように中間タップを設ける。この応答速度はタップチェンジャーの機械的制約で決まり秒オーダとなる。
・飽和調整鉄心:中間鉄心に設けた飽和調整器で鉄心片を出入することで、鉄心磁気抵抗と磁気飽和度を変えて運転中の巻線相互磁束を制御して各巻線の誘起電圧を調整する。変動幅は制御巻線との安定な協調制御により決まり+/−5%程度となる。応答速度はリニアモータの鉄心片出入で決まり1秒オーダとなる。
・バイアス巻線:順/逆変換運転時に中部/下部鉄心の磁気飽和が一定保持する制御に加えて其の目標点をわずかに変化して飽和点を変更し運転中の巻線相互磁束を制御して各巻線の誘起電圧を調整する。応答幅は制御電流単独の場合、+/−5%程度で、応答速度は巻線の時定数により決まり0.1秒オーダとなる。
・交流制御巻線:逆変換運転時に中部/下部鉄心の磁気飽和が保持制御された状態で交流制御巻線に加える正弦波または矩形波の励磁電流の大きさは、非飽和領域での巻線相互磁束の変化幅を増幅し交流巻線に誘起する電圧が大きくなる。この変動幅は制御電源の容量により決まり+/−5%程度で、応答速度は巻線時定数により決まり、0.1秒オーダとなる。
(4)直流回路の遮断
現用の直流送電では交流のように電流が零点をクロスしないので遮断器の適用が難しく変換器を停止して回路遮断する方法が用いられるが、スイッチの簡易な入切や保護系との協調を難しくしている。
本変換器では、次のような方法で簡単に直流回路を遮断したり再閉路や停止することができる。
・定常時の遮断:変換器の直流や交流の制御電流を零に下げ、同時に直流巻線のバイパス抵抗投入と交流巻線を開放する事で巻線相互磁束が消滅し直流電圧と電流が零となる。
・故障時の遮断:変換器に結合する直流や交流系統の故障時は、電流変化で検出して、直ちに変換器の制御電流の供給を停止し磁気飽和運転を非飽和領域に移動して巻線相互磁束を零とする事で直流誘起電圧が消滅する。同時に交流巻線の遮断器を開放して直流巻線端子のバイパス抵抗を投入にすれば変換器の磁気回路エネルギーが放出して変換器と直流回路を高速遮断できる。
・再閉路や停止:直流制御電流を磁気飽和開始点近くまで増加して巻線相互磁束を発生する過程で直流電圧が確立すれば直流送電線の故障除去が確認でき直流制御電流を増加し定格電圧に相当する磁束飽和点に復帰して再閉路を完了する。この電圧確立が無いときは励磁電流を下げ変換器を停止する。
図12〜図22に磁気飽和の利用と磁束制御器による磁気抵抗の変化とを併用して利用した(以下、混合型と呼ぶ)本発明の電力変換装置の第2の実施形態を示す。尚、図示した実施形態では、磁気飽和方式と磁気抵抗方式とを連動させて順変換と逆変換とを実施する装置構成を採るようにしているが、必要に応じていずれか一方の方式のみを用いて順変換装置あるいは逆変換装置として独立した別々の構成を採るようにしても良い。
この実施形態の電力変換装置は、磁束を切替える手法として鉄心の磁気飽和現象を用いる第1の実施形態の飽和型磁束制御器(鉄心3,5と、バイアス巻線2と交流磁束成分を与える手段例えば交流制御巻線6とで構成される)と、磁性体20aと非磁性体20とを交互に配置した磁性盤20をギャップ22に交互に出入れする移動型とがあり、交流鉄心5と直流鉄心3の結合部にこれら飽和型磁束制御器と移動型磁束制御器16とを併設する。即ち、前述の磁気飽和型電力変換装置に、さらに交流鉄心5あるいは直流鉄心3のいずれかに空隙22を形成し、磁束が通り易い物質20aと磁束が通り難い物質20bとを空隙22に一定周期で交互に通過させ鉄心5,3の磁気抵抗を切り替えることで直流巻線1と交流巻線4とに鎖交する相互磁束の磁束密度を変化させる磁束制御器16を備えたものである。本実施形態では、交流系統と同期する切替動作が容易な回転型の磁束制御器16を採用しているが、交流系統と同期して往復運動を行えるのであれば図10に示す往復直線移動する磁束制御器15によっても行える。
つまり、この電力変換装置は、交流鉄心5と直流鉄心3との間に磁性盤20から成る回転型の磁束制御器16を配置すると共に、該磁束制御器16と連動して磁気飽和領域8と不飽和領域9とを鉄心の一部に交互形成する磁気飽和現象を利用した磁束制御器を併用することにより、鉄心の磁気抵抗を交番制御して、直流鉄心の直流巻線部分では同じ方向に流れる共に交流鉄心の交流巻線部分では流れ方向が逆向となる磁束が減少した相互磁束と通過磁束の減少がなくそのままの磁束量となる相互磁束との2通りの磁路を形成するように構成するようにしている。なお、本実施形態の電力変換装置は、概ね磁気飽和と磁気抵抗切替とを組み合わせた構成を成すものであるが、これらの表現並びに交流側磁気回路と直流側磁気回路などといった表現は理解を助けるために便宜上用いたものであり、電力の入力側を特定したり変圧の有無を限定するものではなく、いずれが電力入力側となっても良いし、巻線数が同数で電圧変化を伴わない場合も含まれるのであり、厳密には変圧器そのものの構成を有しているものではない。
ここで、本実施形態の磁束制御器16は、磁束が通り易い物質例えば変圧器に用いられている珪素鋼板やアモルファス鉄心などの磁性材料20aと磁束が通り難い物質例えば(繊維強化プラスチック)などの非導電性の非磁性材料や反磁性体、空隙を含む非磁性体20bとを円周上に交互に配置した円板からなり、FRPなどの非磁性体によって中心に配置される同期モータ21に固定されている。具体的には、磁性盤20は、FRPなどの非導電性・非磁性の材料で形成されるディスク状の支持体の周縁に、周方向へ交互に非磁性体20b及び磁性体22aを環状に配置して成る。この磁性盤20は、支持体を介して低圧母線を流れる交流電流の周波数と同期させて回転駆動する同期モータ21に支持されている。したがって、直流鉄心3あるいは交流鉄心5の一部に設けられた空隙22に、円板の一部が重複するように配置することで、交流系統と同期して回転する同期モータ21の回転により、磁性体20aと非磁性体20bとが鉄心3,5のギャップ22へ交互に同期して挿入可能とされている。ここで、磁性体20aと非磁性体20bの幅と鉄心3あるいは5の断面積との関係は、図21の(C)に示すように、順変換器用と逆変換器用とでは異なる。順変換器用は磁性体20a/非磁性20bの幅に対して磁極の幅を小さくすることにより、台形状に磁気抵抗が変化し、逆変換器用は磁極の幅と磁性体20a/非磁性20bの幅を等しくして正弦波状に磁気抵抗が変化するようにしている。そして、交流と直流巻線間の磁気抵抗を変化し交直流の変換転流する。尚、モータ回転数は外部交流電流と同期して磁性盤20の磁性体20aと非磁性体20bが切替る様に極数を考慮し定められる。
ここで、回転型の磁束制御器16は、図12、13、17、19,21,22に示すような三脚型あるいは五脚型鉄心に適用する場合には、少なくとも左右の交流磁気回路を交互に開閉(磁気抵抗を変化させる)するためにそれぞれに1台ずつ設ければ良い。また、図14、16、18及び20に示すような門型鉄心に適用する場合には、直流鉄心3の両端に分岐するように接続された交流鉄心5にそれぞれ1台ずつ、計4台設ける。この場合には、順変換と逆変換を1台の変換器で実施することができる。そして、これら回転型の磁束制御器16は、直流巻線の部分では一定方向に通過し、交流巻線の部分では交互に磁束の通過方向が逆向きとなる相互磁束が発生するように、互いに同期させて磁性体20aと非磁性20bとを交互に入れ替えるように交流系統と同期させて制御するようにしている。また、本実施形態の電力変換器を磁気飽和型切替器を用いる順変換として構成する場合には、回転型の磁束制御器16を全て磁性体20aあるいは非磁性体20bがギャップ22に位置するように回転位置を調整することによって、磁気飽和のみで主相互磁束10の切替を行うようにすることができる。また、図14、16、18及び20に示すような門型鉄心の交直両用の変換器において、直順変換あるいは逆変換専用とする場合には、例えば上部2台を用いて順変換するときには、下部の磁束制御器16は両方とも磁性体20a挿入状態で順変換する。
また、この磁束制御器16は交流直流変換用として用いる場合だけでなく、電圧調整用としても用いることができる。つまり、磁束制御器15並びに16の働き、即ち非磁性体20b/磁性体20aから成る磁性盤20の空隙22への挿入は、a)空隙量が大きく磁束の遮断(大きな減磁)と透過を制御する交流⇔直流の変換機能、b)空隙量が小さく磁束の透過量の制御による空隙+鉄心特性の準線形特性への変更、c)空隙量が小さく磁束の透過量の制御による2次回路側に発生する電圧調整の3つの働きがあり、それらは目的に合わせた最適な空隙長の設定により実現される。
また、磁束制御器16は、図21並びに図15に示すような直流鉄心3の一端を二股に分岐させた構造とする場合には、1枚の円盤状磁性盤20で主相互磁束10と減磁相互磁束11との切替を実施することができる。この場合には、機構部の低減により故障の低減や設備コストの軽減が可能となる。
また、図22に示すように、磁束制御器15の代わりにシャッター機構24を備えて、鉄心5の空隙22に対して磁性体24aあるいは非磁性体24bを挿入することにより、磁気抵抗を固定することで、一台の変換器で磁気飽和型を順変換器として、あるいは回転磁束制御器型を逆変換器とすることができる。
図26にこれら第2の実施形態の混合型電力変換装置の制御回路を示す。尚、図26において、符号は38は電圧位相調整器、39は抵抗器、40は可変抵抗器、41はバスパススイッチである。鉄心の磁気飽和現象を用いる飽和型は交流制御巻線を用いて鉄心の一部の磁束飽和を切替えるので電流制御が必要となるが、移動型は外部交流電圧の周波数と同期した同期機やサーボモータを用いて磁性/非磁性体を駆動するので制御回路は不要となるがモータとその速度制御回路が必要になる。そこで、電圧位相調整器38は、現用方式の適用が可能であり、モータと発電機を同軸で結合するMG方式あるいはサイリスターで作る順/逆変換器を直結するBTB方式次で周波数制御し発電電圧の位相角を調整する。
本実施形態の場合、磁束を切替える手法として、鉄心の磁気飽和現象を用いる飽和型と磁性体20aと非磁性体20とをリング状に交互に配置した磁性盤20をギャップ22に交互に出入れする移動型とを併用しており、交流鉄心5と直流鉄心3の結合部にこれら飽和型磁束制御器と移動型磁束制御器16とを併設するようにしている。ここで、飽和型磁束制御器と移動型磁束制御器とはそれぞれ単独で適用可能であるが、さらに併用する混合型切替方式とすることで相互磁束の切替効果を更に高めることが可能となる。
しかしながら、本実施形態の電力変換器では、飽和型は磁束切替が比較的小さく小範囲の電圧制御に用いる。一方、移動型磁束制御器16は磁束切替が大きくなるので大幅な電圧制御に用いる。飽和型は交流制御巻線を用いて鉄心の一部を磁束飽和して磁路を切替えるので巻線電流制御で行うが、移動型は磁性/非磁性体が合体した磁性盤20の移動を同期モータ21で行う。
3.飽和型磁束切替器の構造
鉄心閉回路の飽和特性では飽和開始点の起磁力Isが直流制御電流の運転点となる
交流と直流間の鉄心は電流Is以上の増加で飽和すると、飽和点Isの上側で電流を正弦波上に変化させても直流巻線の鎖交磁束の変化は少ないためそのときの交番誘起電圧は少ないが、Isの下側で正弦波変化させると直流巻線の鎖交磁束の変化が大きく交番誘起電圧は大きく現れる。要は、直流巻線に生じる全波整流電圧が重要だが、電圧は磁束の変化率で決まる。一方、電流Is以下の減少で不飽和になると、直流巻線の交流磁束鎖交の変化割合が増大して磁束切替できる。
4.直線型の磁束切替器
直線型は交流と直流鉄心間に置き交流と直流巻線間の磁気抵抗を変えて電圧調整する
台形波用は磁性体と非磁性体をステップ変化して磁気抵抗を台形変化させる
制限波用は磁性体と非磁性体を線形変化して磁気抵抗を正弦波変化させる
磁性体板の移動は直線往復動作のできるサーボモータで駆動する
回転型の磁束切替器(図14、図15、図21参照)
交流と直流鉄心間に設けて交流と直流巻線間の磁気抵抗を変化し交直流の変換転流する。モータ転数は外部交流電流と同期して磁性盤20の磁性体20aと非磁性体20bが切替る様に極数を考慮し定める。順変換器用は磁極の幅を小さくして磁性/非磁性が台形状に変化させる(図21(B)参照)。逆変換器用は磁極の幅と磁性素子幅を等しくして正弦波状に変化させる(図21(C)参照)。順変換または逆変換専用の場合は回転切替器2台を1台にすることができる(図15参照)。順変換と逆変換を1台で行う場合は上部と下部に各々の回転切替器を設け切替る(図14参照) 。例えば上部2台が順変換切替盤の場合、下部の切替盤は両方とも磁性挿入状態で順変換する。即ち、回転型磁気切替だけの場合は、順変換と逆変換磁極の磁性盤20の磁性体20aと非磁性体20b幅を変える必要があります。順変換時は、上部の磁束切替で磁束が台形変化するように素子幅を磁極幅より大きくして転流をシャープにします。この時に下部の左右素子は磁極に対して磁性体の位置で静止させます。逆変換時は、下部の磁束切替で磁束が正弦波変化するよう素子幅と磁極幅をほぼ等しくしてスムースな磁束交流電圧が生じるようにします。この時に上部の左右の素子は磁極に対して磁性体の位置で静止します。
移動型磁束切替器の構造(図10、14、15、21(C)参照)
・移動型磁束切替器には直線型と回転型があり、各々に台形波型と正弦波型がある。
・直線型は順変換で非磁性体挿入し、逆変換で磁性体挿入し磁気回路抵抗と誘起電圧を調整する。
・回転型は半サイクル毎に磁性体を出入れしてその切替位相差で交流/直流波形の変換を行う。
5.磁束の分類と磁気回路の等価表現(図12、26、23参照)
(回転型と飽和型の磁束切替器つき三脚混合型変換器の例)
交流と直流巻線に鎖交する相互磁束は、回転切替器と飽和切替器により切替が行われる。
相互磁束の交流分は、鉄心の一部が飽和することにより交流磁束の変化分が少なくなり、飽和していない場合は変化分がそのまま現れる。つまり、鉄心の一部飽和がバイアス電流の制御で行われ、その結果不飽和側では大きな磁束変化となり飽和側で磁束変化が少ない。
電流極性は、交流電流Iaが上部から入を+、直流電流Idが上部から出を+とする。磁束極性は、交流磁束Φaが上部から出を+、直流磁束Φdは上部から入を+とする。
混合型は逆変換器と順変換器とを一台の変換器で効果的に実施するためのものであり、順変換時と逆変換時とで回転切替器と飽和切替器とを使い分けることも可能である(つまり、一方の切替器しか使わないこともある)が、特にインバータの場合、飽和切替方式だけでは大きな交流の電流電圧を発生することが容易でないので、回転型と併用するとによりそれに対応可能とすることができる。
・上部鉄心は一部に磁性/非磁性鉄心を交互に挿入する回転切替器をおき、下部鉄心は一部を飽和させる飽和切替器をおく。
・両者は独立に切替動作するが、外部交流回路の周波数と同期して連動動作する。
・左側鉄心で下部鉄心飽和時は上部鉄心は非磁性体が挿入されて交流磁束変化を少なくするが、右側下部は不飽和で磁性体が挿入され交流磁束変化は大きくなる。
・左右鉄心は、直線切替器を置き、順変換時は非磁性体挿入し交流巻線と制御巻線の相互干渉を弱めるが、逆変換時は磁性体を挿入して直流と交流巻線の磁気結合を強めて変換効率を高める。
6.電力変換器巻線の冷却方法(直流巻線の冷却例:図24参照)
銅線や超電導線の直流巻線を水や液体窒素で冷却して電気抵抗損を減少する。
室温鉄心を囲むように円筒ドーナツ状の冷媒タンクを設けて巻線だけを冷却する。
極低温冷却直流ケーブル管路と直流巻線を直接結合して室温極低温端子を省略する。
バイアス巻線はCu線で液体窒素冷却し電気抵抗を約1/10減少して損失を下げる。
7.磁気回路の切替による誘起電圧の整流の原理
(三脚混合型の順変換器での例)
左右の鉄心の一部を交互に飽和すると中央鉄心磁束が不平衡になり相互磁束が生じる。
左右の鉄心の一部に交互に磁性体/非磁性体を出入れすると同様の変化が生じる。つまり、通常は中央鉄心(直流鉄心)には交流巻線から出る磁束が互いに逆向きとなって流れるため互いに打ち消しあい、磁束が流れない状態と同じ状態となるため、相互磁束が発生せず2次回路側となる直流巻線には起電力が誘起されないが、左右の鉄心の一部が不飽和となったりあるいは磁気抵抗が変化すると、磁束の不平衡が起こり起電力が誘起される。ここで、2次回路に誘導される起電力は、その中の磁束を変化させることによって発生する。そして、回路に誘導される起電力は、その回路を通過する磁束の時間変化率に正比例する。
ε=−dφm/dt (ファラデーの法則)
ここで、φmは回路を通過する磁束である。
これを利用して左右の交流鉄心に交互に磁束切替し交流電圧を全波整流電圧に変換する。飽和型は交流と直流間磁気結合を弱くして制御磁束と交流磁束の相互干渉を少なくする。飽和型は交流制御鉄の鉄心断面積を縮小して少ない制御電流で飽和しやすくする。
移動型は磁束に対し磁性体が鎖交するので磁性体自体に発生する渦電流を少なくするために積層構造とすることが好ましい。例えば、磁性体は導電性の極力少ない珪素鋼板やアモルファス鉄心を用い、その鉄心は0.3mm程度の薄板の表面を絶縁体で被い、さらにそれを積層して電流が流れないようにすることが好ましい。なお非磁性体はFRPなどの強化プラスチックや空気など磁束カットしても電流が流れないようなものを用いる。移動型は磁性体が出入するときの電磁力変動に対して同期速度を維持する制御を行う。
8.飽和型切替器の順変換器の動作原理(図27参照)
(三脚飽和型の例:磁束変化幅が少なく少ない電圧制御する場合)
交流巻線電流Iaと交流制御電流Iacの位相差角(電気角)αを制御角と定義する。
位相角αは1サイクル(360度)が2πラジアン(rad)となり90度遅れはα=+π/2となる。
αが90と270度毎に交流電流で反転し直流鉄心を飽和切替して最大の全波整流電圧を得る。
即ち、左上図は、交流電流が左から右に流れている1/4サイクル期間を示す。この時左右の交流巻線で作る交流磁束は左右鉄心でそれぞれ時計回りに流れ直流磁束は中央鉄心で上向きに湧き出すように流れている。左側の相互磁束は不飽和なので太線となり、これが直流巻線の上から進入するので、正のVdが発生する。左下図は次の2/4サイクル期間で、まだ交流電流は右に流れているので、相互磁束の回転向きは時計方向となるが、飽和切替により右側磁束が主相互磁束となる(太線で表す)。この方向は中央の直流巻線には下から侵入するので、負の自己磁束−Φmとなり、転流現象が起こる。しかし、誘起する電圧はその微分値であるから、Vd は正になる。右下図は次の3/4サイクル期間を示すもので、飽和切替はしないが、交流電流が反転し、右から左へ向かうので、交流磁束も反時計方向に回転して直流巻線の磁束進入は上から下の正極性へ戻り、正のVdが発生する。右上図は次の4/4サイクル期間で、再び磁気飽和切替を行い転流を生じてVdが正になる。このようにして全波整流電圧を直流巻線に発生させる。
直流巻線には飽和切替で相互磁束の時間微分値が正の期間を制御して整流電圧を調整する。直流巻線内部に誘起する全波整流電圧と外部直流回路を結合すれば全波整流電流が流れる。直流制御磁束を減少し不飽和鉄心にすれば直流巻線誘起電圧はゼロとなり変換器停止する。入力される交流電流により発生する磁束の直流鉄心での流れが逆向きで同じ磁束量だから相殺され、磁束の変化が生じないためである。
10.混合型順変換器の動作(図28参照)
(三脚混合型の例:電圧を大きく制御する場合)
磁性盤20の切替は同期機やサーボモータにより外部交流電流と同期して駆動する。磁性体20aと非磁性体20bの幅を磁極3あるいは5の幅より長くして鉄心の磁気抵抗を台形変化させる。磁性/非磁性体は交流電流Iaと等しい角速度で位相角α(制御角)だけ遅れて磁束切替する。すなわち正弦波交流電流Iaのゼロ時点と磁性体挿入開始時との差を制御角+αとする。制御角αは1サイクル(360度)を2πラジアン(rad)とし90度遅れはα=+π/2なる。直流巻線の誘起電圧はVd=Vm×Sin(α)の関係からα=+/−π/2で最大値で電圧制御できる。
11.順変換器の電圧制御方法(図29参照)
(飽和型も移動型も共通)
直流巻線誘起電圧Vdはα=+90度で正の最大、0度で零、−90度で負の最大となる。直流巻線誘起電圧Vdは波形の+/−面積比からVd≒Vm×Sin(α) の関係式で表現できる。
12.飽和型逆変換器の動作原理(図30)
直流系統の変動により直流電流Idが変化しても、直流相互磁束が飽和点(Φs0,Is0)で常に維持するようにバイアス巻線電流Idcを制御する。交流系統と同期した電流Iacを交流制御巻線に流し交流磁束Φac,Φm1,Φm2を発生する。Φacは下部制御鉄心を循環する磁束でその向きにより鉄心を飽和/不飽和する。Φm1,Φm2は飽和鉄心側が微小で不飽和側で大で、その和が相互磁束変化分Φmとなる。交流巻線に鎖交するΦmの微分値が交流巻線に誘起する交流電圧Vaとなる。交流電圧は交流制御電流の大きさの増減と直線型磁束切替器の空隙調整で制御する。インバータの運転のときは直流電流から交流電圧を作るもので、交流電圧の大きさは磁路切替とともに交流制御電流による変圧起電力を重ね合わせて電圧調整をします。なお交流制御電流による電圧調整量は少ないので電圧微調整用に用いて、大きな変化は磁路切替で行なう。
13.混合型逆変換器の動作原理(図31参照)
回転型磁気切替器単体の場合(磁気抵抗制御を変化して交流電圧を発生)
磁性/非磁性体は同期機やサーボモータにより交流周波数と同期して駆動する。直流巻線に直流電流Idが供給され左右の交流巻線に相互直流磁束Φm1、Φm2が生じる。Φm1、Φm2は磁性体幅と磁極幅がほぼ等しければ磁気抵抗が正弦波変化し交流変化する。Φm1、Φm2の変化幅は半サイクルごとに交互に大小が入れ替わり磁性体が入る側が大変化、非磁性体が入る側が小変化となり、変化大きのときの左右巻線の鎖交方向が同じとなる。そのため左右の巻線に生じる電圧Va1,Va2 も同方向の半端整流波が生じる。この極性を考慮して左右交流巻線を逆極性結合すればその端子に正弦波交流電圧Vaが生じる。この交流電圧はバイアス巻線の電流を変化させ、Φm1,Φm2を変えることで制御できる。
インバータでは直流制御電流と直流主電流との和を変化させて交流電圧化するためです。
回転型と飽和型併用による混合型の場合(磁気抵抗と磁気飽和を併用して大きな交流電圧を発生)
直流系統の変動により直流電流Idが変化しても直流相互磁束が飽和点(Φs0,Is0)で常に維持するようにバイアス巻線電流Idcを制御する。交流系統と同期した電流Iacを交流制御巻線に流し交流磁束Φac,Φm1,Φm2を発生する。Φacは下部制御鉄心を循環する磁束でその向きにより鉄心を飽和/不飽和する。Φm1,Φm2は飽和鉄心側が微小で不飽和側で大で、その和が相互磁束変化分Φmとなる。これと並行して回転型切替器の動作を行うことで左右の交流巻線に正弦波電圧を生じる。交流電圧は交流制御電流の大きさの増減と直線型磁束切替器の空隙調整で制御する。ここで、図10の直線動作型切替器15のは磁性体20aが左右の鉄心に挿入されて、主磁束回路(相互磁束が通る回路)の磁気抵抗を少なくしています。逆変換の場合、回転切替素子が左右に非磁性体を挿入し、飽和切替だけで交流電圧を発生することもできますが、これでは非飽和領域での磁束の変化幅が少なく誘起電圧が小さく、直流磁束全体を利用して交流電圧を発生することができません。そこで、回転磁性体を非磁性と磁性交互に挿入して飽和切替と同期を取り電圧発生を大きくすることができる。
逆変換器の場合、発生する交流電圧の大きさは、飽和型では飽和点以下の非飽和側の磁束と起磁力(制御電流変化幅)で決まるため少なく、回転型では磁性体と非磁性体の正弦波切り替え幅に因るので大きくなる。そのためこれらをあわせて変換する混合型が好ましい。
19.変換器と交流/直流回路のとの連系構成と制御方法
(基本制御の概要)
交流/直流変換のための磁束切替制御には磁束飽和制御と磁気抵抗制御がある
磁気飽和制御は飽和点制御と組合せて鉄心を飽和させ磁束路を切替える
磁気抵抗制御は磁性体/非磁性体を出入し鉄心の磁気抵抗を変化して磁束路を切替える
それぞれの制御の目標は制御角の維持で、上図にその目的と入出力信号は示す
(電力貯蔵装置への適用例)
1.充放電の起動
飽和点制御により直流制御電流を増加させ制御鉄心を飽和開始点(Φs,Is)に設定する
2.充電時の制御(順変換器起動―蓄電池は起動完了し無負荷運転でスタンドバイの状態から)
変換器の直流巻線が開放した状態で交流遮断器をオンして変換器と交流系統を結合する
磁気抵抗制御と磁束飽和制御により直流巻線電圧Vdが蓄電池定格電圧Vbにと等しくする
直流端子と蓄電池と結合して蓄電池への充電電流Idを確認し、Vb一定制御により充電する
3.放電時の制御(逆変換器起動―蓄電池は起動完了し無負荷運転でスタンドバイの状態から)
蓄電池と可変抵抗器を直列結合しDCスイッチオンで変換器と蓄電池を結合する
可変抵抗器調整と飽和点制御により変換器の直流磁束が飽和点にして可変抵抗器をオフする
磁気抵抗と磁束飽和制御の電圧位相器を連動し外部交流電圧と同期をとり交流遮断器オンする
外部交流系統と同期した状態で電圧位相調整器の速度制御により変換器出力を増減する
4.充放電の停止
直流側の可変抵抗器をオンして蓄電池の充放電を減少し、DCスイッチをオフして蓄電池を解列する
飽和点制御で励磁電流を減少した後、交流遮断器をオフして交流系統と変換器を解列する
(4)飽和型磁束切替器(図4参照)
磁路が鉄心だけと鉄心+空隙の場合の磁気飽和特性を図3-A示す。鉄心だけの閉回路では少ない起磁力(電流)で多量の磁束を発生し強い飽和特性を持つが、空隙や非磁性体と合体した磁路では非磁性体では磁気抵抗が大きく電流と磁束の関係は弱い飽和特性となる。
つまり、図30で示すように磁気飽和特性で非磁性体が入ることで順線形化して同じ電流に対して磁束が少なくなる。飽和型の交流制御巻線回路では鉄心だけの閉回路を設けて磁束切替えを強い飽和特性の飽和開始点(電流Is、磁束Φs)で行う事できる。運転中の直流磁束が閉回路の制御鉄心で常に飽和開始点になるようバイアス巻線電流を制御して、交流制御巻線により外部交流周波数と同期して飽和/不飽和の磁束切替ができるように制御する。このため制御鉄心を細くし少ない制御電流で飽和切替えができるようにするとともに、直線型の移動切替器を主磁束回路に設けて交流制御磁束と主磁束との磁気的結合を弱くする。この磁束飽和/不飽和の切替により直流巻線に全波整流電圧を発生できる。
(5)移動型磁束切替器(図12〜図22参照)
移動型切替器はサーボモータ駆動の直線型と同期モータ駆動の回転型があり、磁性体と磁極の形状から切替時の磁束が台形波型と正弦波型に変化するようにする。
(6)直線型切替器(図10)
直線型は磁性と非磁性の板を重ねて、その往復動作で磁気結合を調整する。主に台形波型では順変換器動作時に非磁性体側に挿入して主磁束回路と交流制御回路の磁気結合を弱めるのに用い、正弦波型は逆変換時の交流電圧調整など緩やかなオフライン動作に用いる。
(7)回転型切替器(図21、図14、図15参照)
回転型は外部交流電圧の周波数と同期した同期モータを用いて磁性/非磁性体円盤を駆動して高速切替する。モータ回転数は磁性/非磁性盤が外部の交流電流の周波数と同期して切替るように極数を考慮し決める。回転盤の局数Pで外部周波数fの場合の定格回転数はRPM=120×f/Pとなる。順変換器運転では磁極の幅を小さくして磁性/非磁性切替による磁気抵抗が台形状に変化させて、逆変換器運転ではでは磁極の幅と磁性体幅をほぼ等しくし磁気抵抗が正弦波状に変化させる。磁性体切替盤は移動により磁束線カットするのでその反発力に打ち勝つ駆動トルクと渦電流発生を防ぐ積層鉄心が必要となる。
(8)磁束の等価回路と直流電圧/電圧の発生(図23参照)
交流と直流巻線から生じる磁束は双方の巻線に鎖交する相互磁束と自己の巻線のみに鎖交する漏磁束がある(図12,26)。変圧器との違いは鉄心に直流と交流の磁束が重畳していることがあるが、巻線にの誘起電圧は交流分で決まるのでの変圧器と同じ関係式が成り立つ(図23)。本式から直流巻線開放時の電圧Vdは交流電流Iaにより生じる相互磁束磁束Φm(=Lm×Ia)からVd=dΦm/dtとなる。直流巻線に外部抵抗回路が結合すると相互磁束を打ち消す方向に直流電流Idが流れる。このIdは抵抗負荷のために脈動分の多い全波整流電流となるが、平滑リアクトルを直列結合することで少ない脈動分の直流電流をえる事ができる。巻線から発生する磁束は交流と直流巻線の双方に鎖交する相互磁束と自己の巻線のみに鎖交する漏磁束に分類される(図12)。この磁気回路の等価回路は図23の通りで、交流や直流巻線に発生する電圧は相互磁束磁束Φmとその微分値dΦm/dtで決まる。
(9)巻線の冷却(図24)
巻線は水冷却や液体窒素により冷却して電気抵抗を下げ省エネ化できる。本方式では室温の鉄心にドーナッツ型の断熱容器を設けて巻線だけを冷却して冷却負荷を少なくし、直流巻線の銅線を極低温冷却して抵抗値を1/10に下げたり超電導線巻線にして電気抵抗損を最小限する。また極低温のケーブルやコイルとの結合には、端末装置を省略して直接結合し進入熱や接続抵抗損を減少することができる。図24は変換器を極低温冷却して直流送電や電力貯蔵の極低温ケーブルや極低温コイルと結合するときの冷却方法を示す。通常はこれら極低温機器と変換器間に室温/極低温端末が必要となりそのためのコストやエネルギー損失が生じるが、本方式では直接結合することで簡単になり損失も少なくできる。
3 電力変換器の原理
(1)基本的考え方
飽和型変換器は交流鉄心の磁気飽和現象を利用しており、三脚鉄心型を例にしてその原理を説明する。飽和開始点(Φs、Is)で交流巻線に右向きの電流を流すと右側の不飽和鉄心の相互磁束は交流の主電流に比例して大きく変化するが、左側の飽和鉄心の相互磁束はわずかに変化して中央の直流巻線には上向きの相互磁束が鎖交する。逆に交流巻線に左向きの電流が流れ左側の鉄心を不飽和にして右側鉄心を飽和さても中央の直流巻線異には上向きの相互磁束が鎖交する。このように交流巻線の電流の向きと同期した交流制御電流で左右の鉄心の磁気飽和を切替ることにより同方向の相互磁束を中央の直流巻線に鎖交できる。この相互磁束の微分値が直流巻線の誘起電圧となり交流電流を直流電圧に変換することができる。左右の磁気回路の交流鉄心に巻かれた交流巻線は同じ方向に電流が流れるように結線され、交流鉄心では同じ向きに流れ直流鉄心では互いに逆向きに流れる相互磁束を生成する。この変換では次の点に留意する必要がある
・誘起電圧の制御
磁気回路の飽和切替えにより相互磁束の波形を調整するには飽和特性曲線の運転動作点(Is,Φs)を維持するためには直流巻線とバイアス巻線の起磁力の和を保持するようにバイアス巻線電流で制御する。磁束切替を交流巻線の電流のどの位相でするか(制御角α)によって相互磁束の波形が支配され直流電圧が決まるので交流制御電流で制御角一定制御を行う。
・制御角の安定
飽和切替の制御角を安定に維持制御するため交流と直流鉄心結合間や三脚鉄心型の鉄心に非磁性体を挿入し、鉄心だけで閉回路を作る。また巻線は鉄心覆い巻(図1、2)により漏磁束を少なくしたり、交流鉄心一部の断面積を小さくして小さな制御電流で磁束切替を安定させる。
(2)移動型変換器
移動型変換器は交流と直流鉄心間に磁性/非磁性体を交互に出入れて鉄心の磁気飽和特性の空隙長の変化による磁気抵抗変化を利用しており、三脚鉄心型を例にその原理を説明する。空隙+鉄心の磁気回路の運転点(Φs、Id)は磁性体の出入れにより飽和飽和特性が上下に変化するので同一の電流Idに対して相互磁束が大きく増減する。交流電流Iaによるに磁束は中央の直流鉄心では常に反対方向になっているので左側鉄心の磁束が下方向に入るので左側に非磁性体を入れ、同時に右側の磁束が上方向に出るので右側に磁性体を入れると中央の直流巻線にはその差として(常に一方向例えば上向きの磁束が差分として鎖交する)上向きの磁束が鎖交する。次の反サイクルでは左側の相互磁束は上向きに反転するので左側に磁性体を挿入し、右側の磁束が下向きに反転するので左側に非磁性体を挿入すればその差として上向きの磁束が直流巻線に鎖交する。このように交流巻線の電流の向きと同期した磁性体の出し入れを左右鉄心で交互に行い磁束を切替ることにより常に同方向の相互磁束を中央の直流巻線に鎖交できる。この相互磁束の微分値が直流巻線の誘起電圧となり交流電流を直流電圧に変換することができる。この移動型では次の点に留意する必要がある。
(3)飽和型順変換器(図27参照)
飽和型変換器は順変換運転時に鉄心の飽和点近傍で交流の制御電流を流すので磁束変化幅が少ない範囲で用いられる。図27は交流巻線電流Iaと交流制御電流Iacの位相差角α(制御角)が90度遅れで磁束切替したときの各90度ごとの電流と相互磁束の切替関係を示している。この90度でもし磁束切替えしない場合は直流巻線の相互磁束は最大値から現象に転じるのでその微分値が負になるが、磁束切替を行うことによって相互磁束の時間微分が正に反転することができる。この反転により直流巻線には常に微分値が正となるのこぎり波状の磁束変化表れその結果正の全波整流電圧が誘起する。直流巻線と外部直流回路を結合すれば全波整流電流を流すことができる。なお直流制御磁束を減少し直流鉄心を不飽和にすれば左右の磁束は中央鉄心で打ち消しあい直流巻線の誘起電圧はゼロとなる。
(4)移動型順変換器(図28参照)
移動型変換器を順変換運転する場合、鉄心の磁性体出入れによる磁気抵抗変化により大きな磁束変化幅を得られるので大幅な電圧変換に用いることができる。磁性/非磁性体の反転は同期機やサーボモータにより外部交流電流と同期して駆動し、その素子幅を磁極幅より長くして鉄心の磁気抵抗を台形変化させる。磁性体の出し入れは交流電流Iaと位相角α(制御角)遅れて移動する。図28は飽和型と同様にα=90度の場合、90度と270度で鉄心の一部が交互に磁性/非磁性と反転する状態を示しており、飽和型と同様に交流電流を直流の全波整流電圧に変換している。
(5)順変換器の電圧制御(図29)
順変換器運転で交流電流Iaに対する直流巻線開放時の無負荷時直流電圧Vdの関係を各制御角αごとにしめすと図29のようになっている。制御角によって直流巻線のVdには高調波を含む複雑な波形となるが+/−の面積の差からα=+90度〜−90度の間で次式の直流電圧が発生しており、飽和型と移動型共通で制御角を変化して電圧制御できる事がわかる。なお直流巻線に平滑コイルと負荷を直列結合すれことで高調波の少ない直流電流を供給できる。
直流巻線の誘起電圧: Vd=Vm×Sin(α)
(6)飽和型逆変換器(図30)
図30は飽和型変換器を逆変換運転する場合の動作原理を磁束飽和特性で図示している。磁束飽和開始点を中心とした変化幅の交流磁束変化分で電圧が発生するのでその適用範囲は小出力に限られる。具体的には直流制御電流で相互磁束の磁気飽和点を維持して交流制御巻線に外部交流周波数と同期した電流を流し相互磁束を変化させることにより直流電流から交流電圧発生する。この相互磁束は飽和鉄心側で微小変化し不飽和側で大きく変化しその和の微分値が交流巻線電圧として現れる。交流電圧の大きさは不飽和/飽和の傾きの差が必要で、直線型切替器を磁性体にして巻線間磁気結合を強くする。
(7)移動型逆変換器(図31)
図31は移動型変換器を逆変換運転する場合の動作原理を示したている。磁性体の出入れにより磁気抵抗を多く変化させ磁束変化分を大きくするので比較的大出力変換ができる。具体的には素子幅と磁極幅が等しい正弦波型の磁性盤を用い鉄心の磁気抵抗を正弦波変化さ、交流制御巻線に外部交流周波数と同期した電流を流し相互磁束を変化させ微分値の交流電圧を発生する。このとき直線型磁束切替器は磁性体にして巻線間の磁気結合を強くする。 巻線に生じる電圧はV=dΦm/dt、すなわち鎖交磁束の量と変化の割合に比例する。ここでは交流巻線から発生する磁束を正弦波、Φm=Φ0×SIN(ωt)で時間変化すると、巻線電流Iaの変化により飽和特性に従って磁束が変化するので、大きさΦ0も変化しそれが正弦波時間変化する。したがって、大きさと変化率は相関関係を有する。一方、磁性体から非磁性体に切り替わることで磁束密度BはB=μ×H からB=μ0×Hに減少し小さくなる。磁性盤の切替により磁束密度Bが変わり、鎖交磁束Φmが変わることで電力変換が行われる。尚、この透磁率μの変化を急峻にするか正弦波状に緩やかに変化するかで誘起電圧は異なる。前者の磁束変化はこの変換器では切替時に過渡的なスパイク電圧を発生させるが、変換の解説図ではこの電圧波形を省略して簡略的に表現した。
(8)逆変換器の電圧制御
交流巻線の誘起電圧はVa=dΦm/dtの関係式から相互磁束をΦmを調整する制御巻線電流IacとIdc によって電圧制御する。
4 変換器の運転制御方法(図26)
図26は電力変換器を外部交流と直流回路に結合するときの機器の構成と運転に必要な基本制御回路の信号を示している。尚、図中符号36は直流スイッチ、37は短絡スイッチ、38は電圧位相調整器、39は抵抗器、40は可変抵抗器である。
交流側では磁束飽和/不飽和切替える交流制御巻線と磁性/非磁性切替する回転型磁束切替器が主系統と結合した電圧位相調整器から電源供給されて制御角α(外部交流系統と調整器出力電圧との位相角)で磁束切替え制御する。直流側ではバイアス巻線は直流励磁器から電源供給され電流Idcで制御する。直線型磁束切替器は主磁束回路に挿入され順変換器運転で非磁性に切替えて主磁束と交流制御磁束回路を弱結合にし、逆変換器運転で磁性に切替て逆に制御磁気結合を強め電圧の粗調整に用いる。
制御鉄心や直流鉄心の磁気回路にはサーチコイルとガウスメータ計測素子をセットして磁束Φdを計測し磁性/非磁性切替や磁束飽和/不飽和切替を確認できるようにする。交流側の周波数F、Va,Iaと直流側Vd,Idはそれぞれ電圧位相調整器や直流励磁器の入力信号として用いる。
電力変換器の起動/停止と出力制御は、移動型と飽和型の磁束切替器の特徴を生かした併用方式を用い運転を行う。
磁気抵抗制御は、電圧位相調整器と回転切替器を制御対象とし、制御角αの維持を目標とし、順変換は直流電圧Vd制御、逆変換は交流電圧Va制御を目的とする。また、交流系周波数F、交流電流Ia、直流電流Id、交流電圧Va、直流電圧Vdを入力し、磁性回転
盤の駆動モータ入力、電圧位相調整器の出力Vacを出力する。また、磁束飽和制御は、電圧位相調整器と制御巻線を制御対象とし、制御角αの維持を目標として、順変換時には直流電圧Vd制御並びに逆変換時には交流電圧Va制御を目的として、交流系周波数F、交流電流Ia、直流電流Id、交流電圧Va、直流電圧Vd を入力して、交流制御巻線電流Iac、電圧位相調整器の出力Vacを出力する。飽和点制御は、直流励磁器と直流制御巻線を対象とし、磁気飽和Φsの維持を目標として、飽和切替制御の安定、飽和点移動による電圧調整を目的とし、空隙磁束Φd、直流電流Id、直流電圧Vd を入力し、直流制御巻線電流Idcと直流励磁器の出力Vdcを出力する。
1. 順逆変換器の定常時の起動:
初期回路の設定
順変換器では直線型磁束切替器を非磁性位置とし回転型切替器は台形波型円盤をセットする。逆変換器では直線型切替器を磁性位置とし回転型磁束切替器を正弦波円盤にセットする。交流側遮断器や直流側スイッチはすべて開放し、電圧位相調整器の制御角αはゼロにする
A無負荷運転の確立
バイアス巻線の電流Idc を増加し制御巻線の鉄心が図30の飽和開始点(Is,Φs)になるよう増磁する。この飽和点到達は磁束メータΦdで確認する。これと平行して回転型磁束切替器を始動し同期速度で外部交流回路に同期並列する。このとき直流巻線に発生する電圧波形から制御角αゼロの状態で回転型切替による同期速度での非磁性/磁性切替を確認する。また飽和型磁束切替器の交流制御巻線Iac を増加して同期速度で飽和/不飽和切替えが行われているか磁束メータΦdと直流巻線電圧により確認する。
B逆変換器の同期並列
逆変換器運転では、無負荷交流電圧が確立した時点で交流系統と同期並列する必要がある。これには交流系統と変換器電圧の周波数の一致を確認した後に、逆変換器の開放した端子電圧と外部系統電圧の位相角差が30度以内になるよう電圧位相調整器で同期モータ速度調整し変換器と交流系統間の交流遮断器をオンして同期並列を完了する。
2. 順変換器の出力制御運転
・位相角調整器の制御角αを増加して飽和型と回転型の両方の制御により磁束切替えが行われ直流巻線に直流分電圧が生じていることを確認する。この電圧が定格の20%程度の低電圧で外部直流回路の電磁開閉器をオンして直流回路に初期電流を流す。さらに制御角αを増加制御して直流電流を上昇させ目標出力まで上昇する。
・この間は常に直流鉄心の主磁束と制御磁束の和が飽和開始点を維持するように直流励磁器を制御する。この制御は磁束飽和開始点の校正された直流電流と直流制御電流の合計値のアンペアーターン値やサーチコイルやガウスメータの磁束を入力信号としてオンライン制御する。
3. 逆変換器の出力制御運転:
・外部交流系統と同期並列した後に、電圧位相調整器の出力を制御して同期モータの速度を増減すると変換器の交流巻線の内部誘起電圧と外部交流系統電圧間で相差角δが生じる。この相差角δにより電流が流れ外部系統に電力が送電する。
4. 変換器の停止
1磁束切替の停止
直流制御電流を減少し運転点を飽和開始点以下にしたり、磁性/非磁性体の移動を停止することにより磁束切替を停止すれば、交流と直流鉄心に鎖交する交流の相互磁束が打ち消しあいゼロとなって各巻線の誘起電圧が零になり変換器を停止できる。
2 遮断器や開閉器の操作
その後直流開閉器や交流遮断器をオフして外部系統から変換器を切り離す。なお直流側の短絡スイッチをオンしいて変換器を切り離すのは、直流負荷を平滑リアクトルだけにしする電力貯蔵運転などで用いる。
(5) 直流送電と周波数変換
更に、本発明の電力変換装置を利用して超電導直流送電システムを構築することができる。例えば、図32〜図35に示すように、順変換として用いる電力変換装置と逆変換装置として用いる電力変換装置とを3台ずつ組み合わせ、同装置の直流巻線1同士を互いに直列接続すると共にその両端を超電導ケーブルから成る直流線路42と対地線43を介して直接接続することにより超電導直流送電システムは構成される。
既存の直流送電と同様に、複数の変換器を直列結合し交流系統と結合して、次の4種類の運転方式をとることができる。いずれも波形歪対策として順変換器6個の変換器の交流巻線をΔ/YとY/Yの巻線結合にして三相交流を通電してここの交流巻線に60度位相差のある六相交流電流を通電し直流巻線を直列結合して直流外部回路間に平滑用直流リアクトルを設ける。
・2端子直流送電(図32)
2組の変換器の一方を順変換器とし、他方を逆変換器として直流送電線(架空線/電力ケーブル)で直列結合して其の両端を交流系統に結合することで直流送電できる。例えば、単相で表現した3台の変換装置の直流巻線1を交互に結合すれば、脈動変動の少ない半波整流電圧を得ることができる。3台の電力変換装置の回転型磁性盤20の非磁性体20bと磁性体20aの対を電気角120°分ずらして配置して、同期モータにより外部三相交流回路の周波数で回転する。一方、3台の変換装置の直流巻線1に外部直流回路から直流通電し、回転型磁性盤20の切替周期と外部三相回路とを同期した状態でインバータ運転すれば、各電力変換装置の交流巻線4には外部回路と同じ三相交流電圧が発生し、直流系統を三相交流系統に結合できる。この場合には、大電流を流すことができる超電導巻線側を直流回路としているので、大電流が流れても絶縁が容易で超電導巻線自体がコンパクトであり、断熱容器にて熱遮蔽を行い損失を更に低減することができる。尚、図中符号41はバイパススイッチである。
・多端子直流くし型送電(図33)
2端子直流送電の途中に変換器を直列結合して直流電力の分岐回路を設け多地点の電力系統と結合し、交流/直流発電を集電し交流/直流負荷へ配電する。分岐回路の変換器は結合を変えず制御電流順/逆変換器に転換する。多端子直流送電の場合、これまで直流遮断器が必要であったが、この変換器の緊急停止機能により直流遮断器なしで変換器を系統から切り離すことができる。
・多端子直流ループ送電(図34)
3組以上の変換器をループ状に直列結合して直流電力の分岐回路を設け、多地点の電力系統と結合し、交流/直流発電を集電し交流/直流負荷へ配電する。分岐回路の変換器は結合を変えず制御電流順/逆変換器に転換する。直流送電で多端子ループ運転する場合は、バイパス開閉器が直流開閉器の外部回路側にあるのでそのままループ運転を保持することができる。
これら超電導直流送電システムによれば、直流部分を超電導環境に置くことになるので熱損失は大幅に低減でき、大規模な直流送電システムにこの超電導環境を適用すれば、その損失低減量は極めて大きなものとなる。しかも、交流から直流に変換する際に同時に巻数比に応じた変圧が可能となるので、大電流低電圧にしてから直流送電でき、超電導直流送配電する場合に好適である。さらに、再び直流から交流に変換する際に巻数比に応じた変圧により大電圧低電流に戻すことができる。また、超電導直流送電であるため、電圧が低くて大電流が流せるので、絶縁がコンパクト化できる。
・周波数変換装置
2端子直流送電の送電線を除いた回路構成で、異なる周波数の交流系統を結合することにより、周波数非同期の電力系統間を結合する。即ちこの発明にかかる電力変換装置によると、電力変換装置そのものが変圧機能を併せ持つため、2組の変圧器と半導体整流器と平滑巻線との組み合わせをケーブルで接続する現用器よりも簡単かつコンパクトな構造で直流電力の変圧が可能となる。しかも、本発明の変換装置そのものが変圧機能を併せ持つため、入力された直流電流を交流に変換する際並びに交流から直流に戻す際にそれぞれ変圧することができると共に、半導体整流器とそれの許容電流耐量に制限を受ける規模の変圧器を採用せざるを得ない現用器に比べて一挙に大規模な変圧が可能となり、異なる電圧階級同士を接続した直流配電線網あるいは直流送電系統網の構築が容易となる。しかも、直流送電の場合に直流送電線の事故を過電流リレーで検出して、この緊急停止することで潮流遮断器なしに事故対応することができる。
更に、図35に多端子放射型直流送電の一例を示す。
さらに、この直流の超電導環境では、直流巻線30並びにこの直流巻線のほかに別途配置した平滑巻線あるいは超電導ケーブルのインダクタンスによって、電力の貯蔵を行うことが可能となる。この電力貯蔵システム(SMES)は、超電導直流送電システムと基本的構成は同じであり、順変換装置と逆変換装置の直流巻線1同士を超電導ケーブルにて直接接続することにより、あるいは必要に応じて平滑巻線を介在させて超電導ケーブルで直接接続することにより、直流巻線自体又は直流巻線同士の接続部分に備えた平滑巻線並びに超電導ケーブルに電力を蓄積するようにしている。
さらに、本発明の逆変換装置は、交流制御電流の出力周波数によってインバータ出力(交流出力)の周波数が決定される。そこで、上述の逆変換装置あるいは超電導直流送電システムにおいて、インバータ側の交流母線の電圧周波数により交流制御巻線6に印加されるスイッチング用の交流制御電流の出力周波数を決定すれば、任意の周波数の交流電力が出力される。
また、電力貯蔵システムを構成すれば、極低温側磁気回路部分並びにこれに接続される平滑巻線や超電導ケーブルなどに、電気抵抗損失や交流損失の無い直流の永久電流モードが形成できるので、超電導巻線や超電導ケーブルのもつインダクタンスの和による磁気エネルギーが貯蔵できる。超電導巻線とそれに結合する直流ケーブルはインダクタンスを持っており、順変換装置並びに逆変換装置を共に超電導化するので、これらの間に永久電流を流すことができ、電流通路のインダクタンスに比例して電力を蓄えることができる。
本発明の電力変換装置を直流電力の変成器として構成した実施形態を示す。この変換装置は、上述の各実施形態の電力変換装置のいずれかを2台備え、電力変換装置の交流巻線4同士を互いに結線すると共に電力変換装置の直流巻線1と交流巻線4の巻数比を異ならせて、一方の電力変換装置の直流巻線1に入力された直流電流を他方の電力変換装置の直流巻線1から昇圧ないし降圧して直流電流を出力するものである。このとき、上述したように、巻数比を変更するための複数の切り替え用電圧タップ23と、磁路の磁気抵抗を変化させて透過磁束量を制限することで電圧を微調整可能とする電圧調整用の磁束制御器15を備えることにより、さらに直流電力の電圧調整の幅を可変にすることも可能である。本実施形態の装置の場合には、2台の電力変換装置を直結するだけで、直流での電力変換・電圧変化を可能とし、一旦交流に変換してから変圧器で変圧してから再度直流に変換する必要がないため、設備が簡略化できると共に損失を低減できる。
この実施形態の電力変換装置は、直流巻線1として超電導導体を用いなくとも、依然としてシリコン半導体を用いないことによる利点即ち電力変換能力をシリコン半導体の許容電流耐量に比べて運転電流レベルを小さな範囲で運転せざるを得なかったり、交流電圧を変換機に適した値に変圧する変換器用変圧器や直流平滑用リアクトル巻線を別に必要とするため装置が大型し、あらゆるコスト高を招くといった不利をなくすことができる。室温下での運転であるため構造が単純であるというだけでなく、比較的小さな電圧規模での電力変換に有用である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、直流巻線としては特に超電導導線に限られるものではないが、クライオスタットに格納された極低温環境下の超電導巻線を直流巻線として用いる場合には、電流リードを使用せずに磁気結合によってクライオスタットの外部の室温部側回路と電力エネルギの授受を行なう構造として外部回路に対して隔絶した超電導環境が得られるので、電流リードを介した断熱容器内の極低温部への熱侵入、電流リード部分からの発熱を無くすと共に熱損失発生源を極低温環境下に封じ込めた構成となり、従来の交直変換装置において用いられる変圧器、サイリスターなどのスイッチング素子、室温平滑巻線で発生する損失と比較して60〜70%の大幅な損失低下が見込まれる。中でも、大電流が流せる超電導導体からなる直流巻線を低圧巻線に、交流巻線を高圧巻線とする電力変換装置の場合、低圧大電流を流すことができるので、容量の大きな変圧が可能となる。即ち、超電導巻線からの出力容量が大きくなるほど常電導巻線には超高圧低電流が入力可能となり、超高圧の電力を直流電流に変換して送電することが可能となる。このため、単一設備での大規模な電力変換に適して、例えば発電所と電力需要家との間での電力変換設備を少なくすることができる。しかも、大電流を損失なく送電することができると共に低電圧で絶縁も容易であることから、発熱も少なく巻線の大型化も必要なく、電力変換装置そのものが小さくなる。
また、図12〜図22に示す実施形態において、鉄心構造等は同じで、磁気飽和型の磁束切替器を除いた電力変換器、即ち移動型の磁束制御器例えば回転型磁束制御器16あるいは直線移動型磁束制御器15のみで鉄心の磁気抵抗を切り替えるようにし、主相互磁束10の通過方向を制御して2次回路側の巻線に電磁誘導で起電力を発生させ、直流若しくは交流の電流を生じさせる電力変換させることも可能である。
また、本実施形態においては、単相の例について主に述べてきたが、3相についても適用可能であることは言うまでもない。
三脚型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路を示す図である。 門型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路を示す図である。 五脚型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路を示す図である。 三脚型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路の他の形態を示す図である。 ダブル型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路を示す図である。 門柱飽和型の磁気回路を示す図である。 アーチ型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路を示す図である。 ブリッジ型の磁気飽和型電力変換器の磁気回路を示す図である。 鉄心の縊れ部の一例を示す断面図である。 移動型磁束切替器の構成を示す図であり、(A)は台形波用の直線型磁束切替器の構成を示す図であり、(B)は正弦波用の直線型磁束切替器の構成を示す図である。 電力変換器の構造と磁束とを示す図である。 三脚混合型電力変換器の磁気回路を示す図である。 三脚型電力変換器の鉄心と巻線の構成を示す図である。 順変換と逆変換両用の回転型磁束切替器の構成を示す図である。 順変換または逆変換専用の回転型磁束切替器の構成を示す図である。 門柱型電力変換器の鉄心と巻線の構成を示す図である。 三脚回転型の磁気回路を示す図である。 門柱回転型の磁気回路を示す図である。 三脚混合型電力変換器の他の磁気回路を示す図である。 門型混合型電力変換器の他の磁気回路を示す図である。 移動型の磁気回路切替装置の構成を示す図であり、(A)は磁気回路全体を示す図であり、(B)は磁路切替部の構造を示す図であり、(C)は磁路切替盤の構造を示す図である。 混合型電力変換器の動作原理を示す図である。 磁束と誘起電圧/電流の関係を示す図である。 電力変換器巻線の冷却例を示す図である。 電力変換器と交流/直流系統の回路構成を示す図である。 電力変換器と交流/直流回路との連系構成を示す図である。 飽和型順変換器の動作原理を示す図である。 混合型順変換器の動作原理を示す図である。 順変換器の電圧制御方法を示す図である。 飽和型逆変換器の動作原理を示す図である。 混合型逆変換器の動作原理を示す図である。 二端子単極型直流送電を行う場合の構成を示す図である。 二端子双極型直流送電を行う場合の構成を示す図である。 多端子ループ直流送電を行う場合の構成を示す図である。 多端子放射型直流送電を行う場合の構成を示す図である。 従来の直流送電系統の簡略構成図である。
符号の説明
1 直流巻線
2 バイアス巻線
3 直流鉄心
4 交流巻線
5 交流鉄心
6 交流制御巻線
7 ヨーク
8 磁気飽和領域
9 不飽和領域
10 相互磁束
11 相互磁束(変化分が減らされた減磁側)
12 交流制御磁束
13 制御鉄心
14 非磁性体
15 磁束制御器(磁気特性変更用;空隙調整用)
16 磁束制御器(磁束の減磁とそのままの透過を制御するための)
17 バイアス直流磁束
18 永久磁石(バイアス直流磁束補完用)
19 縊れ部
20 磁性盤
20a 磁性体
20b 非磁性体
20c 支持構造物
21 サーボモータ
22 ギャップ
23 タップ
24 シャッタ機構
24a 磁性体
24b 非磁性体
25 非磁性の容器
26 冷媒
27 冷媒
28 直流送電系統の保護管
29 直流送電線
30 リアクトル
31 交流系統
32 交流遮断器
33 電圧位相調整器
34 直流励磁器
35 直流系統
36 直流スイッチ
37 短絡スイッチ
38 電圧位相調整器
39 抵抗器
40 可変抵抗器
41 バスパススイッチ
42 直流線路
43 対地線

Claims (7)

  1. 直流巻線と、該直流巻線が巻回される直流鉄心と、前記直流鉄心の両端に連結されて前記直流鉄心を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心と、該交流鉄心に巻回される交流巻線と、前記交流鉄心あるいは直流鉄心のいずれかに巻回されて前記鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点になるようにバイアス直流磁束を流すバイアス巻線とを備え、前記閉磁路に重畳される交流磁束成分の磁束の方向と前記バイアス直流磁束の方向とが同じ方向となる前記鉄心の一部を磁気飽和点を超える磁気飽和領域とすると共に前記磁束の向きが互いに逆向きとなる前記鉄心の一部を磁気飽和点を下回る不飽和領域として前記直流巻線と前記交流巻線とに鎖交しかつ前記交流磁束成分の変化分がそのまま現れる相互磁束を交互に発生させ、前記交流巻線若しくは前記直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた前記相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するものである電力変換装置。
  2. 直流巻線と、該直流巻線が巻回される直流鉄心と、前記直流鉄心の両端に連結されて前記直流鉄心を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心と、該交流鉄心に巻回される交流巻線と、前記鉄心の一部に空隙を形成し、磁束が通り易い物質と磁束が通り難い物質とを前記空隙に一定周期で交互に通過させ前記鉄心の磁気抵抗を切り替えることで前記直流巻線と前記交流巻線とに鎖交する相互磁束の磁束密度を変化させる磁束制御器とを備え、前記交流巻線若しくは前記直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた前記相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するものである電力変換装置。
  3. 直流巻線と、該直流巻線が巻回される直流鉄心と、前記直流鉄心の両端に連結されて前記直流鉄心を通過する2経路の閉磁路を構成する交流鉄心と、該交流鉄心に巻回される交流巻線と、前記交流鉄心あるいは直流鉄心のいずれかに巻回されて前記鉄心に流れる磁束和が常時磁気飽和点になるようにバイアス直流磁束を流すバイアス巻線と、前記鉄心の一部に空隙を形成し、磁束が通り易い物質と磁束が通り難い物質とを前記空隙に一定周期で交互に通過させ前記鉄心の磁気抵抗を切り替えることで前記直流巻線と前記交流巻線とに鎖交する相互磁束の磁束密度を変化させる磁束制御器とを備え、前記閉磁路に重畳される交流磁束成分の磁束の方向と前記バイアス直流磁束の方向とが同じ方向となる前記鉄心の一部を磁気飽和点を超える磁気飽和領域とすると共に前記磁束の向きが互いに逆向きとなる前記鉄心の一部を磁気飽和点を下回る不飽和領域として前記交流磁束成分の変化分がそのまま現れる前記相互磁束を交互に発生させると同時に前記鉄心の一部の磁気飽和と同期させて前記磁束制御器の切替えを行って前記相互磁束の磁束密度を変化させ、前記交流巻線若しくは前記直流巻線のいずれか一方を一次回路として流した交流電流若しくは直流電流で発生させた前記相互磁束によって2次回路側の他方の巻線に電磁誘導で起電力を発生させて直流若しくは交流の電流を生じさせることにより電力変換するものである電力変換装置。
  4. 前記閉磁路に重畳される交流磁束成分は交流制御巻線によって前記閉磁路に発生する交流制御磁束である請求項1または3記載の電力変換装置。
  5. 2箇所の非磁性体で分断された前記鉄心の一部に、前記非磁性体で挟まれた前記鉄心の一部との間で閉磁路を構成する制御鉄心を配置し、該制御鉄心あるいは前記鉄心の一部に前記交流制御巻線を巻回し、前記交流制御磁束を前記制御鉄心を介して循環させるものである請求項4記載の電力変換装置。
  6. 前記直流鉄心あるいは交流鉄心の一部に空隙を設け、該空隙に出し入れ可能な磁束が通り易い物質と磁束が通り難い物質とを備え、前記磁束が通り難い物質あるいは磁束が通り易い物質の前記鉄心への挿入量を調整することにより磁気結合を変化させるものである請求項1記載の電力変換装置。
  7. 前記直流鉄心の中央に非磁性体を介在させて前記直流鉄心と前記交流鉄心とを完全に磁気的に2つの磁気回路に分離し、前記直流巻線と前記バイアス巻線とは前記両直流鉄心に跨るように巻回し、前記交流巻線は2つに分離された前記交流鉄心のそれぞれに巻回されるものである請求項1から6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
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