JP2009231110A - 積層電極およびそれを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の電極材料、たとえば、色素増感太陽電池あるいは燃料電池などに用いられる電極として、高耐食性、高導電性および充分な触媒性能を有し、安価な積層電極を提供する。
【解決手段】基板上に形成された導電性でかつ耐食性を有する金属薄膜、および該金属薄膜上で、成膜時間を制御することにより白金粒子を該金属薄膜上に均斉に付着させることにより形成された白金粒子の分散相からなることを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層電極およびそれを用いた色素増感太陽電池に関する。さらに詳しくは、色素増感太陽電池あるいは燃料電池などに用いられる電極などに好適に使用し得る積層電極およびそれを用いた色素増感太陽電池に関する。
無尽蔵でクリーンな太陽エネルギーを利用するシリコン太陽電池に代わる新しいタイプの太陽電池として、製造コストが低く、豊富な原料を使用する色素増感太陽電池が提案されている(たとえば、特許文献1および非特許文献1参照)。この色素増感太陽電池では、ガラスやプラスチックなどからなる基板の一面に透明導電膜を形成し、この透明導電膜上に酸化チタンなどの酸化物半導体粒子からなる多孔質半導体膜を形成後、さらにその上に有機色素を担持することにより、作用電極を構成する。一方、この作用電極に対向して配置される基板上には、白金などの金属膜からなる対向電極が設けられ、この対向電極と前記光電極との間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどのレドックス対を含む電解質溶液が封入され、電池を構成している。
また、次世代のクリーンな発電システムとして、燃料電池が各方面で研究され、本格的実用化が待たれている。この燃料電池は、水素と接している白金や炭素などからなる燃料極を負極とし、酸素と接している白金や炭素などからなる空気極を正極とし、この正極と負極との間にリン酸や炭酸リチウム・カリウムまたは陽イオン交換膜などの電解質が挟まれたものであり、この電解質の中で燃料極から空気極の方に水素イオンが移動することにより、電流が流れる。
このように、色素増感太陽電池あるいは燃料電池などには、酸性溶液、塩基性溶液、金属塩溶液、有機溶媒などの腐食性の電解質が多様に含まれている。したがって、これらに用いられる金属電極には、電解質の影響を受けにくい耐食性に優れたものであること、導電性が高いこと、および電極での電子の授受を促進する触媒活性を示すことが必要であり、従来、これらの性能をすべて具備している白金が多用されてきている。しかし、白金は希少資源で高価であるため、これら電池の実用化のためには白金代替電極あるいはその使用量を少なくした省白金電極を開発することが重要な技術的・経済的課題とされている。
一般に、電極材料には、導電性が高く、安価である銅、アルミニウムなどが広く用いられている。しかし、これらの金属材料は、酸性溶液、塩基性溶液、金属塩溶液、有機溶媒などに対して腐食しやすいため、その用途は、腐食などが生じない条件下での使用に限られている。また、導電性が高い金属材料として、銀、金などがあるが、これらはいずれも高価であることから、多量に用いることは実用的でない。
本発明者らは、SPD法を利用した多孔質酸化チタン薄膜の製造方法、酸化チタン薄膜を太陽電池用に応用した高効率の色素増感太陽電池用電極およびその製造方法を提案している(たとえば、特許文献2参照)。この方法によって製造された色素増感太陽電池の対向電極は、ガラス基板上またはガラス基板上に形成されたフッ素がドープされた酸化錫の薄膜上に、耐食性に優れ、導電性が高く、触媒活性を示す白金薄膜を形成することによって作製されている。しかし、白金は希少資源で高価であるため、この太陽電池を実用化するためには、白金代替電極あるいはその使用量を少なくした省白金電極を開発することが必要となる。
これを解決するために、対向電極として白金の代わりに触媒作用を有する炭素材料を使用する試みがある(たとえば、特許文献3参照)。この方法によると、電極材料として高価な白金を用いる必要がないが、この電極を用いた色素増感太陽電池の光電変換効率および安定性は白金に匹敵するほど充分ではない。
また、白金の使用量を減らす方法として、基板にニッケル膜を形成し、さらにこの上に白金膜を形成した積層構造とし、材料コストを低減した電極が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。この方法によると、白金の使用量が少なくなるが、これを用いた色素増感太陽電池の変換効率は低く、また、白金の省資源化も充分とはいえない。
また、燃料電池用電極では、白金代替材料としてカーボンナノチューブに担持した金属触媒を用いたり(たとえば、特許文献5)、あるいはモリブデン炭化物に遷移金属を添加した触媒を用いる試み(たとえば、特許文献6)などがあるが、いずれも実用化のレベルにまで至っていない。
以上のように、色素増感太陽電池や燃料電池用の電極として使用されている白金代替材料あるいは省白金代替材料について、検討はされているものの、電極の性能や耐久性などにおいて、白金に匹敵するほどの材料は得られていないのが現状である。
特表平5−504023号公報 特開2003−176130号公報 特開2005−293863号公報 特開2006−60146号公報 特開2006−334527号公報 特開2005−138006号公報 O'Regan, Brian; Graetzel, Michael著、Nature Vol. 353、P.737 (1991年)、Nature Publishing Group社発行
本発明は、前記従来技術の技術的課題に鑑みてなされたものであり、種々の電極材料、たとえば、色素増感太陽電池あるいは燃料電池などに用いられる電極として、高耐食性、高導電性および充分な触媒性能を有し、安価な積層電極を提供することを目的とする。
このような目的は、本発明による下記(1)〜(6)により達成される。
(1)基板上に形成された導電性でかつ耐食性を有する金属薄膜、および
該金属薄膜上に白金の面密度が3〜14μg/cm2になるように制御した白金を積層してなる
ことを特徴とする積層電極。
(2)基板上に形成された導電性を有する金属薄膜、
該金属薄膜上に形成された耐食性を有する金属薄膜、および
該積層金属薄膜に白金の面密度が3〜14μg/cm2になるように制御した白金を積層してなる
ことを特徴とする積層電極。
(3)前記薄膜上でスパッタ法を用いてスパッタ条件を制御することによって得られた白金の面密度が3〜14μg/cm2になるように制御した白金を積層してからなる請求項1または2記載の積層電極。
(4)前記導電性でかつ耐食性を有する金属薄膜が、タングステン、モリブデンおよびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる請求項1または3記載の積層電極。
(5)前記導電性を有する金属薄膜が、銅、アルミニウム、亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなり、該金属薄膜上に形成され耐食性を有する金属薄膜がタングステン、モリブデン、ニッケルおよびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる請求項2または3記載の積層電極。
(6)請求項1から請求項5に記載した積層電極を用いた色素増感太陽電池。
本発明によれば、酸化還元触媒作用を必要とする電極材料、たとえば色素増感太陽電池あるいは燃料電池などに用いられる電極材料として、高耐食性、高導電性および充分な触媒活性を有し、かつ白金の使用量を触媒活性が機能する必要最低限度の量とすることができるため、高性能で安価な電極の提供を可能とする。
我々は上記の目的を達成するために鋭意研究した結果以下の事実を見出した。すなわち、金属薄膜の上に白金の面密度を変化させた積層電極を作製し、これを対向電極として用いて色素増感太陽電池の光電変換効を測定したところ、驚くべきことに、一定領域の白金の面密度で、ピークを示すことを見出した。その結果を図1および図2に示した。図1は実施例1に示した様な条件で白金積層電極を作製しており、白金の面密度が2.8〜5.1μg/cm2でピークを示した。また、実施例2で白金の積層電極の作製条件を変更して作製した電極を用いて作製した色素増感太陽電池の光電効率を測定したところ7.8〜14.1μg/cm2でピークを示した。これらの現象は、スッパタ装置で白金の薄膜を作製する場合に、白金の成膜密度を低下させると必然的に白金が均一な薄膜から粒子状になり、薄膜より逆に白金粒子群のトータル表面積が大きくなり、光電変換効率が薄膜の場合より増加した。
以下、さらに詳細に発明の内容を詳細に説明する。特に積層電極について、図を用いて説明する。
図1は本発明の一実施態様による積層電極の概略断面図である。基板1上に形成された導電性・耐食性金属薄膜(導電性でかつ耐食性を有する金属薄膜(以下、単に金属薄膜ともいう))2の上に、白金が積層されている状態である。
本発明に用いられる基板1としては、とくに限定がなく、たとえば、ガラス、アルミナ、石英、アルミニウム、ステンレス、鉄および銅などの材質からなる基板を用いることができる。
金属薄膜2および白金積層体の形成法としては、たとえば、スパッタリング法などによって基板上に形成することができる。
金属薄膜2の膜厚は、高導電性および高耐食性を確保する観点から、300nm〜2μm、より好ましくは600nm〜1.5μmであり、比抵抗の高い金属ほど電極の導電性を上げるために厚くする必要がある。
白金相3は高触媒活性を達成するために、一定の面密度が必要である。
これにより、白金の一定の面密度において白金は粒子状の形態をとっており、実際、基板上に酸化すず膜をスプレー熱分解(SPD)法で積層するときの状態を観察した文献によれば、酸化すずは成膜量が小さいと当然ながら粒子状に分散した状態を経て、成膜量が多くなれば薄膜を形成することが報告されている(金子正治、機械の研究57巻、130頁(2005年)、養賢堂発行参照)。
白金が粒子状態をとっていれば、比表面積が大きくなり、電解質との接触面積が増大するため、薄膜の場合より高触媒活性を発揮するものと考えられる。この白金の面密度の制御はスッパタ条件において、Rf出力、スパッタ時間、スパッタ圧力および白金と基板間の距離などでコントロールでき、これらの条件の違いにより同じ白金の面密度によっても白金粒子の径がことなることは当然考えられる。
白金の成膜量が少ないと触媒効率が悪くなり、多すぎると単に膜が厚くなるだけで、無駄である。
金属薄膜2は、電極としての導電性および電解質に対する耐食性を有する必要があり、両者の性質を具備する材料として、タングステン、モリブデンおよびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を使用することができる。これらの金属の比抵抗はいずれも5〜7×10-8Ω・mであり、白金の比抵抗(11×10-8Ω・m)より低く、かつ酸性溶液、塩基性溶液あるいは有機溶媒などに対する耐食性にも優れ、白金より低コストである。
図2は本発明の別の一実施態様による積層電極の概略断面図である。図1の導電性・耐食性金属薄膜2の機能を分け、基板1上に導電性を有する金属薄膜4を形成し、この上に耐食性を有する金属薄膜5を形成し、さらにこの上に触媒活性を有する白金粒子3の分散相を形成して構成したものである。これにより、図1の積層電極より各金属の選択が多種多様に広がるため、材料の一層の低コスト化の可能性が高まる。
導電性金属薄膜4の膜厚は、高導電性を確保するため、300nm〜1.5μm、より好ましくは500nm〜1.3μmであり、比抵抗の高い金属ほど厚くする必要がある。また、耐食性金属薄膜5の膜厚は、高耐食性を維持するため、100〜500nm、より好ましくは200〜400nmである。さらに、白金の面密度は図1の積層電極の場合と同様の面密度となるようにするのが好ましい。
導電性金属薄膜4としては銅、アルミニウム、亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を使用することができる。これらの金属の比抵抗は2〜6×10-8Ω・mであり、白金の比抵抗(11×10-8Ω・m)より低く、また、低価格であるが、電解質に対して腐食しやすいため、これを保護するために、この薄膜の上に耐食性金属薄膜5を必要とする。耐食性金属薄膜5は、タングステン、モリブデン、ニッケルおよびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を使用することができる。これらの金属は、白金と同様、電解質に対して安定である。
このようにして作製された本発明による積層電極は、いずれも図3に示す従来の基板1上に形成した白金薄膜6からなる白金電極よりも白金の使用量が格段に少なくなり、また白金電極とほぼ同等の導電性、耐食性および触媒活性を有するので、白金電極に代わる高性能で安価・省資源の電極として、色素増感太陽電池や燃料電池の電極として好適に使用することができる。
つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
ガラス基板1(コーニング社製、品番:コーニング#1737)上に、スパッタリング法によって膜厚600nmのニッケル薄膜2を形成させた。スパッタリングは、RFマグネトロンスパッタ装置[アネルバ(株)製]を用い、RF電力200W、アルゴンガス圧力0.2Pa、ターゲット−基板間距離5.5cm、成膜時間70分間の条件で行った。
つぎに、形成されたニッケル薄膜2の上に、スパッタリング法によってRF電力200W、アルゴン圧力0.2Pa、ターゲット−基板間距離5.5cmの条件で、成膜時間を変えることにより、面密度1.1〜100μg/cm2で白金を形成させ、積層電極を作製した。
作製した積層電極とは別に、ガラス基板(コーニング社製、品番:コーニング#1737)上にSPD法によりFTO透明導電膜(膜厚:600nm)と酸化チタン膜(膜厚:15μm)を順次積層し、この酸化チタン膜にルテニウム色素[ソーラロニックス(Solaronix)社製、品番:N719]を担持することによって作用電極を作製した。
得られた作用電極と、前記積層電極を対向電極として貼り合せ、電解質溶液(0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.05mol/Lのヨウ素、0.6mol/Lのヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムおよび0.5mol/Lのブチルピリジンを含むメトキシアセトニトリル溶液)0.5mLを貼り合わせ面より注入し、作用電極と対向電極とをクリップで挟み、有効面積が0.25cm2の色素増感太陽電池(ミニセル)を作製し、光電変換効率を測定した。光電変換効率の測定は、光源にソーラーシュミレータを用い、AM1.5、100mW/cm2の照射条件で行った。測定結果を図4に示す。
図4より、本実施例で作製した積層膜を対向電極として用いたミニセルの光電変換効率は、白金が薄膜状に存在する面密度の大きい範囲よりも、白金粒子3が高密度で分散している面密度2.8〜5.1μg/cm2の範囲で高くなっていることがわかる。
また、作製した積層膜を色素増感太陽電池の前記電解質溶液中に1週間浸漬した前後での表面の腐食状況を調べた結果、問題になるような腐食は認められず、耐食性においても問題のないことがわかった。
実施例2
ガラス基板1(コーニング社製、品番:コーニング#1737)上に、スパッタリング法によって膜厚700nmの銅薄膜4を形成させた。スパッタリングは、RFマグネトロンスパッタ装置[アネルバ(株)製]を用い、RF電力200W、アルゴンガス圧力0.1Pa、ターゲット−基板間距離9.0cm、成膜時間60分間の条件で行った。この上に同様のスパッタ条件で、成膜時間45分で膜厚300nmのジルコニウム薄膜5を形成した。さらにこの上に同様のスパッタ条件で成膜時間を変化させて、面密度1.6〜100μg/cm2の白金を形成させ、積層電極を作製した。この積層電極を色素増感太陽電池用対向電極として使用して、実施例1と同様に光電変換効率を測定した。測定結果を図5に示す。
図5より、本実施例で作製した積層膜を対向電極として用いた色素増感太陽電池セルの光電変換効率は、実施例1と同様に、白金粒子3が高密度で分散している面密度7.8〜14.1μg/cm2の範囲のとき、高くなっていることがわかる。
また、作製した積層膜の電解質に対する腐食状況を実施例1と同様にして調べた結果、問題になるような腐食は認められず、耐食性においても問題はなかった。
実施例3〜10
実施例1と同様にして、ガラス基板1上に、Rf出力、アルゴン圧力、ターゲット−基板間距離および成膜時間を調整し、スパッタリング法によって各種金属薄膜よりなる積層電極を作製後、この積層電極を色素増感太陽電池用対向電極として使用し、光電変換効率を測定した。また、色素増感太陽電池の電解質溶液中に、作製した積層電極を1週間浸漬した後、薄膜が形成された面を電子顕微鏡で観察し、浸漬前後の腐食状況を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
○:ほとんど変化がなく、腐食が浸漬面の10%未満である。
△:腐食が浸漬面の10%以上80%未満まで進行している。
×:腐食が浸漬面の80%以上進行している。
比較例1
実施例1と同様に、ガラス基板1上に、スパッタリングにより550nm(面密度1180μg/cm2)の白金薄膜を形成し、これを色素増感太陽電池用対向電極として使用し、光電変換効率および耐食性を評価した。
比較例2
実施例1と同様に、ガラス基板1上に、スパッタリングにより面密度4.0μg/cm2の白金を形成し、これを色素増感太陽電池用対向電極として使用し、光電変換効率および耐食性を評価した。
比較例3
実施例1と同様に、ガラス基板1上に、スパッタリングにより膜厚680nmの銅薄膜4を形成し、続いてこの上に膜厚330nmのジルコニウム薄膜5を形成し、さらにこの上に面密度2.4μg/cm2の白金を形成させ、積層電極を作製した。これを色素増感太陽電池用対向電極として使用し、光電変換効率および耐食性を評価した。
比較例4
実施例1と同様に、ガラス基板1上に、スパッタリングにより膜厚800nmのAl薄膜を形成し、さらにこの上に面密度6.2μg/cm2の白金を形成させ、積層電極を作製した。これを色素増感太陽電池用対向電極として使用し、光電変換効率および耐食性を評価した。
比較例5
実施例1と同様に、ガラス基板1上に、スパッタリングにより膜厚730nmのCu薄膜を形成し、さらにこの上に面密度4.5μg/cm2の白金を形成し、これを色素増感太陽電池用対向電極として使用し、光電変換効率および耐食性を評価した。
実施例3〜10および比較例1〜5の評価結果を表1に示す。
表1に示された結果から、各実施例で得られた積層電極は、白金の付着量が比較例1で示される従来の白金薄膜電極に比べ格段に少ないにもかかわらず、光電変換効率は、より高くなっており、耐食性も良好であることがわかる。また、比較例2の導電性の下地膜がなく、白金の付着量が少ない電極および、比較例3の白金の面密度が3μg/cm2より小さい積層電極では、光電変換効率が低下することがわかる。さらに、比較例3および4で示すように、耐食性の低い導電性薄膜の上に、耐食性薄膜を形成せずに白金を付着させた電極では、電解質に対する耐食性に劣ることがわかる。
したがって、本発明により各実施例で得られた積層電極は、従来の白金電極より高性能で、耐食性にも優れ、省資源・低コストを実現できるため、白金電極の代替品として好適な電極といえる。
本発明の一実施形態を示す積層電極の概略断面図である。 本発明の別の一実施形態を示す積層電極の概略断面図である。 従来の白金電極の概略断面図である。 本発明実施例1の積層電極における白金の面密度と光電変換効率の関係を示すグラフである。 本発明実施例2の積層電極における白金の面密度と光電変換効率の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 導電性・耐食性金属薄膜(ニッケル薄膜)
3 白金粒子
4 導電性金属薄膜(銅薄膜)
5 耐食性金属薄膜(ジルコニウム薄膜)
6 白金薄膜

Claims (6)

  1. 基板上に形成された導電性でかつ耐食性を有する金属薄膜、および
    該金属薄膜上に白金の面密度が3〜14μg/cm2になるように制御した白金を積層してなる
    ことを特徴とする積層電極。
  2. 基板上に形成された導電性を有する金属薄膜、
    該金属薄膜上に形成された耐食性を有する金属薄膜、および
    該積層金属薄膜に白金の面密度が3〜14μg/cm2になるように制御した白金を積層してなる
    ことを特徴とする積層電極。
  3. 前記薄膜上でスパッタ法を用いてスパッタ条件を制御することによって得られた白金の面密度が3〜14μg/cm2になるように制御した白金を積層してからなる請求項1または2記載の積層電極。
  4. 前記導電性でかつ耐食性を有する金属薄膜が、タングステン、モリブデンおよびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる請求項1または3記載の積層電極。
  5. 前記導電性を有する金属薄膜が、銅、アルミニウム、亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなり、該金属薄膜上に形成され耐食性を有する金属薄膜がタングステン、モリブデン、ニッケルおよびジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる請求項2または3記載の積層電極。
  6. 請求項1〜5記載の積層電極を用いた色素増感太陽電池。
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