JP2009228749A - ブレーキディスク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱倒れの問題がなく、且つ従来よりも連結ピン関連の品質検査を簡素化することが可能なブレーキディスク及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ブレーキディスクは、ハブ1と、ロータ2と、ハブ及びロータを連結すべく放射状に配列された複数の連結ピン3とを備える。ハブの外周部11には、各連結ピン3の内端部を相対摺動可能に保持するための複数のハブ側保持孔12が形成されている。ロータの内周部25には、各連結ピン3の外端部を相対摺動可能に保持するための複数のロータ側保持孔26が形成されている。各連結ピン3には、少なくともハブ側保持孔12の横断面よりも大きな横断面を有するスペーサ部Sが設けられている。これらのスペーサ部Sがハブの外周部11とロータの内周部25との間に介在することで、ハブ1に対しロータ2が同心状に位置決めされ且つ連結される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキディスク及びその製造方法に関する。特に、車軸に固定されるハブと、そのハブを取り囲むロータ(環状摺動部)と、これらを連結すべく放射状に配列された複数の連結ピンとを備えてなる、2ピース型のブレーキディスクに関する。
ハブ及びロータが完全一体化したブレーキディスクにおいては、制動時に摩擦熱を帯びたロータと非加熱のハブとの間の熱的不均衡により、ロータが回転軸に対して傾倒する現象(いわゆる熱倒れ)が知られている。熱倒れは異音や偏磨耗の発生原因となる。故に、熱倒れの回避策として、放射状に配列された複数の連結ピンによりハブ及びロータを連結してなる2ピース型のブレーキディスクが提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。かかる2ピース型のブレーキディスクでは、放射配列された連結ピンによりハブとロータとの間のトルク伝達が確保される一方で、制動時には、半径方向に延びる連結ピンのガイド作用により、ハブに拘束されずにロータの熱膨張が許容されることで、熱倒れを回避している。
特許文献2に開示された2ピース型のブレーキディスクでは、先ず、ディスクロータ(2)に設けられた半径方向の保持穴(13)及びディスクハブ(3)に設けられた半径方向の貫通穴(25)の双方に対して連結ピン(4)が摺動自在に挿入される。その後、保持穴(13)の内面側を部分的に拡径して形成されたディスクロータ内の空間(14)に対し、連結ピン(4)の一端部(6)をマンドレル等で拡径して係合させることで、保持穴(13)に連結ピン(4)を固定して当該連結ピンの抜け止めを図っている。
特表2003−526058号公報 特開2007−154985号公報
しかしながら、特許文献2のブレーキディスクでは、ディスクロータの内部での、保持穴を拡径して得た空間(14)と、連結ピンの拡径された端部(6)との係合関係に基づいて連結ピン(4)の抜け止めを行っているため、ブレーキディスクの組立て完了後に、当該抜け止め部を外部から目視観察して品質検査を行うことができない。もちろん、製品の一部を任意選択し、当該抜け止め部を切断して連結ピン端部とディスクロータとの連結状況を確認する方法もあるが、それでは全製品を検査すること(全数検査)ができない。また、X線を用いた製品の内部透視により全数検査を施すことも可能ではあるが、製品の品質検査にそこまでの手間とコストをかけることは、メーカーにとって大きな経済的負担となる。
本発明の目的は、熱倒れの問題がなく、且つ従来よりも連結ピン関連の品質検査を簡素化することが可能なブレーキディスクを提供することにある。また、そのようなブレーキディスクの効率的な製造方法を提供することにある。
第1の発明は、車軸に固定されるハブと、そのハブを取り囲むロータと、前記ハブ及びロータを連結すべく放射状に配列された複数の連結ピンとを備えたブレーキディスクであって、前記ハブの外周部には、各連結ピンの内端部を相対摺動可能に保持するための複数のハブ側保持孔が形成され、前記ロータの内周部には、各連結ピンの外端部を相対摺動可能に保持するための複数のロータ側保持孔が形成され、前記連結ピンの各々には、その内端部と外端部との間において、少なくとも前記ハブ側保持孔の横断面よりも大きな横断面を有するスペーサ部が設けられ、これらのスペーサ部が前記ハブの外周部と前記ロータの内周部との間に介在することで、前記ハブに対し前記ロータを同心状に位置決めしたことを特徴とするブレーキディスクである。
このブレーキディスクによれば、ハブ及びロータを連結すべく放射状に配列された各連結ピンには、その内端部と外端部との間において、少なくともハブ側保持孔の横断面よりも大きな横断面を有するスペーサ部が設けられている。そして、これら連結ピンのスペーサ部がハブの外周部とロータの内周部との間に「間隔保持部」として介在することで、ハブに対しロータが同心状に位置決めされると共に、ハブ及びロータがこれら連結ピンを介して相互連結される。この構成では、ハブ・ロータ相互連結にかかわる連結ピンの要部であるところのスペーサ部が、ハブ外周部とロータ内周部との間に位置して露出しているため、容易に目視確認することができる。従って本発明によれば、製品の品質検査を目視で行うことができ、全数検査も容易にできる。
本発明のブレーキディスクでは、各連結ピンがハブに対して相対摺動可能であるだけでなく、ロータに対しても相対摺動可能となっている。従って、制動時の摩擦熱によってロータが熱膨張する場合でも、当該ロータの熱膨張は連結ピン及びハブに拘束されない。また、ロータから連結ピンに熱が伝わって連結ピンまでもが少なからぬ熱膨張を余儀なくされるような場合でも、当該連結ピンの熱膨張はハブに拘束されない。このように本発明では、ロータと各連結ピンとの間、及び、各連結ピンとハブとの間の二箇所において、部材間の相対摺動を許容する余地があり、熱膨張時の許容ストローク量が比較的大きく確保されている。それ故、熱倒れ防止特性の点でも、本発明は従来のブレーキディスクよりも優れている。
また、本発明のブレーキディスクにおいて、前記連結ピンの中程には、その軸方向に延びる複数のスリットが形成されると共に、これらのスリットにより細片状に分割された、当該連結ピンの内端部と外端部とを連結する複数の連結片部が設けられており、これらの連結片部を当該連結ピンの半径方向外向きに膨出変形させることによって前記スペーサ部が提供されることは好ましい。
この構成によれば、連結ピンの中程に設けられた複数の連結片部を当該連結ピンの半径方向外向きに膨出変形させることによってスペーサ部が提供される。即ち、各連結ピンの内端部及び外端部をハブ側保持孔及びロータ側保持孔にそれぞれ嵌入した状態から、連結ピンの複数の連結片部を膨出変形させることで、連結ピンの中程にスペーサ部を後発的に出現させることができる。このため、ブレーキディスクの組み立て性が向上する。
第2の発明は、車軸に固定されるハブと、そのハブを取り囲むロータと、前記ハブ及びロータを連結すべく放射状に配列された複数の連結ピンとを備えたブレーキディスクを製造する方法である。本発明のブレーキディスクの製造方法では、各連結ピンの内端部を相対摺動可能に保持するための複数のハブ側保持孔が外周部に形成されたハブを準備する第1準備工程と、各連結ピンの外端部を相対摺動可能に保持するための複数のロータ側保持孔が内周部に形成されたロータを準備する第2準備工程と、前記ハブのハブ側保持孔及びそれに対応する前記ロータのロータ側保持孔に連結ピンの内端部及び外端部をそれぞれ嵌入して前記ハブと前記ロータとを仮連結する工程と、前記仮連結の後、前記連結ピンに対してその内端部と外端部とを接近させるような圧縮荷重を付与して当該連結ピンの一部を膨出変形させることにより、前記ハブの外周部と前記ロータの内周部との間に介在するスペーサ部を出現させて前記ハブに対し前記ロータを同心状に位置決めするピン変形工程とを備えている。
本発明の方法では、ハブ側保持孔及びロータ側保持孔に連結ピンの内端部及び外端部をそれぞれ嵌入して連結ピンによりハブとロータとを仮連結し、その後に連結ピンに対して圧縮荷重を付与して当該連結ピンの一部を膨出変形させ、ハブ外周部とロータ内周部との間に介在するスペーサ部を出現させてハブに対しロータを同心状に位置決めするという手順を採用している。それ故、この方法によれば、本発明に係るブレーキディスクを円滑且つ効率的に製造することができる。
また、本発明の方法において、軸方向に延びる複数のスリットにより細片状に分割された、該連結ピンの内端部と外端部とを連結する複数の連結片部を有する連結ピンを準備する第3準備工程を更に備えると共に、前記ピン変形工程では、前記複数の連結片部を該連結ピンの半径方向外向きに膨出変形させることにより前記スペーサ部を出現させることは好ましい。
この方法によれば、各連結ピンの内端部及び外端部をハブ側保持孔及びロータ側保持孔にそれぞれ嵌入した状態から、連結ピンの複数の連結片部を膨出変形させることで、連結ピンにスペーサ部を後発的に出現させることができる。このため、ブレーキディスクの組み立て性が向上する。
本発明のブレーキディスクによれば、熱倒れの問題がなく、且つ従来よりも連結ピン関連の品質検査を簡素化することが可能になる。また、本発明のブレーキディスクの製造方法によれば、そのようなブレーキディスクを効率的に製造することができる。
以下、本発明をベンチレーテッド型ブレーキディスクに具体化した、いくつかの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示すように、第1実施形態のブレーキディスクは、ハブ1と、そのハブ1を取り囲むロータ2と、複数の連結ピン3とを備えている。複数の連結ピン3(連結ピン3の本数は、好ましくは8本〜12本)は、ハブ1及びロータ2を連結すべく両者間において放射状に配列されている。なお、本実施形態では、ハブ1は軽金属(例えばアルミニウム又はその合金)で、ロータ2は鉄系金属(例えば鋳鉄)で、連結ピン3はロータ2とは異なる別の鉄系金属(例えばステンレス鋼)でそれぞれできている。
ハブ1は、当該ブレーキディスクの中心部を占めると共に当該ブレーキディスクを車両の車軸に固定するための取り付け部であって、概して有天の短円筒形状をしている。ハブ1の円筒状壁部11(外周部)には、使用する連結ピン3と同数のハブ側保持孔12が貫通形成されている。これらのハブ側保持孔12は、各連結ピン3の内端部を相対摺動可能に保持するための孔であって、ハブ1及びロータ2に共通の中心軸Cから見て等角度間隔で設けられている。いずれのハブ側保持孔12も中心軸Cを指向しているため、各連結ピン3はハブ1の半径方向に沿って相対摺動可能である。
ロータ2は、制動時にブレーキパッドによって挟圧される環状摺動部である。ロータ2は、ブレーキパッドに対する摩擦制動面を提供する一対のリング状部21,22と、両リング状部を相互連結する複数の連結ウェブ23とを備えている。これらの連結ウェブ23は、ロータ2の半径方向に沿って放射状に設けられており、隣り合う連結ウェブ23の間には、ロータ2の半径方向に沿って延びる空冷用通気路24が確保されている。
本実施形態では、前記複数のウェブ23のうちの一部のウェブの形成が省略され、その省略されたウェブの位置において連結台座部25が代替的に設けられている。連結台座部25は、使用する連結ピン23と同数だけ存在し、且つ中心軸Cから見て等角度間隔で設けられている。これらの連結台座部25はロータ2の内周寄り位置に配置され、これらが一群となってロータ2の内周部を構成している。各連結台座部25には、ロータ側保持孔26が一つずつ形成されている。各ロータ側保持孔26は、連結台座部25をロータ2の半径方向に貫通している。これらのロータ側保持孔26は、各連結ピン3の外端部を相対摺動可能に保持するための孔であって、中心軸Cから見て等角度間隔で設けられている。いずれのロータ側保持孔26も中心軸Cを指向しているため、各連結ピン3はロータ2(及びハブ1)の半径方向に沿って相対摺動可能である。
組み立て完了後のブレーキディスクにおける連結ピン3(図1参照)は、その内端部31と外端部32との間において、前記ハブ側保持孔12の横断面よりも大きく且つ前記ロータ側保持孔26の横断面よりも大きな横断面を有するスペーサ部Sを有している。ただし、ディスクへの組み付け前の連結ピン3は、図2のように単純な棒形状を有している。即ち図2(a)及び(b)に示すように、連結ピン3の本体は、概して中実な棒状体として構成されているが、その棒状体の中程には、軸方向に延びる複数のスリット33が形成されている。本実施形態では、連結ピン3の中程に横断面十文字状の切り込みが形成され、その結果、当該連結ピン3の軸心から4方向へ延びる4つのスリット33が形成されている。そして、連結ピン3の中程には、これら4つのスリット33により細片状に分割された4つの連結片部34が設けられている。各連結片部34は、当該連結ピンの内端部31と外端部32とを連結する細片部である。図1に示すスペーサ部Sは、後述するように、4つの連結片部34を当該連結ピン3の半径方向外向きに膨出するように変形させることで作り出される。
なお、図1のブレーキディスクでは、連結ピン3のスペーサ部Sが前記ハブ1の外周部と前記ロータ2の内周部との間に介在することで、ハブ1に対しロータ2が同心状に位置決めされると共に、ハブ1及びロータ2がこれら連結ピン3を介して相互連結される。
第1実施形態のブレーキディスクは、図3(a),(b)及び(c)に示す一連の手順を経て製造される。
先ず図3(a)に示すように、複数のハブ側保持孔12を有するハブ1と、複数のロータ側保持孔26を有するロータ2と、ピンの内端部31及び外端部32を連結する複数の連結片部34を有する連結ピン3とを準備する。次に、各ハブ側保持孔12と各ロータ側保持孔26とが相対向するようにハブ1とロータ2とを相対位置決めし、これらの保持孔12,26に対して連結ピン3をハブ1の内側からロータ2に向けて差し込む。そして、図3(b)に示すように、連結ピン3をその外端部32がロータ2の連結台座部25を貫通するまで押し込むことで、ロータ側保持孔26に連結ピンの外端部32を嵌入すると共にハブ側保持孔12に連結ピンの内端部31を嵌入する(ハブ及びロータの仮連結)。
続いて図3(b)に示すように、連結ピン3の内端部31に第1の押圧治具41を当接させると共に、連結ピン3の外端部32に第2の押圧治具42を当接させる。そして、これらの押圧治具41,42を互いに接近する方向に強制駆動して、連結ピン3に対しその内端部31と外端部32とが接近するような圧縮荷重を付与する。すると、ハブ1の円筒状壁部11とロータ2の連結台座部25との間の隙間に配置されている連結ピン3の各連結片部34に圧縮荷重が集中すると共に、各連結片部34は逃げ場を求めて連結ピンの半径方向外向きに湾曲変形させられる。その結果、図3(c)に示すように、全ての連結片部34が連結ピン3の半径方向外向きに膨出するように変形し、連結ピン3の途中には、円筒状壁部11と連結台座部25との間の前記隙間を埋めるように、あたかも提灯形をしたスペーサ部Sが出現する。
ハブ1の円筒状壁部11とロータ2の各連結台座部25との間の隙間に、「間隔保持部」としてのスペーサ部Sが介在することで、ハブ1に対しロータ2が同心状に位置決めされると共に、ハブ1及びロータ2が複数の連結ピン3を介して相互連結される。また、スペーサ部Sの横断面は、ハブ側保持孔12の横断面よりも大きく且つロータ側保持孔26の横断面よりも大きいため、このスペーサ部Sは、ハブ1及びロータ2に対する連結ピン3の抜け止め防止部の役目を果たす。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、ロータ2の連結台座部25におけるロータ側保持孔26は当該連結台座部25を貫通していたが、図4(a)に示すように、連結台座部25におけるロータ側保持孔27は、連結台座部25を貫通しない凹部状の孔であってもよい。この場合には、図4(b)に示すように、ロータ2のロータ側保持孔27及びハブ1のハブ側保持孔12に連結ピン3を嵌入した後、連結ピン3の内端部31に押圧治具41を当接させ、この押圧治具41をロータ2に向けて強制駆動する。すると、押圧治具41による押圧力が連結台座部25(より詳しくはロータ側保持孔27の底壁部)によって受け止められ、上記第1実施形態と同様、連結ピン3に対しその内端部31と外端部32とを接近させるような圧縮荷重が付与される。
こうして図4(c)に示すように、上記第1実施形態と同様、連結ピン3の途中には、円筒状壁部11と連結台座部25との間の隙間において、あたかも提灯形をしたスペーサ部Sが出現する。その結果、ハブ1に対しロータ2が同心状に位置決めされると共に、ハブ1及びロータ2が複数の連結ピン3を介して相互連結される。また、スペーサ部Sにより、ハブ1及びロータ2から連結ピン3が抜け止めされる。図4(c)に示す第2実施形態の構造が、図1及び図3(c)に示す第1実施形態の構造と機能・作用及び効果の面において等価であることは言うまでもない。
[第1及び第2実施形態の効果]
上記各実施形態では、ハブ1及びロータ2の相互連結にかかわる連結ピン3の要部であるところのスペーサ部Sが、ハブ1及びロータ2間の隙間に露出しているため、容易に目視確認することができる。従って、各実施形態のブレーキディスクによれば、製品の品質検査を目視で行うことができ、全数検査も容易にできるという利点がある。
上記各実施形態のブレーキディスクでは、各連結ピン3がハブ1に対して相対摺動可能であるだけでなく、ロータ2に対しても相対摺動可能となっている。従って、制動時の摩擦熱によってロータ2が熱膨張する場合でも、当該ロータ2の熱膨張は連結ピン3及びハブ1に拘束されない。また、ロータ2から連結ピン3に熱が伝わって連結ピン3までもが少なからぬ熱膨張を余儀なくされるような場合でも、当該連結ピン3の熱膨張はハブ1に拘束されない。このように、ロータ2と各連結ピン3との間、及び、各連結ピン3とハブ1との間の二箇所において、部材間の相対摺動を許容する余地があり、熱膨張時の許容ストローク量が比較的大きくなっている。このため、各実施形態のブレーキディスクは、熱倒れ防止特性の点でも、従来の2ピース型のブレーキディスクよりも優れている。
上記各実施形態のブレーキディスクは、図3又は図4に示すような手順を経るため、従来よりも円滑且つ効率的に製造することができる。特に、連結ピン3をハブ側保持孔12及びロータ側保持孔26(又は27)に嵌入した状態から、連結ピン3の各連結片部34を膨出変形させることで、連結ピン3の中程にスペーサ部Sを後発的に出現させることができるため、連結ピン3以外の追加パーツが不要であり、ディスクの組み立て性が向上する。
[その他の変更例]本発明の実施態様を以下のように変更してもよい。
図4に示す第2実施形態では、ハブ側保持孔12を貫通孔とし、ロータ側保持孔27を不貫通孔としたが、貫通孔と不貫通孔との関係を逆転させてもよい。即ち図4において、ハブ側保持孔12を不貫通孔とし、ロータ側保持孔27を貫通孔としてもよい。
連結ピン3については、図2(a)及び(b)の構造に限定されるものではなく、図5(a)及び(b)のような構造の連結ピン3が採用されてもよい。即ち、図5の連結ピン3の本体は、その内端部31から外端部32までを貫通する内部通路35を持った中空な筒状体で構成されると共に、その筒状体の中程には、軸方向に延びる複数のスリット33が形成されている。その結果、連結ピン3の中程には、これらのスリット33により細片状に分割された複数の連結片部34が設けられている。図5の連結ピン3が、機能・作用及び効果の面で図2の連結ピン3と等価であることは言うまでもない。
第1実施形態に従うブレーキディスクを示し、(a)はその半径方向の断面図(A−A線断面図)、(b)は(a)のB−B線での部分断面図。 第1実施形態の連結ピンを示し、(a)はその正面図、(b)は(a)のD−D線位置での拡大横断面図。 (a)〜(c)は、第1実施形態での一連の製造手順を示す概略断面図。 (a)〜(c)は、第2実施形態での一連の製造手順を示す概略断面図。 連結ピンの変更例を示し、(a)はその正面図、(b)は(a)のE−E線位置での拡大横断面図。
符号の説明
1…ハブ,2…ロータ,3…連結ピン,11…円筒状壁部(ハブの外周部),12…ハブ側保持孔,25…連結台座部(ロータの内周部を構成する),26…ロータ側保持孔,27…ロータ側保持孔,31…連結ピンの内端部,32…連結ピンの外端部,33…スリット,34…連結片部,S…スペーサ部

Claims (4)

  1. 車軸に固定されるハブと、そのハブを取り囲むロータと、前記ハブ及びロータを連結すべく放射状に配列された複数の連結ピンとを備えたブレーキディスクであって、
    前記ハブの外周部には、各連結ピンの内端部を相対摺動可能に保持するための複数のハブ側保持孔が形成され、前記ロータの内周部には、各連結ピンの外端部を相対摺動可能に保持するための複数のロータ側保持孔が形成され、
    前記連結ピンの各々には、その内端部と外端部との間において、少なくとも前記ハブ側保持孔の横断面よりも大きな横断面を有するスペーサ部が設けられ、これらのスペーサ部が前記ハブの外周部と前記ロータの内周部との間に介在することで、前記ハブに対し前記ロータを同心状に位置決めしたことを特徴とするブレーキディスク。
  2. 前記連結ピンの中程には、その軸方向に延びる複数のスリットが形成されると共に、これらのスリットにより細片状に分割された、当該連結ピンの内端部と外端部とを連結する複数の連結片部が設けられており、これらの連結片部を当該連結ピンの半径方向外向きに膨出変形させることによって前記スペーサ部が提供される、ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキディスク。
  3. 車軸に固定されるハブと、そのハブを取り囲むロータと、前記ハブ及びロータを連結すべく放射状に配列された複数の連結ピンとを備えたブレーキディスクを製造する方法であって、
    各連結ピンの内端部を相対摺動可能に保持するための複数のハブ側保持孔が外周部に形成されたハブを準備する第1準備工程と、
    各連結ピンの外端部を相対摺動可能に保持するための複数のロータ側保持孔が内周部に形成されたロータを準備する第2準備工程と、
    前記ハブのハブ側保持孔及びそれに対応する前記ロータのロータ側保持孔に連結ピンの内端部及び外端部をそれぞれ嵌入して前記ハブと前記ロータとを仮連結する工程と、
    前記仮連結の後、前記連結ピンに対してその内端部と外端部とを接近させるような圧縮荷重を付与して当該連結ピンの一部を膨出変形させることにより、前記ハブの外周部と前記ロータの内周部との間に介在するスペーサ部を出現させて前記ハブに対し前記ロータを同心状に位置決めするピン変形工程と、
    を備えてなるブレーキディスクの製造方法。
  4. 軸方向に延びる複数のスリットにより細片状に分割された、該連結ピンの内端部と外端部とを連結する複数の連結片部を有する連結ピンを準備する第3準備工程を更に備え、
    前記ピン変形工程では、前記複数の連結片部を該連結ピンの半径方向外向きに膨出変形させることにより前記スペーサ部を出現させる、ことを特徴とする請求項3に記載のブレーキディスクの製造方法。
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