JP2009221846A - 車両走行路用ルーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両走行路用ルーバにおいて、採光機能と吸音機能は従来どおり具備し、換気機能を無くした構成であり、しかも従来の車両走行路用ルーバを設置する周辺の構造を大幅に変更することなく、従来と同様の施工法で設置でき、製作コストの大幅アップを招かない構成とする。
【解決手段】屈折部6から上端7までを走行方向前方に向う上り傾斜部2bとし、屈折部6から下端8までを垂直部2aとした走行路幅方向に延びるルーバ部材2を、車両走行方向に所定の間隔をおいて、かつ前後の傾斜部2bが平面的に重なり合うように複数並設し、屈折部6の上側に傾斜部間隙10を形成すると共に屈折部6の下側に垂直部間隙9を形成し、かつ、傾斜部間隙幅(W1)よりも垂直部間隙幅(W)が大に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、トンネルと堀割道路が夫々単独又は断続的に設けられている道路において、前記堀割道路等に設置するのに適した車両走行路用ルーバであって、とくに自動車の排気ガスなど道路側の空気の拡散を制御する拡散制御型の車両走行路用ルーバに関するものである。
起伏に富んだ土地を開発して作られた市街地などを通る道路では、比較的短いトンネルが断続的に設けられていて、トンネル間は掘割道路でつながっている場合が多い。このような道路を走行する自動車の運転者は、トンネルを通過するたびにトンネル内外の明るさに目を慣らす必要があり、急激な明るさの変化に目の明暗調整機能がついていけないと危険である。このような目の明暗調整機能のうち、暗から明に目を調整する機能(トンネルから出たときなど)を明順応と言い、明から暗に目を調整する機能(トンネルに入ったときなど)を暗順応という。トンネルの出入り口等に設けられる車両走行路用ルーバの主要機能の1つは、このような明暗調整機能を助ける採光(調光)機能、すなわち、太陽光の光量を調整して走行路を照射することで野外の輝度とトンネル内の輝度の差を緩和する機能であるが、その他に遮音(吸音)機能、換気機能を兼ね備えている。
従来一般の車両走行路用ルーバの機能に付いてさらに説明する。前記のように車両走行路用ルーバ(1)採光(調光)機能他に、(2)遮音(吸音)機能、(3)換気機能の3機能を具備した構成とされていて、各機能をできるだけ有効に発揮できる構成とされている。(1)採光(調光)機能を具備させるためには、太陽光が車両走行路に直接照射されないようにしつつ、適度な光量が取り入れられるように、例えば、ルーバ部材の平板を「く」の字あるいは変形「く」の字、三ケ月形その他の各種形状に屈曲させることで屈曲間隙を形成し、太陽光がこの屈曲間隙で屈折し乱反射しながら入射し、直射光が入射しないようにするための各種の構造上の工夫がなされている。
(2)遮音(吸音)機能を具備させるためには、透孔を有する鋼板等で構成した箱型断面構造のルーバ部材の内部にグラスウールやロックウール等の吸音部材を充填したり、前記構造に加えてルーバ部材間の間隔を狭くしたり、さらに、ルーバ部材の屈曲を利用して音が抜けないようにするなどの構造上の工夫がなされている。
(3)換気機能を具備させるためには、ルーバ部材の間隔が小さすぎたり、屈折部が多くあると通気性が悪くなり換気機能の低下が生じるのでこのような機能低下が生じない工夫がなされている。特許文献1〜5等に開示される車両走行路用ルーバは、前記(1)採光(調光)機能、(2)遮音(吸音)及び(3)換気機能を兼ね備えた構造にしている。
実公平6−47932号公報 特開2000−110121号公報 特開2000−314110号公報 特開2001−311116号公報 特開2002−309522号公報
従来の車両走行路用ルーバは、前記のように(1)採光(調光)機能、(2)遮音(吸音)機能、(3)換気機能の3機能を同時に具備した構造が理想とされ、この条件をできるだけ満足する構成とする工夫と試みがなされているが、最近の環境問題の高まりから、特に、堀割構造の道路に設けられる車両走行路用ルーバにあっては、(1)採光(調光)機能、(2)遮音(吸音)機能を具備しつつ、(3)換気機能を抑制したルーバが求められるようになっている。すなわち、市街地を通る堀割道路の近傍には住宅が立ち並んでいることが多く、車両からでる排気ガスを道路の外に排出することは近隣の住民にとって環境汚染の被害をもたらすことになるため、車両の排気ガスの道路外への拡散を制御するよう換気機能を抑制した構造が求められるのである。
上記の要望に応えるため従来構造の車両走行路用ルーバによって、換気機能を抑制する方法としては、「く」の字型その他各種形状のルーバ部材間の通気間隙を小さくする方法、あるいはルーバの換気用の間隙を遮蔽蓋で閉塞する方法などがある。しかし、この場合は排気ガスを道路の外に排出させないだけではなく、太陽光の取り入れを阻害することになり、車両走行路用ルーバに所要機能である採光(調光)機能を低下させることになって好ましくない。
トンネル照明に関する設計指針等においては、トンネル区間において、走行路面が一定以上の明るさを確保し、かつ、トンネルを出入しながら車を運転する運転者の眼の明順応と暗順応がスムーズに行われるように調光機能を確保することが求められている。なお、ルーバが道路内に適度な太陽光を取り入れられるのであれば、照明設備なくてよいという利点もある。換気機能については、自動車が走行することで前方の空気を押すことによりルーバ部材の通気間隙から外部に排気し、自動車の後側では空気を引くから通気間隙から外部の空気を取り入れるものである。
本発明は車両走行路用ルーバの3機能のうち、特に、従来のルーバーに比べて車両の排気ガスの外部への拡散を制御すると共に、採光(調光)機能、遮音(吸音)機能は従来どおり具備させており、しかも、従来の車両走行路用ルーバを設置する周辺の構造を大幅に変更することなく、従来と略同様の施工法で設置でき、かつ製造設備等も従来のものを利用できる範囲での改良とすることで、製作コストの大幅アップなどもない車両走行路用ルーバを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は次のように構成する。
第1の発明に係る車両走行路用ルーバは、屈折部から上端部までを走行方向前方に向う上り傾斜部とし、屈折部から下端までを垂直部とした走行路幅方向に延びるルーバ部材を、車両走行方向に所定の間隔をおいて、かつ前後の傾斜部が平面的に重なり合うように複数並設し、屈折部の上側に傾斜部間隙を形成すると共に屈折部の下側に垂直部間隙を形成し、かつ、傾斜部間隙幅(W1)よりも垂直部間隙幅(W)が大に形成されていることを特徴とする。
第2の発明に係る車両走行路用ルーバは、第1の発明のルーバ部材は垂直部の下端に屈折部を介して傾斜部が続く断面形状を有する平面部を有する前後2枚の鋼板からなる板部材から構成され、その内部には、吸音材が充填されると共に、ルーバ部材の表面には多数の透孔が設けられて遮音(吸音)機構が構成されていることを特徴とする。
本発明によると、採光(調光)機能と遮音(吸音)機能は従来以上の機能を保持し、換気機能においては、外部拡散制御型のルーバを容易に製作できる。本発明は、このように
換気機能を無くした排気拡散制御型ルーバであるので、堀割道路等において、車両から出る排気ガスなどの道路側の空気の外部拡散の制御効果が高いので近隣の住民に環境汚染の被害を減少させると共に、採光(調光)機能と遮音(吸音)機能は、同等以上の機能を保持しているので、トンネルを出入しながら走行する運転者の眼の明・暗調整を円滑に行うことができる。堀割道路などに設置する車両走行路用ルーバとして最適な構造である。さらに本発明によると、排気ガスの外部への排出抑制に比べて、外部空気を積極的に取り入れやすい構造であるので運転者にとっても有利である。
さらに、本発明によると、従来の車両走行路用ルーバを設置する周辺の構造を大幅に変更することなく、従来と同様の施工法で設置でき施工上有利であると共に、製造設備等も従来のものを利用できる範囲の改良で対応できるので、製作コストの大幅アップなどもない車両走行路用ルーバを実現できる。
本発明に係る車両走行路用ルーバの基本原理を説明するための概念図である。 車両走行路用ルーバの上部開口部への太陽光の入射角を説明するための概念図である。 本発明に係る車両走行路用ルーバの基本構成を説明するための斜視図である。 車両走行路用ルーバの吸音面積と吸音効果を説明するためのグラフである。 本発明に係る車両走行路用ルーバの実施形態1の縦断側面図である。 図5のA部の詳細図である。 図5の平面図である。 図5の車両走行路用ルーバの設置例を示す横断斜視図である。 本発明に係る車両走行路用ルーバの実施形態2の縦断側面図である。 本発明に係る車両走行路用ルーバを説明するための比較例の説明図である。
比較例を参照しつつ、本発明の基本概念を説明し、つづいて具体的実施例を説明する。
車両走行路用ルーバのルーバ部材間の間隙は、太陽光を散乱させながら取り込むための採光(調光)機能と換気機能の両機能を有するのであるが、間隙を存在させたままで(採光機能を保持させたままで)換気機能を制御する(走行路側(内側)の空気の外部排出を制御する)ためには、該間隙の構造を改良することが必要である。
車両走行路用ルーバにおいて、走行路側(内側)の空気の外部拡散を制御し、同時に外部空気の取り入れを促進するには、間隙をどのような構成にすればよいかについて、本発明者は種々研究した。その結果、空気を上部(外側)に排出させないで、かつ外部空気の取り入れを促進するには、空気取り入れ口から空気放出口に至る間隙の断面積の大小と、間隙の傾斜部角度の2点が大きく関係するとの知見を得た。
図10に示すように、車両が矢印方向(右方向)に走行する道路3において、この道路3の上方にルーバ4が設けられ、その換気用の間隙5の傾きを図10(a)(b)(c)のように傾けた場合について検討した。すなわち、走行方向(図の右方向)に対して上部が後側に傾斜した間隙5a、走行方向に対して垂直の間隙5b、走行方向に対して上部が前側に傾斜した間隙5cの3例の場合において、車両の走行により前方に押される空気がどの間隙に最も流れ易いかを検討した。その結果、図10(c)の間隙5cに道路側の空気は最も流れやすく、続いて図10(b)の間隙5bであり、図10(a)の間隙5aに空気は最も流れにくいことが分かった。本発明は、この点を踏まえて、図10(a)に示す間隙5aのように、走行方向に対し上部が後側に傾斜した間隙を形成した(後述する)。
さらに、流動体の流れやすさは流路の断面積の大小に関係することから、漏斗の例を考えて、図10(d)(e)に示すように、上部(外側)の間隙5eの断面積が大きくて、道路側(内側)の間隙5eの断面積が小さい例と、反対に上部(外側)の間隙5dの断面積が小さくて、道路側(内側)の間隙5eの断面積が大きい例について検討した。漏斗の例から分かるように大断面の間隙から小断面の間隙に流れる空気の流動は促進されることから、図10(d)の間隙5では空気は外部に排出にくく、外部からは入りやすい間隙であり、図(e)の間隙5では、空気は外部に排出し易く、外部からは入りにくい間隙であることが分かる。本発明では、この点も踏まえて、図10(d)のように、間隙の上部(外側)の断面積が大で走行路側(内側)の断面積が小の間隙を形成した。
本発明は上記2点の知見を踏まえて、走行路側の空気の外部拡散量に比べて、外部空気流入量の多い外部拡散制御型の車両走行路用ルーバを構成したので、以下これを説明する。
図1〜図3は、実施形態1に係るルーバの概念図である。
図示のように、ルーバ部材2は、上下の水平基準線(イ)を規準として、この水平規準線(イ)に対して、屈折部6から上端7までを垂直部2aとし、屈折部6から下端8までを車両の走行方向前方に向う下り傾斜部2bとした構成である。また、傾斜部2bは、車両の走行方向の後側に略30°傾斜して設けられており、(傾斜角度θ)、垂直部2aと傾斜部2bの挟む角(挟み角度θ1)は120°に設けられている。ルーバ部材2は走行路幅方向(図面の表裏方向)に延長して構成され、かつ、複数のルーバ部材2が車両走行方向(図の右方向)に所定の間隔をおいて、かつ前後の傾斜部2bが平面的に重なり合うように並設し、設けられる。これにより屈折部6の上側に平行幅で垂直に立上がる垂直部間隙9が形成されると共に、屈折部6の下側に平行幅で車両の走行方向に下り傾斜する傾斜部間隙10が形成され、しかも、垂直部間隙幅(W)が傾斜部間隙幅(W1)よりも大に形成された車両走行路用ルーバ1が構成される。
本発明は、上記の構成とすることにより採光(調光)機能と遮音(吸音)機能は有するが、外部拡散機能は制御されている。すなわち、拡散制御型の車両走行路用ルーバとした点に特徴がある。この条件を満たすために、本発明の車両走行路用ルーバ1においては、上記のとおり(1)垂直部間隙9を形成したこと、(2)垂直部間隙幅(W)を傾斜部間隙幅(W1)よりも大に形成したこと、(3)傾斜部間隙10を車両走行方向の後側に所定角度(最適角度略30°)傾斜して設けたことである。この3つの構成要素が上記排気ガスの外部への拡散制御型の車両走行路用ルーバを構成する上で重要な構成要素をなしている。
さらに説明すると、(1)垂直部間隙9は、屈折部6から上端7まで垂直部2aが垂直に立上がることが、複数のルーバ部材2を並設したとき全ての上部開口部11の開口幅を最大にするうえで最適な形状であり、これにより日の出から日没まで太陽光の入射率を最大にできる。
(2)垂直部間隙幅(W)を傾斜部間隙幅(W1)よりも大に形成したことは、いわゆる漏斗(あるいはオリフィス)を流れる流体の流動原理に基づくものである。つまり、漏斗では、拡大断面積の入口から狭小断面積の出口に向けて流体は円滑に流れるが、その反対には円滑に流れない。この原理に基づき、本発明においてルーバ部材2の上側(外側)に幅寸法(W)が大きい垂直部間隙9が形成され、走行路側(内側)に幅寸法(W1)が小さい傾斜部間隙10が位置することで、車両から排出される排気ガスなど走行路側の空気は傾斜部間隙10に流れにくく、排気ガスの外部への拡散は大幅に制御される。この場
合、外気が取り入れられればそれに越したことはない。本発明では、漏斗を流れる流体の流動原理に基づき、上部(外側)に位置するに幅寸法(W)が大きい垂直部間隙9から外部空気が円滑に取り入れられ、さらに幅寸法(W1)が小さい傾斜部間隙10に流れて走行路側に空気が円滑に取り入れられる。
(3)傾斜部間隙10を車両走行方向の後側に所定角度(最適角度略30°)傾斜して設けたことは、走行路側の空気を傾斜部間隙10に流さないうえで有効な傾斜角である。すなわち、走行路の空気は走行する車両の前部では運動エネルギーによる動圧によって前方に押され、後部では位置エネルギーによる静圧によって引き込まれるように作用するが、車両の前部で前方に押される空気の流れる方向と反対の向きに傾斜部間隙10が傾斜しているので、前方に押される空気は傾斜部間隙10に最も入りにくいのである。傾斜部間隙10の傾斜角を車両の走行方向後方に略30°に傾斜させているのは、この傾斜角度が最も排気ガスを傾斜部間隙10に入りにくくする角度だからである。したがって、この傾斜角度は30°に厳密に限定されるものではなくこの角度よりも若干大きくても、反対に小さくても構わない。
また、傾斜部間隙10が後方に傾斜していることは、車両の走行方向にみれば、車両の後部によって空気が前方に引き込まれる方向に沿って傾斜していることである。これにより、車両による空気の前方への吸引作用により外部空気は傾斜部間隙10を通って走行路側に効率的に引き込まれ、外部空気の取り入れはより効率的に行われる。間隙を通って内部に引き込まれる空気は、間隙を通って外部に流出しようとする空気を走行路側に押戻すように作用し、排気ガスを外部に出さない上で一層有効に作用する。
道路側の空気を外部に拡散させないために上記のように構成したことによっても、採光(調光)機能と遮音(吸音)機能が保持されることについて説明する。
採光(調光)機能について説明すると、ルーバ部材2の垂直部2aと傾斜部2bの存在により、かつ、ルーバ部材2の傾斜部2bが平面的に重なり合って配設されていることにより、従来型と同様に太陽光は直接入射がない構造である。また、屈折部6から上端7まで垂直部2aが垂直に立ち上がっていることが、複数のルーバ部材2を並設したとき全ての上部開口部11の開口幅を最大にするうえで最適な形状であり、これにより日の出から日没まで太陽光の入射率を最大に確保できルーバ下路面を明るくできる(採光機能に優れる)ことは前述した。また、ルーバ部材2の上部開口部11の開口幅が広いことは太陽光を取り入れやすいことであるから、ルーバ部材2の上部開口部11に溜まった積雪に対する融雪効果が高いという利点がある。
また、太陽が真上にあるときは、ルーバ部材2の上部開口部11に直射日光が入射し、この上部開口部11に入った入射光は傾斜部2bに当って屈折しかつ乱反射しながら傾斜部間隙10を進み、調光されて走行路側に入射する。日の出と日没、夏至と冬至において、太陽光がある傾斜角度からルーバ部材2の上部開口部11に入るときは、傾斜部2bの傾斜角度によっては直射日光が走行路面に入射する恐れがあるが、本発明の構成ではこの点も解決されている。すなわち、図2に示すように、太陽が最も傾く夏至(72°)と冬至(32°)のときも太陽光は、ルーバ部材2の垂直部2aと傾斜部2bの何れかの表面に当り、直接に走行路側に入射しない角度に設けられている。
つぎに、遮音(吸音)機能につき図5、図6を援用して説明すると、ルーバ部材2は垂直部2aの下端に屈折部6を介して傾斜部2bが続く断面形状を有する平面部14aを有する前後2枚の鋼板からなる板部材14から構成され、その内部には、グラスウール、ロックウール等の吸音材17が充填されると共に、ルーバ部材2の表面には多数の透孔18が設けられて遮音(吸音)機構が構成されているので、走行路側から出る自動車の騒音は
前記の遮音(吸音)機構を介して従来と同様に効率的な遮音(吸音)を保持させることができる。
遮音(吸音)効率はルーバ部材2内に充填される吸音材17の充填量によって決まるが、本発明では、図1に2点鎖線で示すように傾斜部2b−1の長さを変えることによってその内部に充填する吸音材17の充填量を変化させることができ、これによりルーバ部材2の間隙を変えることなく、吸音(遮音)効果(インサーションロス)の調整が容易に可能である。したがって、傾斜部2b−1を伸ばす長さによっては、従来の吸音(遮音)効果の限界値を超える効果が可能である。図4は、ケース1〜6の吸音面積とインサーションロスとの関係を示し、このグラフを規準にルーバの設置場所の状況に応じた最適の吸音(遮音)効果を有するルーバ部材を容易に構成できる。
実施形態1の具体的構成を図5〜図8によって説明する。
図5は、実施形態1のルーバユニットの立断面図、図6は一部の拡大図、図7は平面図、図8は車両走行路用ルーバの設置例を示す斜視図である。
各図に示すように、ルーバユニット1aは、直射日光を遮るように、所定の間隔をおいて並設された、垂直部2aと傾斜部2bとからなる多数のルーバ部材2と、各ルーバ部材2の長手方向の両端を支持している端部支持部材13とから主に構成されている。各ルーバ部材2は、前記の垂直部2aの下部に位置し、上下方向ほぼ中間の高さ位置にある屈折部6を介して傾斜部2bが続く断面形状を有する平面部14aを有する前後2枚の有孔鋼板からなる板部材14で構成され、その板部材14の両端のフランジ部15が、ボルト・ナット16により端部支持部材13に固定されている。そして、ルーバ部材2の内部には、グラスウール、ロックウール等の吸音材17が充填されると共に、ルーバ部材2の表面には多数の透孔18が設けられている。ちなみに、この吸音材17は、例えばポリエステル等、いかなる材料を適用するようにしてもよい。
ルーバ部材2の両端を支持する端部支持部材13は、その断面形状が浅いコ字状に形成された板材(図7参照)が帯状に延びており、その両端がH形の梁19にボルト・ナット21により固定されている。詳細にはルーバ1の端部支持部材13が2つの梁19にそれぞれ溶接され支持板22にボルト・ナット21により固定され、両梁19間をつないで設置される。こうして、各ルーバ部材2は、走行路を横断する方向に延びて配置されている(図7参照)。
図8は、本実施形態のルーバ1の適用例を示す図で、半地下の道路25の横断斜視図である。走行路25の天井部には、走行路の左右側端部に沿って鋼製桁26が設けられており、両桁26、26間を横断する方向に渡して前記鋼製梁19が設置され、鋼製梁19は走行路の長手方向に間隔を置いて多数設けられている。
[作用]
従来の車両走行路用ルーバが、排気ガスの排出と空気の取り入れが均衡にかつ円滑に行われることを考慮した、いわゆる空気の出入均衡型であるのに対し、本発明に係る車両走行路用ルーバによると、傾斜部間隙10から外気を走行路側に取り入れ易く、しかも車両からの排気ガスなどの道路側の空気はルーバ部材2の間隙から外部に排出させないアンバランス型(外部拡散制御型)として構成されている。
しかも、本発明の車両走行路用ルーバは、本出願人に係る従来の「く」の字形のルーバの更なる発展応用であり、過去の研究成果を転用し、無理のない形状としていて、従来の架設工事トンネル(堀割構造)の上に設置する上で、周辺構造を大幅に変えないで施工で
き、施工面、製作面の両方で特段の製造方法コストの向上を招かない構造であり、かつ調光(採光)機能および遮音(吸音)機能は従来と同じで、換気機能だけを抑制できるルーバである。
図9は実施形態2を示す。この実施形態2は、実施形態1(外部拡散制御型)に係る車両走行路用ルーバを上下に180°反転させて走行路上部に設置することで、空気の流れ方向に対するルーバ部材2の垂直部2aと傾斜部2bの方向を反転し変えることによって、外部拡散促進型の車両走行路用ルーバ1bとして使用した例を示す。なお、実施形態1に対応する要素については実施形態1と同一の符号を付して説明する。
実施形態2では、屈折部6から上端7までを走行方向前方に向う上り傾斜部2bとし、屈折部6から下端8までを垂直部2aとした走行路幅方向に延びるルーバ部材2を、車両走行方向に所定の間隔をおいて、かつ前後の傾斜部2bが平面的に重なり合うように複数並設し、屈折部6の上側に傾斜部間隙10を形成すると共に屈折部6の下側に垂直部間隙9を形成し、かつ、傾斜部間隙幅(W1)よりも垂直部間隙幅(W)が大に形成されている。
実施形態2に係る車両走行路用ルーバ1bの作用は、実施形態1と反対の関係にある。すなわち、走行路側(内側)に垂直部間隙幅(W)が大の垂直部間隙9が配置されているので、走行路側の空気は、車両の走行方向に沿って上り傾斜に設けられている傾斜部間隙10に沿って、車両の走行風が生ずる動圧によって、小さな分岐抵抗で円滑に空気は外部に排出される。実施形態2の外部拡散促進型の車両走行路用ルーバは、大気環境面で問題とならないトンネルの建設地に適している。
1 車両走行路用ルーバ
1a ルーバユニット
1b 車両走行路用ルーバ
2 ルーバ部材
2a 垂直部
2b 傾斜部
3 道路
4 ルーバ
5 間隙
5a 間隙
5b 間隙
5c 間隙
5d 間隙
5e 間隙
6 屈折部
7 上端
8 下端
9 垂直部間隙
10 傾斜部間隙
11 上部開口部
13 端部支持部材
14 板部材
14a 平面部
15 フランジ部
16 ボルト・ナット
17 吸音材
18 透孔
19 梁
21 ボルト・ナット
22 支持板
25 道路
26 鋼製梁

Claims (2)

  1. 屈折部から上端部までを走行方向前方に向う上り傾斜部とし、屈折部から下端までを垂直部とした走行路幅方向に延びるルーバ部材を、車両走行方向に所定の間隔をおいて、かつ前後の傾斜部が平面的に重なり合うように複数並設し、屈折部の上側に傾斜部間隙を形成すると共に屈折部の下側に垂直部間隙を形成し、かつ、傾斜部間隙幅(W1)よりも垂直部間隙幅(W)が大に形成されていることを特徴とする車両走行路用ルーバ。
  2. 請求項1記載のルーバ部材は垂直部の下端に屈折部を介して傾斜部が続く断面形状を有する平面部を有する前後2枚の鋼板からなる板部材から構成され、その内部には、吸音材が充填されると共に、ルーバ部材の表面には多数の透孔が設けられて遮音(吸音)機構が構成されていることを特徴とする車両走行路用ルーバ。
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