JP2009216386A - ランダム振動試験の試験仕様設計方法 - Google Patents

ランダム振動試験の試験仕様設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】直線被害法則に準じながらも、独自の蓄積疲労計算方法を用いて試験時間の短縮率を求め、適正なランダム振動試験仕様を設計する方法を得る。
【解決手段】ランダム振動のPSDデータを所定数に区分するステップと、区分毎にランダム振動波形をカウントするステップと、各区分における分布ヒストグラムの、区分毎の構成割合を乗じてそれぞれ加算した分布ヒストグラムAを得るステップと、分布ヒストグラムAより、所定の値の範囲外にあるデータを削除した分布ヒストグラムBを得るステップと、分布ヒストグラムAを等価加速度G0で正規化し、対応する等価頻度NAを求めるステップと、分布ヒストグラムBを、分布ヒストグラムAの場合と同じ等価加速度G0で正規化し、対応する等価頻度NBを求めるステップと、等価頻度NAと等価頻度NBの比を求めるステップとを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

トラック輸送中に包装貨物(包装及び内容品)が被る振動疲労を再現するランダム振動試験の試験仕様(PSDレベル/プロファイル、試験時間)を設計する方法に関するものである。
従来、『実輸送環境に即した正確な振動耐久性の評価を行うことができる振動試験方法』に関する技術として、『本発明に係る振動試験方法は、実輸送における輸送条件下で、被輸送品Pに生ずる蓄積疲労を理論蓄積疲労として算出する第1ステップと、被輸送品Pを振動台1上に配置し、輸送条件における振動加速度で振動台1を所定時間振動させる第2ステップと、被輸送品Pに生ずる振動加速度を計測し、その振動加速度に基づいて所定時間内に被輸送品Pが受ける蓄積疲労を実蓄積疲労として算出する第3ステップと、振動台1の振動加速度を増大させ、当該振動加速度で振動台1を所定時間振動させる第4ステップと、被輸送品Pに生ずる振動加速度を計測し、その振動加速度に基づいて所定時間内に被輸送品Pが受ける実蓄積疲労を算出する第5ステップと、実蓄積疲労の和が理論蓄積疲労になるまで、第4及び第5ステップを繰り返す第6ステップとを備えている。』というものが提案されている(特許文献1)。
また、ランダム振動試験の試験仕様に関する標準化技術としては、米国軍用規格(MIL−STD−810)があり、軍需品(主に電子機器)を対象として、輸送振動に対する疲労損傷品質の確保を目的としている。
上記従来技術によるランダム振動試験では、下記式(1)で表される直線被害法則(S−N曲線)を活用して、試験時間を短縮している。
Figure 2009216386
上記式(1)は、応力SをN回加えた場合に試験対象が受ける疲労特性(S−N曲線)が、対数軸上で直線によって近似できることを表している。
直線の傾斜率であるαの値は、試験対象の材料に固有の定数であるため、特定の材料からなる輸送貨物を仮定してαの値を特定し、振動試験を実施する。
振動試験を行うに際し、実輸送時間のランダム振動をそのまま振動試験においても再現するのは、実用上効率が悪い。そのため、輸送貨物がランダム振動を実輸送時間受けた場合に被る材料疲労をあらかじめ算出し、これと等価の材料疲労を与え得る試験用の振動波形を設定して試験時間を短縮するのが、一般的なランダム振動試験方法である。
即ち、実輸送時に輸送貨物が受けるランダム振動よりも大きな振動加速度を被試験対象に与えることにより、試験時間を短縮しようというのである。
例として、MIL−STD−810に規定されているランダム振動試験仕様において、一般的金属のS−N曲線傾斜率としてよく用いられるα=6.3を使用し、試験時間を短縮する手順を説明する。
(手順1)
輸送経路を複数に区分し、各区分毎に走行条件(走行速度、走行時間)を割り当てて、輸送貨物が受ける加速度実効値(Grms)を実測する。実測結果を、次の表1のようにまとめる。
Figure 2009216386
(手順2)
表1の各行のデータのうち、平均Grmsが最大のものを選ぶ。
この最大の平均Grmsの半分以下の値を持つデータは、材料疲労に及ぼす影響が少ないと考えられるため、削除する。表1では、走行条件(4)のデータが削除される。
(手順3)
各行の平均Grmsを、最大の平均Grmsの値で正規化した場合の倍率を、誇張係数とする(表2)。
Figure 2009216386
(手順4)
図13の試験時間誇張曲線より、各誇張係数αに該当する試験時間係数λを求める。
走行時間に試験時間係数λを乗じた時間を、等価試験時間とする(表3)。
Figure 2009216386
以上の手順により、合計9.85時間の走行状況を、3.646時間の等価試験時間に短縮することができる。
特開2005−181195号公報(要約) MIL−STD−810
一般に、トラック等で貨物を輸送する場合、包装材に貨物を梱包して輸送するのが通常である。しかし、包装材は塑性変形、非線形、不安定特性といった金属と異なる特徴を有するため、MIL−STD−810に規定する方法をそのまま適用した場合、実際の疲労特性を十分に再現できているとはいい難い。
また、MIL−STD−810の方法は、加速度実効値(Grms)を正規化して試験時間を短縮する(試験負荷を加速する)ためにS−N曲線を用いているが、本来S−N曲線は、応力Sと頻度Nとの相関を定めたものであるため、試験負荷の加速にのみS−N曲線を用い、頻度Nについて考慮していない点において、理論的な一貫性に課題がある。
MIL−STD−810に規定する振動試験仕様を用いた場合、上記のような課題に起因して、一般に試験が過酷となる傾向があり、包装貨物の損傷現象は、実輸送時の損傷と異なるという別の課題もある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、直線被害法則に準じながらも、独自の蓄積疲労計算方法を用いて試験時間の短縮率を求め、適正なランダム振動試験仕様を設計する方法を得ることを目的とする。
本発明に係るランダム振動試験の試験仕様設計方法は、
ランダム振動のPSD(Power Spectral Density)データを、そのパワー値の高低を基準として所定数に区分する区分ステップと、
前記区分毎にランダム振動波形をカウントし、その振動レベル頻度の分布ヒストグラムを求めるカウントステップと、
前記各区分における分布ヒストグラムの、区分毎の構成割合を乗じてそれぞれ加算した分布ヒストグラムAを得るステップと、
前記分布ヒストグラムAより、所定の値の範囲外にあるデータを削除した分布ヒストグラムBを得るステップと、
前記分布ヒストグラムAを等価加速度G0で正規化し、等価加速度G0に対応する等価頻度NAを求める第1の正規化ステップと、
前記分布ヒストグラムBを、分布ヒストグラムAの場合と同じ等価加速度G0で正規化し、等価加速度G0に対応する等価頻度NBを求める第2の正規化ステップと、
前記等価頻度NAと等価頻度NBの比を求め、その値を試験時間の短縮率として用いて、試験実行時間を決定するステップと、
を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、疲労に影響しない振動を除去した頻度ヒストグラムを用いて、等価頻度の比により試験時間の短縮率を求めるため、S−N曲線の傾斜率αのみに依拠することなく、振動加速度と頻度との関係を考慮したランダム振動試験仕様を設計でき、ランダム振動試験の精度が増加する効果を期待できる。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係るランダム振動試験仕様設計方法の全体フローを示すものである。
個々のステップの詳細については後述するが、ここでは図1の各ステップの概要について説明する。
(S101)
路面の凹凸程度を平たん性、粗さで定義された各種路面上を、トラックが走行する時に荷台に発生する振動で大小区分する。振動の大小区分は、トラックのバネ上周波数の卓越周波数レベルで分類する。
(S102)
後のステップで加速度レベル頻度の解析をするため、ランダム振動波形の加速度レベルをカウントし、レベル頻度の分布ヒストグラムを得る。
なお、本ステップでは、ステップS101で得られた各区分毎に、分布ヒストグラムを得ておくことに留意する。
(S103)
ステップS102で得られた分布ヒストグラムを、各区分の走行距離の割合を乗じて加算したヒストグラムを得る。これをヒストグラムAとする。
(S104)
ヒストグラムAから、過度振動や頻度の少ない振動など、解析に必要ないデータを削除したヒストグラムを得る。これをヒストグラムBとする。
(S105)
ヒストグラムA、ヒストグラムBを、それぞれ等価加速度G0で正規化し、それぞれに対応する等価頻度NA、NBを求める。
(S106)
等価頻度NA、NBの比を求め、これを試験時間の短縮率とする。実輸送時間にこの短縮率を乗算し、試験時間を求める。
以上の手順によれば、試験時間を求める際に頻度が考慮されているため、MIL−STD−810に規定する方法の課題となっていた、負荷の加速にのみS−N曲線を用いるという理論の一貫性のなさを補うことができる。
なお、ステップS102において、ランダム振動波形の加速度レベルをカウントする前に、解析に必要ない高調波成分をカットするためローパスフィルタを用いる場合もあるが、詳細は後述する。
以下、各ステップの詳細について説明する。
図2は、図1のステップS101において、振動の大小区分を設定した様子を図示するものである。
図2の太線は、振動の各区分の境界線である。
図2の細線は、PSDデータである。
ここで、本発明における振動の区分方法を説明する前に、従来の振動区分方法について説明する。
振動の大小を区分する従来の方法として、例えばMIL−STD−810においては、下記の表4に示すように走行状況を道路の種類等により区分し、各区分毎に加速度実効値(Grms)を割り当てることにより、振動の大小を区分している。
Figure 2009216386
しかし、表4の各要素を一定にしたとしても、実際に発生する振動は、走行路面差、エアサス・リーフサス差、運転手の個人差などにより異なるため、必ずしも適切な区分方法とは言えない。
また、一般路でも高速路並の平坦路があり、高速路でも例えばアウトバーンと東名路では差があるなど、表4のように走行路面の種類で一律に走行状況を区分することは適切でない。また、積雪時は同じ道路でも発生振動が異なる等、輸送振動レベルを走行路面の種類で定義することは困難である。
さらには、MIL−STD−810によるPSDの加速度実効値区分法の場合、同一の加速度実効値(Grms)を有するPSDプロファイルは無数に存在するため、振動レベル比較はできない。
以上のような理由から、本発明においては、より直接的に振動を区分する方法として、PSDデータを、そのパワー値の高低を基準として所定数に区分することとした。
図2においては、太線が各区分の境界を表しており、同図に示す通り、ここではPSDデータを以下の(A)〜(E)の5つに区分した例を説明する。
(A)極良振動範囲:0.001 G^2/Hz以下
(B)良振動範囲 :0.001〜0.005 G^2/Hz以下
(C)普通振動範囲:0.005〜0.03 G^2/Hz以下
(D)悪振動範囲 :0.03 〜0.1 G^2/Hz以下
(E)極悪振動範囲:0.1 G^2/Hz以上
図2の太線のうち、平坦となっている部分は、PSDデータのうち、1次モードの卓越周波数を区分するために設定しているものである。
一般に、1次モードの周波数領域のパワースペクトルは大きな値を有するため、振動試験への影響が大きく、これを適切に区分することが、以後の解析において重要となる。
そのため、図2においては、一般に1次モードの卓越周波数に相当するものと思われる9〜10Hz程度以下の領域を、図2の太線の平坦部分で(A)〜(E)に区分したものである。
図2の太線の傾斜部分は、1次モードの卓越周波数から2次モードの卓越周波数に至る傾斜を表したものであり、即ち2次モードの卓越周波数に相当するパワー値を区分するものである。
2次モードの卓越周波数に相当するパワースペクトルは、1次モードと比較すれば、以後の解析への影響は少ないと言えるが、図2においては2次モードまでを区分の考慮対象とし、より正確な区分とすることを図った。
図3は、トラックの輸送振動を2次マスーバネ系で模擬した様子を模式的に示すものである。
トラックの輸送振動は荷台部分が最も大きいため、これを1つ目(1次モード)のマスーバネ系で模擬する。当該部分で模擬される振動は、1次モードのパワースペクトルとして、PSD上の概ね9〜10Hz以下の領域に現れる。図3の上図においては1つ目の周波数ピークが、下図においては「荷台(2次マスバネ系)」としている部分が、これに相当する。
また、トラックの輸送振動は、荷台以外の部分の影響も受ける。例えば、タイヤは弾性体であるため固有の振動を有し、これらはPSD上で2つ目以降の周波数ピーク値となって現れる。これをマスーバネ系で模擬する場合は、2つ目以降のマスーバネ系を仮定し、1つ目のマスーバネ系の下に新たなマスーバネ系を設け、2次モード以降のマスーバネ系を構成する。
このように、トラックの輸送振動をマスーバネ系で模擬することにより、数学的なモデルにより振動解析を行うことができるため、マスーバネ系は振動解析の分野においてしばしば用いられる手法である。
本発明は、振動解析の数学的モデルを提案するものではないが、実輸送におけるランダム振動の実測値はこの仮想的な数学モデルをよく反映しているため、本発明においてもこのマスーバネ系の各次モードの概念を導入し、各次モードの卓越周波数(パワーピーク値を得る周波数)に相当するパワー値により、PSDデータを区分することとしたものである。
なお、本発明においては、2次モードまでのパワー値が解析において重要であるものと考え、PSDデータの区分は、1〜2次モードのパワー値を区分することにより行うものとした(図2の太線参照)。
この理由は、図2や図3のグラフからも分かるとおり、3次モード以降のピーク値は1次モードのピーク値の100分の1以下であり、輸送貨物に与える疲労の観点からは重要でないと考えられるためである。
以上のように、ランダム振動をPSDデータの1〜2次モードのピーク値で区分することにより、ランダム振動試験で再現すべき振動レベルが明確となり、また走行路面の種類といった抽象的な概念によらず、振動測定者に依存しないに振動レベルの設定が可能となる。
次に、図1のステップS102について、図4〜図7を用いて説明する。
図4は、ランダム振動波形の加速度レベルをカウントし、レベル頻度の分布ヒストグラムを得る様子を説明するものである。
ランダム振動による疲労損傷を評価するためには、実輸送におけるランダム振動波形から、疲労に影響を与える部分を適切に抽出し、その頻度分布を考える必要がある。これは、疲労に対する影響がほとんどない微細な振動を解析対象から除去し、試験時間を短縮するためにも必要な工程であるが、抽出方法が適切でないと、ランダム振動の特徴を振動解析に適切に反映できず、振動試験の精度が低下してしまう。
そのため、ランダム振動波形の振動レベル頻度分布を得る方法の選択は、振動試験において非常に重要な工程である。
図4では、ゼロクロスピークカウント法(詳細は後述の図5)を用いて、ランダム振動波形の頻度分布を得る方法を示している。以下、手順を説明する。
(1)ランダム振動波形を、縦軸方向(振動レベル方向)にn分割する。
(2)各分割区分のピーク値の頻度を、ゼロクロスピークカウント法でカウントする。
(3)各分割区分のピーク値の頻度合計により、頻度分布ヒストグラムを得る。
図5は、ゼロクロスピークカウント法の詳細を説明するものである。ゼロクロスピークカウント法は、以下の手順によりランダム振動波形をカウントする。
(1)
ランダム振動波形が、振動レベル0を上昇方向で通過し、次に降下方向で振動レベル0を通過するまでを、1カウント単位とする。
(2)
1カウント単位の中で、最も振動レベルの高い値のみをカウントする。
図6は、ゼロクロスピークカウント法を適用した場合の実測波形を示すものである。
ゼロクロスピークカウント法による不規則振動の頻度分布は理論上、レーリー分布となるが、本方法を適用した実測波形の分布は図6に示すようにレーリー分布となり、理論が裏付けられた。
図7は、従来の衝撃振動記録計の振動波形カウント法を示すものである。
多くの衝撃振動記録計は、計測器の振動取り込み間隔(1フレーム)毎の最大加速度値のみを読み取っているため、これをカウントして頻度分布ヒストグラムを得た場合、多くの場合は高振動レベルに偏った分布となる。
かかる偏った頻度分布は、実際のランダム振動波形の特徴を反映しているとは言えず、これをそのまま用いた場合、振動試験は過度な負荷を与えるものとなる。これは振動試験ではなく衝撃試験において実施すべき負荷であるので、このような偏った加速度レベル頻度を用いると、適正な振動試験を実施することはできない。
そのため、振動試験に用いる際のデータは、衝撃振動記録計の波形カウント法によらずに、生の測定データから振動疲労に影響する波形を逃さずにカウントする必要がある。そのためには、汎用データ記録計が活用できる。
本発明で用いているゼロクロスピークカウント法は、コンピュータプログラムにより実現することが容易であるため、データ記録装置で記録した測定データをコンピュータに読み込ませてカウントする際に適した方法であると言える。
なお、ゼロクロスピークカウント法に代えて、レインフロー法を用いてランダム振動波形をカウントすることもできる。
次に、図1のステップS103について説明する。
図2に示すように、PSDデータをパワー値の高低で区分した後、実際の輸送経路の路面状況等を考慮し、各区分に所定の割合を割り当てる。例えば、以下のように割り当てることができる。
(A)極良振動範囲: 4.49%
(B)良振動範囲 :25.00%
(C)普通振動範囲:70.00%
(D)悪振動範囲 : 0.50%
(E)極悪振動範囲: 0.01%
割り当て%は、試験仕様作成毎に、試験で再現する輸送経路を考慮して決定する。
例えば、道路の整備が比較的進んでいる地域(国内外を問わない)では、トラックが受ける振動は全般的に少ないと考えられるため、(A)極良振動範囲〜(C)普通振動範囲に多く割り当てる、といった具合に、試験仕様の作成者が、個々の輸送経路状況や試験保障率等に応じて適宜判断すればよい。
次に、割り当て後の各区分について、それぞれの頻度分布ヒストグラムに割り当て%を乗算して加算し、総合の頻度分布ヒストグラムを得る。これをヒストグラムAとする。
次に、図1のステップS104について、図8〜図9を用いて説明する。
図8は、ステップS103で求めたヒストグラムA、及びその不要部分とを図示するものである。
ステップS103で求めたヒストグラムAは、ゼロクロスピークカウント法ないしレインフロー法を用いてランダム振動波形をカウントし、振動波形のうち疲労損傷への影響が大きい要素を抽出したものである。
しかし、ヒストグラムAのデータ中には、頻度が非常に少ない過度振動や微小振動も未だ含まれている。これらのデータを適切に除去することにより、頻度分布ヒストグラムの特徴を破壊することなく、かつデータ量を削減して、振動試験時間を短縮する効果が期待できる。
(微小振動の除去)
まず、図8の微小振動部を除去する手順について説明する。
微小振動とは、疲労損傷に影響を与えない、もしくは影響度の低い小さな振動のことを言う。これは、包装貨物のS−N曲線から求めることができる。
具体的には、包装貨物のSーN曲線の疲労限度以下の領域(図8の下の斜線領域)に相当する部分は、疲労損傷に影響を与えない、もしくは影響度の低い振動であるとみなすことができる(なお、実際には、頻度N=105〜106以下の領域がこれに該当する場合が多い)。
そのため、ヒストグラムAのうち、この頻度領域のデータを削除しても、実際の振動解析には影響がほとんどないものと思われる。本発明においては、これら微小振動部をヒストグラムAから削除することにより、振動試験時間の短縮を図る。
(過度振動の除去)
次に、図8の過度振動部を除去する手順について説明する。
過度振動とは、被輸送品に対して疲労損傷ではなく衝撃破壊損傷を与える振動で、実際にその振動レベルが発生する頻度が稀であるような振動のことを言う。このような振動は、ランダム振動試験ではなく衝撃試験において再現すべき項目であり、したがってこれら過度振動のデータを頻度分布ヒストグラムから削除することにより、振動試験時間の短縮効果が期待できる。
具体的には、ヒストグラムAの標準偏差σを求め、3σよりも大きい振動レベルのデータは、頻度の少ない過度振動であるものと定義し、これらのデータを削除することができる。
なお、ヒストグラムAの形状によっては、3σではなく2σや4σなどの値を用いても良いが、多くの場合においては3σ程度が妥当な値であると思われる。これは、仮にヒストグラムAが正規分布に従う場合、+−3σの範囲には全データの99.74%が含まれることからも、伺うことができる。
図9は、トラック輸送中の実振動波形(高速道路80Km走行時)を示すものである。
実振動波形においては、図9の「過度振動」に示すように、極端に大きな振動波形を観測することがある。
これは多くの場合、路面のくぼみ、工事跡、マンホール等の段差走行時に発生するものである。この過度振動の発生頻度は低く、かつ包装貨物に与える影響は衝撃破壊に類似しており、連続振動による蓄積疲労損傷とは異なる。
従って、このような極端な過度振動は、蓄積疲労を再現する振動試験ではなく衝撃試験(バウンシング試験)で再現すべき現象である。
そこで、過度振動の除去方法として、このような極端な振動をヒストグラムAから除去するようにすることもできる。具体的には、1G以上の過度振動は、無条件に削除することとする。
この理由は、過度振動により包装貨物が1G以上の加速度を受けた場合、万有引力である1Gよりも大きな加速度を受けるため、包装貨物は荷台上で浮き上がる(バウンシング)ので、振動試験でこのような状況を再現するのは、試験の目的から適切でないことによる。
以上の方法により、微小振動部や過度振動部をヒストグラムAから削除することによって、データ量を削減し、試験時間の短縮を図ることができる。
なお、過度振動部の削除に際しては、3σ以上のデータを削除する方法と、1G以上のデータを削除する方法の、いずれか一方を用いても良いし、両者を併用してもよい。
なお、実際には、3σ以上のデータを削除すれば、1G以上のデータも削除される場合が多いものと思われる。これは、図2や図3に示すPSDデータにおいて、1.0G2/Hzを超えるデータ値が見られないことからも伺うことができる。
以上の方法により得られた、不要データ削除後の頻度分布ヒストグラムを、以後はヒストグラムBとする。
次に、図1のステップS105について、図10〜図11を用いて説明する。
図10は、S−N曲線を用いて、等価加速度と等価頻度を求める様子を図式的に示すものである。
一般に、ランダム振動試験においては、実輸送時間と同じ時間の振動試験を実施するのは効率が悪いので、試験においては実際よりも大きな加速度を被試験物に与えて、試験時間を短縮している。
例えば、先に説明したMIL−STD−810に規定する方法では、最大のGrms値をもって各走行条件の加速度レベルを正規化し、その倍率をS−N曲線に当てはめて、試験時間の短縮率を求めている。
しかし、S−N曲線の応力S(頻度分布の加速度Gに相当)のみを用い、頻度Nについては考慮せずに試験時間の短縮率を用いるのは、理論的な一貫性がない。そこで、本発明においては、加速度Gと頻度Nの双方を考慮して等価加速度Gxを求め、この値で頻度分布ヒストグラムを正規化することを提案する。
図10において、実測頻度分布ヒストグラムで表される全ての振動条件を再現することは、同図の加速度Gi−頻度niからなる振動負荷と等価な振動負荷を、全てのniの値について求めることと等しいと言える。
そこで、これら全てのniについての振動負荷を合算したものと等価な振動負荷を加速度Gxで構成し、対応する頻度ΣNxiを求めることにより、実測頻度分布ヒストグラムを等価加速度Gxで正規化することができる。
即ち、実測頻度分布ヒストグラムで表される全ての振動加速度は、一定値の等価加速度GxをΣNxi回加えることにより、代用できるのである。
以上の原理は、次のように直線被害法則により説明することができる。
輸送中の振動により包装貨物(包装及び内用品)が損傷するまでの繰り返し数と振動レベルとの間には、一定の関係が存在する。即ち、各種材料の疲労特性(S−N曲線)は、応力Sと繰り返し数Nが対数軸上で直線によって近似できるという関係(直線被害法則)があり、次式(1)で表すことができる。
Figure 2009216386
そして、繰り返しによる疲労累積は、繰り返し数と直線関係にあるという直線被害法則を適用することによって、輸送中のランダム振動の加速度頻度分布を一定のレベルに変換できる。
即ち、一定の振動加速度Giを繰り返し受けてNi回後に疲労損傷する包装貨物が、この加速度Giでni回の繰り返しで受ける損傷度Diは、次式(4)で表される。
Di=ni/Ni・・・(4)
さらにこの損傷度の割合は他の加速度における損傷度に加算することが出来る。
Figure 2009216386
式(4)(5)を活用することによって、トラック荷台上のランダム振動を一定の加速度振幅に変換することが出来るのである。
次に、加速度レベルの頻度分布ヒストグラムで表される合計負荷を、一定の等価加速度に変換する方法について、図11を用いて説明する。
図11は、ヒストグラムAを、S−N曲線を用いて等価頻度G0に変換する手順を示すものである。以下、順を追って説明する。
(1)点iで直線被害法則を適用
ヒストグラムAの任意の点iにおける加速度GAiについて、直線被害法則を適用すると、以下の式(6)が得られる。
Figure 2009216386
(2)実際の損傷度に換算
ヒストグラムAにおいては、加速度GAiに相当する頻度はnAiである。これに式(4)で表される蓄積疲労の法則を適用すると、加速度GAiの振動をnAi回加えることによる蓄積疲労は、加速度GAiの振動をNAi回加えた場合のnAi/NAi倍に相当することになる。
そこで、式(6)の両辺にnAi/NAiを乗算して、次式(7)を得る。
Figure 2009216386
式(7)は、加速度GAiの振動をnAi回加えた場合に輸送貨物が受ける損傷度を表している。そこで、式(7)をヒストグラムA中の全点iについて合算すれば、ヒストグラムAによる合計の蓄積疲労と等価の蓄積疲労が得られる。即ち、この合計の蓄積疲労を試験において実現すれば、ヒストグラムAを試験で再現したことと等価になる。
実際の計算においては、ヒストグラムAを十分大きな数kA個に分割して、各分割点毎に式(7)を適用すればよい。
次に、図11と式(7)で説明した方法を用いて、ヒストグラムA、Bを等価加速度G0で正規化する具体的な手順を説明する。
(1)
ヒストグラムAを、加速度方向にkA個に等分割する。
(2)
各分割点毎に式(7)を適用し、次式(8)を得る。
Figure 2009216386
(3)
式(8)の両辺を合算して、次式(9)を得る。
Figure 2009216386
(4)
ヒストグラムBについても同様にkB個に等分割し、次式(10)を得る。
Figure 2009216386
(5)
式(9)(10)の右辺を、次式(11)のように置き換え、式(12)を得る。
Figure 2009216386
Figure 2009216386
(6)
NA、NBはヒストグラムA、Bを等価加速度G0で正規化した際の等価頻度に他ならない。
次に、図1のステップS106について説明する。
ヒストグラムAの等価頻度NAと、ヒストグラムBのNBの比を求め、これを試験時間の短縮率βとする。具体的な計算方法は、以下のようにする。
(7)
式(12)の両辺を相互に除算することにより、次式(13)を得る。
Figure 2009216386
(8)
式(13)は、ヒストグラムAの等価頻度NAと、ヒストグラムBの等価頻度NBの比に他ならない。
以上の算出の仮定で、S−N曲線を参照する必要がある場合には、具体的なS−N曲線を得るため、S−N曲線の傾斜率αの値を設定しておかなければならない。
αの値として、例えば金属材の場合には、鋼材であればα=3.5〜7、鉛の場合α=2.5〜4.5などの値が用いられる。
また、包装材の場合は含まれる材質が多い(段ボール、板紙、各種樹脂クッション材他)ため、α=2.0〜16.0の範囲となる(牛乳カートン容器の場合α=2.14、イチゴ入り包装(ダンボール+バラ緩衝材)の場合α=5〜10等)。
なお、本発明においては、対象材料値が不明の場合は、α=2.0の使用を推奨する。その理由は、加速度レベルの差により理論計算上の疲労度が大きく変動することを避けるためである。
試験時間の短縮率βを活用し、実輸送時間Tで受ける疲労損傷度Dは、試験時間t=T・βで再現可能となる。この方法により、MIL−STD−810に規定するように、実振動加速度よりも大きな加速度を加えることなく試験時間を短縮できるため、試験負荷が過度に過酷にならず、実輸送と同等な試験環境を得ることができる。
なお、以上の方法によっても試験時間を十分に短縮できない場合は、以下の方法をとることもできる。
即ち、図1のステップS102(ランダム振動波形のカウント)を実行する前に、PSDデータの所定の高周波成分をフィルタリングによりカットし、疲労に影響を及ぼさない微小振動データを削除することで、データ量を削減して試験時間の短縮を図ることができる。
図12は、上記の具体例を説明するものである。
実際のPSDデータにおいては、2次モードよりも後の周波数データは、1次モードのピーク値と比較して100分の1程度のパワー値しか持たない。そのため、2次モード以降の周波数成分は、ローパスフィルタでカットして、以後の解析を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、
ランダム振動試験の試験仕様を設計する方法であって、
ランダム振動のPSD(Power Spectral Density)データを、そのパワー値の高低を基準として所定数に区分する区分ステップと、
前記区分毎にランダム振動波形をカウントし、その振動レベル頻度の分布ヒストグラムを求めるカウントステップと、
前記各区分における分布ヒストグラムの、区分毎の構成割合を乗じてそれぞれ加算した分布ヒストグラムAを得るステップと、
前記分布ヒストグラムAより、所定の値の範囲外にあるデータを削除した分布ヒストグラムBを得るステップと、
前記分布ヒストグラムAを等価加速度G0で正規化し、等価加速度G0に対応する等価頻度NAを求める第1の正規化ステップと、
前記分布ヒストグラムBを、分布ヒストグラムAの場合と同じ等価加速度G0で正規化し、等価加速度G0に対応する等価頻度NBを求める第2の正規化ステップと、
前記等価頻度NAと等価頻度NBの比を求め、その値を試験時間の短縮率として用いて、試験実行時間を決定するステップと、
を有するので、
直線被害法則に準じながらも、独自の蓄積疲労計算方法を用いて試験時間の短縮率を求め、適正なランダム振動試験仕様を設計することができる。
また、前記第1の正規化ステップにおいては、
式(1)で表される直線被害法則を用いて、前記等価加速度G0と前記等価頻度NAを求めるので、
ヒストグラムAで表される合計の蓄積疲労と等価の疲労を、等価加速度G0及び等価頻度NAで置き換えることができ、以後の解析においてこれらの値を用いることにより、解析を容易にすることができる。
また、前記第2の正規化ステップにおいては、
前記第1のステップで求めた等価加速度G0と前記式(1)とを用いて、前記等価頻度NBを求めるので、
ヒストグラムAとヒストグラムBで表される合計の蓄積疲労の比率を、等価頻度NAとNBとの比で表すことができる。即ち、パワー値の算出にのみS−N曲線を用いているMIL−STD−810の理論的一貫性のなさを補い、より適正な試験仕様を設計することができる。
また、前記第1の正規化ステップにおいて、前記式(1)を用いて前記等価加速度G0と前記等価頻度NAを求める際には、
前記分布ヒストグラムAを加速度レベル方向に所定数に分割し、
各分割区分毎に前記式(1)で表されるS−N曲線を用いて前記等価加速度G0の値を求め、
前記等価加速度G0の値を求めた式の両辺に、
その分割区分における加速度レベルGAiに相当するS−N曲線上の頻度NAiと、同分割区分における加速度レベルGAiに相当するヒストグラムA上の頻度nAiとの比nAi/NAiを乗算して式(2)を求め、
当該式(2)の両辺を各分割区分毎に合算することにより、前記等価加速度G0と前記等価頻度NAを求めるので、
輸送貨物の疲労が直線的に蓄積するという前提の下で、ヒストグラムAで表される全振動負荷を、等価加速度G0と等価頻度NAに適切に置き換えることができる。
また、前記第2の正規化ステップにおいて、前記式(1)を用いて前記等価頻度NBを求める際には、
前記分布ヒストグラムBを加速度レベル方向に所定数に分割し、
各分割区分毎に前記式(1)で表されるS−N曲線を用いて前記等価加速度G0の値を求め、
前記等価加速度G0の値を求めた式の両辺に、
その分割区分における加速度レベルGBiに相当するS−N曲線上の頻度NBiと、同分割区分における加速度レベルGBiに相当するヒストグラムB上の頻度nBiとの比nBi/NBiを乗算して式(3)を求め、
当該式(3)の両辺を各分割区分毎に合算することにより、前記等価頻度NBを求めるので、
輸送貨物の疲労が直線的に蓄積するという前提の下で、ヒストグラムBで表される全振動負荷を、等価加速度G0と等価頻度NBに適切に置き換えることができる。
また、前記等価頻度NAと等価頻度NBの比を求める際には、
ヒストグラムAについて前記式(2)の両辺を各分割区分毎に合算した値と、
ヒストグラムBについて前記式(3)の両辺を各分割区分毎に合算した値とを、
相互に除算することにより前記等価頻度NAと前記等価頻度NBの比を求めるので、
MIL−STD−810における誇張係数αの値のみに依拠することなく、試験時間の短縮率を求めることができる。即ち、実際のランダム振動よりも大きい振動加速度を加えることなく試験時間の短縮を図ることができるので、試験が過度に過酷なものとならず、実輸送環境をよく反映した試験仕様を設計することができる。
また、前記分布ヒストグラムBを得るステップにおいては、
前記分布ヒストグラムAより、包装貨物のSーN曲線の疲労限度以下の加速度レベルに相当するデータを削除して、前記分布ヒストグラムBを得るので、
実際の振動解析には影響がほとんどないものと思われる微小振動部をヒストグラムAから削除することにより、振動試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記分布ヒストグラムBを得るステップにおいては、
前記分布ヒストグラムAより、加速度が1G以上のデータを削除して、前記分布ヒストグラムBを得るので、
激動試験(バウンシング試験)で再現すべき振動データをヒストグラムAから削除することにより、振動試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記分布ヒストグラムBを得るステップにおいては、
前記分布ヒストグラムAの標準偏差σを算出し、3σより外の範囲にあるデータを削除して、前記分布ヒストグラムBを得るので、
衝撃試験において再現すべき振動データや、頻度が少なく解析における影響が少ないデータをヒストグラムAから削除し、振動試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記区分ステップにおいては、
ランダム振動波形の1次モードの卓越周波数に相当するパワー値の高低を基準として、PSDデータを区分するので、
ランダム振動試験で再現すべき振動レベルが明確となり、また走行路面の種類といった抽象的な概念によらず、振動測定者に依存しないに振動レベルの設定が可能となる。
また、前記カウントステップにおいては、
ゼロクロスピークカウント法を用いて、前記区分毎にランダム振動波形をカウントするので、
ランダム振動波形の特徴を破壊することなく、疲労に対する影響がほとんどない微細な振動を解析対象から除去し、試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記カウントステップにおいては、
レインフロー法を用いて、前記区分毎にランダム振動波形をカウントするので、
ゼロクロスピークカウント法を用いた場合と同様に、ランダム振動波形の特徴を破壊することなく、疲労に対する影響がほとんどない微細な振動を解析対象から除去し、試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記カウントステップの前に、
前記PSDデータの所定の高周波成分をカットするフィルタリングステップを実行する
ので、
微小振動データを削除することにより、試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記フィルタリングステップにおいては、
前記PSDデータのうち、2次モードの卓越周波数よりも高い範囲にある高周波成分をカットの対象とするので、
1次モードピーク値の100分の1以下程度のパワー値となる場合が多い微小振動データを解析対象から削除し、試験時間の短縮を図ることができる。
また、前記式(1)における定数αの値が不明である場合には、α=2.0を用いるので、加速度レベルの差により理論計算上の疲労度が大きく変動することを避けることができる。
ランダム振動試験仕様設計方法の全体フローを示すものである。 図1のステップS101において、振動の大小区分を設定した様子を図示するものである。 トラックの輸送振動を2次マスーバネ系で模擬した様子を模式的に示すものである。 ランダム振動波形の加速度レベルをカウントし、レベル頻度の分布ヒストグラムを得る様子を説明するものである。 ゼロクロスピークカウント法の詳細を説明するものである。 ゼロクロスピークカウント法を適用した場合の実測波形を示すものである。 従来の衝撃振動記録計の振動波形カウント法を示すものである。 ステップS103で求めたヒストグラムA、及びその不要部分とを図示するものである。 トラック輸送中の実振動波形(高速道路80Km走行時)を示すものである。 S−N曲線を用いて、等価加速度と等価頻度を求める様子を図式的に示すものである。 ヒストグラムAを、S−N曲線を用いて等価頻度G0に変換する手順を示すものである。 PSDデータの所定の高周波成分をフィルタリングによりカットする具体例を説明するものである。 MIL−STD−810における試験時間誇張曲線の一例である。
符号の説明
α 誇張係数、λ 試験時間係数。

Claims (15)

  1. ランダム振動試験の試験仕様を設計する方法であって、
    ランダム振動のPSD(Power Spectral Density)データを、そのパワー値の高低を基準として所定数に区分する区分ステップと、
    前記区分毎にランダム振動波形をカウントし、その振動レベル頻度の分布ヒストグラムを求めるカウントステップと、
    前記各区分における分布ヒストグラムの、区分毎の構成割合を乗じてそれぞれ加算した分布ヒストグラムAを得るステップと、
    前記分布ヒストグラムAより、所定の値の範囲外にあるデータを削除した分布ヒストグラムBを得るステップと、
    前記分布ヒストグラムAを等価加速度G0で正規化し、等価加速度G0に対応する等価頻度NAを求める第1の正規化ステップと、
    前記分布ヒストグラムBを、分布ヒストグラムAの場合と同じ等価加速度G0で正規化し、等価加速度G0に対応する等価頻度NBを求める第2の正規化ステップと、
    前記等価頻度NAと等価頻度NBの比を求め、その値を試験時間の短縮率として用いて、試験実行時間を決定するステップと、
    を有することを特徴とするランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  2. 前記第1の正規化ステップにおいては、
    下記式(1)で表される直線被害法則(S−N曲線)を用いて、前記等価加速度G0と前記等価頻度NAを求めることを特徴とする請求項1に記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
    Figure 2009216386
  3. 前記第2の正規化ステップにおいては、
    前記第1のステップで求めた等価加速度G0と前記式(1)とを用いて、前記等価頻度NBを求めることを特徴とする請求項2に記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  4. 前記第1の正規化ステップにおいて、前記式(1)を用いて前記等価加速度G0と前記等価頻度NAを求める際には、
    前記分布ヒストグラムAを加速度レベル方向に所定数に分割し、
    各分割区分毎に前記式(1)で表されるS−N曲線を用いて前記等価加速度G0を求める計算式を導出し、
    当該計算式の両辺に、
    その分割区分における加速度レベルGAiに相当するS−N曲線上の頻度NAiと、該加速度レベルGAiに相当するヒストグラムA上の頻度nAiとの比nAi/NAiを乗算して次式(2)を求め、
    当該式(2)の両辺を各分割区分毎に合算することにより、前記等価加速度G0と前記等価頻度NAを求めることを特徴とする請求項2に記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
    Figure 2009216386
  5. 前記第2の正規化ステップにおいて、前記式(1)を用いて前記等価頻度NBを求める際には、
    前記分布ヒストグラムBを加速度レベル方向に所定数に分割し、
    各分割区分毎に前記式(1)で表されるS−N曲線を用いて前記等価加速度G0を求める計算式を導出し、
    当該計算式の両辺に、
    その分割区分における加速度レベルGBiに相当するS−N曲線上の頻度NBiと、該加速度レベルGBiに相当するヒストグラムB上の頻度nBiとの比nBi/NBiを乗算して次式(3)を求め、
    当該式(3)の両辺を各分割区分毎に合算することにより、前記等価頻度NBを求めることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
    Figure 2009216386
  6. 前記等価頻度NAと等価頻度NBの比を求める際には、
    ヒストグラムAについて前記式(2)の両辺を各分割区分毎に合算した値と、
    ヒストグラムBについて前記式(3)の両辺を各分割区分毎に合算した値とを、
    相互に両辺除算することにより前記等価頻度NAと前記等価頻度NBの比を求めることを特徴とする請求項5に記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  7. 前記分布ヒストグラムBを得るステップにおいては、
    前記分布ヒストグラムAより、包装貨物のSーN曲線の疲労限度以下の加速度レベルに相当するデータを削除して、前記分布ヒストグラムBを得ることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  8. 前記分布ヒストグラムBを得るステップにおいては、
    前記分布ヒストグラムAより、加速度が1G以上のデータを削除して、前記分布ヒストグラムBを得ることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  9. 前記分布ヒストグラムBを得るステップにおいては、
    前記分布ヒストグラムAの標準偏差σを算出し、3σより外の範囲にあるデータを削除して、前記分布ヒストグラムBを得ることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  10. 前記区分ステップにおいては、
    ランダム振動波形の1次モードの卓越周波数に相当するパワー値の高低を基準として、PSDデータを区分することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  11. 前記カウントステップにおいては、
    ゼロクロスピークカウント法を用いて、前記区分毎にランダム振動波形をカウントすることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  12. 前記カウントステップにおいては、
    レインフロー法を用いて、前記区分毎にランダム振動波形をカウントすることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  13. 前記カウントステップの前に、
    前記PSDデータの所定の高周波成分をカットするフィルタリングステップを実行することを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  14. 前記フィルタリングステップにおいては、
    前記PSDデータのうち、2次モードの卓越周波数よりも高い範囲にある高周波成分をカットの対象とすることを特徴とする請求項13に記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
  15. 前記式(1)における定数αの値が不明である場合には、
    α=2.0を用いることを特徴とする請求項2ないし請求項14のいずれかに記載のランダム振動試験の試験仕様設計方法。
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