JP2009209089A - 抗菌消臭剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性等に優れるとともに、高い抗菌性能を長期にわたって維持するができる。
【解決手段】 この抗菌消臭剤は、平均一次粒子径(D1)が20〜200nmの範囲にあり、平均二次粒子径(D2)が20〜400nmの範囲にあり、(D2)/(D1)が1〜5の範囲にあるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトに、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる1種または2種以上の金属イオンおよび/または金属錯イオンを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は抗菌剤に関し、特に、樹脂、塗料、繊維、皮革、家具類、化粧品などに添加または塗布して用いる場合、付着性、分散性、透明性等に優れ、かつ、高い抗菌効果、消臭効果、防黴性等を発揮する抗菌剤に関するものである。
従来、抗菌性金属成分をゼオライトに担持した抗菌剤が公知である。
特公昭61−22977号公報(特許文献1)は、殺菌効果を有するゼオライト固体粒子が充填された繊維混合物の発明に関し、ゼオライトを粉体として用いる場合は繊維集合体内に安定に保持させるために粒径が1μm以上であることが好ましい旨記載されている。
また、特開昭60−181002号公報(特許文献2)は、ゼオライトを担体とする抗菌性組成物の発明に関し、その実施例4には、平均粒子径が0.6μm、比表面積が894m2/gのゼオライトが開示されている。
しかしながら従来の抗菌性ゼオライトは、経時的に徐々に変色したり、透明性が得られないという問題点が指摘されている。
一方、抗菌性、消臭性上記ゼオライトとして、用途あるいは用法によっては微細なセオライトが有用であることが予測されたが、大きさが0.5μm以下のゼオライトは得られたとしても凝集しており、分散性に優れたゼオライトを得ることは困難であった。
本願特許出願人は、特開昭2007−131551号公報(特許文献3)において、平均粒子径(D)が0.05〜1.0μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.25μmの範囲にあり、(D)/(T)が4以上であり、比表面積が200〜1000m2/gの範囲にある平板状ゼオライトに、銀、銅、亜鉛等の金属イオンおよび/または金属錯イオンを含む抗菌剤を開示している。
このような平均粒子径の比較的小さい平板状ゼオライトは、従来の粒子径の大きなゼオライトに比較して透明性が改善され、基材に付着させて用いる場合の付着性は優れているものの、塗料等に分散させて用いる場合は、分散性および透明性が不充分であった。
特公昭61−22977号公報 特開昭60−181002号公報 特開2007−131551号公報
本発明者等は鋭意検討した結果、ゼオライト合成用のシリカ・アルミナヒドロゲルスラリーを調製し、これに水ガラスを加えた後水熱処理すると、一次粒子径が60nm、二次粒子径が120nm程度のきわめて微細でコロイド状ゼオライトが得られることを見いだし、これに抗菌性金属成分を担持したコロイド状のゼオライトは、樹脂、塗料、繊維、皮革等に添加または塗布して用いると、基材等に対する付着性、分散性、透明性等に優れ、かつ、長期にわたって高い抗菌効果、消臭効果を発揮することを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は透明性等に優れるとともに、高い抗菌性能を長期にわたって維持することのできる抗菌剤を提供することを発明が解決しようとする課題とするものである。
本発明に係る抗菌消臭剤は、平均一次粒子径(D1)が20〜200nmの範囲にあり、平均二次粒子径(D2)が20〜400nmの範囲にあり、(D2)/(D1)が1〜5の範囲にあるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトに、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる1種または2種以上の金属イオンおよび/または金属錯イオンを含むことを特徴としている。
前記コロイド状フォージャサイト型ゼオライトの下記定義による結晶度が0.1〜1.0の範囲にあることが好ましい。
結晶度=CCZ/C1Z
(但し、CCZはコロイド状フォージャサイト型ゼオライトのX線回折におけるミラー指数(3.3.1)、(5.1.1)、(4.4.0)、(5.3.3)、(6.4.2)および(5.5.5)面のピーク総面積である。C1Zは市販のY型ゼオライト(ユニオンカーバイド製:SK-40)のX線回折におけるミラー指数(3.3.1)、(5.1.1)、(4.4.0)、(5.3.3)、(6.4.2)および(5.5.5)面のピーク総面積である。)
前記コロイド状フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が2〜6の範囲にあり、格子定数(UD)が24.60〜24.90Åの範囲にあることが好ましい。
前記金属イオンおよび/または金属錯イオンが銀、銅、亜鉛から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
前記金属イオンおよび/または金属錯イオンの含有量が、金属に換算して0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明の抗菌剤は、基材への塗布性、密着性、膜形成性に優れるとともに、薄膜を形成した場合にも透明性を有し、各種細菌に対する抗菌性能、各種消臭成分に対する消臭性能に優れている。
本発明に係る抗菌消臭剤は、平均一次粒子径(D1)が20〜200nmの範囲にあり、平均二次粒子径(D2)が20〜400nmの範囲にあり、(D2)/(D1)が1〜5の範囲にあるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトに、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる1種または2種以上の金属イオンおよび/または金属錯イオンを含むものである。
[コロイド状フォージャサイト型ゼオライト]
以下、本発明に用いるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトについて説明する。
本発明に係るコロイド状フォージャサイト型ゼオライトは、平均一次粒子径(D1)が20〜200nm、さらには30〜150nmの範囲にあることが好ましい。
また、平均二次粒子径(D2)が20〜400nm、さらには30〜300nmの範囲にあることが好ましい。
このような微細で凝集程度の低いゼオライトは、外部表面積が大きく、抗菌消臭性金属イオンの拡散性、抗菌消臭剤と菌あるいは臭気成分との接触効率に優れる。また、成形性に優れるために成形して用いる場合はバインダーの使用量が少なくて済み、このため成形体中のゼオライトの含有量を多くすることができるとともにバインダー成分によるゼオライトの有効性を阻害することが抑制されるために高い抗菌性能が得られる。また、繊維あるいは基板等に付着させて用いる場合は付着性が高く、脱離しにくいために長期にわたって抗菌消臭性能を維持することができる。
平均一次粒子径(D1)が20nm未満の場合は均一なサイズの結晶を得ることが困難であり、得られたとしても結晶度が低く、このため充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。また、凝集する傾向が強く、後述する(D2)/(D1)が1〜5のものを得ることが困難である。このため繊維あるいは基板等に付着させて用いる場合は付着性が不十分となる場合がある。
平均一次粒子径(D1)が200nmを越えると結晶度は高くなるものの、結晶の外部表面積は小さく、沈降速度は速く、コロイド状ゼオライトの特性を発現しなくなる。このため、抗菌消臭性金属イオンの拡散性、抗菌消臭剤と菌あるいは臭気成分との接触効率が低下するために充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。
平均二次粒子径(D2)が20nm未満の場合は、均一な粒子径の結晶を得ることが困難であり、得られたとしても結晶度が低く、このため充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。
平均二次粒子径(D2)が400nmを越えると、例え平均一次粒子径が小さくとも凝集しているために得られるゼオライトの沈降速度が速く、コロイド状ゼオライトの特性を発現しなくなる。このため繊維あるいは基板等に付着させて用いる場合は付着性が不十分となる場合がある。また、樹脂等に練り込んで使用する場合は高分散しないため充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。
また、平均一次粒子径(D1)と平均二次粒子径(D2)との比(D2)/(D1)が1〜5、さらには1〜4の範囲にあることが好ましい。
(D2)/(D1)が1未満となることは無く、(D2)/(D1)が5を越えると粒子の均一性は失われ、たとえ結晶の一次粒子径が小さくとも、沈降速度は速く、コロイド状ゼオライトの特性を発現しなくなる。このため、抗菌消臭性金属イオンの拡散性、抗菌消臭剤と菌あるいは臭気成分との接触効率が低下するために充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。また、繊維あるいは基板等に付着させて用いる場合は付着性が不十分となる場合がある。さらに、樹脂等に練り込んで使用する場合は高分散しないため充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。
本発明において、平均一次粒子径(D1)は電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子について各粒子の最大径を測定し、これらを平均して求めることができる。また、このとき、凝集状態を観察することができる。測定装置としては、走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製:S-800)等を用いることができる。
平均二次粒子径(D2)は光散乱法によって測定することができ、この測定装置としては、光散乱法粒度分布測定装置((株)堀場製作所製:CAPA-700)を用いることができる。
本発明に用いるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトは、下記定義による結晶度が0.1〜1.0、さらには0.2〜1.0の範囲にあることが好ましい。
結晶度=CCZ/C1Z
(但し、CCZはコロイド状フォージャサイト型ゼオライトのX線回折におけるミラー指数(3.3.1)、(5.1.1)、(4.4.0)、(5.3.3)、(6.4.2)および(5.5.5)面のピーク総面積である。C1Zは市販のY型ゼオライト(ユニオンカーバイド製:SK-40)のX線回折におけるミラー指数(3.3.1)、(5.1.1)、(4.4.0)、(5.3.3)、(6.4.2)および(5.5.5)面のピーク総面積である。)
本発明では、X線回折装置として、粉末X線回折装置((株)リガク:RINT-ULTIMA+)を用いた。
結晶度が0.1未満の場合は結晶度が低すぎて、ゼオライト骨格を確実に構築できておらず、均一なミクロ孔、高い比表面積、イオン交換特性、吸着特性などのゼオライトの持つ特性が失われるため、充分な抗菌性能、消臭性能が得られない場合がある。
結晶度が1.0以上のものは、前記した平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)および比(D2)/(D1)の条件を満たす微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
つぎに、コロイド状フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が2〜6、さらには3〜6の範囲にあることが好ましい。
SiO2/Al23モル比が2未満となることはなく、SiO2/Al23モル比が6を越えるものは後述する本発明の方法によっては、得ることが困難であり、得られたとしても金属イオンのイオン交換による担持量が減少し、抗菌性能が不充分となる。
また、格子定数(UD)が24.60〜24.90Å、さらには24.60〜24.88Åの範囲にあることが好ましい。
格子定数(UD)が24.60Å未満のものは、ゼオライト結晶骨格のSiO2/Al23モル比が6.1より大きく、得ることが困難である。
格子定数(UD)が24.90Å以上のものも本発明の方法によっては、得ることが困難である。
なお、この格子定数(UD)は結晶部分のSiO2/Al23モル比と相関し、格子定数(UD)が大きくなるとSiO2/Al23モル比が低く、格子定数(UD)が小さくなるとSiO2/Al23モル比が高くなることが知られている。一方、前記SiO2/Al23モル比は無定型部分を含めたSiO2/Al23モル比を意味している。
本発明で、格子定数(UD)は、アナターゼのX線回折におけるミラー指数(1.0.1)面の2θ値を基準として、コロイド状フォージャサイト型ゼオライトのX線回折におけるミラー指数(5.3.3)および(6.4.2)面の2θ値を測定し、次式により算出した。
D = フォージャサイトゼオライト(5.3.3)面の2θ(°)
E = アナターゼ(1.0.1)面の2θ(°)
F = フォージャサイトゼオライト(6.4.2)面の2θ(°)
X = E ≡ D
Y = F ≡ E
A = 5.05506 / sin [(X-25.3068)/2]
B = 5.76880 / sin [(X+25.3068)/2]
格子定数(UD)= [(-A)+B]/2
また、コロイド状フォージャサイト型ゼオライトの比表面積は、概ね200〜700m2/gの範囲にあることが好ましい。
ゼオライトの比表面積が200m2/g未満の場合は、充分な抗菌消臭性能が得られないことがある。ゼオライトの比表面積が700m2/gを超えるものは本発明の方法によっては得ることが困難である。なお、ここで比表面積はBET法によって測定される。
[コロイド状フォージャサイト型ゼオライトの合成方法]
次に、本発明に用いるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトの合成方法について説明する。
本発明に用いるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトの合成方法は、下記の工程(a)〜(d)を含むことを特徴としている。
(a)酸化物モル比が下記の範囲にあるシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)を調製する工程
Na2O/Al23 =2〜20 (S1-1)
SiO2/Al23 =2〜22 (S2-1)
2O/Al23 =100〜2000 (S3-1)
(b)シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)を10〜60℃で熟成する工程
(c)珪酸ナトリウム水溶液を加えて酸化物モル比が下記の範囲にあるシリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)を調製する工程
Na2O/Al23 =8〜100 (S1-2)
SiO2/Al23 =12〜200 (S2-2)
2O/Al23 =200〜3000 (S3-2)
(d)シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)を30〜90℃で水熱処理する工程
工程(a)
工程(a)では、酸化物モル比が下記の範囲にあるシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)を調製する。
Na2O/Al23 =2〜20 (S1-1)
SiO2/Al23 =2〜22 (S2-1)
2O/Al23 =100〜2000 (S3-1)
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)の調製に用いる原料のナトリウム源としては、NaOH、珪酸ナトリウム(水ガラス)、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、シリカ源としてはシリカゾル、シリカゲル、テトラアルコキシシランなどの有機珪素化合物、珪酸ナトリウム(水ガラス)、シリカ粉末等が挙げられる。本発明では反応性の点から、珪酸ナトリウム(水ガラス)が好適に用いられる。なお、水ガラスのNa2O/SiO2モル比は1〜3.5のものが通常使用される。
アルミナ源としては、アルミナゾル、アルミナゲル、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、アルミナ粉末等が挙げられる。本発明ではシリカとの反応性、結晶化の点から、アルミン酸ナトリウムが好適に用いられる。
なお、水は前記各原料の水溶液に由来する水であっても良いし、別途水を用いても良い。
各原料を混合した後のNa2O/Al23 モル比は、工程(c)での珪酸ナトリウムの添加量によっても異なるが、2〜20、さらには8〜18の範囲にあることが好ましい。
Na2O/Al23 モル比が前記範囲にない場合は、フォージャサイト型ゼオライトの結晶化が起こらない場合がある。
各原料を混合した後のSiO2/Al23モル比は、工程(c)での珪酸ナトリウムの添加量によっても異なるが、2〜22、さらには10〜20の範囲にあることが好ましい。
SiO2/Al23 モル比が2未満の場合はP型ゼオライトやグメリナイト等のフォージャサイト型ゼオライト以外の結晶が混晶する場合があり、SiO2/Al23 モル比が22を越えると、フォージャサイト型ゼオライトの結晶化が起こらない場合がある。
各原料を混合した後のH2O/Al23 モル比は100〜2000、さらには150〜1500の範囲にあることが好ましい。
2O/Al23 モル比が100未満の場合は、工程(c)での珪酸ナトリウムの添加量によっても異なるが、濃度が高いためか、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)および比(D2)/(D1)の前記条件を満たすフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。具体的には平均二次粒子径(D2)が大きくなったり、結晶化が遅くなる傾向がある。
2O/Al23 モル比が2000を越えると、濃度が低いためか結晶化に長時間を要したり、平均一次粒子径(D1)が200nmを超えて大きくなったり、凝集して二次粒子径が大きくなり過ぎる場合がある。
工程(b)
工程(b)では、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)を10〜60℃、好ましくは20〜50℃で熟成する。
熟成温度が10℃未満の場合は、組成によっても異なるが、ゼオライトの核発生が困難であったり、核発生に長時間を要するために、結晶化が不十分となる場合がある。
熟成温度が60℃を越えるとP型ゼオライトやグメリナイト等のフォージャサイト型ゼオライト以外の結晶が混晶したり、また、得られるフォージャサイトゼオライトの粒子径が大きすぎたり、凝集する場合がある。
熟成時間は、熟成温度、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)の組成によっても異なるが、通常、1〜200時間である。
熟成時間が1時間未満の場合は核発生が少ないためか粒子径の大きなフォージャサイト型ゼオライトが生成したり、結晶性が不十分となる場合がある。
熟成時間が200時間を越えると一次粒子径は小さいものの凝集した結晶が得られたり、P型ゼオライトやグメリナイト等のフォージャサイト型ゼオライト以外の結晶が混晶する場合がある。
工程(c)
前記熟成したシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)に珪酸ナトリウム水溶液を加えて酸化物モル比が下記の範囲にあるシリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)を調製する。
Na2O/Al23 =8〜100 (S1-2)
SiO2/Al23 =12〜200 (S2-2)
2O/Al23 =200〜3000 (S3-2)
珪酸ナトリウム水溶液を加えた後のNa2O/Al23 モル比が前記範囲にない場合は、フォージャサイト型ゼオライトの結晶化が起こらない場合がある。
珪酸ナトリウム水溶液を加えた後のSiO2/Al23 モル比が12未満の場合は得られるフォージャサイトゼオライトの粒子径が大きくなり過ぎる場合があり、SiO2/Al23 モル比が200を越えると、フォージャサイト型ゼオライトの結晶化が起こらない場合がある。
珪酸ナトリウム水溶液を加えた後のH2O/Al23 モル比は200〜3000、さらには250〜2500の範囲にあることが好ましい。
珪酸ナトリウム水溶液を加えた後のH2O/Al23 モル比が200未満の場合は、濃度が高いためか、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)および比(D2)/(D1)の前記条件を満たすフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。具体的には平均二次粒子径(D2)が大きくなる傾向がある。
珪酸ナトリウム水溶液を加えた後のH2O/Al23 モル比が3000を越えると、平均一次粒子径(D1)が200nmを超えて大きくなったり、凝集して二次粒子径が大きくなり過ぎる場合がある。
また、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1)中のSiO2の重量(WS)と添加する珪酸ナトリウム水溶液中のSiO2の重量(WWG)との比(WWG)/(WS)は0.05〜30、さらには0.15〜5の範囲にあることが好ましい。
(WWG)/(WS)が0.05未満の場合は、前記平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)および比(D2)/(D1)の前記条件を満たすフォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。具体的には、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)および比(D2)/(D1)がいずれも大きくなる傾向がある。すなわち、工程(c)で添加する珪酸ナトリウムが一次粒子の大きくなる現象(核粒子の減少、粒子成長の抑制)および凝集の抑制機能を有することが考えられる。
(WWG)/(WS)が30を越えると結晶化に長時間を要したり、P型ゼオライトやグメリナイトやクリストバライトが生成することがあり、また、フォージャサイト型ゼオライトが生成したとしても、結晶度が低かったり、結晶が凝集する傾向がある。
工程(d)
ついで、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)を30〜90℃、好ましくは40〜80℃で水熱処理する。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)の水熱処理温度が30℃未満の場合は、結晶化に長時間を要したり、結晶度が不十分となることがある。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)の水熱処理温度が90℃を越えると平均一次粒子径(D1)が大きくなり過ぎたり、凝集が顕著になることがある。
水熱処理時間は、水熱処理温度、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2)の組成によっても異なるが、通常、2〜200時間、さらには8〜100時間の範囲にあることが好ましい。
水熱処理後、結晶を母液から分離し、洗浄し、必要に応じてイオン交換等してコロイド状フォージャサイト型ゼオライトが得られる。
なお、本発明のコロイド状フォージャサイト型ゼオライトは粒子径が小さく、通常の濾過は採用できず、このため、遠心沈降分離あるいは限外濾過膜法にて洗浄、濃縮、分離等を行う。
このようにして得られたコロイド状フォージャサイト型ゼオライトは、平均一次粒子径(D1)が20〜200nmの範囲にあり、平均二次粒子径(D2)が20〜400nmの範囲にあり、(D2)/(D1)が1〜5の範囲にあることが好ましい。また、結晶度は0.1〜1.0の範囲にあることが好ましい。
[金属イオンおよび金属錯イオン]
前記のように、本発明の抗菌消臭剤では、前記のコロイド状フォージャサイト型ゼオライトが金属イオンおよび/または金属錯イオンを含む。該コロイド状フォージャサイト型ゼオライトは、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる1種または2種以上の金属イオンおよびこれらの金属錯イオンがイオン交換によって担持されていることが好ましく、なかでも、銀、銅、亜鉛から選ばれる1種または2種以上の金属イオン、これらの金属錯イオンが好ましい。
前記金属イオン、金属錯イオンがイオン交換により担持されていると高い抗菌性能、消臭性能を有する抗菌消臭剤を得ることができる。
ここで、金属錯イオンとしては、[Cu(NH3)4]2+、[Ag(NH3)2]+、[Zn(NH3)4]2+等が挙げられる。
このような金属イオン、金属錯イオンの含有量は、金属に換算して0.1〜30重量%、さらには1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
金属イオン、金属錯イオンの含有量が金属に換算して0.1重量%未満の場合は抗菌消臭性能が不十分である。金属イオン、金属錯イオンの含有量が金属に換算して30重量%を超えてはイオン交換により担持することが困難である。
本発明に係る抗菌消臭剤の比表面積は、イオンおよび/または金属の担持量によっても異なるが、200〜700m2/g、さらには250〜700m2/gの範囲にあることが好ましい。
抗菌剤の比表面積が200m2/g未満の場合は、充分な抗菌消臭性能が得られないことがあり、700m2/gを超えるものは得ることが困難である。
[抗菌剤の製造方法]
つぎに、本発明の抗菌消臭剤の製造方法について説明する。
本発明の抗菌消臭剤は、前記抗菌消臭剤が得られれば特に制限はなく、前記コロイド状フォージャサイト型ゼオライトを用いる以外は従来公知の方法によって得ることができる。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライトを特定の元素のイオンによりイオン交換し、必要に応じて成形することによって得ることができ、またコロイド状フォージャサイト型ゼオライトを成形した後、イオン交換することによっても得ることもできる。
金属イオンをイオン交換するには、コロイド状フォージャサイト型ゼオライトを水に分散させ、攪拌しながら、これに金属塩、金属錯塩または金属塩水溶液、金属錯塩水溶液を添加する。金属塩または金属塩水溶液等を添加する前または後にコロイド状フォージャサイト型ゼオライト分散液のpHを、金属塩、金属錯塩の種類によっても異なるが3〜7、さらには4〜6に調整することが好ましい。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライト分散液のpHが3未満の場合はゼオライトの結晶構造が破壊されることがある。コロイド状フォージャサイト型ゼオライト分散液のpHが7を超えると金属塩等の種類にもよるが金属の水酸化物沈殿生成が起こり易くなり、金属イオンのイオン交換が困難となることがある。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライト分散液のpH調整は、分散液に酸またはアルカリを添加すればよく、酸としては硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を用いることができ、アルカリとしては、アルカリ金属水酸化物、炭酸アルカリ、アンモニア等を用いることができる。
金属塩としては、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる1種または2種以上の金属塩、金属錯塩を用いることができ、例えば、硫酸銅、硝酸銅、硝酸銀、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸錫、硝酸錫、硫酸鉛、硝酸鉛、硫酸ビスマス、硝酸ビスマス、硫酸カドミウム、硝酸カドミウム、硫酸クロム、硝酸クロム、硫酸水銀、硝酸水銀、金属錯塩としてはアンモニウム塩等を用いることができる。
なかでも、銀、銅、亜鉛から選ばれる1種または2種以上の金属塩、金属錯塩は安全性の点などで好適に用いることができる。
金属塩、金属錯塩の添加量は、ゼオライトのAl23のモル数を1とした時に、0.1〜5モルの範囲とすることが好ましい。金属塩、金属錯塩の添加量が0.1モル未満の場合はゼオライトに担持される金属イオン、金属錯イオンの量が少なく、充分な抗菌消臭性能が得られないことがある。金属塩、金属錯イオンの添加量が5モルを超えてはイオン交換により担持できる金属イオン、金属錯イオンの量を増やすことは困難で、経済性が低下する問題がある。
イオン交換する際の温度は、通常、室温から98℃、時間は0.5時間から12時間の範囲である。
ついで、ゼオライトを濾過、洗浄する。なお、洗浄後、繰り返し、前記と同様にイオン交換を行うことができる。繰り返しイオン交換を行うことによって金属イオン、金属錯イオンのイオン交換による担持量を増やすことができる。
ついで、濾過、洗浄した後、必要に応じて乾燥し、さらに必要に応じて焼成する。
金属イオン交換についで濾過、洗浄した後、用途によっては水または有機溶媒に分散させて用いることができる。
また、濾過洗浄した後、乾燥して粉体として用いることもできる。
このようにして得られた、金属イオンおよび/または金属錯イオンを担持したコロイド状フォージャサイト型ゼオライトはそのまま抗菌剤として用いることもできるが成形体として用いることもできる。
成形体として用いる場合は、前記金属イオン交換したコロイド状フォージャサイト型ゼオライトを従来公知の方法で成形体とすることができる。
[抗菌剤の使用方法(態様)]
本発明に係る抗菌消臭剤は、前記のようにして得られた粉体をそのまま用いることもできるし、ガラス、プラスチック、金属、木、繊維、布、壁、建材等の基材に塗布、付着させて用いることもできるし、さらに薄膜に成形して用いることもできる。
第1の態様(そのまま用いる場合)としては、粉末、ペレット、ビード等として用いられる。
第2の態様(例えば、繊維に塗布または付着させて用いる場合)としては、ポリエステル、ナイロンなどの合繊繊維へ予め練り込んで使用する場合、あるいはディップニップ等の方法で後処理的に加工して使用する場合がある。
第3の態様(例えば、薄膜として用いる場合)としては、塗料やインキに添加し、塗膜を形成して使用する場合がある。
第4の態様(例えば、樹脂成形体として用いる場合)としては、PP、PE、ABS、PC、PS樹脂等へ練り込み、これを成型して使用する場合がある。
以下、第3の態様について詳述する。
前記粉体抗菌消臭剤、あるいは抗菌消臭剤分散液と塗料用樹脂、必要に応じて溶剤とからなる塗料を基材上に塗布し、硬化させて得ることができる。
抗菌消臭剤分散液としては、水または有機溶媒分散液が用いられ、有機溶媒としては後述する有機溶剤が用いられる。
塗料用樹脂としては、公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のいずれも採用することができる。
具体的には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
本発明に用いるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトは、このような樹脂への分散性に優れ、得られる薄膜は透明性、平坦性、基材との密着性等に優れるとともに長期にわたって高い抗菌消臭性能を発揮することができる。
溶剤としては、前記塗料用樹脂を溶解するとともに、容易に揮発しうる溶剤が含まれていてもよく、塗料用樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、必要に応じて硬化剤が配合されていてもよい。
溶剤としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。また、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン、イソホロン等も用いることができる。さらに、界面活性剤を含んでいてもよい。
塗料中の抗菌消臭剤の濃度は、固形分として0.1〜45重量%、さらには0.2〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
塗料中の抗菌消臭剤の濃度が固形分として0.1重量%未満の場合は、実質的に有用な抗菌消臭性能が得られないことがある。塗料中の抗菌消臭剤濃度が固形分として45重量%を超えると、薄膜の形成性が低下し、得られる被膜の透明性、平坦性および密着性が低下することがある。
また、塗料中の樹脂の濃度は、樹脂を固形分として0.1〜55重量%、さらには0.2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
塗料中の樹脂の濃度が0.1重量%未満の場合は基材との密着性が不充分となる。塗料中の樹脂の濃度が55重量%を越えると得られる薄膜の厚さが不均一になる傾向がある。
また、塗料中の抗菌消臭剤と樹脂の合計濃度は、固形分として1重量%以上、さらには5重量%以上であることが好ましい。
抗菌消臭剤と樹脂の合計濃度が固形分として1重量%未満の場合は、被膜の厚さが薄く、抗菌消臭剤の量が少ないために充分な抗菌消臭性能、長期にわたって高い抗菌消臭性能の維持ができない場合がある。
このような塗料をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法などの周知の方法で基材上に塗布し、乾燥すればよく、必要に応じて加熱処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより、抗菌性の薄膜の硬化を促進させてもよい。
基材としては、公知のものを使用することが可能であり、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等があげられる。

以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)の合成
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)の調製
NaOH水溶液(NaOH濃度48重量%)203gにアルミン酸ソーダ水溶液(Al23濃度22重量%、Na2O濃度17重量%)57.7gを加え、1時間攪拌した。
ついで、これにSiO2濃度16.2重量%の3号水硝子740gを1時間で添加した。この時、温度を30℃に維持した。ついで、30分間撹拌した後、38℃で12時間静置してシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)を調製した。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)の酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=16.0:1.0:16.0:332であった。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-1)の調製
SiO2濃度24重量%の3号水硝子500gにシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-1) 500gを撹拌しながら添加し、30分間攪拌して、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-1)を調製した。この酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=26.0:1.0:48.1:637であった。
ついで、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-1)を60℃で48時間水熱処理した。ついで、遠心分離し、イオン交換水で充分に洗浄し、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)を合成した。得られたコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)について、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)を測定し、結果を表1に示した。図1にはコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)の走査型電子顕微鏡写真(5万倍)を示す。
また、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)の一部を120℃で12時間乾燥して、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比(元素分析によるものと、格子定数と相関するBreckの式から算出したもの)および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
なお、比表面積は、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)を過剰の硫酸アンモニウムの水溶液でイオン交換を3回繰り返し、充分洗浄した後乾燥し、ついで、400℃で2時間焼成したゼオライトについて測定した。
抗菌消臭剤(1)の調製
(Agイオン交換)
上記で得られたNaY型であるコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)10gを純水100gに分散させ、攪拌しながら濃度10重量%の硝酸水溶液でpHを5.5〜6.0に調整した。別途硝酸銀1.8gを純水100gに溶解し、pH調整したNaY型ゼオライト懸濁スラリーを攪拌しながら添加した。添加後、スラリー温度を60℃に調整し、1時間攪拌した後、濾過、洗浄し、ついで、乾燥して10重量%のAgを担持した抗菌消臭剤(1)を得た。
抗菌消臭剤(1)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(P-1)の調製
アクリル系樹脂としてアロマテックスE(三井東圧化学(株)製:Z112、不揮発分45%)95.6重量部、Agを担持した抗菌消臭剤(1)2.2重量部、界面活性剤(北興化学(株)製:ホクスターHP)2.2重量部を混合して塗料組成物(P-1)を調製した。
塗膜(F-1)の形成
充分に水で洗浄して乾燥した厚さ2.0mmの硝子基材表面に、塗料組成物(P-1)をバーコーター法により塗布し、120℃で2分間乾燥した後、200℃で20秒間加熱処理して塗膜(F-1)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
抗菌性試験(JIS Z2801)
塗膜(F-1)に菌懸濁液、0.4mlを接種し、その上に被覆フイルムを被せて蓋をした後、35±1℃、RH90以上で24時間放置後、菌懸濁液を回収して生菌数を測定した。結果を表2に示した。
・菌懸濁液の栄養:肉エキス(3g/L)+ペプトン(10g/L)+塩化ナトリウム(5g/L)を100倍に薄めたもの。
・試験菌:黄色ぶどう球菌、大腸菌、MRSA
・殺菌活性値:Log(植菌数)−Log(試験片生菌数)
消臭試験
5Lテドラバックに消臭抗菌性組成物(1)1gと、初期濃度100ppmのアンモニア試験臭3Lおよび初期濃度4ppmの硫化水素試験臭3Lを封入して2時間放置した後、検知管にて試験臭濃度を測定し、次式により消臭率を求めた。消臭結果を表2に示す。
消臭率(%)=100×(初期消臭濃度−2時間後の消臭濃度)/初期消臭濃度
密着性
JIS K 5400に基づく基盤目試験にて評価した。密着性は10×10の升目100個中の剥離しなかった升目の数を測定し、結果を表2に示した。
平坦性
触針式表面荒さ計(東京精密(株)製:サーフコフ)で表面の平均荒さを評価し、結果を表2に示した。
透明性(1)の評価
分光光度計(日本分光社製:Ubest−55)により波長が500nmでの透過率を測定し、結果を表2に示した。
透明性(2)の評価
前記乾燥して得た10重量%のAgを担持した抗菌消臭剤(1)の分散液(固形分濃度1重量%)を1cmx1cmx5cmのセルに充填し、分光光度計(日本分光社製:Ubest−55)により波長が500nmでの透過率を測定し、結果を表2に示した。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(2)の合成
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-2)の調製
NaOH水溶液(NaOH濃度48重量%)220gにアルミン酸ソーダ水溶液(Al23濃度22重量%、Na2O濃度17重量%)62.7gを加えて、1時間攪拌した。
ついで、これにSiO2濃度18.1重量%の3号水硝子717gを1時間で添加した。この時、温度を30℃に維持した。ついで、30分間撹拌した後、38℃で17時間静置してシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-2)を調製した。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-2)の酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=16.0:1.0:16.0:297であった。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-2)の調製
SiO2濃度24重量%の3号水硝子250gにシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-2)750gを撹拌しながら添加し、30分間攪拌して、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-2)を調製した。この酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=19.1:1.0:25.9:390であった。
ついで、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-2)を60℃で48時間水熱処理した。ついで、遠心分離し、イオン交換水で充分に洗浄し、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(2)を合成した。得られたコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(2)について、実施例1と同様に、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比、および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(2)の調製
実施例1において、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(2)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(2)を得た。
抗菌消臭剤(2)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(P-2)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(2)を用いた以外は同様にして塗料組成物(P-2)を調製した。
塗膜(F-2)の形成
実施例1において、塗料組成物(P-2)を用いた以外は同様にして塗膜(F-2)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(F-2)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(3)の合成
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-3)の調製
NaOH水溶液(NaOH濃度48重量%)203gにアルミン酸ソーダ水溶液(Al23濃度22重量%、Na2O濃度17重量%)57.7gを加えて、1時間攪拌した。
ついで、これにSiO2濃度16.2重量%の3号水硝子740gを1時間で添加した。この時、温度を30℃に維持した。ついで、30分間撹拌した後、38℃で16時間静置してシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-3)を調製した。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-3)の酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=16.0:1.0:16.0:332であった。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-3)の調製
SiO2濃度24重量%の3号水硝子600gにシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-3)400gを撹拌しながら添加し、30分間攪拌して、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-3)を調製した。この酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=31.0:1.0:64.2:789であった。
ついで、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-3)を60℃で48時間水熱処理した。ついで、遠心分離し、イオン交換水で充分に洗浄し、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(3)を合成した。得られたコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(3)について、実施例1と同様に、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)を測定し、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比、および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(3)の調製
実施例1において、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(3)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(3)を得た。
抗菌消臭剤(3)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(P-3)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(3)を用いた以外は同様にして塗料組成物(P-3)を調製した。
塗膜(F-3)の形成
実施例1において、塗料組成物(P-3)を用いた以外は同様にして塗膜(F-3)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(F-3)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(4)の合成
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-4)の調製
NaOH水溶液(NaOH濃度48重量%)188gにアルミン酸ソーダ水溶液(Al23濃度22重量%、Na2O濃度17重量%)56.9gを加えて、1時間攪拌した。
ついで、これにシリカ濃度17.5重量%の3号水硝子755gを1時間で添加した。この時、温度を30℃に維持した。ついで、30分間撹拌した後、38℃で50時間静置してシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-4)を調製した。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-4)の酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=16.0:1.0:17.9:332であった。
シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-4)の調製
SiO2濃度24重量%の3号水硝子500gにシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-5)500gを撹拌しながら添加し、30分間攪拌して、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-5)を調製した。この酸化物モル比は、Na2O:Al23:SiO2:H2O=26.1:1.0:50.5:641であった。
ついで、シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-4)を60℃で48時間水熱処理した。ついで、遠心分離し、イオン交換水で充分に洗浄し、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(4)を合成した。得られたコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(4)について、実施例1と同様に、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)を測定し、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比、および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(4)の調製
実施例1において、コロイド状フォージャサイト型ゼオライト(4)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(4)を得た。
抗菌消臭剤(4)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(P-4)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(4)を用いた以外は同様にして塗料組成物(P-4)を調製した。
塗膜(F-4)の形成
実施例1において、塗料組成物(P-4)を用いた以外は同様にして塗膜(F-4)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(F-4)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
抗菌消臭剤(5)の調製
実施例1において、硝酸銀0.9gを用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(5)を得た。抗菌消臭剤(5)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表に示した。
塗料組成物(P-5)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(5)を用いた以外は同様にして塗料組成物(P-5)を調製した。
塗膜(F-5)の形成
実施例1において、塗料組成物(P-5)を用いた以外は同様にして塗膜(F-5)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(F-5)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
抗菌消臭剤(6)の調製
実施例1において、硝酸銀4gを用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(6)を得た。抗菌消臭剤(6)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(P-6)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(6)を用いた以外は同様にして塗料組成物(P-6)を調製した。
塗膜(F-6)の形成
実施例1において、塗料組成物(P-6)を用いた以外は同様にして塗膜(F-6)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(F-6)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
抗菌消臭剤(7)の調製
実施例1において、硝酸銀1.8gの代わりに硝酸亜鉛六水和物5.2gを用いた以外は同様にして10重量%のZnを担持した抗菌消臭剤(7)を得た。抗菌消臭剤(7)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(P-7)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(7)を用いた以外は同様にして塗料組成物(P-7)を調製した。
塗膜(F-7)の形成
実施例1において、塗料組成物(P-7)を用いた以外は同様にして塗膜(F-7)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(F-7)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
比較例1
フォージャサイト型ゼオライト(R1)の合成
実施例1と同様にして調製したシリカアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)について、これを水硝子と混合せずに60℃で48時間水熱処理した以外は実施例1と同様にして、フォージャサイト型ゼオライト(R1)を合成した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(R1)について、実施例1と同様に、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)を測定し、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比、および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(R1)の調製
実施例1において、フォージャサイト型ゼオライト(R1)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(R1)を得た。
抗菌消臭剤(R1)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(RP-1)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(R1)を用いた以外は同様にして塗料組成物(RP-1)を調製した。
塗膜(RF-1)の形成
実施例1において、塗料組成物(RP-1)を用いた以外は同様にして塗膜(RF-1)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(RF-1)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
比較例2
フォージャサイト型ゼオライト(R2)の合成
実施例1と同様にして調製した透明性シリカアルミナヒドロゲルスラリー(2-1)を95℃で48時間水熱処理した以外は同様にしてフォージャサイト型ゼオライト(R2)を合成した。得られたフォージャサイト型ゼオライト(R2)について、実施例1と同様に、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)を測定し、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比、および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(R2)の調製
実施例1において、フォージャサイト型ゼオライト(R2)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(R2)を得た。
抗菌消臭剤(R2)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(RP-2)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(R2)を用いた以外は同様にして塗料組成物(RP-2)を調製した。
塗膜(RF-2)の形成
実施例1において、塗料組成物(RP-2)を用いた以外は同様にして塗膜(RF-2)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(RF-2)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表2に示した。
比較例3
フォージャサイト型ゼオライト(R3)の合成
(ゲル状物水溶液の調製)
Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ナトリウム溶液463.6gに、攪拌しながら21.35wt%の水酸化ナトリウム水溶液3771.2gを加えた。この溶液をシリカ濃度24wt%の3号水硝子3675g中に、攪拌しながら加えてゲル状凝集物を発生させた。このゲル状凝集物を含有する液の組成は次に示す酸化物モル比であった。
Na2O/Al23 = 15.9
SiO2/Al23 = 14.7
2O/Al23 = 330
さらに、これを約1時間攪拌した後、30℃で12時間静置して、ゲル状凝集物を含有する液を得た。このゲル状凝集物の粒子径は1.0〜5.0μmの範囲であった。
(マトリックスとしての複合酸化物ゾルの調製)
SiO2として30wt%を含有するシリカゾル809.3gを純水295.9gで希釈し、このゾルとシリカ濃度24wt%の3号水硝子1023.4gとを混合した。次いで、この液に、攪拌しながら、Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ソーダ溶液455.5gを加えて、次の酸化物組成を有するゲル状反応物を得た。このゲル状反応物の粒子径は5.0〜10.0μmであった。
Na2O/Al23 = 2.56
SiO2/Al23 = 8.29
2O/Al23 = 103.9
(反応混合物の調製)
前述のゲル状反応物に、攪拌しながら、前述のゲル状凝集物を含有する液139.5gを加え3時間室温で撹絆混合した。このようにして得られたゲル状反応混合物の組成は次に示す酸化物モル比であった。
Na2O/Al23 = 2.8
SiO2/Al23 = 8.4
2O/Al23 = 108
これを結晶化槽に移して、95〜98℃で50時間加温熟成を行った。熟成終了後、結晶生成物を取り出し、濾過、洗浄してフォージャサイト型ゼオライト(R3)を合成した。
得られたフォージャサイト型ゼオライト(R3)について、実施例1と同様に、平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)を測定し、結晶度、格子定数、SiO2/Al23比、および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(R3)の調製
実施例1において、フォージャサイト型ゼオライト(R3)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(R3)を得た。
抗菌消臭剤(R3)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(RP-3)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(R3)を用いた以外は同様にして塗料組成物(RP-3)を調製した。
塗膜(RF-3)の形成
実施例1において、塗料組成物(RP-3)を用いた以外は同様にして塗膜(RF-3)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(RF-3)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表3に示した。
比較例4
フォージャサイト型ゼオライト(R4)の合成
(ゲル状物水溶液の調製)
Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ナトリウム溶液57.0gに攪拌しながら、Na2Oとして37.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液187.4gを加えた。この溶液を攪拌しながらシリカ濃度24wt%の3号水硝子549.8gを純水205.8g中に加えた溶液に、20℃、8.1g/minで添加した。その添加後の組成は次に示す酸化物モル比であった。
Na2O/Al23 = 16.0
SiO2/Al23 = 17.9
2O/Al23 = 332
これを約1時間攪拌した後、30℃で16時間静置してゲル状凝集物を含んだ水溶液を得た。このゲル状凝集物の粒子径は1.0〜5.0μmの範囲であった。
(マトリックスとしての複合酸化物ゾルの調製)
平均粒子径50Å、シリカ濃度20wt%のシリカゾル40.4gを純水2864.0gで希釈したものを80℃に加温した。この希釈ゾルにSiO2として24.0wt%の3号水硝子279.5gを純水3356.4gで希釈したものとAl23として22.0wt%のアルミン酸ナトリウム62.9gを純水3574.0gで希釈したものを、4時間かけて同時添加した。さらに、Na2Oとして3wt%の水酸化ナトリウム111.0gを1時間かけて添加した。その間希釈ゾルの温度を80℃に保持した。添加終了後、このゾルを室温まで冷却し、SiO2−Al23複合酸化物ゾル9000gを得た。
この複合酸化物ゾルの分散質微粒子を化学分析法に基づいて測定した結果、次の組成であった。なお、水分量は、1000℃で1時間の灼熱減量から求めた。この複合酸化物ゾルの粒子径は0.02〜0.04μmであった。
Na2O/Al23 = 4.3
SiO2/Al23 = 9.1
2O/Al23 = 3660
(反応混合物の調製)
マトリックスとして前記SiO2−Al23複合酸化物ゾル9000gを攪拌しながら、前記ゲル状物水溶液1000gを加え30分室温で攪拌混合した。このようにして得られたゲル状反応混合物の組成は次に示す酸化物モル比であった。
Na2O/Al23 = 9.9
SiO2/Al23 = 12.5
2O/Al23 = 2072
このゲル状反応混合物を結晶化槽に移して、攪拌することなく95〜98℃で72時間加温熟成を行って結晶化させた。熟成終了後、結晶生成物を取り出し、濾過、洗浄してフォージャサイト型ゼオライト(R4)を合成した。
フォージャサイト型ゼオライト(R4)は平板状のゼオライトであり、平面の幅を平均粒子径として、その値は0.5μmであり、平均厚みは0.07μmであった。SiO2/Al23モル比5.00であった。また、結晶度、格子定数および比表面積を測定し、結果を表1に示した。
抗菌消臭剤(R4)の調製
実施例1において、フォージャサイト型ゼオライト(R4)を用いた以外は同様にして抗菌消臭剤(R4)を得た。
抗菌消臭剤(R4)について、組成、BET法による比表面積を測定し、結果を表1に示した。
塗料組成物(RP-4)の調製
実施例1において、抗菌消臭剤(R4)を用いた以外は同様にして塗料組成物(RP-4)を調製した。
塗膜(RF-4)の形成
実施例1において、塗料組成物(RP-4)を用いた以外は同様にして塗膜(RF-4)を形成した。このとき、膜厚は5μmであった。
塗膜(RF-4)について、抗菌性能、消臭性能、密着性、平坦性および透明性を評価し、結果を表3に示した。
実施例1で得られたコロイド状フォージャサイト型ゼオライト(1)の走査型電子顕微鏡写真(5万倍)である。

Claims (5)

  1. 平均一次粒子径(D1)が20〜200nmの範囲にあり、平均二次粒子径(D2)が20〜400nmの範囲にあり、(D2)/(D1)が1〜5の範囲にあるコロイド状フォージャサイト型ゼオライトに、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀から選ばれる1種または2種以上の金属イオンおよび/または金属錯イオンを含むことを特徴とする抗菌消臭剤。
  2. 前記コロイド状フォージャサイト型ゼオライトの下記定義による結晶度が0.1〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の抗菌消臭剤。
    結晶度=CCZ/C1Z
    (但し、CCZはコロイド状フォージャサイト型ゼオライトのX線回折におけるミラー指数(3.3.1)、(5.1.1)、(4.4.0)、(5.3.3)、(6.4.2)および(5.5.5)面のピーク総面積である。C1Zは市販のY型ゼオライト(ユニオンカーバイド製:SK-40)のX線回折におけるミラー指数(3.3.1)、(5.1.1)、(4.4.0)、(5.3.3)、(6.4.2)および(5.5.5)面のピーク総面積である。)
  3. 前記コロイド状フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が2〜6の範囲にあり、格子定数(UD)が24.60〜24.90Åの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌消臭剤。
  4. 前記金属イオンおよび/または金属錯イオンが銀、銅、亜鉛から選ばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌消臭剤。
  5. 前記金属イオンおよび/または金属錯イオンの含有量が、金属に換算して0.1〜30重量%の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌消臭剤。
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