JP2009199535A - 脳波識別方法の調整装置および方法 - Google Patents
脳波識別方法の調整装置および方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009199535A JP2009199535A JP2008043051A JP2008043051A JP2009199535A JP 2009199535 A JP2009199535 A JP 2009199535A JP 2008043051 A JP2008043051 A JP 2008043051A JP 2008043051 A JP2008043051 A JP 2008043051A JP 2009199535 A JP2009199535 A JP 2009199535A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- event
- electroencephalogram
- related potential
- menu item
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 145
- 210000004556 brain Anatomy 0.000 title claims abstract description 56
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims abstract description 32
- 238000004590 computer program Methods 0.000 claims description 10
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 37
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 35
- 230000008569 process Effects 0.000 description 27
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 10
- 238000012882 sequential analysis Methods 0.000 description 8
- 230000006870 function Effects 0.000 description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 5
- 230000008859 change Effects 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 3
- 210000003128 head Anatomy 0.000 description 3
- 230000003340 mental effect Effects 0.000 description 3
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 3
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 3
- 238000012935 Averaging Methods 0.000 description 2
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 2
- 210000000624 ear auricle Anatomy 0.000 description 2
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 2
- 230000008450 motivation Effects 0.000 description 2
- 230000003183 myoelectrical effect Effects 0.000 description 2
- 230000004044 response Effects 0.000 description 2
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 2
- 125000002066 L-histidyl group Chemical group [H]N1C([H])=NC(C([H])([H])[C@](C(=O)[*])([H])N([H])[H])=C1[H] 0.000 description 1
- 230000003935 attention Effects 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 239000012141 concentrate Substances 0.000 description 1
- 238000012790 confirmation Methods 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000004070 electrodeposition Methods 0.000 description 1
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 239000004615 ingredient Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 230000001936 parietal effect Effects 0.000 description 1
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 1
- 210000004761 scalp Anatomy 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- 230000035807 sensation Effects 0.000 description 1
- 230000001953 sensory effect Effects 0.000 description 1
- 230000000392 somatic effect Effects 0.000 description 1
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 description 1
- 230000000638 stimulation Effects 0.000 description 1
- 230000001052 transient effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
- User Interface Of Digital Computer (AREA)
Abstract
【課題】脳波を利用するインタフェースを備えたシステムにおいて、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していたかどうかを判定し、ユーザが意図しない機器動作を減少させる。
【解決手段】
脳波識別方法の調整装置は、脳波インタフェースシステムに用いられる。当該システムは、脳波信号を取得する生体信号計測部と、操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された事象関連電位に基づいて機器を動作させる脳波インタフェース部とを有する。調整装置は、メニュー項目ハイライト前の事象関連電位の波形の傾きを算出する分析部と、分析部で算出した波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、事象関連電位の測定後で、かつ、メニュー項目ハイライト後に得られた事象関連電位を調整する調整部とを備えている。
【選択図】図12
【解決手段】
脳波識別方法の調整装置は、脳波インタフェースシステムに用いられる。当該システムは、脳波信号を取得する生体信号計測部と、操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された事象関連電位に基づいて機器を動作させる脳波インタフェース部とを有する。調整装置は、メニュー項目ハイライト前の事象関連電位の波形の傾きを算出する分析部と、分析部で算出した波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、事象関連電位の測定後で、かつ、メニュー項目ハイライト後に得られた事象関連電位を調整する調整部とを備えている。
【選択図】図12
Description
本発明は、脳波を利用して機器を操作することが可能なインタフェース(脳波インタフェース)システムに関する。より具体的には、ユーザの脳波をリアルタイムで計測し、的確に解析するために、脳波インタフェース使用時のユーザの脳波のうちメニュー項目ハイライト前に出現する陰性成分を用いて、ユーザがメニュー項目の選択のための脳波を出している状態か否かを判定し、選択のための脳波を出していない場合を除去する装置を備えた脳波インタフェースシステムに関する。
近年、テレビ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の様々な種類の情報機器が普及し、人間の生活に入り込んできたため、ユーザは普段の生活の中の多くの場面で情報機器を操作する必要が生じている。通常、ユーザは手を使ってボタン等の入力手段(インタフェース部)を介して入力コマンドを入力し、機器の操作を実現している。しかし、たとえば、家事、育児や運転をしているときなど、両手が機器操作以外のタスクで塞がっている状況ではインタフェース部を利用した入力が困難となり、機器操作が実現できなかった。そのため、あらゆる状況で情報機器を操作したいというユーザのニーズが高まっている。
このようなニーズに対して、ユーザの生体信号を利用した入力手段が開発されている。たとえば非特許文献1では、脳波の事象関連電位を用いてユーザが選択したいと思っている選択肢を識別するという技術が開示されている。非特許文献1に記載された技術を具体的に説明すると、選択肢をランダムにハイライトし、選択肢がハイライトされたタイミングを起点に約300ms後に出現する事象関連電位のP3成分を利用して、ユーザが選択したいと思っている選択肢の識別を実現している。この技術によって、ユーザは手を使うことなく、選択したいと思った選択肢を特定可能となる。
ここで「事象関連電位」とは、外的あるいは内的な事象に時間的に関連して生じる脳の一過性の電位変動をいう。脳波インタフェースは、外的な事象として視覚に対する刺激によって得られる事象関連電位を利用する。たとえば、視覚刺激に対する事象関連電位のうちの、いわゆるP3成分と呼ばれる成分を利用すると、チャンネルの切り替え、視聴を希望する番組のジャンルの選択、音量の調整などの処理を行うことができる。「P3成分」とは、事象関連電位のうちの、聴覚、視覚、体性感覚などの感覚刺激の種類に関係なく標的刺激提示後250msから500msの時間帯に出現する陽性成分をいう。
事象関連電位をインタフェースに応用するためには、対象の事象関連電位(たとえばP3成分)を高い精度で識別することが重要である。そのために、生体信号を精度良く計測すること、および、計測した生体信号を適切な識別手法によって精度良く識別することが必要となる。
識別率が低下する原因は、二つに大別できる。一つ目の原因は、脳波インタフェースに用いる成分(P3成分等)は脳波に含まれているにも関わらず、S/Nが低いことや識別手法の精度が低いことである。そのため、精度の高い識別が困難になり、識別率が低下する。二つ目の原因は、たとえば被験者の状態に応じて、対象の脳波成分がそもそも出現していないため、識別ができないことである。脳波インタフェースは無理に識別しようとするため、誤った識別結果を出力する。その結果、識別率が低下する。
上述の第一の原因に対しては、脳波に混入するノイズの除去方法、精度の高い識別方法がそれぞれ開発されつつある。たとえば、特許文献1では、バンドパスフィルタを用いて、脳波に含まれるノイズのうち、商用電源ノイズ等の識別対象(事象関連電位)の周波数とは異なる周波数で混入するノイズを除去した後で、識別を行うことで識別率を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2では、単純な周波数フィルタでは除去がしにくい眼電等の生体由来のノイズを除去する技術として、眼電が含まれた試行は識別対象から除外することで識別率を向上させる技術が開示されている。
上述の第二の原因に対しては、対象の脳波成分が出現しない環境は排除する、という手法が採られていた。具体的には、従来の実験室条件での実験では、外乱を排除した実験室で課題に集中するよう教示したり、確認ボタンの押下をさせる等によって被験者の状態を統制することで、定常的に反応を出現させるという手法が採られてきた。
国際公開2005/001677号パンフレット
特開平10−146323号公報
エマニュエル・ドンチン(Emanuel Donchin)、他2名、"The Mental Prosthesis : Assessing the Speed of a P300−Based Brain−Computer Interface"、IEEE TRANSACTIONS ON REHABILITATION ENGINEERING、Vol. 8、2000年6月
入戸野宏、「心理学のための事象関連電位ガイドブック」、北大路書房、2005年、32頁
しかしながら、テレビやDVDレコーダ等の日常的に用いられる実機の操作に脳波インタフェースを利用する場合には、ユーザが画面表示に集中しているとは限らない。換言すれば、ユーザの脳波には、常にメニュー選択のための脳波が出現しているとは限らない。
たとえば、脳波インタフェースの画面が提示されているにもかかわらずユーザがそれ以外の作業(たとえば家事や育児)を並行して行っている場合に、その作業に気を取られてメニューを見ていないという状況が発生する。このような状況下では、インタフェース画面を常に注視することは難しい。また、ユーザが次に選択するメニュー項目を選んでいる途中にメニュー項目のハイライトが開始されると、メニュー選択のための脳波が出現していないという状況が発生する。ユーザは次に選択するメニュー項目を選ぶために時間を要する。よって脳波インタフェースメニュー提示直後に選択のための脳波が出現すると考えることは難しい。
上述の例は、前述した二つ目の原因である、対象の脳波成分がそもそも出現していないという状況に対応している。このような状況は多く想定し得るため、脳波に基づく識別ができない状況が増加すると考えられる。
ところで、ユーザがメニュー項目を見ていない場合には、ユーザが選択したいと思っているメニュー項目がハイライトされてもP3成分は出現しない。しかしながら、たとえばP3成分に似た波形のノイズが偶然混入した場合には、ユーザの意図しないメニュー項目が選択されてしまう。これは、実験室条件の実験からは想定されなかった課題であり、脳波を日常的に計測し、インタフェースに利用するとしたときに初めて認識されたものである。
本発明の目的は、日常的に脳波インタフェースが利用され機器が操作される状況下において、ユーザが意図しない機器動作を減少させることにある。
本発明による、脳波識別方法の調整装置は、脳波インタフェースシステムにおいて、脳波インタフェース部の識別方法を調整するために用いられる。前記脳波インタフェースシステムは、機器の操作メニューを視覚的に提示する出力部と、ユーザの脳波信号を取得する生体信号計測部と、前記操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を、前記出力部を介して逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された前記事象関連電位に基づいて前記機器を動作させる脳波インタフェース部とを有しており、前記調整装置は、前記メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出する分析部と、前記分析部で算出した前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を調整する調整部とを備えている。
前記脳波インタフェース部が、複数のメニュー項目の各々をランダムに提示するときにおいて、前記調整部は、前記閾値を0(μV/s)として、前記分析部で算出した前記波形の傾きが負であるときは、前記脳波信号を前記脳波インタフェース部における識別対象から除外してもよい。
前記分析部は、前記脳波インタフェース部からハイライトの時間間隔t1を示す情報を取得し、前記メニュー項目がハイライトされる時刻tよりも予め保持したオフセット値t2だけ前から、前記時刻tまでの事象関連電位の波形を切り出してもよい。
前記分析部は、切り出した前記事象関連電位の波形の傾きを、最小二乗法によって算出してもよい。
前記分析部は、切り出した前記事象関連電位の波形の時間幅に応じて、ローパスフィルタを適用してもよい。
前記調整部は、予め計測したユーザごとの閾値を保持し、前記ユーザごとの閾値と、前記分析部で算出された前記波形の傾きとを比較してもよい。
前記脳波インタフェース部が、画面上に所定の配列で配置された前記複数のメニュー項目の各々を順に提示するときにおいて、前記分析部は、前記各メニュー項目のハイライトに対応して、前記各メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出し、前記調整部は、前記分析部で算出した前記波形の傾きの各々と前記閾値とを比較してもよい。
前記分析部で算出した前記波形の傾きが所定の負の閾値よりも大きい場合には、前記調整部は、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を識別対象から除外するよう前記脳波インタフェース部に指示してもよい。
前記調整部は、前記事象関連電位(μV)を時間(s)で除算することによって前記波形の傾きを求め、前記負の閾値である−4と比較してもよい。
前記脳波インタフェース部は、パラメータを利用して、前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別しており、前記分析部で算出した前記波形の傾きが所定の負の閾値よりも小さい場合には、前記調整部は、前記脳波インタフェース部において利用されるパラメータを変更して、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位の識別基準をより低くしてもよい。
前記分析部で算出した前記波形の傾きが所定の負の閾値よりも大きい場合には、前記調整部は、前記脳波インタフェース部において利用されるパラメータを変更して、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位の識別基準をより高くしてもよい。
前記調整部は、前記分析部で算出した前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を識別対象から除外するよう前記脳波インタフェース部に指示してもよい。
本発明による調整方法は、脳波インタフェースシステムにおいて、脳波インタフェース部の識別方法を調整するために用いられる。前記脳波インタフェースシステムは、機器の操作メニューを視覚的に提示する出力部と、ユーザの脳波信号を取得する生体信号計測部と、前記操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を、前記出力部を介して逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された前記事象関連電位に基づいて前記機器を動作させる脳波インタフェース部とを有している。前記方法は、前記メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出するステップと、前記算出するステップによって算出された前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を調整するステップとを包含する。
本発明によるコンピュータプログラムは、脳波インタフェースシステムにおいて、脳波インタフェース部の識別方法を調整するために用いられる。前記脳波インタフェースシステムは、機器の操作メニューを視覚的に提示する出力部と、ユーザの脳波信号を取得する生体信号計測部と、前記操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を、前記出力部を介して逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された前記事象関連電位に基づいて前記機器を動作させる脳波インタフェース部とを有している。前記コンピュータプログラムは、前記脳波インタフェースシステムに実装されるコンピュータに対し、前記メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出するステップと、前記算出するステップによって算出された前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を調整するステップとを実行させる。
本発明によれば、メニュー項目ハイライト前においてユーザの事象関連電位の波形の傾きが閾値よりも大きい場合に、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していないとして、メニュー項目ハイライト後に得られた事象関連電位を識別対象から除外するという方法で識別方法を調整する。これにより、脳波を日常的に計測するインタフェースにおいて問題となる、メニュー項目の見落としによる誤識別がなくなるため、識別率が高く維持できる。よって、脳波の識別ミスによるユーザの意図しない機器動作が減少するため脳波インタフェースの操作性向上を実現できる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による脳波インタフェースシステムおよび脳波インタフェースシステムに組み込まれる識別方法の調整装置の実施形態を説明する。
本願発明者らは、ハイライトされた選択肢(メニュー項目)からユーザがメニュー選択のためにメニュー項目に注目しているときには、メニュー項目ハイライト前の脳波の事象関連電位に陰性シフトが出現することを発見した。事象関連電位の「陰性シフト」とは、事象関連電位が時間を追って正から負の方向へと徐々に値を小さくしていくことをいう。典型的には、事象関連電位の波形を直線近似することにより、その傾きが負になっていることによって確認できる。
本発明では、脳波を利用したインタフェースを備えたシステムにおいて、メニュー項目ハイライト前のユーザ脳波の陰性シフトの有無または陰性シフトの程度に基づき、ユーザがメニュー項目選択のための脳波を出しているかどうかを判定する。そしてユーザがメニュー項目の選択のための脳波を出していない場合には、その後、メニュー項目がハイライトされた後に取得された事象関連電位を識別対象から除外することで、誤識別によるユーザの意図しない機器動作を減少させる。これにより、視線検出装置等を新たに加えることなく、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していなかった場合の検出が実現できる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による脳波インタフェースシステムおよび脳波インタフェースシステムに組み込まれる識別方法調整装置の実施形態を説明する。
以下では、まず脳波インタフェースシステムの概要および、ユーザがメニュー選択のための脳波を出しているか否かに特徴的な脳波成分を探索するために、本願発明者らが実施した実験について説明し、その後識別方法調整装置の構成および動作を説明する。
図1は、脳波インタフェースシステム1の構成および利用環境を示す。この脳波インタフェースシステム1は後述する実施形態1のシステム構成に対応させて例示している。
脳波インタフェースシステム1は、ユーザ5の脳波信号を利用してTV2を操作するインタフェースを提供するためのシステムである。ユーザ5の脳波信号はユーザが頭部に装着した生体信号計測部50によって取得され、無線または有線で脳波インタフェース部100に送信される。TV2に内蔵された脳波インタフェース部100は、脳波の一部を構成する事象関連電位と呼ばれる成分を利用してユーザの意図を認識し、チャンネルの切り替えなどの処理を行う。
図2は、脳波インタフェースシステム1においてTV2を操作し、ユーザ5が視聴したい番組を見るときの例を示す。
図2(a)は、脳波インタフェース部100がTV2の画面7aを介してユーザに提示するメニューの例である。図2(a)では、画面7a−1から画面7a−4において、それぞれ「野球」、「天気予報」、「アニメ」、「ニュース」というメニュー項目が順にまたはランダムにハイライトされる様子を示している。本明細書において、図2(a)に示した機器操作に関する選択肢群を「メニュー」、選択肢の一つ一つを「メニュー項目」と定義する。メニュー項目をハイライトすることによって、それぞれのメニュー項目がハイライトされた時刻を起点とした事象関連電位が計測可能となる。なお、ハイライトの代わりに、または後述する図6(b)のように、ハイライト70と共に補助的矢印71を用いたポインタでメニューを提示してもよい。
図2(b)は、メニュー項目がハイライトされた時刻を起点に計測したユーザの脳波信号の事象関連電位を模式的に示す。今、ユーザは「天気予報」を見たいと考えていたとする。画面7a−1から画面7a−4までのそれぞれに対応する脳波信号201〜204のうち、ユーザ5が「天気予報」がハイライトされた画面7a−2を見ると、「天気予報」がハイライトされた時刻を起点に潜時約400−450msに特徴的な陽性の成分が出現する(非特許文献1)。
脳波インタフェース部100がこのP3成分の出現を識別すると、ユーザが選択したいと考えていたメニュー項目「天気予報」の選択が可能となる。図2(c)では、P3成分を識別した結果、チャンネルが「天気予報」に切り替えられた後の画面7a−5を示している。
図3は、脳波インタフェースの処理手順の例を示す(処理手順A)。ステップS101において、脳波インタフェース部100はたとえば4つのメニュー項目を含んだ脳波インタフェースメニュー(図2(a)の左側)を提示する。ここで、必須ではないが問いかけの文章(図2(a)の右側)を脳波インタフェースメニューと共に提示してもよい。ステップS102において、脳波インタフェース部100は次にハイライトするメニュー項目を選択する。次にハイライトするメニュー項目はランダムな順序に選択してもよいし、降順に選択してもよい。ステップS103において、ステップS102によって選択されたメニュー項目をハイライトする。
ステップS104において、脳波インタフェース部100は、ステップS103においてメニュー項目がハイライトされた時刻を起点に、たとえば500ms分のユーザの事象関連電位を計測する。事象関連電位として切り出す区間は、300−500msに出現するP3成分が含まれれば、たとえば800ms、1000msであってもよい。ここでは、図2(b)に模式的に示す脳波信号の事象関連電位201〜204が計測される。
ステップS105において、ステップS104で計測した事象関連電位にP3成分が含まれているか否かを識別する。P3成分の識別は、単純に波形の最大振幅または波形のある区間の平均電位があらかじめ設定した閾値よりも大きいかどうかを判定してもよいし、特許文献2に記載のようにあらかじめユーザごとに計測したP3成分の加算平均波形で作成したテンプレートとの相関係数を算出してもよい。なお、閾値は、ユーザごとに決定してもよい。ステップS105でYesの場合、ステップS106に進み、Noの場合はステップS102に戻り次のメニュー項目を選択する。
ステップS106において、脳波インタフェース部100はステップS105によって選択されたメニュー項目に対応する処理を実行する。これにより、そのメニュー項目が選択され、実行されて、図2(c)に示す画面7a−5が表示される。たとえば、図2の例で言えば、天気予報が選択され、天気予報の番組が提示された。
このような脳波インタフェースシステム1によれば、たとえば家事や育児で両手が塞がっている場合にもユーザは手を使わずにTV2等の機器を操作することが可能となる。よって機器の操作性が格段に向上する。
上述の処理では、メニュー項目がハイライトされたタイミングにおいて、ユーザがメニューを見ていない場合や選択するメニュー項目を選ぶ途中段階で選択のための脳波を出していない場合には、ステップS103においてP3成分は計測されない。しかしながら、ステップS104において取得した事象関連電位にノイズ(たとえば眼電)が混入しP3成分に似た波形を示した場合には、ステップS105においてP3成分ありと判定され、ステップS106においてユーザが意図しないメニュー項目が選択される可能性があった。
別の識別方法として、たとえばそれぞれのメニュー項目がハイライトされた後の事象関連電位を比較し、最もP3成分が出現した可能性の高いものを選択するという処理の手順(処理手順B)を用いたとしても同様にユーザが意図していないメニュー項目が選択される可能性があった。処理手順Bを用いた場合には、事象関連電位の比較によってP3成分と近いものの選択が可能であるため、多少のノイズが混入しても機器動作が実現できる。
図4に、脳波インタフェースの処理手順Bを示す。なお、図3に示す脳波インタフェースの処理手順と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。ステップS107において、全ての選択項目が少なくとも一度はハイライトされたかどうかにより分岐する。ステップS107でYesの場合、ステップS108に進み、Noの場合はステップS102に戻り次のメニュー項目を選択する。
ステップS108において、ステップS104で取得したメニュー項目ごとの事象関連電位にP3成分が含まれる可能性を計算し、項目ごとに比較をして一番近いメニュー項目をP3成分ありと識別し、選択項目として決定する。項目ごとの事象関連電位にP3成分が含まれる可能性は、図3中のステップS104のように、単純に波形の最大振幅値として最大振幅が最大のものを選んでもよいし、ある区間の平均電位の大きさを求め平均電位が最大のものを選んでもよい。また、テンプレートとの相関係数の値が大きいものを選んでもよい。
このように、メニュー項目ごとの事象関連電位を比較し、最もP3成分が出現した可能性の高い選択項目を選ぶことで、多少のノイズが混入しても識別が可能な識別方法が実現される。処理手順Bを用いた場合も同様である。しかしながら、ユーザがメニューを見ていない場合や選択するメニュー項目を選ぶ途中段階で選択のための脳波を出していない場合にも、P3成分が含まれている可能性のあるいずれかのメニュー項目が選択されてしまうため、ユーザの意図しないメニュー項目が選択される可能性があった。
これらのユーザが意図しないメニュー項目の選択は、いずれもユーザがメニュー選択のための脳波を出していたかどうかを機器側が判定できないために発生する。メニュー選択のための脳波を出していたか否かの判定が可能であれば、メニュー選択のための脳波を出していない場合には識別対象から除外するなど識別方法の調整によって、これらの意図しない機器動作をなくすことができる。
本願発明者らは、脳波インタフェースを利用するユーザのメニュー項目ハイライト前の脳波が陰性シフトしていたか否かを判定することで、ユーザがメニュー選択のための脳波を出しているかどうかの判定が可能であることを発見した。これにより、視線検出装置等を新たに加えることなく、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していなかった場合の検出が実現できる。以下、図5から図11を参照しながら本願発明者らが実施した実験および実験結果について説明する。
実験は、2名の参加者(男性)に対して、ハイライトの方法を変えて、ランダムな順番でメニュー項目のハイライトを行うランダム実験と、降順にハイライトを行う降順実験の2種類を実施した。脳波は頭皮上Pz(国際10−20法)から右耳朶を基準に計測した。また、視覚刺激は被験者の目前2mの37インチプラズマディスプレイに提示した。
まず、ランダム実験について説明する。ランダム実験では、ユーザが選択のための脳波を出しているか否かによる波形の違いを調べるために、メニュー選択のための脳波を出す条件/出さない条件の2条件で実験を実施し、メニュー項目ハイライト前の波形を比較した。
はじめに、図5を参照しながらランダム実験の機器側のフローを説明する。機器側のフローは、メニュー選択のための脳波を出すか出さないかの条件に関わらず、同様である。
ステップS50は、被験者の脳波計測を開始するステップである。
ステップS51は、脳波インタフェースメニューの4つのメニュー項目を提示し、メニュー項目の種類をユーザに示すステップである。図6(a)に実際に被験者に提示したメニュー項目を簡略化して示す。我々の実験では2秒間提示した。なお、ステップS51は、メニュー項目ハイライト開始の前に脳波を安定させ、眼電等のノイズを低減させる効果もある。
ステップS52は、次にハイライトするメニュー項目をランダムに選択するステップである。なお、同一のメニュー項目は連続で選択しないようにした。
ステップS53は、ステップS52で選択したメニュー項目を1000ms間ハイライトするステップである。ハイライトの例を図6(b)に示す。
ステップS54は、ステップS53でメニュー項目がハイライトされた時刻を0msとしてハイライト前の脳波を切り出し、事象関連電位を取得するステップである。切り出す事象関連電位は、一つ前のハイライトに対する影響が少ないハイライト前600msからハイライトがされるまでの600ms間とした。
ステップS55は、メニュー項目がハイライトされた回数nによる分岐で、ハイライトの回数が20回以下の場合にはステップS52に進み、メニュー項目のハイライトを繰り返す。これによって、メニュー項目ごとに5回(20回÷4メニュー項目)ずつハイライトを実行する。これは、実験的に事象関連電位を繰り返し加算平均して、成分の確認をより確実に行うためのステップである。なお、実際に脳波インタフェースを利用する場合にはステップS55は必ずしも実行しなくてもよい。
前述のステップS50からステップS55によって、各メニュー項目が5回程度ずつハイライトされたときの、ハイライトを起点とした事象関連電位が20試行分収録できる。
次に、図7を用いてランダム実験の参加者側のフローを説明する。
図7(a)は、メニュー選択のための脳波を出す条件(選択条件)の参加者側のフローを示した図である。
ステップS61は、図5中のステップS51によって提示されたメニューを見るステップである。被験者はメニュー項目の上から順に選択するようあらかじめ指示されており、ここで選択対象のメニュー項目に視線を移動する。選択対象項目の指示は、実際に脳波インタフェースを用いる場合にユーザが実現したいと思う機器動作にあたる。
ステップS62は、選択対象のメニュー項目を注視し、図5(a)中のステップS52からS55によって提示されるメニュー項目のハイライトを見て、選択対象のメニュー項目がハイライトされることを待つ状態である。
ステップS63は、ステップS61で選択対象のメニュー項目がハイライトされたかどうかによる分岐で、ステップS63でYesの場合はステップS64へ、Noの場合はステップS62に進む。
ステップS64は、ステップS61で選択対象のメニュー項目がハイライトされた回数をメンタルカウントするステップである。メンタルカウントとは、心の中で数をカウントすることである。これにより事象関連電位にP3成分が発生することが知られている。
ステップS65は、所定回数のハイライトが終了したかどうかによる分岐で、ステップS65でYesの場合には終了へ、Noの場合にはステップS62へそれぞれ進む。
図7(b)は、メニュー選択のための脳波を出さない条件(選択不実行条件)の参加者側のフローを示した図である。図7(a)に示す選択条件と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
選択条件との差異は、メニュー選択のための脳波を出すためのステップS63およびステップS64がない点である。これにより、参加者はハイライトされるメニュー項目を選択意図を持たずにただ見ているだけの状態となる。
実験結果の一例を図8に示す。図8は、ハイライト前600msの事象関連電位の総加算平均波形である。分析対象の事象関連電位はハイライト前の区間であるため、ハイライトが選択対象項目であったか否かに関わらず、全てのハイライト前の事象関連電位を加算平均した。なお、ハイライト前50msの平均電位でベースライン補正を行い、振幅の最大値が100μVを超えた試行は眼電等のノイズが混入した可能性があるため、識別対象から除外した。図8中に、選択条件の総加算平均波形および選択不実行条件の総加算平均波形を、それぞれ太実線および細実線で示した。横軸は時間で単位はms、縦軸は電位で単位はμVである。選択条件では、0ms(次ハイライト開始)に向かって波形が陰性にシフトしているが、選択不実行条件では、陰性シフトは見られない。最小二乗法を用いて総加算平均波形の傾きを求めた結果、選択条件、選択不実行条件において−7.74μV/s、1.65μV/sであった。傾きを図8中にそれぞれ太点線、細点線で示す。
この陰性シフトは、次のハイライトに対する準備状態を反映して、選択条件でのみ出現する成分であると考えられる。よって、メニュー項目がランダムにハイライトされる脳波インタフェースでは、ハイライト前の陰性シフトの有無に基づき、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していたか否かが判定可能となる。陰性シフトの有無の判定は、算出した傾きの符号によって容易に特定されるが、これは、傾き0を閾値としたときの、閾値と算出した傾きとの比較結果と同義である。
一般的に刺激に対する準備状態を反映する陰性シフトとして、CNV(Contingent Negative Variation)と呼ばれる随伴性陰性電位が出現することが知られている。CNV成分は予告刺激の後、命令刺激を待っている状態で記録される穏やかな陰性電位であり、予期、注意、意欲、動機づけなどの心理的要因と強く関連するとされている(例えば、丹羽真一、鶴紀子:「事象関連電位 事象関連電位と神経情報科学の発展」、新興医学出版社、1997年、P189参照)。しかしながら、脳波インタフェース利用時にユーザがメニュー選択のための脳波を出していたかどうかに関連して陰性シフト量に差が生じることは知られていなかった。
次に、降順実験について説明する。ランダム実験とは異なり、メニュー項目を降順にハイライトする降順実験では、ユーザは次にハイライトされるメニュー項目の予期が可能で全てのハイライトに対して選択対象であったか否かの判定を行うためにハイライトを待ち構える必要がない。そこで、降順実験では、ユーザがメニュー選択のための脳波を出す条件で実験を実施し、ハイライトに対する構えの違いが陰性シフトに及ぼす影響を調べる。また、ハイライト前の脳波から選択対象のメニュー項目が判定可能か否かを調べる。
はじめに、図9を用いて降順実験の機器側のフローを説明する。図5に示すランダム実験と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
ランダム実験との差異は、メニュー項目を降順に、350msずつハイライトする点である。
ステップS71は、次にハイライトするメニュー項目を降順に選択するステップである。
ステップS72は、ステップS71で選択したメニュー項目を350ms間ハイライトするステップである。
ステップS73は、ステップS72でメニュー項目がハイライトされた時刻を0msとしてハイライト前500msからハイライトがされるまでの500ms間の脳波を切り出し、事象関連電位を取得するステップである。
次に、図10を用いて降順実験の参加者側のフローを説明する。
図10は、降順実験の参加者側のフローを示した図である。図7に示すランダム実験の参加者側のフローと同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。降順実験では、参加者がメニュー選択のための脳波を出す選択条件で実験を実施した。
図7に示したランダム実験の参加者側のフローとの差異は、降順実験では次にハイライトされるメニュー項目の予期が可能であるため、ランダム実験のように毎回のハイライトに対して選択対象メニュー項目であったか否かの判定(図7(a)のステップS63)を実施しない点である。
降順実験では、参加者は選択対象のメニュー項目がいつハイライトされるかのタイミングの予期が可能である。そのため、予期したタイミングの周辺でのみハイライト検出の準備をして選択対象メニュー項目のハイライトを検出すると考えられる。
ステップS81は、選択対象のメニュー項目の一つまたは二つ(複数)前のメニュー項目がハイライトされたかどうかによる分岐で、ステップS81でYesの場合はステップS82へ、Noの場合はステップS62へ進む。
ステップS82は、ステップS81で選択対象メニュー項目の一つまたは二つ(複数)前のメニュー項目がハイライトされたことを受け、メンタルカウントの準備をするステップである。
ステップS83は、選択対象のメニュー項目ハイライトを検出する分岐で、ステップS83でYesの場合はステップS64へ、Noの場合はステップS82へ進む。
実験結果の一例を図11に示す。図11は、各メニュー項目ハイライト前500msからハイライトがされるまでの500ms間の事象関連電位を選択対象メニュー項目からいくつ前のメニュー項目であったかに基づいて総加算平均(2名)した波形である。なお、ハイライト前50msの平均電位でベースライン補正を行い、振幅の最大値が100μVを超えた試行は眼電等のノイズが混入した可能性があるため、識別対象から除外した。図11中には、0msにおいて選択対象のメニュー項目がハイライトされた場合の総加算平均波形(以下、波形0とする)を太実線で、選択対象項目の一つ前、二つ前、三つ前のメニュー項目がハイライトされた場合の総加算平均波形(以下、波形1、波形2、波形3とする)を細実線で示した。図11より、0msにおいて選択対象のメニュー項目がハイライトされる前の総加算平均波形(波形0)のみ陰性にシフトしていることが分かる。また、最小二乗法を用いて、それぞれの総加算平均波形の傾きを求めた結果、波形0の傾きは、−7.85μV/s、波形1から波形3の傾きはそれぞれ、5.56μV/s、−0.78μV/s、2.82μV/sであった。傾きを図11中に重ねて示す。波形0と、波形1〜3とを識別する傾きの閾値として、たとえば−4を採用することができる。
波形0において出現した陰性シフトは、降順実験のようにメニュー項目ハイライトの予期が可能な設定でハイライトを実施する場合に、選択対象のメニュー項目のハイライトに対する準備状態を反映していると考えられる。また、選択対象のメニュー項目以外がハイライトされた場合には、陰性シフトは出現しない。ゆえに、メニュー項目ハイライトの予期が可能な設定において、メニュー項目ハイライト前の事象関連電位が陰性にシフトしていたか否かに基づき、メニュー項目ハイライト前にユーザがどのメニュー項目を選択していたかを判定が可能であると言える。また、メニュー項目ハイライトの予期が可能な設定でハイライトを実施する場合には、少なくとも1つのメニュー項目ハイライト前において、波形が陰性シフトしていれば、ユーザは選択のための脳波を出していると判定してもよい。
以下に、本発明による識別方法調整装置およびその調整装置を含む脳波インタフェースシステムを説明する。識別方法調整装置は、脳波インタフェース使用時のユーザ脳波のメニュー項目ハイライト前の事象関連電位の傾きを算出する。そして、算出した傾きに基づき、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していたか否かを判定し、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していない場合には識別対象から除外することでユーザが意図しない機器動作を減らすことが可能となる。
(実施形態1)
図12は、本実施形態による脳波インタフェースシステム1の機能ブロックの構成を示す。脳波インタフェースシステム1は、出力部7と、識別方法調整装置10と、生体信号計測部50と、脳波インタフェース(IF)部100とを有している。図12はまた、調整装置10の詳細な機能ブロックも示している。ユーザ5のブロックは説明の便宜のために示されている。なお、出力部7は、ユーザ5にメニュー等を提示する画面を示す。
図12は、本実施形態による脳波インタフェースシステム1の機能ブロックの構成を示す。脳波インタフェースシステム1は、出力部7と、識別方法調整装置10と、生体信号計測部50と、脳波インタフェース(IF)部100とを有している。図12はまた、調整装置10の詳細な機能ブロックも示している。ユーザ5のブロックは説明の便宜のために示されている。なお、出力部7は、ユーザ5にメニュー等を提示する画面を示す。
ユーザ5は、脳波インタフェース部100によって出力部7に提示される機器操作に関するメニュー項目がハイライトされるかどうかに注意して見ているだけで操作入力はしないが、脳波インタフェース部100を介して選択されたメニュー項目に応じて機器が動作するものとする。
識別方法調整装置10は、有線または無線で生体信号検出部50および脳波インタフェース部100と接続され、信号の送信および受信を行う。図12においては、生体信号検出部50および脳波インタフェース部100は識別方法調整装置10とは別体であるが、これは例である。生体信号検出部50および脳波インタフェース部100の一部または全部を、識別方法調整装置10内に設けてもよい。
生体信号検出部50は、ユーザ5の生体信号を検出する脳波計であり、生体信号として脳波を計測する。脳波計は図1に示すようなヘッドマウント式脳波計であってもよい。ユーザ5はあらかじめ脳波計を装着しているものとする。
ユーザ5の頭部に装着されたとき、その頭部の所定の位置に接触するよう、生体信号計測部50には電極が配置されている。電極の配置は、たとえばPz(正中頭頂)、A1(耳朶)およびユーザ5の鼻根部になる。ただし、電極は最低2個あればよく、たとえばPzとA1のみでも電位計測は可能である。この電極位置は、信号測定の信頼性および装着の容易さ等から決定される。
この結果、生体信号計測部50はユーザ5の事象関連電位を測定することができる。測定されたユーザ5の脳波は、コンピュータで処理できるようにサンプリングされ、脳波インタフェース部100および識別方法調整装置10に送られる。なお、脳波に混入するノイズの影響を低減するため、生体信号計測部50においては計測される脳波は、あらかじめたとえば0.05から20Hzのバンドパスフィルタ処理がされ、メニュー項目ハイライト前のたとえば50msの平均電位でベースライン補正されているものとする。
脳波インタフェース部100は、機器操作に関するメニュー項目をランダムな順序でたとえば1秒間隔でユーザに提示し、生体信号計測部50で計測された脳波を切り出して識別する。そして識別結果に応じて機器動作を制御する。脳波インタフェース部100における基本的な動作は前述の通りである。
脳波インタフェース部100を利用して制御する機器が、たとえば図1に示すTV2であるとすると、メニューは出力部7を介してユーザ5に提示される。
脳波インタフェース部100は、メニュー項目がハイライトされた時刻を起点に、生体信号計測部50で計測されたユーザ5のメニュー項目ハイライト後の脳波をたとえばP3成分のピーク潜時よりも長い500ms分を切り出し、波形を識別する。脳波を切り出す時間は波形のピークからも戻りの部分も考慮して1000ms分であってもよい。事象関連電位を識別する方法は、単純に波形を閾値処理してもよいし、特許文献2に記載のようにあらかじめユーザごとに計測したP3成分の加算平均波形で作成したテンプレートとの相関係数を算出してもよい。識別のためのパラメータは後述する方法によって識別方法調整装置10によって調整される。
次に、本実施形態による識別方法調整装置10の詳細な構成を説明する。本発明の主要な特徴のひとつは、識別調整装置10の構成および動作にある。
識別方法調整装置10は、陰性シフト量分析部11と、識別方法調整部12とを有している。
陰性シフト量分析部11は、脳波インタフェース部100から、メニュー項目ハイライトの間隔を示す情報を取得する。また、陰性シフト量分析部11は、生体信号計測部50で計測されたユーザ5のメニュー項目ハイライト前で、かつ、前のメニュー項目ハイライトの影響の少ない時間帯の脳波信号(より詳細には事象関連電位)の情報を受け取り、事象関連電位の波形を切り出して波形の傾きを算出する。
ここで、「影響の少ない時間帯」とは、たとえばメニュー項目ハイライトの間隔を1秒(1000ms)とし、ハイライトされる基準時刻を0msとすると、陰性シフト量分析部11は−600msから0msの事象関連電位の波形を切り出す。そして陰性シフト量分析部11は、さらに2Hzのローパスフィルタをかけた後に波形の傾きを算出する。この「600ms」という値については、陰性シフト量分析部11は、基準時刻から遡って切り出し開始時刻を特定するためのオフセット値として保持しているとする。
波形の傾きの算出には、たとえば最小二乗法を用いる。波形を切り出す区間は、メニュー項目ハイライトの間隔に応じて、一つ前のメニュー項目ハイライトの影響が少ない時間帯であればよい。なお、陰性シフト量の判定は、ハイライトごとに1試行分の波形から算出してもよいし、これまでのハイライトに対する波形を加算平均した波形から算出してもよい。
識別方法調整部12は、陰性シフト量分析部11から受け取った波形の傾きが、たとえば閾値以下であったかどうかを判定する。閾値は、たとえばユーザごとに算出してもよいし、予め、たとえば0μV/sとしてもよい。
波形の傾きが閾値以下の場合、識別方法調整部12は何も実行しない。脳波インタフェース部100は、生体信号計測部50からメニュー項目ハイライト後、所定期間内(たとえば0〜500ms)の事象関連電位に基づいて、選択されたメニュー項目を特定する。
一方、波形の傾きが閾値以上の場合には、識別方法調整部12は脳波インタフェース部100における脳波識別方法を調整する。波形の傾きが閾値以上であるということは、ユーザ5はメニュー選択のための状態にない、すなわちメニュー選択を行っている脳波が出現していないと判断されるためである。
脳波識別方法の調整とは、たとえば脳波インタフェース部100が識別を実施するかどうかを決定する識別フラグを保持していた場合、そのフラグを更新し、識別対象から除外したり、識別対象に加える処理をいう。識別方法調整部12は、脳波インタフェース部100に対してそのような動作を行うよう指示する。
このように構成することで、ユーザがメニュー項目選択のための脳波を出していたかどうかをハイライト前の脳波の陰性シフト量を指標に判定ができるので、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していない場合の試行を識別対象から除外するという識別方法の調整が可能となる。これによって、ユーザが意図しない機器動作を減少し、ユーザにとって使いやすい脳波インタフェースが実現できる。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、図12の脳波インタフェースシステム1において行われる全体的な処理手順を説明する。
図13は、脳波インタフェースシステム1において、ユーザがメニュー選択のための脳波を出しているかどうかの判定を行い、メニュー選択のための脳波を出していない場合を識別対象から除外するという機能を付加した脳波インタフェースの処理手順を示す。なお、図13に示すステップS101からステップS106は、図3に示す脳波インタフェースの処理手順と同じである。よって、以下ではそれらの説明は省略する。
図3の脳波インタフェースの処理手順との差異は、ユーザがメニュー項目の選択のための脳波を出していたかどうかを判定するステップS20を設けたことである。ステップS20において、識別方法調整装置10は生体信号計測部50で計測したユーザ5のメニュー項目ハイライト前の脳波波形の傾きからユーザ5がメニュー項目の選択のための脳波を出していたかどうかを判定する。ユーザ5がメニュー選択のための脳波を出していたと判定した場合(ステップS20でYes)はステップS105に進み、ステップS104で計測した事象関連電位にP3成分が出現しているかどうかの識別を実施する。また、ユーザ5がメニュー選択のための脳波を出していないと判定した場合(ステップS20でNo)は事象関連電位の識別は実施せず、ステップS102に進み、次のメニュー項目ハイライトに向けてハイライトする項目を選択する。ステップS20の詳細な処理について、図14を参照しながら説明する。
図14は、識別方法調整装置10を構成する陰性シフト量分析部11と識別方法調整部12によって実現される、ユーザ5がメニュー項目の選択のための脳波を出していたかどうかを判定する詳細な手順を示す。
すなわち、図14中の、ステップS21において、陰性シフト量分析部11は生体信号計測部50で計測されたユーザ5のメニュー項目ハイライト前の脳波を切り出す。脳波を切り出す区間は、メニュー項目ハイライトの間隔に応じて、一つ前のハイライトの影響が少ないようにたとえばハイライト間隔が1秒の場合には−600から0msとしてもよい。
ステップS22において、陰性シフト量分析部はステップS21で切り出したユーザ5の脳波にローパスフィルタをかける。ハイライト前に出現する陰性シフトはゆるやかな成分であるため、ローパスフィルタの遮断周波数は例えば2Hzとしてもよい。遮断周波数は、ステップS21で切り出した波形の長さ、サンプリング周波数に応じて、例えば0.5Hzや1Hz、3Hzとしてもよい。
ステップS23において、陰性シフト量分析部11はステップS22でローパスフィルタ処理した波形の傾きを算出する。傾きは、最小二乗法を用いて算出してもよいし、単純に切り出した波形の始めと終わりの数十msのデータを用いて算出してもよい。求めた波形の傾きを識別方法調整部12に送付する。
ステップS24において、識別方法調整部12は、あらかじめ保持した閾値とステップS23で陰性シフト量分析部11によって算出されたメニュー項目ハイライト前の事象関連電位の傾きとを比較し、閾値よりも小さいかどうかによって分岐する。差分が閾値以下の場合はYesとしてステップS25に、閾値以上の場合はNoとしてS26にそれぞれ進む。閾値は、ユーザごとに求めてもよいし、単純にたとえば0μV/sとしてもよい。
ステップS25、ステップS26において、それぞれ、メニュー選択のための脳波を出していると判定、メニュー選択のための脳波を出していないと判定する。
このような処理によって、ユーザがメニュー選択のための脳波を出しているかどうかによって識別方法が調整され、ユーザの意図しない機器動作の減少が実現できる。
なお、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していない場合に、脳波が出ていないことを示すアラート提示するなど、メニュー選択のための脳波を出していないことの検出によって様々な機器動作は可能となる。
本実施形態の脳波インタフェースシステム1に識別方法調整装置10を設けることにより、脳波インタフェースを利用するユーザ5のメニュー項目ハイライト前の脳波波形の傾き(陰性シフト量)からユーザ5がメニュー項目のハイライトのための脳波を出していたかどうかが判定できる。これによって、メニュー選択のための脳波を出していない場合には識別対象から除外するという識別方法の調整が可能となり、ユーザの意図しない機器動作の減少が実現できるため、使いやすいインタフェースが実現できる。
(実施形態2)
実施形態1による脳波インタフェースシステム1では、脳波インタフェース部100はメニュー項目をランダムな順序でハイライトし、ハイライト前の陰性シフト量に基づいてユーザがメニュー選択のための脳波を出しているかどうかを判定し、メニュー選択のための脳波を出していない場合には識別対象から除外することで、ユーザの意図しない機器動作の減少を実現していた。しかし、ランダムな順序でハイライトした場合には、ハイライト前の陰性シフトのみに基づいて選択対象のメニュー項目を特定することはできず、必ずハイライト後の事象関連電位により判定する必要があった。
実施形態1による脳波インタフェースシステム1では、脳波インタフェース部100はメニュー項目をランダムな順序でハイライトし、ハイライト前の陰性シフト量に基づいてユーザがメニュー選択のための脳波を出しているかどうかを判定し、メニュー選択のための脳波を出していない場合には識別対象から除外することで、ユーザの意図しない機器動作の減少を実現していた。しかし、ランダムな順序でハイライトした場合には、ハイライト前の陰性シフトのみに基づいて選択対象のメニュー項目を特定することはできず、必ずハイライト後の事象関連電位により判定する必要があった。
メニュー項目を降順にハイライトした場合には、前述の降順実験の結果より、ハイライトごとに算出したメニュー項目ハイライト前の陰性シフト量を指標に、ユーザが選択したメニュー項目の推定が可能である。
本実施形態による脳波インタフェースシステムでは、メニュー項目を降順にハイライトし、ハイライトごとにハイライト前の事象関連電位の傾き(陰性シフト量)を算出し、選択対象のメニュー項目がどれであったかの見当をつけ、脳波インタフェース部100におけるP3成分識別のパラメータを調整する。このように、ハイライト前の陰性シフト量を用いてハイライト後のP3成分の識別方法を調整することで、たとえば、ハイライト後の時間帯に眼電等のノイズが混入した場合にも、誤識別が少なく操作性に優れた脳波インタフェースを実現できる。
図15は、本実施形態による脳波インタフェースシステム2の機能ブロックの構成を示す。図15はまた、識別方法調整装置20の詳細な機能ブロックも示している。ユーザ5のブロックは説明の便宜のために示されている。
脳波インタフェースシステム2が脳波インタフェースシステム1(図12)と相違する点は、識別方法調整装置20の構成のうち陰性シフト量分析部11を陰性シフト量逐次分析部21に、識別方法調整部12を識別パラメータ調整部22に変更したことにある。
ただし、変更後の陰性シフト量逐次分析部21および識別パラメータ調整部22の基本的な機能は実施形態1と類似している。後述のように、陰性シフト量逐次分析部21はメニュー項目がハイライトされる前の事象関連電位の波形の傾きを算出する。また、識別パラメータ調整部22は、算出された波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、事象関連電位の測定後であって、かつ、メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を識別対象から除外するよう脳波インタフェース部に指示する。
なお、脳波インタフェースシステム2の構成要素のうち、脳波インタフェースシステム1と同じ構成要素については同じ参照符号を付しその説明を省略する。脳波インタフェース部100では、メニュー項目を降順にハイライトする設定とする。
陰性シフト量逐次分析部21は、生体信号計測部50において計測した脳波のうちハイライト前の脳波を切り出し、ローパスフィルタをかけた後に、ハイライトごとに波形の傾きを逐次算出する。脳波を切り出す時間幅は、脳波インタフェース部100からメニュー項目のハイライトが一巡する間隔を取得し、たとえばその半分程度としてもよい。メニュー項目のハイライトが一巡する間隔とは、たとえばハイライト間隔が350msでメニュー項目が4項目の場合、350×4=1400msである。この場合、脳波を切り出す時間幅は500ms程度でよい。ローパスフィルタは、切り出す時間に応じて、たとえば2Hzに設定してもよい。波形の傾きの算出には、たとえば最小二乗法を用いる。
識別パラメータ調整部22は、陰性シフト量逐次分析部21から受け取った波形の傾きが、たとえば閾値よりも小さいかどうかを判定し、脳波インタフェース部100の判別パラメータを更新する。閾値は、ユーザごとに算出してもよいし、予め、たとえば0μV/sのように設定してもよい。たとえば、あるハイライト前の波形の傾きが閾値よりも小さい場合、識別パラメータ調整部22は、脳波インタフェース部100の判別パラメータを、ハイライト後にP3成分が含まれたと判定されやすくなるよう、たとえばP3成分識別の閾値を下げる、すなわち識別基準を低くする、などの方法で変更する。逆に、波形の傾きが閾値以上の場合、P3成分が含まれていないと判定されやすくなるよう、たとえばP3成分識別の閾値を上げてもよいし、またはその後の事象関連電位はP3成分識別のために利用しないよう、脳波インタフェース部100に指示する。なお、その後の事象関連電位はP3成分識別のために利用しないようにするためには、閾値を十分大きくする、すなわち識別基準を高くすることによっても対応できる。なお、陰性シフト量に応じてP3成分識別の閾値変更の程度を調整してもよい。
このように構成することで、ハイライト前の陰性シフト量に基づき、P3成分識別のパラメータが更新できる。よって、ハイライト前の陰性シフトおよび、ハイライト後のP3成分の両方を用いた判定が可能となるため、ユーザが意図しない機器動作が減少し、ユーザにとって使いやすい脳波インタフェースが実現できる。
次に、図16のフローチャートを参照しながら、脳波インタフェースシステム2において行われる全体的な処理の手順を説明する。
図16は、本実施形態による脳波インタフェースシステム2の処理手順を示す。図16では、脳波インタフェースシステム1(図12)の処理と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。なお、ステップS102における項目選択は降順に行うものとする。
ステップS201において、陰性シフト量逐次分析部21は、ステップS104において生体信号計測部50で計測した脳波のうちハイライト前の脳波を切り出し、ローパスフィルタをかけた後に、ハイライトごとに波形の傾きを逐次算出する。脳波を切り出す時間幅は、メニュー項目のハイライトが一巡する間隔の半分程度としてもよい。ローパスフィルタは、切り出す時間に応じて、たとえば2Hzに設定してもよい。波形の傾きの算出には、たとえば最小二乗法を用いる。
ステップS202において、識別パラメータ調整部22は、予め保持した閾値とステップS201で陰性シフト量逐次分析部21によって逐次算出されたメニュー項目ハイライト前の波形の傾きとを比較し、閾値よりも小さいかどうかによって、脳波インタフェース部100の識別パラメータを調整する。波形の傾きが閾値よりも小さい場合には、ハイライト後にP3成分が含まれたと判定されやすくなるよう、たとえばP3成分識別の閾値を下げるなどの変更を行う。逆に、波形の傾きが閾値以上の場合、P3成分が含まれていないと判定されやすくなるよう、たとえばP3成分識別の閾値を上げるなどの方法で変更する。
このような処理によって、メニュー項目を降順にハイライトし、ハイライトごとにハイライト前の脳波の陰性シフト量を逐次算出し、陰性シフト量に基づいて脳波インタフェース部100におけるP3成分識別のパラメータの調整が可能となる。
本実施形態の脳波インタフェースシステム2に識別方法調整装置20を設けることにより、メニュー項目を降順にハイライトし、ハイライトごとにハイライト前の事象関連電位の傾き(陰性シフト量)を逐次算出し、脳波インタフェース部100におけるP3成分識別のパラメータを調整する。このように、ハイライト前の陰性シフト量を用いてハイライト後のP3成分の識別方法を調整することで、たとえば、ハイライト後の時間帯に眼電等のノイズが混入した場合にも、誤識別が少なく操作性に優れた脳波インタフェースを実現できる。
(実施形態3)
実施形態1による脳波インタフェースシステム1では、識別方法調整装置10において脳波インタフェースシステム使用時の所定の時間帯(時間窓)におけるユーザの脳波の周波数から、ユーザがメニュー項目を見ていたか否かを判定し、メニュー項目を見ていない場合には識別対象から除外することで、ユーザの意図しない機器動作の減少を実現していた。
実施形態1による脳波インタフェースシステム1では、識別方法調整装置10において脳波インタフェースシステム使用時の所定の時間帯(時間窓)におけるユーザの脳波の周波数から、ユーザがメニュー項目を見ていたか否かを判定し、メニュー項目を見ていない場合には識別対象から除外することで、ユーザの意図しない機器動作の減少を実現していた。
しかし、特に時間窓の長さが十分でない場合、代表周波数は背景脳波や眼電・筋電ノイズの影響を受けやすく、たとえばユーザがハイライトを見ていても見ていないと誤判定してしまう可能性がある。実施形態1では代表周波数を絶対的な指標として用いて、識別の要否を「1」か「0」かで決定するため誤判定の場合には正しい識別ができなかった。
そこで、本実施形態による脳波インタフェースシステムでは、代表周波数によりハイライト後のP3成分の識別用パラメータを調整する。これにより、ハイライトを見ていたか否かを誤判定した場合でもハイライト後のP3成分によりユーザの選択意図が検出できる可能性が復活し、より精度の高い識別が実現できる。
図17は、本実施形態による脳波インタフェースシステム3の機能ブロックの構成を示す。図17はまた、識別方法調整装置30の機能ブロックも示している。ユーザ5のブロックは説明のために示されている。
脳波インタフェースシステム3が脳波インタフェースシステム1(図9)と相違する点は、脳波インタフェース部100に代えて、P3識別用パラメータ301に基づきP3成分の識別パラメータが可変な脳波インタフェース部300を設け、識別方法調整装置10に代えて、代表周波数に基づきP3成分の識別パラメータを決定する識別方法調整部31を構成要素に持つ識別方法調整装置30を設けたことにある。なお、脳波インタフェースシステム3の構成要素のうち、脳波インタフェースシステム1(図9)と同じ構成要素については同じ参照符号を付しその説明を省略する。
脳波インタフェース部300は、脳波インタフェース部100の機能を拡張したもので内部にP3識別用パラメータ301を持ち、P3識別用パラメータ301に基づいて識別方法を調整してハイライト後のP3成分を識別する。
P3識別用パラメータ301は、ハイライト後のP3成分を識別する際に利用するパラメータである。前述のように(図3中のステップS105)、P3成分の識別方法は種々あるが、識別パラメータは識別方法に合わせて、たとえば区間平均電位や相関係数に関する閾値としてもよい。
識別方法調整部31は、脳波インタフェース部300から受け取った切り替え周波数(θs)と、代表周波数分析部32から受け取ったユーザ5の脳波周波数パワーが極大となる代表周波数(θe)との相対量(差または比)を算出し、両者が互いに関連しているか否かを判定する。互いに関連しているか否かの判定は、サンプリング周波数、周波数分析の時間窓によって決定される周波数分析精度に基づき、たとえばθsとθeとの差は0.2Hz以内か否か、または、θsとθeとの比は0.93以上1.07以下の範囲内か否か、によって決定すればよい。
θsとθeが互いに関連していると判断した場合には、識別方法調整部31は何も実行しない。一方両者が互いに関連していないと判断した場合には、識別方法調整部31は、脳波インタフェース部300における識別方法を調整する。識別方法の調整とは、脳波インタフェース部300が保持するP3識別用パラメータ301に保持した閾値をP3成分が検出されにくくなるように変えることである。例えば、脳波インタフェース部300において区間平均電位を用いて識別を行う場合には、閾値をプラス方向に変化させる。また、相関係数を用いて識別を行う場合には、閾値を1に近づける方向に変化させる。なお、ここではθsとθeの関連性をある/なしの二状態で判断したが、二状態に限らずθsとθeの一致度に応じて閾値を変化させても良い。
このように代表周波数によってP3成分識別のパラメータを調整することで、ハイライトを見ていたか否かを誤判定した場合でもハイライト後のP3成分によりユーザの選択意図が検出できる可能性が復活し、より精度の高い識別が実現できる。
次に、図18のフローチャートを参照しながら、脳波インタフェースシステム3において行われる全体的な処理の手順を説明する。
図18は、本実施形態による脳波インタフェースシステム3の処理手順を示す。図18において、脳波インタフェースシステム1(図12)の処理と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
ステップS301において、識別方法調整部31は脳波インタフェース部300におけるP3識別用パラメータ301をP3成分が検出されにくくなるように調整する。
ステップS302において、脳波インタフェース部300はP3識別用パラメータ301を参照してP3成分検出の閾値を取得し、取得した閾値に基づいてステップS104で計測された事象関連電位にP3成分が出現しているかどうかの識別を実施する。
このような処理によって、ハイライトを見ていたか否かを誤判定した場合でもハイライト後のP3成分によりユーザの選択意図の検出が可能となる。なお、図18では代表周波数を用いてユーザがハイライトを見ていたか否かを二状態で判定したが、二状態に限らずθsとθeの一致度に応じて閾値を変化させてもよい。
本実施形態の脳波インタフェースシステム3に識別方法調整装置30を設けることにより、代表周波数に基づいてP3成分識別のパラメータの調整が可能となり、代表周波数とP3成分を用いた識別が実現できる。代表周波数とP3成分はどちらもノイズの影響を受ける可能性があるが、両方を用いることでノイズの影響に強い識別が可能となり、結果としてユーザの意図しない機器動作の減少が実現できる。
上述の各実施形態については、フローチャートを用いて説明した処理はコンピュータに実行されるプログラムとして実現され得る。そのようなコンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送される。識別方法調整装置を構成する全部または一部の構成要素や、脳波インタフェース部は、コンピュータプログラムを実行する汎用のプロセッサ(半導体回路)として実現される。または、そのようなコンピュータプログラムとプロセッサとが一体化された専用プロセッサとして実現される。識別方法調整装置の機能を実現するコンピュータプログラムは、脳波インタフェース部の機能を実現するためのコンピュータプログラムを実行するプロセッサによって実行されてもよいし、脳波インタフェースシステム内の他のプロセッサによって実行されてもよい。
本発明の識別方法調整装置および識別方法調整装置が組み込まれた脳波インタフェースシステムによれば、脳波インタフェースを操作しているユーザのハイライト前の脳波の陰性シフト量によって、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していないことが検出可能になる。視線検出装置等を加える必要が無いため、コストを抑え、システムの規模も抑えることが可能である。
本発明の識別方法調整装置および脳波インタフェースシステムによれば、ユーザがメニュー選択のための脳波を出していない場合を識別対象から除外することで脳波の識別率が向上し、ユーザが意図しない機器動作の減少が実現できる。例えばウェアラブル機器(ヘッドマウントディスプレイや音楽プレーヤなど)を脳波インタフェースで操作する場合には、筋電・眼電・商用電源に由来するノイズが混入し、脳波の識別が難しくなることが想定されるが、本発明の識別方法調整装置の適用により、ノイズの影響を受けにくい脳波インタフェースが実現できる。なお、このような識別方法調整装置の機能は、たとえばコンピュータプログラムによって実現することも可能であるため、システムの大幅な改変をすることなく、容易に実装できる。
1 脳波インタフェースシステム
5 ユーザ
7 出力部
7a 画面
10 識別方法調整装置
11 陰性シフト量分析部
12 識別方法調整部
21 陰性シフト量逐次分析部
22 識別パラメータ調整部
31 識別方法調整部
50 生体信号計測部
100 脳波インタフェース部
5 ユーザ
7 出力部
7a 画面
10 識別方法調整装置
11 陰性シフト量分析部
12 識別方法調整部
21 陰性シフト量逐次分析部
22 識別パラメータ調整部
31 識別方法調整部
50 生体信号計測部
100 脳波インタフェース部
Claims (14)
- 機器の操作メニューを視覚的に提示する出力部と、
ユーザの脳波信号を取得する生体信号計測部と、
前記操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を、前記出力部を介して逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された前記事象関連電位に基づいて前記機器を動作させる脳波インタフェース部と
を有する脳波インタフェースシステムにおいて、前記脳波インタフェース部の識別方法を調整するために用いられる装置であって、
前記メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出する分析部と、
前記分析部で算出した前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を調整する調整部と
を備えた、脳波識別方法の調整装置。 - 前記脳波インタフェース部が、前記複数のメニュー項目の各々をランダムに提示するときにおいて、
前記調整部は、前記閾値を0(μV/s)として、前記分析部で算出した前記波形の傾きが負であるときは、前記脳波信号を前記脳波インタフェース部における識別対象から除外する、請求項1に記載の調整装置。 - 前記分析部は、前記脳波インタフェース部からハイライトの時間間隔t1を示す情報を取得し、前記メニュー項目がハイライトされる時刻tよりも予め保持したオフセット値t2だけ前から、前記時刻tまでの事象関連電位の波形を切り出す、請求項1に記載の調整装置。
- 前記分析部は、切り出した前記事象関連電位の波形の傾きを、最小二乗法によって算出する、請求項3に記載の調整装置。
- 前記分析部は、切り出した前記事象関連電位の波形の時間幅に応じて、ローパスフィルタを適用する、請求項4に記載の調整装置。
- 前記調整部は、予め計測したユーザごとの閾値を保持し、前記ユーザごとの閾値と、前記分析部で算出された前記波形の傾きとを比較する、請求項1に記載の調整装置。
- 前記脳波インタフェース部が、画面上に所定の配列で配置された前記複数のメニュー項目の各々を順に提示するときにおいて、
前記分析部は、前記各メニュー項目のハイライトに対応して、前記各メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出し、
前記調整部は、前記分析部で算出した前記波形の傾きの各々と前記閾値とを比較する、請求項1に記載の調整装置。 - 前記分析部で算出した前記波形の傾きが所定の負の閾値よりも大きい場合には、前記調整部は、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を識別対象から除外するよう前記脳波インタフェース部に指示する、請求項7に記載の調整装置。
- 前記調整部は、前記事象関連電位(μV)を時間(s)で除算することによって前記波形の傾きを求め、前記負の閾値である−4と比較する、請求項8に記載の調整装置。
- 前記脳波インタフェース部は、パラメータを利用して、前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別しており、
前記分析部で算出した前記波形の傾きが所定の負の閾値よりも小さい場合には、前記調整部は、前記脳波インタフェース部において利用されるパラメータを変更して、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位の識別基準をより低くする、請求項7に記載の調整装置。 - 前記分析部で算出した前記波形の傾きが所定の負の閾値よりも大きい場合には、前記調整部は、前記脳波インタフェース部において利用されるパラメータを変更して、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位の識別基準をより高くする、請求項10に記載の調整装置。
- 前記調整部は、前記分析部で算出した前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を識別対象から除外するよう前記脳波インタフェース部に指示する、請求項1に記載の調整装置。
- 機器の操作メニューを視覚的に提示する出力部と、
ユーザの脳波信号を取得する生体信号計測部と、
前記操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を、前記出力部を介して逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された前記事象関連電位に基づいて前記機器を動作させる脳波インタフェース部と
を有する脳波インタフェースシステムにおいて、前記脳波インタフェース部の識別方法を調整するために用いられる方法であって、
前記メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出するステップと、
前記算出するステップによって算出された前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を調整するステップと
を包含する、調整方法。 - 機器の操作メニューを視覚的に提示する出力部と、
ユーザの脳波信号を取得する生体信号計測部と、
前記操作メニューを構成する複数のメニュー項目の各々を、前記出力部を介して逐次提示し、各メニュー項目がハイライトされた後の前記脳波信号に含まれる事象関連電位の成分を識別し、識別された前記事象関連電位に基づいて前記機器を動作させる脳波インタフェース部と
を有する脳波インタフェースシステムにおいて、前記脳波インタフェース部の識別方法を調整するために用いられるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記脳波インタフェースシステムに実装されるコンピュータに対し、
前記メニュー項目がハイライトされる前の前記事象関連電位の波形の傾きを算出するステップと、
前記算出するステップによって算出された前記波形の傾きが閾値よりも大きい場合には、前記事象関連電位の測定後であって、かつ、前記メニュー項目がハイライトされた後に得られた事象関連電位を調整するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008043051A JP2009199535A (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 脳波識別方法の調整装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008043051A JP2009199535A (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 脳波識別方法の調整装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009199535A true JP2009199535A (ja) | 2009-09-03 |
Family
ID=41142930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008043051A Pending JP2009199535A (ja) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | 脳波識別方法の調整装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009199535A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012073329A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 意思伝達支援装置及び方法 |
JP2012183292A (ja) * | 2011-03-03 | 2012-09-27 | Seoul National Univ R&Db Foundation | 準備電位基盤の脳とコンピューター間のインターフェース装置および方法 |
CN112141116A (zh) * | 2019-06-26 | 2020-12-29 | 现代自动车株式会社 | 利用错误监测的移动体控制方法和装置 |
JP2021096497A (ja) * | 2019-12-13 | 2021-06-24 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 情報処理装置及びプログラム |
WO2024005259A1 (ko) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 주식회사 뉴로그린 | Eeg 신호 전처리 장치 및 방법 |
-
2008
- 2008-02-25 JP JP2008043051A patent/JP2009199535A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012073329A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 意思伝達支援装置及び方法 |
JP2012183292A (ja) * | 2011-03-03 | 2012-09-27 | Seoul National Univ R&Db Foundation | 準備電位基盤の脳とコンピューター間のインターフェース装置および方法 |
CN112141116A (zh) * | 2019-06-26 | 2020-12-29 | 现代自动车株式会社 | 利用错误监测的移动体控制方法和装置 |
JP2021096497A (ja) * | 2019-12-13 | 2021-06-24 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 情報処理装置及びプログラム |
JP7330507B2 (ja) | 2019-12-13 | 2023-08-22 | 株式会社Agama-X | 情報処理装置、プログラム、及び、方法 |
WO2024005259A1 (ko) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 주식회사 뉴로그린 | Eeg 신호 전처리 장치 및 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4659905B2 (ja) | 脳波識別の要否を決定する装置および方法 | |
JP4856791B2 (ja) | 脳波インタフェースシステム、脳波インタフェース提供装置、脳波インタフェースの実行方法、および、プログラム | |
JP4399513B2 (ja) | 脳波インタフェースシステム、脳波インタフェース装置、方法およびコンピュータプログラム | |
JP4264126B2 (ja) | 脳波識別方法調整装置および方法 | |
JP4630382B2 (ja) | 脳波インタフェースシステムに組み込まれる補正装置、方法およびコンピュータプログラム | |
EP2081100B1 (en) | Adjusting device for brain wave identification method, adjusting method and computer program | |
JP4465414B2 (ja) | 脳波を用いた機器の制御方法および脳波インタフェースシステム | |
JP4399515B1 (ja) | 脳波信号の識別方法を調整する装置、方法およびプログラム | |
US7716697B2 (en) | Information processing system, information processing apparatus, and method | |
US10905348B2 (en) | User interfaces for mobile and wearable medical devices | |
CN102821681B (zh) | 脑电波测量装置、电噪声的推定方法 | |
JP4531864B2 (ja) | 咀嚼筋電を用いたインタフェースシステム | |
JPWO2008152799A1 (ja) | 脳波インタフェースシステムおよび起動装置 | |
JP2009199535A (ja) | 脳波識別方法の調整装置および方法 | |
JP4460644B2 (ja) | 脳波識別方法の調整装置、方法およびコンピュータプログラム | |
WO2005001677A1 (ja) | サービス提供装置 | |
JP2009268826A (ja) | 脳波識別方法調整装置および方法 | |
JP2020151082A (ja) | 情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび生体信号計測システム | |
WO2024106301A1 (ja) | 信号処理システム |