JP2009190975A - 天然由来化粧料用防腐剤および天然由来化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚刺激性を実質的に示さない天然由来化粧料用防腐剤および天然由来化粧料を提供すること。
【解決手段】天然成分である日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを有効成分とする防腐効果を有する天然由来化粧料用防腐剤である。また、天然成分である日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを防腐剤として含有しており、皮膚に対する刺激成分を含まない長期にわたって安全な天然由来化粧料である。
【選択図】 なし
【解決手段】天然成分である日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを有効成分とする防腐効果を有する天然由来化粧料用防腐剤である。また、天然成分である日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを防腐剤として含有しており、皮膚に対する刺激成分を含まない長期にわたって安全な天然由来化粧料である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、天然由来化粧料用防腐剤および天然由来化粧料に係り、より具体的には、皮膚に対する安全性が向上した天然由来化粧料用防腐剤および天然由来化粧料に関する。
化粧料には、長期にわたって腐敗劣化を防止するために防腐剤が配合されている。防腐剤を使用しないで長期間安定な化粧料を製造することは困難である。現在比較的多く使用されている防腐剤は、パラベン類（メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等）、やフェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等である（例えば、特許文献１及び特許文献２を参照）。しかし、これら防腐剤は、いずれも石油化学由来である。これらの石油化学系防腐剤は、防腐効果に優れている反面、アレルギー性や皮膚刺激性があることはよく知られている。
特開２００７−２３０９６４号公報
特開２００７−１６９２４２号公報
したがって、本発明は、皮膚刺激性を実質的に示さない防腐剤およびそれを用いた化粧料を提供することを目的とする。
本発明の第１の側面によると、日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを有効成分とする天然由来化粧料用防腐剤が提供される。
本発明の第２の側面によると、日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを防腐剤として含有することを特徴とする天然由来化粧料が提供される。
本発明の第２の側面によると、日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを防腐剤として含有することを特徴とする天然由来化粧料が提供される。
本発明の化粧料に用いられる防腐剤は、天然植物である日本ワサビ根またはオリーブ葉を乳酸桿菌によって発酵させたエキスであり、皮膚に対する刺激成分を含まない。したがって、本発明の化粧料は、長期にわたって安全で安定である。
本発明者らは、石油化学系防腐剤に代わる防腐剤として植物エキスについて鋭意研究した結果、日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよびオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスが有意な防腐効果を示すとともに皮膚刺激性を示さないことを見いだし、本発明を完成させた。
日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキス（以下、ワサビ根発酵エキスという）は、日本ワサビ（Ｗａｓａｂｉ Ｊａｐｏｎｉｋａ）の根を基質として、乳酸桿菌（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ ｌａｃｔｉ）により発酵させた発酵液のエキスであり、市販されている。
また、オリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキス（以下、オリーブ葉発酵エキスという）は、オリーブ（Ｏｌｅａ ｅｕｒｏｐａｅａ）の葉を基質として、乳酸桿菌により発酵させた発酵液のエキスであり、市販されている。
本発明の防腐剤であるワサビ根発酵エキスおよびオリーブ葉発酵エキスは、皮膚に適用される化粧料であればどのような化粧料にも配合することができる。そのような化粧料の例を挙げると、洗顔料、化粧水、クリーム、美容液、パック等である。
本発明のワサビ根発酵エキスおよびオリーブ葉発酵エキスは、それぞれ単独で、または合計で、化粧料中好ましくは０．１〜５重量％、より好ましくは１〜３重量％の割合で配合することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はそれにより限定されるものではない。
実施例１
乳化釜に精製水９６．０重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でワサビ根発酵エキス２．０重量部およびオリーブ葉発酵エキス１．０重量部を加え、攪拌後２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
実施例１
乳化釜に精製水９６．０重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でワサビ根発酵エキス２．０重量部およびオリーブ葉発酵エキス１．０重量部を加え、攪拌後２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
実施例２
乳化釜に精製水９７．０重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でワサビ根発酵エキス２．０重量部を加え攪拌後、２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
乳化釜に精製水９７．０重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でワサビ根発酵エキス２．０重量部を加え攪拌後、２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
実施例３
乳化釜に精製水９８．０重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でオリーブ葉発酵エキス１．０重量部を加え、攪拌後２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
乳化釜に精製水９８．０重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でオリーブ葉発酵エキス１．０重量部を加え、攪拌後２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
比較例１
乳化釜に精製水９８．８重量部を入れ、８５℃に加熱し、メチルパラベン０．２重量部を加え、攪拌して均一に溶解した。ついで、６０℃まで冷却し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量部を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
乳化釜に精製水９８．８重量部を入れ、８５℃に加熱し、メチルパラベン０．２重量部を加え、攪拌して均一に溶解した。ついで、６０℃まで冷却し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１．０重量部を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
比較例２
乳化釜に精製水９８．８重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でフェノキシエタノール０．２重量部を加えて攪拌した後、２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
乳化釜に精製水９８．８重量部を入れ、６０℃に加熱し、保湿剤としてヒアルロン酸ナトリウム１重量を加え、１時間攪拌してヒアルロン酸ナトリウムを均一に膨潤させた。しかる後、冷却して４０℃以下の温度でフェノキシエタノール０．２重量部を加えて攪拌した後、２８℃まで冷却し、得られた化粧水を取り出した。
＜抗菌試験＞
（ｉ）試験菌液の調製
（ａ）クレブシエラ・ニューモニエ／黄色ブドウ菌
クレブシエラ・ニューモニエまたは黄色ブドウ菌をＳＣＤＬＰ培地に接種し、３４℃で２４時間培養した後、生理食塩水で１０7ＣＦＵ／ｍＬまで希釈し、試験菌液を調製した。
（ｉ）試験菌液の調製
（ａ）クレブシエラ・ニューモニエ／黄色ブドウ菌
クレブシエラ・ニューモニエまたは黄色ブドウ菌をＳＣＤＬＰ培地に接種し、３４℃で２４時間培養した後、生理食塩水で１０7ＣＦＵ／ｍＬまで希釈し、試験菌液を調製した。
（ｂ）青カビ
青カビをポテトデキストロース寒天培地に接種し、２５℃で１週間培養した後、生理食塩水で１０7ＣＦＵ／ｍＬまで希釈し、試験菌液を調製した。
青カビをポテトデキストロース寒天培地に接種し、２５℃で１週間培養した後、生理食塩水で１０7ＣＦＵ／ｍＬまで希釈し、試験菌液を調製した。
（ｃ）酵母
酵母をＳＣＤＬＰ培地に接種し、３４℃で３日間培養した後、生理食塩水で１０7ＣＦＵ／ｍＬまで希釈し、試験菌液を調製した。
酵母をＳＣＤＬＰ培地に接種し、３４℃で３日間培養した後、生理食塩水で１０7ＣＦＵ／ｍＬまで希釈し、試験菌液を調製した。
（ｉｉ）試験方法
（ａ）クレブシエラ・ニューモニエ／黄色ブドウ菌
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水各１０ｍＬをそれぞれ滅菌試験管に分注した後、クレブシエラ・ニューモニエまたは黄色ブドウ菌試験菌液１ｍＬを接種し、３４℃で４週間まで培養した。培養液を１週間毎に、ＳＣＤＬＰ培地に希釈接種し、３４℃で３日間培養した後、形成されたコロニーを換算して生菌数を算出した。
（ａ）クレブシエラ・ニューモニエ／黄色ブドウ菌
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水各１０ｍＬをそれぞれ滅菌試験管に分注した後、クレブシエラ・ニューモニエまたは黄色ブドウ菌試験菌液１ｍＬを接種し、３４℃で４週間まで培養した。培養液を１週間毎に、ＳＣＤＬＰ培地に希釈接種し、３４℃で３日間培養した後、形成されたコロニーを換算して生菌数を算出した。
（ｂ）青カビ
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水各１０ｍＬをそれぞれ滅菌試験管に分注した後、青カビ試験菌液１ｍＬを接種し、２５℃で４週間まで培養した。培養液を１週間毎に、ポテトデキストロース寒天培地に希釈接種し、２５℃で１週間培養した後、形成されたコロニーを換算して生菌数を算出した。
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水各１０ｍＬをそれぞれ滅菌試験管に分注した後、青カビ試験菌液１ｍＬを接種し、２５℃で４週間まで培養した。培養液を１週間毎に、ポテトデキストロース寒天培地に希釈接種し、２５℃で１週間培養した後、形成されたコロニーを換算して生菌数を算出した。
（ｃ）酵母
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水各１０ｍＬをそれぞれ滅菌試験管に分注した後、酵母試験菌液１ｍＬを接種し、３４℃で４週間まで培養した。培養液を１週間毎に、ＳＣＤＬＰ培地に希釈接種し、３４℃で３日間培養した後、形成されたコロニーを換算して生菌数を算出した。
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水各１０ｍＬをそれぞれ滅菌試験管に分注した後、酵母試験菌液１ｍＬを接種し、３４℃で４週間まで培養した。培養液を１週間毎に、ＳＣＤＬＰ培地に希釈接種し、３４℃で３日間培養した後、形成されたコロニーを換算して生菌数を算出した。
結果を下記表１〜３に示す。
表１に示す結果から、本発明のワサビ根発酵エキスおよびオリーブ葉発酵エキスは、十分な抗菌性を示すことが確認された。
＜皮膚刺激性＞
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水の皮膚刺激性を、２０名のパネラーによるパッチ試験により試験した。結果を下記表４に示す。
＜皮膚刺激性＞
比較例１〜２、実施例１〜３で調製した化粧水の皮膚刺激性を、２０名のパネラーによるパッチ試験により試験した。結果を下記表４に示す。
表２に示す結果から明らかなように、本発明のワサビ根発酵エキスおよびオリーブ葉発酵エキスは、皮膚刺激性がない。
以上の結果から、本発明の化粧料は、皮膚刺激性がなく、長期間にわたり劣化せず安定であることがわかる。
以上の結果から、本発明の化粧料は、皮膚刺激性がなく、長期間にわたり劣化せず安定であることがわかる。
皮膚刺激性を実質的に示さない天然由来化粧料防腐剤およびそれを用いた天然由来化粧料を提供することができる。
Claims (3)
- 日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを有効成分とする天然由来化粧料用防腐剤。
- 日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを防腐剤として含有することを特徴とする天然由来化粧料。
- 日本ワサビ根の乳酸桿菌発酵エキスおよび／またはオリーブ葉の乳酸桿菌発酵エキスを１〜５重量％の割合で含有することを特徴とする請求項２に記載の天然由来化粧料。
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|---|---|---|---|
| JP2008030102A JP2009190975A (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | 天然由来化粧料用防腐剤および天然由来化粧料 |
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| JP2008030102A JP2009190975A (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | 天然由来化粧料用防腐剤および天然由来化粧料 |
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|---|---|
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| CN106901112A (zh) * | 2017-03-13 | 2017-06-30 | 江南大学 | 一种油橄榄酵素饮品及其制备方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001069917A (ja) * | 1999-09-02 | 2001-03-21 | Hayakawa Koso Inryo Kenkyusho:Kk | オリーブ葉入り茶 |
| JP2001238593A (ja) * | 2000-03-03 | 2001-09-04 | Kinjirushi Wasabi Kk | 香辛性材料から発酵食品の製造方法 |
| JP2002332204A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-22 | Nippon Olive Co Ltd | 抗微生物活性剤 |
| JP2007137768A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-06-07 | Eikoudou:Kk | 皮膚若しくは毛髪用化粧料 |
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2008
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|---|
| JPN6012039156; ＡＣＢ Ｗａｓａｂｉ Ｅｘｔｒａｃｔ ＰＦ , 20060502 * |
| JPN6012039157; Ｃｏｓｍｅｔｉｃ-Ｉｎｆｏ．ｊｐ，［ｏｎｌｉｎｅ］ , 20041201, ［２０１２年７月２３日検索］ * |
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