JP2009188547A - 信号処理装置、制御方法、および無線通信装置 - Google Patents

信号処理装置、制御方法、および無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009188547A
JP2009188547A JP2008024458A JP2008024458A JP2009188547A JP 2009188547 A JP2009188547 A JP 2009188547A JP 2008024458 A JP2008024458 A JP 2008024458A JP 2008024458 A JP2008024458 A JP 2008024458A JP 2009188547 A JP2009188547 A JP 2009188547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
analog
unit
processing unit
signal
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008024458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4428451B2 (ja
Inventor
Hiroaki Takano
裕昭 高野
Tomoya Yamaura
智也 山浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2008024458A priority Critical patent/JP4428451B2/ja
Priority to US12/361,481 priority patent/US7800523B2/en
Publication of JP2009188547A publication Critical patent/JP2009188547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4428451B2 publication Critical patent/JP4428451B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/005Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission adapting radio receivers, transmitters andtransceivers for operation on two or more bands, i.e. frequency ranges
    • H04B1/0053Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission adapting radio receivers, transmitters andtransceivers for operation on two or more bands, i.e. frequency ranges with common antenna for more than one band
    • H04B1/0057Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission adapting radio receivers, transmitters andtransceivers for operation on two or more bands, i.e. frequency ranges with common antenna for more than one band using diplexing or multiplexing filters for selecting the desired band

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】信号処理装置、制御方法、および無線通信装置を提供すること。
【解決手段】アナログ受信処理部250、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部240の各々を複数備え、無線信号を送受信する複数のアンテナが接続される信号処理装置であって、前記アナログ受信処理部の各々は、アンテナにより受信された無線信号をアナログ形式のベースバンド信号に変換して前記AD変換部に出力し、前記DA変換部の各々は、デジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、前記アナログ送信処理部の各々は、DA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせ、前記信号処理装置は、前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部を切替える送信スイッチ部220と、前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を切替える受信スイッチ部222と、をさらに備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、信号処理装置、制御方法、および無線通信装置に関する。
近日、例えば特許文献1に記載されているMIMO(Multiple Input Multiple Output)通信方式の研究開発が広く行なわれている。MIMO通信方式は、各無線通信装置に複数のアンテナを設け、複数のアンテナから送信された空間的に多重された信号を無線通信装置が複数のアンテナで受信し、受信した信号を逆行列演算等の信号分離技術を用いて分離する通信方式である。かかるMIMO通信方式によれば、伝送速度を向上することが可能である。
より詳細には、無線通信装置は、MIMO通信方式を実現するために、アンテナの他、DA変換部、アナログ送信処理部、アナログ受信処理部、およびAD変換部などを各々複数備える必要がある。アナログ送信処理部の各々は、DA変換部から出力されたアナログ形式のベースバンド信号を例えば5GHz帯の高周波信号に周波数変換し、アンテナが該高周波信号を無線信号として送信する。また、アナログ受信処理部の各々は、アンテナにより無線信号として受信された高周波信号をアナログ形式のベースバンド信号にダウンコンバージョンし、AD変換部に出力する。
このような無線通信装置は、アンテナ、DA変換部、アナログ送信処理部、アナログ受信処理部、およびAD変換部などの特性誤差を較正する、すなわちキャリブレーションを行なう必要がある。以下、アナログ送信処理部、アナログ受信処理部、DA変換部およびAD変換部のキャリブレーションをIQキャリブレーションと、アンテナのキャリブレーションをアンテナキャリブレーションと称する。
IQキャリブレーションは、基準信号を、DA変換部、アナログ送信処理部、アナログ受信処理部、AD変換部という経路で帰還させて、帰還された基準信号に基づいて上記各構成の特性誤差を較正する一連の流れを指す場合がある。また、アンテナキャリブレーションは、基準信号を、DA変換部、アナログ送信処理部、およびアンテナを介して送信し、他のアンテナで受信した基準信号をアナログ受信処理部、AD変換部という経路で帰還させて、帰還された基準信号に基づいてアンテナの特性誤差を較正する一連の流れを指す場合がある。
ここで、無線通信装置におけるキャリブレーションに際しては、例えば以下の3つの制約条件が満たされている必要がある。
(1)アンテナキャリブレーション時のアナログ送信処理部とDA変換部の組合せ、およびアナログ受信処理部とAD変換部の組合せが、通常の無線通信時と同一であること。
(2)IQキャリブレーション時のアナログ送信処理部とDA変換部の組合せ、およびアナログ受信処理部とAD変換部の組合せが、通常の無線通信時と同一であること。
(3)IQキャリブレーション時に基準信号が経るアナログ送信処理部およびアナログ受信処理部は、同一のアンテナに接続されていること。
「IEEE802.11n」prepared by the 802.11 Working Group of the 802 Committee、2007
しかし、アナログ送信処理部とDA変換部の組合せ、およびアナログ受信処理部とAD変換部の組合せが固定されているある無線通信装置では、上記3つの制約条件の全てを満たすことが困難であるという問題があった。例えば、制約条件(1)および(2)を同時に満たそうとすると制約条件(3)が満たされず、制約条件(1)および(3)を同時に満たそうとすると制約条件(2)が満たされない場合があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、アナログ送信処理部とDA変換部の組合せ、およびアナログ受信処理部とAD変換部の組合せを適宜変更することが可能な、新規かつ改良された信号処理装置、制御方法、および無線通信装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、アナログ受信処理部、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部の各々を複数備え、無線信号を送受信する複数のアンテナが接続される信号処理装置が提供される。より詳細には、前記アナログ受信処理部の各々は、接続されているアンテナにより受信された無線信号の周波数帯域を低周波側にシフトさせてアナログ形式のベースバンド信号を生成して出力端子から出力し、前記AD変換部の各々は、接続されているアナログ受信処理部により生成されたアナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換して出力し、前記DA変換部の各々は、入力されるデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、前記アナログ送信処理部の各々は、接続されているDA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせる。また、前記信号処理装置は、前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部を切替える送信スイッチ部と、前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を切替える受信スイッチ部と、をさらに備える。
かかる構成においては、送信スイッチ部を設けたことにより、アナログ送信処理部の各々とDA変換部の各々との組合せを例えば必要や目的に応じて変更することができる。また、受信スイッチ部を設けたことにより、アナログ受信処理部の各々とAD変換部の各々との組合せも例えば必要や目的に応じて変更することができる。
また、当該信号処理装置は、前記アナログ受信処理部、前記AD変換部、前記DA変換部、前記アナログ送信処理部、および前記アンテナの少なくともいずれかの特性を較正する特性較正部と、前記特性較正部による特性の較正対象に応じて前記送信スイッチ部および前記受信スイッチ部を制御する制御部をさらに備えてもよい。
かかる構成においては、制御部が送信スイッチ部および受信スイッチ部を制御することにより、特性較正部による特性の較正対象に応じて前記アナログ受信処理部、前記AD変換部、前記DA変換部、前記アナログ送信処理部などの組合せを異ならせることができる。
さらに、当該信号処理装置は、前記アナログ形式のベースバンド信号が前記アナログ送信処理部の各々により高周波側にシフトされた信号を整流し、整流された信号が前記アナログ送信処理部と同一のアンテナに接続されているアナログ受信処理部の出力端子から出力されるように配置される複数の整流部をさらに備えてもよい。そして、前記制御部は、前記特性較正部による第1のアナログ送信処理部および第1のDA変換部の特性の較正に際し、前記第1のアナログ送信処理部および第1のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記第1のアナログ送信処理部と同一のアンテナに接続されており、前記整流部により整流された信号を出力端子から出力する第1のアナログ受信処理部および第2のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させてもよい。
また、前記制御部は、前記特性較正部による第1のアナログ受信処理部および第1のAD変換部の特性の較正に際し、前記第1のアナログ送信処理部および第2のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記アナログ形式のベースバンド信号が前記第1のアナログ送信処理部により高周波側にシフトされた信号が入力される前記第1のアナログ受信処理部および第1のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させてもよい。
さらに、前記特性較正部による前記アンテナ特性の較正に際し、前記制御部は、第1ステップとして、前記第1のアナログ送信処理部および前記第1のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記第1のアナログ送信処理部に接続されている第1のアンテナから無線信号を受信する第2のアンテナに接続されている第2のアナログ受信処理部および前記第2のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させてもよい。
また、前記制御部は、第2ステップとして、前記第2のアンテナに接続されている第2のアナログ送信処理部と前記第2のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記第2のアンテナから送信された無線信号を受信する前記第1のアンテナに接続されている前記第1のアナログ受信処理部および前記第1のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させてもよい。
さらに、前記制御部は、前記第1のアンテナからの他の無線通信装置への無線信号の送信期間にわたって、前記第1のアナログ送信処理部および前記第1のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、前記第1のアンテナによる他の無線通信装置からの無線信号の受信期間にわたって、前記第1のアナログ受信処理部および前記第1のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させてもよい。
上記のように制御部が送信スイッチ部および受信スイッチ部を制御することにより、特性較正部が、通常の無線通信時のアナログ送信処理部およびDA変換部の組合せでアナログ送信処理部およびDA変換部の特性を較正することができる。また、特性較正部が、通常の無線通信時のアナログ受信処理部およびAD変換部の組合せでアナログ受信処理部およびAD変換部の特性を較正することができる。さらに、特性較正部が、通常の無線通信時のアナログ送信処理部、DA変換部、アンテナの組合せ、および、アナログ受信処理部、AD変換部、アンテナの組合せ、でアンテナの特性を較正することができる。
また、第1のAD変換部と第1のアナログ送信処理部の間の配線、および、第1のDA変換部と第1のアナログ受信処理部の間の配線が共用される場合、第1のAD変換部と第1のアナログ送信処理部、および、第1のDA変換部と第1のアナログ受信処理部を同時に接続できない。しかし、このような場合でも、上記のように制御部が送信スイッチ部および受信スイッチ部を制御し、アナログ送信処理部の各々とDA変換部の各々との組合せ、およびアナログ受信処理部の各々とAD変換部の各々との組合せを適宜変更することにより、特性較正部により各構成の特性較正が可能となる。
また、当該信号処理装置は、接続されているAD変換部から出力されるデジタル形式のベースバンド信号をビット列に変換する複数のデジタル受信処理部と、デジタル形式のベースバンド信号を生成し、接続されているDA変換部に出力する複数のデジタル送信処理部と、前記AD変換部の各々に接続される前記デジタル受信処理部、および前記DA変換部の各々に接続されるデジタル送信処理部を切替える切替部と、をさらに備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線信号を送受信する複数のアンテナが接続され、アナログ受信処理部、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部の各々を複数備え、前記アナログ受信処理部の各々は、接続されているアンテナにより受信された無線信号の周波数帯域を低周波側にシフトさせてアナログ形式のベースバンド信号を生成して出力端子から出力し、前記AD変換部の各々は、接続されているアナログ受信処理部により生成されたアナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換して出力し、前記DA変換部の各々は、入力されるデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、前記アナログ送信処理部の各々は、接続されているDA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせる信号処理装置において実行される制御方法が提供される。より詳細には、当該制御方法は、前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部、および前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を、特性の較正対象に応じて切替えるステップを含む。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、アンテナ、アナログ受信処理部、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部の各々を複数備え、MIMO通信機能を有する無線通信装置が提供される。より詳細には、前記アナログ受信処理部の各々は、接続されているアンテナにより受信された無線信号の周波数帯域を低周波側にシフトさせてアナログ形式のベースバンド信号を生成して出力端子から出力し、前記AD変換部の各々は、接続されているアナログ受信処理部により生成されたアナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換して出力し、前記DA変換部の各々は、入力されるデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、前記アナログ送信処理部の各々は、接続されているDA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせる。さらに、前記無線通信装置は、前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部を切替える送信スイッチ部と、前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を切替える受信スイッチ部と、をさらに備える。
かかる構成においては、送信スイッチ部を設けたことにより、アナログ送信処理部の各々とDA変換部の各々との組合せを例えば必要や目的に応じて変更することができる。また、受信スイッチ部を設けたことにより、アナログ受信処理部の各々とAD変換部の各々との組合せも例えば必要や目的に応じて変更することができる。
以上説明したように本発明にかかる信号処理装置、制御方法、および無線通信装置によれば、アナログ送信処理部とDA変換部の組合せ、およびアナログ受信処理部とAD変換部の組合せを適宜変更することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本実施形態にかかる無線通信システムの概要
〔2〕無線通信システムを構成する無線通信装置の詳細な説明
〔2−1〕IQキャリブレーションについて
〔2−2〕アンテナキャリブレーションについて
〔2−3〕本実施形態の目的
〔2−4〕各動作状態時におけるスイッチ状態
〔2−5〕無線通信装置の動作
〔3〕まとめ
〔1〕本実施形態にかかる無線通信システムの概要
まず、図1を参照して本実施形態にかかる無線通信システム1について概略的に説明する。
図1は、本実施形態にかかる無線通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、当該無線通信システム1は、無線通信装置6、および無線通信装置6’を備える。以下では、無線通信装置6’から無線通信装置6へ無線信号が送信される場合を説明するが、無線通信装置6、および無線通信装置6’の双方は、受信装置としても送信装置としても動作することが可能である。
無線通信装置6’は、デジタル処理部10’、アナログ処理部20’、および複数のアンテナ22’A〜22’Cを備える。
デジタル処理部10’は、送信データのビット列からベースバンド信号を生成し、アナログ形式として出力する。また、アナログ処理部20’は、デジタル処理部10’から入力されたアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせ、周波数帯域がシフトされた高周波信号をアンテナ22’A〜22’Cへ供給する。そして、アンテナ22’A〜22’Cの各々は、アナログ処理部20’から供給される高周波信号を無線信号として無線通信装置6へ送信する。
無線通信装置6は、デジタル処理部10、アナログ処理部20、および複数のアンテナ22A〜22Cを備える。
アンテナ22A〜22Cの各々は、無線通信装置6’のアンテナ22’A〜22’Cから送信された無線信号を受信し、高周波信号としてアナログ処理部20に出力する。アナログ処理部20は、各アンテナ22A〜22Cから入力された高周波信号をベースバンド信号に変換し、アナログ形式でデジタル処理部10へ出力する。デジタル処理部10は、アナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換し、アンテナ22’A〜22’Cから送信された信号系列に分離し、ビット列を得ることができる。
ここで、デジタル処理部10による信号分離方法を簡単に説明する。
無線通信装置6’のアンテナ22’Aから送信された信号をx1、アンテナ22’Bから送信された信号をx2、アンテナ22’Cから送信された信号をx3とする。また、無線通信装置6のアンテナ22Aが受信した信号をr1、アンテナ22Bが受信した信号をr2、アンテナ22Cが受信した信号をr3とする。
また、アンテナ22’Aおよびアンテナ22A間の伝送路の特性をh11、アンテナ22’Aおよびアンテナ22B間の伝送路の特性をh12、アンテナ22’Aおよびアンテナ22C間の伝送路の特性をh13とする。また、アンテナ22’Bおよびアンテナ22A間の伝送路の特性をh21、アンテナ22’Bおよびアンテナ22B間の伝送路の特性をh22、アンテナ22’Bおよびアンテナ22C間の伝送路の特性をh23とする。さらに、アンテナ22’Cおよびアンテナ22A間の伝送路の特性をh31、アンテナ22’Bおよびアンテナ22C間の伝送路の特性をh32、アンテナ22’Cおよびアンテナ22C間の伝送路の特性をh33とする。この場合、無線通信装置6’から送信された信号と、無線通信装置6が受信した信号の関係は、以下の数式1のように表すことができる。
Figure 2009188547
数式1の右辺の第1項は、チャネル行列H(伝達関数)と称される場合がある。かかるチャネル行列Hは、無線通信装置6’がx1、x2、およびx3を送信する前に既知の信号を送信することにより無線通信装置6において求めることが可能である。
デジタル処理部10は、チャネル行列Hを求めると、チャネル行列Hの逆行列を利用してアンテナ22’Aから送信された信号をx1、アンテナ22’Bから送信された信号をx2、およびアンテナ22’Cから送信された信号をx3と推定することができる。
このように、無線通信装置6および無線通信装置6’が、複数のアンテナを備え、複数の信号系列の送信、および受信を行なう通信方式は、MIMO(Multiplu−Input Multiplu−Output)通信方式に該当する。かかるMIMO通信方式は、利用する周波数帯域を広げることなくアンテナ数に比例して伝送速度を向上させることができる点で効果的である。
なお、無線通信装置6および無線通信装置6’は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistant)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。
〔2〕無線通信システムを構成する無線通信装置の詳細な説明
以上、図1を参照して本実施形態にかかる無線通信システム1の概要を説明した。続いて、図2〜図21を参照し、無線通信システム1を構成する無線通信装置6について詳細に説明する。
図2は、本実施形態にかかる無線通信装置6の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、無線通信装置6は、複数のアンテナ22A〜22Cと、スイッチ23A〜23Cと、複数のフィルタ24A〜24Cおよび26A〜26Cと、複数のパワーアンプ25A〜25Cと、デジタル処理部10およびアナログ処理部20を備える。なお、同一の符号番号の後に異なるアルファベットが付されている各構成(例えば、アンテナ22Aとアンテナ22B)の機能は実質的に同一であり、特に区別する必要が無い場合には単に符号番号のみを付して示す(例えば、アンテナ22)。
デジタル処理部10は、MAC処理部102と、送信処理部104と、複数のデジタル送信処理部106A〜106Cと、ポートセレクタ110と、複数のDAC112A〜112Cと、複数のADC114A〜114Cと、複数の共用セレクタ116A〜116Cおよび118A〜118Cと、受信制御部124と、複数のデジタル受信処理部126A〜126Cと、を備える。
MAC処理部102は、無線通信装置6から送信するための各種データを含む任意のフレームのビット列を生成し、送信制御部104に出力する。各種データとしては、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトフェアなどの任意のデータがあげられる。また、フレームとしては、データフレームの他、ビーコンフレーム、RTS(request to send)フレーム、CTS(clear to send)フレームなどの通信管理用のフレームなどがあげられる。
送信制御部104は、MAC処理部102から入力されたビット列を3つの信号系列に分離する。また、本実施形態にかかる送信制御部104は、後述の送信スイッチ220A〜220Cを制御する制御部としての機能、および各種キャリブレーションを行なう特性較正部としての機能を有する。
デジタル送信処理部106A〜106Cは、送信制御部104により分離された信号系列のうちの1つを入力され、入力された信号系列をベースバンド信号に変換、あるいは変調する。例えばデジタル送信処理部106A〜106Cは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用いてもよい。
ポートセレクタ110は、デジタル送信処理部106A〜106Cの各々をDAC112A〜112Cのいずれかと接続し、デジタル受信処理部126A〜126Cの各々とADC114A〜114Cのいずれかとを接続する。また、ポートセレクタ110は、デジタル送信処理部106A〜106CとDAC112A〜112Cの組合せ、およびデジタル受信処理部126A〜126CとADC114A〜114Cの組合せを変更可能であり、切替部としての機能を有する。
DAC112A〜112Cは、IチャネルおよびQチャネルのデジタル形式のベースバンド信号が入力され、入力されたベースバンド信号をアナログ形式に変換するDA変換部として機能する。また、ADC114A〜114Cは、IチャネルおよびQチャネルのアナログ形式のベースバンド信号が入力され、入力されたベースバンド信号をデジタル形式に変換するAD変換部として機能する。
デジタル受信処理部126A〜126Cは、ADC114A〜114Cからデジタル形式のベースバンド信号が入力され、該ベースバンド信号に例えば高速フーリエ変換を施して受信制御部124に出力する。
受信制御部124は、デジタル受信処理部126A〜126Cから入力される信号から、数式1に示したチャネル行列Hを利用して、空間的に多重されていた無線信号を分離し、ビット列に変換してMAC処理部124に出力する空間信号分離部としての機能を有する。
また、受信制御部124は、後述の受信スイッチ222A〜222Cを制御する制御部としての機能、および各種キャリブレーションを行なう特性較正部としての機能を有する。
共用セレクタ116A〜116Cは、Iチャネルのベースバンド信号をデジタル処理部10およびアナログ処理部20間で送受信する。また、共用セレクタ118A〜118Cは、Qチャネルのベースバンド信号をデジタル処理部10およびアナログ処理部20間で送受信する。かかる共用セレクタ116A〜116C、および共用セレクタ118A〜118Cを設けることにより、デジタル処理部10およびアナログ処理部20間のIチャネルおよびQチャネルの送受信の経路が共通化される。その結果、デジタル処理部10およびアナログ処理部20の双方に設けるベースバンド信号の入出力のためのピンの数を抑制することができる。
アナログ処理部20は、複数の共用セレクタ216A〜216Cおよび共用セレクタ218A〜218Cと、複数の送信スイッチ220A〜220Cと、複数の受信スイッチ222A〜222Cと、複数のアナログ送信処理部240A〜240Cと、複数のアナログ受信処理部250A〜250Cと、複数の整流部260A〜260Cと、を備える。
共用セレクタ216A〜216Cは、無線通信装置6からの無線信号の送信時、Iチャネルのベースバンド信号を共用セレクタ116A〜116Cから受信し、接続されている送信スイッチ220A〜220Cに出力する。具体的には、共用セレクタ216Aは送信スイッチ220Aおよび送信スイッチ220Cと接続され、共用セレクタ216Bは送信スイッチ220Aおよび送信スイッチ220Bと接続され、共用セレクタ216Cは送信スイッチ220Bおよび送信スイッチ220Cと接続されている。
また、共用セレクタ216A〜216Cは、無線通信装置6による無線信号の受信時、接続されている受信スイッチ222A〜222CからIチャネルのベースバンド信号を入力され、共用セレクタ116A〜116Cへ送信する。具体的には、共用セレクタ216Aは受信スイッチ222Aと接続され、共用セレクタ216Bは受信スイッチ222Bと接続され、共用セレクタ216Cは受信スイッチ222Cと接続されている。
共用セレクタ218A〜218Cは、無線通信装置6からの無線信号の送信時、Qチャネルのベースバンド信号を共用セレクタ118A〜118Cから受信し、接続されている送信スイッチ220A〜220Cに出力する。具体的には、共用セレクタ218Aは送信スイッチ220Aおよび送信スイッチ220Cと接続され、共用セレクタ218Bは送信スイッチ220Aおよび送信スイッチ220Bと接続され、共用セレクタ218Cは送信スイッチ220Bおよび送信スイッチ220Cと接続されている。
また、共用セレクタ218A〜218Cは、無線通信装置6による無線信号の受信時、接続されている受信スイッチ222A〜222CからQチャネルのベースバンド信号を入力され、共用セレクタ118A〜118Cへ送信する。具体的には、共用セレクタ218Aは受信スイッチ222Aと接続され、共用セレクタ218Bは受信スイッチ222Bと接続され、共用セレクタ218Cは受信スイッチ222Cと接続されている。
かかる共用セレクタ216A〜216C、218A〜218C、116A〜116C、および118A〜118Cを設けることにより、デジタル処理部10およびアナログ処理部20間のIチャネルおよびQチャネルの送受信の経路が共通化される。その結果、デジタル処理部10およびアナログ処理部20の双方に設けるベースバンド信号の入出力のためのピンの数を抑制することができる。
送信スイッチ220A〜220Cの各々は、アナログ送信処理部240A〜240Cの各々と、共用セレクタ216A〜216Cのいずれか、および共用セレクタ218A〜218Cのいずれかを接続する。また、受信スイッチ222A〜222Cの各々は、共用セレクタ216A〜216Cの各々、および共用セレクタ218A〜218Cの各々を、アナログ受信処理部250A〜250Cのいずれかを接続する。
また、詳細については「〔2−4〕各キャリブレーション時におけるスイッチ状態」において後述するが、かかる送信スイッチ220A〜220C(送信スイッチ部)および受信スイッチ222A〜222C(受信スイッチ部)は、無線通信装置6の動作状態に応じて切替えられる。
アナログ送信処理部240A〜240Cは、図3に示すように、入力されるIチャネルおよびQチャネルのベースバンド信号を高周波信号に変換するIQモジュレータ242(A〜C)を備える。また、アナログ受信処理部250A〜250Cは、図4に示すように、入力される高周波信号をIチャネルおよびQチャネルのベースバンド信号に変換するIQデモジュレータ252を備える。
図3は、IQモジュレータ242の構成例を示した説明図である。図3に示したように、IQモジュレータ242は乗算器243および244を備える。乗算器243は、入力されるIチャネルのベースバンド信号にCos波を乗算し、乗算器244は、入力されるQチャネルのベースバンド信号に−Sin波を乗算する。そして、IQモジュレータ242は、乗算器243および乗算器244による乗算結果を多重化して高周波信号として出力する。なお、高周波信号は、図2に示した2GHz帯や5GHz帯に限られず、任意の周波数帯域であってもよい。
図4は、IQデモジュレータ252の構成例を示した説明図である。図4に示したように、IQデモジュレータ252は乗算器253および乗算器254を備える。乗算器253は、入力される高周波信号にCos波を乗算し、Iチャネルのベースバンド信号を生成して出力する(ダウンコンバーション)。また、乗算器254は、入力される高周波信号に−Sin波を乗算し、Qチャネルのベースバンド信号を生成して出力する。整流部260A〜260Cの機能については、以下の「〔2−1〕IQキャリブレーションについて」において説明する。
アナログ送信処理部240A〜240Cおよびアナログ受信処理部250A〜250Cは、各々、アンテナ22A〜22Cのいずれかと接続されている。なお、アナログ処理部20およびデジタル処理部10は、ICチップとして製造可能であり、信号処理装置としての機能を有する。
〔2−1〕IQキャリブレーションについて
上述したように、本実施形態にかかる無線通信装置6は、IQモジュレータ242およびIQデモジュレータ252を備える。ここで、IQモジュレータ242およびIQデモジュレータ252において乗算されるCos波および−Sin波は、振幅が同一であり、かつ位相差が90度であると、図5に示すように正常な信号が得られる。
図5は、Cos波および−Sin波が正常な場合に期待されるIチャネルおよびQチャネルを示した説明図である。図5に示したように、正弦波であるCos波および−Sin波が正常な場合、IチャネルおよびQチャネルのとり得る値がIQ平面上で原点を中心とする円上となると考えられる。
一方、IQモジュレータ242およびIQデモジュレータ252へ与えられる正弦波の振幅が異なることと、ADC114および/またはDAC112のIチャネルとQチャネルのインバランスを主な原因として、例えば図5に示すような振幅エラーが生じる。
図6は、振幅エラーが生じた場合について示した説明図である。図6に示したように、IQモジュレータ242およびIQデモジュレータ252へ与えられる正弦波の振幅が異なったり、ADC114および/またはDAC112のIチャネルとQチャネルのインバランスがあると、IQ平面上で歪みが生じる。より詳細には、図6では、Qチャネルの振幅が小さくなってしまった場合の振幅エラーを示している。
さらに、IQモジュレータ242およびIQデモジュレータ252へ与えられる正弦波が直交関係でない場合、例えば図6に示すような位相エラーが生じる。
図7は、位相エラーが生じた場合について示した説明図である。図7に示したように、IQモジュレータ242およびIQデモジュレータ252へ与えられる正弦波が直交関係でなくなると、正常なIチャネルおよびQチャネルが得られなくなる。
このように、正弦波の振幅誤差および位相誤差などのIQインバランスが存在すると、送信信号および受信信号が歪み、信号成分が劣化してしまう。
したがって、無線通信装置6は、電源導入後、無線通信の開始前に、正弦波の振幅誤差および位相誤差を較正するIQキャリブレーションを行なう。以下、図8を参照して当該IQキャリブレーションについて説明する。
図8は、アナログ送信処理部240およびアナログ受信処理部250の構成を示した説明図である。図8に示したように、アナログ送信処理部240は、IQモジュレータ242と、スイッチ246を備え、アナログ受信処理部250は、IQデモジュレータ252と、LNA(Low Noise Amp)255と、スイッチ256および259と、VGA257および258を備える。
IQキャリブレーションは、送信側のIQキャリブレーションと受信側のIQキャリブレーションに分けられる。送信側のIQキャリブレーションは、主にDAC112とアナログ送信処理部240のキャリブレーションを目的としている。送信側のIQキャリブレーションに際しては、IQモジュレータ242と整流部260がスイッチ246により接続され、整流部260とADC114がスイッチ259により接続される。
その結果、DAC112からIQモジュレータ242に基準信号が入力されると、IQモジュレータ242により周波数変換された基準信号が整流部260に入力される。整流部260は、入力される基準信号を整流する、すなわち信号値を絶対値化してADC114を介して送信制御部104に帰還させる。
送信制御部104は、帰還された信号を観測することにより、送信側のIQ振幅誤差およびIQ位相誤差を補正するための補正係数を取得して、これをデジタル処理部10側で使用することにより等価的にIQインバランスがない送信性能を実現できる。
一方、受信側のIQキャリブレーションは、主にIQデモジュレータ252およびADC114のキャリブレーションを目的としている。受信側のIQキャリブレーションに際しては、IQモジュレータ242とIQデモジュレータ252がスイッチ246およびスイッチ256により接続され、IQデモジュレータ252とADC114がスイッチ259により接続される。
その結果、DAC112からIQモジュレータ242に基準信号が入力されると、IQモジュレータ242により周波数変換された基準信号がIQデモジュレータ252に入力される。IQデモジュレータ252は入力された信号をダウンコンバージョンし、VGA(バリアブルゲインアンプ)257および258、およびADC114を介して受信制御部124に帰還させる。
ここで、送信側のIQインバランスは既に補正されているので、帰還された信号からは、受信側のIQインバランスの影響のみ観測することが可能となる。受信制御部124は、かかる帰還された信号から受信側のIQ振幅誤差とIQ位相誤差を見積り、その誤差に応じた補正係数を取得することが可能となる。
〔2−2〕アンテナキャリブレーションについて
続いて、図9および図10を参照し、アンテナキャリブレーションについて説明する。
MIMO通信方式は、上述してきたように、複数のアンテナから複数のストリーム(信号系列)を空間的に多重して送信して、受信側で受信した信号を信号処理により複数のストリームに分離する技術である。
このMIMO通信方式には、送信側で重み係数を用いて送信する方法を適用することができる。このように送信側でも重み係数を使用することにより、送信側と受信側の両方が最適に空間多重および空間分離を行えることが知られている。
なお、送信側で用いられる重み係数は、受信側から送られてきたチャネル推定信号(基準信号)から空間チャネルの状況を取得して、空間チャネルの状況に基づいて送信用の重み係数が計算される。上記重み係数の計算方法は、空間チャネルが可逆性を持っていることを利用している。すなわち、無線通信装置6’から無線通信装置6方向への空間チャネルと、無線通信装置6から無線通信装置6’方向への空間チャネルは同一であるということを利用している。
しかし、無線通信装置6および無線通信装置6’内の各構成(アンテナ22、フィルタ24などのRF回路)の伝達関数の特性には、製造時のバラツキによるインバランス(ブランチインバランス)が存在している。空間チャネルに可逆性が成り立っても、このようなブランチインバランスが存在すると、送信側で重み係数を正確に計算することが困難になる。
そこで、無線通信装置6は、IQキャリブレーションの後、無線通信の開始前に、上記ブランチインバランスを解消するためのアンテナキャリブレーション(ブランチキャリブレーション)を行なう。すなわち、アンテナキャリブレーションは、ブランチインバランスを補正することにより、デジタル処理部10において取得される空間チャネルの可逆性を保ち、通信相手側(例えば、無線通信装置6’)から送られたチャネル推定信号から重み係数を生成するための技術である。
なお、上記のアンテナキャリブレーションを行わない場合には、無線通信装置6がチャネル推定信号を送信し、無線通信装置6’がチャネル推定信号から取得した空間チャネル情報に基づいて無線通信装置6用の重み係数を取得する。その後、無線通信装置6’が取得した重み係数を再度無線通信装置6に送信し、無線通信装置6が受信した重み係数を使用してデータを送信するという流れになる。このように、アンテナキャリブレーションを行わない場合には重み係数の送信によりスループットの大幅な低下が起きる。したがって、無線通信装置6’(受信側)からのチャネル推定信号から無線通信装置6(送信側)で使用する重み係数を求めることが可能となるアンテナキャリブレーションが重要となる。
以下、アンテナキャリブレーションの具体例を示す。アンテナキャリブレーションには、第1のステップと、第2ステップが存在する。
図9は、アンテナキャリブレーションの第1のステップを示した説明図である。アンテナキャリブレーションの第1のステップにおいては、図9に示したように、アンテナ22Aとアナログ送信処理部240Aがスイッチ23Aにより接続され、アンテナ22Bとアナログ受信処理部250Bがスイッチ23Bにより接続され、アンテナ22Cとアナログ受信処理部250Cがスイッチ23Cにより接続される。なお、スイッチ23A〜スイッチ23Cの切り替えは例えばデジタル処理部10が指示するようにしてもよい。
その結果、アンテナキャリブレーションの第1のステップにおいては、アンテナ22Aから送信されたリファレンス信号をアンテナ22Bおよびアンテナ22Cが受信する。そして、アンテナ22Bおよびアンテナ22Cにより受信された信号をデジタル処理部10が保持する。
図10は、アンテナキャリブレーションの第2のステップを示した説明図である。図10に示したように、アンテナ22Aとアナログ送信処理部240Aがスイッチ23Aにより接続され、アンテナ22Bとアナログ送信処理部250Bがスイッチ23Bにより接続され、アンテナ22Cとアナログ送信処理部250Cがスイッチ23Cにより接続される。
その結果、アンテナキャリブレーションの第2のステップにおいては、アンテナ22Bおよびアンテナ22Cから送信されたリファレンス信号をアンテナ22Aが受信する。そして、アンテナ22Aにより受信された信号をデジタル処理部10が保持する。なお、リファレンス信号の折返しは、アンテナを介した折返しではなく、無線通信装置6の内部の折返しであってもよい。
その後、デジタル処理部10は、第1のステップおよび第2のステップで得られた各処理系列(アンテナ22とアナログ送信処理部240、およびアナログ受信処理部250の組)のループバック伝達関数を用いてブランチインバランスを補正するアンテナキャリブレーション係数を計算する。
ここで、図10に示した送信側の最上段の処理系列の伝達係数をTx(A)、中断の処理系列の伝達係数をTx(B)、最下段の処理系列の伝達係数をTx(C)とする。また、図10に示した受信側の最上段の処理系列の伝達係数をRx(A)、中断の処理系列の伝達係数をRx(B)、最下段の処理系列の伝達係数をRx(C)とする。この場合、アンテナキャリブレーションは、以下の数式2が成立するように補正係数Kを求めることを目的とする。
Figure 2009188547
以下、第1のステップおよび第2のステップで得られた各処理系列のループバック伝達関数(折り返し信号)を用いて補正係数Kを求める方法を説明する。また、以下では、送信側の処理系列iから受信側の処理系列jを経由して得られるループバック伝達関数をD(i,j)とする。この場合、第1のステップおよび第2のステップで得られたループバック伝達関数D(i,j)は以下の数式3のように表現される。
Figure 2009188547
ここで、補正係数K(A)を基準値として「1.0」とすると、補正係数K(A〜C)は以下の数式4のように表現される。
Figure 2009188547
数式4に示した各補正係数を数式2に代入して数式4を検算すると、以下の数式5に示すように、数式2の各項の値が一定であるというアンテナキャリブレーションの目的が達成されることが確認できる。すなわち、アンテナキャリブレーションにおいては、数式4にしたがってデジタル処理部10の例えば送信制御部104や受信制御部124が補正係数Kを算出する。
Figure 2009188547
〔2−3〕本実施形態の目的
図2に示したように、本実施形態にかかる無線通信装置6のアナログ処理部20とデジタル処理部10を接続するための入出力ピンは、コスト削減などの観点から送信時と受信時で共用される。無線通信装置6は、通常、送信と受信を同時に行なわないため、送信信号の経路と受信信号の経路を共用しても問題は生じない。また、送信信号および受信信号は各々3つの系列が存在するが、各送信信号の経路をいずれの受信信号の経路と共用させてもよい。
このような無線通信装置6におけるIQキャリブレーションおよびアンテナキャリブレーションは、以下の制約条件を解決して実現できる。
(1)アンテナキャリブレーション時のアナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せが、通常の無線通信時と同一であること。
(2)IQキャリブレーション時のアナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せが、通常の無線通信時と同一であること。
(3)IQキャリブレーション時に基準信号が経るアナログ送信処理部240およびアナログ受信処理部250は、同一のアンテナ22に接続されていること。
以下、上記各制約条件の根拠を説明する。
アンテナキャリブレーションは、送信側の各処理系列、および受信側の各処理系列の伝達関数のインバランスを補正することを目的としている。例えば、DAC112やADC114は、ブランチインバランスへの影響が大きい。このため、通常の無線通信時とアンテナキャリブレーション時とで、アンテナキャリブレーション時のアナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せが異なると、意味のある補正係数Kを取得することが困難になる。以上の理由により、上記の制約条件(1)が存在する。
IQキャリブレーション時には、特に振幅エラーがDAC112およびADC114の影響を受けて生じる。このため、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せも、通常の無線通信時とIQキャリブレーション時とで異なると、意味のあるIQキャリブレーション係数を取得することが困難になる。以上の理由により、上記制約条件(2)が存在する。
また、IQキャリブレーション時に異なるアンテナ22に接続されるアナログ送信処理部240およびアナログ受信処理部250でアイソレーションを取って基準信号を折り返すことは困難である。以上の理由により、上記制約条件(3)が存在する。
図2に示したような送信信号の経路と受信信号の経路を共用する無線通信装置6において、仮にアナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せが固定されている場合、上記制約条件を満たしてIQキャリブレーションとアンテナキャリブレーションを行なうことができなかった。
例えば、アナログ送信処理部240AとDAC112Aの接続、およびアナログ受信処理部250BおよびADC114Bの接続が固定されており、IQキャリブレーション時にアナログ送信処理部240Aからアナログ受信処理部250Bに基準信号が折り返される場合、制約条件(1)および制約条件(2)は満たされ得る。しかし、この場合は制約条件(3)が満たされない。このように、制約条件(1)および(2)を同時に満たそうとすると制約条件(3)が満たされず、制約条件(1)および(3)を同時に満たそうとすると制約条件(2)が満たされないという問題があった。
そこで、上記のような事情に鑑みて本実施形態にかかる無線通信装置6を創作するに至った。当該無線通信装置6によれば、送信スイッチ220A〜220Cおよび受信スイッチ222A〜222Cの機能により、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せを適宜変更することができる。その結果、制約条件を満たしてIQキャリブレーションとアンテナキャリブレーションを行なうことが可能である。以下、図11〜図20を参照し、当該無線通信装置6の各動作状態時における送信スイッチ220A〜220Cおよび受信スイッチ222A〜222Cの状態、および信号経路を説明する。
〔2−4〕各動作状態時におけるスイッチ状態
(通常の無線信号の送信時)
図11は、通常の無線信号の送信時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。図11においては、信号の流路を実線で、信号の流路以外を破線で示している。図12〜図20も同様である。
図11に示したように、通常の無線信号の送信時、アナログ送信処理部240A(例えば、第1のアナログ送信処理部)およびDAC112A(例えば、第1のDA変換部)を送信スイッチ220Aが接続する。また、アナログ送信処理部240B(例えば、第2のアナログ送信処理部)およびDAC112B(例えば、第2のDA変換部)を送信スイッチ220Bが接続する。さらに、アナログ送信処理部240CおよびDAC112Cを送信スイッチ220Cが接続する。
その結果、無線信号が、DAC112Aおよびアナログ送信処理部240Aを介してアンテナ22Aから送信され、DAC112Bおよびアナログ送信処理部240Bを介してアンテナ22Bから送信される。さらに、無線信号が、DAC112Cおよびアナログ送信処理部240Cを介してアンテナ22Cから送信される。なお、送信スイッチ220のスイッチ状態は送信制御部104が切り替えてもよい。
(通常の無線信号の受信時)
図12は、通常の無線信号の受信時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。
図12に示したように、通常の無線信号の受信時、アナログ受信処理部250A(例えば、第1のアナログ受信処理部)およびADC114A(例えば、第1のAD変換部)を受信スイッチ222Aが接続する。また、アナログ受信処理部250B(例えば、第2のアナログ受信処理部)およびADC114B(例えば、第2のAD変換部)を受信スイッチ222Bが接続する。さらに、アナログ受信処理部250CおよびADC114Cを受信スイッチ222Cが接続する。
その結果、アンテナ22Aにより受信された無線信号がアナログ受信処理部250Aを介してADC114Aに到達し、アンテナ22Bにより受信された無線信号がアナログ受信処理部250Bを介してADC114Bに到達する。さらに、アンテナ22Cにより受信された無線信号がアナログ受信処理部250Cを介してADC114Cに到達する。なお、受信スイッチ222のスイッチ状態は受信制御部124が切り替えてもよい。
(送信側のIQキャリブレーション時)
図13〜図15は、送信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。
図13に示したように、アナログ送信処理部240AのIQキャリブレーション時は、アナログ送信処理部240AおよびDAC112Aを送信スイッチ220Aが接続し、アナログ受信処理部250AおよびADC114Bを受信スイッチ222Bが接続する。
その結果、基準信号が、DAC112A、アナログ送信処理部240A、整流部260A、アナログ受信処理部250A、およびADC114Bを経て受信処理部124に到達する。当該到達した信号に基づいて例えば送信制御部104がDAC112A、アナログ送信処理部240Aの特性誤差を較正できる。
図14に示したように、アナログ送信処理部240BのIQキャリブレーション時は、アナログ送信処理部240BおよびDAC112Bを送信スイッチ220Bが接続し、アナログ受信処理部250BおよびADC114Cを受信スイッチ222Cが接続する。
その結果、基準信号が、DAC112B、アナログ送信処理部240B、整流部260B、アナログ受信処理部250B、およびADC114Cを経て受信処理部124に到達する。当該到達した信号に基づいて例えば送信制御部104がDAC112B、アナログ送信処理部240Bの特性誤差を較正できる。
図15に示したように、アナログ送信処理部240CのIQキャリブレーション時は、アナログ送信処理部240CおよびDAC112Cを送信スイッチ220Cが接続し、アナログ受信処理部250CおよびADC114Aを受信スイッチ222Aが接続する。
その結果、基準信号が、DAC112C、アナログ送信処理部240C、整流部260C、アナログ受信処理部250C、およびADC114Aを経て受信処理部124に到達する。当該到達した信号に基づいて例えば送信制御部104がDAC112C、アナログ送信処理部240Cの特性誤差を較正できる。
また、図13〜図15に示したように、送信側のIQキャリブレーションはアナログ送信処理部240ごとに順次行なうため、基準信号はデジタル送信処理部106Aで行なっている。また、折り返しで戻ってきた信号もデジタル受信処理部106Aで処理している。
ここで、折り返しは同一のアンテナ22に接続されているアナログ送信処理部240およびアナログ受信処理部250において行なわれており、制約条件(3)を満たしている。また、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せが、図11に示した通常の無線信号の送信時の組合せと同一であり、制約条件(2)も満たしている。
(受信側のIQキャリブレーション時)
図16〜図18は、受信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。
図16に示したように、アナログ受信処理部250AのIQキャリブレーション時は、アナログ受信処理部250AおよびADC114Aを受信スイッチ222Aが接続し、アナログ送信処理部240AおよびDAC112Bを送信スイッチ220Aが接続する。
その結果、基準信号が、DAC112B、アナログ送信処理部240A、アナログ受信処理部250A、およびADC114Aを経て受信処理部124に到達する。当該到達した信号に基づいて例えば受信制御部124がアナログ受信処理部250A、およびADC114Aの特性誤差を較正できる。
図17に示したように、アナログ受信処理部250BのIQキャリブレーション時は、アナログ受信処理部250BおよびADC114Bを受信スイッチ222Bが接続し、アナログ送信処理部240BおよびDAC112Cを送信スイッチ220Bが接続する。
その結果、基準信号が、DAC112C、アナログ送信処理部240B、アナログ受信処理部250B、およびADC114Bを経て受信処理部124に到達する。当該到達した信号に基づいて例えば受信制御部124がアナログ受信処理部250B、およびADC114Bの特性誤差を較正できる。
図18に示したように、アナログ受信処理部250CのIQキャリブレーション時は、アナログ受信処理部250CおよびADC114Cを受信スイッチ222Cが接続し、アナログ送信処理部240CおよびDAC112Aを送信スイッチ220Cが接続する。
その結果、基準信号が、DAC112A、アナログ送信処理部240C、アナログ受信処理部250C、およびADC114Cを経て受信処理部124に到達する。当該到達した信号に基づいて例えば受信制御部124がアナログ受信処理部250C、およびADC114Cの特性誤差を較正できる。
ここで、折り返しは同一のアンテナ22に接続されているアナログ送信処理部240およびアナログ受信処理部250において行なわれており、制約条件(3)を満たしている。また、アナログ受信処理部250とADC114の組合せが、図12に示した通常の無線信号の受信時の組合せと同一であり、制約条件(2)も満たしている。
(アンテナキャリブレーション時)
図19は、アンテナキャリブレーションの第1のステップ時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。図20は、アンテナキャリブレーションの第2のステップ時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。
図19に示したように、アンテナキャリブレーションの第1のステップ時は、アナログ送信処理部240AおよびDAC112Aを送信スイッチ220Aが接続する。また、アナログ受信処理部250BおよびADC114Bを受信スイッチ222Bが接続し、アナログ受信処理部250CおよびADC114Cを受信スイッチ222Cが接続する。
その結果、DAC112A、アナログ送信処理部240A、およびアンテナ22Aを経てリファレンス信号が送信される。そして、該リファレンス信号が、アンテナ22B、アナログ受信処理部250B、およびADC114Bを経て受信制御部124に到達する。同様に、上記リファレンス信号が、アンテナ22C、アナログ受信処理部250C、およびADC114Cを経て受信制御部124に到達し、受信制御部124がループバック伝達関数D(A,B)、D(A,C)を取得する。
図20に示したように、アンテナキャリブレーションの第2のステップ時は、アナログ送信処理部240BおよびDAC112Bを送信スイッチ220Bが接続し、アナログ送信処理部240CおよびDAC112Cを送信スイッチ220Cが接続する。また、アナログ受信処理部250AおよびADC114Aを受信スイッチ222Aが接続する。
その結果、DAC112B、アナログ送信処理部240B、およびアンテナ22Bを経てリファレンス信号が送信される。さらに、DAC112C、アナログ送信処理部240C、およびアンテナ22Cを経てリファレンス信号が送信される。そして、双方のリファレンス信号が、アンテナ22A、アナログ受信処理部250A、およびADC114Aを経て受信制御部124に到達し、受信制御部124がループバック伝達関数D(B,A)、D(C,A)を取得する。
無線通信装置6のデジタル処理部10は、上記第1のステップおよび第2のステップで得られたループバック伝達関数Dに基づいて補正係数Kを算出することができる。ここで、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せは通常の無線通信時と同一であるため、制約条件(1)も満たしている。
上記のスイッチ状態の切り替えについて概念的に以下にまとめる。通常の無線通信時のアナログ送信処理部240とDAC112の組合せを第1の送信組合せと称し、アナログ受信処理部250とADC114の組合せを第1の受信組合せと称する。この場合、アンテナキャリブレーション時、送信スイッチは、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せを第1の送信組合せとし、受信スイッチは、アナログ受信処理部250とADC114の組合せを第1の受信組合せにする。
また、送信側のIQキャリブレーション時、送信スイッチは、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せを第1の送信組合せとし、受信スイッチは、アナログ受信処理部250とADC114の組合せを第1の受信組合せと異なる第2の受信組合せとする。さらに、受信側のIQキャリブレーション時、送信スイッチは、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せを第1の送信組合せと異なる第2の送信組合せとし、受信スイッチは、アナログ受信処理部250とADC114の組合せを第1の受信組合せとする。
〔2−5〕無線通信装置の動作
以上、図2〜図20を参照して本実施形態にかかる無線通信装置6の機能を説明した。続いて、図21を参照して本実施形態にかかる無線通信装置6の動作を説明する。
図21は、本実施形態にかかる無線通信装置6において実行される制御方法の流れを示したフローチャートである。図21に示したように、無線通信装置6の送信制御部104や受信制御部124などの制御部は、送信スイッチ220および受信スイッチ222をIQキャリブレーション用(IQキャリブレーションモード)に切替える(S404)。続いて、無線通信装置6は、送信側および受信側のIQキャリブレーションを実行する(S408)。
その後、送信制御部104や受信制御部124などの制御部は、送信スイッチ220および受信スイッチ222をアンテナキャリブレーション用(アンテナキャリブレーションモード)に切替える(S412)。続いて、無線通信装置6はアンテナキャリブレーションを実行する(S416)。そして、無線通信装置6は、相手側の例えば無線通信装置6’との無線通信を開始する(S420)。
〔3〕まとめ
以上説明したように、本実施形態にかかる無線通信装置6は、送信スイッチ220および受信スイッチ222を6箇所に備える。かかる構成により、送信信号の経路と受信信号の経路を共用する無線通信装置6であっても、送信スイッチ220および受信スイッチ222を適宜切替え、制約条件を満たしてIQキャリブレーションおよびアンテナキャリブレーションを行なうことができる。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、無線通信装置6が3つの処理系列を備える場合を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、無線通信装置6の処理系列は2つであっても、4つ以上の多数であってもよい。無線通信装置6の処理系列が2つである場合の無線通信装置6の構成例を図22に示す。
図22は、本実施形態にかかる無線通信装置6の変形例を示した説明図である。図22に示したように、変形例にかかる無線通信装置6は、アンテナ22、アナログ送信処理部240、アナログ受信処理部250、DAC112、ADC114、デジタル送信処理部106、デジタル受信処理部126を、各々2つずつ備える。また、変形例にかかる無線通信装置6は、送信スイッチ224Aおよび224B、受信スイッチ226Aおよび226Bを備えるため、上記「〔2〕無線通信システムを構成する無線通信装置の詳細な説明」で説明した効果が得られる。すなわち、当該変形例によれば、アナログ送信処理部240とDAC112の組合せ、およびアナログ受信処理部250とADC114の組合せを適宜変更できるため、制約条件を満たすIQキャリブレーションおよびアンテナキャリブレーションを実現できる。
また、上記実施形態では、通常の無線信号の送信時に同一アルファベットの付されたアナログ送信処理部240とDAC112が接続される場合を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。通常の無線信号の受信時についても同様である。
本実施形態にかかる無線通信システムの構成を示した説明図である。 本実施形態にかかる無線通信装置の構成を示した機能ブロック図である。 IQモジュレータの構成例を示した説明図である。 IQデモジュレータの構成例を示した説明図である。 Cos波および−Sin波が正常な場合に期待されるIチャネルおよびQチャネルを示した説明図である。 振幅エラーが生じた場合について示した説明図である。 位相エラーが生じた場合について示した説明図である。 アナログ送信処理部およびアナログ受信処理部の構成を示した説明図である。 アンテナキャリブレーションの第1のステップを示した説明図である。 アンテナキャリブレーションの第2のステップを示した説明図である。 通常の無線信号の送信時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 通常の無線信号の受信時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 送信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 送信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 送信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 受信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 受信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 受信側のIQキャリブレーション時の無線通信装置6のスイッチ状態を示した説明図である。 アンテナキャリブレーションの第1のステップ時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 アンテナキャリブレーションの第2のステップ時の無線通信装置のスイッチ状態を示した説明図である。 本実施形態にかかる無線通信装置において実行される制御方法の流れを示したフローチャートである。 本実施形態にかかる無線通信装置の変形例を示した説明図である。
符号の説明
6 無線通信装置
10 デジタル処理部
20 アナログ処理部
22、22A、22B、22C アンテナ
106 デジタル送信処理部
112、112A、112B、112C DAC
114、114A、114B、114C ADC
126、126A、126B、126C デジタル受信処理部
240、240A、240B、240C アナログ送信処理部
250、250A、250B、250C アナログ受信処理部

Claims (8)

  1. アナログ受信処理部、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部の各々を複数備え、無線信号を送受信する複数のアンテナが接続される信号処理装置であって:
    前記アナログ受信処理部の各々は、接続されているアンテナにより受信された無線信号の周波数帯域を低周波側にシフトさせてアナログ形式のベースバンド信号を生成して出力端子から出力し、
    前記AD変換部の各々は、接続されているアナログ受信処理部により生成されたアナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換して出力し、
    前記DA変換部の各々は、入力されるデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、
    前記アナログ送信処理部の各々は、接続されているDA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせ、
    前記信号処理装置は、
    前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部を切替える送信スイッチ部と;
    前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を切替える受信スイッチ部と;
    をさらに備えることを特徴とする、信号処理装置。
  2. 前記アナログ受信処理部、前記AD変換部、前記DA変換部、前記アナログ送信処理部、および前記アンテナの少なくともいずれかの特性を較正する特性較正部と;
    前記特性較正部による特性の較正対象に応じて前記送信スイッチ部および前記受信スイッチ部を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記アナログ形式のベースバンド信号が前記アナログ送信処理部の各々により高周波側にシフトされた信号を整流し、整流された信号が前記アナログ送信処理部と同一のアンテナに接続されているアナログ受信処理部の出力端子から出力されるように配置される複数の整流部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記特性較正部による第1のアナログ送信処理部および第1のDA変換部の特性の較正に際し、
    前記第1のアナログ送信処理部および第1のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記第1のアナログ送信処理部と同一のアンテナに接続されており、前記整流部により整流された信号を出力端子から出力する第1のアナログ受信処理部および第2のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させ、
    前記特性較正部による第1のアナログ受信処理部および第1のAD変換部の特性の較正に際し、
    前記第1のアナログ送信処理部および第2のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記アナログ形式のベースバンド信号が前記第1のアナログ送信処理部により高周波側にシフトされた信号が入力される前記第1のアナログ受信処理部および第1のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させることを特徴とする、請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記特性較正部による前記アンテナ特性の較正に際し、
    前記制御部は、
    第1ステップとして、
    前記第1のアナログ送信処理部および前記第1のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記第1のアナログ送信処理部に接続されている第1のアンテナから無線信号を受信する第2のアンテナに接続されている第2のアナログ受信処理部および前記第2のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させ、
    第2ステップとして、
    前記第2のアンテナに接続されている第2のアナログ送信処理部と前記第2のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、かつ、前記第2のアンテナから送信された無線信号を受信する前記第1のアンテナに接続されている前記第1のアナログ受信処理部および前記第1のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させることを特徴とする、請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記制御部は、
    前記第1のアンテナからの他の無線通信装置への無線信号の送信期間にわたって、前記第1のアナログ送信処理部および前記第1のDA変換部を前記送信スイッチ部に接続させ、
    前記第1のアンテナによる他の無線通信装置からの無線信号の受信期間にわたって、前記第1のアナログ受信処理部および前記第1のAD変換部を前記受信スイッチ部に接続させることを特徴とする、請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 接続されているAD変換部から出力されるデジタル形式のベースバンド信号をビット列に変換する複数のデジタル受信処理部と;
    デジタル形式のベースバンド信号を生成し、接続されているDA変換部に出力する複数のデジタル送信処理部と;
    前記AD変換部の各々に接続される前記デジタル受信処理部、および前記DA変換部の各々に接続されるデジタル送信処理部を切替える切替部と;
    をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の信号処理装置。
  7. 無線信号を送受信する複数のアンテナが接続され、アナログ受信処理部、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部の各々を複数備え、
    前記アナログ受信処理部の各々は、接続されているアンテナにより受信された無線信号の周波数帯域を低周波側にシフトさせてアナログ形式のベースバンド信号を生成して出力端子から出力し、
    前記AD変換部の各々は、接続されているアナログ受信処理部により生成されたアナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換して出力し、
    前記DA変換部の各々は、入力されるデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、
    前記アナログ送信処理部の各々は、接続されているDA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせる信号処理装置において実行される制御方法であって:
    前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部、および前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を、特性の較正対象に応じて切替えるステップを含むことを特徴とする、制御方法。
  8. アンテナ、アナログ受信処理部、AD変換部、DA変換部、およびアナログ送信処理部の各々を複数備え、MIMO通信機能を有する無線通信装置であって:
    前記アナログ受信処理部の各々は、接続されているアンテナにより受信された無線信号の周波数帯域を低周波側にシフトさせてアナログ形式のベースバンド信号を生成して出力端子から出力し、
    前記AD変換部の各々は、接続されているアナログ受信処理部により生成されたアナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式に変換して出力し、
    前記DA変換部の各々は、入力されるデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式に変換して出力し、
    前記アナログ送信処理部の各々は、接続されているDA変換部から出力されるアナログ形式のベースバンド信号の周波数帯域を高周波側にシフトさせ、
    前記無線通信装置は、
    前記アナログ送信処理部の各々と接続されるDA変換部を切替える送信スイッチ部と;
    前記アナログ受信処理部の各々と接続されるAD変換部を切替える受信スイッチ部と;
    をさらに備えることを特徴とする、無線通信装置。




JP2008024458A 2008-02-04 2008-02-04 信号処理装置、制御方法、および無線通信装置 Expired - Fee Related JP4428451B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008024458A JP4428451B2 (ja) 2008-02-04 2008-02-04 信号処理装置、制御方法、および無線通信装置
US12/361,481 US7800523B2 (en) 2008-02-04 2009-01-28 Signal processor, control method, and wireless communication device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008024458A JP4428451B2 (ja) 2008-02-04 2008-02-04 信号処理装置、制御方法、および無線通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009188547A true JP2009188547A (ja) 2009-08-20
JP4428451B2 JP4428451B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=41012772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008024458A Expired - Fee Related JP4428451B2 (ja) 2008-02-04 2008-02-04 信号処理装置、制御方法、および無線通信装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7800523B2 (ja)
JP (1) JP4428451B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011055495A1 (ja) * 2009-11-04 2011-05-12 パナソニック株式会社 受信装置及び受信方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103248384B (zh) * 2013-05-20 2015-06-17 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种基于无线脉冲技术的天线测试方法与系统
KR20160118027A (ko) * 2015-04-01 2016-10-11 삼성전자주식회사 신호 처리 장치 및 방법
CN113839689A (zh) * 2021-10-29 2021-12-24 上海创远仪器技术股份有限公司 基于开关级联网络实现快切换收发处理的系统
CN114611559B (zh) * 2022-03-17 2024-04-26 北京工业大学 数字化无线信号分析系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6728517B2 (en) * 2002-04-22 2004-04-27 Cognio, Inc. Multiple-input multiple-output radio transceiver
US9065537B2 (en) * 2002-09-03 2015-06-23 Broadcom Corporation Method and system for calibrating a multi-mode, multi-standard transmitter and receiver
US7079870B2 (en) * 2003-06-09 2006-07-18 Ipr Licensing, Inc. Compensation techniques for group delay effects in transmit beamforming radio communication
US8055207B2 (en) * 2006-12-06 2011-11-08 Broadcom Corporation RF receiver with fast baseband switching
US7541952B1 (en) * 2007-10-10 2009-06-02 Atheros Communications, Inc. Method and apparatus for offset and gain compensation for analog-to-digital converters

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011055495A1 (ja) * 2009-11-04 2011-05-12 パナソニック株式会社 受信装置及び受信方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20090219184A1 (en) 2009-09-03
US7800523B2 (en) 2010-09-21
JP4428451B2 (ja) 2010-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10009081B2 (en) Transmission method, transmitter, and receiver for multi antenna wireless communication system
US9231715B2 (en) I/Q mismatch compensation method and apparatus
US9144012B2 (en) Method and system of MIMO and beamforming transmitter and receiver architecture
US9843378B2 (en) Multiple-input multiple-output wireless transceiver architecture
US20140086354A1 (en) System and method for distinguishing between antennas in hybrid mimo rdn systems
CN111095816A (zh) 混合波束成形器
US11303307B2 (en) Transceiver element for beamforming
US20070076811A1 (en) Channel estimation for orthogonal preambles in a MIMO system
JP4428451B2 (ja) 信号処理装置、制御方法、および無線通信装置
US20090316829A1 (en) Method and system for transmit diversity for chip-to-chip communications
US8090313B2 (en) Method and system for frequency-shift based chip-to-chip communications
US20080253470A1 (en) OFDM receiving circuit having multiple demodulation paths
CN101459643A (zh) 一种用于处理通信信号的方法和处理通信信号的系统
CN101567872B (zh) 在ofdm系统中用于i/q分支均衡的系统及方法
US9197302B2 (en) MIMO communication method
WO2022243060A1 (en) DIGITAL PRE-PROCESSING CHIP FOR mmWAVE TRANSCEIVER ARCHITECTURES
CN111130609B (zh) 一种无线通信方法及相关装置
TW201911764A (zh) 訊號收發裝置與其校正方法
TWI382695B (zh) 校正多輸入多輸出正交分頻多工無線收發器之波束形成方法及相關裝置
US20060203759A1 (en) Method for modulating a bit string, modulator, radio transmitter, and radio receiver
JP5141480B2 (ja) 送信装置及び送信方法
JP2017085403A (ja) 無線装置及びその等化方法
JP2004235803A (ja) ディジタルベースバンド変/復調装置
US20180269995A1 (en) Phase Alignment Among Multiple Transmitters
WO2022139911A1 (en) A communication device

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091207

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees