JP2009164747A - マイクロフォン装置、電話機、音声信号処理装置および音声信号処理方法 - Google Patents

マイクロフォン装置、電話機、音声信号処理装置および音声信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロフォンの収音における近接効果による影響を低減して、収音内容を示す音声信号の品質を向上させることができるマイクロフォン装置、電話機、音声信号処理装置および音声信号処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置1は、音声入力部10のマイクロフォンと発音源との距離dに応じて発生する近接効果の影響について、周波数特性補正部30において、音声入力部10から出力される音声信号Smicの信号レベルから距離dを判断して、近接効果の影響を打ち消すような周波数特性の補正することができる。また、このような周波数特性の補正がなされた音声信号Sfを用いることにより、信号圧縮部40において、安定したダイナミックレンジの圧縮を行うことができ、安定した信号レベルの音声信号Soutを生成して出力することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロフォンの近接効果の影響を低減する技術に関する。
電話機においては、通話時の音声の品質を高めるために、様々な方法の技術が用いられている。その一例として、周囲の騒音が大きくなった場合に、低周波数帯域の信号成分を遮断する技術が、特許文献1に開示されている。
特開2005−244541号公報
ところで、マイクロフォンは、マイクロフォンの近くの発音源からの音を収音すると、その音の低周波数帯域側のレベルが増大してしまうという現象が発生する。この現象は、近接効果といわれる。携帯電話などの電話機の利用者は、電話機のマイクロフォンの部分と口とを近づけたり、離したりして通話し、通話中においてマイクロフォンと発音源である口との距離が変化する場合が多く、これにより低周波数帯域側の音量レベルが変化してしまい、通話品質が落ちることがあった。
また、通話の音声信号を効率よく伝送したり、通話を聞き取りやすくしたりするために、音量レベルをできるだけ大きく自動的に均一化するためのダイナミックレンジコントロール、オートレベルコントロールなどが用いられているが、低周波数帯域における音量レベルが変動すると、その音量レベルの影響を受け、他の周波数帯域の音量レベルのコントロールが安定しないことがあった。例えば、低周波数帯域における音量レベルが大きくなり、他の周波数帯域における音量レベルより大きくなる場合には、低周波数帯域における音量レベルを基準に全体の音量レベルがコントロールされ、音声を明確に聞き取るために必要な他の周波数帯域の音量レベルが大きくならないことがあった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、マイクロフォンの収音における近接効果による影響を低減して、収音内容を示す音声信号の品質を向上させることができるマイクロフォン装置、電話機、音声信号処理装置および音声信号処理方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、音声を収音するマイクロフォンと、前記マイクロフォンにおける収音内容を示す音声信号を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された音声信号の信号レベルを検出する検出手段と、前記生成手段によって生成された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする補正を行う補正手段と、前記補正手段によって補正された音声信号のダイナミックレンジを圧縮する圧縮手段とを具備することを特徴とするマイクロフォン装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記補正手段は、前記生成手段によって生成された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを減衰する補正を行ってもよい。
また、別の好ましい態様において、前記補正手段は、低周波数帯域側の出力レベルを減衰する補正を行うときに、低周波数ほど減衰率を大きくしてもよい。
また、別の好ましい態様において、前記補正手段は、前記生成手段によって生成された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、高周波数帯域側の出力レベルを増加する補正を行ってもよい。
また、別の好ましい態様において、前記補正手段は、前記検出手段によって検出された信号レベルが所定レベル以上の場合に、前記生成手段によって生成された音声信号に対する補正を行い、所定レベル未満の場合には補正を行わなくてもよい。
また、別の好ましい態様において、前記検出手段は、前記生成手段によって生成された音声信号の特定の周波数帯域における出力レベルを前記信号レベルとして検出してもよい。
また、別の好ましい態様において、前記マイクロフォン、前記生成手段、前記検出手段、前記補正手段および前記圧縮手段を一体に納める筐体をさらに具備してもよい。
また、別の好ましい態様において、前記マイクロフォンの収音方向の所定範囲内の物体を検出する接近センサをさらに具備し、前記補正手段は、前記接近センサによって物体が検出された場合に、前記生成手段によって生成された音声信号に対する補正を行い、検出されない場合には補正を行わなくてもよい。
また、本発明は、上記記載のマイクロフォン装置と、前記圧縮手段においてダイナミックレンジが圧縮された音声信号を外部に送信する送信手段とを具備することを特徴とする電話機を提供する。
また、本発明は、マイクロフォンにおいて収音した収音内容を示す音声信号を生成する生成手段に接続し、前記生成手段から音声信号を供給される音声信号処理装置であって、前記生成手段から供給された音声信号の信号レベルを検出する検出手段と、前記生成手段によって供給された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする補正を行う補正手段と、前記補正手段によって補正された音声信号のダイナミックレンジを圧縮する圧縮手段とを具備することを特徴とする音声信号処理装置を提供する。
また、本発明は、音声を収音するマイクロフォンを有するマイクロフォン装置において用いられる音声信号処理方法であって、前記マイクロフォンにおける収音内容を示す音声信号を生成する生成過程と、前記生成過程によって生成された音声信号の信号レベルを検出する検出過程と、前記生成過程によって生成された音声信号に対して、前記検出過程によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする補正を行う補正過程と、前記補正過程によって補正された音声信号のダイナミックレンジを圧縮する圧縮過程とを備えることを特徴とする音声信号処理方法を提供する。
本発明によれば、マイクロフォンの収音における近接効果による影響を低減して、収音内容を示す音声信号の品質を向上させることができるマイクロフォン装置、電話機、音声信号処理装置および音声信号処理方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<実施形態>
本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置1は、マイクロフォンにおける収音内容を示す音声信号に対して、その周波数特性を補正して出力する。マイクロフォン装置1について、図1を用いて説明する。図1はマイクロフォン装置1の構成を示すブロック図である。
音声入力部10は、外部の音声を収音するマイクロフォンを有し、このマイクロフォンにおける収音内容を示す音声信号(以下、音声信号Smicという)を生成して出力する。このマイクロフォンは、ダイナミックコイル型マイクロフォン、エレクトレット型コンデンサマイクロフォンなど、近接効果の現象が発生するマイクロフォンであれば、どのようなマイクロフォンであってもよい。本実施形態においては、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術において、シリコンウエハなどの基板上に形成されるシリコンマイクであるものとする。なお、音声入力部10の音声信号Smicを生成する回路、および後述する信号レベル検出部20、周波数特性補正部30および信号圧縮部40などの構成についても、同一のシリコンウエハ上に形成して一体のチップ(筐体)としてもよいし、別のシリコンウエハ上に形成してこれらを分離不能な一体の筐体に納めてもよい。一体の筐体とすることにより、低コスト化、小型化を図ることができるだけでなく、筐体内部で音声信号の処理を完結することができるから設計も容易に行うことができる。例えば、マイクロフォンの指向特性によって近接効果の影響の程度が異なることがあるが、一体とすることで各種マイクロフォンへの汎用性を持たせる必要がなく、後述する周波数特性補正部30の設定を最適なものとすることができる。
音声入力部10の回路構成について、図2を用いて説明する。音声入力部10には、外部から印加される電源電圧VL(本実施形態においては3V)をチャージポンプなどによって電圧VH(本実施形態においては12V)に昇圧する昇圧回路を有する。この電源電圧VLは、後述する他の構成である信号レベル検出部20、周波数特性補正部30および信号圧縮部40にも印加され、それぞれの電源として用いられている。
マイクロフォンは、コンデンサCxであって、昇圧回路によって昇圧された電圧VHが高抵抗体RBを介して印加されている。このコンデンサCxは、外部の音声についての音圧による容量変化が生じることにより収音可能となっている。そして、容量変化とコンデンサCxに蓄積されている電荷の関係により、コンデンサCxには音圧に比例した電圧変化が生じる。1.5Vの電圧が印加される高抵抗体RHおよび音圧に比例した電圧変化を受けるカップリングコンデンサC1がゲートに結合されているインピーダンス変換FET(Field effect transistor)と、定電流源CCとによって、ゲートに入力される電圧変化に応じた音声信号がソース側から取り出される。これにより、コンデンサCxに係る高インピーダンスの信号から、低インピーダンスに変換された音声信号として生成される。そして、この音声信号は、結合コンデンサC2を介し、音声信号Smicとして、信号レベル検出部20および周波数特性補正部30に出力される。
ここで、マイクロフォンの近接効果について図3を用いて説明する。様々なマイクロフォンにおいて、発音源がマイクロフォンに近いほど、図3に示すように低周波数帯域の出力レベルが増加する現象が発生する。近接効果は、このように発音源とマイクロフォンとの距離によって低周波数帯域側の周波数特性が変化する現象をいう。ここで、図3における距離dは、発音源とマイクロフォン(本実施形態におけるコンデンサCx)との距離を示している。また、図3は、横軸が周波数、縦軸が高周波数帯域のある周波数帯域における出力レベルで規格化した出力レベル比を示すものであって、距離dに応じて変化する出力レベル比の周波数依存性を示している。
このように、発音源からの発音に係る音の周波数分布が周波数に依存しないような分布(図3における周波数分布c)である場合、発音源がマイクロフォンに近づくことにより距離dが小さくなると、低周波数部分の出力レベルが増加し、周波数分布b、周波数分布aと変化していくことになる。このように、距離dによって、マイクロフォンの収音内容を示す音声信号Smicの周波数分布が変化することになる。
図1に戻って説明を続ける。信号レベル検出部20は、音声入力部10から出力された音声信号Smicの信号レベルを検出して、検出した信号レベルを示すレベル情報を周波数特性補正部30に出力する。信号レベル検出部20は、音声入力部10から入力される音声信号Smicの最大振幅を順次検出し、周波数特性補正部30にレベル情報を出力する前の所定時間における最大振幅の平均値を信号レベルとして検出する。なお、信号レベルの検出は、音声信号Smicの絶対値を順次検出し、絶対値の波形の瞬時ピーク値が描くエンベロープ波形を求め、これを信号レベルとしてもよいし、このエンベロープ波形についてローパスフィルタを通すなどして信号レベルの変動を安定化させ、これを信号レベルとしてもよい。すなわち、信号レベルの検出は、様々な態様で行うことができ、上記信号レベルの検出の態様は、その一例を示したものである。
ところで、一般に電話機などを用いて通話をする場合、その話者は、その通話中において声の大きさを大きく変動させることは少ない。そのため、発音源である話者の口とマイクロフォンとの距離dは、話者の声の大きさ、すなわち音声信号Smicの信号レベルと特定の関係を持つ場合が多く、音声信号Smicの信号レベルが大きい場合には距離dが小さく、信号レベルが小さい場合には距離dが大きくなるという逆相関を持つものとして近似することができる。このように、音声信号Smicの信号レベルの大きさによって近接効果の影響の程度、すなわち低周波数帯域における出力レベルの増加量を推定することができる。
周波数特性補正部30は、音声入力部10から入力された音声信号Smicに対して、周波数特性の補正を行って、音声信号Sfとして信号圧縮部40に出力する。周波数特性補正部30は、図4に示すように信号レベル検出部20から出力されたレベル情報が示す信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする周波数特性の補正を行う。ここで、図4は、横軸に周波数、縦軸に周波数ごとの出力レベルの補正率を示している。そして、周波数特性補正部30は、入力されたレベル情報が示す信号レベルが小さいときには、ほとんど補正を行わず、補正率の周波数分布c1で音声信号Smicの補正を行う一方、信号レベルが大きいほど、補正率の周波数分布b1、さらに大きい場合には周波数分布a1で音声信号Smicの補正を行う。なお、図4においては、周波数分布a1、b1、c1が記載されているが、3段階で補正を行うことを示す意味ではなく、様々な信号レベルに応じた補正率の周波数分布の一部を示したものである。
ここで、本実施形態においては、補正率の周波数分布a1は、この補正率で図3における出力レベル比の周波数分布aの音声信号Smicを補正すると、フラットな周波数分布となるように予め設定されている。すなわち、近接効果によって周波数特性に与える影響を打ち消して、音声信号Smicがマイクロフォンの収音に係る音の周波数分布を再現するような補正を行うようになっている。
そして、上述したように距離dと音声信号Smicの信号レベルとの対応関係が逆相関として近似できるから、図3における出力レベルの周波数分布aが得られるような距離dに対応する音声信号Smicの信号レベルであるときに、図4における補正率の周波数分布a1が用いられるように、周波数特性補正部30に予め設定しておくことができる。このような出力レベルの周波数分布aと補正率の周波数分布a1との関係は、出力レベルの周波数分布bと補正率の周波数分布b1との関係、出力レベルの周波数分布cと補正率の周波数分布c1との関係においても同様である。このように、近接効果の影響を打ち消す補正を行うことにより、近接効果の影響による周波数特性の変化を低減することができるから、音声信号Sfは安定した周波数分布が得られ、音声信号Sfに係る音声の品質は良好なものとなる。
なお、図4においては、信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側を減衰する補正を行い、この補正のときには低周波数ほど減衰率を大きくする補正を行ったが、他の周波数帯域に比べて相対的に低周波数帯域側の出力レベルを低くするような補正となるものであれば、どのような補正としてもよい。例えば、高周波数帯域の出力レベルを増加させる補正であってもよい。また、低周波数帯域側の出力レベルを低くする補正と、高周波数帯域側の出力レベルを増加する補正とを併用してもよい。また、音声信号Sfの周波数特性は、近接効果の影響を打ち消した周波数特性となるように設定されていたが、特定の周波数帯域の出力レベルを増加させるように設定してもよい。例えば、人の声の周波数帯域の出力レベルを増加させることにより、より明瞭な音声信号Sfとすることができ、さらに品質を向上させることができる。
図1に戻って説明を続ける。信号圧縮部40は、周波数特性補正部30から出力された音声信号Sfが入力され、音声信号Sfのダイナミックレンジを圧縮して、音声信号Soutとして出力する。このダイナミックレンジの圧縮は、音声信号Sfの信号レベルに応じた増幅率で増幅することにより行い、ダイナミックレンジが狭くなるように音声信号Sfの信号レベルを調整する。例えば、図5に示すように、音声信号Sfの出力レベルが異なるフラットな周波数分布a2、b2、c2(破線)は、いずれも実線で示した周波数分布Sになるように調整する。なお、信号圧縮部40は、ダイナミックレンジコントロール回路、オートレベルレベルコントロール回路、オートゲインコントロール回路、ノンクリップ回路など、信号レベルの圧縮を行う回路であれば、どのような回路とすることもできる。
このように、発音源とマイクロフォンの距離dが異なることにより音声信号Smicの信号レベルが変化しても、周波数特性補正部30において近接効果による周波数特性への影響を打ち消す補正を行い、信号圧縮部40においてダイナミックレンジを圧縮することにより、安定した信号レベルの音声信号Soutを生成して出力することができる。
ここで、本発明との対比のため、従来のように周波数特性補正部30における補正を行わず、音声信号Smicに対して信号圧縮部40における処理を行う場合に生じる問題について説明する。図6に示すように、音声信号Smicの信号レベルが小さい場合には、発音源とマイクロフォンの距離dが大きいと言えるから、音声信号Sfの出力レベルの周波数分布は、近接効果の影響を受けていない周波数分布c3となる。この場合には、図5における状況と同様であり、信号圧縮部40における処理によって音声信号Soutの出力レベルが調整され周波数分布Scとなる。
一方、音声信号Smicの信号レベルが大きい場合には、発音源とマイクロフォンの距離dが小さいと言えるから、音声信号Sfの出力レベルの周波数分布は、近接効果の影響を大きく受けた周波数分布a3となる。この場合には、低周波数帯域における高い出力レベルを基準として音声信号Smicの信号レベルが決まるため、信号圧縮部40における処理によって出力レベルが調整され、周波数分布Saとなる。
このように音声信号Sfの出力レベルが調整された周波数分布Saと周波数分布Scを比較すると低周波数帯域においては音声信号Soutの出力レベルが同等となり、良好なダイナミックレンジの圧縮がなされている一方、高周波数帯域においては、双方の音声信号Soutの出力レベルが異なってしまい、良好なダイナミックレンジの圧縮がなされていない。このように近接効果の影響により、音声信号Soutの出力レベルが安定しない高周波数帯域においては、その音声信号に係る音声の明瞭性を左右することが多く、音声信号Soutの品質を悪化させる問題が生じることになる。以上が、マイクロフォン装置1の構成についての説明である。
上述のように、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置1は、音声入力部10のマイクロフォンと発音源との距離dに応じて発生する近接効果の影響について、周波数特性補正部30において、音声入力部10から出力される音声信号Smicの信号レベルから距離dを判断して、近接効果の影響を打ち消すような周波数特性に補正することができる。これにより得られる音声信号Sfは、安定した周波数分布となり、音声信号Sfに係る音声の品質は良好なものとなる。また、このような周波数特性の補正がなされた音声信号Sfを用いることにより、信号圧縮部40において、安定したダイナミックレンジの圧縮を行うことができ、安定した信号レベルの音声信号Soutを生成して出力することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、様々な態様で実施可能である。
<変形例1>
上述した実施形態においては、周波数特性補正部30は、信号レベル検出部20から出力されたレベル情報が示す信号レベルに応じて、周波数特性の補正を行っていたが、当該信号レベルが予め設定された所定レベル以上である場合に、周波数特性の補正を行い、所定レベル未満の場合には周波数特性の補正を行わないようにしてもよい。このようにすると、信号レベルが小さい場合には、近接効果が発生していないものとして扱うこともできる。
<変形例2>
上述した実施形態において、信号レベル検出部20は、音声信号Smicの信号レベルを検出していたが、音声信号Smicの特定の周波数帯域における出力レベルを信号レベルとして検出するようにしてもよい。この特定の周波数帯域は、近接効果が大きく現れる低周波数帯域を除いた周波数帯域とすれば、近接効果による信号レベルの増加分を除外することができ、より信号レベルと距離dとの関係を直接的なものとすることができる。
<変形例3>
上述した実施形態においては、周波数特性補正部30における周波数特性の補正の態様については、入力されたレベル情報が示す信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする周波数特性の補正を行う態様として設定されていたが、様々な態様に設定を変更できるようにしてもよい。この場合には、図7に示すように、周波数特性の補正の態様について、信号レベルと補正率の周波数分布とを対応付けたテーブルを各々の態様ごとに記憶した記憶部50を設ければよい。そして、図示しない操作部の操作によって、所望の態様を特定し、記憶部50に記憶された複数のテーブルのうち、特定された態様に対応したテーブルが周波数特性補正部30に設定されるようにすればよい。
この記憶部50に記憶される周波数特性の補正の態様は、実施形態で述べたような近接効果を打ち消すもの、近接効果の打ち消しに加えて人の声の周波数帯域の出力レベルを増加させるもの、また、近接効果の打ち消しに加えて様々な音響効果を与えるものなど、近接効果を打ち消す効果が得られる態様、すなわち入力されたレベル情報が示す信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする態様が含まれるものであれば、どのような態様であってもよい。このようにすると、周波数特性補正部30は、音声信号Smicに対して、話者の使用状況に応じて特定した所望の周波数特性の補正の態様で処理を行った音声信号Sfを生成することができる。
<変形例4>
上述した実施形態において、周波数特性補正部30は、入力されたレベル情報が示す信号レベルが大きいほど、近接効果の影響の程度が大きいものとして周波数特性の補正を行っていたが、マイクロフォン装置1から所定の範囲内に話者がいない場合には、この補正を行わないようにしてもよい。この場合には、図8に示すように、所定範囲内の物体を検出する接近センサ60を設け、周波数特性補正部30は、接近センサ60において物体が検出された場合には周波数特性の補正を行い、検出されない場合に周波数特性の補正を行わないようにすればよい。
この接近センサ60は、音声入力部10のマイクロフォンの収音方向の所定範囲内の物体の有無を検出するように設置され、この所定範囲は、近接効果の影響が発生する距離程度の範囲として設定される。このような接近センサ60は、光を用いたもの、音波を用いたもの、温度を用いたものなど、公知の接近センサを用いればよい。このようにすると、マイクロフォン装置1の近くに話者がいる場合のみ、近接効果を打ち消すような周波数特性の補正を行うことができる。なお、近接効果の影響の程度については、実施形態で述べたように信号レベルから判断することができる。
<変形例5>
上述した実施形態においては、周波数特性補正部30は、入力されたレベル情報が示す音声信号Smicの絶対的な信号レベルに応じて周波数特性の補正を行っていたが、相対的な信号レベルに応じて周波数特性の補正を行うようにしてもよい。この場合には、周波数特性補正部30は、電源投入後最初にレベル情報が入力されたタイミング、図示しない操作部の操作タイミングなど、特定のタイミングにおいて入力されたレベル情報が示す信号レベルを基準となる信号レベル(以下、基準信号レベルという)として記憶する。その後に入力されるレベル情報が示す信号レベルの基準信号レベルに対する信号レベル比に応じた周波数特性の補正を行なうようにすればよい。このとき周波数特性補正部30は、信号レベル比が大きくなるほど、近接効果の影響の程度が大きいものとして、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする周波数特性の補正を行うように設定されていればよい。
このようにすると、マイクロフォン装置1の話者が替わったときに、その話者の声の大きさが異なっていても、話者に応じて基準となる声の大きさを基準信号レベルとして決めることができるから、周波数特性補正部30は、より精密な周波数特性の補正を行うことができる。なお、周波数特性補正部30は、基準信号レベルを記憶するときに、話者と対応付けて記憶してもよい。そして、図示しない操作部の操作により話者を特定し、周波数特性補正部30は、その話者に対応する基準信号レベルを用いるようにすれば、1度基準信号レベルを記憶させた話者が再度マイクロフォン装置1を使用するときには、改めて基準信号レベルを記憶させなくてもよい。
<変形例6>
上述した実施形態におけるマイクロフォン装置1は、携帯電話などの電話機に用いられてもよい。この場合は、電話機は、図9に示すように、マイクロフォン装置1と、音声信号Soutまたは音声信号Sfを他の電話機に送信する送信部70とを有するようにすればよい。電話機の利用者は、通話中に発音源となる口とマイクロフォンとの距離が短くなりやすく、その距離が使用中に変動しやすいことから、このマイクロフォン装置1を用いることで通話品質を向上させることができる。
<変形例7>
上述した実施形態におけるマイクロフォン装置1は、音声入力部10を有していたが、信号レベル検出部20、周波数特性補正部30および信号圧縮部40を有する音声信号処理装置としてもよい。この音声信号処理装置は、マイクロフォンによる収音内容を示す音声信号Smicの供給を行う外部の音声入力部10が接続されるものであれば、本発明の効果を得ることができる。
ここで、外部接続される音声入力部10が有するマイクロフォンの収音に係る音量と、供給される音声信号Smicの信号レベルとの関係(以下、入出力特性という)が、マイクロフォンの種類、音声信号Smicの生成方法などによって変わる場合がある。この場合には、周波数特性補正部30は、外部接続される音声入力部10の入出力特性に応じて、入力されるレベル情報が示す信号レベルを修正できるようにし、修正した信号レベルに応じて周波数特性の補正を行なうようにすればよい。
このとき、図7に示すように記憶部50に複数の音声入力部10の入出力特性を記憶しておき、周波数特性補正部30は、複数の入出力特性から、図示しない操作部の操作によって特定される音声入力部10の入出力特性を読み出して、信号レベルの修正に用いるようにしてもよい。このようにすれば、音声信号処理装置は、様々なマイクロフォンを有する音声入力部10から音声信号Smicの供給を受け、当該音声入力部10に対応する入出力特性によって修正した信号レベルに応じて、近接効果を打ち消すような周波数特性の補正を行った音声信号Soutを出力することができる。
実施形態に係るマイクロフォン装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る音声入力部の構成を示す回路図である。 近接効果についての説明図である。 実施形態に係る周波数特性補正部における補正率の周波数分布を示す説明図である。 実施形態に係る信号圧縮部における本発明の音声信号のダイナミックレンジ圧縮についての説明図である。 実施形態に係る信号圧縮部における従来の音声信号のダイナミックレンジ圧縮についての説明図である。 変形例3、7に係るマイクロフォン装置の構成を示すブロック図である。 変形例4に係るマイクロフォン装置の構成を示すブロック図である。 変形例6に係る電話機の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…マイクロフォン装置、10…音声入力部、20…信号レベル検出部、30…周波数特性補正部、40…信号圧縮部、50…記憶部、60…接近センサ、70…送信部

Claims (11)

  1. 音声を収音するマイクロフォンと、
    前記マイクロフォンにおける収音内容を示す音声信号を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された音声信号の信号レベルを検出する検出手段と、
    前記生成手段によって生成された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする補正を行う補正手段と、
    前記補正手段によって補正された音声信号のダイナミックレンジを圧縮する圧縮手段と
    を具備することを特徴とするマイクロフォン装置。
  2. 前記補正手段は、前記生成手段によって生成された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを減衰する補正を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  3. 前記補正手段は、低周波数帯域側の出力レベルを減衰する補正を行うときに、低周波数ほど減衰率を大きくする
    ことを特徴とする請求項2に記載のマイクロフォン装置。
  4. 前記補正手段は、前記生成手段によって生成された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、高周波数帯域側の出力レベルを増加する補正を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマイクロフォン装置。
  5. 前記補正手段は、前記検出手段によって検出された信号レベルが所定レベル以上の場合に、前記生成手段によって生成された音声信号に対する補正を行い、所定レベル未満の場合には補正を行わない
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマイクロフォン装置。
  6. 前記検出手段は、前記生成手段によって生成された音声信号の特定の周波数帯域における出力レベルを前記信号レベルとして検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のマイクロフォン装置。
  7. 前記マイクロフォン、前記生成手段、前記検出手段、前記補正手段および前記圧縮手段を一体に納める筐体をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のマイクロフォン装置。
  8. 前記マイクロフォンの収音方向の所定範囲内の物体を検出する接近センサをさらに具備し、
    前記補正手段は、前記接近センサによって物体が検出された場合に、前記生成手段によって生成された音声信号に対する補正を行い、検出されない場合には補正を行わない
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のマイクロフォン装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のマイクロフォン装置と、
    前記圧縮手段においてダイナミックレンジが圧縮された音声信号を外部に送信する送信手段と
    を具備することを特徴とする電話機。
  10. マイクロフォンにおいて収音した収音内容を示す音声信号を生成する生成手段に接続し、前記生成手段から音声信号を供給される音声信号処理装置であって、
    前記生成手段から供給された音声信号の信号レベルを検出する検出手段と、
    前記生成手段によって供給された音声信号に対して、前記検出手段によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする補正を行う補正手段と、
    前記補正手段によって補正された音声信号のダイナミックレンジを圧縮する圧縮手段と
    を具備することを特徴とする音声信号処理装置。
  11. 音声を収音するマイクロフォンを有するマイクロフォン装置において用いられる音声信号処理方法であって、
    前記マイクロフォンにおける収音内容を示す音声信号を生成する生成過程と、
    前記生成過程によって生成された音声信号の信号レベルを検出する検出過程と、
    前記生成過程によって生成された音声信号に対して、前記検出過程によって検出された信号レベルが大きいほど、低周波数帯域側の出力レベルを他の周波数帯域に比べて相対的に低くする補正を行う補正過程と、
    前記補正過程によって補正された音声信号のダイナミックレンジを圧縮する圧縮過程と
    を備えることを特徴とする音声信号処理方法。
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