JP2009155904A - スレート材の改修方法及びスレート材の改修構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スレート材の強度を改修することができるスレート材の改修方法を提供する。
【解決手段】スレート材1の表面に第1のシーラーを塗布する第1のシーラー塗布工程と、第1のシーラー塗布工程で第1のシーラーを塗布したスレート材1の表面にポリマーセメントを塗布するポリマーセメント塗布工程と、ポリマーセメントを塗布したスレート材1の表面に第2のシーラーを塗布する第2のシーラー塗布工程と、第2のシーラー塗布工程で第2のシーラーを塗布したスレート材1の表面に塗料を塗布する塗料塗布工程とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スレート材の改修方法及びスレート材の改修構造に関する。
石綿スレート材(以下、スレート材という。)は、一般に不燃性に優れるとともに強度、軽量性、耐久性、経済性等の優れた物性的特徴を有することから、各種工場、倉庫、住宅等の屋根材や外壁材、外装材等として用いられている。
しかし、スレート材は、耐久性の高いものでも、長時間、日射や雨風に曝されると不純物等による汚染や老朽化で機械的強度が低下して表面が劣化する。このようにスレート材の表面が劣化すると、スレート材を構成するケイ酸カルシウムの溶出、セメントの劣化等により雨漏りが生じたり、セメントに含有される石綿(アスベスト)が表面に出て飛散したりしてしまう。この石綿は発癌性物質で人体に有害であるため、石綿が大気中に飛散してしまうことが問題となる。また、老朽化した工場等の建築物を解体、処分する際には高額な費用がかかるため、建築物の維持管理をするための措置が検討されている。
建築物の維持管理をするための方法として、例えば石綿が大気中に飛散するのを防止するために、スレート材表面にケイ酸化合物を含有する処理材等の固化材を吹付ける方法(例えば、特許文献1参照)等が提案されている。
特開2002−137976号公報
しかしながら、上述した方法では、ケイ酸塩類を主成分とするアルカリ性水溶液とガラスの微粒子とを所定の容積比率で混合する手間がかかるとともに、劣化した脆弱部深く浸透しづらく、固化能力も不十分であること等が問題となっていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、スレート材の性能を高めるスレート材の改修方法及びスレート材の改修構造を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、スレート材と吹付け材との接着力を高めることに着目して本発明に至った。すなわち、本発明に係るスレート材の改修方法は、スレート材の改修方法において、上記スレート材表面に第1のシーラーを塗布する第1のシーラー塗布工程と、上記第1のシーラー塗布工程で第1のシーラーを塗布したスレート材表面にポリマーセメントを塗布するポリマーセメント塗布工程と、上記ポリマーセメントを塗布したスレート材表面に第2のシーラーを塗布する第2のシーラー塗布工程と、上記第2のシーラー塗布工程で第2のシーラーを塗布したスレート材表面に塗料を塗布する塗料塗布工程とからなることを特徴としている。
また、本発明に係るスレート材の改修構造は、スレート材の改修構造において、上記スレート材表面に塗布された第1のシーラーからなる第1被覆層と、上記第1被覆層の表面に塗布されたポリマーセメントからなる第2被覆層と、上記第2被覆層の表面に塗布された第2のシーラーからなる第3被覆層と、上記第3被覆層の表面に塗布された塗料からなる第4被覆層とからなることを特徴としている。
本発明によれば、スレート材と吹付け材との接着力が高まり、スレート材の性能を高めることができる。また、スレート材に含まれる石綿の飛散を防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明する。
本実施の形態におけるスレート材の改修方法は、図1に示すようなスレート材1に第1のシーラーを塗布する第1のシーラー塗布工程(第1の作業)と、第1のシーラー塗布工程で第1のシーラーを塗布したスレート材1の表面にポリマーセメントを塗布するポリマーセメント塗布工程(第2の作業)と、ポリマーセメントを塗布したスレート材1の表面に第2のシーラーを塗布する第2のシーラー塗布工程(第3の作業)と、第2のシーラー塗布工程で第2のシーラーを塗布したスレート材表面に塗料を塗布する塗料塗布工程(第4の作業)とからなる。本実施の形態において、スレート材とは、石綿繊維とセメントとを混ぜて加工したものであり、波板のように屈曲させて波形などの凹凸を形成したものや、波形に限らず屈曲させたパターンを有するもの、また、表面に凹凸を形成したもの等をいう。
まず、第1の作業の前処理として、必要に応じてスレート材1の表面に付着した砂やコケ等を除去するためにスレート材表面を洗浄する。洗浄方法としては、例えば高圧水洗浄等を採用することができる。本実施の形態では、周辺にスレート材からの洗浄汚染物を飛散させないようにするために、例えばスレート材表面に水を潤す程度に塗布して、表面の汚れ等をブラシ等で除去することが好ましい。また、洗浄後はスレート材表面を乾燥させることが好ましい。
(第1のシーラー塗布工程)
続いて、第1の作業として、シーラーをスレート材の表面に塗布する。スレート材の表面に塗布するシーラーとしては、後述するようにスレート材に塗布するポリマーセメントの浸透性を向上させるとともにポリマーセメントと一体化させることで剥離防止の接着力の効果維持を図ることができるものが好ましく、例えば、溶剤系又は水性の1液又は2液のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂系等のものを使用することができ、特に、浸透性を向上させる点でポリウレタン樹脂系のものを使用することが好ましい。このようなシーラーをスレート材に吹付けることにより、スレート材に接着性、防水性、耐摩耗性、防滑性、耐衝撃性等の機能を付与することができる。
例えば、湿気硬化形のポリウレタン樹脂系のシーラーを第1のシーラーとして塗布することにより、スレート材に含まれるケイ酸カルシウムに含浸してスレート材と反応し、スレート材の表面強度を向上させることができる。また、スレート材に直接ポリマーセメントを吹付ける場合と比較してスレート材の表面に塗布するポリマーセメントが分離することなく良好にスレート材に浸透することを可能とする。なお、シーラーとして使用する材料は、スレート材に塗布するポリマーセメントの浸透性を向上させるとともにポリマーセメントと一体化させることで剥離防止の接着力の効果維持を図ることができるものであれば上述したもの以外を使用してもよい。
シーラーの塗布量は、上述したようにスレート材にセメントを良好に浸透させることが可能となるような量、例えば約0.1〜0.5〔l/m〕程度とすることが好ましい。これにより、シーラーをスレート材内部に浸透させるとともに、スレート材の重量が増加しすぎてしまうのを防止してスレート材の耐久性の低減、上塗りとの付着性の阻害を防止することができる。
例えば、当初の厚みが約6〔mm〕程度のスレート材にシーラーを約0.2〜0.3〔l/m〕程度塗布することで、シーラーがスレート材に浸透することにより形成される浸透層を約2〜3〔mm〕とすることができる。この浸透層の厚さは、老朽化したスレート材の厚みの約50〔%〕前後に相当し、老朽化したスレート材表面及びスレート材の内部を約50〔%〕前後固化されたものと考えることができる。したがって、シーラー塗布処理後スレート材を解体する場合には、シーラー塗布が未処理のスレート材を解体する場合と比較して石綿繊維の飛散率を大幅に削減することができる。また、塗布するシーラーは、必要に応じて例えばシンナー等の希釈剤で50%程度又はそれ以下に希釈して使用してもよい。
シーラーの塗布方法としては、例えばへら・こて、刷毛、ローラー又は機械塗装等の手段で行うことができる。本実施の形態では、安全性確保やシーラーをむらなく塗布する等の観点から機械塗装、具体的にはエアスプレーやエアレス・スプレー等による手段が好ましい。シーラーの塗布回数は、数回行うようしてもよい。本実施の形態では、塗布回数を2〜3回程度することで、より効果的に後述するようなスレート材と吹付け材との剥離を防止するとともに接着力の強化を図ることができる。
シーラーを塗布した後の乾燥時間は、スレート材の表面にシーラーによる薄い膜が形成される状態となるような時間とすることが好ましい。例えば、本実施の形態では冬場であれば約1時間、夏場であれば約45分程度乾燥させることにより、後述するように上塗りされるポリマーセメントとの接着力の強化を図ることができる。
(ポリマーセメント塗布工程)
続いて、第2の作業として、シーラーを塗布したスレート材の表面にポリマーセメントを塗布する。本実施の形態において、ポリマーセメントとはポリマー混和剤にセメント、骨材等を混合したものをいう。
ポリマー混和剤とは、コンクリート、モルタル等の性質を改善させる目的で混和されるポリマーである。このポリマー混和剤としては、例えば再乳化形粉末樹脂、具体的にはポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル/アクリル酸エステル等の樹脂が挙げられ、これらの中から適宜、選択して単独、または混合して使用することができる。本実施の形態では、ポリマー混和剤として再乳化形粉末樹脂であるスチレンブタジエンゴム(SBR)を使用することが浸透性、安全性、粘度特性等の観点で好ましい。
また、スレート材の曲げ性、圧縮性、接着性、透水性、吸水性、摩耗性、耐衝撃性、乾燥収縮性、凍結溶解性、中性化等の機能を向上させるために、消泡材、界面活性剤等を含有させてもよい。例えばポリマーセメントのスレート材の表面への浸透性を向上させるために含有させる界面活性剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系等から種々のものを使用することができ、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。
例えば、SBR、消泡材、界面活性剤、水等からなるポリマー混和剤は、浸透性、安全性に優れ、50〔MPa・s〕程度の粘度性質を有する。また、ポリマー混和剤として例えば固形分の比率が約45〔%〕のSBRを使用する場合には、その固形分の比率が約5〜20〔%〕となるように調製することが好ましい。SBRの固形分の比率が約5〜20〔%〕の範囲では固形分の比率に比例して性能が向上するが、約20〔%〕を超えるとほぼ変化がなくなるためである。また、固形分の比率が約5〔%〕より大きくすることで、スレート材への浸透性の向上や接着力の強化を十分に図ることができる。したがって、経済面及びスレート材の補強効果を考慮して、SBRの固形分の比率を約15〔%〕程度とすることが好ましい。
ポリマーセメントに使用するセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強セメント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、中庸熱ポルトランドセメント等を使用することができる。本実施の形態では、初期強度が大きく低温時の強度発現性が大きい点で早強セメントを使用することが好ましい。
ポリマーセメントに混合する骨材としては、珪砂、川砂、炭酸カルシウム、クレー、これらを混合したもの等を使用することができる。本実施の形態では、ポリマーセメントの流動性、充填性の低下を防止するために、珪砂7号程度の粒度のものを使用することが好ましい。
また、ポリマーセメントには、接着効果、増粘効果等の機能を向上させるために所定量の水溶性ポリマー、例えばセルロース誘導体であるメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を含有させてもよい。
例えば、ポリマー樹脂として、SBRを混和させたポリマーセメント(SBRセメント)を使用した場合の接着強度は、普通セメントでは約10〜20〔kgf/cm〕程度であるのに対し、ポリマーセメント比10〔%〕のSBRセメントでは25〜70〔kgf/cm〕の対比率とすることができる。したがって、ポリマーセメントとしてSBRセメントを使用した場合は、普通セメントを使用する場合と比較して数倍の接着強度を付与することができる。また、曲げ強度については、普通セメントでは約30〜50〔kgf/cm〕程度であるのに対し、SBRセメントでは約60〜100〔kgf/cm〕程度とすることができる。さらに、圧縮強度については、普通セメントでは約180〜200〔kgf/cm〕程度であるのに対し、SBRセメントでは約150〜290〔kgf/cm〕程度とすることができる。したがって、SBRセメントを使用した場合は、普通セメントを使用する場合と比較して数倍の曲げ・圧縮強度を付与することができる。
ポリマーセメントの吹付け量としては、スレート材の遮熱性、断熱性等が良好となるような量、例えば約0.5〜2〔l/m〕程度、好ましくは約1〔l/m〕程度とすることが好ましい。ポリマーセメントの吹付け量が少なすぎるとスレート材の強度を補強することができず、多すぎると負荷がかかりスレート材の強度を補強することができないためである。ポリマーセメントの吹き付け回数は、吹付け量を一定として数回に分けて全体としての吹付け量を調整するようにしてもよい。ポリマーセメントの吹付け方法としては、エアスプレー、エアレス・スプレー方式等を採用することができる。例えば、エアスプレー等で吹き付ける際のノズルに供給する圧力は約5〜6〔kg/m〕程度とすることが好ましい。また、ポリマーセメントの吹き付けは、スレート材の表面から所定距離をおいてスレート材表面と垂直となるように行うことが好ましい。
図2は、スレート材の改修構造の一例を模式的に示す図である。本実施の形態におけるスレート材の改修構造は、例えばスレート層10の表面に塗布された第1のシーラーが浸透した第1のシーラー層11と、第1のシーラー層11の表面に塗布されたポリマーセメントからなる第1のポリマーセメント層12及び第2のポリマーセメント層13とからなる。例えば、塗装前の厚みが6〔mm〕前後であったスレート材に吹き付けられるシーラーが浸透した第1のシーラー層11、ポリマーセメント層12、及びポリマーセメント層13における固形分の比率を約7.5〜22.5〔%〕(平均約15〔%〕)となるようなグラデーション状態とすることで、スレート材と吹付け材との剥離を防止するとともに接着力の強化を図ることができる。
また、本実施の形態では、例えば同一のポリマーセメントを重ねて2度塗布することで、例えば図2に示すように第1のポリマーセメント層12及び第2のポリマーセメント層13といった2層構造を形成して、スレート材の強度をより向上させることができる。
(第2のシーラー塗布工程)
続いて、第3の作業として、下地であるポリマーセメントを処理するための第2のシーラーを塗布する。塗布するシーラーは、ポリマーセメントと一体化させることで剥離防止の接着力の効果維持を図ることができるものが好ましく、例えば、溶剤系又は水性の1液又は2液のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂系等のものを使用することができ、特に、密着性に優れ、上塗りされる塗材との組み合わせを選ばない点で、カチオン系水性シーラーであるアクリルシリコン樹脂系を使用するのが好ましい。このようにポリマーセメントを塗布したスレート材表面に第2のシーラーを塗布することにより、下地であるポリマーセメントの接着力を強化することができる。
また、第2のシーラーの塗布は、上述した第1の作業と同様の手法を用いて行うことができ、塗布量は0.1〜0.5〔l/m〕程度、特に密着性等の効果を向上させるために約0.2〔l/m〕程度とするのが好ましい。
(塗料塗布工程)
続いて、第4の作業として、スレート材の強度、耐久性等を向上させるために所定量の塗料を塗布する。ここで、スレート材に塗布する塗料としては、例えば防水性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐候性を有する保護防水塗料が好ましい。例えば水系シリコン樹脂塗料等の防水効果を有する塗料を用いることで、スレート表面の防水効果を増強させることができる。
塗料の塗布は、例えばへら・こて、刷毛、ローラー又は機械塗装等により行うことができる。塗料の塗布量は、約0.1〜0.3〔l/m〕程度、特に、美観性等の観点から約0.2〔l/m〕程度とすることが好ましい。また、塗料は数回重ねて塗布するようにしてもよい。本実施の形態では、スレート材の強度等の機能を向上させることができる回数、例えば2〜3回程度とすることが好ましい。
以上のようにして、スレート層10に塗布された第1のシーラーが浸透した第1のシーラー層11と、第1のシーラー層11の表面に塗布されたポリマーセメントからなるポリマーセメント層12及びポリマーセメント層13と、ポリマーセメント層13の表面に塗布された第2のシーラーからなる第2のシーラー層と、第2のシーラー層の表面に塗布された塗料からなる塗料被覆層とからなるスレート材の補強構造を形成することができる。本実施の形態におけるスレート材の改修方法によれば、形成されたスレート材の改修構造におけるスレート材からの石綿の飛散を防止するとともにスレート材の性能を高めることができる。また、シーラーを吹付けるとともに塗料を塗布することにより、従来のいわゆるモルタル吹付けと比較して格段の機能効果を奏することができる。
さらに、本実施の形態におけるスレート材の改修方法によれば、従来のスレート吹き替え工事(大規模な改修工事)、鋼板でカバーする工事(大規模な模様替え工事)と比較して、吹付け工事であるため建築確認書が不要である。このため、昭和56年度以前の既存不適格建物についてのリフォーム方法としては最適である。また、従来のリフォーム方法と比べてスレートの解体費用が不要、工期の短縮、施工費の削減、建物内の操業中断が不要等の利点がある。
さらにまた、本実施の形態におけるスレート材の改修方法によれば、曲げ破壊加重の増強、断熱効果の増強、防水効果の増強、スレート破壊時の石綿飛散率の削減、美装効果等を奏することができる。また、増改築届けが不要、工期の短縮化、スレート材の破棄が不要、操業中の施工が可能、施工費の削減等の効果も奏することができる。
なお、本実施の形態におけるスレート材の改修方法の各工程における仕様は上述に限定されるものではなく適宜変更することが可能である。例えば、上述したシーラー、ポリマーセメント、塗料の塗布量、これらを塗布したスレート材の乾燥時間等は、上述した例に限定されるものではなく、素地であるスレート材の状態、環境(季節、気温、湿度)等に応じて適宜変更することができる。また、本実施の形態では、スレート材に適用した場合について説明したが、これ以外の例えば建物の壁材等の他の石綿含有建材にも適用することが可能である。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。なお本分野の研究常識に照らし、本発明が以下に示す実施例で用いる実験条件の末節に限定されないのは明らかである。
〔実施例〕
実施例1では、まず、施工後25年程度経過した工場の屋根に使用されている老朽化したスレート波板(小波)表面を水で洗浄した。なお、このスレート材は、厚みが約5.5mm程度であった。続いて、シーラーとしてレタンIOシーラー(関西ペイント株式会社製)をスレート材に2回約0.2〔l/m〕塗布した。続いて、スレート材を約1時間程度乾燥させた後、トマックスーパー(株式会社イーテック製)1〔l〕、水1〔l〕、速強セメント4〔kg〕、珪砂(7号)4〔kg〕、及び少量のメチルセルロースを混和させたものを口径約6〔mm〕リシンガンにてスレート材に約1〔l/m〕散布した。続いて、同様にトマックスーパー1〔l〕、水1〔l〕、速強セメント4〔kg〕、珪砂(7号)4〔kg〕、及び少量のメチルセルロースを混和させたものをリシンガン(口径6〔mm〕)にてスレート材に1〔l/m〕散布した。また、吹付けは、スレート材表面から約30〜50〔cm〕離し、リシンガンの排出口がスレート材表面とほぼ垂直となるように行った。続いて、シーラーとしてエクセルシーラーW(エーエスペイント株式会社製)を0.2〔l〕散布した。続いて、塗料としてSUN瓦Sトップ(エーエスペイント株式会社製)を0.2〔l〕散布した。続いて、同じ塗料を0.2〔l〕散布した。最終的に上述の処理を施した後のスレート材は、その厚みが7〜8mm程度となった。
〔評価試験〕
以上のようにして得られたスレート材の曲げ破壊荷重試験は、JIS A5430の規格に準拠して行った。具体的には、試験片であるスレート材の長さ方向に800mmのスパンをとり、改修を施したスレート材表面を上にして直径30mmの鋼製支持棒に載せ、スパン中央に同じ形状の鋼製加圧棒を当て、それを介して毎秒50〜100〔N〕の割合で荷重を加え、曲げ破壊荷重を求めた。このような曲げ破壊荷重試験を実施した試験体1〜3に関する結果を表1に示す。
Figure 2009155904
試験体1では、改修処理前の曲げ破壊荷重は1909〔N〕、改修処理後の曲げ破壊荷重は2241〔N〕であった。試験体2では、改修処理前の曲げ破壊荷重は1945〔N〕、改修処理後の曲げ破壊荷重は2268〔N〕であった。試験体3では、改修処理前の曲げ破壊荷重は1964〔N〕、改修処理後の曲げ破壊荷重は2134〔N〕であった。以上の結果から、本実施の形態に係るスレート材の改修方法による処理を施した場合、曲げ破壊荷重が向上することがわかる。
また、一般的に未使用のスレート波板(小波)の曲げ破壊荷重は2000〔N〕程度であることに鑑みると、上述した3つの試験体の平均曲げ破壊荷重が2200〔N〕程度であることから、本実施の形態に係るスレート材の改修方法によれば、曲げ破壊荷重が向上することがわかる。
本実施の形態のスレート材の改修方法を模式的に示す図である。 スレート材の改修構造の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 スレート材、10 スレート層、11 第1のシーラー層、12 第1のポリマーセメント層、13 第2のポリマーセメント層

Claims (5)

  1. スレート材の改修方法において、
    上記スレート材表面に第1のシーラーを塗布する第1のシーラー塗布工程と、
    上記第1のシーラー塗布工程で第1のシーラーを塗布したスレート材表面にポリマーセメントを塗布するポリマーセメント塗布工程と、
    上記ポリマーセメントを塗布したスレート材表面に第2のシーラーを塗布する第2のシーラー塗布工程と、
    上記第2のシーラー塗布工程で第2のシーラーを塗布したスレート材表面に塗料を塗布する塗料塗布工程とからなるスレート材の改修方法。
  2. 上記ポリマーセメントは、少なくとも再乳化形粉末樹脂とセメントと骨材とからなることを特徴とする請求項1記載のスレート材の改修方法。
  3. 上記第1のシーラーは、ポリウレタン系樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスレート材の改修方法。
  4. 上記第2のシーラーは、アクリルシリコン系樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のスレート材の改修方法。
  5. スレート材の改修構造において、
    上記スレート材表面に塗布された第1のシーラーからなる第1被覆層と、
    上記第1被覆層の表面に塗布されたポリマーセメントからなる第2被覆層と、
    上記第2被覆層の表面に塗布された第2のシーラーからなる第3被覆層と、
    上記第3被覆層の表面に塗布された塗料からなる第4被覆層とからなるスレート材の改修構造。
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