JP2009129126A - 予後診断プログラム,装置,および処理方法 - Google Patents

予後診断プログラム,装置,および処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 遺伝子発現解析による予後診断で,予後不良に関連する異常現象を提示する。
【解決手段】 患者の遺伝子発現データから予後良好群と予後不良群の間で有意に差のある発現量を示す遺伝子(予測因子)を選択する(S1)。診断対象患者の遺伝子発現データから,予測因子の発現量が予後良好群または予後不良群の発現量のいずれに類似するかを判定する(S2)。診断対象患者の予測因子から予後不良判定因子を選択し,発現量の増減傾向が所定疾患に関連する異常現象発生時に想定される発現量の増減傾向と一致する因子を抽出する(S3)。S2の処理で予後不良と予測された場合に,異常現象ごとに予後不良判定因子を抽出し,治療方針策定の参考情報として出力する(S4)。
【選択図】 図1

Description

本発明は,患者の治療方針策定を目的とした予後診断を支援する予後診断処理技術,特に遺伝子発現解析を利用した予後診断を支援する予後診断処理技術に関する。
近年,遺伝子発現解析技術の発展により,多数の遺伝子の発現状況を網羅的に測定することが容易になった。これにより,患者の遺伝子発現状況を検査し,その結果によって,患者の予後の良否を精度よく予測することなどが可能になった。
図16は,遺伝子発現解析技術を用いた従来の予後診断方法を説明するための図である。
予後診断における予後予測では,一般に,予後の良否の異なる患者の遺伝子発現データを観測し(ステップS90),予後が良好な患者群(予後良好群)および予後が不良な患者群(予後不良群)から採取したサンプルデータにもとづき,予後の良否の程度に応じて発現量が増減するような遺伝子を予測因子として抽出する(テップS91)。そして,診断対象患者の予測因子の遺伝子発現データを観測し(ステップS92),予測因子の遺伝子発現データの発現量に着目して予測対象患者の予後を予測している(ステップS93)。
しかし,予後診断の主要目的である治療方針策定には,予後の良否の予測のみでは不十分であり,適切な治療法の選択に関わる疾患タイプ等(例えば,疾患の発生/悪化に関わる生命現象の発生状況の違いに対応する疾患の種類等)の区別を含めて各患者を診断する必要がある。そのため,従来,疾患タイプの異なる患者群の遺伝子発現データのサンプルを用意して分析し,疾患タイプの違いを考慮した予測因子を抽出することも行われている(例えば,非特許文献1)。
一方,疾患の進行に関わる異常現象を遺伝子発現データを用いて抽出する技術が知られている。例えば,癌治療分野においては,癌の病状悪化が染色体異常との関係で説明できることが多いため,癌患者群に典型的な染色体上の異常領域などを,多数の患者の遺伝子発現データにもとづき検出することが試みられている。例えば,非特許文献2では,130人の乳癌患者の遺伝子発現データから,発現量の増減が同期している遺伝子がまとまって存在する染色体領域を抽出し,その一部が,予後不良の乳癌においてよく観察される染色体の重複領域と一致することを示している。
Hu Z et al., "The molecular portraits of breast tumors are conserved across microarray platforms.", BMC Genomics Vol.7, p.p.96, 米国, 2006年4月 Reyal et al., "Visualizing Chromosomes as Transcriptome Correlation Maps: Evidence of Chromosomal Domains Containing Co−expressed Genes−A Study of 130 Invasive Ductal Breast Carcinomas", Cancer Research Vol.65, p.p.1376−83, 米国, 2005年2月
従来の,疾患タイプの異なる患者群の遺伝子発現データのサンプルを用意して分析し,疾患タイプの違いを考慮した予測因子を抽出する手法では,多種類の良質のサンプルデータを用意する必要があるという問題がある。
また,非特許文献2のような,多数の癌患者の遺伝子発現データから,発現量の増減が同期している遺伝子がまとまって存在する染色体領域を抽出する手法では,疾患の進行に関わる染色体異常等の異常現象を抽出できるものの,診断には利用できない。何故なら,各患者で発生している異常現象を検出する技術ではなく,また,予後の良否と異常現象との関係を求めることができないからである。
本発明は,遺伝子発現解析による患者の予後診断において,予後予測因子を用いた予後予測の結果と共に,診断対象患者において発生していることが推測される疾患関連の異常現象を提示することによって,治療方針の策定を支援することを目的とする。
本発明にかかるプログラムは,1)予後の良否が異なる患者から採取した遺伝子発現データから,予後良好群における発現量と予後不良群における発現量との間に有意な差のある遺伝子を予測因子として選択する予測因子抽出処理と,2)診断対象患者の遺伝子発現データをもとに,当該診断対象患者の前記予測因子の発現量が,前記予後良好群の発現量または前記予後不良群の発現量のどちらの発現量に類似するかを判定する予後予測処理と,3)当該診断対象患者の予測因子から予後不良を示唆する遺伝子である予後不良判定因子を選択し,当該予後不良判定因子から,発現量の増減傾向が所定の疾患に関連する異常現象発生時において想定される発現量の増減傾向と一致している予後不良判定因子を抽出する予後不良関連因子抽出処理と,4)前記予後良否予測処理において前記診断対象患者について予後不良と予測された場合に,前記異常現象ごとに抽出した予後不良判定因子を治療方針策定の参考情報として出力する予後不良関連因子情報出力処理とを,コンピュータに実行させるためのものである。
本発明にかかるプログラムを実行するコンピュータは,以下のように動作する。
(1)コンピュータが,予後の良否が異なる患者群から採取した遺伝子発現データサンプルを取得し,予後良好な患者群(予後良好群)から採取した遺伝子発現データと予後不良な患者群(予後不良群)から採取した遺伝子発現データの間で有意に差のある発現量を示す遺伝子を予測因子として抽出する。
(2)診断の対象とする患者(診断対象患者)の予測因子の発現量を,予後良好群および予後不良群の発現量と比較し,診断対象患者の予後の良否を予測する。例えば,診断対象患者の多くの予測因子の発現量が予後良好群の標準的な発現量(平均値や中央値等)に近ければ予後良好を予測し,多くの予測因子の発現量が予後不良群の標準的な発現量に近ければ予後不良を予測する。
(3)診断対象患者の予測因子から,予後不良を示唆する遺伝子を予後不良判定因子として選択する。そして,予後不良判定因子の発現量の増減傾向が,所定の疾患に関連する異常現象(例えば,癌の発生/悪化に関連する既知の染色体異常等)の発生時に想定される発現量の増減傾向と一致しているような予後不良判定因子(例えば,癌発生に関連する染色体異常関連因子)を抽出する。
(4)前記(2)の処理において予後不良が予測された場合に,異常現象ごとに抽出した予後不良判定因子を治療方針策定の参考情報として出力する。
以上の処理により,ユーザは,診断対象患者の予後良否の予測結果と共に,予後不良の予測の根拠となった予測因子(予後不良判定因子)の発現量の増減傾向によって推測される,診断対象患者において発生している可能性がある異常現象(染色体異常等)について,異常現象ごとの予後不良判定因子を参考情報として得ることができる。
ユーザは,出力された予後予測と予後不良に関連する異常現象に関連する因子とを参照して,適切な治療方針を検討することが可能となる。
さらに,前記プログラムでは,前記予後不良関連因子抽出処理において,前記異常現象発生時に発現量が増加または減少することが知られている1つ以上の異常マーカー遺伝子と,前記異常現象の発生状況が異なる複数の被験者から収集された遺伝子発現データとにもとづき,当該異常マーカー遺伝子以外の非マーカー遺伝子の当該異常現象発生時の発現量の増減傾向を,当該遺伝子発現データにおける異常マーカー遺伝子と前記非マーカー遺伝子の発現量との相関にもとづいて推定し,当該推定結果にもとづいて予後不良判定因子を抽出する処理を,前記コンピュータに実行させることができる。
さらに,前記プログラムでは,前記予後不良関連因子抽出処理において,前記異常現象別に抽出した予後不良判定因子の数にもとづき,前記診断対象患者における当該異常現象各々の発生状態の確信度を求め,前記参考情報として,当該確信度の大きい順に異常現象を出力する処理を,前記コンピュータに実行させることができる。
これにより,ユーザは,予測された予後不良に関連する異常現象が複数ある場合に,どの異常現象の確信度が高いかを参照して,適切な治療方針を検討することが可能となる。
さらに,前記プログラムでは,前記異常現象発生時に発現量が増加または減少することが想定される遺伝子のうち,前記予測因子と一致,かつ,予後良好群における発現量に対する予後不良群における発現量の増減傾向が前記異常現象発生時の発現量の増減傾向と一致する遺伝子を選択し,当該選択した遺伝子の予後不良判定因子としての選択条件となる発現量の範囲を,予後不良判定情報として記憶装置に蓄積する予後不良判定情報蓄積処理を,前記コンピュータに実行させることができる。
これにより,ユーザは,予後不良に関連する予測因子の判定情報を,診断対象患者の予後診断時に利用することができる。
また,本発明は,別の態様として,前述の処理を実現する処理過程で構成された,コンピュータが実行する処理方法である。
さらに,本発明は,別の態様として,前述の処理を実現する処理部で構成された処理装置である。
なお,本発明にかかるプログラムは,コンピュータが読み取り可能な可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ,これらの記録媒体に記録して提供され,または,通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供される。
本発明によれば,ユーザは,診断対象患者の予後の良否の予測情報と共に,予測の根拠となった予測因子の発現量の増減傾向によって推測される,診断対象患者において発生している可能性がある異常現象の候補を示す参考情報を得ることができるため,異常現象の確かさを参照して,適切な治療方針を検討することが可能となる。よって,結果として,患者の治癒率・QOL(Quality of Life)の向上に資することが期待できる。
以下,本発明を実施の最良の形態として,本発明が,コンピュータで実現される予後診断処理装置において,癌患者の予後診断において染色体異常という疾患関連現象を提示する処理を行う場合を例に説明する。
図1を用いて,本発明の予後診断処理の概要を説明する。
ステップS1:予測因子抽出処理
ユーザによって,予後の良否が異なる患者群(予後良好群および予後不良群)の患者サンプルから採取した遺伝子発現データが入力される。予後診断装置は,予後良好群と予後不良群の間で有意に差のある発現量を示す遺伝子を予測因子として抽出する。
ステップS2:予後予測処理
診断の対象とする患者(診断対象患者)の予測因子の遺伝子発現データから,診断対象患者の予測因子の発現量を,予後良好群と予後不良群の発現量と比較し,診断対象患者の予後の良否を予測する。例えば,診断対象患者の多くの予測因子の発現量が予後良好群の標準的な発現量(平均値や中央値等)に近ければ予後良好を予測する。一方,多くの予測因子の発現量が予後不良群の標準的な発現量に近ければ予後不良を予測する。
ステップS3:染色体異常関連因子抽出処理(予後不良関連因子抽出処理)
後述する方法によって,予後の良否判定の手がかりとして利用する予測因子の発現量の増減傾向が,所定の疾患に関連する異常現象(ここでは,癌の発生/悪化に関連する既知の染色体異常)の発生時に想定される発現量の増減傾向と一致しているような遺伝子(予後不良関連因子,ここでは,予後不良染色体異常関連因子)を抽出する。
ステップS4:関連染色体異常情報出力処理(予後不良関連因子情報出力処理)
ステップS2の処理において予後不良が予測された場合に,後述する方法によって,予後不良と強く関連すると推定される異常現象(染色体異常)の候補を,参考情報として出力する。具体的には,ステップS2の予後不良予測結果と,ステップS3の異常現象ごとの予後不良染色体異常関連因子を参考情報としてユーザに提示する。
なお各異常現象について,異常現象に関連する予後不良染色体異常関連因子数を確信度として付与し,参考情報として,確信度を付けた異常現象の候補をユーザに提示してもよい。
次に,図2を用いて,ステップS3の染色体異常関連因子抽出処理をより詳細に説明する。
染色体異常関連因子抽出処理では,予後不良染色体異常関連因子(予後不良関連因子)を,染色体異常マーカーを用いて抽出する。
染色体異常マーカーは,過去の研究から,染色体異常が発生したときに発現量が増減すると考えられている遺伝子である。本処理では,このような遺伝子群を,染色体異常発生時に発現量が増大するタイプ(O−UPタイプ)の遺伝子と,染色体異常発生時に発現量が減少するタイプ(O−DOWNタイプ)の遺伝子とにわけて取り扱う。以降,前者のタイプを「O−UP型」マーカー,後者のタイプを「O−DOWN型」マーカーと称す。
図2(A)に示すように,本処理を実行するコンピュータに,ユーザによって,標準サンプルの遺伝子発現データが入力される。
標準サンプルは,着目する染色体異常が発生しているサンプルと発生していないサンプルが,適度に混在していることが想定できるようなサンプル集合である。標準サンプルは,予測因子抽出処理(図1のステップS1)で用いた患者サンプルと同一のサンプル集合であってもよい。
続いて,標準サンプルの遺伝子発現データを用いて,染色体異常マーカーと発現量が同期して増減する遺伝子(染色体異常関連因子)を抽出する。染色体異常関連因子は,例えば,標準サンプルの遺伝子発現データにおける染色体異常マーカーの発現量と各遺伝子の発現量の間でピアソン(pearson)の積率相関係数を算出し,相関係数の絶対値が所定のしきい値よりも大きい遺伝子を抽出する。なお,染色体異常関連因子には,染色体異常マーカーも含む。
そして,以下に説明する方法で,予後不良染色体異常関連因子を抽出する。
図2(B)において,縦に並べられた円形の範囲は,予後不良の予測因子の種類を示す。
予測因子は,円の範囲d1で示す,発現量増加(P−UP)のときに予後不良を示唆する遺伝子「P−UP型予測因子」と,円の範囲d3で示す,発現量減少(P−DOWN)のときに予後不良を示唆する遺伝子「P−DOWN型不良因子」に分類される。
また,図2(B)において横に並べられた円形の範囲は,染色体異常関連因子の種類を示す。
染色体異常関連因子は,前述の異常マーカーの場合と同様に,円の範囲d2で示す,発現量増加(O−UP)のときに染色体異常発生を示唆するO−UP型遺伝子「O−UP型異常因子」と,円の範囲d4で示す,発現量減少(O−DOWN)のときに染色体異常発生を示唆するO−DOWN型遺伝子「O−DOWN型異常因子」(範囲d4)に分類される。
図2(B)のベン図において,円の範囲d1とd2の重複部分,範囲d3とd4の重複部分(「★(星印)」で示す範囲)は,予後不良と染色体異常とが同方向の発現量の増減傾向を示す遺伝子である。これら重複部分の因子は,染色体異常の発生と予後不良とが強く関連していることを示唆していると考えられるので,「★」で示す範囲の因子を「予後不良染色体異常関連因子」とする。
なお,予後不良と染色体異常が逆方向の発現量の増減傾向で示される遺伝子,すなわち図2(B)のベン図における範囲d1,d4の重複部分,範囲d3とd2の重複部分(「●(丸印)」で示した範囲)の因子は,例えば,染色体異常発生時にその生体への影響を緩和するように働く遺伝子など,染色体異常発生を示唆するが,予後不良(病状悪化)には関与しない遺伝子であったり,逆に,予後不良を抑制するような遺伝子であったりする場合などが考えられるので,本処理では抽出の対象としない。
次に,図3を用いて,ステップS4の関連染色体異常情報出力処理(予後不良関連因子情報出力処理)をより詳細に説明する。
図3(A)は,ある染色体異常Aに関連する予後不良染色体異常関連因子g1の患者サンプルにおける発現分布の例を示す図,図3(B)は,予後不良予測の場合の出力情報例を示す図,図3(C)は,予後良好予測の場合の出力情報例を示す図である。
関連染色体異常情報出力処理では,予後予測処理(ステップS2)で予後不良と予測された場合に,予後不良染色体異常関連因子のなかで,診断対象患者の発現量が予後不良を示すとみなせる範囲(予後不良示唆範囲)にある因子の数を調べる。
予後不良示唆範囲は,例えば,図3(A)の予後不良染色体異常関連因子g1の発現分布において,g1がP−UP型不良因子であれば,診断対象患者の予測因子の遺伝処理発現データ(患者サンプル)における予後不良群の平均値から標準偏差σを引いた値より高い範囲を,染色体異常Aを示唆する因子の範囲とする。また,予後不良染色体異常関連因子g1がP−DOWN型不良因子であれば,患者サンプルにおける予後不良群の平均値に標準偏差σを足した値より低い範囲とする。
そして,各染色体異常について,予後不良示唆範囲にある予後不良染色体異常関連因子の数を数え,因子数を確信度として付与した染色体異常の候補を,参考情報としてユーザに提示する。
診断対象患者の予後不良が予測された場合は,図3(B)に示すように,予後の予測結果と,関連する染色体異常の候補を,確信度(予後不良染色体異常関連因子数)が多い順に並べて出力する。また,診断対象患者の予後良好が予測された場合は,図3(C)に示すように,予後予測結果のみを出力する。
以下,本発明の実施例を説明する。
図4は,本発明にかかる予後診断装置の構成例を示す図である。
予後診断装置1は,コンピュータであり,ソフトウェアプログラムなどによって構成される,予後診断部10,予測因子抽出部11,および染色体異常関連因子抽出部12を備える。
予後診断部10は,診断対象患者の予測因子の発現量にもとづき予後を予測する処理手段である。
予後診断部10は,予測因子記憶部13に予測因子20を,染色体異常関連因子記憶部14に染色体異常関連因子21を保持する。
予測因子20は,図5(A)に示すように,予測因子の遺伝子ID(Gn),予測因子の発現量増減と予後不良との関連(P−UP/P−DOWN),および予後不良示唆範囲のしきい値を含むデータである。
染色体異常関連因子21は,図5(B)に示すように,染色体異常関連因子が示唆する染色体異常,染色体異常関連因子の遺伝子ID(Gn),および染色体異常関連因子の発現量増減と染色体異常発生との関連(O−UP/O−DOWN)を含むデータである。
予後診断部10は,予後予測処理では,診断対象患者の各予測因子の発現量が予後不良示唆範囲にあるかどうかを調べ,予後不良示唆範囲にある予測因子数のほうが予後不良示唆範囲にない予測因子数より多ければ予後不良,少なければ予後良好と予測している。
また,予後診断部10は,予後不良染色体異常関連因子抽出処理では,予測因子20と染色体異常関連因子21から予後不良染色体異常関連因子26を抽出する。そして,予後不良染色体異常関連因子26を用いて診断対象患者の関連染色体異常の候補を確信度つきで抽出し,ユーザに提示する。
予測因子抽出部11は,患者サンプルの遺伝子発現データ22と患者サンプルの予後データ23とを用いて,予測因子20を抽出する処理手段である。
予測因子抽出部11は,患者サンプル遺伝子発現データ記憶部15に患者サンプルの遺伝子発現データ22を,患者サンプル予後データ記憶部16に患者サンプルの予後データ23を保持する。
患者サンプルの遺伝子発現データ22は,図5(C)に示すように,サンプルID(Sn),遺伝子ID(Gn),各サンプルにおける遺伝子の発現量を含むデータである。
患者サンプルの予後データ23は,図5(D)に示すように,サンプルID(Sn),各サンプルの予後良好・不良の別を含むデータである。
予測因子抽出部11は,患者サンプルの予後データ23にもとづいて,患者サンプルの遺伝子発現データ22から予後良好群および予後不良群の遺伝子発現データを取得する。さらに,予後良好群と予後不良群の間で発現量の大きさが有意に異なる遺伝子を抽出し,予測因子記憶部13の予測因子20に加える。
染色体異常関連因子抽出部12は,標準サンプルの遺伝子発現データ24と,染色体異常マーカー25を用いて,染色体異常関連因子21を抽出する処理手段である。
染色体異常関連因子抽出部12は,標準サンプル遺伝子発現データ記憶部17に標準サンプルの遺伝子発現データ24を,染色体異常マーカー記憶部18に染色体異常マーカー25を保持する。
標準サンプルの遺伝子発現データ24は,図5(E)に示すように,サンプルID(Sn),遺伝子ID(Gn),各サンプルにおける遺伝子の発現量を含むデータである。
染色体異常マーカー25は,図5(F)に示すように,染色体異常マーカーが示唆する染色体異常,染色体異常マーカーの遺伝子ID(Gn),および染色体異常マーカーの発現量増減と染色体異常発生との関連(O−UP/O−DOWN)を含むデータである。
染色体異常関連因子抽出部12は,標準サンプルの遺伝子発現データ24を用いて,各染色体異常マーカー25の発現量と,各遺伝子の発現量の間の相関係数を算出する。そして,染色体異常マーカー25との相関係数の絶対値が所定の値以上である遺伝子を,その染色体異常マーカーと同じ染色体異常を示唆する染色体異常関連因子21に加える。
次に,図6を用いて,予後診断装置1の処理の流れを説明する。
予後診断装置1では,予測因子抽出部11が予測因子抽出処理(ステップS100)を,予後診断部10が予後予測処理(ステップS200)を,染色体異常関連因子抽出部12が染色体異常関連因子抽出処理(ステップS300)を,予後診断部10が関連染色体異常情報出力処理(ステップS400)を,それぞれ実行し,診断対象患者の予後予測と,予後不良の場合の関連する染色体異常関連因子の情報をユーザに提示する。
図7を用いて,予測因子抽出処理(ステップS100)をより詳細に説明する。
予測因子抽出部11は,患者サンプルの遺伝子発現データ22と患者サンプルの予後データ23をもとに,予後良好群の遺伝子発現データと予後不良群の遺伝子発現データを取得する。
そして,Welchのt検定によって予後良好群と予後不良群の母平均の差を検定する。予後良好群のサンプル数をNn,予後良好群における遺伝子gの発現量の標本平均をMn(g),標本分散をsn(g)とし,予後不良群のサンプル数をNb,予後不良群における遺伝子gの発現量の標本平均をMb(g),標本分散をsb(g)とする。
このとき,検定統計量T={Mn(g)−Mb(g)}/{sn(g)/Nn+sn(g)/Nb}1/2を求める。検定統計量Tは自由度m={sn(g)/Nn+sn(g)/Nb}/{sn(g)/Nn(Nn−1)+sb(g)/Nb(Nb−1)}のt分布に従うとし,帰無仮説(「予後良好群と予後不良群の母平均は等しい」)を両側検定によって所定の有意水準で検定する。ここで,自由度mが整数値でない場合は,mに最も近い整数値を自由度とする。帰無仮説が棄却された場合に,遺伝子gの発現量の大きさは予後良好群と予後不良群で有意に異なるとみなし,予測因子20に加える。
さらに,予測因子抽出部11は,抽出した予測因子の発現量増減と予後不良との関連を,予測因子20に記録する。予測因子として抽出した遺伝子の発現量の平均値が,予後良好群より予後不良群のほうが高ければP−UP型不良因子(P−UP),また予後良好群より予後不良群のほうが低ければP−DOWN型不良因子(P−DOWN)を記録する。
さらに,予測因子抽出部11は,予後不良示唆範囲のしきい値L(g)を,予測因子20に記録する。P−UP型不良因子であれば,L(g)=Mb(g)−sn(g),P−DOWN型不良因子であれば,L(g)=Mb(g)+sn(g)を記録する。
図8は,予測因子抽出処理の処理フローチャートである。
予測因子抽出部11は,患者サンプルの遺伝子発現データ22から各遺伝子の発現量を1つずつ取得して以下の処理を行う。
予測因子抽出部11は,患者サンプルの予後データ23を取得し(ステップS101),患者サンプルの遺伝子発現データ22に含まれる遺伝子gを取得する(ステップS102)。さらに,予後データ23にもとづき,患者サンプルの遺伝子発現データ22から予後良好群および予後不良群の遺伝子gの発現量を取得する(ステップS103)。
そして,検定統計量Tを算出し(ステップS104),帰無仮説(「予後良好群と予後不良群の母平均は等しい」)を両側検定によって所定の有意水準で検定する(S105)。帰無仮説が棄却されなかった場合には(ステップS105のNO),ステップS110に進む。一方,帰無仮説が棄却された場合には(ステップS105のYES),遺伝子gを予測因子20に加える(ステップS106)。
さらに,P−UP型不良因子/P−DOWN型不良因子の分類と,予後不良示唆範囲のしきい値の算出を行う(ステップS107〜S109)。
遺伝子gについて,予後良好群における発現量の標本平均Mn(g)と予後不良群における発現量の標本平均Mb(g)を比較し(ステップS107),Mn(g)がMb(g)より小さければ(ステップS107のYES),P−UP型不良因子として,予測因子gの発現量の方向を表すDp(g)に1を記録し,予後不良示唆範囲のしきい値L(g)=Mb(g)−sb(g)を記録する(ステップS108)。
また,Mn(g)がMb(g)より大きければ(ステップS107のNO),P−DOWN型不良因子として,Dp(g)に−1を記録し,予後不良示唆範囲のしきい値L(g)=Mb(g)+sb(g)を記録する(ステップS109)。
全ての遺伝子に対して,ステップS103〜S109の処理を繰り返し,全ての遺伝子に対して処理を行ったら(ステップS110のYES),処理を終了する。
図9を用いて,予後予測処理(ステップS200)をより詳細に説明する。
予後診断部10は,ユーザによって,診断対象患者の遺伝子発現データが入力されると,診断対象患者の予測因子の発現量と予後不良示唆範囲(予測因子の発現量増減と予後不良との関連(P−UP/P−DOWN)および予後不良示唆範囲のしきい値L(g)で特定される範囲)とを比較し,予後不良示唆範囲にある予測因子の数を数える。
このとき,予測因子がP−UP型不良因子であれば発現量がしきい値以上,P−DOWN型不良因子であれば発現量がしきい値以下のときに予後不良示唆範囲にあるとして,診断対象患者が予後不良であることを示唆すると考える。そして,多数決により,予後不良示唆範囲にある予測因子の数のほうが,予後不良示唆範囲外の予測因子の数より多ければ,診断対象患者を予後不良と予測する。
図9に示す例では,予測因子20のうち,P−UP型不良因子であるG2,G6,G7の予測因子(遺伝子)は,診断対象患者の発現量がしきい値より高いときに予後不良示唆範囲にあるとみなし,P−DOWN型不良因子であるG3,G8の予測因子は診断対象患者の発現量がしきい値より低いときに予後不良示唆範囲にあるとみなす。
この場合に,予測因子G2,G3,G6は,予後不良示唆範囲にある。また,G7,G8は予後不良示唆範囲にない。これにより,予後不良を示唆する予測因子は3つ,予後不良を示唆しない予測因子は2つであるため,多数決により診断対象患者は予後不良であると予測する。
図10は,予後予測処理の処理フローチャートである。
予後診断部10は,ユーザによって,診断対象患者の遺伝子発現データが予後診断装置に入力されると(ステップS201),予測因子gを取得する(ステップS202)。予測因子gの発現量が予後不良示唆範囲にあるかどうかを調べる(ステップS203)。
ここでは,予測因子gの発現量の方向を表すDp(g),予測因子gの発現量E(g),および予測因子gの予後不良示唆範囲のしきい値L(g)を用いて,Dp(g)×{E(g)−L(g)}が正であれば,予測因子gは予後不良を示唆するとみなす。また,Dp(g)×{E(g)−L(g)}が0以下であれば予後良好を示唆するとみなす(予測因子gがP−UP型不良因子ならDp(g)=1,P−DOWN型不良因子ならDp(g)=−1)。
なお,予測因子gがP−UP型不良因子であれば,E(g)がL(g)より大きいときにDp(g)×{E(g)−L(g)}は正になる。予測因子gがP−DOWN型不良因子であれば,E(g)がL(g)より小さいときにDp(g)×{E(g)−L(g)}は正になる。
そして,予測因子gが予後不良を示唆する場合には(ステップS203のYES),予後不良度Pbに1を加算する(ステップS204)。予測因子gが予後良好を示唆する場合には(ステップS203のNO),予後良好度Pnに1を加算する(ステップS205)。
全ての予測因子gに対し,ステップS203〜S205の処理を繰り返し,処理が行われた場合に,ステップS207に進む(ステップS206)。
そして,PbとPnを比較し(ステップS207),PbがPnより大きければ(ステップS207のYES),予後不良を予測する(ステップS208)。PbがPnより大きくなければ(ステップS207のNO),予後良好を予測する(ステップS209)。
図11を用いて,染色体異常関連因子抽出処理(ステップS300)をより詳細に説明する。
染色体異常関連因子抽出部15は,標準サンプルの遺伝子発現データ24と染色体異常マーカー25の発現量のpearsonの積率相関係数を算出する。
ここでは,染色体異常fを示唆する染色体異常マーカーxの発現量の標本分散をsx,遺伝子yの発現量の標本分散をsy,xの発現量とyの発現量の標本共分散をsxyとするとき,相関係数sxy/(sx・sy)を算出する。
そして,相関係数の絶対値が所定の値以上なら,染色体異常fを示唆する染色体異常関連因子21に遺伝子yを加える。なお,染色体異常マーカーxも,染色体異常fを示唆する染色体異常関連因子21に含める。
さらに,抽出した染色体異常関連因子の発現量増減と染色体異常発生との関連を,染色体異常関連因子21に記録する。O−UP型マーカーと正の相関,またはO−DOWN型マーカーと負の相関をする場合には,O−UP型異常因子とみなす。また,O−UP型マーカーと負の相関,またはO−DOWN型マーカーと正の相関をする場合には,O−DOWN型異常因子とみなす。
図12および図13は,染色体異常関連因子抽出処理の処理フローチャートである。
染色体異常関連因子抽出処理では,全ての染色体異常とそれを示唆する染色体異常マーカーの組み合わせに対して,染色体異常マーカーと相関して発現量が変化する遺伝子を抽出し,染色体異常関連因子に加えている。
染色体異常関連因子抽出部12は,染色体異常マーカーhを取得し(ステップS301),染色体異常マーカーhによって示唆される染色体異常fを取得する(ステップS302)。染色体異常マーカーhが染色体異常fに対してO−UP型マーカーであれば,Ds(f,h)=1,染色体異常マーカーhが染色体異常fに対してO−DOWN型マーカーであれば,Ds(f,h)=−1を記録する(ステップS303)。
さらに,標準サンプルの遺伝子発現データ24に含まれる遺伝子gを取得する(ステップS304)。標準サンプルの遺伝子発現データ24から各サンプルの遺伝子gと染色体異常マーカーhの発現量を取得し,遺伝子gと染色体異常マーカーhの間のpeasonの積率の相関係数cor(g,h)を算出する(ステップS305)。相関係数cor(g,h)の絶対値が所定の値以上であれば(ステップS306のYES),ステップS307に進む。相関係数cor(g,h)の絶対値が所定の値より下であれば(ステップS306のNO),ステップS309に進む。
染色体異常fを示唆する染色体異常関連因子21に遺伝子gを加える(ステップS307)。さらに,遺伝子gの発現量増減と染色体異常fの発生の間の関係を染色体異常関連因子21に記録する(ステップS308)。遺伝子gが染色体異常マーカーhと正の相関をする場合(cor(g,h)>0)には,Ds(f,g)=Ds(f,h)とする(染色体異常マーカーhの発現量増減と染色体異常fの発生の間の関係と同じ)。一方,遺伝子gが染色体異常マーカーhと負の相関をする場合(cor(g,h)<0)には,Ds(f,g)=−Ds(f,h)とする(hの発現量増減とfの発生の間の関係と逆)。結果的に,遺伝子gが染色体異常fに対してO−UP型異常因子ならDs(f,g)=1,遺伝子gが染色体異常fに対してO−DOWN型異常因子ならDs(f,g)=−1が記録される。
標準サンプルの遺伝子発現データ24に含まれる全ての遺伝子に対し,ステップS305〜S308の処理を繰り返し,全ての遺伝子に対して処理が実行されたらステップS310に進む(ステップS309)。
さらに,染色体異常マーカーhに示唆される全ての染色体異常に対し,ステップS304〜S309の処理を繰り返し,全ての遺伝子に対して処理が実行されたらステップS311に進む(ステップS310)。
そして,全ての染色体異常マーカーに対し,ステップS302〜S310の処理を繰り返し,全ての遺伝子に対して処理が実行されたら(ステップS311のYES),処理を終了する。
図14を用いて,関連染色体異常情報出力処理(ステップS400)をより詳細に説明する。
予後診断部10は,予測因子20と染色体異常関連因子21から,染色体異常と予後不良が同じ方向の発現量変化で示唆される遺伝子を,予後不良染色体異常関連因子26として抽出する。具体的には,P−UP型不良因子かつO−UP型異常因子である遺伝子(PO−UP型因子)と,P−DOWN型不良因子かつO−DOWN型異常因子である遺伝子(PO−DOWN型因子)を,予後不良染色体異常関連因子26として抽出する。
そして,診断対象患者の遺伝子発現データにおける発現量が予後不良示唆範囲にある予後不良染色体異常関連因子26を抽出する。このとき,PO−UP型因子なら発現量がしきい値以上,PO−DOWN型因子なら発現量がしきい値以下のときに,予後不良示唆範囲にあるとする。さらに,予後不良示唆範囲にある予後不良染色体異常関連因子の数を,診断対象患者において予後不良をもたらす染色体異常の候補の確信度とし,確信度付きの染色体異常の候補をユーザに提示する。
ここでは,染色体異常Aについて,予後不良と染色体異常での発現量の増減変化が同じ遺伝子G2,G3,G7,G8を予後不良染色体異常関連因子26として抽出する。そして,診断対象患者の発現量が予後不良示唆範囲にあるG2,G3の予後不良染色体異常関連因子の数=2を,染色体異常Aの確信度とする。
図15は,関連染色体異常情報出力処理の処理フローチャートである。
予後診断部10は,ユーザによって,診断対象患者の遺伝子発現データを予後診断装置に入力されると(ステップS401),予測因子gを取得する(ステップS402)。
予測因子gが染色体異常関連因子21であれば(ステップS403のYES),ステップS404)に進み,予測因子gが染色体異常関連因子21でなければ(ステップS403のNO),ステップS409に進む。
予測因子gが示唆する染色体異常fを取得する(ステップS404)。
予測因子gが予後不良染色体異常関連因子であることをチェックする(ステップS405)。すなわち,遺伝子gの発現量増減と染色体異常fの発生の間の関係が,遺伝子gの発現量増減と予後不良の間の関係と一致していれば(Dp(g)==Ds(f,g)),予後不良染色体異常関連因子26とみなす。予測因子gが予後不良染色体異常関連因子26であれば(ステップS405のYES),ステップS406へ進み,予測因子gが予後不良染色体異常関連因子26でなければ(ステップS405のNO),ステップS408に進む。
予測因子gの発現量が予後不良示唆範囲にあるかどうかを調べる(ステップS406)。すなわち,予後不良を示唆する予測因子gの発現量の方向を表すDp(g),予測因子gの発現量E(g)および予測因子gの予後不良示唆範囲のしきい値L(g)を用いて,Dp(g)×{E(g)−L(g)}が正であれば,予測因子gは予後不良を示唆するとみなし,0以下であれば予後良好を示唆するとみなす。
なお,予測因子gがPO−UP型因子であればDp(g)=1,PO−DOWN型因子であればDp(g)=−1である。このとき,PO−UP型因子であればE(g)がL(g)より大きいときにDp(g)×{E(g)−L(g)}は正になり,PO−DOWN型因子ならE(g)がL(g)より小さいときにDp(g)×{E(g)−L(g)}は正になる。
予測因子gが予後不良を示唆する場合は(ステップS406のYES),診断対象患者において染色体異常fが発生していることを示唆する予測因子20に予測因子gを加える(ステップS407)。
予測因子gが示唆する全ての染色体異常に対して,ステップS405〜S407の処理を繰り返し,全ての染色体異常に対して処理を行ったら,ステップS409へ進む(ステップS408)。
さらに,全ての予測因子に対し,ステップS403〜S408の処理を繰り返し,全ての予測因子に対して処理を行ったら(ステップS409),処理を終了する。
本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
本発明の予後診断処理の説明図である。 予後不良染色体異常関連因子抽出処理の説明図である。 関連染色体異常情報出力処理の説明図である。 予後診断装置の構成例を示す図である。 予後診断装置で使用する情報の構成例を示す図である。 予後診断装置の全体の処理の説明図である。 予測因子抽出部の処理の説明図である。 予測因子抽出処理の処理フローチャートである。 予後診断部の予後予測処理の説明図である。 予後予測処理の処理フローチャートである。 染色体異常関連因子抽出部の処理の説明図である。 染色体異常関連因子抽出処理の処理フローチャートである。 染色体異常関連因子抽出処理の処理フローチャートである。 予後診断部の関連染色体異常情報出力処理の説明図である。 関連染色体異常情報出力処理の処理フローチャートである。 従来の予後診断方法の説明図である。
符号の説明
1 予後診断装置
10 予後診断部
11 予測因子抽出部
12 染色体異常関連因子抽出部
13 予測因子記憶部
14 染色体異常関連因子記憶部
15 患者サンプル遺伝子発現データ記憶部
16 患者サンプル予後データ記憶部
17 標準サンプル遺伝子発現データ記憶部
18 染色体異常マーカー記憶部
20 予測因子
21 染色体異常関連因子
22 患者サンプルの遺伝子発現データ
23 患者サンプルの予後データ
24 標準サンプルの遺伝子発現データ
25 染色体異常マーカー
26 予後不良染色体異常関連因子
S1 予測因子抽出処理
S2 予後予測処理
S3 染色体異常関連因子抽出処理
S4 関連染色体異常情報出力処理

Claims (6)

  1. 遺伝子発現データ解析を用いて患者の予後を診断するために,
    予後の良否が異なる患者から採取した遺伝子発現データから,予後良好群における標準的な発現量と予後不良群における標準的な発現量との間で有意に差のある発現量を示す遺伝子を予測因子として選択する予測因子抽出処理と,
    診断対象患者の遺伝子発現データをもとに,当該診断対象患者の前記予測因子の発現量が,前記予後良好群の発現量または前記予後不良群の発現量のどちらの発現量に類似するかを判定する予後予測処理と,
    前記診断対象患者の予測因子から予後不良を示唆する予測因子を予後不良判定因子として選択し,当該予後不良判定因子から,発現量の増減傾向が所定の疾患に関連する異常現象発生時において想定される発現量の増減傾向と一致している予後不良判定因子を抽出する予後不良関連因子抽出処理と,
    前記予後予測処理において予後不良と予測された場合に,前記異常現象ごとに抽出した予後不良判定因子を治療方針策定の参考情報として出力する予後不良関連因子情報出力処理とを,
    コンピュータに実行させるための予後診断プログラム。
  2. 前記予後不良関連因子抽出処理では,前記異常現象発生時に発現量が増加または減少することが知られている1つ以上の異常マーカー遺伝子と,前記異常現象の発生状況が異なる複数の被験者から収集された遺伝子発現データとにもとづき,当該異常マーカー遺伝子以外の非マーカー遺伝子の当該異常現象発生時の発現量の増減傾向を,当該遺伝子発現データにおける異常マーカー遺伝子と前記非マーカー遺伝子の発現量との相関にもとづいて推定し,当該推定結果にもとづいて前記予後不良判定因子を抽出する処理を,
    前記コンピュータに実行させるための請求項1記載の予後診断プログラム。
  3. 前記予後不良関連因子抽出処理では,前記異常現象別に抽出した予後不良判定因子の数にもとづき,前記診断対象患者における当該異常現象各々の発生状態の確信度を求め,前記参考情報として当該確信度の大きい順に異常現象を出力する処理を,
    前記コンピュータに実行させるための請求項1または請求項2に記載の予後診断プログラム。
  4. 前記異常現象発生時に発現量が増加または減少することが想定される遺伝子のうち,前記予測因子と一致,かつ,予後良好群における発現量に対する予後不良群における発現量の増減傾向が前記異常現象発生時の発現量の増減傾向と一致する遺伝子を選択し,当該選択した遺伝子の予後不良判定因子としての選択条件となる発現量の範囲を,予後不良判定情報として記憶部に蓄積する予後不良判定情報蓄積処理を,
    前記コンピュータに実行させるための請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の予後診断プログラム。
  5. 遺伝子発現データ解析を用いて患者の予後を診断するための診断装置であって,
    予後の良否が異なる患者群から採取した遺伝子発現データを記憶する患者遺伝子発現データ記憶部と,
    診断対象患者の遺伝子発現データを記憶する診断対象患者遺伝子発現データ記憶部と,
    前記患者群の遺伝子発現データから,予後良好群における標準的な発現量と予後不良群における標準的な発現量との間で有意に差のある発現量を示す遺伝子を予測因子として選択する予測因子抽出部と,
    前記診断対象患者の遺伝子発現データをもとに,当該診断対象患者の前記予測因子の発現量が,前記予後良好群の発現量または前記予後不良群の発現量のどちらの発現量に類似するかを判定する予後予測部と,
    前記診断対象患者の予測因子から予後不良を示唆する遺伝子である予後不良判定因子を選択し,当該予後不良判定因子から,発現量の増減傾向が所定の疾患に関連する異常現象発生時において想定される発現量の増減傾向と一致している予後不良判定因子を抽出する予後不良関連因子抽出部と,
    前記予後予測処理において前記診断対象患者について予後不良と予測された場合に,前記異常現象ごとに抽出した予後不良判定因子を治療方針策定の参考情報として出力する予後不良関連因子情報出力部とを備える
    ことを特徴とする予後診断装置。
  6. 遺伝子発現データ解析を用いて患者の予後を診断するために,コンピュータが実行する予後診断方法であって,
    予後の良否が異なる患者から採取した遺伝子発現データから,予後良好群における標準的な発現量と予後不良群における標準的な発現量との間で有意に差のある発現量を示す遺伝子を予測因子として選択する処理過程と,
    診断対象患者の遺伝子発現データをもとに,当該診断対象患者の前記予測因子の発現量が,前記予後良好群の発現量または前記予後不良群の発現量のどちらの発現量に類似するかを判定する処理過程と,
    前記診断対象患者の予測因子から予後不良を示唆する遺伝子である予後不良判定因子を選択し,当該予後不良判定因子から,発現量の増減傾向が所定の疾患に関連する異常現象発生時において想定される発現量の増減傾向と一致している予後不良判定因子を抽出する処理過程と,
    前記予後予測処理において前記診断対象患者について予後不良と予測された場合に,前記異常現象ごとに抽出した予後不良判定因子を治療方針策定の参考情報として出力する処理過程とを備える
    ことを特徴とする予後診断処理方法。
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