JP2009123391A - 燃料電池用電極触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金を使用せず、埋蔵資源量の制約を受けることがなく、かつ、材料が安価であり製造工程も複雑化しないことで低コストである、エタノールを燃料とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒の提供。
【解決手段】固体高分子型燃料電池用アノード触媒において、炭化タングステンとイリジウム粒子、炭素粒子にイリジウム微粒子を担持した触媒および炭化タングステン上に直接分散担持されたイリジウム微粒子から成る群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、エタノールを燃料とする固体高分子型燃料電池用電極触媒に関する。
燃料電池は水素、メタノールやエタノールなどのアルコールを燃料として、電気化学的に反応させて電気エネルギーを直接得る装置であり、高効率と、低公害性を併せ持つ発電システムとして近年注目されている。
この燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸塩型(MCFC)、リン酸型(PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)等がある。これらの中で、PEFCは小型、軽量、簡便性などの利点から、自動車用、家庭用定置型コジェネレーションシステムや、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル機器の電子端末機器用小型電源など、実用化に向けた検討がなされている。
PEFCで用いる燃料源には色々なものがあり、水素をはじめ、メタノールやエタノールなどの低級アルコールが挙げられる。特に、比較的安価で取り扱いが容易で、メタノールに比べて毒性が少なく、環境循環型エネルギーとして近年注目されるエタノールを直接燃料に用いるPEFCは、直接エタノール形燃料電池(DEFC、Direct Ethanol Fuel Cell)と呼ばれ、小型化・軽量化が期待でき、注目されている。
これらのDEFCのアノード(燃料極)では、以下のようなエタノール電極酸化反応がおきている。
アノード(燃料極):COH+3HO → 12H+2CO+12e
この反応に使用される触媒として代表的なのは、白金(Pt)とルテニウム(Ru)を炭素粒子に高分散担持させたものである。また、近年DEFC用触媒の添加成分としてスズ(Sn)の効果が確認されている。しかし、Ptを主成分に用いるために、コストが高く、その資源枯渇の恐れから、例えば、燃料電池車や家庭用定置型コージェネレーションシステム、携帯電話やノートパソコンなどのモバイル電子機器の電子端末機器用小型電源を世界規模で普及させるだけのPt量を十分に賄えないという資源面での問題がある。
エタノールを燃料とする燃料電池普及のためにアノード触媒に求められる条件は、次の3条件が挙げられる。化学的には、(1)エタノール酸化能力を有し、(2)耐強酸性であること。経済性を考慮すると、(3)低コストであること、の以上の3条件である。Ptは、上記のように、(1)及び(2)では非常に優秀であるが、(3)の条件は全くクリアできていない。この問題を解決するために、Pt以外の物質を触媒として適用することが多く検討されており、Pt触媒(Platinum-based Catalysts)に代わる触媒の開発が進められている。
例えば、導電性炭素粒子上に、Nb、Ni、Sn、Ta、Ti、およびZrの中から選択された元素とSiを含む酸化物または水酸化物からなる化合物が被覆されたPt材料からなる燃料電池用触媒がある(特許文献1)。また、(a)炭化タングステン、炭化モリブデン、タングステンオキシカーバイド、モリブデンオキシカーバイド、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物と、(b)白金、白金とルテニウムとの混合物、または白金と酸化ルテニウムとの混合物と、(c)V、Nd、Ta、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、およびそれらの混合物からなる群より選択される金属とを含んでなるアノード触媒がある(特許文献2)。しかし、これら方法は従来と変わらずPtの使用が必須であり、本質的な問題の解決には至っていない。
さらに、酸化ルテニウム、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、および酸化タングステン、あるいは窒化モリブデンから選ばれる少なくとも1種類の燃料電池用触媒などがある(特許文献3)。この技術において白金を使用しないという点では有用ではあるが、実用上の性能を有しているとは言い難く、課題に対する解決策とはなりえていない。
数々の物質群の中で、炭化物は有用な触媒として注目されて久しい。特に炭化タングステンは、ネオペンタンの異性化反応に活性を有することが報告されて以来、白金の代替触媒として期待されてきた(非特許文献1)。炭化タングステンは、白金に比べ安価で、比較的安定かつ高い導電性を有し、バンド構造が白金と類似していることから、多くの触媒反応系において白金代替として報告されている。しかし、水素燃料電池におけるアノード電極触媒としては、水素酸化活性が低く、単独での利用が困難なことがわかっている。
さらに、燃料をメタノールにした場合、活性は著しく低下してしまう(非特許文献2)。これはつまり、触媒がCH結合を活性化できないことに起因する。そこで、CH結合を活性化できる活性成分として少量の白金を加え、白金使用量を低減させる触媒系が提案されている。しかし、これも白金を必要とすることには変わりなく、本件の本質的な解決にはなっていない。さらに、CH結合を活性化できることが報告されている炭化モリブデンと混合し、複合化することで酸化活性を引き出す触媒系が見出されている(非特許文献3)が、依然活性が低く、炭化モリブデンが溶出・腐食する疑いがあることから、この触媒系もその後展開していない。
こういった諸問題から、直接アルコール形燃料電池におけるアノード電極触媒の開発は大きな困難に直面している。直接エタノール形の場合、燃料の完全な電極酸化を達するには、エタノール分子中のCC結合の切断という、水素やメタノールとは違った次元の問題も含む。この点からも現状では、卑金属系や酸化物およびその他無機化合物、有機金属錯体などで、白金を代替することは難しい。そこで、電極触媒中の白金の使用を避ける代わりに、パラジウムのような他の貴金属を使用することで酸化活性を付与させ、助触媒成分の添加によってこの効果を増幅・補完することで、貴金属の使用量を出来るだけ抑え、経済的コストを白金触媒系より低く抑えようという取組みが、燃料電池触媒開発のひとつの流れになりつつある(非特許文献4、5)。その形態は、単純な物理混合から、合金状、助触媒機能を持つ物質への高分散担持などが検討されている。
特開平9−167620号公報 特開2005−519755号公報 特開2005−63677号公報 R.B.Levy, M.Boudart, Science, 181, 547 (1973). T.Kudo, G.Kawamura, H.Okamoto, J.Electrochem.Soc., 130, 1491 (1983). R.Miles, J.Chem.Tech.Biotechnol., 30, 35-43 (1980). F.P.Hu, P.K.Shen, J.Power Sources, 173, 877-881 (2007). M.Nie, H.Tang, Z.Wei, S.P.Jiang, P.K.Shen, Electrochem.Comm, 9, 2375-2379 (2007).
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、白金を使用せず、埋蔵資源量の制約を受けることが少なく、かつ、エタノールを燃料とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、金属炭化物である炭化タングステンを用いて、炭化タングステン粒子とイリジウム粒子の混合物、又は、炭化タングステン粒子と炭素粒子上にイリジウム微粒子が担持された複合粒子との混合物、又は、炭化タングステン上にイリジウム微粒子が直接分散担持された複合粒子のいずれかを含有する触媒を、エタノールを燃料とする燃料電池用アノード触媒とすることで、高価な白金を使用せずに、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記の固体高分子型燃料電池用触媒を提供するものである。
1.固体高分子型燃料電池用アノード触媒が、炭化タングステン粒子とイリジウム粒子の混合物、又は、炭化タングステン粒子と炭素粒子上にイリジウム微粒子が担持された複合粒子との混合物、又は、炭化タングステン上にイリジウム微粒子が直接分散担持された複合粒子のいずれかを含有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
2.固体高分子型燃料電池が、エタノールを燃料とする直接エタノール型燃料電池(DEFC)であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
本発明の固体高分子型燃料電池用アノード触媒によれば、炭化タングステンとイリジウムを使用するので、白金を使用する必要がなく、その資源量の制約を受けることがなく、比較的安価に燃料電池用アノード触媒を作成することで、コストを抑えた電極触媒を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明において、イリジウムと炭化タングステンのみを正味の触媒重量とした場合、炭化タングステンは重量比で40〜99%になる。炭化タングステンは、通常市販品から入手できる。使用できる炭化タングステン粒子の粒径は1〜100μmである。
炭化タングステン以外の成分としては、イリジウム粒子、炭素粒子にイリジウム微粒子を分散担持した触媒および炭化タングステン上に直接分散担持されたイリジウム微粒子である。イリジウム粉末の場合は、粒径1〜100μmで、重量比1〜60%で炭化タングステンと混合複合化される。また、炭素粒子にイリジウム微粒子を分散担持した触媒では、イリジウム担持量0.5〜80重量%かつイリジウム微粒子の粒径1〜10nmで、触媒重量に対するイリジウム重量比は1〜60重量%で混合複合化される。炭化タングステン上にイリジウム微粒子を分散担持した触媒では、イリジウム担持量0.5〜60重量%かつイリジウム微粒子の粒径1〜10nmで、触媒重量に対するイリジウム重量比は1〜60重量%である。
イリジウム触媒のイリジウム粉末、炭素粒子にイリジウム微粒子を担持した触媒および炭化タングステン上に直接分散担持されたイリジウム微粒子以外の成分としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウムなどの貴金属およびこれらの酸化物などが挙げられ、特に制限されるものではないが、本発明においては必須ではなく、特に白金を使用することは本発明の目的とは外れることになる。
本発明の触媒としては、炭化タングステンを主成分として、イリジウム粉末および/または炭素粒子にイリジウムを担持した触媒および/または炭化タングステン上に直接分散担持されたイリジウム微粒子を少なくともひとつ含有することが必要である。ここで、炭化タングステンとイリジウム粒子、炭素粒子にイリジウム微粒子を担持した触媒および炭化タングステン上に直接分散担持されたイリジウム微粒子から成る群から選ばれる少なくとも1つを含有するとは、ある程度のイリジウムの集合体が、炭化タングステンと近接または接触状態であり、必ずしも金属が原子・結晶レベルで固溶しているようないわゆる合金状態である必要はない。このような触媒は、両者の微粒子を物理混合するだけでなく、イリジウム前駆体を用いてイリジウム微粒子を炭化タングステン粉末状に分散担持させる方法(含浸担持法)や、液相還元法により調製されるイリジウム微粒子を炭化タングステン粉末上に析出・固定する方法、炭化タングステン粉末を担体としてイリジウムを真空スパッタリングする方法などで作製できる。
また、炭素粒子にイリジウムを担持した触媒は、電極触媒においては、炭素粒子のような導電性担体に担持させることによりその触媒活性および導電性を向上させることができるので好ましい。炭素粒子のような導電性担体としては、その形状は特に限定されるものではなく、例えば、粒子状、繊維状などの形状で用いることができる。特に、粒子状であると高比表面積となり、多くの触媒を担持できるのでより好ましい。粒子状炭素材料としては、比表面積が25〜1500m/g程度のものが好ましく、50〜1500m/g程度のものがより好ましい。具体的には、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、グラファイト、活性炭等が挙げられる。特に触媒性能が向上するといった観点から、ケッチェンブラック、Denka Black、Vulcan等として市販されているカーボンブラックが好ましく、中でもケッチェンブラック(登録商標、ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製)を用いるのが好ましい。
次に炭素粒子にイリジウムを担持した触媒の製法であるが、イリジウム塩を溶媒に溶解後、炭素粒子に浸漬させ、溶媒を乾燥後、還元し金属を微粒子化して析出させることで得る(含浸担持法)。イリジウム前駆体としては、塩化イリジウム酸、硝酸イリジウム、塩化イリジウム、ヘキサクロロイリジウム酸アンモニウムがある。
次に、本発明の触媒を、エタノールを燃料とした固体高分子型燃料電池として用いる方法について説明する。燃料電池の形状などについては、電解質膜として固体高分子型電解質を使用すれば特に限定されるものではなく、任意形状の電解質膜上にアノード、カソードを密着させた電解質膜・電極接合体(MEA、Membrane Electrode Assemblies)として用いることができる。
本発明の燃料電池としては、本発明の触媒をアノードに有する必要があるが、その構造は従来公知のものと同様でよく、又、カソードおよび固体高分子型電解質も、従来公知のものと同様でよい。例えば、カソード電極に使用する触媒は、白金などを使用することができ、固体高分子型電解質膜は、アシプレックス(旭化成)、ナフィオン(デュポン)、フレミオン(旭硝子)などの商標名で市販されているパーフルオロスルホン酸基ポリマーを使用することができる。
本発明の触媒を用いて電極を形成するには、本発明の触媒にナフィオン分散液などのバインダーを添加して固体高分子型電解質のアノード側に、またカソード側にも同様に公知の触媒にバインダーを添加して炭素電極などの上に触媒層として塗布すれば良い。必要に応じて、拡散層、集電体をホットプレス法などにより一体化して、MEAとすることもできる。
次に本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例において用いる測定法は以下のとおりである。
触媒構造は、X線回折構造解析装置(XRD)(Ultima III、リガク製)を用いて評価した。電気化学試験は、電気化学測定装置:Solartron1280Z(英国ソーラトロン社製)を用いて行ない、おのおのの条件等の詳細は各実施例内に記載する。
以下、本発明における触媒の合成方法、電極作成法、電気化学測定法を具体的に説明する。
(触媒合成法)
炭化タングステン(IV)(WC)は、市販品(99%、Aldrich製、分子量195.88、粒径10μm以下)と合成品を用いた。市販品は真空乾燥機中で十分に乾燥させた。合成品は以下の方法で合成した。よく乾燥させた酸化タングステン(VI)(WO3、和光純薬株式会社)2g石英ガラス製反応管に充填し、温度制御式管状炉にセットした。炭化剤として純プロピレンと水素の混合ガス(CH:H=1:4)を50ml/min.で導入し、室温から800℃まで1℃/min.で昇温した。800℃で20分加熱し、H2雰囲気下室温まで急冷した。最後に、N2+O2混合気流中で置換し、生成した炭化タングステンを取り出した。試料の解析は、XRD測定を行ない、構造上市販品と変わらないことを確認した。
イリジウム触媒は以下の方法で合成した。塩化イリジウム酸n水和物(Wako製、分子量406.95)1gを蒸留水9.4g中に溶かし、攪拌。5wt.%Ir水溶液とする。担体として用いたVulcan(XC72R)は、2mol/l水酸化ナトリウム水溶液中で攪拌・洗浄し、吸引ろ過および水洗後、真空乾燥機中で十分に乾燥させた。この炭素担体1.6gに5wt.%Ir水溶液を含浸させ、100℃湯浴上で乾燥させる。さらに真空乾燥機中に一晩放置した。この試料をN2気流中で200℃まで加熱乾燥し、400℃で2時間還元処理(H2気流中)し、Vulcan担持20wt.%Ir触媒(20wt.%Ir/VC)を得た。できた試料をN2中で室温まで冷却後、N2+O2混合気流中で置換し、取り出した。イリジウムが炭素担体上で微粒子化し高分散担持されていることを、XRD測定から確認した。
(電極作成法)
上記で得られた炭化タングステン100mgおよび導電剤としてvulcan20mgを試料瓶中で混合し、2−プロパノール1gと20%Nafion分散液0.5gを加え、超音波振動で均一分散させる。このペースト液を、鏡面研磨したグラッシーカーボン電極(直径6mm)上に塗布し、80℃乾燥機中で十分乾燥させる。こうして電極触媒が先端に固定された炭素電極を得た。電極先端に固定されたWC量は、7.5mgであった。
イリジウム触媒のみの電極は以下のように作成した。上記で得られた20wt.%Ir/VC 100mgおよび導電剤としてvulcan20mgを試料瓶中で混合し、2−プロパノール1gと20%Nafion分散液0.5gを加え、超音波振動で均一分散させる。このペースト液を、鏡面研磨したグラッシーカーボン電極(直径6mm)上に塗布し、80℃乾燥機中で十分乾燥させる。こうして電極触媒が先端に固定された炭素電極を得た。電極先端に固定されたイリジウム量は、0.45mgであった。
Ir−炭化タングステン複合触媒の電極作成は以下のように行なった。上記の市販品炭化タングステン100mgと、上記で得られた20wt.%Ir/VC 20mgおよび導電剤としてvulcan20mgを試料瓶中で混合し、2−プロパノール1gと20%Nafion分散液0.5gを加え、超音波振動で均一分散させる。このペースト液を、鏡面研磨したグラッシーカーボン電極(直径6mm)上に塗布し、80℃乾燥機中で十分乾燥させる。こうして電極触媒が先端に固定された炭素電極を得た。電極先端に固定された触媒量は、Ir0.03mg、炭化タングステン0.76mgであった。
(活性評価)
電気化学測定装置を用いて、三極法にてサイクリックボルタングラフィー(CV)を測定した。作用極には上記で作成した電極触媒を塗布したカーボン電極を用い、参照極にはAg/AgCl、対極には白金板を用いた。2槽型電解セルをNafion117膜(厚さ50μm)で仕切り、対極側に純酸素をバブリングした。作用極側には、2mol/lエタノール+0.5mol/l硫酸混合水溶液、空気極側には0.5mol/l硫酸水溶液を満たした。燃料無しの
実験では、両極とも0.5M硫酸で満たした。測定条件は、温度40℃、0〜0.7Vを10mV/secで行なった。
また、上記電気化学測定装置を用いて、発電測定も行なった。燃料極には上記で作成した触媒付電極を、空気極にはVulcan担持白金触媒(30wt.%Pt/VC)を用いた。2槽型電解セルをNafion117膜(厚さ50μm)で仕切り、燃料極側には、2mol/lエタノール+0.5mol/l硫酸混合水溶液、空気極側には0.5mol/l硫酸水溶液を満たした。空気極側に純酸素を100ml/min.でバブリングした。燃料無しの実験では、両極とも0.5mol/l硫酸で満たした。
[実施例1]
上記のIr―炭化タングステン混合触媒を塗布した電極で、CV測定を行なった。エタノール混合水溶液に対して、0.2〜0.7Vに大きな酸化電流ピークを示し、非常に低電位からエタノール酸化活性を示すことがわかった。酸化電位は測定範囲内において、0.1V付近から酸化電流が増え始め、0.5Vで33mAに達し、非常に大きなエタノール酸化電流値を示した。(表1を参照)
さらに、電気化学測定装置で発電測定を行なった。この電極は、エタノールの含まない硫酸水溶液中ではまったく発電しなかったが、エタノール混合水溶液中(測定温度40℃)では大きな発電が見られ、イリジウム1mg当たり21mA(初期電流値)を示した。
[比較例1]
上記で得られたWCのみで作成した電極のCV測定を行なったところ、市販品および合成品ともエタノール混合水溶液に対して酸化電流を示さず、0〜0.7Vの範囲でエタノール酸化活性をまったく示さなかった。(表1を参照)
また、両者とも測定温度40℃でエタノール混合水溶液に対してまったく発電せず、エタノール無しの場合と同様であった。
[比較例2]
上記で得られた20wt.%Ir/VC触媒で作成した電極で、CV測定を行なった。エタノール混合水溶液に対して、0.2〜0.7Vに大きな酸化電流ピークを示し、非常に低電位からエタノール酸化活性を示すことがわかった。酸化電位は0.5Vで18.9mAに達し、比較的大きなエタノール酸化電流値を示した。(表1を参照)
さらに、電気化学測定装置で発電測定を行なった。この電極は、エタノールの含まない硫酸水溶液中ではまったく発電しなかったが、エタノール混合水溶液中(測定温度40℃)では発電が観測され、イリジウム1mg当たり4.5mA(初期電流値)を示した。
本発明のエタノールを燃料とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒は、白金を使用する必要がなく、低コスト化が可能となり、電池用電極触媒の分野で非常に有用である。
Figure 2009123391

Claims (2)

  1. 固体高分子型燃料電池用アノード触媒が、炭化タングステン粒子とイリジウム粒子の混合物、又は、炭化タングステン粒子と炭素粒子上にイリジウム微粒子が担持された複合粒子との混合物、又は、炭化タングステン上にイリジウム微粒子が直接分散担持された複合粒子のいずれかを含有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
  2. 固体高分子型燃料電池が、エタノールを燃料とする直接エタノール型燃料電池であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
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