JP2009118126A - アンテナ制御装置、アンテナ制御方法、無線通信装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

アンテナ制御装置、アンテナ制御方法、無線通信装置、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Masahiko Nagoshi
方彦 名越
Wataru Noguchi
渡 野口
Hiroyuki Yurugi
弘之 万木
Sotaro Shinkai
宗太郎 新海
Akihiko Shiotsuki
昭彦 汐月
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Abstract

【課題】MIMO通信において各伝送路の受信レベル差が非常に大きくなり、受信機の受信ダイナミックレンジの範囲を外れることに起因する特性の劣化を解消する。
【解決手段】受信レベル設定メモリ16は、受信される無線信号の許容受信レベル範囲を記憶し、受信レベル検出回路11は、受信された無線信号の受信レベルを検出し、アンテナ指向性切換情報メモリ15は、設定可能な複数の指向性パターンと、各指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位とを記憶する。状態制御回路12は、無線信号が受信されたとき、可変指向性アンテナ毎に無線信号の受信レベルの順位を決定してアンテナ指向性切換情報メモリ15に記憶するとともに、可変指向性アンテナ毎に、受信レベルが許容受信レベル範囲外にある場合、許容受信レベル範囲内で無線信号を受信するように、記憶された受信レベルの順位に基づいて他の指向性パターンを選択する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の可変指向性アンテナを備えたMIMO無線通信装置のためのアンテナ制御装置並びにアンテナ制御方法と、そのようなアンテナ制御装置を備えた無線通信装置と、そのようなアンテナ制御方法を実行するためのプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体とに関するものである。
近年、パーソナルコンピュータやPDA等の通信端末機器だけではなく、各種民生用機器、例えば、オーディオ機器やカメラ、プロジェクター等に、無線通信機能が搭載されることが多くなっている。通信方式としては、2.4GHz帯を用いるBluetoothや、5GHz帯を用いるIEEE802.11a並びに2.4GHz帯を用いるIEEE802.11b/g等の無線LAN用通信方式が採用されている。
最近では、無線LANのためのさらに高速な通信方式としてMIMO(Multi Input Multi Output)通信方式を利用した、IEEE802.11nの無線LANが注目されている。MIMO通信方式は、複数の送信アンテナを備えた送信側無線端末装置と、複数の受信アンテナを備えた受信側無線端末装置との間において、反射波によって発生する伝搬路上の複数のパス(伝送路)を利用して、空間多重による伝送速度の向上を図る通信方式である。
MIMO無線通信装置において、その複数のアンテナを可変指向性アンテナとして構成することも可能である。例えば、特許文献1において、所定の長さを有して誘電性の基板上に配置された半導電性のアンテナ素子構成部と、前記アンテナ素子構成部に接続された制御電極とを備え、前記制御電極に供給する直流バイアス電圧を制御して前記アンテナ素子構成部を絶縁性又は/及び導電性に切り換えることを特徴とするアンテナ装置が開示されている。アンテナ素子構成部は、制御電極へ印加する直流バイアス電圧により制御電極のリアクタンスを誘導性と容量性に切り換えることにより、誘導性の場合は反射器として動作し、容量性の場合は導波器として動作する。切り換え条件には、伝送速度、スループット、ビットエラーレート(BER)又はパケットエラーレート(PER)等のエラーレート、受信信号強度(RSSI)又はビット当たりの電力対雑音電力密度比(Eb/N0)等の信号電力、などが用いられる。
特開2007−13692号公報。
マルチパスフェージング環境下では、MIMO通信の各伝送路の受信レベル差が非常に大きくなる場合がある。従来の受信側無線端末装置に設けられる複数の無線送受信回路(RFトランシーバ)内の低雑音増幅器(LNA)のゲイン設定は、通常、複数の受信アンテナでそれぞれ受信された受信信号に係るRSSIのうちの最大のRSSIに基づいて一律に設定されるので、RSSIの小さい受信信号を処理する無線送受信回路内のLNAに対するゲイン設定が最適でなくなり、受信特性が劣化する場合があった。
このような受信特性の劣化を解決するためには、複数の無線送受信回路内の各LNAに係るゲインを独立に制御する必要があるが、この場合、制御が複雑化するとともに、受信側無線端末装置の回路構成において既存の回路部品(例えば、無線送受信回路及び/又はベースバンド処理回路等の集積回路)を使用することができなくなり、そのため、こうした既存の回路部品に代えて新規な回路部品を設計して製造しなければならない。
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、複数の可変指向性アンテナを備えたMIMO無線通信装置において既存の回路構成に大幅な変更を加えることなく受信性能を向上させるためのアンテナ制御装置並びにアンテナ制御方法を提供することにある。本発明の目的はまた、そのようなアンテナ制御装置を備えた無線通信装置と、そのようなアンテナ制御方法を実行するためのプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体とを提供することにある。
本発明の第1の態様に係るアンテナ制御装置は、
複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の許容受信レベル範囲の設定値を記憶する第1の記憶手段と、
上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信された複数の無線信号の受信レベルを検出する検出手段と、
上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに設定可能な複数の指向性パターンと、当該可変指向性アンテナに上記各指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号に係る、上記検出手段により検出される受信レベルの順位とを記憶する第2の記憶手段と、
上記各可変指向性アンテナでそれぞれ無線信号が受信されたとき、上記可変指向性アンテナ毎に上記無線信号の受信レベルの順位を決定して上記第2の記憶手段に記憶するとともに、上記可変指向性アンテナ毎に、上記検出手段により検出された受信レベルが上記許容受信レベル範囲外にある場合、上記許容受信レベル範囲内の受信レベルで上記無線信号を受信するように、上記第2の記憶手段に記憶された受信レベルの順位に基づいて他の指向性パターンを選択する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記アンテナ制御装置において、
上記第1の記憶手段は、上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の受信レベルの最大値と最小値との許容受信レベル差の設定値をさらに記憶し、
上記制御手段は、上記検出手段により検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最小値の受信レベルを増大させるように、上記第2の記憶手段に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最小値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択することを特徴とする。
また、上記アンテナ制御装置において、上記制御手段は、上記検出手段により検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最大値の受信レベルを低下させるように、上記第2の記憶手段に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最大値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択することを特徴とする。
さらに、上記アンテナ制御装置は、上記複数の可変指向性アンテナの配置情報の設定値を記憶する第3の記憶手段をさらに備え、
上記制御手段は、上記各可変指向性アンテナに初期状態の指向性パターンが設定されたときに受信された無線信号の受信レベルと、上記各可変指向性アンテナの配置情報とに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を推定により決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ制御装置において、上記制御手段は、上記各可変指向性アンテナのすべての指向性パターンがそれぞれ設定されたときに受信された無線信号の受信レベルに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るアンテナ制御方法は、
複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の許容受信レベル範囲の設定値を第1の記憶装置に記憶するステップと、
上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信された複数の無線信号の受信レベルを検出する検出ステップと、
上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに設定可能な複数の指向性パターンと、当該可変指向性アンテナに上記各指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号に係る、上記検出ステップにより検出される受信レベルの順位とを第2の記憶装置に記憶するステップと、
上記各可変指向性アンテナでそれぞれ無線信号が受信されたとき、上記可変指向性アンテナ毎に上記無線信号の受信レベルの順位を決定して上記第2の記憶装置に記憶するとともに、上記可変指向性アンテナ毎に、上記検出ステップにより検出された受信レベルが上記許容受信レベル範囲外にある場合、上記許容受信レベル範囲内の受信レベルで上記無線信号を受信するように、上記第2の記憶装置に記憶された受信レベルの順位に基づいて他の指向性パターンを選択する制御ステップとを含むことを特徴とする。
上記アンテナ制御方法は、上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の受信レベルの最大値と最小値との許容受信レベル差の設定値を上記第1の記憶手段に記憶するステップをさらに含み、
上記制御ステップは、上記検出ステップにより検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最小値の受信レベルを増大させるように、上記第2の記憶装置に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最小値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択するステップを含むことを特徴とする。
また、上記アンテナ制御方法において、上記制御ステップは、上記検出ステップにより検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最大値の受信レベルを低下させるように、上記第2の記憶装置に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最大値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択するステップを含むことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ制御方法は、上記複数の可変指向性アンテナの配置情報の設定値を第3の記憶装置に記憶するステップとをさらに備え、
上記制御ステップは、上記各可変指向性アンテナに初期状態の指向性パターンが設定されたときに受信された無線信号の受信レベルと、上記各可変指向性アンテナの配置情報とに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を推定により決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶装置に記憶するステップを含むことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ制御方法において、上記制御ステップは、上記各可変指向性アンテナのすべての指向性パターンがそれぞれ設定されたときに受信された無線信号の受信レベルに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶装置に記憶するステップを含むことを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る無線通信装置は、
複数の可変指向性アンテナと、
上記アンテナ制御装置と、
上記複数の可変指向性アンテナにそれぞれ接続され、上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信された複数の無線信号の受信レベルを測定し、上記測定された受信レベルを上記アンテナ制御装置の検出手段にそれぞれ伝送する複数の無線通信手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の第4の態様に係るプログラムは、上記アンテナ制御方法の各ステップを含むことを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る記録媒体は、上記プログラムを記録したことを特徴とする。
本発明は、一般的な市販ICからなる既存のMIMO無線通信装置の構成に加えてさらにマイクロコントローラ等のアンテナ制御装置を備えた簡易な構成で、可変指向性アンテナの指向性パターンを切り換えることにより受信機の特性を改善することができる。前記従来の課題を解決するために、本発明の無線通信装置は、各可変指向性アンテナの配置情報と、無線受信手段が良好な受信特性を得られる許容受信レベル範囲及び各可変指向性アンテナの許容受信レベル差とを設定可能なアンテナ制御装置を搭載する。アンテナ制御装置では、一般的な市販ICである無線受信回路から出力される受信レベルの情報(RSSI信号)を利用して各可変指向性アンテナの受信レベルを取得し、無線通信装置が良好な受信特性を得られる信号レベルとなるように可変指向性アンテナの指向性パターンを切り換えることで、無線通信装置の受信特性を改善する。本発明により、市販ICを用いたMIMO受信機において、簡易なマイクロコントローラのみでMIMO向けアンテナの指向性制御が可能となる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図であり、図2は、図1のコントローラ6の詳細構成を示す機能ブロック図である。図1を参照すると、本実施形態の無線通信装置は、MIMO通信方式の無線信号をそれぞれ送受信する複数の可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3と、指向性切換回路2−1,2−2,2−3を介して各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の指向性パターンを制御するコントローラ6とを備えたことを特徴とし、コントローラ6は、受信時に、後述のアンテナ指向性決定処理を実行して各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の指向性パターンを決定して制御する。可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3で受信された信号は、スイッチ3−1,3−2,3−3を介して無線送受信回路4−1,4−2,4−3にそれぞれ伝送され、無線送受信回路4−1,4−2,4−3により増幅及びA/D変換などの処理が実行された後でそれぞれベースバンド処理回路(BB−IC)5に伝送される。各無線送受信回路4−1,4−2,4−3はさらに、伝送された受信信号の受信レベル(RSSI)を測定し、当該受信レベルを示すRSSI信号を生成してベースバンド処理回路5とコントローラ6とに伝送する。ここで、RSSI信号は、前述のように従来技術の無線通信装置では、無線送受信回路からベースバンド処理回路のみに伝送されるものである。ベースバンド処理回路5は、伝送された3つの受信信号を多重分離して元の1つのデータストリームを復元し、復元されたデータストリームを出力信号として出力する。ベースバンド処理回路5はさらに、無線通信装置の送信動作と受信動作とを切り換える送受信切換信号を生成して、無線送受信回路4−1,4−2,4−3と、スイッチ3−1,3−2,3−3と、コントローラ6とに伝送する。無線送受信回路4−1,4−2,4−3及びベースバンド処理回路5は、従来技術のMIMO無線通信装置に利用されている市販IC等を利用することができる。
図2を参照すると、コントローラ6は、無線送受信回路4−1,4−2,4−3から伝送されたRSSI信号が入力される受信レベル検出回路11と、受信レベル検出回路11に入力されたRSSI信号の示す受信レベルに基づいて後述のアンテナ指向性決定処理を実行する状態制御回路12と、状態制御回路12による決定結果に基づいて指向性切換回路2−1,2−2,2−3を制御するアンテナ指向性切換信号を生成して出力するアンテナ指向性切換信号生成回路13と、状態制御回路12にそれぞれ接続されたアンテナ配置情報メモリ14、アンテナ指向性切換情報メモリ15及び受信レベル設定メモリ16とを備えて構成される。コントローラ6は、例えばマイクロコントローラとして構成される。ベースバンド処理回路5から伝送された送受信切換信号は、受信レベル検出回路11とアンテナ指向性切換信号生成回路13とに入力され、アンテナ指向性切換信号生成回路13は、この送受信切換信号に基づき、無線通信装置が受信動作に切り換わるタイミングに合わせるように、アンテナ指向性切換信号を指向性切換回路2−1,2−2,2−3に送信するタイミングを決定する。
図3は、図1の可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の水平面内における配置例を示す平面図であり、図4は、図3の可変指向性アンテナ1−1の実装例を示す平面図である。図3を参照すると、本実施形態において、可変指向性アンテナ1−1は、互いに平行に並べられた1つの給電アンテナ素子1−1aと2つの無給電アンテナ素子1−1b,1−1cとを備え、無給電アンテナ素子1−1b,1−1cが、その間に給電アンテナ素子1−1aを挟むように配置されて構成される。同様に、可変指向性アンテナ1−2は、互いに平行に並べられた1つの給電アンテナ素子1−2aと2つの無給電アンテナ素子1−2b,1−2cとを備え、無給電アンテナ素子1−2b,1−2cが、その間に給電アンテナ素子1−2aを挟むように配置されて構成され、可変指向性アンテナ1−3は、互いに平行に並べられた1つの給電アンテナ素子1−3aと2つの無給電アンテナ素子1−3b,1−3cとを備え、無給電アンテナ素子1−3b,1−3cが、その間に給電アンテナ素子1−3aを挟むように配置されて構成される。可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3は、円周上に等間隔に配置される。円の中心Oに対して可変指向性アンテナ1−1が設置される方向を0度方向として、120度方向に可変指向性アンテナ1−2を設置し、240度方向に可変指向性アンテナ1−3を設置する。
図4を参照すると、給電アンテナ素子1−1aは、プリント配線基板27上に形成された2つのストリップ形状の導体パターン21a,21bから構成され、導体パターン21a,21bは互いに所定間隔を有して一直線上に配置されている。各導体パターン21a,21bの対向した側に設けた給電点22a,22bはそれぞれ、所定の給電線路を介してスイッチ3−1及び無線送受信回路4−1と接続され、これにより給電アンテナ素子1−1aを介して無線信号が送受信される。第1の無給電アンテナ素子1−1bもまた、プリント配線基板27上形成された2つのストリップ形状の導体パターン23a,23bから構成され、導体パターン23a,23bは、互いに所定間隔を有して一直線上に配置されている。各導体パターン23a,23bの対向した側には、一対のPINダイオード24a,24bが設けられる。PINダイオード24aのカソード端子は導体パターン23aに接続され、PINダイオード24bのカソード端子は導体パターン24bに接続され、PINダイオード24a,24bのアノード端子は互いに接続される。PINダイオード24a,24bのアノード端子は、1つの制御線を介して、指向性切換回路2−1の印加バイアス電圧端子(DC端子)に接続され、PINダイオード24a,24bのカソード端子は、別の1つの制御線を介して、指向性切換回路2−1の接地端子(GND端子)に接続され、これにより、指向性切換回路2−1は、各PINダイオード24a,24bに制御電圧(すなわちバイアス電圧)を印加して可変指向性アンテナ1−1の指向特性を制御する。第2の無給電素子1−1cの側もまた、無給電アンテナ素子1−1bの側と同様に構成される。無給電アンテナ素子1−1cは、無給電アンテナ素子1−1bの導体パターン23a,23bと同様に構成されて配置された、導体パターン25a,25bから構成される。各導体パターン25a,25bの対向した側には、無給電アンテナ素子1−1bに接続されたPINダイオード24a,24bと同様に、一対のPINダイオード26a,26bが設けられ、PINダイオード26a,26bは、制御線を介して指向性切換回路2−1に接続される。さらに、可変指向性アンテナ1−2,1−3もまた、可変指向性アンテナ1−1と同様に構成される。
可変指向性アンテナ1−1において、無給電アンテナ素子1−1b側のPINダイオード24a及び24bと、無給電アンテナ素子1−1c側のPINダイオード26a及び26bとのいずれもオフにした場合には、8の字型の指向性パターンB1aが形成される一方、無給電アンテナ素子1−1b側のPINダイオード24a及び24bのみをオンにした場合には、第1の無給電アンテナ素子1−1bが反射器として動作するので指向性パターンB1bが形成され、また、無給電アンテナ素子1−1c側のPINダイオード26a及び26bのみをオンにした場合には、第2の無給電アンテナ素子1−1cが反射器として動作するので指向性パターンB1cが形成される。同様に、可変指向性アンテナ1−2においても、第1の無給電アンテナ素子1−2b側のPINダイオードと、第2の無給電アンテナ素子1−2c側のPINダイオードとのオン/オフに従って、指向性パターンB2a,B2b,B2cのいずれかが形成され、可変指向性アンテナ1−3においても、第1の無給電アンテナ素子1−3b側のPINダイオードと、第2の無給電アンテナ素子1−3c側のPINダイオードとのオン/オフに従って、指向性パターンB3a,B3b,B3cのいずれかが形成される。
次に、コントローラ6のアンテナ配置情報メモリ14、アンテナ指向性切換情報メモリ15及び受信レベル設定メモリ16の内容について説明する。アンテナ配置情報メモリ14及びアンテナ指向性切換情報メモリ15の内容に関連するパラメータとして、無線通信装置に備えた可変指向性アンテナの個数N_antが使用され、本実施形態ではN_ant=3である。
コントローラ6のアンテナ配置情報メモリ14には、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の配置情報として、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3のそれぞれが位置する方位角の情報と、その向きの情報とが予め設定されている。本実施形態では、図3に示すように3つの可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3が0度、120度及び240度の方位角に存在するように配置されているが、可変指向性アンテナの個数にかかわらず、複数の可変指向性アンテナが円周上に等間隔に配置され、円の中心Oに対してそれぞれ所定の方位角に位置するものとする。また、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の向きについて説明すると、例えば可変指向性アンテナ1−1は、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3が配置された円周の半径方向に沿って、第1の無給電アンテナ素子1−1b、給電アンテナ素子1−1a、第2の無給電アンテナ素子1−1cの順序で、円の中心Oから外側に向かって並ぶときであって、かつ、給電アンテナ素子1−1a及び無給電アンテナ素子1−1b,1−1cの長手方向がそれぞれ円周の半径方向に直交するときに、「0度方向の向き」であるとされ、さらに、水平面内において時計回りに角度を定義する。可変指向性アンテナ1−2,1−3についても同様に向きが定義され、従って、図3に示す例では、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の向きは、すべて0度である。以下に、図3の配置に対応する例示的なアンテナ配置情報メモリ14の内容(単位:度)を示す。
[表1]
―――――――――――――――――――――――――
可変指向性アンテナ 1−1 1−2 1−3
―――――――――――――――――――――――――
方位角 0 120 240
―――――――――――――――――――――――――
向き 0 0 0
―――――――――――――――――――――――――
コントローラ6のアンテナ指向性切換情報メモリ15の内容に関連するパラメータとして、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3のそれぞれについて、指向性パターンを何通りに切り換え可能であるかを示す数N_swが使用される。図3及び図4に示す例では、2つの無給電アンテナ素子のそれぞれに係るPINダイオードをオン/オフすることにより3通りの切り換えが可能であり、従って、数N_sw=3である。アンテナ指向性切換情報メモリ15には、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3のそれぞれについて、2つの無給電アンテナ素子のそれぞれに係るPINダイオードの3通りのオン/オフの組み合わせが予め設定されている。なお、本実施形態では、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3において、両方の無給電アンテナ素子に係るPINダイオードを同時にオンにすることはない。以下の表2乃至表4に、例示的なアンテナ指向性切換情報メモリ15の内容を示し、それぞれ、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の項目に対応する。
[表2]
――――――――――――――――――――
無給電アンテナ素子 アンテナ指向性
1−1b 1−1c 切換番号n
――――――――――――――――――――
オフ オフ −
――――――――――――――――――――
オン オフ −
――――――――――――――――――――
オフ オン −
――――――――――――――――――――
[表3]
――――――――――――――――――――
無給電アンテナ素子 アンテナ指向性
1−2b 1−2c 切換番号n
――――――――――――――――――――
オフ オフ −
――――――――――――――――――――
オン オフ −
――――――――――――――――――――
オフ オン −
――――――――――――――――――――
[表4]
――――――――――――――――――――
無給電アンテナ素子 アンテナ指向性
1−3b 1−3c 切換番号n
――――――――――――――――――――
オフ オフ −
――――――――――――――――――――
オン オフ −
――――――――――――――――――――
オフ オン −
――――――――――――――――――――
アンテナ指向性切換情報メモリ15において、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3のアンテナ指向性切換番号nの欄は、初期状態では空白であり、図5を参照して後述する第1のアンテナ指向性決定処理のステップS3を実行することにより、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3のそれぞれについて、各指向性パターンに対して受信レベルが高い順に1からN_swまでのアンテナ指向性切換番号nが付与されて格納される。
コントローラ6の受信レベル設定メモリ16には、所要性能が得られる許容受信レベル範囲と、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3に係る受信信号間の許容受信レベル差P_gapとが予め設定されている。許容受信レベル範囲は、無線送受信回路4−1,4−2,4−3によって良好に受信可能な受信レベルの範囲であり、最小受信可能レベルTLと最大受信可能レベルTHとによって定義される。最小受信可能レベルTL、最大受信可能レベルTH、及び許容受信レベル差P_gapの値は、使用する無線送受信回路4−1,4−2,4−3の受信特性を予め実測することにより決定される。例えば、最小受信可能レベルTLは−80dBmに設定され、最大受信可能レベルTHは−20dBmに設定され、許容受信レベル差P_gapは20dBに設定される。
図5は、図2の状態制御回路12で実行される第1のアンテナ指向性決定処理を示すフローチャートである。第1のアンテナ指向性決定処理のステップS1乃至S12は、許容受信レベル範囲に基づいてアンテナ指向性を決定する処理であり、ステップS13の第2のアンテナ指向性決定処理は、受信レベル差に基づいてアンテナ指向性を決定する処理である。無線通信装置に無線信号が到来したとき、ステップS1において、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の指向性パターンを初期化する。初期状態として、各指向性パターンは、アンテナ相関が最も低くなるように、外向きに設定される、すなわち、可変指向性アンテナ1−1には指向性パターンB1bが設定され、可変指向性アンテナ1−2には指向性パターンB2bが設定され、可変指向性アンテナ1−3には指向性パターンB3bが設定される。ステップS2において、受信レベル検出回路11から各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3に係る受信レベルPwr_1,Pwr_2,Pwr_3を取得する。次いでステップS3において、アンテナ配置情報メモリ14内のアンテナ配置情報と、ステップS2で取得した各受信レベルPwr_1,Pwr_2,Pwr_3とに基づいて、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3毎に指向性パターンに係る受信レベルの順序を推定し、各指向性パターンに対して受信レベルが高い順に1からN_sw(すなわち3)までのアンテナ指向性切換番号nを付与して、アンテナ配置情報メモリ14に格納する。ステップS3における受信レベルの順序の推定とアンテナ指向性切換番号nの付与とは、以下のように実行される。受信レベルPwr_1,Pwr_2,Pwr_3のうちで、例えば受信レベルPwr_1が最大である場合、その最大である受信レベルPwr_1の受信信号に対応する可変指向性アンテナ1−1の指向性パターンのビーム方向が無線信号の到来方向であると判断する。この到来方向は、ステップS1で設定された初期状態の指向性パターンと、アンテナ配置情報メモリ14内の情報とに基づき、「0度」の方位角であると判断される。可変指向性アンテナ1−1について、0度方向を向いた指向性パターンB1bが最大の受信レベルをもたらすと判断されて、アンテナ指向性切換番号n=1が付与され、指向性パターンB1a,B1cには、アンテナ指向性切換番号n=2,3がそれぞれ付与される。可変指向性アンテナ1−2について、0度方向に最も近い300度方向を向いた指向性パターンB2cが最大の受信レベルをもたらすと判断されて、アンテナ指向性切換番号n=1が付与され、指向性パターンB2a,B2bには、アンテナ指向性切換番号n=2,3がそれぞれ付与される。同様に、可変指向性アンテナ1−3について、0度方向に最も近い60度方向を向いた指向性パターンB3cが最大の受信レベルをもたらすと判断されて、アンテナ指向性切換番号n=1が付与され、指向性パターンB3a,B3bには、アンテナ指向性切換番号n=2,3がそれぞれ付与される。受信レベルPwr_1,Pwr_2,Pwr_3のうちで、受信レベルPwr_1とは異なる受信レベルが最大であっても、同様に、受信レベルの順序が推定され、アンテナ指向性切換番号nが付与される。
以下のステップS4乃至S12では、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3毎に、取得された受信レベルが許容受信レベル範囲外にあるとき、許容受信レベル範囲内の受信レベルで無線信号を受信するように、アンテナ指向性切換情報メモリ15に保持された受信レベルの順位に基づいて他の指向性パターンを選択する。ステップS4において、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3を示すパラメータX=(1,2,3)を1に初期化し、ステップS5において、パラメータXが可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の個数(すなわち3)以下であるか否かを判断し、YESのときはステップS6に進み、NOのときはステップS13に進む。ステップS6において、可変指向性アンテナ1−Xに係る受信レベルPwr_Xが最小受信可能レベルTL未満であるか否かを判断し、YESのときはステップS7に進み、NOのときはステップS9に進む。ステップS7において、アンテナ指向性切換番号n≠1であるか否か、すなわち、可変指向性アンテナ1−Xに最大の受信レベルをもたらす指向性パターンが設定されていないかどうかを判断し、YESのときはステップS8に進み、NOのときはステップS12に進む。ステップS8では、受信レベルを増大させるようにアンテナ指向性切換番号nを1つ減少させ、この新たなアンテナ指向性切換番号nに対応する指向性パターンを可変指向性アンテナ1−Xに設定して受信レベル検出回路11から受信レベルPwr_Xを取得し、ステップS6に戻る。ステップS6乃至S8は、ステップS6又はS7がNOになるまで反復される。一方、ステップS9において、可変指向性アンテナ1−Xに係る受信レベルPwr_Xが最大受信可能レベルTHより大きいか否かを判断し、YESのときはステップS10に進み、NOのときはステップS12に進む。ステップS10において、アンテナ指向性切換番号n≠N_swであるか否か、すなわち、可変指向性アンテナ1−Xに最小の受信レベルをもたらす指向性パターンが設定されていないかどうかを判断し、YESのときはステップS11に進み、NOのときはステップS12に進む。ステップS11では、受信レベルを減少させるようにアンテナ指向性切換番号nを1つ増大させ、この新たなアンテナ指向性切換番号nに対応する指向性パターンを可変指向性アンテナ1−Xに設定して受信レベル検出回路11から受信レベルPwr_Xを取得し、ステップS9に戻る。ステップS9乃至S11は、ステップS9又はS10がNOになるまで反復される。ステップS12では、パラメータXを1つ増大させてステップS5に戻り、すべての可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3について最小受信可能レベルTL及び最大受信可能レベルTHに基づく処理が完了するまで、ステップS5乃至S12を繰り返す。
図6は、図5のステップS13における第2のアンテナ指向性決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS21において、受信レベル検出回路11から各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3に係る受信レベルPwr_1,Pwr_2,Pwr_3を取得し、次いでステップS22において、受信レベルPwr_1,Pwr_2,Pwr_3のうちで、最大値Pwr_maxと最小値Pwr_minを決定する。ステップS23において、受信レベルの最大値Pwr_maxと最小値Pwr_minとの差が、受信レベル設定メモリ16に設定された許容受信レベル差P_gapより大きいか否かを判断し、YESのときは処理を終了し、NOのときはステップS24に進む。ステップS24において、受信レベルPwr_minに対応する可変指向性アンテナのアンテナ指向性切換番号n≠1であるか否かを判断し、YESのときはステップS25に進み、NOのときはステップS26に進む。ステップS25では、受信レベルを増大させるようにアンテナ指向性切換番号nを1つ減少させ、この新たなアンテナ指向性切換番号nに対応する指向性パターンを可変指向性アンテナ1−Xに設定して受信レベル検出回路11から受信レベルPwr_Xを取得し、ステップS23に戻る。ステップS26において、受信レベルPwr_maxに対応する可変指向性アンテナのアンテナ指向性切換番号n≠N_swであるか否かを判断し、YESのときはステップS27に進み、NOのときは処理を終了する。ステップS27では、受信レベルを減少させるようにアンテナ指向性切換番号nを1つ増大させ、この新たなアンテナ指向性切換番号nに対応する指向性パターンを可変指向性アンテナ1−Xに設定して受信レベル検出回路11から受信レベルPwr_Xを取得し、ステップS23に戻る。変形例として、ステップS25,S27からステップS23に戻ることに代えて、ステップS22に戻ってもよい。ステップS23乃至S27を繰り返し、受信レベルの最大値Pwr_maxと最小値Pwr_minとの差が許容受信レベル差P_gap以下になったとき、又は、アンテナ指向性切換情報メモリ15内に切り換え可能な指向性パターンが無くなったとき、処理を終了する。
コントローラ6の状態制御回路12は、以上説明した図5及び図6のアンテナ指向性決定処理を実行することにより、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の指向性パターンを、最も受信特性が良い指向性に設定することができる。
以上説明したように、本実施形態のコントローラ6によれば、従来のMIMO無線通信装置の回路構成に大幅な変更を加えることなく受信性能が向上された無線通信装置を提供することができる。
第2の実施形態.
アンテナ指向性切換情報メモリ15内のアンテナ指向性切換番号nは、第1の実施形態のように推定によって付与される(図5のステップS3を参照)のではなく、実際に指向性パターンを切り換えながら受信信号を取得することによって決定されてもよい。以下説明する本発明の第2の実施形態に係るハードウェア構成は、第1の実施形態の場合(図1乃至図4を参照)と同様であり、コントローラ6の状態制御回路12によって実行される処理のみが異なるので、説明は省略する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る第3のアンテナ指向性決定処理を示すフローチャートである。第3のアンテナ指向性決定処理のステップS31乃至S41は、許容受信レベル範囲に基づいてアンテナ指向性を決定する処理であり、ステップS42の第2のアンテナ指向性決定処理は、図6と同様に受信レベル差に基づいてアンテナ指向性を決定する処理である。ステップS31において、各可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の指向性パターンを切り換えながら、受信レベル検出回路11から可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3毎に各指向性パターンに係る受信レベルを取得する。従って、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3のいずれについても、アンテナ指向性切換情報メモリ15内のすべての指向性パターンでそれぞれ受信レベルを取得する。次いでステップS32において、ステップS31で取得された受信レベルに基づいて、可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3毎に各指向性パターンに対して受信レベルが高い順に1からN_swまでのアンテナ指向性切換番号nを付与する。以降、ステップS33乃至S42の内容は、図5のステップS4乃至S13と同様である。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、実際に指向性パターンを切り換えながら受信信号を取得することによってアンテナ指向性切換番号nを決定しているので、アンテナ指向性切換情報メモリ15内の指向性パターンとアンテナ指向性切換番号nとの対応関係は、第1の実施形態の場合よりも正確なものになる。
可変指向性アンテナ、指向性切換回路、スイッチ、及び無線送受信回路の個数は3個に限定されず、実行されるMIMO通信に応じてそれぞれ2個以上の任意個数を備えていてもよい。
本発明の実施形態に係るコントローラ6は、図2に示すようなハードウェア構成を備えたものに限定されず、図5乃至図7に示す各ステップを含むプログラムを格納したフラッシュメモリ等の記録媒体と、そのようなプログラムを実行するプロセッサとを備えた装置として構成されてもよい。
本発明の実施形態に係るコントローラ6によれば、従来のMIMO無線通信装置の回路構成に大幅な変更を加えることなく受信性能が向上された無線通信装置を提供することができ、コントローラ6は、MIMO無線通信装置用のアンテナ制御回路として有用である。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図1のコントローラ6の詳細構成を示す機能ブロック図である。 図1の可変指向性アンテナ1−1,1−2,1−3の水平面内における配置例を示す平面図である。 図3の可変指向性アンテナ1−1の実装例を示す平面図である。 図2の状態制御回路12で実行される第1のアンテナ指向性決定処理を示すフローチャートである。 図5のステップS13における第2のアンテナ指向性決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る第3のアンテナ指向性決定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1−1,1−2,1−3…可変指向性アンテナ、
1−1a,1−2a,1−3a…給電アンテナ素子、
1−1b,1−1c,1−2b,1−2c,1−3b,1−3c…無給電アンテナ素子、
2−1,2−2,2−3…指向性切換回路、
3−1,3−2,3−3…スイッチ、
4−1,4−2,4−3…無線送受信回路、
5…ベースバンド処理回路、
6…コントローラ、
11…受信レベル検出回路、
12…状態制御回路、
13…アンテナ指向性切換信号生成回路、
14…アンテナ配置情報メモリ、
15…アンテナ指向性切換情報メモリ、
16…受信レベル設定メモリ、
21a,21b,23a,23b,25a,25b…導体パターン、
22a,22b…給電点、
24a,24b,26a,26b…PINダイオード、
27…プリント配線基板、
B1a,B1b,B1c,B2a,B2b,B2c,B3a,B3b,B3c…指向性パターン。

Claims (13)

  1. 複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の許容受信レベル範囲の設定値を記憶する第1の記憶手段と、
    上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信された複数の無線信号の受信レベルを検出する検出手段と、
    上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに設定可能な複数の指向性パターンと、当該可変指向性アンテナに上記各指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号に係る、上記検出手段により検出される受信レベルの順位とを記憶する第2の記憶手段と、
    上記各可変指向性アンテナでそれぞれ無線信号が受信されたとき、上記可変指向性アンテナ毎に上記無線信号の受信レベルの順位を決定して上記第2の記憶手段に記憶するとともに、上記可変指向性アンテナ毎に、上記検出手段により検出された受信レベルが上記許容受信レベル範囲外にある場合、上記許容受信レベル範囲内の受信レベルで上記無線信号を受信するように、上記第2の記憶手段に記憶された受信レベルの順位に基づいて他の指向性パターンを選択する制御手段とを備えたことを特徴とするアンテナ制御装置。
  2. 上記第1の記憶手段は、上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の受信レベルの最大値と最小値との許容受信レベル差の設定値をさらに記憶し、
    上記制御手段は、上記検出手段により検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最小値の受信レベルを増大させるように、上記第2の記憶手段に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最小値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択することを特徴とする請求項1記載のアンテナ制御装置。
  3. 上記制御手段は、上記検出手段により検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最大値の受信レベルを低下させるように、上記第2の記憶手段に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最大値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択することを特徴とする請求項2記載のアンテナ制御装置。
  4. 上記アンテナ制御装置は、上記複数の可変指向性アンテナの配置情報の設定値を記憶する第3の記憶手段をさらに備え、
    上記制御手段は、上記各可変指向性アンテナに初期状態の指向性パターンが設定されたときに受信された無線信号の受信レベルと、上記各可変指向性アンテナの配置情報とに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を推定により決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のアンテナ制御装置。
  5. 上記制御手段は、上記各可変指向性アンテナのすべての指向性パターンがそれぞれ設定されたときに受信された無線信号の受信レベルに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のアンテナ制御装置。
  6. 複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の許容受信レベル範囲の設定値を第1の記憶装置に記憶するステップと、
    上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信された複数の無線信号の受信レベルを検出する検出ステップと、
    上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに設定可能な複数の指向性パターンと、当該可変指向性アンテナに上記各指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号に係る、上記検出ステップにより検出される受信レベルの順位とを第2の記憶装置に記憶するステップと、
    上記各可変指向性アンテナでそれぞれ無線信号が受信されたとき、上記可変指向性アンテナ毎に上記無線信号の受信レベルの順位を決定して上記第2の記憶装置に記憶するとともに、上記可変指向性アンテナ毎に、上記検出ステップにより検出された受信レベルが上記許容受信レベル範囲外にある場合、上記許容受信レベル範囲内の受信レベルで上記無線信号を受信するように、上記第2の記憶装置に記憶された受信レベルの順位に基づいて他の指向性パターンを選択する制御ステップとを含むことを特徴とするアンテナ制御方法。
  7. 上記アンテナ制御方法は、上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信される複数の無線信号の受信レベルの最大値と最小値との許容受信レベル差の設定値を上記第1の記憶手段に記憶するステップをさらに含み、
    上記制御ステップは、上記検出ステップにより検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最小値の受信レベルを増大させるように、上記第2の記憶装置に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最小値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択するステップを含むことを特徴とする請求項6記載のアンテナ制御方法。
  8. 上記制御ステップは、上記検出ステップにより検出された受信レベルの最大値と最小値との差が上記許容受信レベル差より大きいとき、上記最大値の受信レベルを低下させるように、上記第2の記憶装置に記憶された受信レベルの順位に基づいて、上記最大値の受信レベルの無線信号を受信した可変指向性アンテナの他の指向性パターンを選択するステップを含むことを特徴とする請求項7記載のアンテナ制御方法。
  9. 上記アンテナ制御方法は、上記複数の可変指向性アンテナの配置情報の設定値を第3の記憶装置に記憶するステップとをさらに備え、
    上記制御ステップは、上記各可変指向性アンテナに初期状態の指向性パターンが設定されたときに受信された無線信号の受信レベルと、上記各可変指向性アンテナの配置情報とに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を推定により決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶装置に記憶するステップを含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載のアンテナ制御方法。
  10. 上記制御ステップは、上記各可変指向性アンテナのすべての指向性パターンがそれぞれ設定されたときに受信された無線信号の受信レベルに基づいて、上記可変指向性アンテナ毎に、当該可変指向性アンテナに上記複数の指向性パターンが設定されたときに受信される無線信号の受信レベルの順位を決定し、上記決定された受信レベルの順位を上記第2の記憶装置に記憶するステップを含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載のアンテナ制御方法。
  11. 複数の可変指向性アンテナと、
    請求項1乃至5のいずれか1つに記載のアンテナ制御装置と、
    上記複数の可変指向性アンテナにそれぞれ接続され、上記複数の可変指向性アンテナでそれぞれ受信された複数の無線信号の受信レベルを測定し、上記測定された受信レベルを上記アンテナ制御装置の検出手段にそれぞれ伝送する複数の無線通信手段とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
  12. 請求項6乃至10のいずれか1つに記載のアンテナ制御方法の各ステップを含むことを特徴とするプログラム。
  13. 請求項12記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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