JP2009115821A - マイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイス - Google Patents

マイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路を延長することなく、マイクロ流路内を流れる流体の混合や反応を飛躍的に促進することができる。
【解決手段】複数の流体L1、L2をそれぞれの流体供給路18A,18Bを通して1本のマイクロ流路14に合流し、これらの流体L1、L2を薄片状の層流として流通させつつ混合反応を行わせるマイクロデバイスにおいて、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に、振動周波数が50Hz以上、1kHz以下の超低周波振動を伝播することにより、流体L1、L2にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明はマイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイスに係り、特にマイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路を延長することなく、マイクロ流路内を流れる流体の混合反応を促進することができるマイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイスに関する。
近年の加工技術の発展により、微細加工が格段に精度良く且つ安価に行えるようになったことから、マイクロスケールの混合装置(マイクロミキサー)や化学反応装置(マイクロリアクター)、更にはマイクロTAS(ラボ・オン・チップ)やマイクロ化学プラント等の装置の開発が盛んに試みられるようになった。これらの装置は、複数本の微細な流体供給路と繋がる開口幅がミクロンオーダーの微小空間(以下「マイクロ流路」という)が設けられており、複数の流体を混合したり、混合を伴う反応を行う。上記したマイクロミキサー、マイクロデバイス、マイクロTAS、マイクロ化学プラント等の装置は上記したマイクロ流路の基本構造を有することは共通であり、本発明ではこれらの装置を総称してマイクロデバイスと称することにする。
マイクロデバイスの利点は、複数の流体の混合や混合反応によって分離、分析、抽出といった作業を短時間且つ微量の試料で行えることや、多品種少量生産を必要とする薬品生成などにも素早く適応できること、また装置が小型であるためナンバリングアップが容易なこと、爆発などの危険を伴う反応にも適用可能等のように、これまで行われてきたバッチスケールにはない特有の利点を有している。
これらのマイクロデバイスの基本となるマイクロ流路内の流れは通常層流状態にあるが、この場合には流体の混合反応は分子拡散によってのみ進行するため効率が悪く、長時間に渡る熟成混合反応を必要とする場合を除く大半の混合反応は、何らかの方法で混合反応を短時間で終了させることが必要になる。よって、マイクロ流路内の流動場における流体の混合反応メカニズムを明らかにして混合反応を促進させるための方法を提案することは実用的に非常に重要である。
反応物質が予め混合のない状態、いわゆる初期状態において互いに完全分離された状態で流動場に供給される場合、化学反応はそれぞれの反応物質を含んだ流体の接触界面領域で分子拡散を通して進行する。従って、一般の実用反応器において流体混合及び化学反応を促進させるためには、いかに速く物質を輸送するかという問題と共に、接触界面をいかに複雑に変形させるかが重要になる。しかし、流動場であるマイクロ流路内の流れは層流状態にあるため、接触界面の複雑さはなく、いかに物質の分子拡散時間を稼ぐかに焦点が当てられてきた。この為、従来のマイクロデバイスは、流体の混合反応を促進させる手段として、流路形状の複雑化や流路の延長により流体の接触時間及び流体間の接触界面の増加を図る受動的な手法が採用されてきた(例えば特許文献1、特許文献2)。
PCT国際公開公報WO 99/44736号 PCT国際公開公報WO 02/089965号
しかしながら、マイクロデバイスのマイクロ流路は上記したように、開口幅がミクロンオーダーの微小空間であるため、マイクロ流路の形状を複雑にしたり長くすればするほど、反応生成物がマイクロ流路内の壁面に付着してスケールが発生し易く、マイクロ流路を
閉塞させる等の弊害が生じ易くなるため、メンテナンスが困難になるという欠点がある。
また、この受動的手法を用いた場合のマイクロ流路内での流れは所詮層流であり、物質輸送の駆動力は物質の分子拡散のみであることから、混合反応の促進効果にも限界がある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、マイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路を延長することなく、マイクロ流路内を流れる流体の混合や反応を飛躍的に促進することができるマイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイスを提供することを目的とする。
発明者は、マイクロデバイスにおける混合反応促進技術について鋭意研究した結果、マイクロ流路内を流れる複数の流体が混合する混合率と、マイクロ流路内を流れる流体のマイクロ流路長手方向の流速変動との間に密接な関係があり、流速変動の強度を大きくすることによって略完全な混合率を得ることができるとの知見を得た。更に、流速変動の強度を大きくするには、マイクロ流路内を流れる流体に、振動周波数が50Hz以上、1kHz未満、好ましくは50Hz以上、300Hz以下の超低周波振動を伝播することが良いとの知見を得た。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。
本発明の請求項1は、複数の流体をそれぞれの流体供給路を通して1本のマイクロ流路に合流させることにより、これらの流体を混合反応させるマイクロデバイスにおいて、前記マイクロ流路内を流れる流体に、振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を伝播することにより、前記流体に前記マイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させることを特徴とする。
ここで、混合反応とは、流体同士を混合することを目的とする場合、及び混合を伴う反応を促進することを目的とする場合に限らず、混合や混合反応を行うことによって最終的に物質を分離したり、分析したり、抽出したりすることを目的とする場合も含む。
本発明の請求項1によれば、マイクロ流路内を流れる流体に、振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を伝播することにより、流体にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させるようにした。このマイクロ流路長手方向における流体の流速変動によってマイクロ流路内を流れる複数の流体の混合度を飛躍的に高めることができる。従って、マイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路を延長することなく、マイクロ流路内を流れる流体の混合や反応を飛躍的に促進することができる。
本発明の請求項2は請求項1において、振動周波数は50Hz以上、300Hz以下であることを特徴とする。これにより、マイクロデバイスに搭載する上で重要な振動発生源の小型化及び低消費電力化を実現することができ、例えば模型用の小型モータを使用することができる。
本発明の請求項3は請求項1において、前記マイクロ流路内を流れる流体の時間tにおけるマイクロ流路長手方向の流速変動をuf (t)とし、前記流体に誘起させる流速変動の強度をuf (t)の自乗時間平均値の平方根で表した式
Figure 2009115821
で定義したときに、前記流速変動強度で前記マイクロ流路内の混合状態を定量的に把握し、把握した結果に基づいて該流速変動強度が最大になるように前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で振動周波数を制御することを特徴とする。
請求項3は、請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法を実施した際のマイクロ流路内の流体同士の混合状態を流速変動強度によって定量的に把握し、把握した結果から流速変動強度が最大になるように振動周波数を制御するようにしたものである。即ち、マイクロ流路内を流れる流体同士の混合度を直接的に支配する流速変動の強度によって混合状態を定量的に求めることができるので、マイクロ流路内の流体同士の混合状態を的確に把握することができる。従って、請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法を実施する際に、使用する流体の物性や条件等の違いによってマイクロ流路内の流体同士の混合率が異なっても、流速変動強度を調べることにより振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の範囲内で混合度が最適となる振動周波数に制御することができる。この場合、マイクロ流路内断面の平均流速で除して無次元化した流速変動強度が25以上になるように、好ましくは30以上になるように振動周波数を制御するとよい。
請求項4は請求項1において、前記流体供給流路に連結したチューブ管を振動させることにより、前記マイクロ流路内を流れる流体に前記流速変動を誘起すると共に、前記チューブ管の水平方向及び鉛直方向の変位をそれぞれ時間微分することにより得られたチューブ管の水平方向速度変動をut (t)とし、チューブ管の鉛直方向速度変動をνt (t)としたときに、ut (t)とνt (t)との自乗時間平均値の和の平方根で表した式
Figure 2009115821
で定義されるチューブ管の振動速度変動強度で前記マイクロ流路内の混合状態を定量的に把握し、把握した結果に基づいて該振動速度変動強度が最大になるように前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で前記振動周波数を制御することを特徴とする。ここで、チューブ管の水平方向とはマイクロ流路の長手方向に相当する方向である。
請求項4は、流体供給流路に連結したチューブ管を振動させることにより、マイクロ流路を流れる流体に流速変動を誘起する方法で請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法を実施した場合において、マイクロ流路内の流体同士の混合状態をチューブ管の振動速度変動強度によって定量的に把握し、把握した結果から該振動速度変動強度が最大になるように振動周波数を制御するようにしたものである。即ち、請求項3で説明した流速変動強度と明確な相関があるチューブ管の振動速度変動強度で混合状態を定量的に求めることができるので、マイクロ流路内の流体同士の混合状態を的確に把握することができる。従って、請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法を実施する際に、使用する流体の物性や条件等の違いによってマイクロ流路内の流体同士の混合率が異なっても、振動速度変動強度を調べることにより振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の範囲内で混合度が最適となる振動周波数に制御することができる。この場合、マイクロ流路内断面
の平均流速で除して無次元化したチューブ管の振動速度変動強度が50以上になるように、好ましくは60以上になるように振動周波数を制御するとよい。
また、本発明の請求項5は前記目的を達成するために、複数の流体をそれぞれの流体供給路を通して1本のマイクロ流路に合流することにより、これらの流体を混合反応させるマイクロデバイスにおいて、前記マイクロ流路内を流れる流体に前記マイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させる流速変動誘起手段を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項5によれば、マイクロ流路内を流れる流体にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させる流速変動誘起手段を設けたので、マイクロ流路内を流れる複数の流体の混合度を飛躍的に高めることができる。従って、マイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路を延長することなく、マイクロ流路内を流れる流体の混合反応を飛躍的に促進することができる。
請求項6は請求項5において、前記流速変動誘起手段は、前記複数の流体供給路にそれぞれ接続され、前記流体供給路にそれぞれの流体を供給する複数本のチューブ管と、前記複数本のチューブ管のうちの少なくとも1本のチューブ管に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させる超低周波振動発生手段と、から成ることを特徴とする。
請求項6は、好ましい流速変動誘起手段の一例を示したもので、複数の流体供給路にそれぞれチューブ管を接続し、このチューブ管に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させるようにしたものである。これによるマイクロ流路内を流れる流体の混合反応の促進のメカニズムは、チューブ管に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させてチューブ管内の流体の圧力変動を誘起し、それがマイクロ流路内に超低周波振動として伝播することにより、マイクロ流路内に強い流速変動を誘起する。この強い流速変動により複数の流体がマイクロ流路に合流する合流部近傍での不安定化性により混合反応が促進されるものと考察される。
請求項7は請求項6において、超低周波振動発生手段は、前記複数本のチューブ管のうちの少なくとも1本のチューブ管の長手方向を所定間隔を置いて支持する一対の支持部材と、前記一対の支持部材の間に設けられ、前記少なくとも1本のチューブ管を中空に支持する片持ち構造の振動梁と、前記振動梁の先端部に搭載されると共にモータ軸に偏芯錘が取り付けられた小型モータと、から成り、前記小型モータで前記偏芯錘を回転して前記小型モータを前記振動梁と一体的に振動させることにより前記振動梁に支持されたチューブ管に機械的な振動を与えることを特徴とする。
請求項7は、チューブ管に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させるための好ましい超低周波振動発生手段を示したもので、偏芯錘をモータ軸に取り付けた小型モータ、例えば模型用小型モータで回転することにより、振動梁に支持されたチューブ管に機械的に超低周波振動を発生させるようにしたものである。マイクロ流路を流れる流体に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させることが可能な超低周波振動発生手段であれば、他の手段、例えば一定周波数でON−OFF操作ができる電磁振動機のようなものも使用可能であるが、上記したように、マイクロデバイスに搭載する超低周波振動発生手段は、小型且つ低消費電力であることが重要であり、請求項7のように偏芯錘を回転させる小型モータと振動梁とが一体的に振動してチューブ管を振動させるものが好ましい。
請求項8は請求項5〜7の何れか1において、前記マイクロ流路の開口幅は、10μm以上、1000μm以下であることを特徴とする。これは微小空間であるマイクロ流路の好ましい開口幅のスケールを具体的に示したものである。
以上説明したように、本発明のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイスによれば、マイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路を延長することなく、マイクロ流路内を流れる流体の混合や混合を伴う反応を飛躍的に促進することができる。
本発明のマイクロデバイスの構成例を示す概念図 マイクロデバイス本体の横方向断面図 チューブ管の振動周波数と混合率Φの関係図 マイクロ流路内の流体の濃度分布及び瞬間流速を測定する測定装置の概略図 図5(A)はチューブ管に振動を与えない場合のマイクロ流路内の混合状態を示す図であり、図5(B)はチューブ管に振動を発生させ、その振動をマイクロ流路を流れる流体に伝播した場合のマイクロ流路内の混合状態を示す図 マイクロ流路内を流れる流体のマイクロ流路長手方向の流速変動強度と混合率Φとの関係図 チューブ管の振動速度変動強度と混合率Φとの関係図 流速変動強度と振動速度変動強度との関係図
以下、添付図面に従って、本発明に係るマイクロデバイスの流体混合反応促進方法及びマイクロデバイスの好ましい実施態様について説明する。
図1は本発明に係るマイクロデバイス10の一例を示した概念図であり、マイクロデバイス10は、マイクロデバイス本体12と、マイクロデバイス本体12のマイクロ流路14内を流れる流体L1、L2にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させる流速変動誘起手段16とで構成される。
マイクロデバイス本体12は、図2の横方向断面に示すように、主として、複数の流体L1、L2を薄片状の層流として流通させつつ混合或いは混合を伴う反応を行わせるマイクロ流路14と、マイクロ流路14に流体L1、L2を供給する2本の流体供給路18A、18BとによってY字型流路として形成される。そして、流体供給路18A、18Bに供給された流体L1、L2は、合流部20で1本のマイクロ流路14に合流し、これらの流体L1、L2を薄片状の層流として流通させつつ混合反応を行わせ、混合反応液LMはマイクロ流路14の末端から排出される。流体供給流路18の数はマイクロ流路内において混合反応させる流体の数によって決定されるが、本実施の形態では、2種類の流体L1、L2の例で説明する。流体L1、L2としては、液体、気体、液体中に金属微粒子等が分散された固液混合物、気体中に金属微粒子が分散された固気混合物、液体中に気体が溶解せずに分散した気液混合物等も含まれる。また、流体L1、L2の種類が異なったり、化学組成が異なったりする場合のみならず、例えば温度、固液比などの状態が異なる場合も含まれる。
マイクロ流路14は、径方向断面が正四角状に形成されたチャンネル状の微小空間であり、正四角状の一辺の長さ(W)が10μm以上、1000μm以下の範囲、好ましくは10μm以上、500μm以下の範囲に形成される。尚、マイクロ流路14の径方向断面が正四角状に限定されるものではなく、矩形状或いは円形状等でもよい。マイクロデバイス本体12の接液部の材料としては、鉄、アルミニウム、ステンレス、チタン、各種合金等の金属材料、フッ素樹脂やアクリル樹脂等の樹脂材料、シリコンやガラス等のガラス材料を用いることができる。
図1に示すように、マイクロデバイス本体12の2本の流路供給路18A、18Bには、流速変動誘起手段16を介して流体L1、L2を供給するための2本のシリンジ22A、22Bが設けられる。
流速変動誘起手段16は、2本の流体供給路18A、18Bと2本のシリンジ22A、22Bとをそれぞれ接続する2本のチューブ管24A、24Bと、チューブ管24A、24Bに周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させる超低周波振動発生手段17とで構成される。また、超低周波振動発生手段17は、2本のチューブ管24A、24Bの長手方向を間隔を置いて支持する一対の支持部材26A、26Bと、一対の支持部材26A、26Bの間に設けられ、2本のチューブ管24A、24Bを前記一対の支持部材26A、26Bの間で中空に支持する片持ち構造の振動梁28と、振動梁28の先端部に搭載されると共にモータ軸30Aに偏芯錘32が取り付けられた小型モータ30とで構成される。偏芯錘32は図1の拡大部分に示すように、円盤状の錘の中心からズレた位置が小型モータ30のモータ軸32Aに支持される。これにより、小型モータ30で偏芯錘32を回転すると、小型モータ30と振動梁32とは図1の矢印方向に一体的に振動する。従って、振動梁32に支持されたチューブ管24A、24Bに機械的な振動を与えることができる。尚、マイクロデバイス本体12に流体L1、L2を供給する手段はシリンジ22A、22Bに限定されるものではなく、流体L1、L2の微量供給が可能なものであればよい。
マイクロデバイス10自体が極めて小さな装置であることから、マイクロデバイス10に搭載するための小型モータ30としては、小型且つ低消費電力であることが必要であり、模型用の小型モータ30を好適に使用することができる。また、チューブ管24A、24Bとしては、チューブ管24A、24Bが一対の支持部材26A、26Bの間で振動したときにスムーズな振動ができる弾性材質のものがよく、例えばゴム管を好適に使用することができる。図1上で符号34は振動梁28を介して振動するチューブ管24A、24Bの変位を測定し、測定した結果からチューブ管24A、24Bの振動周波数及び水平(マイクロ流路長手方向に同じ)方向、鉛直方向の変位を求めるためのレーザー変位計である。
上記の如く構成されたマイクロデバイス10によって、本発明の流体混合反応促進方法を実施するには、2本のシリンジ22A、22Bから2本のチューブ管24A、24Bを介してマイクロデバイス本体12に流体L1、L2を供給すると共に、小型モータ30を駆動して振動梁28を振動させることにより、マイクロデバイス本体12に流体L1、L2が供給される直前のチューブ管24A、24B部分を振動周波数が50Hz以上、1kHz以下の範囲で機械的に振動させる。このチューブ管24A、24Bの機械的な超低周波振動により、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に超低周波振動が伝播され、流体L1、L2にマイクロ流路長手方向に流速変動が誘起される。この流速変動により、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2の混合反応が促進される。
図3は、上記のマイクロデバイス10を使用して、チューブ管24A、24Bの振動周波数と混合率Φとの関係を示した曲線である。混合率Φは後記するPLIFで測定した瞬間濃度分布画像をデジタル化処理し、全く混合していない場合を混合率Φ=0とし、完全に混合した場合を混合率Φ=1とした。
図3から、チューブ管24A、24Bの振動周波数を大きくしていくと50Hz近傍で曲線は急激に立ち上がり、60Hz近傍で略完全混合の状態を示す。この完全混合の状態は1kHz以上になると低下し始める。この結果から分かるように、チューブ管24A、24Bに、50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させ、この超低周波振動をマイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に伝播し、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起することで、流体L1、L2の混合率Φを飛躍的に促進させることができる。これは、伝播される振動周波数が50Hz未満では振動振幅は大きくても振動数が小さいために、マイクロ流路14内に大きな流速変動強度を得ることができず、十分な混合性能が得られないためである。逆に振動周波数が1kHz以上である例えば超音波振動のように数十kHzの振動では振動数は大きくても振動振幅が極端に小さくなるので、マイクロ流路14内に大きな流速変動強度を得ることができず、この場合にも十分な混合性能が得られないためである。
マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を伝播させることができる振動発生源であれば、小型モータ30以外の手段、例えば一定周波数でON−OFF操作ができる電磁振動機のようなものも使用可能であるが、小型モータ30、特に模型用の小型モータ30が好ましい。これは、マイクロデバイス10に搭載する超低周波振動の振動発生源としては、小型で且つ低消費電力であることが重要であり、模型用の小型モータ30はこの条件を満足する。また、模型用の小型モータ30は最大300Hz程度までの振動周波数を得ることができ、模型用の小型モータ30を50Hz以上、300Hz以下で使用すれば、上記した流速変動誘起手段16のように、本発明の混合促進に必要な振動周波数を簡単な構造で得ることができる。
次に、流速変動誘起手段16でチューブ管24A、24Bに振動を与えない場合と与えた場合とで、マイクロ流路14内の流体L1、L2同士の混合状態がどのように変わるかを画像としてとらえた試験結果を説明する。
試験に供したマイクロデバイス本体12のマイクロ流路14は、溝が加工されたステンレス(厚さ500μm)がアクリル板(厚さ1000μm)で挟み込まれることにより形成され、径方向断面の一辺の長さ(W)が500μmの正四角状であり、マイクロ流路14の長手方向の長さ(L)が80mmのものを使用した。2種類の流体L1、L2のうち、1本のシリンジ22Aからは蒸留水を、もう1本のシリンジ22Bからは蛍光染料のローダミンを含む蒸留水を、それぞれ等流量(シリンジ1本当たり0.1mL/分)になるようにマイクロ流路14に供給した。このときのマイクロ流路14における断面平均流速(U)は13.3mm/秒、レイノルズ数Reが6.6であり、振動を付与しない場合にマイクロ流路14内に形成される流れは層流であった。
そして、チューブ管24A、24Bに振動を与える試験では、小型モータ30の駆動に直流安定化電源を用い、小型モータ30に供給する電圧値を0V〜2.5Vまで変化させることにより、チューブ管24A、24Bを支持する振動梁28の振動周波数を17Hz〜62Hzまで変化させた。このときの振動梁28上に支持されたチューブ管の最大振幅は1.2mmであった。
また、チューブ管24A、24Bに振動を与えない場合と振動を与えた場合のマイクロ流路14内における流体L1、L2同士の混合状態はマイクロ流路14内の瞬間濃度分布を測定することによって解析した。合わせて、振動によってマイクロ流路14内に発生する流速を測定し、測定結果から流速変動を求めた。
図4は、マイクロ流路14内の流体L1、L2の濃度分布及び瞬間流速を二次元情報として得られるPLIF(平面状レーザーを用いた蛍光法による濃度測定法:Planar Laser Induced Fluorescence Method) とマイクロPIV(粒子画像流速計:Particle Image Velocimeter) とを組み合わせた測定装置35の概略図であり、濃度場の測定にはPLIFシステムを、マイクロ流路14内の流速場の測定にはマイクロPIVシステムを用いた。図4の符合12はマイクロデバイス本体、符合36はマイクロデバイス本体12を載置する測定ステージ、符合38はCCDカメラ、符合40は光ファイバー、符合42は光源、符号44は目視レンズ部である。何れのシステムの場合にも、光源42にはNd:YAGレーザーを用いた。CCDカメラ38の解像度は、1280×1024(pixels) であり、撮影領域を0.9×0.7mmに設定した。濃度測定の場合には、上記したように、シリンジ22Aから流体L1として蒸留水、シリンジ22Bから流体L2としてローダミン水溶液をマイクロ流路14に供給した。一方、流速測定の場合には、流体L1、L2としてトレーサ粒子(直径0.96μmのポリスチレン粒子)を混入した蒸留水を用いた。そして、濃度測定及び流速測定を上記したY字型流路の合流部20から50mm下流の位置において行った。サンプリング周波数1Hzで50枚の画像をCCDカメラ38で撮像してコンピュータ(図示せず)に収録し、これらの画像をPIVソフトを使用して統計的にデジタル処理することにより、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2の濃度分布及び流速変動を求めた。
上記した試験の結果において、図5(A)はチューブ管24A、24Bに振動を与えない場合のマイクロ流路14内の混合状態を示す図であり、図5(B)はチューブ管24A、24Bに60Hzの振動を発生させ、その60Hzの振動をマイクロ流路14を流れる流体L1、L2に伝播した場合のマイクロ流路14内の混合状態を示す図である。
これらの図から分かるように、チューブ管24A、24Bに振動を与えない場合にはマイクロ流路14内を流れる流体は白色(流体L1)と黒色(流体L2)で示される2層に完全に分離しているのに対し、チューブ管24A、24Bに60Hzの振動を発生し、その60Hzの振動をマイクロ流路14を流れる流体L1、L2に伝播した場合には、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2は全体が1つの層で示すように、2種類の流体L1、L2が完全に混合された。また、図示しなかったが、チューブ管24A、24Bに17Hzの振動を発生し、その17Hzの振動をマイクロ流路14を流れる流体L1、L2に伝播した場合には、チューブ管24A、24Bに振動を与えない場合と同様に流体L1、L2は殆ど混合しなかった。
このように、本発明のマイクロデバイス10の混合反応促進方法によれば、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に、振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を伝播することにより、流体L1、L2にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させるようにしたので、マイクロ流路14内の流体L1、L2同士の混合を飛躍的に促進させることができる。従って、マイクロ流路構造の複雑化やマイクロ流路14を延長することなく、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2の混合反応を飛躍的に促進することができる。
尚、本実施の形態では、チューブ管24A、24Bを振動させてマイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に超低周波振動を伝播するようにしたが、マイクロデバイス本体12、即ちマイクロ流路14そのものを直接振動させることにより、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に上記した超低周波振動を伝播するようにしてもよい。また、複数のチューブ管24A、24Bの全てを振動させることにより、より良好な混合率Φを得ることができるが、複数のチューブ管24A、24Bのうちの1本を振動させた場合でも、振動しない場合よりも良い混合率Φを得ることができる。
ところで、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2同士の混合は、上記したようにマイクロ流路14内を流れる流体L1、L2に超低周波振動を伝播し、マイクロ流路14内にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起することで促進されるが、振動周波数によっても混合効果は大きな影響を受ける。従って、マイクロデバイス10における混合反応促進技術を開発するには、マイクロ流路内の濃度及び流速を精度良く計測し、計測した結果を定量化することが重要である。また、マイクロデバイス10は、上記したように物性の異なる各種の流体L1、L2について色々な混合条件や反応条件で使用することができるが、本発明の流体混合方法を実施した場合に、流体L1、L2の種類や操作条件によって混合率Φは一定ではなく、変動することが予想される。従って、マイクロ流路14内の混合状態を定量的に求め、求めた結果に基づいて前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で振動周波数を最適条件に制御することができるなら、混合反応促進の最適化を図ることができる。
このことから、本発明者はマイクロ流路14内を流れる流体L1、L2の混合性能を直接的に支配するパラメータを把握すると共に該パラメータと混合率Φとの関係を定量化すべく、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2のマイクロ流路長手方向の流速変動強度と混合率Φとの関係、及びチューブ管24A、24Bの振動速度変動強度と混合率Φとの関係を調べた。
マイクロ流路長手方向における流速変動強度は、マイクロPIVによって測定された流体の時間tにおけるマイクロ流路長手方向の速度変動をuf (t)としたときに、uf (t)の自乗時間平均値の平方根で表した次式で定義される。
Figure 2009115821
また、チューブ管24A、24Bの振動速度変動強度は、チューブ管24A、24Bの水平方向(マイクロ流路の長手方向と同じ)、及び鉛直方向の変位をそれぞれ時間微分することにより得られたチューブ管24A、24Bの水平方向速度変動をut (t)とし、チューブ管24A、24Bの鉛直方向速度変動をνt (t)としたときに、ut (t)とνt (t)との自乗時間平均値の和の平方根で表した次式で定義される
Figure 2009115821
尚、チューブ管24A、24Bの振動速度変動強度は、前記したレーザー変位計による測定結果から求めたものである。また、上記(1)式及び(2)式で示された流速変動強度及び振動速度変動強度ともにマイクロ流路14内の断面平均流速(U)で無次元化されている。
図6は、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2のマイクロ流路長手方向の流速変動強度と混合率Φとの関係を示したものである。図6の黒丸(●)はチューブ管24A、24Bを50〜62Hzで振動させた場合であり、▲はチューブ管24A、24Bを17〜20Hzで振動させるか全く振動させない場合である。
図6から明らかなように、チューブ管24A、24Bの振動によって誘起されるマイクロ流路長手方向の流速変動強度と混合率Φとの間には密接な関係があり、チューブ管24A、24Bを振動させない場合や振動周波数が20Hz以下で流速変動強度が小さい場合には混合率Φが0.1程度であり、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2同士は殆ど混合しない。これに対し、振動周波数が本発明の振動周波数の下限である50Hz以上になると流速変動強度が増加し、流速変動強度の増加に伴って混合率Φの急激な上昇が見られた。振動周波数が60Hz近くで流速変動が更に上昇し、混合率Φ=1の完全混合に近い状態が得られた。
この結果から分かるように、マイクロ流路14内を流れる流体L1、L2の混合率Φを直接支配するパラメータは、マイクロ流路長手方向の流速変動強度であり、流速変動強度が大きくなれば混合率Φも大きくなると共に、流速変動強度は流体L1、L2に伝播される振動周波数の影響を受ける。そして、この流速変動強度を求めることによりマイクロ流路14内の混合状態を定量的に把握することが可能となる。従って、把握した流速変動強度が最大になるように前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で振動周波数を最適条件に制御すれば、混合反応促進の最適化を図ることができる。この場合、図6から,マイクロ流路内断面の平均流速(U)で除して無次元化した流速変動強度が25以上になるように、好ましくは30以上になるように振動周波数を制御するとよい。
図7は、チューブ管24A、24Bの振動速度変動強度と混合率Φとの関係を示したものである。図7の黒丸(●)はチューブ管24A、24Bを50〜62Hzで振動させた場合であり、▲はチューブ管24A、24Bを17〜20Hzで振動させるか全く振動させない場合である。
図7から分かるように、チューブ管24A、24Bの振動速度変動強度と混合率Φとの間には振動周波数が50Hz以上で図6と同様の相関関係が見られる。即ち、チューブ管24A、24Bを振動させない場合や振動周波数が20Hz以下の場合には流速変動が大きくならないため、略同じ振動速度変動強度でも50Hz以上の場合と大きく異なり混合率Φが大きくならない。この点においては、混合率Φをより適切に表すパラメータとして流速変動強度の方がふさわしいが、振動速度変動強度も本発明が必要としている振動周波数50Hz以上では混合率Φと密接な関係があるので、混合率Φのパラメータとして十分に使用可能である。また、図8に示すように、振動速度変動強度は50Hz以上(●)において流速変動強度と密接な相関関係を有しており、この点からも混合率Φのパラメータとして十分に使用可能である。ちなみに▲は20Hz以下の場合である。
従って、把握した振動速度変動強度が最大になるように前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で振動周波数を最適条件に制御すれば、混合促進の最適化を図ることができる。この場合、図7から、マイクロ流路内断面の平均流速(U)で除して無次元化した振動速度変動強度が50以上になるように、好ましくは60以上になるように振動周波数を制御するとよい。
尚、上記した本実施の形態はマイクロデバイス及び流体混合促進方法の一例を示したものであり、要は複数の流体をそれぞれの流体供給路を通して1本のマイクロ流路に合流し、これらの流体を混合反応させるマイクロデバイスにおいて、マイクロ流路内を流れる流体に、振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を伝播することにより、流体にマイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させることができる方法及び装置であればよい。
10…マイクロデバイス、12…マイクロデバイス本体、14…マイクロ流路、16…流速変動誘起手段、18A、18B…流体供給路、20…合流部、22A、22B…シリンジ、24A、24B…チューブ管、26A、26B…支持部材、28…振動梁、30…小型モータ、32…偏芯錘、34…レーザー変位計、35…測定装置、36…測定ステージ、38…CCDカメラ、40…光ファイバー、42…光源、44…目視レンズ

Claims (8)

  1. 複数の流体をそれぞれの流体供給路を通して1本のマイクロ流路に合流させることにより、これらの流体を混合反応させるマイクロデバイスにおいて、
    前記マイクロ流路内を流れる流体に、振動周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を伝播することにより、前記流体に前記マイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させることを特徴とするマイクロデバイスの流体混合反応促進方法。
  2. 前記振動周波数は50Hz以上、300Hz以下であることを特徴とする請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法。
  3. 前記マイクロ流路内を流れる流体の時間tにおけるマイクロ流路長手方向の流速変動をuf (t)とし、前記流体に誘起させる流速変動の強度をuf (t)の自乗時間平均値の平方根で表した式
    Figure 2009115821

    で定義したときに、前記流速変動強度で前記マイクロ流路内の混合状態を定量的に把握し、把握した結果に基づいて該流速変動強度が最大になるように前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で振動周波数を制御することを特徴とする請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法。
  4. 前記流体供給流路に連結したチューブ管を振動させることにより、前記マイクロ流路内を流れる流体に前記流速変動を誘起すると共に、前記チューブ管の水平方向及び鉛直方向の変位をそれぞれ時間微分することにより得られたチューブ管の水平方向速度変動をut (t)とし、チューブ管の鉛直方向速度変動をνt (t)としたときに、ut (t)とνt (t)との自乗時間平均値の和の平方根で表した式
    Figure 2009115821

    で定義されるチューブ管の振動速度変動強度で前記マイクロ流路内の混合状態を定量的に把握し、把握した結果に基づいて該振動速度変動強度が最大になるように前記50Hz以上、1kHz未満の範囲内で前記振動周波数を制御することを特徴とする請求項1のマイクロデバイスの流体混合反応促進方法。
  5. 複数の流体をそれぞれの流体供給路を通して1本のマイクロ流路に合流させることにより、これらの流体を混合反応させるマイクロデバイスにおいて、
    前記マイクロ流路内を流れる流体に前記マイクロ流路長手方向の流速変動を誘起させる流速変動誘起手段を設けたことを特徴とするマイクロデバイス。
  6. 前記流速変動誘起手段は、
    前記複数の流体供給路にそれぞれ接続され、前記流体供給路にそれぞれの流体を供給する複数本のチューブ管と、
    前記複数本のチューブ管のうちの少なくとも1本のチューブ管に周波数が50Hz以上、1kHz未満の超低周波振動を発生させる超低周波振動発生手段と、から成ることを特徴と
    する請求項5のマイクロデバイス。
  7. 前記超低周波振動発生手段は、
    前記複数本のチューブ管のうちの少なくとも1本のチューブ管の長手方向を所定間隔を置いて支持する一対の支持部材と、
    前記一対の支持部材の間に設けられ、前記少なくとも1本のチューブ管を中空に支持する片持ち構造の振動梁と、
    前記振動梁の先端部に搭載されると共にモータ軸に偏芯錘が取り付けられた小型モータと、から成り、前記小型モータで前記偏芯錘を回転して前記小型モータを前記振動梁と一体的に振動させることにより前記振動梁に支持されたチューブ管に機械的な振動を与えることを特徴とする請求項6のマイクロデバイス。
  8. 前記マイクロ流路の開口幅は、10μm以上、1000μm以下であることを特徴とする請求項5〜7の何れか1のマイクロデバイス。
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