JP2009108948A - Fluid bearing device and spindle motor - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は磁気ディスク、光ディスクなどを回転駆動するスピンドルモータに使用される流体軸受装置に関するものである。 The present invention relates to a hydrodynamic bearing device used in a spindle motor that rotationally drives a magnetic disk, an optical disk, and the like.
ハードディスク装置のスピンドルモータなどに用いられている軸受装置として、従来用いられていた玉軸受装置に代わって、玉軸受よりも回転精度が優れ、しかも静音性にも優れる流体軸受装置が多く採用されている。 As a bearing device used for a spindle motor of a hard disk device, in place of a conventionally used ball bearing device, many hydrodynamic bearing devices that are superior in rotational accuracy and quietness are employed. Yes.
この流体軸受装置において、微小間隙に充填されている潤滑流体が蒸発、外部へ漏洩することなどにより、潤滑流体が微小隙間に介在しなくなることは、回転不良を引き起こす原因であり、流体軸受装置にとって致命傷となる。 In this hydrodynamic bearing device, when the lubricating fluid filled in the micro gap evaporates and leaks to the outside, the lubricating fluid is not interposed in the micro gap, which causes rotation failure. It becomes a fatal wound.
液体である潤滑流体の蒸発を抑制することは困難であるので、流体軸受装置内部に潤滑流体を長期間、保持するために様々な検討が行われている。 Since it is difficult to suppress the evaporation of the lubricating fluid that is a liquid, various studies have been made to maintain the lubricating fluid in the hydrodynamic bearing device for a long period of time.
例えば、図7に図示されている従来の流体軸受装置1を用いて説明する。図7(a)は、従来の流体軸受装置1の断面図である。 For example, the conventional hydrodynamic bearing device 1 shown in FIG. FIG. 7A is a cross-sectional view of a conventional hydrodynamic bearing device 1.
従来の流体軸受装置1は、シャフト2と、このシャフト2に対して間隙を介して外周に配置されたスリーブ3と、スリーブ3の一端側を閉塞しているスラストプレート4と、シャフト2の一端側端部に設けられ、スリーブ3とスラストプレート4に対して間隙を有する姿勢で配置されたスラストフランジ5とを備えており、シャフト2の外周面とスリーブ3の内周面との間の間隙、およびスラストフランジ5の両面とこれに対向するスリーブ3の端面および、スラストプレート4の端面との間の間隙には潤滑流体6が充填されている。
A conventional hydrodynamic bearing device 1 includes a
そして、スリーブ3の開口部側端面を覆うようにカバー7が配置されており、流体溜まり空間部8を形成している。
A
また、スラスト軸受部を形成している空間9と流体溜まり空間部8をつなぐ連通路10が、スリーブ3に形成されており、軸受装置の隙間に充填されている潤滑流体6を循環させることが可能な構成となっている。
Further, a
さらに、カバー7には、内周面にシャフト2の回転中心軸から半径方向外側に向かって傾斜している傾斜面11が形成されており、シャフト2の外周面との間で、潤滑流体6を外部に漏洩させないためのシール構造が形成され、また、スリーブ3の開口部側端面における連通路10の開口部に対して、180度対角に位置する部分には、軸受内部の気泡などを排出するための通気孔12が形成されている。
Further, the
そして、スリーブ3の開口部側端面とカバー7の裏面との間にて形成されている流体溜まり空間部8は、通気孔12から連通孔10に向かって空間が狭くなるように傾斜している空間となっている。
The fluid
ここで、図7(b)を用いて、流体溜まり空間部8における潤滑流体6の界面が、蒸発などにより移動する様子を説明する。
Here, a state where the interface of the lubricating
流体溜まり空間部8は、連通孔10の近傍で最も狭く、通気孔12の近傍で最も広くなるように形成されているため、潤滑流体6の界面は、蒸発により、まず、界面6aおよび、界面6aaにまで移動する。次に、界面6bおよび、界面6bbにまで移動する。同様に、潤滑流体6の界面は、通気孔12から連通孔10に向かって移動する。
Since the
つまり、流体溜まり空間部8に保持されている潤滑流体6の2つの界面が、蒸発によって直ぐに軸受隙間まで移動することを防止している。
しかしながら、流体溜まり空間部8に保持されている潤滑流体6は、2つの界面を有しているため、潤滑流体6の蒸発量が多く、長期間に渡って軸受隙間に潤滑流体6を保持することが困難であるという課題を有していた。
However, since the lubricating
そこで、本発明は、長期間に渡って潤滑流体6を軸受隙間に維持できる流体軸受装置を提供することを目的とする。
Accordingly, an object of the present invention is to provide a hydrodynamic bearing device that can maintain the lubricating
前記目的を達成するために、本願の流体軸受装置は、開口端と閉鎖端とを有する軸受孔を有したスリーブと、軸受孔内に間隙を介して回転自在な状態で挿入されるシャフトと、スリーブの開口端側端面を覆って第1の空間を形成するカバーと、スリーブにおける軸受孔内の閉鎖端面側の第2の空間と、第1の空間と第2の空間を連通させる前記スリーブに形成された連通路と、カバーとスリーブとシャフトとの隙間に充填された潤滑流体と、シャフトの外周面とスリーブの内周面との間で形成されたラジアル軸受部と、シャフトのスリーブの閉鎖端側の端面とスリーブの閉鎖端内側の端面との間で形成されたスラスト軸受部と、第1の空間において、連通路の開口部近傍から軸受孔開口端までの間に形成された導入隙間部と、カバーに形成された第1の空間と外気を連通する通気孔と、第1の空間が、通気孔から連通路の開口部に向けて周方向に空間断面積が緩やかに小さくなる第1の潤滑流体溜り部と、周方向に空間断面積が急激に小さくなる第2の潤滑流体溜り部とを備えたことを特徴としたものである。 In order to achieve the above object, a hydrodynamic bearing device of the present application includes a sleeve having a bearing hole having an open end and a closed end, a shaft that is rotatably inserted into the bearing hole via a gap, A cover that covers the open end side end surface of the sleeve to form a first space; a second space on the closed end surface side in the bearing hole in the sleeve; and the sleeve that communicates the first space with the second space. The formed communication passage, the lubricating fluid filled in the gap between the cover, the sleeve and the shaft, the radial bearing formed between the outer peripheral surface of the shaft and the inner peripheral surface of the sleeve, and the closure of the sleeve of the shaft A thrust bearing portion formed between the end surface on the end side and the end surface on the inner side of the closed end of the sleeve, and an introduction gap formed between the vicinity of the opening portion of the communication path and the opening end of the bearing hole in the first space Part and formed on the cover The first space and the first lubricating fluid reservoir, and the first space has a first lubricating fluid reservoir portion in which the space sectional area gradually decreases in the circumferential direction from the vent toward the opening of the communication passage. And a second lubricating fluid reservoir that has a spatial cross-sectional area that rapidly decreases in the circumferential direction.
本発明の流体軸受装置によれば、スリーブの開口部側端面を覆うカバーによって形成された流体溜まり空間部に保持されている潤滑流体の異なる2つの界面において、それぞれの界面が蒸発などで時間の経過とともに移動する量が異なることにより、長期間に渡って、滑流体を軸受隙間に維持できる流体軸受装置を提供することができる。 According to the hydrodynamic bearing device of the present invention, in two different interfaces of the lubricating fluid held in the fluid pool space formed by the cover that covers the opening side end surface of the sleeve, each of the interfaces is time-consuming due to evaporation or the like. By changing the amount of movement with the passage of time, it is possible to provide a hydrodynamic bearing device capable of maintaining the sliding fluid in the bearing gap over a long period of time.
以下に、本発明の流体軸受装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。 Embodiments of the hydrodynamic bearing device of the present invention will be described below in detail with reference to the drawings.
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流体軸受装置13を備えたスピンドルモータ14の断面図である。なお、以下の説明は、便宜上、スリーブ15の軸受孔15aにおける開口端が上方に、閉鎖端が下方に配置された場合として説明するが、実際に使用する場合はこの配置に限るものではない。
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a cross-sectional view of a
図1に示すように、シャフト16における円筒状のスリーブ15の円形の軸受孔15aから突出している円柱状の突出軸部16aには、その外周に例えば磁気記録ディスクが固定される回転部材としての略逆カップ状のハブ17が圧入状態で外嵌され、ハブ17の外周に形成された円筒状の垂下壁部の内周にはロータマグネット19が取り付けられている。また、流体軸受装置13が固定されたベース18には、ロータマグネット19の内周側にロータマグネット19に径方向で対向するように、ステータコイル20が巻かれたステータコア21が取り付けられている。そして、このロータマグネット19とステータコア21とにより、シャフト16とスリーブ15との間に回転駆動力を与えるスピンドルモータ14の回転駆動部22が構成されている。
As shown in FIG. 1, a columnar protruding
次に、図2を用いて、流体軸受装置13について説明する。図2は、流体軸受装置13の断面図である。流体軸受装置13は、シャフト16と、スリーブ15と、スラストフランジ23と、スラストプレート24と、カバー26から成り、スリーブ15は、図1のごとくスピンドルモータ14のベース18に固定され、図2に示すようにスリーブ15の開口する上側の開口端15aaと閉鎖された下側の閉鎖端15abとを有する軸受孔15aを有し、円柱状のシャフト16が間隙を介して回転自在な姿勢で挿入されている。
Next, the hydrodynamic bearing
そして、スラストフランジ23は、シャフト16より大径の円板状であって、シャフト16の下端部に外嵌結合やねじにより固定されているとともに、軸受孔15aにおける閉鎖端側である大径孔部15acに、この大径孔部15acの上面に対して間隙を有する姿勢で配置されている。
The
また、スラストプレート24は、スリーブ15の軸受孔15aより大きな円板状であって、スラストフランジ23の下面と間隙を有する姿勢で対向するようにスリーブ15の底部に固定されている。
The
さらに、カバー26は、シャフト16と隙間を持って嵌合される円形孔を有し、その内周面にシャフト16の回転中心軸から半径方向外側に向かって広がる傾斜面が形成されており、スリーブ15の上端面(開口端側端面)を、空間を有した状態で覆うとともに、この空間と外気を連通する1つの通気孔25を有している。なお、カバー26の材質は、後述する潤滑流体28を注油する際に、潤滑流体28の界面が確認しやすくするために、透光性を有する材料で構成されている。
Furthermore, the
そして、この流体軸受装置13において、スリーブ15における外周面寄りの箇所に、回転中心軸と平行に1つの連通孔27(例えば、この直径は0.2m m〜0.6mm程度)が穿孔されており、この連通孔27により、軸受孔15aの閉鎖端15ab側に設けられた大径孔部15ac(閉鎖端面側の空間領域)と、カバー26とスリーブ15の開口端15aa側端面である上端面との間の空間領域とが連通されている。
In the hydrodynamic bearing
また、カバー26とスリーブ15との間を含むスリーブ15の内部の空間(すなわち、シャフト16の外周面とスリーブ15の内周面との間の空間、軸受孔15aの大径孔部15ac内の空間、軸受孔15aの大径孔部15acと連通孔27との間の連通箇所の空間、連通孔27内の空間、スリーブ15の上端面とカバー26との間の空間。(ただし、通気孔25箇所は除く。))に潤滑流体28が充填されている。
Further, the space inside the
そして、スリーブ15の内周面(またはシャフト16の外周面、若しくは、スリーブ15の内周面とシャフト16の外周面との両方に設けてもよい。) に上下にヘリングボーン形状などの動圧溝29、30が形成され、上述した回転駆動力によりシャフト16とスリーブ15とが相対的に回転された際に、この動圧溝29、30により掻き出される潤滑流体28の力により、シャフト16とスリーブ15とがラジアル方向(半径方向)に所定間隙を介して回転自在に支持されるラジアル動圧軸受31が構成されている。
Then, the inner surface of the sleeve 15 (or the outer surface of the
また、スラストフランジ23の上面と下面(または、これに対向するスリーブ15の下面やスラストプレート24の上面、またはスラストフランジ23の上下面とスリーブ15の下面やスラストプレート24の上面との全てに設けてもよい)とにスパイラル形状などの動圧溝32、33が形成され、上述した回転駆動力などによりシャフト16に取り付けられたスラストフランジ23とスリーブ15とが相対的に回転された際に、この動圧溝32、33により掻き出される潤滑流体28の力により、シャフト16とスリーブ15とがスラスト方向(軸心方向)に所定間隙を介して回転自在に支持されるスラスト動圧軸受34が構成されている。
Further, the upper surface and the lower surface of the thrust flange 23 (or the lower surface of the
ここで、ラジアル動圧軸受31を構成する動圧溝29、30は、周知のヘリングボーン形状とされ、シャフト16の外周面における上側と下側の2箇所に形成されているが、下側の動圧溝30は、その頂部から斜めに上がる溝と斜めに下がる溝とが同じ長さとされている一方、上側の動圧溝29は、その頂部から斜めに上がる溝29aが、頂部から斜めに下がる溝29bよりも長めに形成され、回転駆動時にはこの上側の動圧溝29によって、この隙間の作動流体28が積極的に下方に送り出されるように構成されている。
Here, the
以上のように構成された流体軸受装置13において、スリーブ15の開口端15aa側の上端面とカバー26にて形成され、潤滑流体28が充填されている空間(以下、潤滑流体溜り部35と称す)は、蒸発などによる潤滑流体28の減少に対して潤滑剤を貯留する役割を果たしている。以下、図3を用いて、その構成について説明する。
In the
図3(a)は、潤滑流体溜り部35をスリーブ15の開口端15aa側から見た図である。また、図3(b)は、潤滑流体溜り部35を展開した概略図である。
FIG. 3A is a view of the lubricating
図3(a)及び、図3(b)に図示しているように、カバー26に対向するスリーブ15における上端面15eは、ほぼ平面形状とされている。そして、上端面15eに対向するカバー26の裏面部分の形状は、スリーブ15の上端面15eに開口する連通孔27の開口部近傍の導入隙間部27aとスリーブ15の軸受孔15a開口端の近傍外周の領域15adとにおいて、スリーブ15の上端面15eとの離間距離が毛管現象を生じる形状としており、スリーブ15内周面の軸受孔15aに毛管現象により潤滑流体28が流入するように形成されている。また、導入隙間部27aは、領域15adを介してスリーブ15の軸受孔15aの開口端に続くように形成されている。
As shown in FIGS. 3A and 3B, the
ここで、導入隙間部27aおよび領域15adにおいて、カバー26の裏面部分とスリーブ15の上端面15eとの間で形成される離間隙間は例えば0.03mm〜0.15mmであって、本実施形態においては径方向に対して一定である。
Here, in the
また、カバー26の裏面部の形状は、導入隙間部27a、領域15ad以外の箇所においては、導入隙間部27a、領域15adにおいてカバー26の裏面部分とスリーブ15の上端面15eとの間で形成される離間隙間よりも大きな空間となるように窪ませて潤滑流体28を貯留可能な潤滑流体溜まり部35を形成し、この潤滑流体溜まり部35は導入隙間部27aと通気孔25とを周方向に連通させている。
Further, the shape of the back surface portion of the
ここで、この流体溜まり空間部35 は、例えば、内径3.2mm〜3.8mm、外径5.5〜6.3mm、最小隙間は0.03mm〜0.15mm、最大隙間は0.2mm〜0.3mm程度である。
Here, the
そして、通気孔25は、直径が例えば0.2mm〜1.0mm程度であり、カバー26の裏面部において、この通気孔25の周囲には、通気孔25と同心円状で、それより大径のざぐり穴により形成された緩衝空間としての凹部36(例えば、直径0.6mm〜1.0mm、深さ0.1mm〜0.3mm程度)が形成されている。
The
この通気孔25および凹部36に連なる流体溜まり空間部35の箇所(最大空間部35aと称す) が、スリーブ15の上端面15eとの離間距離が最も大きくなり、流体溜まり空間部35は導入隙間部27aから最大空間部35aに近づくほど、スリーブ15の上端面15e(開口端側端面)からの離間距離が大きくなるように流体溜まり空間部35を形成するバー26の裏面が周方向に対して傾斜する形状に形成されている。
The
なお、本実施形態においては、流体溜まり空間部35の離間隙間は径方向に対して一定であり、外気に連通する通気孔25は、カバー26における、平面視して、連通路27の開口部から約15度の角度の位置に設けられている。ただし、これに限るものではなく、
上記のカバー26の構成が可能な限りにおいて、この角度は小さい方が流体溜り空間部35の周方向距離を長くでき、より長期間に渡って、潤滑流体を軸受隙間に維持できることは言うまでもない。
In the present embodiment, the clearance gap of the
As long as the configuration of the
また、通気孔25に凹部36を形成したことで、潤滑流体28が満量である状態で流体軸受装置13の設置環境の温度上昇などがあった場合でも、潤滑流体28の界面K が凹部36内にとどまり、通気孔25から潤滑流体28が、外部に洩れ出ることがないよう図られている。
Further, since the
ここで、以上のように構成されている潤滑流体溜り部35における潤滑流体28の蒸発に伴う界面の変化について、図4を用いて説明する。図4(a)は、潤滑流体溜り部35の潤滑流体28が蒸発する前の状態を図示しており、図4(b)は、潤滑流体溜り部35の潤滑流体28が半分、蒸発した状態を図示してる、図4(c)は、潤滑流体溜り部35の潤滑流体28が、ほぼ蒸発し終わった状態を図示している。
Here, the change of the interface accompanying the evaporation of the lubricating
図4(a)の状態から、潤滑流体28が蒸発すると、通気孔25に位置する潤滑流体28の界面が移動して、図4(a)における潤滑流体溜り部35の左右方向へ界面が移動する。しかし、通気孔25と連通孔27との間に形成されている空間35bは、カバー26の裏面部分に形成されている傾斜面により、潤滑流体溜り部35における界面の断面積(図3(a)において潤滑流体溜り部35を周方向から見たときの潤滑流体溜り部35の断面積を空間断面積という。)が急激に変化するように形成されている。一方、他方の空間35cは、潤滑流体溜り部35における界面の断面積が緩やかに変化するように形成されている。
When the lubricating
ここで、潤滑流体28の蒸発は、界面の断面積によって影響を受けるので、前述したように、潤滑流体溜り部35には、断面積が急激に変化する空間35bと緩やかに変化する空間35cが存在している。そのため、図4(b)に示すように潤滑流体28の界面28a、28bは、空間35c側の界面の移動量が多くなる。
Here, since the evaporation of the lubricating
そして、図4(c)に示すように、潤滑流体溜り部35の潤滑流体28が蒸発し終わると、連通孔27の開口部近傍の導入隙間部27aとスリーブ15に設けられた図3に示す軸受孔15a開口端の近傍外周の領域15adに潤滑流体28が残留している状態となる。
Then, as shown in FIG. 4C, when the lubricating
以上のように、潤滑流体28の蒸発により、界面が移動するのであるが、更に、図5を用いて、潤滑流体溜り部35において左右方向へ界面が移動する点について説明する。
As described above, the interface moves due to the evaporation of the lubricating
図5は、スリーブ15の上端面15eと、上端面15eに対向して配置されているカバー26とにより形成されている流体溜まり空間部35において、潤滑流体28の界面(潤滑流体28と大気が接している面)の状態を簡易的に図示したものである。
FIG. 5 shows an interface between the lubricating fluid 28 (the lubricating
流体溜まり空間部35には、潤滑流体28が周知の技術である真空注油工法などにより充填されているが、時間の経過とともに、潤滑流体28が蒸発する。その結果、潤滑流体28の表面張力、界面の大気に接している表面積および、大気圧Pが釣合いを保ちながら、図5に図示しているような界面28a、界面28bの状態となる。この釣合い状態について説明する。
潤滑流体溜り部35において、界面28aには、潤滑流体28の表面張力F1が、潤滑流体28から大気圧Pの方向に向かって働いている。表面張力F1と潤滑流体溜り部35内の大気圧Pは、釣り合っており、(式1)を満足している。同様に、界面28bにも表面張力F2が働いており、潤滑流体溜り部35内の大気圧Pと釣り合っており、(式2)を満足している。
The
In the
F1/Aa=Pa・・・(式1)
F2/Ab=Pb・・・(式2)
Pa=Pb=P・・・(式3)
Aa:界面28aにおける大気と接している表面積
Ab:界面28bにおける大気と接している表面積
つまり、上記式(3)より、図4に図示している界面28aおよび28bの状態で釣り合って、潤滑流体28が外部に洩れないようになっている。
F1 / Aa = Pa (Formula 1)
F2 / Ab = Pb (Formula 2)
Pa = Pb = P (Formula 3)
Aa: Surface area in contact with the atmosphere at the
次に、この状態から更に、潤滑流体28が蒸発した場合の界面の状態について説明する。まずは、界面28aについて説明する。潤滑流体28が蒸発することで、界面28aが、図5に図示しているように、界面28aaへと移動する。界面28aaでの表面張力F3、界面の大気に接している表面積および、潤滑流体溜り部35内の大気圧Pの関係は、式(4)を満足していることとなる。また、界面28bも同様に、界面28bbへと移動し、界面28bbでの表面張力F4、界面の大気に接している表面積および、潤滑流体溜り部35内の大気圧Pの関係は、式(5)を満足していることとなる。
Next, the state of the interface when the lubricating
F3/Aaa=Paa・・・(式4)
F4/Abb=Pbb・・・(式5)
Paa=Pbb=P・・・(式6)
Aaa:界面28aaにおける大気と接している表面積
Abb:界面28bbにおける大気と接している表面積
つまり、潤滑流体28の界面は、式(3)、式(4)に示しているように、常に、大気圧Pと釣合う状態を維持しながら、界面が移動していることとなっている。
F3 / Aaa = Paa (Formula 4)
F4 / Abb = Pbb (Formula 5)
Paa = Pbb = P (Formula 6)
Aaa: Surface area in contact with the atmosphere at the interface 28aa Abb: Surface area in contact with the atmosphere at the interface 28bb In other words, the interface of the lubricating
しかしながら、界面28bと界面28bbとは、殆ど、界面が大気と接している表面積が同じであり、界面28a(28aa)と比較して、界面が大気と接している表面積が小さいので、
Ab≒Abb
となり、結果として、
F2/Ab≒F4/Abb
となる。つまり、界面28bは、潤滑流体28が蒸発しても、殆ど、同じ位置に位置していることとなる。
However, the
Ab≈Abb
And as a result,
F2 / Ab ≒ F4 / Abb
It becomes. That is, the
以上により、潤滑流体28の蒸発に伴い、界面は、一方向(図5における界面28aの方向から連通孔27向かう方向)に向かって移動することとなる。
As described above, as the lubricating
また、本実施形態においては、上述した関係を満足するように、界面28aを形成しているカバー26の裏面部分に傾斜角度5度の傾斜面を設けており、また、界面28bを形成しているカバー26の裏面部分に傾斜角度50度の傾斜面を設けている。
In the present embodiment, in order to satisfy the above-described relationship, an inclined surface with an inclination angle of 5 degrees is provided on the back surface portion of the
この2つの界面(28a、28b)を形成しているカバー26の裏面部分に設けられた傾斜面の傾斜角度については、その傾斜角度の比率が2倍以上であれば、前述したように一方向に向かって移動することとなる。また、好ましくは、10倍以上にすることで、その効果をより一層、導くことが可能となる。
As for the inclination angle of the inclined surface provided on the back surface portion of the
このように、本実施形態によれば、カバー26とスリーブ15eの上端面により形成された潤滑流体溜り部35の周方向距離を長くできるので、潤滑流体28を、より長期間に渡って、維持することが可能である。
As described above, according to the present embodiment, since the circumferential distance of the lubricating
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。 As mentioned above, although Embodiment 1 of this invention was demonstrated, this invention is not limited to the said embodiment, A various change is possible in the range which does not deviate from the summary of invention.
例えば、図6(a)及び、図6(b)に図示しているように、潤滑流体溜り部35の周方向の断面積が急激に変化するように形成されている空間35bを遮断部材40にて遮断したものでも良い。遮断部材40にて空間35bを封止することで、潤滑流体溜り部35の潤滑流体28は、限られた周方向のみ、界面が移動することとなり、より長期間に渡って、潤滑流体28を維持することが可能である。なお、遮断部材40は、カバー26及び、スリーブ15と別体であってもよく、また、どちらかに一体形成されていてもよい。
For example, as shown in FIG. 6A and FIG. 6B, the blocking
本発明の流体軸受装置は、長期間に渡って潤滑流体を軸受隙間に維持できる流体軸受装置を提供することができ、ディスク駆動装置、リール駆動装置、キャプスタン駆動装置、ドラム駆動装置などに搭載されるスピンドルモータとして有用であるが、これに限るものではない。 The hydrodynamic bearing device of the present invention can provide a hydrodynamic bearing device capable of maintaining the lubricating fluid in the bearing gap over a long period of time, and is mounted on a disk drive device, a reel drive device, a capstan drive device, a drum drive device, or the like. However, the present invention is not limited to this.
13 流体軸受装置
14 スピンドルモータ
15 スリーブ
15a 軸受孔
15aa 開口端
15ab 閉鎖端
15ac 大径孔部
15ad 領域
16 シャフト
16a 突出軸部
17 ハブ
18 ベース
19 ロータマグネット
20 ステータコイル
21 ステータコア
22 回転駆動部
23 スラストフランジ
24 スラストプレート
25 通気孔
26 カバー
27 連通孔
27a 導入隙間部
28 潤滑流体
31 ラジアル動圧軸受
34 スラスト動圧軸受
35 潤滑流体溜り部
35a 最大空間部
35b、35c 空間
36 凹部
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記軸受孔内に間隙を介して回転自在な状態で挿入されるシャフトと、
前記スリーブの前記開口端側端面を覆って第1の空間を形成するカバーと、
前記スリーブにおける前記軸受孔内の閉鎖端面側の第2の空間と、
前記第1の空間と前記第2の空間を連通させる前記スリーブに形成された連通路と、
前記カバーと前記スリーブと前記シャフトとの隙間に充填された潤滑流体と、
前記シャフトの外周面と前記スリーブの内周面との間で形成されたラジアル軸受部と、
前記シャフトの前記スリーブの閉鎖端側の端面と前記スリーブの閉鎖端内側の端面との間で形成されたスラスト軸受部と、
前記第1の空間において、前記連通路の開口部近傍から前記軸受孔開口端までの間に形成された導入隙間部と、
前記カバーに形成された前記第1の空間と外気を連通する通気孔と、
前記第1の空間が、前記通気孔から前記連通路の開口部に向けて周方向に空間断面積が緩やかに小さくなる第1の潤滑流体溜り部と、周方向に空間断面積が急激に小さくなる第2の潤滑流体溜り部とを備えた流体軸受装置。 A sleeve having a bearing hole having an open end and a closed end;
A shaft inserted into the bearing hole in a freely rotatable state through a gap;
A cover that covers the opening end side end surface of the sleeve and forms a first space;
A second space on the closed end face side in the bearing hole in the sleeve;
A communication path formed in the sleeve for communicating the first space and the second space;
A lubricating fluid filled in a gap between the cover, the sleeve, and the shaft;
A radial bearing portion formed between the outer peripheral surface of the shaft and the inner peripheral surface of the sleeve;
A thrust bearing portion formed between an end surface on the closed end side of the sleeve of the shaft and an end surface inside the closed end of the sleeve;
In the first space, an introduction gap formed between the vicinity of the opening of the communication passage and the opening end of the bearing hole;
A vent hole communicating the first space and the outside air formed in the cover;
The first space has a first lubricating fluid reservoir portion in which the spatial cross-sectional area gradually decreases in the circumferential direction from the vent hole toward the opening of the communication path, and the spatial cross-sectional area in the circumferential direction decreases rapidly. And a second lubricating fluid reservoir.
A spindle motor comprising the hydrodynamic bearing device according to any one of claims 1 to 3.
Priority Applications (2)
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