JP2009108426A - デンプン繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡糸に際し凝固用の多量の塩類を用いることなく、安価なデンプンを原料としたデンプン繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプン、あるいはワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンの糊化物に超音波を照射して得た微分散デンプンを高アミロペクチン含有デンプンとして用い、このデンプンを水に分散しデンプン水分散液を得て、前記デンプン水分散液に1価アルコールを添加してゲル状物を相分離して、前記ゲル状物をモノフィラメントに紡糸する。
【選択図】図1

Description

本発明は、デンプン繊維の製造方法に関し、特に高アミロペクチン含有デンプンを原料とするデンプン繊維の製造方法に関する。
デンプンは古くから食用されている最も安全であり、しかも極めて容易かつ安価に入手可能な素材のひとつである。従って、デンプンを上手く繊維状に加工することができれば、人体に無害であり、生分解性能にも優れた織布、糸、生物電池の糖の供与体をはじめとするの広汎な用途が期待できる。
一般に、デンプンは直鎖状のアミロースと分岐構造を有するアミロペクチンの2種類の混合物である。そこで、これらのデンプン内の成分に着目して効率よくデンプン繊維を得る製法が提唱されてきた。例えば、アミロペクチンを45〜100重量%含有する原料デンプンのコロイド分散物を凝析塩の水溶液中に押し出して繊維化する製法である(特許文献1参照)。また、馬鈴薯等の曳糸性デンプンとトウモロコシ等の曳糸性のないデンプンのコロイド分散液を紡糸する製法が提案されている(特許文献2参照)。
前記の特許文献1,2にあっては、デンプンのコロイド分散物の紡糸に際し、30〜40%超の極めて高濃度の硫酸アンモニウム溶液を凝固浴として使用していた。そのため、紡糸後に凝析塩を十分水洗する必要がある。また、使用済み廃溶液の処理を要し、環境負荷も多くなる。特許文献2より得ることができるデンプン繊維は5〜20mm未満の長さである。同文献2のように木材パルプへの添加目的にあっては問題とはならないが、繊維としての広汎な用途を満たすことはできない。
そこで、アミロースを原料として、高濃度の凝析塩を含む凝固浴を用いることなく紡糸を可能とした製法も報告されている(特許文献3参照)。同特許文献3の「背景技術」に述べられているとおり、直鎖状のアミロースは加工性等において合成プラスチックに匹敵する特性を備えている。これに対し、分岐構造を有するアミロペクチンは強度特性が劣るとされている。つまり、アミロペクチンの利用可能性は低いものと判断している。この点を踏まえ、同文献3の発明者らは、天然に得ることができるデンプンにはアミロペクチンが含有されてアミロースの純度は不十分であるとして、より高純度のアミロースを得るべく、ホスホリラーゼ等を用いた酵素合成アミロースを原料に選択した。そして、その「実施例10」のとおりメタノール中で紡糸しフィラメントを得た。
特許文献3においては、凝固浴用の多量の塩類を用いない点で改善がみられる。しかし、原料となるデンプンは酵素合成アミロースに制約されるため、原料調達は容易ではない。このため、必然的に製造原価は上昇し、必ずしも量産性に優れているわけではない。
特公昭54−1820号公報 特開平8−27627号公報 国際公開WO02/006507号
そこで、発明者は、凝固浴用の多量の塩類を用いることなく、なるべく安価なデンプンを原料としてデンプンの繊維化に鋭意取り組んできた。発明者は前記の特許文献3にて利用可能性が低いとされているアミロペクチンに着目した結果、デンプン繊維の紡糸が可能であることを発見した。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、紡糸に際し凝固用の多量の塩類を用いることなく、安価なデンプンを原料としたデンプン繊維の製造方法を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、高アミロペクチン含有デンプンを水に分散しデンプン水分散液を得て、前記デンプン水分散液にアルコールを添加してゲル状物を相分離して、前記ゲル状物を紡糸することを特徴とするデンプン繊維の製造方法に係る。
請求項2の発明は、前記高アミロペクチン含有デンプンが、ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンを含む請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法に係る。
請求項3の発明は、前記高アミロペクチン含有デンプンが、ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンの糊化物に超音波を照射して得た微分散デンプンである請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法に係る。
請求項4の発明は、前記アルコールが1価アルコールである請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法に係る。
請求項5の発明は、前記ゲル状物がモノフィラメントに紡糸される請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法に係る。
請求項1の発明に係るデンプン繊維の製造方法によると、高アミロペクチン含有デンプンを水に分散しデンプン水分散液を得て、前記デンプン水分散液にアルコールを添加してゲル状物を相分離して、前記ゲル状物を紡糸するため、紡糸に際し凝固用の多量の塩類を用いることなく、安価なデンプンを原料としてデンプン繊維を得ることができる。
請求項2の発明に係るデンプン繊維の製造方法によると、請求項1の発明において、前記高アミロペクチン含有デンプンが、ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンを含むため、原料デンプンには酵素による処理の必要がない。このため、原料となるデンプンの量を確保しやすく、その価格も抑えることができる。
請求項3の発明に係るデンプン繊維の製造方法によると、請求項1の発明において、前記高アミロペクチン含有デンプンが、ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンの糊化物に超音波を照射して得た微分散デンプンであるため、デンプン水分散液を得るに際し、熱水を用いることなく室温の水により処理可能となる。
請求項4の発明に係るデンプン繊維の製造方法によると、請求項1の発明において、前記アルコールが1価アルコールであるため、デンプン由来のゲル状物の紡糸を効率よく行うことができる。
請求項5の発明に係るデンプン繊維の製造方法によると、請求項1の発明において、前記ゲル状物がモノフィラメントに紡糸されるため、適度な太さのデンプン繊維を容易に量産することができる。
以下添付の図面に基づきこの発明の好適な実施形態を説明する。
図1は本発明のデンプン繊維の製造方法を示す概略工程図である。
図1の概略工程図に従い、本発明のデンプン繊維の製造方法を説明する。はじめに、高アミロペクチン含有デンプンが水に分散されて、デンプン水分散液が得られる。
原料となる高アミロペクチン含有デンプンとは、デンプンを組成するアミロースとアミロペクチンとの比率において、アミロペクチンの割合が極端に高い種類のデンプンである。具体的には、デンプンの全重量に占めるアミロペクチン重量が80%以上、特には90〜95%、さらにはほぼ100%となるデンプン種である。
このように高アミロペクチンを含有するデンプンは、もち小麦、もち粟、もち稗等のもち種の穀類デンプンに加えて、請求項2の発明に規定するように、ワキシーコーンスターチ、もち米デンプンから選択される。ワキシーコーンスターチやもち米デンプンは、生産量(収穫量)も多く、原料調達が容易なためである。特にワキシーコーンスターチは価格が低廉である。原料デンプンは酵素による処理のほか、温水抽出法、アミロース沈澱法、ゲル濾過法等の高純度化処理を伴わないため、当然、原料の量を確保しやすく、また価格も抑えることができる。
高アミロペクチン含有デンプンの水への分散は、通常、熱水中へ添加、混合により得ることができる。つまり、アルファ化デンプン(デンプン糊化物)である。後記の実施例に示すように、発明者の知見によると、高アミロペクチン含有デンプンは熱水重量の約10%とすることが好ましい。デンプン濃度が1%よりも低い場合、以降の処理からの収率が低下する。また、デンプン濃度が20%よりも高い場合、粘性が強くなりすぎるため流動性は低下して処理、反応の進行に支障を来す。
前記の高アミロペクチン含有デンプンの水への分散をさらに簡素化する場合には、請求項3の発明に規定するように、ワキシーコーンスターチ、もち米デンプンから調製された微分散デンプンが用いられる。この微分散デンプンとは、ワキシーコーンスターチ、もち米デンプンをいったん熱水に溶いて糊化物とし、当該糊化物に超音波を照射することにより得たデンプンである。つまり、物理的処理を経たデンプンである。微分散デンプンの調製に際し、特開2006−231219号にて開示されるとおり、ゲル化物に対する超音波照射の方法が適用される。
照射する超音波は、20kHz〜1MHzの一般的な周波数であり、超音波発振器の出力も100〜2000Wの適宜である。極端に低い周波数の場合、超音波照射に伴う振動、衝撃等のエネルギーは低くなり、デンプンのゲル化、分散性に寄与しない。著しく高い周波数の場合、過度にデンプンが液状化して低分子量化が進みすぎる。なお、照射時間は周波数、出力、最終的な粘度等により総合的に規定される。超音波照射に用いる処理槽、超音波振動子、超音波発振器等は、生産規模や処理能力等を勘案して適切に選択される。デンプン糊化物に対する超音波照射は、逐次回分式あるいは連続式のいずれであっても良い。
まず、高アミロペクチン含有デンプンは熱水中で糊化物となることにより、デンプン内の結晶を構成する糖鎖間に水分子が侵入して膨潤し、デンプンの糖鎖に水分子が抱きかかえられたネットワーク状の高分子構造が形成されると考えられる。続いて、この状態に超音波照射が行われると、糊化溶液中の分子の振動が高まり、前記のネットワーク状の高分子構造が適度に解されるものと予想される。
超音波を照射して得た糊化物は、液状のまま高アミロペクチン含有デンプン溶液として、所定濃度に水で希釈して用いることができる。あるいは、超音波照射された糊化物を凍結乾燥、真空ドラムドライヤによる乾燥、噴霧乾燥(スプレードライ)等を用い乾燥して粉末化した後、水に分散することもできる。乾燥することにより、防腐や保存、取り扱いやすさ等の利便性が向上する。単にデンプンを糊化した場合よりも、さらに超音波照射を加えることにより、デンプンの水への分散性がより向上する。従って、後記の実施例に開示するように、デンプン水分散液を得るに際し、熱水を用いることなく、室温の水により処理可能となる。
ここで、概略工程図に示すとおり、デンプン水分散液にアルコールが添加されると、分散液の一部はゲル状物として沈澱し、残りは上清(上澄み)として相分離する。つまり、デンプンを含んだ成分が分離される。
通常の高アミロペクチン含有デンプンであれば、60℃に加温して流動性が維持されている状態でアルコールは添加される。また、超音波照射された高アミロペクチン含有デンプンであれば、もとより室温であるため、そのままアルコールが添加される。
添加に用いるアルコールは、請求項4の発明に規定するように、1価アルコール(R−OH)であり、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等が用いられる。1価アルコールを好適とする理由は、後出の実施例において発明者が2価、3価のアルコールと比較した検証に基づく。おそらく、分子間距離やアルコール分子中の疎水部分等の影響が考えられる。
得られたゲル状物を回収してそのまま引張することにより線状に加工することもできる。あるいは、公知の紡糸装置内に充填して押圧しながら紡出により繊維状に加工される。ゲル状物から繊維状物への加工に際しては、空気に晒しながらの自然乾燥、温風、熱風を吹き付けながらの風乾、あるいは、アルコール浴中へ吐出することによる脱水が行われる。そして、巻き取り、裁断等が行われる。このようにして、デンプン繊維は完成する。紡糸装置のノズル(口金)を適宜変更することにより、所望の太さの繊維を得ることができる。とりわけ、請求項5の発明に規定するように、ゲル状物はモノフィラメントに紡糸される。そのため、例えば、0.01〜1mmの適度な太さを有するデンプン繊維の量産化が容易となる。
紡糸装置からアルコール浴槽、乾燥装置、巻き取り機の順に配置すると、デンプン繊維の連続生産が可能となる。これまでの説明からも明らかなとおり、デンプンのゲル状物の繊維への加工は、従来製法と異なり硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、塩化アンモニウム等の凝固塩を使用しない。従って、凝固浴用の塩類を多量に確保する必要や、塩類廃液の処理に要する負担がなくなる。
なお、紡出後の繊維にしなやかさを持たせるため、必要に応じて柔軟剤等をゲル状物もしくはデンプン水分散液に添加したり、アルコール浴中に吐出する場合のアルコール浴中に添加することも可能である。または、デンプン繊維形成後に柔軟加工を施してもよい。その他、デンプン繊維の用途、機能も加味して、染料、防腐剤、抗生剤、香料をはじめとする適宜の薬剤をゲル状物もしくデンプン水分散液に添加することも可能である。
本発明の製造方法により得られたデンプン繊維の用途として、例えば、中空管路を備えた構造体の作成に用いることができる。他の樹脂材料中にデンプン繊維を混入あるいは封入して、事後的にデンプン成分のみを溶出させ、もともとデンプン繊維が存在していた場所を中空部分に置き換える手法である。
または、本発明の製造方法により得られたデンプン繊維は、特開2006−24555号、特開2006−85911号公報等に開示されている燃料電池の燃料としても都合がよい。燃料となる糖(グルコース)は繊維状に構成されているため、保存性に優れ、取り扱いや織布化も可能である。形状が極めて均質であり、端部、表面から分解可能であることから、持続的な糖の供給が可能と予想される。
これらの他に、易分解性のフィルター材料等としての利用も検討される。デンプンが原料であるため、人体に無害であり、マスク等の使い捨て用途が考えられる。さらには、再生セルロース由来の繊維に本発明のデンプン繊維を混入した不織布、パルプに本発明のデンプン繊維を混入した紙等の添加用の材料としての利用も勘案される。
[デンプン繊維の調製]
デンプン繊維を形成する原料デンプンには、ワキシーコーンスターチ、もち米、うるち米、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、及び微分散デンプンを用いた。微分散デンプンは以下の処理を経たデンプンである。ワキシーコーンスターチ(日本食品化工株式会社製:ワキシースターチ)に水を加え、ミニクッカー(ノリタケエンジニアリング株式会社製)により糊化した。この糊化物に対し、超音波分散機(株式会社ギンセン製:商品名「GSD1200CVP」)を用い、周波数20kHz、出力1200Wの条件の下、約50℃の液温を維持しながら超音波照射した。超音波照射後に乾燥して粉末化した。
原料デンプンにおいて、ワキシーコーンスターチ、もち米、うるち米、馬鈴薯デンプン、コーンスターチについては、いずれも10重量%の濃度に調整して水に溶き、オートクレーブ内に入れて115℃の加熱を60分間維持し、デンプン水分散液とした。一方、微分散デンプンはワキシーコーンスターチに由来し、20重量%の濃度に調整してそのまま室温の水に溶き、デンプン水分散液とした。
デンプン水分散液の液温を室温〜60℃前後に維持し、ホモディスパー(プライミクス株式会社製:製品名「T.Kホモディスパー」)により高速攪拌しながら、アルコール類等の溶剤を滴下し、相分離が生じた時点で攪拌を終了しゲル状物を得た。滴下に要した溶剤の量は、デンプン水分散液容量のおよそ50〜100%に相当した。
容器から相分離したゲル状物を取り出した。ゲル状物は絹状の光沢であった。シリンジ針の斜めに尖った部分を剪断して先端を円筒体形状にしたシリンジ針をシリンジ(商品名「テルモシリンジ」)に装着し、ゲル状物を同シリンジ内に充填した。そこで、シリンジをシリンジポンプ(KD Scientific社製:商品名「IC3100」)に取り付けてシリンジ針からゲル状物を押し出して紡糸した。
ゲル状物を繊維化するに際し、次の3とおりの紡糸の方法(a),(b),(c)を試みた。いずれを選択したかについて後記の表1に併せて記す。
(a)口径0.2〜0.5mmのシリンジ針から空気中にゲル状物を吐出し、自重で延伸しながらエタノール浴槽中に垂らした。そして、エタノール浴内に沈んだデンプン繊維を回収し、空気中で乾燥した。
(b)口径0.2〜0.5mmのシリンジ針からいったんエタノール浴槽中にゲル状物を吐出した後、エタノール浴槽から距離を置いて空気中に設けた巻き取り装置によりデンプン繊維を巻き取った。
(c)口径1mmのシリンジ針から垂直方向に空気中へゲル状物を吐出し、吐出により生じたデンプン繊維にドライヤーの熱風を当てながら、空気中に設けた巻き取り装置によりデンプン繊維を巻き取った。
[結果]
原料デンプンの種類、相分離に用いたアルコール類の種類、及び紡糸の方法を選択して試作例1ないし18のデンプン繊維を調製した。各試作例のデンプン繊維の紡糸適性、繊維長について表1の結果を得た。試作例14はデンプン水分散液にごく少量の活性炭を添加した後に紡糸した。表1中の紡糸適性において、“○”はいずれの口径のシリンジ針からも途切れの無いデンプン繊維が得られた。“△”はシリンジの口径いかんにより途中で途切れが生じたデンプン繊維である。“×”は繊維化が不可能である。繊維長の任意とは、デンプン繊維の長さがほぼ1mを超えた試作例である。
Figure 2009108426
[デンプン繊維の観察]
図2の写真中央の糸状物は、表1の試作例1のデンプン繊維である。繊維の全長については、シリンジ内に充填したゲル状物の量に依存しており、およそ3mほど吐出した時点で繊維化を終了した。ちなみに、表1中の紡糸適性が“○”の試作例に関しては、いずれも図2の写真と同様に繊維化できた。ただし、紡糸適性が“△”の試作例に関しては、途中に途切れが生じた。図2の写真からわかるように、十分な長さのデンプン繊維の調製が実証できた。なお、紡糸装置の改良により、よりいっそう長いデンプン繊維の製造が期待できる。
さらに、電子顕微鏡を用いデンプン繊維の形態を観察した。図3は試作例1のデンプン繊維を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。写真のデンプン繊維は1本の直線状であり、直径約40μmのモノフィラメントとして得ることができた。また、図4は試作例4のデンプン繊維を35倍に拡大した電子顕微鏡写真である。写真のデンプン繊維は、らせん状で幅200μmの扁平なモノフィラメントである。ゲル状物を吐出する際のシリンジ針先端の影響によるものと考える。さらに、図5は試作例6のデンプン繊維を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。直径約10μmのモノフィラメントとして得ることができた。
図3と図5の撮影結果より、デンプン繊維の直径は比較的自由に設定できる。目的、用途等に応じた作り分けが可能である。また、図4の撮影結果を踏まえると、紡糸の際に用いる口金を選択することにより、断面が単純な円となるデンプン繊維の他に、楕円、星形等の設計の余地がある。
[考察]
・原料デンプンの種類による影響
試作例1と試作例3は、ワキシーコーンスターチ(前者)とワキシーコーンスターチ由来の微分散デンプン(後者)とする原料デンプンの違いである。これについては、両方とも紡糸適性、繊維長共に良好である。微分散デンプン自体の製造には手間を要するものの、デンプン水分散液を調製する際に水に溶くだけでよい。そのため、事前に微分散デンプンを量産できれば、デンプン水分散液の調製を簡素化することができ、デンプン繊維の製造が容易となる。
試作例1(ワキシーコーンスターチ)と試作例15(もち米)の相違については、いずれもデンプン重量のほぼ100%をアミロペクチンとする高アミロペクチン含有デンプンである。ところが、紡糸適性に差異が生じた。原料となるデンプンの種類により、アミロペクチンの糖鎖の構造が異なるためと考える。なお、もち米を原料として微分散デンプンを調製した場合であっても、実施例に開示のワキシーコーンスターチを原料としたときと同じく、良好な水への分散性を発揮するものと予想できる。
次に、試作例1(ワキシーコーンスターチ)、試作例15(もち米)の高アミロペクチン含有デンプンと、試作例16(うるち米)、試作例17(馬鈴薯デンプン)、試作例18(コーンスターチ)とを比較すると、高アミロペクチン含有デンプンのみからしか紡糸することができない。
高アミロペクチン含有デンプンのみが紡糸可能となる理由は明らかではないが、次のとおり推測する。デンプンの糊化により、アミロペクチンの複雑な分岐構造はある程度解れて結晶構造が崩れる。アルコールの水酸基がアミロペクチンの糖鎖の水酸基と部分的に水素結合する。アミロペクチン分子内の糖鎖同士の水素結合は弱まり、アルコール分子の炭化水素部位(疎水部位)により糖鎖自体の親水性は低下して、解きほぐされゲル化した状態で析出する。糖鎖の水酸基と水素結合しているアルコール分子の炭化水素部位によりアミロペクチン分子鎖は滑りやすくなり、結果として伸びやすくなる。アミロペクチンは分岐構造を多く有しているため、糖鎖同士の水素結合が弱まった状態であっても分子同士はからまり合いやすく、流動性ある状態において、前述のアルコール添加を伴うことにより曳糸性が発現する。その後、アルコールや水分が除去されることにより、アミロペクチンの糖鎖間の水素結合が回復して糸としての形状を保つことができるようになるものと考えられる。これに対して、アミロースの場合、糖鎖が直鎖状で単調なため、水素結合が弱まった状態の糖鎖では糖鎖同士のからまり合いは生じにくく、アミロースを含むデンプンから生じたゲル化物に曳糸性は生じないと考えられる。
・アルコールの種類による影響
試作例1ないし試作例12の結果において、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールの1価アルコールと、その他の2価,3価のアルコールとの比較から、1価アルコールを用いた場合が紡糸に適していた。この点についても詳細は不明であるが次のとおり推測する。1価アルコールに含まれる水酸基がアミロペクチンの糖鎖の水酸基と部分的に水素結合する。そこで、アミロペクチン分子内における糖鎖同士の水素結合は弱まり、アルコール分子内の炭化水素部位(疎水部位)により糖鎖の親水性は低下して糖鎖が解きほぐされたゲル化した状態で析出する。特に、1価アルコールは分子中に占める炭化水素部位(疎水部位)が他の多価アルコールと比較して大きいことから、糖鎖と混合した際にその親水性を低下させやすいと考える。
これに対し、2価、3価のアルコールの場合、アルコールの水酸基がアミロペクチンの糖鎖の水酸基と部分的に水素結合することについては同様である。しかし、アルコール分子内に複数の水酸基を有することから、アルコール分子内に占める炭化水素部位(疎水部位)は相対的に小さくなり、糖鎖と混合した際にその親水性を十分に低下させるには至らないものと考える。それゆえに、デンプンをゲル化物として析出させにくく、ゲル化した状態の析出物を得ることができない。このため、1価アルコール使用の場合と比較して曳糸性は低くなる。
デンプン中の糖鎖の親水性低下について、アルコールの極性に着目するならば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、蟻酸、酢酸等のカルボン酸類も勘案できる。しかし、これらには高い毒性や特有の臭気があり、取り扱いにも危険が伴う。このように考えると、アルコールは比較的取り扱いが容易であり、毒性、臭気等の影響も少ない利点がある。
なお、実施例の製法によると、従来製法にある硫酸アンモニウム等の凝固塩を使用することなく、脱水に際して主に1価アルコールの使用となる。このため、凝固塩廃液等の処理負担を軽減することができる。
ここで、試作例14のようにデンプン以外の成分が含まれている場合であっても、デンプン繊維として紡糸することができた。ゆえに、デンプン繊維の機能改善、付加価値を発揮するための他の成分が添加できることを示唆する。
本発明のデンプン繊維の製造方法を示す概略工程図である。 試作例1のデンプン繊維の写真である。 試作例1のデンプン繊維の電子顕微鏡写真である。 試作例4のデンプン繊維の電子顕微鏡写真である。 試作例6のデンプン繊維の電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 高アミロペクチン含有デンプンを水に分散しデンプン水分散液を得て、前記デンプン水分散液にアルコールを添加してゲル状物を相分離して、前記ゲル状物を紡糸することを特徴とするデンプン繊維の製造方法。
  2. 前記高アミロペクチン含有デンプンが、ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンを含む請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法。
  3. 前記高アミロペクチン含有デンプンが、ワキシーコーンスターチまたはもち米デンプンの糊化物に超音波を照射して得た微分散デンプンである請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法
  4. 前記アルコールが1価アルコールである請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法。
  5. 前記ゲル状物がモノフィラメントに紡糸される請求項1に記載のデンプン繊維の製造方法。
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