以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明の実施形態における二足歩行ロボットの本体1を概略的に示した正面図である。このロボット本体1は、胴部2と、胴部2の上端に設けられた頭部3と、胴部2の左右両側面にそれぞれ設けられた腕部4,5と、胴部2の下端に設けられた脚部6,7とを具備する。また、このロボット本体1には、頭部3、腕部4,5及び脚部6,7をそれぞれ駆動するモータといった歩行駆動部8(図2に図示)が備えられ、歩行駆動部8によって頭部3、腕部4,6及び脚部7,8が駆動されることで、ロボット本体1全体のバランスが取られ、ロボット本体1が歩行動作を行う。図2に示すように、歩行駆動部8の制御を司る部分がロボット制御部9であり、このロボット制御部9はCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータであり、胴部2、頭部3、腕部4,5、脚部6,7にそれぞれ設けられた各種センサの検知結果がロボット制御部9にフィードバックされ、ロボット制御部9はフィードバック制御による歩行駆動部8を制御する。
この二足歩行ロボットは、自己発電機能を有し、その発電により得られた電力が歩行駆動部8やロボット制御部9に供給され、その電力によって歩行駆動部8やロボット制御部9が動作する。自己発電機能には、水を混合した燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料)が用いられ、その燃料を貯留すべく、図1に示すように、2つの燃料室(液体貯留用室、液体貯留領域)11,12が胴部2に内蔵されている。燃料室11と燃料室12は左右対称に配置され、燃料室11,12の容量が等しい。また、胴部2には、容量の等しい2つの生成水室(液体貯留用室、液体貯留領域)13,14が内蔵され、正面から見て燃料室11の左側に生成水室13が配置され、燃料室12の右側に生成水室14が配置されている。生成水室13と生成水室14が左右対称に配置されている。そして、生成水室13、燃料室11,12及び生成水室14が左右に一列に配列されている。生成水室13,14は、自己発電により生成された水を貯留するものである。室11〜14の形状は直方体であるが、他の形状であってもよい。
このように燃料室11,12が左右に対称配置されているので、燃料室11内の燃料はロボット本体1の右端から左端へ揺れ動くのではなく、ロボット本体1の左側で揺れ動く。また、燃料室12内の燃料はロボット本体1の左端から右端へ揺れ動くのではなく、ロボット本体1の右側で揺れ動く。それ故、ロボット本体1の重心を安定させることができる。
図3は、二足歩行ロボットの自己発電機能を司る発電装置10の概略構成を示したブロック図である。図3に示された各部21〜33、35〜40は、ロボット本体1に設けられている。
補給ポンプ22は燃料補給口21から燃料や水を吸引し、バルブ23,24を介して燃料室11,12へ送液するものである。バルブ23が開弁していれば、燃料や水が燃料室11に送られ、バルブ24が開弁していれば燃料や水が燃料室12に送られる。これにより、燃料と水が混合された状態で燃料室11,12に貯留される。バルブ23,24は、燃料と水の補給先を燃料室11若しくは燃料室12又は両方の何れかにする第一切替部である。なお、2つのバルブ23,24を用いる代わりに、1入力ポート・2出力ポートの切替弁を用いてもよい。
燃料室11及び12の下流側において、燃料室11と供給ポンプ27との間にバルブ25が設けられ、燃料室12と供給ポンプ27との間にバルブ26が設けられている。バルブ25が開弁していれば、供給ポンプ27が作動することによって燃料室11内の燃料と水が送出され、バルブ26が開弁していれば、供給ポンプ27が作動することによって燃料室12内の燃料と水が送出される。バルブ25,26は、燃料と水の供給元を燃料室11若しくは燃料室12又は両方の何れかにする第二切替部である。なお、2つのバルブ25,26を用いる代わりに、2入力ポート・1出力ポートの切替弁を用いてもよい。
供給ポンプ27は燃料室11,12内の燃料と水を燃料電池発電部30に供給するものである。供給ポンプ27と燃料電池発電部30との間には、バルブ28及び流量センサ29が設けられている。バルブ28は、供給ポンプ27から燃料電池発電部30に送液される燃料と水の流量を制御するものである。流量センサ29は、供給ポンプ27から燃料電池発電部30へ送られる燃料と水の流量を検出して電気信号に変換するものである。流量センサ29によって検知された流量を表す信号は、燃料電池制御部51(図2に図示)に出力される。
燃料電池発電部30は気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、供給ポンプ27から送られてきた燃料と水により発電するものである。つまり、燃料と水が燃料電池発電部30に送られ、更に空気が燃料電池発電部30に送られ、燃料電池発電部30は燃料電池における電気化学反応により連続的に発電する。具体的には、供給ポンプ27から送られてきた燃料と水が気化器において加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、更に水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに水回収部31に送られる。燃料電池発電部30の燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電部30が以上のような構成を有する。
燃料電池発電部30の燃料電池が、固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電部30は、一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、更に水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに水回収部31に送られる。
また、燃料電池発電部30の燃料電池が、メタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電部30は、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、供給ポンプ27から送られてきた燃料と水が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水(燃料電池のアノードに送られる)と空気(燃料電池のカソードに送られる)中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出され、水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気が燃料電池発電部30の燃料電池から水回収部31に送られる。また、燃料電池発電部30の燃料電池がメタノール水溶液で発電を行うものである場合には、燃料電池発電部30は気化器を備えず、燃料電池等から構成されたものとなり、供給ポンプ27から送られてきた燃料・水(燃料電池のアノードに送られる)と空気(燃料電池のカソードに送られる)中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出され、水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気が燃料電池発電部30の燃料電池から水回収部31に送られる。
水回収部31は、燃料電池発電部30から送出された気体状の生成水を液体で回収するものである。即ち、水回収部31は、燃料電池発電部30から送出された生成水を凝縮して液化させる凝縮器と、その凝縮器で凝縮された液体の生成水と凝縮しなかった気体(二酸化炭素等)とに分離する気液分離器と、を有するものである。水回収部31の気液分離器で分離された気体は外部に排気される。水回収部31の気液分離器で分離された液体状の生成水は、回収ポンプ32によって水回収部31から送出される。
回収ポンプ32は水回収部31において回収された液体状の生成水を生成水室13,14に送液するものである。回収ポンプ32の下流側には流量センサ33が設けられている。流量センサ33は、回収ポンプ32により送液される生成水の流量を検知し、電気信号に変換するものである。流量センサ33によって検知された流量を表す信号は燃料電池制御部51に出力される。
回収ポンプ32と生成水室13との間にはバルブ35が設けられ、回収ポンプ32と生成水室14との間にはバルブ36が設けられている。バルブ35が開弁していれば、生成水が生成水室13に送られ、バルブ36が開弁すれば、生成水が生成水室14に送られる。これにより、生成水が生成水室13,14に貯留される。
バルブ35,36は、生成水の流れる先を生成水室13若しくは生成水室14又は両方の何れかにする第三切替部である。なお、2つのバルブ35,36を用いる代わりに、1入力ポート・2出力ポートの切替弁を用いてもよい。
生成水室13と排水ポンプ39との間にバルブ37が設けられ、生成水室14と排水ポンプ39との間にバルブ38が設けられている。バルブ37が開弁していれば、排水ポンプ39が作動することによって生成水室13内の生成水が送出され、バルブ38が開弁していれば、排水ポンプ39が作動することによって生成水室14内の生成水が送出される。バルブ37,38は、生成水の送出元を生成水室13若しくは生成水室14又は両方の何れかにする第四切替部である。なお、2つのバルブ37,38を用いる代わりに、2入力ポート・1出力ポートの切替弁を用いてもよい。
排水ポンプ39は、生成水室13,14内の生成水を排水口40へ送液して排出するものである。
バルブ23〜26,28,35〜38は電気駆動弁であり、ポンプ22,27,32,39は電気的駆動ポンプであり、これらが図2に示された燃料電池制御部51によって制御される。燃料電池制御部51はCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータである。
また、燃料電池制御部51によって燃料電池発電部30が制御される。これにより、燃料電池発電部30の発電電力等が調整される。燃料電池発電部30の電力は、二次電池、歩行駆動部8、バルブ23〜26,28,35〜38、ポンプ22,27,32,39、その他のロボット本体1の各部に供給され、これらが燃料電池発電部30の電力により動作する。
ポンプ駆動部52は、補給ポンプ22の駆動回路であって、燃料電池制御部51の制御信号を増幅して制御信号に従って補給ポンプ22を駆動するものである。同様に、ポンプ駆動部53,54,55はそれぞれ供給ポンプ27、回収ポンプ32、排水ポンプ39を駆動するものである。
燃料貯留量検出部61は燃料室11に貯留された燃料と水の貯留量を検知し、電気信号に変換するものである。燃料貯留量検出部61によって検知された貯留量を表す信号は、燃料電池制御部51に出力される。
同様に、燃料室12内の燃料と水の貯留量は燃料貯留量検出部62によって、生成水室13内の生成水の貯留量は生成水貯留量検出部63によって、生成水室14内の生成水の貯留量は生成水貯留量検出部64によって検出される。貯留量検出部61〜64は、内部の液体の水位を検知する水位計、内部の液体の液面の位置を検知する液面計、内部の液体の重量を検知する重量計、内部の液体の電気抵抗を検知する電気抵抗計、内部の液体の静電容量を検知する静電容量計、その他のセンサを用いることができる。
燃料電池制御部51は、バルブ23〜26,28,35〜38、ポンプ22,27,32,39を制御するに際して、貯留量検出部61〜64の検出結果及び流量センサ29,33の検出結果を利用する。そのため、燃料電池制御部51は、貯留量検出部61〜64の検出結果及び流量センサ29,33の検出結果に基づきバルブ23〜26,28,35〜38、ポンプ22,27,32,39を制御する。
燃料電池制御部51の制御工程及びその制御工程に伴った発電装置10や二足歩行ロボットの動作について説明する。
まず、燃料補給に関する燃料電池制御部51の制御工程について説明する。燃料補給に関しては、燃料電池制御部51が、補給ポンプ22を駆動しながら、第一切替部(バルブ23,24)の切替制御を行う。これにより、燃料室11と燃料室12に交互に、燃料と水が所定量ずつ補給される。具体的には、図4に示すような制御工程が燃料電池制御部51によって行われる。図4は、燃料が燃料室11,12に補給される際において燃料電池制御部51の制御工程を示したフローチャートである。燃料電池制御部51が図4に示した制御工程を行う前に、ロボット制御部9によって歩行駆動部8が駆動され、これによりロボット本体1が直立不動状態になる。
図4に示すように、燃料室11内の燃料と水の貯留量が燃料貯留量検出部61によって検出され、その検出貯留量N1が燃料電池制御部51に出力される。同様に、燃料電池制御部51は、燃料室12内の燃料と水の検出貯留量N2を燃料貯留量検出部62より入力する(ステップS1)。この時には、ロボット本体1が直立状態であるので、燃料貯留量検出部61,62により検出結果が正確である。
次に、燃料電池制御部51は、検出貯留量N1と検出貯留量N2を比較する(ステップS2)。比較の結果、検出貯留量N1が検出貯留量N2未満であると燃料電池制御部51により判定された場合(ステップS2:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS3に移行し、検出貯留量N1が検出貯留量N2以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS2:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS13に移行する。
ステップS13においては、燃料電池制御部51がバルブ23を閉じ、バルブ24を開き、更に補給ポンプ22を駆動する。これにより、燃料と水が燃料補給口21から燃料室12へ送液され、燃料室12内に貯留される。その後、燃料電池制御部51の処理はステップS14に移行する。ステップS14以後の処理については後述する。
一方、ステップS3においては、燃料電池制御部51がバルブ23を開き、バルブ24を閉じ、更に補給ポンプ22を駆動する。これにより、燃料と水が燃料補給口21から燃料室11へ送液され、燃料室11内に貯留される。
ステップS3後において燃料電池制御部51が補給ポンプ22を駆動している時に、燃料電池制御部51がステップS1における検出貯留量N1をRAM等に記憶して更新し(ステップS4)、所定時間待機する(ステップS5)。以下、ステップS4において記憶した検出貯留量N1を前回貯留量NB1と称す。
所定時間経過したら、燃料電池制御部51が燃料貯留量検出部61によって新たに検出貯留量N1を検知してそれを入力する(ステップS6)。そして、燃料電池制御部51が、新たな検出貯留量N1を前回貯留量NB1と比較する(ステップS7)。比較の結果、検出貯留量N1と前回貯留量NB1が等しいと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS7:Yes)、補給する燃料と水が無いので、燃料電池制御部51の処理がステップS23に移行する。一方、検出貯留量N1と前回貯留量NB1が等しくないと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS7:No)、燃料と水が補給されているので、燃料電池制御部51の処理がステップS8に移行する。
ステップS8においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N1を上限値NF1と比較する。検出貯留量N1が上限値NF1未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS8:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS9に移行し、検出貯留量N1が上限値NF1以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS8:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS10に移行する。ここで、上限値NF1は、燃料室11内に貯留可能な燃料と水の最大量に設定されている。従って、検出貯留量N1が上限値NF1以上であると、燃料室11には燃料と水が満たされている。
ステップS10においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N2を上限値NF2と比較する。検出貯留量N2が上限値NF2未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS10:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS12に移行し、検出貯留量N2が上限値NF2以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS10:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS23に移行する。ここで、上限値NF2は、燃料室12内に貯留可能な燃料と水の最大量に設定されている。従って、検出貯留量N2が上限値NF2以上であると、燃料室12には燃料と水が満たされている。
一方、ステップS9においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N2と所定の微少量V0の和を検出貯留量N1と比較する。検出貯留量N1が検出貯留量N2と微少量V0の和未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS9:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS4に戻り、検出貯留量N1が検出貯留量N2と微少量V0の和以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS9:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS11に移行する。ここで、微少量V0は、上限値NF1よりも小さい値に設定されている。
ステップS11においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N2を上限値NF2と比較する。検出貯留量N2が上限値NF2未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS11:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS12に移行し、検出貯留量N2が上限値NF2以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS11:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS4に戻る。
ステップS12においては、燃料電池制御部51がバルブ23を閉じ、バルブ24を開く。これにより、燃料と水の補給先が燃料室11から燃料室12に切り替わる。その後、燃料電池制御部51の処理がステップS14に移行する。
ステップS13又はステップS12後において燃料電池制御部51が補給ポンプ22を駆動している時に、燃料電池制御部51がステップS1における検出貯留量N2をRAM等に記憶して更新し(ステップS14)、所定時間待機する(ステップS15)。以下、ステップS14において記憶した検出貯留量N2を前回貯留量NB2と称す。
所定時間経過したら、燃料電池制御部51が燃料貯留量検出部62によって新たに検出貯留量N2を検知してそれを入力する(ステップS16)。そして、燃料電池制御部51が、新たな検出貯留量N2を前回貯留量NB2と比較する(ステップS17)。比較の結果、検出貯留量N2と前回貯留量NB2が等しいと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS17:Yes)、補給する燃料と水が無いので、燃料電池制御部51の処理がステップS23に移行する。一方、検出貯留量N2と前回貯留量NB2が等しくないと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS17:No)、燃料と水が補給されているので、燃料電池制御部51の処理がステップS18に移行する。
ステップS18においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N2を上限値NF2と比較する。検出貯留量N2が上限値NF2未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS18:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS19に移行し、検出貯留量N2が上限値NF2以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS18:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS20に移行する。
ステップS20においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N1を上限値NF1と比較する。検出貯留量N1が上限値NF1未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS20:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS22に移行し、検出貯留量N1が上限値NF1以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS20:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS23に移行する。
一方、ステップS19においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N1と微少量V0の和を検出貯留量N2と比較する。検出貯留量N2が検出貯留量N1と微少量V0の和未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS19:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS14に戻り、検出貯留量N2が検出貯留量N1と微少量V0の和以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS19:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS21に移行する。
ステップS21においては、燃料電池制御部51が検出貯留量N1を上限値NF1と比較する。検出貯留量N1が上限値NF1未満であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS21:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS22に移行し、検出貯留量N1が上限値NF1以上であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS21:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS14に戻る。
ステップS22においては、燃料電池制御部51がバルブ23を開き、バルブ24を閉じる。これにより、燃料と水の補給先が燃料室12から燃料室11に切り替わる。その後、燃料電池制御部51の処理がステップS4に移行する。
ステップS23においては、燃料電池制御部51がバルブ23,24を閉じ、補給ポンプ22を停止する。そして、燃料電池制御部51による燃料補給処理に関する制御工程が終了する。
燃料電池制御部51が図4に示した処理を実行することによって、補給ポンプ22によって燃料と水が微少量V0だけ送液される毎に(ステップS9:No、又は、ステップS19:No)、燃料と水の補給先が燃料室11から燃料室12に又はその逆に切り替わる(ステップS12又はステップS22)。そのような切替が繰り返されることによって、燃料室11と燃料室12に交互に、燃料と水が微少量V0ずつ補給される。そして、最終的に、燃料室11,12の両方が燃料と水に満たされたら(ステップS10:No、又は、ステップS20:No)、燃料と水の補給が停止する(ステップS23)。燃料と水が補給されている時、燃料室11,12の両方が満たされる前に、補給する燃料と水が無くなった場合でも(ステップS7:Yes、又は、ステップS17:Yes)、燃料と水の補給が停止する(ステップS23)。
従って、燃料室11と燃料室12には、均等な量の燃料と水が補給され、燃料室11,12の内容量がほぼ等しくなる。そして、燃料室11と燃料室12が左右対称に配置されているから、ロボット本体1の重心が安定する。これによって、ロボット本体1が動作する際にも、重心の移動量を抑制することができる。
燃料電池発電部30の発電中における燃料供給に関する燃料電池制御部51の制御工程について説明する。燃料供給に関しては、燃料電池制御部51が、供給ポンプ27を駆動しながら、第二切替部(バルブ25,26)の切替制御を行う。これにより、燃料室11と燃料室12から交互に、燃料と水が所定量ずつ燃料電池発電部30に送出される。具体的には、図5に示すような制御工程が燃料電池制御部51によって行われる。図5は、燃料が燃料室11,12から燃料電池発電部30へ供給される際において燃料電池制御部51の制御工程を示したフローチャートである。
図5に示すように、燃料電池制御部51がバルブ25を開くとともに、バルブ26を閉じる(ステップS31)。これにより、燃料室11内の燃料と水が燃料電池発電部30に供給可能な状態になり、燃料室12内の燃料と水が燃料電池発電部30に供給不能な状態になる。
そして、燃料電池制御部51は流量制御処理を行う(ステップS32)。図6は、流量制御処理におけるサブルーチンの流れを示したチャートである。図6に示すように、流量制御処理においては、燃料電池制御部51がロボット制御部9から目標発電量を取得する(ステップS41)。目標発電量とは発電すべき発電量である。
燃料電池制御部51は、取得した目標発電量から、単位時間当たりの燃料供給量Rを算出する(ステップS42)。そして、燃料電池制御部51は、供給ポンプ27を駆動し、供給ポンプ27の駆動速度を調整する(ステップS43)。つまり、燃料電池制御部51が供給ポンプ27の駆動速度を、算出した単位時間当たりの燃料供給量Rにする。これにより、供給ポンプ27が作動し、単位時間当たり燃料供給量Rの燃料と水が燃料室11から燃料電池発電部30に供給される。
流量制御処理のサブルーチンが終了すると、図5に示すように、燃料電池制御部51は、ステップS31においてバルブ25が開いてからステップS33までの間に、燃料と水の供給総量が所定量V1になったか否かを判定する(ステップS33)。燃料と水の供給総量が所定量V1に至っていない場合には(ステップS33:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS32に戻り、燃料と水の供給総量が所定量V1に至っている場合には(ステップS33:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS34に移行する。なお、燃料と水の供給総量は、流量センサ29の検出流量を積算した値、又は、ステップS25における燃料貯留量検出部61の検出貯留量からステップS33における検出貯留量を差し引いた値である。このような計算は、燃料電池制御部51によって行われる。
ステップS34においては、燃料電池制御部51がバルブ25を閉じるとともに、バルブ26を開く。これにより、燃料室12内の燃料と水が燃料電池発電部30に供給可能な状態になり、燃料室11内の燃料と水が燃料電池発電部30に供給不能な状態になる。その後、燃料電池制御部51はステップS32と同様の流量制御処理(図6参照)を行う(ステップS35)。そして、燃料電池制御部51は、ステップS34においてバルブ26が開いてからステップS36までの間に、燃料と水の供給総量が所定量V1になったか否かを判定し(ステップS36)、燃料と水の供給総量が所定量V1に至っていない場合には(ステップS36:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS35に戻り、燃料と水の供給総量が所定量V1に至っている場合には(ステップS36:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS31に戻る。
燃料電池制御部51が図5、図6に示した処理を実行することによって、供給ポンプ27によって混合液(燃料と水)が所定量V1だけ送液される毎に(ステップS33:Yes、又は、ステップS36:Yes)、燃料と水の供給元が燃料室11から燃料室12に又はその逆に切り替わる(ステップS31又はステップS34)。そのような切替が繰り返されることによって、燃料室11と燃料室12から交互に、混合液が所定量V1ずつ送出され、燃料電池発電部30には、混合液が連続的に供給され、燃料電池発電部30の燃料電池における電気化学反応によって発電が起こる。
従って、燃料室11と燃料室12からは均等な量の燃料と水が排出され、燃料室11,12の内容量がほぼ等しくなる。そして、燃料室11と燃料室12が左右対称に配置されているから、ロボット本体1の重心が安定する。これによって、ロボット本体1が動作する際にも、重心の移動量を抑制することができる。
燃料電池発電部30の発電中における生成水分配に関する燃料電池制御部51の制御工程について説明する。燃料供給に関しては、燃料電池制御部51が、回収ポンプ32を駆動しながら、第三切替部(バルブ35,36)の切替制御を行う。これにより、水回収部31で凝縮して分離された生成水が、所定量ずつ、生成水室13と生成水室14へ交互に送出される。具体的には、図7に示すような制御工程が燃料電池制御部51によって行われる。図7は、生成水が生成水室13,14に回収される際において燃料電池制御部51の制御工程を示したフローチャートである。
燃料電池制御部51が回収ポンプ32を駆動し(ステップS51)、バルブ35を開くとともにバルブ36を閉じる(ステップS52)。これにより、生成水が生成水室13に送液される。
そして、燃料電池制御部51は、ステップS52でバルブ35が開いてからステップS53までの間に送液された生成水の総量を求める(ステップS53)。即ち、燃料電池制御部51は、流量センサ44の検出流量を積算して、送液された生成水の総量を算出する。そして、燃料電池制御部51は、ステップS53で求めた総量が所定量V2になったか否かを判定する(ステップS54)。求めた総量が所定量V2に至っていない場合には(ステップS54:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS53に戻り、求めた総量が所定量V2に至っている場合には(ステップS54:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS55に移行する。
ステップS55においては、燃料電池制御部51は、求めた総量をリセットする。そして、燃料電池制御部51は、バルブ35を閉じ、バルブ36を開く(ステップS56)。これにより、生成水が生成水室14に送液される。
そして、燃料電池制御部51は、ステップS56でバルブ36が開いてからステップS57までの間に送液された生成水の総量を、流量センサ44の検出流量の積算により求める(ステップS57)。燃料電池制御部51は、ステップS57で求めた総量が所定量V2になったか否かを判定する(ステップS58)。求めた総量が所定量V2に至っていない場合には(ステップS58:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS57に戻り、求めた総量が所定量V2に至っている場合には(ステップS58:Yes)、燃料電池制御部51が総量をリセットする(ステップS59)。ステップS59後、燃料電池制御部51の処理がステップS52に戻る。
燃料電池制御部51が図7に示した処理を実行することによって、回収ポンプ32によって生成水が所定量V2だけ送液される毎に(ステップS54:Yes、又は、ステップS58:Yes)、生成水の送液先が生成水室13から生成水室14に又はその逆に切り替わる(ステップS52又はステップS56)。そのような切替が繰り返されることによって、生成水室13と生成水室14に交互に、生成水が所定量V2ずつ送られる。
従って、生成水室13と生成水室14には、均等な量の生成水が貯留され、生成水室13,14の内容量がほぼ等しくなる。そして、生成水室13と生成水室14が左右対称に配置されているから、ロボット本体1の重心が安定する。これによって、ロボット本体1が動作する際にも、重心の移動量を抑制することができる。
排水に関する燃料電池制御部51の制御工程について説明する。排水補給に関しては、燃料電池制御部51が、補給ポンプ22を駆動しながら、第四切替部(バルブ37,38)の切替制御を行う。これにより、生成水室13と生成水室14から交互に、生成水が所定量ずつ排出される。具体的には、図8に示すような制御工程が燃料電池制御部51によって行われる。図8は、排水の際の燃料電池制御部51の制御工程を示したフローチャートである。燃料電池制御部51が図8に示した制御工程を行う前に、ロボット制御部9によって歩行駆動部8が駆動され、これによりロボット本体1が直立不動状態になる。
生成水室13内の生成水の貯留量が生成水貯留量検出部63によって検出され、その検出貯留量M1が燃料電池制御部51に出力される。同様に、燃料電池制御部51は、生成水室14内の生成水の検出貯留量M2を生成水貯留量検出部64より入力する(ステップS61)。この時には、二足歩行ロボット本体1が直立状態であるので、生成水貯留量検出部63,64により検出結果が正確である。
次に、燃料電池制御部51は、検出貯留量M1と検出貯留量M2を比較する(ステップS62)。比較の結果、検出貯留量M1が検出貯留量M2を超えていると燃料電池制御部51により判定された場合(ステップS62:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS63に移行し、検出貯留量M1が検出貯留量M2以下であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS62:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS70に移行する。
ステップS70においては、燃料電池制御部51がバルブ37を閉じ、バルブ38を開き、更に排水ポンプ39を駆動する。これにより、生成水室14内の生成水が排出される。その後、燃料電池制御部51の処理はステップS71に移行する。ステップS71以後の処理については後述する。
一方、ステップS63においては、燃料電池制御部51がバルブ37を開き、バルブ38を閉じ、更に排水ポンプ39を駆動する。これにより、生成水室13内の生成水が排出される。
ステップS63後において燃料電池制御部51が排水ポンプ39を駆動している時に、所定時間待機する(ステップS64)。所定時間経過したら、燃料電池制御部51が生成水貯留量検出部63によって新たに検出貯留量M1を検知してそれを入力する(ステップS66)。そして、燃料電池制御部51は、新たな検出貯留量M1がゼロであるか否かを判定する(ステップS66)。検出貯留量M1がゼロであると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS66:Yes)、生成水室13内に生成水が無いので、燃料電池制御部51の処理がステップS68に移行し、検出貯留量M1がゼロでないと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS66:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS67に移行する。ステップS68では、検出貯留量M2がゼロであると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS68:Yes)、生成水室14内に生成水が無いので、燃料電池制御部51の処理がステップS77に移行し、検出貯留量M2がゼロでないと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS68:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS69に移行する。一方、ステップS67では、燃料電池制御部51が検出貯留量M2と所定の微少量V3の差を検出貯留量M1と比較する。検出貯留量M1が検出貯留量M2と微少量V3の差を超えていると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS67:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS64に戻り、検出貯留量M1が検出貯留量M2と微少量V3の差以下であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS67:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS69に移行する。
ステップS69においては、燃料電池制御部51がバルブ37を閉じ、バルブ38を開く。これにより、生成水の排水元が生成水室13から生成水室14に切り替わる。その後、燃料電池制御部51の処理がステップS71に移行する。
ステップS69又はステップS70後において燃料電池制御部51が排水ポンプ39を駆動している時に、所定時間待機する。所定時間経過したら、燃料電池制御部51が生成水貯留量検出部64によって新たに検出貯留量M2を検知してそれを入力する(ステップS72)。そして、燃料電池制御部51は、新たな検出貯留量M2がゼロであるか否かを判定する(ステップS73)。検出貯留量M2がゼロであると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS73:Yes)、生成水室14内に生成水が無いので、燃料電池制御部51の処理がステップS75に移行し、検出貯留量M2がゼロでないと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS73:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS74に移行する。ステップS75では、検出貯留量M1がゼロであると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS75:Yes)、生成水室13内に生成水が無いので、燃料電池制御部51の処理がステップS77に移行し、検出貯留量M1がゼロでないと燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS75:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS76に移行する。一方、ステップS74では、燃料電池制御部51が検出貯留量M1と所定の微少量V3の差を検出貯留量M2と比較する。検出貯留量M2が検出貯留量M1と微少量V3の差を超えていると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS74:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS71に戻り、検出貯留量M2が検出貯留量M1と微少量V3の差以下であると燃料電池制御部51によって判定された場合(ステップS74:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS76に移行する。
ステップS76においては、燃料電池制御部51がバルブ37を開き、バルブ38を閉じる。これにより、生成水の排水元が生成水室14から生成水室13に切り替わる。その後、燃料電池制御部51の処理がステップS64に移行する。
ステップS77においては、燃料電池制御部51がバルブ37,38を閉じ、排水ポンプ39を停止する。そして、燃料電池制御部51による排水処理に関する制御工程が終了する。
燃料電池制御部51が図8に示した処理を実行することによって、排水ポンプ39によって生成水が微少量V3だけ送液される毎に(ステップS67:No、又は、ステップS74:No)、生成水の排水元が生成水室13から生成水室14に又はその逆に切り替わる(ステップS69又はステップS76)。そのような切替が繰り返されることによって、生成水室13と生成水室14から交互に、生成水が微少量V3ずつ排出される。そして、最終的に、生成水室13,14の両方の生成水が空になったら(ステップS68:Yes、又は、ステップS75:Yes)、生成水の排水が停止する(ステップS77)。
従って、生成水室13と生成水室14からは、均等な量の生成水が排出され、生成水室13,14の内容量がほぼ等しくなる。そして、生成水室13と生成水室14が左右対称に配置されているから、ロボット本体1の重心が安定する。これによって、ロボット本体1が動作する際にも、重心の移動量を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下の各変形例についても、ロボット本体1を含む機器が動作する際に重心の移動量を抑制することができる。
上記実施形態では左から生成水室13、燃料室11、燃料室12、生成水室14の順に一列に配列されているが、左から燃料室11、生成水室13、生成水室14、燃料室12の順に一列に配列されていてもよい。この場合でも、燃料室11と燃料室12が左右対称に配置され、生成水室13と生成水室14が左右対称に配置されている。
また、前から生成水室13、燃料室11、燃料室12、生成水室14の順に、又は、燃料室11、生成水室13、生成水室14、燃料室12の順に一列に配列されていてもよい。この場合、燃料室11と燃料室12が前後対称に配置され、生成水室13と生成水室14が前後対称に配置されている。
また、燃料室の数は偶数であれば、4室以上であってもよい。生成水室の数も偶数であれば、4室以上であってもよい。燃料室が4室以上である場合には、これら燃料室が前後方向又は左右方向に一列に配列され、これら燃料室が前後対称に又は前後対称に配置されている。生成水室が4室以上である場合にも、これら生成水室が前後方向又は左右方向に一列に配列され、これら生成水室が前後対称又は左右対称に配置されている。
燃料室11,12が設けられる部分は、胴部2でなくてもよい。例えば、燃料室11が腕部4に設けられ、燃料室12が腕部5に設けられてもよい(第1例)。燃料室11が脚部6に設けられ、燃料室12が脚部7に設けられてもよい(第2例)。この第1例や第2例の場合でも、燃料室11,12の設けられる位置は、左右対称位置である。
生成水室13,14が設けられる部分は、胴部2でなくてもよい。例えば、生成水室13が腕部4に設けられ、生成水室14が腕部5に設けられてもよい(第3例)。生成水室13が脚部6に設けられ、生成水室14が脚部7に設けられてもよい(第4例)。第3例や第4例の場合でも、生成水室13,14が設けられる位置は、左右対称位置である。
また、上記実施形態では、液体貯留用室として燃料室11,12と生成水室13,14の両方があったが、燃料室11,12だけであってもよいし、生成水室13,14だけであってもよい。
また、ロボット本体1は二足歩行ロボットの本体であるが、四足歩行ロボットといった脚式歩行ロボットであればよい。つまり、ロボット本体1は、動作する際に重心位置が変化するものであればよい。
また、燃料室と生成水室の数が等しくなくてもよい。燃料室や生成水室の数が多くなるほど、効果も高まる。
また、燃料室11,12内の燃料貯留量が均等になるように制御をしたが、均等でなくてもロボット本体1の重心の位置が適正に保たれればよい。生成水室13,14内の生成水貯留量が均等でなくても、ロボット本体1の重心位置が適正に保たれればよい。
また、室11〜14のうち一の室は他の室と完全に分離されているとしたが、重心の位置に実質的に大きな影響を与える燃料や生成水の移動が抑えられればよいので、完全には分離されていなくてもよい。例えば、ロボット本体1が転倒したり大きく体が傾いたりする可能性が低い場合、燃料室11,12の上部を連通させ、下部は仕切板で区切ることによって、複数の空間(液体貯留領域)に区切ってもよい。
また、燃料室11,12の燃料貯留量を均等にするために、供給ポンプ27と流量センサ29を共通として、バルブ25,26を交互に開閉して制御したが、燃料室11,12ごとにポンプと流量センサを設けて同時に並行して送液してもよい。回収ポンプ32と流量センサ33と生成水室も生成水室13,14に共通でなく、生成水室13,14に別個に設けてもよい。
また、燃料電池発電部30の他にもう一つ燃料電池発電部を設け、燃料室11から燃料電池発電部30へ、燃料室12からもう一方の燃料電池発電部に送液し、燃料電池発電部30から生成水室13へ、もう一方の燃料電池発電部から生成水室14へ送液してもよい。
また、バルブについては、電気駆動式の流量制御弁を用いてもよい。
また、流量センサ29,33を用いて、燃料を均等に消費したり生成水を均等に蓄積したりするようにしたが、ロボット本体1の動作中でも正しく検出できるような場合には、貯留量検出部61〜64を利用してもよい。逆に、燃料室貯留量検出部や生成水室貯留量検出部を用いず、流量センサ29,33を用いて、燃料補給や生成水排出を制御してもよい。
また、生成水室13,14に貯留された生成水を改質、加湿又は冷却に再利用してもよい。
また、燃料室11,12に貯留されるのは、燃料と水の混合液でなく、純燃料であってもよい。
また、燃料室11,12や生成水室13,14とは別個に、燃料を改質するためなどに用いる水を収容する同様な室を設けても良い。生成水は、たとえば燃料ステーションなどで外部へ水のまま排出するとしたが、ロボット本体1内のポンプ39の下流側に蒸発器を設け、その蒸発器で蒸発してから排出するものとしてもよい。その場合も排水処理は全く同様に用いることができて、生成水室13,14から生成水を均等に蒸発させていくことになる。
また、燃料室11と生成水室13を仕切った状態で1つのカートリッジに設け、そのカートリッジをロボット本体1から取り外したり取り付けたりできるようにしてもよい。同様に、燃料室12と生成水室14を1つのカートリッジに設けてもよい。
上述の実施形態又は変形例では動作する機器としてロボット本体1を例に説明したが、これに限らず、本体が動作する際に液体貯留用室内の液体が揺れることによって重心が移動する機器であればよい。それらの動作機器に本発明を適用する場合にも、動作機器が動作する際に重心の移動量を抑制することができることは言うまでもない。