JP2009082106A - ヘリコバクター・シネディー由来ポリペプチド及びその利用方法 - Google Patents

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孝章 赤池
Yutaka Sasaki
裕 佐々木
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Abstract

【課題】ヘリコバクター・シネディー(H. cinaedi)由来の組換えポリペプチド(分子量30kD)及びこれを用いたヘリコバクター・シネディー感染患者の血清学的診断法の提供。
【解決手段】固相抗原として、特定のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(1)ヘリコバクター・シネディー感染患者血清と結合することができる及び(2)1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、付加、あるいは置換されたアミノ酸配列を有する特徴を有する該ポリペプチド、該ポリペプチドの一部からなるペプチドであって、ヘリコバクター・シネディー感染患者血清と結合することができる前記ペプチドのいずれかのポリペプチド又はペプチドを用いた抗原抗体法からなる、ヘリコバクター・シネディー感染患者の血清学的診断法。該血清学的診断法は、ELISA法、ウエスタンブロット法及びドットブロット法からなる群より選ばれてよい。
【選択図】なし

Description

本願発明は、病原菌ヘリコバクター・シネディー(Helicobacter cinaedi、以下「H. cinaedi」と称することもある)由来のポリペプチド及びその利用に関する。詳細には、本願発明は、H. cinaediが産生する分子量30kDaのポリペプチド及びこれをコードする遺伝子、並びに当該ポリペプチドを用いたH. cinaedi感染患者の血清学的診断法に関する。
H. cinaediは、1980年代になって、下痢を呈する同性愛男性患者の直腸から分離培養された病原体であるが、その後、AIDSなど免疫不全の患者の血液から分離されるようになり、菌血症・敗血症、蜂窩織炎等を起こしうる細菌として認識されている。これまで報告された菌血症(敗血症)の症例数は比較的少ないが、その中では主に免疫不全患者に日和見感染症として発症するという例が多かった。しかしながら、近年免疫不全患者以外の血液からの分離例も散見されるようになってきている。
本発明者らは、熊本市内の某整形外科病院での、集中的なH. cinaedi菌血症・蜂窩織炎の発症の報告を受け、これまで本菌の遺伝子解析(現愛知学院大学河村好章教授との共同研究)や患者血清を使用した血清学的診断法の開発と感染病態の解明に向けた研究を進めてきた。その結果、本菌による感染症が決して稀なものではなく、また、健常人においても感染が拡大している可能性を指摘しているところである(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、患者試料(血液、便など)からの本菌の効果的な分離培養・同定法が確立しておらず、今後、血清学的診断法の開発が急務であると考えている。また、血清学的診断法は、H. cinaediの感染経路や感染拡大状況を調べる上でも大変有益であるといえる。
J. Clin. Micorbiol. 45: 31-38, 2007
したがって、本願発明の目的は、H. cinaediに特有のポリペプチドを単離し、当該ポリペプチドを用いたH. cinaedi感染患者の血清学的診断法を提供することにある。
本願発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、H. cinaedi感染患者血清とH. cinaediの菌体成分を用いて施行したウエスタンブロットにおいて、患者血清中に本菌の分子量30kDaのポリペプチド(以下、「HC30ポリペプチド」と称することもある)に対して強い反応を示す抗体が存在することを発見した。さらに、H. cinaediのゲノムライブラリーを作製し、免疫ウサギ血清及び感染患者血清と強く反応するHC30ポリペプチドをコードする遺伝子のクローニングに成功した。また、大腸菌を用いて作製したH. cinaedi由来のHC30ポリペプチドについて、H. cinaedi感染患者血清を用いたウエスタンブロット解析を行い、当該HC30ポリペプチドがH. cinaedi感染症の主要な抗原蛋白質であることを確認し、本願発明を完成するに至った。
したがって、本願発明は、以下の通りである。
1.配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド。
2.下記(1)及び(2)の特徴を有する、上記1のポリペプチド:
(1)ヘリコバクター・シネディー感染患者血清と結合することができる、
(2)1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、付加、あるいは置換されたアミノ酸配列を有する。
3.ヘリコバクター・シネディー由来であることを特徴とする、上記1又は2のポリペプチド。
4.遺伝子組み換え技術により得られる上記1ないし3の何れかのポリペプチド。
5.上記1ないし4の何れかのポリペプチドの一部からなるペプチドであって、ヘリコバクター・シネディー感染患者血清と結合することができる前記ペプチド。
6.上記1ないし5の何れかのポリペプチド又はペプチドをコードする核酸断片。
7.配列表の配列番号2で示される塩基配列を有する、上記6の核酸断片。
8.上記1ないし5の何れかのポリペプチド又はペプチドと結合することができる抗体。
9.上記1ないし5の何れかのポリペプチド又はペプチドを固相抗原とする抗原抗体法からなる、ヘリコバクター・シネディー感染患者の血清学的診断法。
10.ELISA法、ウエスタンブロット法及びドットブロット法からなる群より選ばれる抗原抗体法である、上記9の血清学的診断法。
11.配列表の配列番号1で示される塩基配列を有する核酸断片。
12.下記(1)及び(2)の特徴を有する、上記11の核酸断片:
(1)ヘリコバクター・シネディーのゲノム由来である、
(2)1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、付加、あるいは置換された塩基配列を有する。
本願発明に従えば、H. cinaedi感染患者血清と強く結合するHC30ポリペプチド又は当該HC30ポリペプチドの一部からなるペプチド(以下、「HCペプチド」と称することもある)及びこれらの利用方法が提供される。ここで、本願発明におけるHCペプチドとは、本願発明のHC30ポリペプチドの一部を構成するペプチドであって、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列を有する本願発明のポリペプチドを除く、当該ポリペプチドより短いアミノ酸配列からなるペプチドであって、H. cinaedi感染患者血清と結合することができるものと定義される。
例えば、HC30ポリペプチドは、これを固相抗原としたELISA系を構築するために使用される。当該ELISA系は、簡便で信頼性のおけるH. cinaedi感染患者の血清学的診断法を確立するために利用することができ、斯かる血清学的診断法は、H. cinaedi感染症の疫学、病態解明に適用される。
本願発明のHC30ポリペプチド及びその一部を構成するHCペプチドをコードする遺伝子は、例えば、組換えHC30ポリペプチドやHCペプチドを作製するために使用され、また、H. cinaedi菌を遺伝子レベルで同定するための材料にも使用される。
本願発明は、H. cinaedi由来の分子量30kDaのポリペプチド(HC30ポリペプチド)及び当該HC30ポリペプチドを固相抗原とした抗原抗体法によるH. cinaedi感染患者の血清学的診断法によって特徴付けられる。
H. cinaediの単離は、一般的な細菌の分離方法、例えば、非特許文献1記載の方法に従って行われる。簡単には、H. cinaedi感染患者の静脈又は動脈から採取した血液をBD BACTEC Plus Aerobic/system(Becton Dickinson and Company, Franklin Lakes, NJ)を用い、添付のプロトコールに従って培養し、その一部をCampylobacter Agar(Becton Dickinson社)上に接種し、微好気性条件下(CampyPak microaerophilic system; Becton Dickinson社)で、37℃で培養する。形成されたコロニーのグラム染色を行い、顕微鏡下で観察して、螺旋状の菌を単離する。糞便から菌体を取得する場合もCampylobacter Agarに接種後、同様の方法がとられる。こうして単離された菌体は、当該菌体の溶解液とH. cinaedi感染患者血清との反応性を調べることにより同定される。また、数種のH. cinaedi感染患者血清を用いることにより、これらと強く反応するポリペプチドを同定することができる。このようなH. cinaedi感染における主要抗原として同定されるポリペプチドは、分子量30kDaからなるポリペプチド(HC30ポリペプチド)である。
H. cinaediの増殖には、通常のヘリコバクター菌の培養に用いられる培養条件を使用すれば良い。例えば、菌体は、Brain Heart Infusion培地(DIFCO社)、Brucella培地(Becton Dickinson社)に接種後、37℃、3〜5日間微好気培養を行い、培養物を低速遠心分離することにより、効率よく回収される。HC30ポリペプチドは、回収された菌体から精製することもできるが、一定の品質を確保し、安定的な供給を可能にする遺伝子組み換え技術を用いた方法により取得するのが好ましい。
H. cinaediからHC30ポリペプチドをコードする遺伝子を取得する場合は、Sambrookらが述べている一般的な方法(Molecular Cloning (3rd Ed.), Vol. 3, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001))に準じた方法がとられる。すなわち、H. cinaediからDNeasyR Tissueキット(QIAGEN社)を用い、添付のプロトコールに従ってゲノムDNAを抽出・精製し、これを適当な制限酵素(好ましくは、HindIIIが使用される)で切断し、市販のクローニングベクター(例えば、プラスミドpBluescript)に組み込み、DNAライブラリーを調製する。これを大腸菌(例えば、ElectroMAX DH10B T1Phage-Resistant Competent cell)導入し、LD寒天培地で形成したコロニーをニトロセルロースなどの膜に転写した後、H. cinaedi免疫血清でイムノスクリーニングし、免疫血清と反応する陽性クローンを分離する。H. cinaedi免疫血清は、H. cinaedi菌体とアジュバントとの混合物を、種々の動物、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌ、サルなどに3〜4回、1〜2週間隔で投与し、その後採血した血液を遠心分離することにより得られる。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウム(例えば、ImjectAlum(ピアース社)、などを使用できるが、特に制限はない。投与方法についても、特に制限はなく、例えば、皮下、皮内、腹腔内、点鼻など通常使用される接種ルートにより投与される。イムノスクリーニングの二次抗体としては、HRP、蛍光標識、RI、ビオチン化などの方法により標識された、種々の動物由来の標識IgG抗体が市販されているのでこれらを利用すれば良い。
次いで、各陽性クローンについてSDS-PAGE、ウエスタンブロットを行い、分子量30kDaのポリペプチドを発現しているクローンを取得する。一方で、得られた陽性クローンからプラスミドを抽出し、ゲノム断片の塩基配列の決定が行われる。塩基配列の決定には、DNAシークエンサー、例えば、model 3100(Applied Biosystems社)が使用される。こうして配列表の配列番号1に記載の塩基配列からなるゲノム断片(以下、「HC4309遺伝子」と称することもある)が取得される。次いで、HC4309遺伝子の塩基配列から読み取られるオープンリーディングフレーム(OLF)のサイズに基づいてその塩基配列から推測されるアミノ酸配列の分子量を算出することにより、HC30ポリペプチドをコードする遺伝子(以下、「HC30遺伝子」と称することもある)の確認が行われる。HC30遺伝子の塩基配列を配列番号2に示す。また、HC30ポリペプチドをコードする遺伝子の塩基配列と既存のデータベース(例えば、GeneBank、EMBLなど)との相同性検索を行なうことにより、その新規性あるいは同属菌との類似性を確認することができる。本願発明のHC30ポリペプチドは、GeneBankの相同性検索により、類縁の細菌であるH. hepaticusのouter membrane proteinと推定されている蛋白質と高い相同性(80%、アミノ酸配列)を有していることが分かった。
HC30遺伝子領域を取得する場合は、HC4309遺伝子を鋳型としてPCRを行い、HC30遺伝子領域の増幅が行われる。PCRは、市販のDNAポリメラーゼKOD plusキット(東洋紡ライフサイエンス社)、Advantage HF-2 PCR Kit(BC Bioscience)などを用い、添付のプロトコールに従って行えばよい。PCR用プライマーは、DNA合成受託機関(例えば、QIAGEN社)などに依頼すれば容易に入手可能である。この時、5'側にKOZAK配列(Kozak M, J. Mol. Biol., 196, 947 (1987))や適切な制限酵素切断部位の配列を付加することが望ましい。場合によっては、目的産物の精製を容易にするためにヒスチジンオリゴマーをコードする配列を付加することもある。本願発明においては、PCRの5'側プライマーとして5'側に制限酵素Nco1と10個のヒスチジンが付加するように設計されたHCP30PCR-5(配列番号4)、3'側プライマーとして制限酵素BamH1が付加されるように設計されたHCP30PCR-3(配列番号5)を用いた。PCRにより得られたDNA断片の塩基配列は、TAクローニングキット(インビトロジェン社)等を用いてクローニングした後、上記のDNAシークエンサーにより決定される。
こうして得られたHC30遺伝子に点変異を導入するときは、サイトダイレクティドミュータジェネシス法を使用するのが一般的である。実際には、本技術を応用したTakara社のSite-Directed Mutagenesis System(Mutan-Super Express Km、Mutan-Express Km、Mutan-Kなど)、Stratagene社のQuickChange Multi Site-Directed Mutagenesis Kit、QuickChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit、Invitrogen社のGeneTailor Site-Directed Mutagenesis Systemなどの市販のキットを用い添付のプロトコールに従って行われる。
HC30遺伝子を適当な発現ベクターに組み込み、当該発現ベクターで宿主を形質転換することによって、HC30ポリペプチドの発現が行なわれる。宿主としては、外来蛋白の発現に常用される細菌、酵母、動物細胞、植物細胞及び昆虫細胞などを使用できるが、H. cinaedi患者血清と特異的且つ高い反応性を示すならば、いずれを用いても良い。好ましくは、大量に発現させることができる大腸菌が使用される。宿主として大腸菌を用いる場合は、大腸菌発現用に、trpプロモーター、T7プロモーター、cspAプロモーターを有する種々の発現ベクターが開発・市販されているのでこれらの中から適宜選択して使用すれば良い。発現ベクターに合わせて適当な大腸菌、例えば、BL21、HMS174、DH5α、HB101、JM109などが宿主として選択される。大腸菌の形質転換は、市販のコンピテントセルを用い、添付の方法に従って行うことができる。大腸菌の培養に使用される培地(例えば、LB、SOC、SOBなど)及び形質転換体の選択に用いられる試薬(例えば、アンピシリンなど)や発現誘導に使用される試薬(例えば、インドール酢酸(IAA)、イソプロピルチオ−ベータ-D-ガラクトシド(IPTG))は、一般に市販されているものを使用すれば良い。また、培地のpHは、大腸菌の増殖に適した範囲(pH7.2〜7.6)で用いられる。
宿主細胞を形質転換するときには公知の方法を利用すればよい。例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、リポフェクチン系のリポソームを用いる方法、プロトプラストポリエチレングリコール融合法、エレクトロポレーション法などが利用でき、使用する宿主細胞により適当な方法を選択すればよい。
H. cinaedi菌体又はHC30ポリペプチド産生大腸菌からHC30ポリペプチドを精製する際には、一般に、蛋白質化学において使用される精製方法、例えば、遠心分離、塩析、限外ろ過、等電点沈殿、電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、アフィニティクロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、CSレジンクロマトグラフィーなどの方法を組み合わせた方法が用いられる。得られた蛋白質の量は、BCA Protein Assay Reagent Kit(Pierce Biotechnology, Inc)、Protein Assay Kit(BIO-RAD, Inc)などの蛋白測定試薬を用いて測定される。
HC30ポリペプチドの精製を容易にするために他のポリペプチドやペプチドと融合させた形で発現させても良い。このような融合蛋白を発現させるベクターとして、オリゴヒスチジンを付加することができるHis-tag発現システム(Novagen社)、FLAGタグを付加した融合蛋白を発現させることができるシステム(シグマ社)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白を作製することができるGST融合タンパク質精製システム(アマシャムファルマシア社)、MagneHis Protein Purification System(Promega Inc)などが挙げられる。例えば、本発明の実施例で行なわれたようにオリゴヒスチジンとの融合蛋白として発現させた後、ニッケルアフィニティーカラム(QIAGEN社)用いてHC30ポリペプチドが特異的に精製される。
HC30ポリペプチドの検出や精製度の確認は、SDS-PAGE、ゲルろ過などの分子サイズに基づく方法やELISA法、ウェスタンブロット法、ドットブロット法などの抗原抗体反応に基づく方法により行なわれる。いずれも外来蛋白を検出する際の一般的な方法であり、目的に応じて適宜選択すれば良い。また、得られた蛋白質の量は、BCA Protein Assay Reagent Kit(Pierce Biotechnology, Inc)、Protein Assay Kit(BIO-RAD, Inc)などの蛋白測定試薬を用いて測定される。
こうして得られたHC30ポリペプチドは、H. cinaedi感染患者の血清学的診断法を確立するために使用される。具体的には、ELISA法、ウエスタンブロット法、ドットブロット法等の抗原抗体法が適用される。血清学的診断を行う場合は、多数の検体を取り扱うことが多いので、抗原を固相化したマイクロプレート法によるELISA法が好ましい。より具体的には、以下の方法がとられる。マイクロプレートに固相化した抗原と適当に希釈した患者血清を反応させ、洗浄後、二次抗体として標識した抗ヒト抗体を反応させ、洗浄後、発色試薬を添加し、発色反応を行う。反応停止後、490nmで吸光度を測定する。抗体量を測定するときは、ウシ血清アルブミン(BSA)を標準物質として作成される検量線からその量が算出される。マイクロプレートに固相化する抗原としては、菌体から精製したHC30ポリペプチド、組換えHC30ポリペプチドが使用できる。また、感度の低下や非特異反応の増大をきたさない限り、これらのポリペプチドの一部で構成されるHCペプチド及びHC30ポリペプチドやHCペプチドの一部にアミノ酸変異を加えた変異体も使用することができる。好ましくは、組換えHC30ポリペプチドが使用される。抗原のマイクロプレートへの固相化は、抗原量1〜2μg/ml、室温(25℃前後)で1〜2時間又は低温(4℃前後)で16〜20時間放置することにより行われる。非特異反応を抑えるためのブロック試薬として、ブロックエース(雪印社)、BSA(Sigma社)、ゼラチン(Sigma社)が挙げられるが、適宜選択し使用すれば良い。各反応後の洗浄には、PBS等が使用され、反応停止には、2モルの硫酸が使用される。二次抗体としては、HRP、蛍光標識、RI、ビオチン化により標識された抗ヒトIgGモノクローナル抗体、例えば、Goat抗ヒトIgG-HRP抗体(Sigma社)が市販されているのでこれらを使用すれば良い。
最初にマイクロプレートにHC30ポリペプチドに対する抗体を固定し、この抗体にHC30ポリペプチドを結合させた二次抗体サンドイッチ法によるELISA法を用いても良い。この場合、HC30ポリペプチドに対する抗体はポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれも使用できる。ポリクローナル抗体は、上記のH. cinaedi免疫血清と同様の方法により取得される。また、モノクローナル抗体は、HC30ポリペプチドで免疫した動物から脾細胞もしくはリンパ球等の抗体産生細胞を採取し、Milsteinらの方法(Method Enzymol., 73, 3−46, 1981)に従って、ミエローマ細胞株等と融合し、HC30ポリペプチドに対する抗体を産生するハイブリドーマを作製することにより得られる。また、ファージディスプレイ技術を利用した抗体作製技術(Phage Display of Peptides and Proteins: A Laboratory Manual Edited by Brian K. Kay et al.、Antibody Engineering: A PRACTICAL APPROACH Edited by J. McCAFFERTY et al.、ANTIBODY ENGINEERING second edition edited by Carl A. K. BORREBAECK)によりHC30ポリペプチドと結合する抗体を作製することもできる。こうして確立された血清学的診断法は、H. cinaedi感染の血清診断に応用することにより、H. cinaedi感染症の疫学、病態解明に有効に利用される。
以下、実施例に従い、本発明を更に詳細に説明するが、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
HC30ポリペプチド遺伝子の取得
H. cinaedi菌体をBrain Heart Infusion培地中、37℃、4日間微好気培養し、培養物を遠心分離(3500rpm、10分間)し、菌体を回収した。DNeasyR Tissueキット(QIAGEN社)を用いて、添付のプロトコールに従って、ゲノムDNAを抽出した。得られたゲノムDNAを制限酵素HindIIIで消化した後、0.7%アガロース電気泳動にかけ、DNA断片を抽出した後、同制限酵素であらかじめ消化したpBluescript SK+(Stratagene社)と混合し、ライゲーションした。これをElectroMAX DH10B T1Phage-Resistant Competent cells(Invitrogen 社)に導入し、H. cinaedi DNAライブラリーを調製した。これをLB(Amp)-Xgalプレートにて培養し、生じたコロニーをニトロセルロース膜に転写し、H. cinaediで免疫したウサギ血清(抗H. cinaediウサギ血清)を用いてイムノスクリーニングを行った。陽性コロニーをクローニングし、その内4クローンについてPBSで懸濁した菌体を超音波破砕し、SDS-PAGE・ウェスタンブロットを行った。発現蛋白の検出には、一次抗体として、抗H. cinaediウサギ血清及びH. cinaedi感染患者血清を用いた。二次抗体として、HRP標識した抗ヒトIgG抗体を用いた。その結果を図1に示す。
一方で、分子量30kDaのポリペプチド(HC30ポリペプチド)を発現しているクローンのプラスミドを抽出し、プラスミドに組み込まれたH. cinaediのゲノム断片(Clone9-5、4309bp)の塩基配列を、自動DNAシークエンサー(model 3100;Applied Biosystems社)を用いて決定した(HC4309遺伝子;配列番号1)。該塩基配列についてOLFの解析からHC30ポリペプチドをコードする領域を確認した。その領域の塩基配列及び当該塩基配列から推測されるアミノ酸配列をそれぞれ配列表の配列番号2及び3に示す。
HC30ポリペプチドの発現
実施例1で得たゲノム断片(Clone9-5)を鋳型として、HCP30PCR-5(配列番号4)及びHCP30PCR-3(配列番号5)のプライマーを用いてPCR(KOD plusキット;東洋紡ライフサイエンス社)行い、5'側にHis-tagを付加したHC30ポリペプチドをコードする遺伝子(HC30遺伝子)を増幅した。得られたDNA断片を制限酵素Nco1(タカラバイオ社)とBamH1(タカラバイオ社)で消化し、これを予め同じ制限酵素で消化したpET3d発現ベクター(Novagen社)と混合しライゲーションを行った。これを大腸菌BL21に導入し、得られた形質転換体のIPTG誘導下にHC30ポリペプチドを発現させた。菌体中のHC30ポリペプチドは、ニッケルアフィニティーカラムをNi-NTA Agarose(QIAGEN社)を用いて作成し、添付のプロトコールに従って精製した。精製物についてSDS-PAGE及びウェスタンブロットを行った。ウエスタンブロットの一次抗体として実施例1で使用した抗H. cinaediウサギ血清を用いた。その結果を図2に示す。
HC30ポリペプチドを固相化したELISAの構築
実施例2で精製したHC30ポリペプチドを用いてELISAを構築した。2μg/mLのHC30ポリペプチド100μlを96ウェルマイクロプレート(NUNC社)に入れ、4℃、16時間放置した。吸引後、リン酸緩衝液で洗浄後、ブロッキング試薬(BSA)を加え、室温、1時間放置した。吸引後、リン酸緩衝液で200倍に希釈したH. cinaedi感染患者の血清100μl/ウェルを加え、37℃、1時間反応させた。洗浄後、2000倍に希釈した二次抗体Goat抗ヒトIgG-HRP(Sigma社)を100μl/ウェルを加え、37℃、1時間反応させた後、発色液(o-フェニレンジアミン二塩酸塩)を100μl/ウェル加え、室温で4分間発色した後、2モル硫酸50μl/ウェルを加えて反応を停止した。反応停止後、490nmで吸光度を測定した。コントロールとして、健常人、H. pylori感染者及び0才児の血清を用いた。その結果を表1に示す。陰性、陽性は、カットオフ値を0.3として表した。
Figure 2009082106
本発明の組換えHC30ポリペプチド及びこれを用いた血清学的診断法は、H. cinaedi感染症の診断や疫学調査に利用できる。
図1は、H. cinaedi構成蛋白を発現する組換え大腸菌の各クローンのウエスタンブロットの結果を示す図面である。図1-a)は、抗H. cinaediウサギ血清、図1-b)は、H. cinaedi患者血清を一次抗体として用いた。図中の矢印は、分子量30kDaのポリペプチド(HC30ポリペプチド)を示す。レーン1:インサートなし、レーン2:Clone3-1、レーン3:Clone8-2、レーン4:Clone9-5、レーン5:Clone10-2、レーン6:H. cinaediの溶解液、レーン7:E.coli
図2は、HC30ポリペプチド産生大腸菌(Clone9-5)の溶解液からニッケルアフィニティーカラムで精製したHC30ポリペプチドのSDS-PAGE及びウエスタンブロットの結果を示す図面である。図2-a)は、CBB染色、図2-b)はウエスタンブロットの結果を示す。図中の矢印は、分子量30kDaのポリペプチド(HC30ポリペプチド)を示す。レーン1:3μg、レーン2:0.3μg、レーン3:0.03μg、レーン4:0.003μg、レーン5:0.0003μg

Claims (12)

  1. 配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド。
  2. 下記(1)及び(2)の特徴を有する、請求項1記載のポリペプチド:
    (1)ヘリコバクター・シネディー感染患者血清と結合することができる、
    (2)1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、付加、あるいは置換されたアミノ酸配列を有する。
  3. ヘリコバクター・シネディー由来であることを特徴とする、請求項1又は2記載のポリペプチド。
  4. 遺伝子組み換え技術により得られる請求項1ないし3の何れか一項記載のポリペプチド。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項記載のポリペプチドの一部からなるペプチドであって、ヘリコバクター・シネディー感染患者血清と結合することができる前記ペプチド。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項記載のポリペプチド又はペプチドをコードする核酸断片。
  7. 配列表の配列番号2で示される塩基配列を有する、請求項6記載の核酸断片。
  8. 請求項1ないし5の何れか一項記載のポリペプチド又はペプチドと結合することができる抗体。
  9. 請求項1ないし5の何れか一項記載のポリペプチド又はペプチドを固相抗原とする抗原抗体法からなる、ヘリコバクター・シネディー感染患者の血清学的診断法。
  10. ELISA法、ウエスタンブロット法及びドットブロット法からなる群より選ばれる抗原抗体法である、請求項9記載の血清学的診断法。
  11. 配列表の配列番号1で示される塩基配列を有する核酸断片。
  12. 下記(1)及び(2)の特徴を有する、請求項11記載の核酸断片:
    (1)ヘリコバクター・シネディーのゲノム由来である、
    (2)1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、付加、あるいは置換された塩基配列を有する。
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