JP2009052492A - 最適化設計手法及び最適化設計装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多段式圧縮機の仕様決定段階において、設計期間の短期化を図ることの可能な最適化設計手法を提供する。
【解決手段】多段式圧縮機における各段毎のインペラ出口幅とインペラ径との比率及びマッハ数を、サージとチョークとの範囲内に含まれるように所定の変数を用いて算出し、設計に必要な固定値とマッハ数とを基に各段毎の流量係数を算出し、インペラ出口幅とインペラ径との比率及びマッハ数を基に各段毎のポリトロープ効率及び仕事係数を求め、ポリトロープ効率及び仕事係数と固定値とを基に各段毎の出口圧力及びガス圧縮動力を算出し、流量係数がサージとチョークとの範囲内に含まれることを制約条件とし、出口圧力を要求値と一致させ且つガス圧縮動力を最小化することを目的関数とした最適化問題を解くことにより、最適解としての前記変数の値を探索する。
【選択図】図1

Description

本発明は、最適化設計手法及び最適化設計装置に関する。
圧縮機の性能や信頼性を確保する上で、仕様決定段階における最適化設計手法の確立は重要なテーマである。例えば、下記特許文献1には、多段式圧縮機を備えるタービンエンジンにおいて、高圧及び低圧圧縮機の速度を最適化することにより圧縮機及びタービンの段数を削減し、且つ、三重胴体型タービンエンジンよりも簡単で安価な構造から成る、最適化された圧縮システムを有するタービンエンジンが開示されている。
また、従来の多段式圧縮機の最適化設計手法の1つとして、以下に説明する手法が用いられていた。まず、前提として最適化設計手法の対象となる多段式圧縮機について図3及び図4を参照して説明する。図3は、多段式圧縮機1(この例では4段式)の概略構成を示す上面図である。図4は、多段式圧縮機1の主要部を示す断面図である。
多段式圧縮機1は、駆動モータ2と、駆動モータ2の出力軸3に接続される歯車装置10と、歯車装置10により増速回転される第1インペラ21を有する第1段圧縮機6と、歯車装置10により増速回転される第2インペラ22を有する第2段圧縮機7と、歯車装置10により増速回転される第3インペラ23を有する第3段圧縮機8と、歯車装置10により増速回転される第4インペラ24を有する第4段圧縮機9等を備えている。
また、多段式圧縮機1は、外部から吸引したガスAを第1段圧縮機6から、第2段圧縮機7、第3段圧縮機8、第4段圧縮機9の順に導いて、外部に吐出するためのガス流路を備えている。このガス流路には、第1段圧縮機6で圧縮されたガスAを冷却する第1インタクーラ41、第2段圧縮機7で圧縮されたガスAを冷却する第2インタクーラ42、第3段圧縮機8で圧縮されたガスAを冷却するアウタクーラ45が設けられている。
駆動モータ2は、歯車装置10を収容するギアケース5にフランジを介して取り付けられており、出力軸3が歯車装置10の第1回転軸11に継手を介して接続されている。図4に示すように、第1回転軸11は、ギアケース5に回転自在に支持されており、一端に軸受を介して駆動モータ2の出力軸3が連結され、他端側に大径のブルギア14が取り付けられている。ブルギア14は、第2回転軸12に設けられた小径の第1ピニオンギア15及び第3回転軸13に設けられた小径の第2ピニオンギア16がそれぞれ噛合されている。そして、この歯車装置10により、駆動モータ2の出力軸3の回転が増速されて、第2回転軸12及び第3回転軸13に伝達されるようになっている。
第2回転軸12は、第1回転軸11に対して平行な位置に、ギアケース5に回転自在に軸支されており、その一端には第1インペラ21が設けられており、他端には第2インペラ22が設けられている。第3回転軸13は、第1回転軸11に対して第2回転軸12とは反対側の平行な位置に、ギアケース5に回転自在に軸支されており、その一端には第3インペラ23が設けられており、他端には第4インペラ24が設けられている。第1インペラ21は、ギアケース5の側部に形成された円柱状の窪部25に収容されている。第2インペラ22は、ギアケース5を挟んだ反対側の側部に形成された円柱状の窪部26に収容されている。同様に、第3インペラ23は窪部27に、第4インペラ24は窪部28に、それぞれ収容される。これら窪部25〜28には、渦巻室、吸気通路、ディフューザが形成されている。
一方、図5は、上記のような構成の多段式圧縮機1に対する従来の最適化設計手法の手順を示すフローチャートである。なお、この最適化設計手法は、コンピュータシミュレーション上で実行されるものである。
まず、多段式圧縮機1に対する最適化設計手法に必要な固定値をコンピュータに入力する(ステップS10)。ここで、固定値として、入口質量流量Win、入口圧力Pin、入口温度Tin、比熱比к、モータ回転数Rvel、ブルギア歯数Bgearを入力する。なお、「入口」とは各段のガスAの入口を指し、入口質量流量Winとは当該入口におけるガスAの質量流量であり、入口圧力Pinとは当該入口におけるガスAの圧力、入口温度Tinとは当該入口におけるガスAの温度である。比熱比кはガスAの比熱比である。また、モータ回転数Rvelとは駆動モータ2の回転数であり、ブルギア歯数Bgearとはブルギア14の歯数である。
上記のように固定値が入力されると、コンピュータシミュレーション上において、多段式圧縮機1に対する最適化設計手法に必要な変数の値を設定する(ステップS20)。ここで、変数として、第1ピニオンギア15及び第2ピニオンギア16のピニオンギア歯数Pgear、各段のインペラ出口幅B及びインペラ径Dの値が任意に設定される。
続いて、コンピュータシミュレーション上において、上記の固定値及び変数を用いた熱流体計算手法により、各段毎のインペラ周速u、マッハ数Mu、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2、入口体積流量Qin、流量係数φを算出する(ステップS30)。ここで、インペラ周速uは下記(1)式を用い、マッハ数Muは下記(2)式を用い、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2は下記(3)式を用い、入口体積流量Qinは下記(4)式を用い、流量係数φは下記(5)式を用いて算出される。なお、下記(2)式及び(4)式において、Rは気体定数である。
Figure 2009052492
続いて、コンピュータシミュレーション上において、予め実機データから求められてコンピュータのメモリに記憶されている、ポリトロープ効率ηpolの探索テーブル及び仕事係数μの探索テーブルと、上記のように算出したマッハ数Mu及びインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2とを用いて、各段毎のポリトロープ効率ηpol及び仕事係数μを求める(ステップS40)。ここで、ポリトロープ効率ηpolの探索テーブルとは、例えば縦軸をマッハ数Mu、横軸をインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2とし、ある値のマッハ数Muとインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2との交点を、それらMu及びB2D2の値に対応するポリトロープ効率ηpolの値として設定したものである。同様に、仕事係数μの探索テーブルとは、例えば縦軸をマッハ数Mu、横軸をインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2とし、ある値のマッハ数Muとインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2との交点を、それらMu及びB2D2の値に対応する仕事係数μの値として設定したものである。
続いて、コンピュータシミュレーション上において、ステップS40で求めたポリトロープ効率ηpol及び仕事係数μを用いて、各段毎の圧力係数μy、ポリトロープ指数n、ポリトロープヘッドHpol、圧力比π、出口圧力Pout、ガス圧縮動力Lを算出する(ステップS50)。ここで、圧力係数μyは下記(6)式を用い、ポリトロープ指数nは下記(7)式を用い、ポリトロープヘッドHpolは下記(8)式を用い、圧力比πは下記(9)式を用い、出口圧力Poutは下記(10)式を用い、ガス圧縮動力Lは下記(11)式を用いて算出される。
Figure 2009052492
続いて、コンピュータシミュレーション上において、メタヒューリスティック法を用いた最適化問題解法アルゴリズムに基づき、ステップS30で算出したマッハ数Mu、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2及び流量係数φがサージとチョークの範囲内に含まれることを制約条件とし、ステップS50で算出した出口圧力Poutを要求値(仕様として要求される値)と一致させ、ガス圧縮動力Lを最小化することを目的関数とした最適化問題を解き、ステップS20〜S50を繰り返すことにより最適解を導出する(ステップS60)。ここで、メタヒューリスティック法とは、一般的な最適化問題の解法として用いられるものであり、種々ある最適化アルゴリズムの中の1つであるメタヒューリスティック法(遺伝的アルゴリズム法やシミュレーテッドアニーリング法等)に基づいて最適化問題を解くものである。
最適解としては、制約条件を満足し(マッハ数Mu、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2及び流量係数φがサージとチョークの範囲内に含まれる)、且つ目的関数を達成する(出口圧力Poutが要求値と一致し、ガス圧縮動力Lが最小となる)ような、変数(ピニオンギア歯数Pgear、各段のインペラ出口幅B及びインペラ径D)の値が導出されることになる。なお、下記(12)〜(14)式は、上記の制約条件を示したものである。下記(12)〜(14)式において、下限値とはサージに応じた値であり、上限値とはチョークに応じた値である。ここで、(12)式の上限値及び下限値はマッハ数Muに関するサージ、チョークに応じた値であり、(13)式の上限値及び下限値はB2D2に関するサージ、チョークに応じた値であり、(14)式の上限値及び下限値は流量係数φに関するサージ、チョークに応じた値であり、それぞれ異なる値であることに注意されたい。
Figure 2009052492
上記のように最終的に得られるピニオンギア歯数Pgear、各段のインペラ出口幅B及びインペラ径Dを参考にして、多段式圧縮機1が設計される。以上が、従来の多段式圧縮機1に対する最適化設計手法の説明である。
特開平10−238364号公報
上述したように、従来の多段式圧縮機1に対する最適化設計手法では、各段のマッハ数Mu、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2及び流量係数φがサージとチョークの範囲内に含まれることを制約条件とし、出口圧力Poutが要求値と一致し、ガス圧縮動力Lを最小化することを目的関数とした最適化問題を解くことにより、最適なピニオンギア歯数Pgear、各段のインペラ出口幅B及びインペラ径Dの値を求めていた。
この手法を用いると、全ての段で制約条件を満足するような、つまり、全ての段でマッハ数Mu、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2及び流量係数φがサージ・チョーク間に含まれるような変数値が成立する範囲が非常に狭いため、最適化問題を解く場合において、このような変数値を探索するために極めて多大な繰り返し評価回数が必要であった。その結果、最適なピニオンギア歯数Pgear、各段のインペラ出口幅B及びインペラ径Dの値を導出する時間が増大し、設計期間の長期化を招くという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、多段式圧縮機の仕様決定段階において、設計期間の短縮を図ることの可能な最適化設計手法及び最適化設計装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、最適化設計手法に係る第1の解決手段として、多段式圧縮機における各段毎のインペラ出口幅とインペラ径との比率及びマッハ数を、サージとチョークとの範囲内に含まれるように所定の変数を用いて算出し、予め設定された設計に必要な固定値と前記マッハ数とを基に各段毎の流量係数を算出し、前記インペラ出口幅とインペラ径との比率及びマッハ数を基に各段毎のポリトロープ効率及び仕事係数を求め、前記ポリトロープ効率及び仕事係数と前記固定値とを基に各段毎の出口圧力及びガス圧縮動力を算出し、前記流量係数がサージとチョークとの範囲内に含まれることを制約条件とし、前記出口圧力を要求値と一致させ且つ前記ガス圧縮動力を最小化することを目的関数とした最適化問題を解くことにより、最適解としての前記変数の値を探索する、ことを特徴とする。
また、本発明では、最適化設計手法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記変数として、各段毎のマッハ数のサージ・チョーク間の範囲に対する比dumMu、各段毎のインペラ出口幅とインペラ径との比率のサージ・チョーク間の範囲に対する比dumB2D2を設定し、下記(15)式及び(18)式を基に前記マッハ数Mu及びインペラ出口幅とインペラ径との比率B2D2を算出することを特徴とする。
Figure 2009052492
また、本発明では、最適化設計手法に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記固定値として、各段毎の入口質量流量Win、入口圧力Pin及び入口温度Tinと、ガスの比熱比кと、前記多段式圧縮機に設置されたモータの回転数Rvelと、ブルギア歯数Bgearとを設定し、前記変数として、前記dumMu及びdumB2D2の他、ピニオンギア歯数Pgearを設定し、各段毎のインペラ周速uを下記(16)式を基に算出し、インペラ径Dを下記(17)式を基に算出し、入口体積流量Qinを下記(4)式を基に算出し、流量係数φを下記(5)式を基に算出することを特徴とする。
Figure 2009052492
また、本発明では、最適化設計手法に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段
において、前記ポリトロープ効率ηpol及び仕事係数μと前記固定値とを用いて、各段毎の圧力係数μyを下記(6)式を基に算出し、ポリトロープ指数nを下記(7)式を基に算出し、ポリトロープヘッドHpolを下記(8)式を基に算出し、圧力比πを下記(9)式を基に算出し、出口圧力Poutを下記(10)式を基に算出し、ガス圧縮動力Lを下記(11)式を基に算出することを特徴とする。
Figure 2009052492
また、本発明では、最適化設計方法に係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のい
ずれかの解決手段において、前記最適化問題の解法アルゴリズムとして、メタヒューリスティック法を用いることを特徴とする。
一方、本発明では、最適化設計装置に係る解決手段として、多段式圧縮機の設計に必要な固定値を入力するための入力手段と、前記入力手段に入力された固定値を用いて、上記第1〜第5のいずれかの解決手段を有する最適化設計手法を基に前記最適解としての前記変数の値を探索する演算手段と、前記演算手段による演算結果を前記多段式圧縮機の設計情報として出力する出力手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、マッハ数及びインペラ出口幅とインペラ径との比率を算出する場合に、これらマッハ数及びインペラ出口幅とインペラ径との比率の値は常にサージ・チョーク間の範囲に含まれて制約条件を満足しているため、最適化問題を解く際の繰り返し評価回数を大幅に削減することができ、その結果、設計期間の短縮を図ることが可能である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る最適化設計手法の手順を示すフローチャートである。なお、本最適化設計手法は、図3及び4に示すような多段式圧縮機1の仕様決定段階に用いられ、コンピュータシミュレーション上において実行されるものである。
まず、多段式圧縮機1に対する最適化設計手法に必要な固定値をコンピュータに入力する(ステップS1)。ここで、固定値として、入口質量流量Win、入口圧力Pin、入口温度Tin、比熱比к、モータ回転数Rvel、ブルギア歯数Bgearを入力する。これらの固定値は、図5を用いて説明した従来の最適化設計手法と同様なので詳細な説明を省略する。
上記のように固定値が入力されると、コンピュータシミュレーション上において、多段式圧縮機1に対する最適化設計手法に必要な変数の値を設定する(ステップS2)。ここで、変数として、第1ピニオンギア15及び第2ピニオンギア16のピニオンギア歯数Pgear、各段のマッハ数のサージ・チョーク間の範囲に対する比(以下、マッハ数比と称す)dumMu、各段のインペラ出口幅・インペラ径比率のサージ・チョーク間の範囲に対する比(以下、インペラ比と称す)dumB2D2の値が任意に設定される。なお、マッハ数比dumMu及びインペラ比dumB2D2は、0〜1.0の範囲内で設定される。
続いて、コンピュータシミュレーション上において、上記の固定値及び変数を用いた熱流体計算手法により、各段毎のマッハ数Mu、インペラ周速u、インペラ径D、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2、入口体積流量Qin、流量係数φを算出する(ステップS3)。ここで、マッハ数Muは下記(15)式を用い、インペラ周速uは下記(16)式を用い、インペラ径Dは下記(17)式を用い、インペラ出口幅・インペラ径比率B2D2は下記(18)式を用い、入口体積流量Qinは従来と同様に(4)式を用い、流量係数φは従来と同様に(5)式を用いて算出される。
Figure 2009052492
上記(15)式において、「マッハ数範囲」とは、(12)式で示したマッハ数に関するチョークに応じた上限値からサージに応じた下限値を差し引いた値(マッハ数範囲=上限値−下限値)であり、「マッハ数最低値」とは下限値と同値である。すなわち、マッハ数比dumMu=0の場合、マッハ数Mu=マッハ数最低値となり(つまりサージに応じた下限値)、マッハ数比dumMu=1.0の場合、マッハ数Mu=マッハ数範囲+マッハ数最低値となる(つまりチョークに応じた上限値)。従って、マッハ数比dumMuを0〜1.0の範囲内で変更することにより、ステップS3で算出されるマッハ数Muの値は、常にサージ・チョーク間の範囲に含まれることになる。
また、上記(18)式において、「B2D2範囲」とは、(13)式で示したB2D2に関するチョークに応じた上限値からサージに応じた下限値を差し引いた値(B2D2範囲=上限値−下限値)であり、「B2D2最低値」とは下限値と同値である。すなわち、インペラ比dumB2D2=0の場合、B2D2=B2D2最低値となり(つまりサージに応じた下限値)、インペラ比dumB2D2=1.0の場合、B2D2=B2D2範囲+B2D2最低値となる(つまりチョークに応じた上限値)。従って、インペラ比dumB2D2を0〜1.0の範囲内で変更することにより、ステップS3で算出されるインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2の値は、常にサージ・チョーク間の範囲に含まれることになる。
このように、ステップS3の段階において、マッハ数Mu及びインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2の値は常にサージ・チョーク間の範囲に含まれ、制約条件を満足していることになる。
続いて、コンピュータシミュレーション上において、予め実機データから求められてコンピュータのメモリに記憶されている、ポリトロープ効率ηpolの探索テーブル及び仕事係数μの探索テーブルと、上記のように算出したマッハ数Mu及びインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2とを用いて、各段毎のポリトロープ効率ηpol及び仕事係数μを求める(ステップS4)。ここで使用するポリトロープ効率ηpolの探索テーブル及び仕事係数μの探索テーブルは、従来と同様である。
続いて、コンピュータシミュレーション上において、ステップS4で求めたポリトロープ効率ηpol及び仕事係数μを用いて、各段毎の圧力係数μy、ポリトロープ指数n、ポリトロープヘッドHpol、圧力比π、出口圧力Pout、ガス圧縮動力Lを算出する(ステップS5)。ここで、圧力係数μy、ポリトロープ指数n、ポリトロープヘッドHpol、圧力比π、出口圧力Pout、ガス圧縮動力Lは、従来と同様に(6)〜(11)式を用いて算出される。
続いて、コンピュータシミュレーション上において、メタヒューリスティック法を用いた最適化問題解法アルゴリズムに基づき、ステップS3で算出した流量係数φがサージとチョークの範囲内に含まれることを制約条件とし、ステップS5で算出した出口圧力Poutを要求値(仕様として要求される値)と一致させ、ガス圧縮動力Lを最小化することを目的関数とした最適化問題を解き、ステップS2〜S5を繰り返すことにより最適解を導出する(ステップS6)。
最適解としては、制約条件を満足し(流量係数φがサージとチョークの範囲内に含まれる)、且つ目的関数を達成する(出口圧力Poutが要求値と一致し、ガス圧縮動力Lが最小となる)ような、変数(ピニオンギア歯数Pgear、各段のマッハ数比dumMu及びインペラ比dumB2D2)の値が導出されることになる。ここで、流量係数φの制約条件を満足し、且つ目的関数の達成を完了した場合、(17)式から最適なインペラ径Dを導出することができ、また、(18)式とB2D2=B/Dとの関係から、最適なインペラ出口幅Bを導出することができる。一方、流量係数φの制約条件を満足せず、目的関数の達成が完了しない間は、ステップS2の処理において、マッハ数比dumMu及びインペラ比dumB2D2の値を0〜1.0の範囲で変更することにより、マッハ数Mu及びインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2を、制約条件を満足する値に収めつつ、最適化問題の繰り返し評価を行う。
以上のように、本実施形態に係る最適化設計手法によれば、マッハ数Mu及びインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2を算出するステップS3において、これらマッハ数Mu及びインペラ出口幅・インペラ径比率B2D2の値は常にサージ・チョーク間の範囲に含まれて制約条件を満足しているため、最適化問題を解く際の繰り返し評価回数を大幅に削減することができ、その結果、設計期間の短縮を図ることが可能である。
次に、上述したような最適化設計手法を実現するための最適化設計装置の構成について図2を用いて説明する。
図2に示すように、本最適化設計装置は、入力部(入力手段)100、演算部(演算手段)200、記憶部300及び表示部(出力手段)400から構成されている。入力部100は、例えばキーボードであり、多段式圧縮機1に対する最適化設計手法に必要な固定値(入口質量流量Win、入口圧力Pin、入口温度Tin、比熱比к、モータ回転数Rvel、ブルギア歯数Bgear)を入力するためのものである。また、この入力部100は、入力された固定値を演算部200に出力する。
演算部200は、記憶部300に記憶されている、上述した本最適化設計手法に関する最適化問題解法アルゴリズムに基づき、最適化設計手法に必要な固定値を用いて、上記ステップS2〜S6に示す演算処理を行い、制約条件を満足し(流量係数φがサージとチョークの範囲内に含まれる)、且つ目的関数を達成する(出口圧力Poutが要求値と一致し、ガス圧縮動力Lが最小となる)ような、変数(ピニオンギア歯数Pgear、各段のマッハ数比dumMu及びインペラ比dumB2D2)の値を最適解として導出すると共に、最適なインペラ径D及びインペラ出口幅Bを導出する。また、この演算部200は、これら最適解及び最適なインペラ径D及びインペラ出口幅Bを多段式圧縮機1の設計情報として表示部400に出力する。
記憶部300は、上記本最適化設計手法に関する最適化問題解法アルゴリズムや各種データを記憶するメモリである。表示部400は、例えば液晶モニタであり、演算部200から入力される上記多段式圧縮機1の設計情報を表示する。
このような本最適化設計装置は、例えばPC(Personal Computer)によって構成することが可能である。
本発明の一実施形態に係る最適化設計手法の手順を示すフローチャート図である。 本発明の一実施形態に係る最適化設計装置の構成例である。 多段式圧縮機の構成例を示す第1図である。 多段式圧縮機の構成例を示す第2図である。 従来の最適化設計手法の手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
100…入力部、200…演算部、300…記憶部、400…表示部

Claims (6)

  1. 多段式圧縮機における各段毎のインペラ出口幅とインペラ径との比率及びマッハ数を、サージとチョークとの範囲内に含まれるように所定の変数を用いて算出し、
    予め設定された設計に必要な固定値と前記マッハ数とを基に各段毎の流量係数を算出し、
    前記インペラ出口幅とインペラ径との比率及びマッハ数を基に各段毎のポリトロープ効率及び仕事係数を求め、
    前記ポリトロープ効率及び仕事係数と前記固定値とを基に各段毎の出口圧力及びガス圧縮動力を算出し、
    前記流量係数がサージとチョークとの範囲内に含まれることを制約条件とし、前記出口圧力を要求値と一致させ且つ前記ガス圧縮動力を最小化することを目的関数とした最適化問題を解くことにより、最適解としての前記変数の値を探索する、
    ことを特徴とする最適化設計手法。
  2. 前記変数として、各段毎のマッハ数のサージ・チョーク間の範囲に対する比dumMu、各段毎のインペラ出口幅とインペラ径との比率のサージ・チョーク間の範囲に対する比dumB2D2を設定し、下記(15)式及び(18)式を基に前記マッハ数Mu及びインペラ出口幅とインペラ径との比率B2D2を算出することを特徴とする請求項1記載の最適化設計手法。
    Figure 2009052492
  3. 前記固定値として、各段毎の入口質量流量Win、入口圧力Pin及び入口温度Tinと、ガスの比熱比кと、前記多段式圧縮機に設置されたモータの回転数Rvelと、ブルギア歯数Bgearとを設定し、
    前記変数として、前記dumMu及びdumB2D2の他、ピニオンギア歯数Pgearを設定し、
    各段毎のインペラ周速uを下記(16)式を基に算出し、インペラ径Dを下記(17)式を基に算出し、入口体積流量Qinを下記(4)式を基に算出し、流量係数φを下記(5)式を基に算出することを特徴とする請求項2記載の最適化設計手法。
    Figure 2009052492
  4. 前記ポリトロープ効率ηpol及び仕事係数μと前記固定値とを用いて、各段毎の圧力係数μyを下記(6)式を基に算出し、ポリトロープ指数nを下記(7)式を基に算出し、ポリトロープヘッドHpolを下記(8)式を基に算出し、圧力比πを下記(9)式を基に算出し、出口圧力Poutを下記(10)式を基に算出し、ガス圧縮動力Lを下記(11)式を基に算出することを特徴とする請求項3記載の最適化設計手法。
    Figure 2009052492
  5. 前記最適化問題の解法アルゴリズムとして、メタヒューリスティック法を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の最適化設計手法。
  6. 多段式圧縮機の設計に必要な固定値を入力するための入力手段と、
    前記入力手段に入力された固定値を用いて、請求項1〜5のいずれか一項に記載の最適化設計手法を基に前記最適解としての前記変数の値を探索する演算手段と、
    前記演算手段による演算結果を前記多段式圧縮機の設計情報として出力する出力手段と、
    を具備することを特徴とする最適化設計装置。
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