JP2009048235A - エネルギー取引価格の予測システム、予測方法およびプログラム - Google Patents

エネルギー取引価格の予測システム、予測方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギーの取引価格を精度良く予測することができるようにする。
【解決手段】注文端末10は、JCC価格の履歴を記憶するJCC価格データベース151と、産油地別のFOB価格の履歴を記憶するFOB価格データベース152とを備える。注文端末10は、利用者から予測モデルを示すモデル情報の入力を受け付け、ドバイおよびオマーンに対応する原油FOB価格の履歴およびJCC価格の履歴に基づいて回帰分析を行い、予測モデルに含まれる説明変数の係数を推計する。注文端末10は、予測対象となる時期tの指定を受け付け、時期tからラグの次数n期前の時期t−nまでのJCC価格を読み出し、時期tから時期t−nまでの、ドバイおよびオマーンに対応する原油FOB価格を読み出し、読み出したJCC価格および原油FOB価格、並びに推計した係数を予測モデルに適用して、時期tにおけるJCC価格の予測値を算出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、エネルギー取引価格の予測システム、予測方法およびプログラムに関する。
原油等のエネルギー調達に係る将来の価格変動をヘッジするために先物取引が行われている。先物取引においては指標となる価格が定められていることが多く、例えば、原油の先物取引では、財務省が発表する通関統計値である全日本CIF(Cost Insurance Freight)価格(具体的には、全日本輸入原油CIF価格、全日本輸入LNGCIF価格、全日本輸入石炭CIF価格などがある。)が指標として用いられている。
原油先物取引のように、先物取引が相対取引で行われている場合には、指標となる価格を当事者自身が予測する必要があり、各種の予測手法が提案されている。例えば、特許文献1には、先物市場で取引されているブレント原油などの類似の先物価格を用いて取引価格を算出するシステムが記載されている。
特開2005−135347号公報
しかしながら、従来の予測手法では、特許文献1に記載のシステムのように、類似する他の商品についての先物価格に基づいて取引価格の予測を行っているため、予測精度を向上させるには限界があった。
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、エネルギーの取引価格を精度良く予測することのできる予測システム、予測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のうち、請求項1に記載の発明は、市場におけるエネルギーの取引価格の予測システムであって、前記エネルギーの前記取引価格の履歴を記憶する取引価格記憶部と、前記エネルギーを産出する地域ごとに、前記エネルギーの出荷価格の履歴を記憶する出荷価格記憶部と、所定の前記地域を特定する地域特定情報を記憶する地域特定情報記憶部と、前記所定の地域に対応する前記出荷価格の履歴、前記取引価格の履歴、および所定の次数nのラグに基づいて前記取引価格を算出するための分布ラグモデルを示すモデル情報の入力を受け付ける分布ラグモデル入力部と、前記所定の地域に対応する前記出荷価格の履歴および前記取引価格の履歴に基づいて、前記分布ラグモデルによる回帰分析を行い、前記分布ラグモデルに含まれる説明変数の係数を推計するパラメータ推計部と、予測対象となる時期tの指定を受け付ける予測時期入力部と、前記時期tから前記次数n期前の時期t−nまでの前記取引価格を前記取引価格記憶部から読み出す取引価格取得部と、前記時期tから前記時期t−nまでの、前記所定の地域に対応する前記出荷価格を前記出荷価格記憶部から読み出す出荷価格取得部と、読み出した前記取引価格および前記出荷価格、並びに推計した前記係数を前記分布ラグモデルに適用して、前記時期tにおける前記取引価格の予測値を算出する予測部と、を備えることとする。
本発明によれば、エネルギーの出荷価格に基づいて、エネルギーの取引価格を予測することができる。エネルギーの取引価格はエネルギーの出荷価格から形成されると考えられるので、より精度の高い予測を行うことができる。また、分布ラグモデルを利用することにより、出荷されてから、市場に出回るまでのタイムラグを吸収し、精度の高い予測を行うことができる。
また、本発明のうち、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の予測システムであって、前記分布ラグモデルは、前記取引価格をY、前記所定の地域に対応する前記出荷価格をX、定数をα、誤差をεとした場合に、式
により表され、前記パラメータ推計部は、前記所定の地域に対応する前記出荷価格Xの履歴および前記取引価格Yの履歴に基づいて、前記分布ラグモデルの前記定数α、前記出荷価格の履歴についての係数β、前記取引価格の履歴についての係数γ、および前記誤差εを推計することとする。
この分布ラグモデルは、2期のラグに注目するものであり、エネルギーの出荷から取引までに2期程度のラグを有するエネルギーについて有用である。例えば、中東からの原油のタンカー輸送などでは、20日前後の輸送期間となっているので、旬単位での原油の取引価格を考えると、2期程度の輸送期間によるラグが存在することになる。したがって、本発明によれば、このようなエネルギーについての取引価格を、精度よく予測することが可能となる。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の予測システムであって、前記次数は3であり、前記分布ラグモデルは、前記取引価格をY、前記所定の地域に対応する前記出荷価格である基準地域出荷価格をXとした場合に、式
により表され、前記パラメータ推計部は、前記基準地域出荷価格Xの履歴および前記取引価格Yの履歴に基づいて、前記分布ラグモデルにおける、前記時期tより2期前の前記基準地域出荷価格Xt−2についての係数β、前記時期tより3期前の前記基準地域出荷価格Xについての係数β、および前記時期tより1期前の前記取引価格Yt−1についての係数γを推計することとする。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の予測システムであって、前記エネルギーは原油であり、前記取引価格は市場へのCIF価格であり、前記所定の地域はドバイおよびオマーンであり、前記基準地域出荷価格はドバイおよびオマーンからの原油のFOB価格の平均値であることとする。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の予測システムであって、過去の所定期間に含まれる時期pのそれぞれについての前記予測値を算出する予測値履歴算出部と、前記予測値と、前記時期pに対応する前記取引価格との差分である誤差を算出し、算出した誤差の分布を求める誤差算出部と、前記誤差の分布から、所定の発生確率に対応する前記誤差を取得し、取得した前記誤差を、前記予測部が算出する前記時期tに対応する前記予測値に加算して、前記発生確率に対応する前記予測値を算出するリスク別予測値算出部とを備えることとする。
この場合、リスクに応じた適正な予測値を算出することができる。したがって、先物取引などにより、エネルギーの購入リスクをヘッジする利用者は、上記のリスクに応じた予測値を参考にすることが可能となる。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の予測システムであって、前記誤差算出部は、前記時期pに対応する前記取引価格から、前記時期pについての前記予測値を減算して前記誤差を算出し、前記誤差算出部は、前記誤差を小さい順にソートしたリストを作成し、前記リスク別予測値算出部は、前記リスト中の前記誤差の数に前記発生確率を乗じた数値kを算出し、前記リストの先頭から前記k番目の前記誤差を前記時期tに対応する前記予測値に加算して、前記発生確率に対応する前記予測値を算出することとする。
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の予測システムであって、前記時期tを含む将来の所定期間における時期q毎に、前記エネルギーの購入予定量を記憶するエネルギー購入予定量記憶部と、前記将来の所定期間における前記購入予定量の合計量を算出し、過去の前記時期p毎に前記時期pの1期前からの変動率を算出し、前記時期tにおける前記購入予定量の前記合計量に対する比率、前記変動率、および前記発生確率に応じた割合を前記購入予定量に乗じて、前記購入予定量の調整値を算出する購入予定量調整値算出部と、前記発生確率、前記発生確率に対応する前記予測値、および前記購入予定量の調整値を対応付けて出力するリスク別購入量出力部と、を備えることとする。
本発明によれば、エネルギーの取引価格を精度良く予測することができる。
本実施形態では、電力会社が、相対取引によって原油(エネルギー)に係る先物取引を行うことを想定している。
この先物取引では、全日本輸入原油CIF価格(以下、JCC価格という。)を指標としたスワップ取引やオプション取引が行われる。JCC価格は、日本に輸入された全ての原油の輸入価格の加重平均値、すなわち実績値であり、JCC価格の先物市場は存在しない。本実施形態の原油取引システムは、JCC価格を予測して、取引担当者が先物取引の取引価格の参考資料として提供するものである。
JCC価格は、産油国の原油輸出のFOB価格に、日本までのタンカー輸送費および保険料を加算したCIF価格である。JCC価格は、各月の旬別に2〜3旬前のものが発表される。例えば、4月末頃には4月上旬の速報値が発表され、5月10日頃には4月の中旬分が発表される。また、各月の下旬25日頃には前月のJCC価格が発表される。一方原油のFOB価格は、産油地毎に各月の平均値が発表される。
本実施形態の原油取引システムでは、各月末頃にその月の上旬のJCC価格の速報値が発表されたタイミングで、上記のようなJCC価格の履歴、および原油FOB価格の履歴に基づいて、その月のJCC価格を予測するものとする。
なお、原油のFOB価格は、産油地により異なるが、日本の原油輸入量のほとんどが中東産原油であり、中東産原油のFOB価格はドバイ原油とオマーン原油のスポット価格の月平均値に連動することが判明した。図1に、JCC価格(月別)と、ドバイ原油とオマーン原油のスポット価格の月平均値との推移の一例を示す。図1の例でも、JCC価格がドバイ原油とオマーン原油のスポット価格の月平均値に対して、若干のラグをもって連動していることが分かる。そこで、本実施形態では、原油のFOB価格として、ドバイ原油とオマーン原油のスポット価格の月平均値を採用した。以下の説明において、FOB価格とは、この平均値をいうものとする。
JCC価格とFOB価格とのラグは、原油のタンカー輸送に係る日数と推定される。中東から日本までのタンカーの輸送日数は20日〜30日程度である。本実施形態では、タンカーの輸送日数を20日とし、輸送費および保険料、並びにタンカーでの輸送日数については固定値とした。
==エラー修正モデル==
本実施形態の原油取引システムでは、計量経済学において利用されている分布ラグモデルを利用してJCC価格の回帰分析を行う。また、本実施形態では、分布ラグモデルの説明変数として、JCC価格の履歴および原油FOB価格の履歴を用いている。
<データの定常性の確認>
JCC価格は、タンカーの輸送日数の分だけタイムラグを伴って、FOB価格に連動していると考え、長期的な均衡状態を想定する。JCC価格をY、FOB価格をX、輸送費および保険料をαとすると、次式(1)のような関係が成立する。
ここで、上記式(1)について、ディッキー・フラーテスト(DF検定)により、単位根の検定を行う。DF検定ではまず、次式のように、被説明変数が階差の形になるようにする。
なお、ρ=β−1である。上記のρについて、帰無仮説ρ=0を、DF検定の3つのモデルそれぞれについて、t値とディッキー・フラー表の臨界値を用いて検定する。ディッキー・フラー表を表1に示す。また、JCC価格および原油FOB価格のDF検定の結果を、それぞれ表2および表3に示す。
上記の表2および表3の結果より、全て帰無仮説が10%の有意水準で棄却されず、JCC価格、原油FOB価格ともに、単位根を持つ非定常時系列と判断される。
ただし、DF検定は、AR(1)モデルの誤差項に系列相関がある場合、すなわち、誤差ダービンワトソン比(DW)が2に近くない場合には、正確な検定とはならない。ここで、表2に示す誤差DWが2に近くないことから、JCC価格については、拡張されたディッキー・フラーテスト(ADF検定)も行った。ADF検定の結果を表4に示す。
表4に示すADF検定の結果より、全て帰無仮説が10%の有意水準で棄却されず、単位根を持つ非定常時系列と判断される。
以上のDF検定およびADF検定の結果より、JCC価格(Y)および原油FOB価格(X)ともに、単位根を1つ持つことが分かる。
<共和分の検定>
次に、単位根を1つ持つJCC価格(Y)および原油FOB価格(X)について、次の長期均衡関係式を推計する。
上の式から推計される残差系列をUとして、次式についてDF検定を行い、Uが単位根を持つかどうかを調べる。
なお、残差系列Uは、回帰式からの残差であるため、DF検定の3つのモデルのうち、定数項やトレンドを含まない、ランダムウォークのモデルのみについて検定を行う。残差系列UについてのDF検定の結果を表5に示す。
表5に示すDF検定の結果より、帰無仮説が1%の有意水準で棄却され、残差系列Uは、単位根を持たない定常時系列と判断される。
以上より、長期均衡式からの誤差は定常であり、JCC価格(Y)と原油FOB価格(X)とは、共和分の関係にあることが分かる。
<エラー修正モデルのラグの次数>
次に、原油FOB価格の履歴およびJCC価格の履歴に基づく、JCC価格の分布ラグモデルについて説明する。
本実施形態では、タンカーの輸送日数を20日としているため、1旬を約10日と考えると、原油FOB価格がJCC価格に影響を与えるのは、2旬以上のラグを伴う可能性が高い。そこで、本実施形態では、旬別のJCC価格について、次式(2)のような分布ラグモデルで表すことにした。なお、ラグの次数Tは3以上である。
まずT=4の場合について、回帰分析(パラメータの推計)を行ったところ、図2のような結果となった。しかし、Yの最大次数(2)に対応するYt−2について、t値は2未満(−1.80205)であり有意でない。
そこで、ラグの次数Tを3として、パラメータの推計を行ったところ、図3のような結果となった。この場合、XおよびYのそれぞれについて、t値は2以上となり有意となる。
さらに、図3の結果について、切片αについてのt値が2未満であることから、切片は0(ゼロ)の可能性が高いと判断されるため、切片を0としてパラメータの推計を行ったところ、図4のような結果となった。この場合、補正決定係数は図3の場合に比べて低くなったものの、t値は全て2以上となっている。そこで、本実施形態では、次式(3)に示す分布ラグモデル(ラグの次数Tが3であり、切片が0である分布ラグモデル)をJCC価格の予測に用いるものとする。
以下の説明では、上記の分布ラグモデルを用いてJCC価格の予測を行う、原油取引システムについて説明する。
==システム構成==
図5は、本発明の一実施形態である原油取引システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態の原油取引システムは、注文端末10と売買サーバ20とを含んで構成されている。
売買サーバ20は、原油の先物取引を行う金融機関や商社などが運用するコンピュータである。売買サーバ20は、一般的なオンライン処理による先物取引を行う。注文端末10と売買サーバ20とは通信ネットワーク30を介して接続されている。通信ネットワーク30は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などである。
注文端末10(本発明の予測システムを実現する。)は、電力会社において取引担当者が操作するコンピュータである。取引担当者は、注文端末10を操作して売買サーバ20にアクセスして、原油の先物取引を行う。
図6に、注文端末10のハードウェア構成を示す。同図に示すように、注文端末10は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備えている。記憶装置103は、プログラムやデータを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやCD−ROMドライブ、フラッシュメモリなどである。CPU101は、記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。通信インタフェース104は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース104は、例えば、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタや、公衆電話回線網に接続するためのモデムなどである。入力装置105は、取引担当者から情報の入力を受け付ける、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどである。出力装置106は、取引担当者に対して情報を出力する、例えば、ディスプレイやプリンタなどである。
図7は、注文端末10のソフトウェア構成を示す図である。同図に示すように、注文端末10は、分布ラグモデル入力部111、パラメータ推計部112、パラメータ出力部113、予測モデル入力部114、JCC価格予測部115、リスク別予測価格算出部116、固定化数量算出部117、固定化数量出力部118、取引処理部119、FOB価格データベース152、JCC価格データベース151、輸入数量データベース153、予測リスクパラメータ記憶部154、変動リスクパラメータ記憶部155、購入予定量データベース156を備えている。なお、上記分布ラグモデル入力部111、パラメータ推計部112、パラメータ出力部113、予測モデル入力部114、JCC価格予測部115、リスク別予測価格算出部116、固定化数量算出部117、固定化数量出力部118、および取引処理部119は、注文端末10が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現される。また、FOB価格データベース152、JCC価格データベース151、輸入数量データベース153、予測リスクパラメータ記憶部154、変動リスクパラメータ記憶部155、および購入予定量データベース156は、注文端末10が備えるメモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域として実現される。
JCC価格データベース151(本発明の取引価格記憶部に対応する。)は、月別および旬別のJCC価格の履歴を記憶する。図8にJCC価格データベース151の構成例を示す。同図に示すように、JCC価格データベース151は、年月に対応付けて、月別のJCC価格と、上旬、中旬、下旬のそれぞれに対応する旬別のJCC価格とを記憶している。
FOB価格データベース152(本発明の出荷価格記憶部に対応する。)は、産油地別の原油FOB価格の履歴を記憶する。図9にFOB価格データベース152の一例を示す。同図に示すように、FOB価格データベース152は、年月に対応付けて、産油地別の原油FOB価格を記憶している。
分布ラグモデル入力部111は、上記のような分布ラグモデルを示す情報(以下、モデル情報という。)の入力を受け付ける。本実施形態では、上述の式(3)を示す分布ラグモデルを示すモデル情報が入力されたものとする。モデル情報は、例えば、XML(eXtensible Markup Language)などの、注文端末10が解釈可能な言語で上記分布ラグモデルを表現したものである。
パラメータ推計部112は、FOB価格データベース152に記憶されている原油FOB価格Xの履歴と、JCC価格データベース151に記憶されているJCC価格Yの履歴とに基づいて回帰分析を行い、分布ラグモデル入力部111が受け付けたモデル情報が示す分布ラグモデルに含まれる説明変数(XおよびY)の係数(パラメータ)を推計する。上述の図1に示したグラフに示されるJCC価格Yおよび原油FOB価格Xに基づいて、上記式(3)のパラメータを推計すると、例えば、次式(4)のような結果が求められる。
パラメータ出力部113は、分布ラグモデル入力部111が受け付けた分布ラグモデルに、パラメータ推計部112が推計したパラメータを設定した、例えば、上記の式(4)などのモデルと、回帰分析に係る重相関係数や標準誤差などの統計値を出力する。
利用者は、パラメータの推計結果や回帰分析に係る統計値などのパラメータ出力部113による出力を参考にして、JCC価格の予測に用いる分布ラグモデル(以下、予測モデルという。)を決定し、決定した予測モデルを注文端末10に入力する。予測モデル入力部114は、利用者から予測モデルを示すモデル情報の入力を受け付ける。なお、本実施形態では、予測モデルは上記式(3)に示されるものとする。また、パラメータ推計部112によるパラメータの推計結果により、上記式(4)のような係数が設定され、注文端末10は、予測モデルに原油FOB価格およびJCC価格を当てはめることにより、旬別のJCC価格を算出することができるものとする。
輸入数量データベース153は、年月および旬に対応付けて、原油の輸入量の実績値を記憶する。輸入数量データベース153の構成例を図10に示す。同図に示すように、輸入数量データベース153は、年月および旬に対応付けて、原油の輸入量を記憶している。
JCC価格予測部115は、月別のJCC価格を予測する。JCC価格予測部115によるJCC価格の予測処理の流れを図11に示す。なお、予測対象となる年月は、予め利用者から入力(予測時期入力部)されているものとする。
JCC価格予測部115は、輸入数量データベース153から、予測対象となる年月と同じ月に対応する過去5年分の輸入数量を読み出し(S401)、読み出した輸入数量を合計して合計輸入数量を算出し(S402)、上旬、中旬、および下旬の各旬について、対応する輸入数量を合計して旬別の輸入数量を算出する(S403)。JCC価格予測部115は、各旬を処理旬として以下の処理を行う。
JCC価格予測部115は、処理旬に対応する旬別輸入数量を合計輸入数量で割って、処理旬の重みを算出する(S404)。次にJCC価格予測部115は、予測モデルに含まれている説明変数のそれぞれ(本実施形態の場合は、上記式(4)に含まれている、説明変数Xt−2、Xt−3、およびYt−1)について、以下の処理を行う。
JCC価格予測部115は、予測対象の年月の処理旬から、説明変数のラグ次数分の旬前の年月および旬を算出し(S405)、説明変数に応じて、算出した年月および旬に対応するJCC価格又は、算出した年月に対応する原油FOB価格を、JCC価格データベース151又は、FOB価格データベース152から読み出す(S406)。例えば、予測対象の年月を2004年4月、処理旬を中旬とした場合には、Yt−1の説明変数について、Yt−1のラグ次数「1」旬前の2004年4月上旬のJCC価格が読み出され、Xt−2の説明変数について、Xt−2のラグ次数「2」旬前の2004年3月下旬の年月である2004年3月に対応する原油FOB価格が読み出されることになる。
JCC価格予測部115は、以上のようにして読み出したJCC価格および原油FOB価格を予測モデルに適用して旬別のJCC予測価格を算出する(S407)。このようにして、各旬についての旬別のJCC予測価格が算出される。
JCC価格予測部115は、各旬についてのJCC予測価格に、その旬に対応する重みを乗じた値を合計して、予測対象となる年月のJCC予測価格を求める(S408)。すなわち、JCC価格予測部115は、原油の輸入数量実績に応じた旬別JCC予測価格の加重平均値をJCC予測価格として算出することになる。
以上のようにして、JCC価格予測部115は、予測対象となる年月についてのJCC予測価格を算出する。本実施形態の注文端末10では、中東産原油のFOB価格に基づいて、JCC価格を予測している。日本の原油輸入量の約9割を中東産原油が占めている現状では、日本に輸入された原油のCIF価格であるJCC価格は、中東産原油のFOB価格により概ね形成されると考えられる。したがって、中東産原油のFOB価格を用いてJCC価格を予測することにより、精度の高い予測結果を期待することができる。
また、本実施形態の注文端末10では、中東産原油のFOB価格の多くが、ドバイ原油およびオマーン原油のFOB価格に連動することが確認されたことから、中東産原油の中でも、ドバイ原油とオマーン原油の月平均に基づいて、JCC価格を予測することにしている。したがって、数多くの中東産原油の全てについて検討することなく、上記2つの地域についてのFOB価格のみを用いて予測処理を行うことができるので、注文端末10の計算負荷を低減し、予測処理を迅速に行うことができる。よって、利用者に対する応答性を向上することができる。
JCC価格予測部115により算出されたJCC予測価格に、リスクに応じた修正を加えて、リスク別のJCC予測価格を算出するのがリスク別予測価格算出部116である。リスク別予測価格算出部116による、リスク別JCC予測価格の算出処理の流れを図12に示す。
まず、リスク別予測価格算出部116は、過去5年の各年月について、予測誤差を算出する。具体的には、過去5年の各年月について、JCC価格予測部115が上記図11に示す予測処理によりJCC価格の予測価格(以下、過去JCC予測価格という。)を算出する(S421)。
リスク別予測価格算出部116は、上記年月に対応する月別のJCC価格をJCC価格データベース151から読み出す(S422)。リスク別予測価格算出部116は、JCC価格予測部115が算出した過去JCC予測価格から月別のJCC価格を減じて、上記年月に対応する予測誤差を算出する(S423)。
次に、リスク別予測価格算出部116は、以上の処理により算出された予測誤差を昇順に並べたリストを作成する(S424)。リスク別予測価格算出部116は、所定のリスク(本実施形態では、1%、5%、および10%とする。)について、以下の処理を行う。
リスク別予測価格算出部116は、リストに含まれる予測誤差の個数にリスクを乗じて小数点以下を切り上げた整数をnとして(S425)、リストに含まれるn番目の予測誤差をリスク誤差とする(S426)。リスク別予測価格算出部116は、JCC予測価格にリスク誤差を加算して、リスク別JCC予測価格を算出する(S427)。
以上のように、本実施形態の注文端末10は、リスク別JCC予測価格を算出することができる。したがって、利用者は、リスクに応じたJCC価格の予測値を取得することができるので、例えば、先物取引のように、リスクを考慮に入れて取引を行う必要がある場合には便利である。
固定化数量算出部117は、原油価格の予測に伴うリスク(以下、予測リスクという。)と、原油の価格変動に伴うリスク(以下、価格変動リスクという。)および原油の購入予定量に応じたリスク(以下、購入量リスクという。)とに応じて、適正な月別の原油先物の購入数量(以下、固定化数量という。)を予測する。固定化数量算出部117は、固定化数量をP、月別の購入予定量をKとすると、次式(5)により固定化数量を算出する。
ここで、上記式(5)において、パラメータaは、予測リスクに応じたパラメータ(以下、予測リスクパラメータという。)であり、パラメータbは、価格変動リスクおよび購入量リスクに応じたパラメータ(以下、変動リスクパラメータという。)である。
予測リスクパラメータ記憶部154は、予測リスクパラメータを記憶する。予測リスクパラメータ記憶部154の構成例を図13に示す。同図に示すように、予測リスクパラメータ記憶部154は、予測リスク(本実施形態では、上述の通り1%、5%、および10%とする。)に対応付けて、予測リスクパラメータを記憶している。
変動リスクパラメータ記憶部155は、変動リスクパラメータを記憶する。変動リスクパラメータ記憶部155の構成例を図14に示す。同図に示すように、変動パラメータ記憶部155は、JCC価格の変動率を価格変動リスクとし、原油の購入予定量の年平均値からの乖離率を購入量リスクとして、価格変動リスクおよび購入量リスクに対応付けて、変動リスクパラメータを記憶している。
価格変動率は、過去のJCC価格を月毎に集計し、前月からの変動率を算出したものである。購入予定量の乖離率は、1年間を通した原油の購入予定量の平均値からの、各月ごとの購入予定量の乖離である。
各月の購入予定量は、購入予定量データベース156に記憶されている。購入予定量データベース156の構成例を図15に示す。同図に示すように、購入予定量データベース156は、月ごとに、原油の購入予定量を記憶している。また、購入予定量データベース156は、月ごとに、年間の原油購入予定量の平均値に対する、月ごとの購入予定量の乖離率を記憶している。
固定化数量算出部117による固定化数量の算出処理の流れを図16に示す。固定化数量算出部117は、上記のリスク(1%、5%、および10%)のそれぞれについて、以下の処理を行う。
固定化数量算出部117は、リスクに対応する予測リスクパラメータを、予測リスクパラメータ記憶部154から読み出す(S441)。
固定化数量算出部117は、過去10年分の各年について、予測対象となっている年月の月(以下、当月という。)に対応するJCC価格の平均値をJCC価格データベース151から集計し、その前月に対応するJCC価格の平均値をJCC価格データベース151から集計し、当月の平均値から前月の平均値を引いた値を当月の平均値で割って、価格変動率を算出する(S442)。固定化数量算出部117は、年ごとの上記価格変動率の標準偏差を算出し、価格変動リスクとする(S443)。
次に、固定化数量算出部117は、購入予定量データベース156に記憶されている購入予定量の平均値を算出し(S444)、当月に対応する購入予定量を購入予定量データベース156から読み出す(S445)。固定化数量算出部117は、当月に対応する購入予定量を、上記の購入予定量の平均値で割って、購入量リスクとする(S446)。
固定化数量算出部117は、以上のようにして算出した価格変動リスクおよび購入量リスクに対応する変動リスクパラメータを、変動リスクパラメータ記憶部155から読み出す(S447)。
固定化数量算出部117は、当月に対応する購入予定量に、予測リスクパラメータと、変動リスクパラメータとを乗じて、固定化数量を算出する(S448)。
以上のようにして、本実施形態の注文端末10は、予測リスク、価格変動リスク、および購入量リスクに応じた購入量の推奨値を算出することができる。したがって、利用者は、注文端末10によるリスク別の固定化数量を参考にして、先物取引を行うことが可能となる。よって、例えば、JCC価格のように相対取引による場合にも、リスクに応じた適切な価格を基準として取引を行うことができるので便利である。
また、本実施形態の注文端末10では、原油の購入量が多い場合には、価格変動の影響が大きいため、価格変動リスクを低減するべく、変動リスクパラメータを大きくして、固定化数量が大きくなるようにしている。また、原油の価格変動が大きい場合には、早めに先物取引により取引価格を固定化するべく、変動リスクパラメータを大きくして、固定化数量が大きくなるようにしている。このように、本実施形態の注文端末10によれば、利用者は、適切な購入価格および購入量を容易に決定することができる。
固定化数量出力部118は、固定化数量算出部117が算出した固定化数量を、ディスプレイやプリンタなどの出力装置106に出力する。固定化数量出力部118がディスプレイに出力する画面50の一例を図17に示す。
画面50は、予測対象となる年月を指定するプルダウンリスト51、JCC予測価格の表示欄42、購入予定量の表示欄53、リスク別JCC予測価格およびリスク別の固定化数量の表示欄54、および銘柄画面ボタンを備えている。プルダウンリスト51から予測対象の年月が指定されると、上述した図11のJCC予測価格の算出処理、図12のリスク別JCC予測価格の算出処理、および図16の固定化数量の算出処理が実行される。
固定化数量出力部118は、JCC価格予測部115が算出したJCCの予測価格を表示欄52に表示し、購入予定量データベース156に記憶されている購入予定量の合計を表示欄53に出力する。また、固定化数量出力部118は、リスク別のJCC予測価格および固定化数量を表示欄54に出力する。
銘柄画面ボタン55が押下されると、取引処理部119によるJCCの先物取引処理が行われる。なお、取引処理部119による先物取引処理には、一般的な先物取引に関する処理を用いることができる。
取引処理部119が表示する画面例を図18に示す。取引処理部119は、売買サーバ20にアクセスして、画面50のプルダウンリスト51から選択された限月についての、JCC価格の先物取引に関する、価格別の売買状況を取得し、取得した売買状況を画面60の表示欄61に表示する。ここで画面60の注文画面ボタン62が押下されると、取引処理部119は、JCC価格の先物を注文する画面70を表示する。画面70は、JCC価格の先物取引に必要な情報の入力欄71を備えており、利用者は、上述の画面50に表示された、リスク別のJCC予測価格や個別化数量を参考にして、入力欄71に取引情報を入力する。画面70において注文ボタン72が押下されると、取引処理部119は、入力欄71に入力された取引情報に基づいて、JCC価格の先物取引の申込を売買サーバ20に送信する。以上のように、電力会社の担当者は、リスク別のJCC予測価格や固定化数量を参考にしながら、JCC価格の先物取引を行うことができる。
なお、本実施形態では、原油の取引価格であるJCC価格を予測することを前提としたが、これに限らず、各種のエネルギーの取引価格について適用することができる。この場合、エネルギーの供給地域における出荷価格を用いて、市場における取引価格を予測することになる。
また、本実施形態では、原油のタンカー輸送にかかるラグが20日程度であり、旬(10日)ごとのJCC価格を求めるようにしたので、2期のラグに注目した分布ラグモデルを利用したが、輸送にかかる時間等に応じた次数のラグに注目した分布ラグモデルを用いるようにすることができる。
また、本実施形態では、輸送費及び保険料、並びにタンカーの輸送日数について固定値であるものとしたが、これらも変動するものとして、分布ラグモデルの説明変数に加えるようにしてもよい。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
JCC価格(月別)と、ドバイ原油とオマーン原油のスポット価格の月平均値との推移の一例を示す図である。 T=4の場合の回帰分析の結果を示す図である。 T=3の場合の回帰分析の結果を示す図である。 T=3かつ切片=0の場合の回帰分析の結果を示す図である。 本実施形態の原油取引システムの全体構成を示す図である。 注文端末10のハードウェア構成を示す図である。 注文端末10のソフトウェア構成を示す図である。 JCC価格データベース151の構成例を示す図である。 FOB価格データベース152の一例を示す図である。 輸入数量データベース153の構成例を示す図である。 JCC価格予測部115によるJCC価格の予測処理の流れを示す図である。 リスク別JCC予測価格の算出処理の流れを示す図である。 予測リスクパラメータ記憶部154の構成例を示す図である。 変動リスクパラメータ記憶部155の構成例を示す図である。 購入予定量データベース156の構成例を示す図である。 固定化数量算出部117による固定化数量の算出処理の流れを示す図である。 固定化数量出力部118がディスプレイに出力する画面50の一例を示す図である。 取引処理部119が表示する画面例を示す図である。
符号の説明
10 注文端末
20 売買サーバ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
111 分布ラグモデル入力部
112 パラメータ推計部
113 パラメータ出力部
114 予測モデル入力部
115 JCC価格予測部
116 リスク別予測価格算出部
117 固定化数量算出部
118 固定化数量出力部
119 取引処理部
151 JCC価格データベース
152 FOB価格データベース
153 輸入数量データベース
154 予測リスクパラメータ記憶部
155 変動リスクパラメータ記憶部
156 購入予定量データベース

Claims (9)

  1. 市場におけるエネルギーの取引価格の予測システムであって、
    前記エネルギーの前記取引価格の履歴を記憶する取引価格記憶部と、
    前記エネルギーを産出する地域ごとに、前記エネルギーの出荷価格の履歴を記憶する出荷価格記憶部と、
    所定の前記地域を特定する地域特定情報を記憶する地域特定情報記憶部と、
    前記所定の地域に対応する前記出荷価格の履歴、前記取引価格の履歴、および所定の次数nのラグに基づいて前記取引価格を算出するための分布ラグモデルを示すモデル情報の入力を受け付ける分布ラグモデル入力部と、
    前記所定の地域に対応する前記出荷価格の履歴および前記取引価格の履歴に基づいて、前記分布ラグモデルによる回帰分析を行い、前記分布ラグモデルに含まれる説明変数の係数を推計するパラメータ推計部と、
    予測対象となる時期tの指定を受け付ける予測時期入力部と、
    前記時期tから前記次数n期前の時期t−nまでの前記取引価格を前記取引価格記憶部から読み出す取引価格取得部と、
    前記時期tから前記時期t−nまでの、前記所定の地域に対応する前記出荷価格を前記出荷価格記憶部から読み出す出荷価格取得部と、
    読み出した前記取引価格および前記出荷価格、並びに推計した前記係数を前記分布ラグモデルに適用して、前記時期tにおける前記取引価格の予測値を算出する予測部と、
    を備えることを特徴とする予測システム。
  2. 請求項1に記載の予測システムであって、
    前記分布ラグモデルは、前記取引価格をY、前記所定の地域に対応する前記出荷価格をX、定数をα、誤差をεとした場合に、式
    により表され、
    前記パラメータ推計部は、前記所定の地域に対応する前記出荷価格Xの履歴および前記取引価格Yの履歴に基づいて、前記分布ラグモデルの前記定数α、前記出荷価格の履歴についての係数β、前記取引価格の履歴についての係数γ、および前記誤差εを推計すること、
    を特徴とする予測システム。
  3. 請求項1に記載の予測システムであって、
    前記次数は3であり、
    前記分布ラグモデルは、前記取引価格をY、前記所定の地域に対応する前記出荷価格である基準地域出荷価格をXとした場合に、式
    により表され、
    前記パラメータ推計部は、前記基準地域出荷価格Xの履歴および前記取引価格Yの履歴に基づいて、前記分布ラグモデルにおける、前記時期tより2期前の前記基準地域出荷価格Xt−2についての係数β、前記時期tより3期前の前記基準地域出荷価格Xについての係数β、および前記時期tより1期前の前記取引価格Yt−1についての係数γを推計すること、
    を特徴とする予測システム。
  4. 請求項3に記載の予測システムであって、
    前記エネルギーは原油であり、前記取引価格は市場へのCIF価格であり、前記所定の地域はドバイおよびオマーンであり、前記基準地域出荷価格はドバイおよびオマーンからのFOB価格の平均値であること、
    を特徴とする予測システム。
  5. 請求項1に記載の予測システムであって、
    過去の所定期間に含まれる時期pのそれぞれについての前記予測値を算出する予測値履歴算出部と、
    前記予測値と、前記時期pに対応する前記取引価格との差分である誤差を算出し、算出した誤差の分布を求める誤差算出部と、
    前記誤差の分布から、所定の発生確率に対応する前記誤差を取得し、取得した前記誤差を、前記予測部が算出する前記時期tに対応する前記予測値に加算して、前記発生確率に対応する前記予測値を算出するリスク別予測値算出部と、
    を備えることを特徴とする予測システム。
  6. 請求項5に記載の予測システムであって、
    前記誤差算出部は、前記時期pに対応する前記取引価格から、前記時期pについての前記予測値を減算して前記誤差を算出し、
    前記誤差算出部は、前記誤差を小さい順にソートしたリストを作成し、
    前記リスク別予測値算出部は、前記リスト中の前記誤差の数に前記発生確率を乗じた数値kを算出し、前記リストの先頭から前記k番目の前記誤差を前記時期tに対応する前記予測値に加算して、前記発生確率に対応する前記予測値を算出すること、
    を特徴とする予測システム。
  7. 請求項5に記載の予測システムであって、
    前記時期tを含む将来の所定期間における時期q毎に、前記エネルギーの購入予定量を記憶するエネルギー購入予定量記憶部と、
    前記将来の所定期間における前記購入予定量の合計量を算出し、過去の前記時期p毎に前記時期pの1期前からの変動率を算出し、前記時期tにおける前記購入予定量の前記合計量に対する比率、前記変動率、および前記発生確率に応じた割合を前記購入予定量に乗じて、前記購入予定量の調整値を算出する購入予定量調整値算出部と、
    前記発生確率、前記発生確率に対応する前記予測値、および前記購入予定量の調整値を対応付けて出力するリスク別購入量出力部と、
    を備えることを特徴とする予測システム。
  8. 市場におけるエネルギーの取引価格の予測方法であって、
    コンピュータが、
    前記エネルギーの前記取引価格の履歴をメモリに記憶し、
    前記エネルギーを産出する地域ごとに、前記エネルギーの出荷価格の履歴を前記メモリに記憶し、
    所定の前記地域に対応する前記出荷価格の履歴、前記取引価格の履歴、および所定の次数nのラグに基づいて前記取引価格を算出するための分布ラグモデルを示すモデル情報の入力を受け付け、
    前記所定の地域に対応する前記出荷価格の履歴および前記取引価格の履歴に基づいて、前記分布ラグモデルによる回帰分析を行い、前記分布ラグモデルに含まれる説明変数の係数を推計し、
    予測対象となる時期tの指定を受け付け、
    前記時期tから前記次数n期前の時期t−nまでの前記取引価格を前記メモリから読み出し、
    前記時期tから前記時期t−nまでの、前記所定の地域に対応する前記出荷価格を前記メモリから読み出し、
    読み出した前記取引価格および前記出荷価格、並びに推計した前記係数を前記分布ラグモデルに適用して、前記時期tにおける前記取引価格の予測値を算出すること、
    を特徴とする予測方法。
  9. 市場におけるエネルギーの取引価格を予測するためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記エネルギーの前記取引価格の履歴をメモリに記憶するステップと、
    前記エネルギーを産出する地域ごとに、前記エネルギーの出荷価格の履歴を前記メモリに記憶するステップと、
    所定の前記地域に対応する前記出荷価格の履歴、前記取引価格の履歴、および所定の次数nのラグに基づいて前記取引価格を算出するための分布ラグモデルを示すモデル情報の入力を受け付けるステップと、
    前記所定の地域に対応する前記出荷価格の履歴および前記取引価格の履歴に基づいて、前記分布ラグモデルによる回帰分析を行い、前記分布ラグモデルに含まれる説明変数の係数を推計するステップと、
    予測対象となる時期tの指定を受け付け、
    前記時期tから前記次数n期前の時期t−nまでの前記取引価格を前記メモリから読み出すステップと、
    前記時期tから前記時期t−nまでの、前記所定の地域に対応する前記出荷価格を前記メモリから読み出すステップと、
    読み出した前記取引価格および前記出荷価格、並びに推計した前記係数を前記分布ラグモデルに適用して、前記時期tにおける前記取引価格の予測値を算出するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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