JP2009024910A - 熱交換部材および熱交換部材の製造方法 - Google Patents

熱交換部材および熱交換部材の製造方法 Download PDF

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洋輔 肥塚
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芳輝 保田
Masaaki Kubo
賢明 久保
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Abstract

【課題】設備の大型化およびコストアップを抑制しながら、使用条件によって伝熱性能を変えることが可能である熱交換部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】液体あるいは気体からなる冷却媒体と、前記冷却媒体の温度より高い温度を有する固体の伝熱部材との間の界面において、熱交換を行う熱交換部材142であって、前記伝熱部材と前記冷却媒体との温度差によって決定される、前記伝熱部材から前記冷却媒体への単位面積あたりの伝熱量が、特定の温度差を境界にして、増大する可変熱伝達層144を有し、可変熱伝達層144は、前記界面に面している。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換部材および熱交換部材の製造方法に関する。
伝熱部材の表面に設けられるくぼみや突起は、伝熱部材と接触する冷却媒体の流れを攪拌し、より多くの冷却媒体を伝熱部材に接触させることで、伝熱効率を向上させる。一方、くぼみや突起は、攪拌抵抗によって冷却媒体自身の流れを妨げるため、冷却媒体を流す際に大きな動力が必要になる。そのため、突起の形状を最適化することにより、動力損失の増加を抑制している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−317114号公報
しかし、伝熱部材の表面と冷却媒体との間の熱伝達率は、冷却媒体の流れが同じであれば、伝熱部材の表面形状によって決まり、使用条件によって変えることができない問題を有する。一方、エネルギ消費を伴う特別な装置、例えば、外部から振動を与える装置を配置することで、伝熱量を変化させることは可能であるが、設備の大型化およびコストアップを引き起こす。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、設備の大型化およびコストアップを抑制しながら、使用条件によって伝熱性能を変えることが可能である熱交換部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一様相は、液体あるいは気体からなる冷却媒体と、前記冷却媒体の温度より高い温度を有する固体の伝熱部材との間の界面において、熱交換を行う熱交換部材である。当該熱交換部材は、前記伝熱部材と前記冷却媒体との温度差によって決定される、前記伝熱部材から前記冷却媒体への単位面積あたりの伝熱量が、特定の温度差を境界にして、増大する可変熱伝達層を有する。また、前記可変熱伝達層は、前記界面に面している。
上記目的を達成するための本発明の別の一様相は、液体あるいは気体からなる冷却媒体と、前記冷却媒体の温度より高い温度を有する固体の伝熱部材との間の界面において、熱交換を行う熱交換部材の製造方法である。当該製造方法は、前記伝熱部材と前記冷却媒体との温度差によって決定される、前記伝熱部材から前記冷却媒体への単位面積あたりの伝熱量が、特定の温度差を境界にして増大する可変熱伝達層を、前記界面に面している前記熱交換部材の表面に、形成する工程を有する。
本発明の一様相によれば、熱交換部材は、特定の温度差を境界にして、伝熱量が増大する可変熱伝達層を有するため、熱交換部材の伝熱量は、エネルギ消費を伴う特別な装置を設けることなく、使用条件によって、変化する。つまり、設備の大型化およびコストアップを抑制しながら、使用条件によって伝熱性能を変えることが可能である熱交換部材を提供することができる。
本発明の別の一様相によれば、特定の温度差を境界にして、伝熱量が増大する可変熱伝達層を有する熱交換部材を得ることができる。当該交換部材の伝熱量は、エネルギ消費を伴う特別な装置を設けることなく、使用条件によって、変化する。つまり、設備の大型化およびコストアップを抑制しながら、使用条件によって伝熱性能を変えることが可能である熱交換部材の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施の形態1に係る内燃機関を説明するための断面図、図2は、実施の形態1に係るウォータージャケットを説明するための断面図、図3は、図2に示される可変熱伝達層の平面図である。
内燃機関100は、燃料としてガソリンや軽油を用いる原動機であり、シリンダブロック110、シリンダヘッド120、ピストン130およびウォータージャケット(冷却ジャケット)140を有する。
シリンダブロック110は、シリンダを形成し、内燃機関の全体構造を決定する基礎構造体である。シリンダヘッド120は、シリンダブロック110に取り付けられ、混合気が燃焼する燃焼室を形成する。ピストン130は、燃焼ガス圧力と熱を受けつつ、シリンダブロック110のシリンダ内を往復摺動する。ウォータージャケット140は、シリンダヘッド120およびシリンダブロック110の一部に形成された空間からなり、冷却媒体である冷却水が流通(循環)する。冷却水は、水および添加剤からなる。添加剤は、例えば、グリセリンである。
内燃機関が仕事をしている場合、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120は高温になっており、冷却水と熱交換する。したがって、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120は、冷却水温度より高い温度を有する伝熱部材であり、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120から形成されるウォータージャケット140の内壁部142は、熱交換を行う熱交換部材である。つまり、熱交換部材および伝熱部材は、同一の素材からなり、一体化している。
内壁部142の表面には、可変熱伝達層144が形成されている。可変熱伝達層144は、冷却水との熱交換の界面に面しており、冷却水と内壁部142との温度差によって決定される、内壁部142から冷却水への単位面積あたりの伝熱量が、特定の温度差を境界にして、増大する特性を有する。
ウォータージャケット140の内壁部142は、上記のように、特定の温度差を境界にして、伝熱量が増大する可変熱伝達層144を有するため、内壁部142の伝熱量は、エネルギ消費を伴う特別な装置を設けることなく、使用条件によって、変化する。
例えば、ウォータージャケット140の内壁部142の温度が低温でありかつウォータージャケット140の内壁部142と冷却水との温度差が小さい状況から、ウォータージャケット140の内壁部142の温度が上昇し、前記温度差が特定の境界を越えると、可変熱伝達層144の伝熱量が向上する。あるいは、ウォータージャケット140の内壁部142の温度が高温でありかつ前記温度差が特定の境界を越えている状況から、ウォータージャケット140の内壁部142の温度が降下し、前記温度差が特定の境界を下回ると、可変熱伝達層144の伝熱量が低下する。
つまり、設備の大型化およびコストアップを抑制しながら、使用条件によって伝熱性能を変えることが可能であるウォータージャケット140の内壁部142を提供することができる。
可変熱伝達層144は、複数の微細な円柱状ホール(柱状凹部)146を有し、円柱状ホール146は、所定の平均直径および所定の平均深さを有する。円柱状ホール146は、伝熱量の増大を発現させ、かつ前記所定の平均直径および平均深さによって、前記特定の温度差を決定することが可能である。
特定の温度差を境界にして伝熱量を確実に増大させるためには、円柱状ホール146の平均直径および平均深さは、冷却媒体の組成に応じて適宜変更することが好ましい。例えば、冷却媒体が液体である場合、円柱状ホール146の平均直径は、25nm以上かつ1μm以下であり、円柱状ホール146の平均深さは、100nm以上かつ25mm以下であることが好ましい。さらに、冷却媒体が水あるいは実施の形態1のように添加剤を含む水である場合、円柱状ホール146の平均直径は、40nm以上かつ450nm以下であり、円柱状ホール146の平均深さは、280nm以上かつ4.5mm以下であること好ましい。
可変熱伝達層144は、円柱状ホール146の周囲に配置される断熱層148をさらに有する。断熱層148は、円柱状ホール146の周囲を断熱構造とするため、円柱状ホール146における固体側と流体側との温度差を増加させるため、伝熱量の増大効果が現れやすくなる。しかし、断熱層148を適宜省略することも可能である。
断熱層148は、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120を構成する素材の酸化物皮膜からなり、内壁部142と一体化しているため、熱伝導が良好である。
なお、円柱状ホール146の断面形状は、円形状に限定されず、例えば、四角状や六角状とすることも可能である。また、断熱層148は、適宜省略することも可能である。
良好な熱伝導を発揮するためには、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120を構成する素材の熱伝導率が100W/(m・K)以上であり、断熱層148を構成する酸化物皮膜の熱伝導率が100W/(m・K)以下であることが好ましく、さらに良好な熱伝導を発揮するためには、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120を構成する素材の熱伝導率が200W/(m・K)以上であり、断熱層148を構成する酸化物皮膜の熱伝導率が40W/(m・K)以下であることが好ましい。
前記素材が、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなり、前記酸化物皮膜が、アルミナからなる場合、酸化物皮膜を容易に形成し、かつ良好な熱伝導を発揮させることができるため、好ましい。アルミナが陽極酸化によって形成される場合、アルミナを広範囲にわたって容易かつ廉価に形成することができるため、特に、好ましい。なお、前記素材は、特に限定されないが、熱交換器としてコストおよび性能面で優れ、かつ製造が容易であるため、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。
図4は、図2に示されるウォータージャケットの製造方法を説明するためのブロック図である。
ウォータージャケット140の製造方法は、特定の温度差を境界にして、伝熱量が増大する可変熱伝達層144を、内壁部142の表面に形成する工程を有する。内壁部142が、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる場合、可変熱伝達層144を形成する工程は、研磨工程、陽極酸化工程およびエッチング工程を有する。
研磨工程においては、シリンダブロック110およびシリンダヘッド120におけるウォータージャケット140を形成する内壁に、バフ研磨および電解研磨が施され、表面形状が調整される。バフ研磨および電解研磨の一方を、適宜省略することも可能である。
陽極酸化工程においては、表面形状が調整された前記内壁が、電解液に浸漬され、電圧が印加されることで陽極酸化膜が形成される。電解液は、例えば、酸系である。印加電圧は、例えば、70〜80Vである。陽極酸化膜は、アルミナからなる酸化物皮膜であり、微細孔を有する。微細孔および酸化物皮膜は、円柱状ホールおよび断熱層として機能する。
エッチング工程においては、酸化物皮膜が形成された前記内壁は、清浄表面を露出させるため、エッチング液に浸漬される。エッチング液は、例えば、酸系である。浸漬時間は、例えば、15分である。
これにより、陽極酸化によって可変熱伝達層が形成された内壁部142が得られる。陽極酸化は、広範囲にわたって容易かつ廉価に円柱状ホールおよび断熱層を形成することができるため、好ましい。特に、ウォータージャケット140等のように、流路の内壁など外部から直接除去加工ができないような熱交換部位において有効である。なお、微細孔の平均直径および平均深さは、アルミニウム基材の成分組成の選定、電解液の成分組成の選定、陽極酸化条件などを制御することによって、調整可能である。
次に、可変熱伝達層の作用および効果を、具体的に説明する。
図5は、実施の形態1に係る可変熱伝達層の試験装置を説明するための概略図、図6は、試験装置に適用される試験片温度、水温および経過時間の関係を示しているグラフである。
試験装置150は、外郭容器160、電気ヒータ170、温度センサ180および温度センサ185を有する。外郭容器160は、外部への熱の流出を極小化するために断熱構造を有し、その内部には、水が満たされる。
電気ヒータ170は、外郭容器160の内面に配置される。電気ヒータ170の外郭容器160の内部に相対する面には、試験片155がセットされる。試験片155は、可変熱伝達層が形成されている片面が、外郭容器160の内部に満たされる水と接触するようにセットされ、電気ヒータ170は、前記水と、接触しない。
温度センサ180は、例えば、白金測温抵抗体を有しており、試験片温度(電気ヒータ170側の温度)θを測定するために配置される。温度センサ185は、例えば、白金測温抵抗体を有しており、水温θを測定するために配置される。
試験を開始する場合、まず、試験片155および温度センサ180,185を所定位置にセットし、外郭容器160の内部に水を満たし、その状態で、装置全体の温度が均一となるまで放置する。その後、電気ヒータ170を一定出力で作動させ、試験片155を加熱する。
この際、温度センサ180および185によって測定される試験片温度θおよび水温θは、図6に示されるように、経過時間とともに、上昇し、試験片温度θが水温θを越えた状態(θ>θ)を維持しながら、平衡温度に達する。試験片温度θおよび水温θの開始温度が同じ(θ)であり、平衡温度において試験片温度θが水温θを越えた状態が維持されるため、試験片温度θと水温θとの温度差は、経過時間とともに増大し、平衡値(平衡温度差)に達する。
水が受け取った熱量Qは、水温上昇、水の比熱および水量から算出することが可能である。また、水が受け取った熱量Qは、電気ヒータ170からの入熱量Qinと、外郭容器160からの放熱量Qoutとの熱量差によって、算出することも可能である。
図7は、試験片と水の平衡温度差と、水が受け取った熱量との関係を示しているグラフである。
実施例は、可変熱伝達層が片面に形成されている試験片であり、圧延によって所定厚みにされた純アルミニウムの素材を、直径約100mmの円板状に切断した後、研磨工程、陽極酸化工程(印加電圧は、76V)およびエッチング工程(浸漬時間は15分)を経て、作製されている。なお、可変熱伝達層は、平均直径が約100nmかつ平均深さが約10μmの円柱状ホールを有する。
比較例は、可変熱伝達層が形成されていない試験片であり、圧延によって所定厚みにされた純アルミニウムの素材を、直径約100mmの円板状に切断することで、作製されている。
図7のグラフに示されるように、実施例および比較例の両者とも、平衡温度差の増加に伴って、水が受け取った熱量Qが増加する。しかし、実施例は、比較例と異なり、平衡温度差が特定の値に到達すると、水が受け取った熱量Qの増加のパターンが変化している。つまり、実施例において、可変熱伝達層の存在により、特定の温度差を境界にして、伝熱量が増大している。
次に、内燃機関における可変熱伝達層の作用および効果を詳述する。
図8は、図1に示される内燃機関の各部の温度および経過時間の関係を示しているグラフ、図9は、図1に示される内燃機関の運転前、過渡期および定常領域における各部の温度を説明するためのグラフ、図10は、図8および図9に示される温度の測定点を説明するための断面図である。なお、温度θ、θWL、θWSおよびθは、ウォータージャケット140内の冷却水温度、冷却水と可変熱伝達層144との間の界面温度、可変熱伝達層144とウォータージャケット140の内壁部142との間の界面温度およびウォータージャケット140の内壁部142の温度を示している。
内燃機関100の運転前、各部の温度は、均一(例えば、20℃)であり、冷却水と可変熱伝達層144との間の界面温度θWLと、可変熱伝達層144とウォータージャケット140の内壁部142との間の界面温度θWSとの温度差は、0℃である。内燃機関100の運転が開始されると、過渡期を経由して各部の温度が上昇し、一定の平衡温度を到達すると、定常領域に移行する。
例えば、ウォータージャケット140内の冷却水温度θの過渡期および定常領域の値は、57℃および90℃である。冷却水と可変熱伝達層144との間の界面温度θWLの過渡期および定常領域の値は、62℃および100℃である。可変熱伝達層144とウォータージャケット140の内壁部142との間の界面温度θWSの過渡期および定常領域の値は、94℃および140℃である。ウォータージャケット140の内壁部142の温度θの過渡期および定常領域の値は、116℃および190℃である。なお、上記温度は、平均的な値を示す代表例であり、内燃機関100の負荷が変動する場合においては、短時間に温度変化が生じる。
ウォータージャケット140内の冷却水に比較し、ウォータージャケット140の内壁部142は、高温となる燃焼室の近くに位置するため、運転前と定常領域の温度差が大きい。そのため、ウォータージャケット140内の冷却水温度θと、ウォータージャケット140の内壁部142の温度θとの温度差は、経過時間に応じて、徐々に大きくなる。
この際、温度差が特定の境界を越えると、可変熱伝達層144の伝熱量が増大する。そのため、実施例は、破線で示される可変熱伝達層144を有しない比較例の場合に比較し、ウォータージャケット140の内壁部142の温度θが、低下する。つまり、内燃機関100が高温時においては、冷却水への伝熱量が増加するため、高負荷時の放熱性能が向上し、内燃機関のノッキングを改善し、出力を増加させることができる。
また、冷却水量を削減しても、定常領域の温度を、可変熱伝達層144を有しない場合と同等に維持することが可能である。そのため、冷却水量を削減し、過渡期の低温時における伝熱量を抑制する(放熱したくないときに断熱的に作用させる)ことができる。つまり、可変熱伝達層144の存在により、内燃機関100が低温時においては、冷却水への伝熱量が抑制されるため、冷却水量を削減し、暖機時間を短縮することで、燃費を改善することができる。
また、冷却水量が削減される場合、ウォータージャケット140の内部に冷却水を流通させるためのポンプの動力が低下するため、ポンプの小型化、低コスト化および燃費改善(ポンプの燃料消費の削減)を図ることが可能である。
さらに、アイドルストップ等を理由として、内燃機関100の起動/停止を繰り返す場合において、停止の際の内燃機関100の温度低下およびコンポーネントの温度変化が抑制されるため、燃費改善およびコンポーネントの長寿命化を図ることができる。
以上のように、実施の形態1においては、設備の大型化およびコストアップを抑制しながら、使用条件によって伝熱性能を変えることが可能である熱交換部材およびその製造方法を提供することができる。
特に、実施の形態1においては、内燃機関が低温から高温に遷移する過程(内燃機関のウォータージャケットの内壁部の温度が低温でありかつ前記内壁部と冷却水温度差が小さい状況から、前記内壁部の温度が上昇する過程)において、前記温度差が特定の境界を越えると、可変熱伝達層の伝熱量が向上する。一方、内燃機関が高温から低温に遷移する過程(内燃機関のウォータージャケットの内壁部の温度が高温でありかつ前記温度差が特定の境界を越えている状況から、前記内壁部の温度が降下する過程)において、前記温度差が特定の境界を下回ると、可変熱伝達層の伝熱量が低下する。
つまり、可変熱伝達層の存在により、内燃機関が低温時においては、冷却水への伝熱量が抑制される。そのため、冷却水量を削減し、暖機時間を短縮することで、燃費を改善することができる。また、ウォータージャケットの内部に冷却水を流通させるためのポンプの動力が低下するため、ポンプの小型化、低コスト化および燃費改善を図ることが可能である。さらに、アイドルストップ等を理由として、内燃機関の起動/停止を繰り返す場合において、停止の際の内燃機関の温度低下およびコンポーネントの温度変化が抑制されるため、燃費改善およびコンポーネントの長寿命化を図ることができる。
内燃機関が高温時においては、冷却水への伝熱量が増加する。そのため、高負荷時の放熱性能が向上するため、内燃機関のノッキングを改善し、出力を向上させることができる。
図11は、実施の形態2を説明するための断面図である。
実施の形態2に係る伝熱部材および熱交換部材は、電気モータ200および電気モータ200のウォータージャケットの内壁部242であり、円柱状ホール246および断熱層248を有する可変熱伝達層244が、内壁部242に形成されている点で、実施の形態1と概して異なる。
この場合、電気モータ200のウォータージャケットの内壁部242の温度が低温でありかつ冷却水(冷却媒体)との温度差が小さい状況から、電気モータ200の稼働に伴って、内壁部242の温度が上昇し、前記温度差が特定の境界を越えると、可変熱伝達層244の伝熱量が向上する。その結果、電気モータ200の急激な温度変化が抑制されるため、電気モータ200の寿命が向上する。
図12は、実施の形態3を説明するための断面図である。
実施の形態3に係る伝熱部材および熱交換部材は、インバータ300およびインバータ300のウォータージャケットの内壁部342であり、円柱状ホール346および断熱層348を有する可変熱伝達層344が、内壁部342に形成されている点で、実施の形態1と概して異なる。
この場合、インバータ300のウォータージャケットの内壁部342の温度が低温でありかつ冷却水(冷却媒体)との温度差が小さい状況から、インバータ300の稼働に伴って、内壁部342の温度が上昇し、前記温度差が特定の境界を越えると、可変熱伝達層344の伝熱量が向上する。その結果、インバータ300の急激な温度変化が抑制されるため、インバータ300の寿命が向上する。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
例えば、特定の温度差を境界とする伝熱量の増大を発現させる円柱状ホールは、陽極酸化によって形成する形態に限定されず、機械的な微細加工によって形成することも可能である。
また、可変熱伝達層は、内燃機関、電気モータあるいはインバータのウォータージャケッに適用する形態に限定されない。冷却媒体は、気体を適用することも可能である。伝熱部材および熱交換部材を別体として形成したり、伝熱部材および熱交換部材を異種金属によって形成したりすることも可能である。
実施の形態1に係る内燃機関を説明するための断面図である。 実施の形態1に係るウォータージャケットを説明するための断面図である。 図2に示される可変熱伝達層の平面図である。 図2に示されるウォータージャケットの製造方法を説明するためのブロック図である。 実施の形態1に係る可変熱伝達層の試験装置を説明するための概略図である。 試験装置に適用される試験片温度、水温および経過時間の関係を示しているグラフである。 試験片と水の平衡温度差と、水が受け取った熱量との関係を示しているグラフである。 図1に示される内燃機関の各部の温度および経過時間の関係を示しているグラフである。 図1に示される内燃機関の運転前、過渡期および定常領域における各部の温度を説明するためのグラフである。 図8および図9に示される温度の測定点を説明するための断面図である。 実施の形態2を説明するための断面図である。 実施の形態3を説明するための断面図である。
符号の説明
100・・内燃機関、
110・・シリンダブロック(伝熱部材)、
120・・シリンダヘッド(伝熱部材)、
130・・ピストン、
140・・ウォータージャケット(冷却ジャケット)、
142・・内壁部(熱交換部材)、
144・・可変熱伝達層、
146・・円柱状ホール、
148・・断熱層、
150・・試験装置、
155・・試験片、
160・・外郭容器、
170・・電気ヒータ、
180,185・・温度センサ、
200・・電気モータ(伝熱部材)、
242・・内壁部(熱交換部材)、
244・・可変熱伝達層、
246・・円柱状ホール、
248・・断熱層、
300・・インバータ(伝熱部材)、
342・・内壁部(熱交換部材)、
344・・可変熱伝達層、
346・・円柱状ホール、
348・・断熱層、
in・・入熱量、
out・・放熱量、
・・熱量、
θ・・試験片温度、
θ・・水温、
θ・・冷却水温度、
θ・・ウォータージャケットの内壁部温度、
θWL・・界面温度、
θWS・・界面温度。

Claims (17)

  1. 液体あるいは気体からなる冷却媒体と、前記冷却媒体の温度より高い温度を有する固体の伝熱部材との間の界面において、熱交換を行う熱交換部材であって、
    前記伝熱部材と前記冷却媒体との温度差によって決定される、前記伝熱部材から前記冷却媒体への単位面積あたりの伝熱量が、特定の温度差を境界にして、増大する可変熱伝達層を有し、
    前記可変熱伝達層は、前記界面に面している
    ことを特徴とする熱交換部材。
  2. 前記可変熱伝達層は、複数の微細な柱状凹部を有し、前記柱状凹部は、所定の平均直径および所定の平均深さを有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換部材。
  3. 前記冷却媒体は、液体であり、
    前記所定の平均直径は、25nm以上かつ1μm以下であり、前記所定の平均深さは、100nm以上かつ25mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の熱交換部材。
  4. 前記液体は、水あるいは添加剤を含む水であり、
    前記所定の平均直径は、40nm以上かつ450nm以下であり、前記所定の平均深さは、280nm以上かつ4.5mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の熱交換部材。
  5. 前記可変熱伝達層は、前記柱状凹部の周囲に配置される断熱層をさらに有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱交換部材。
  6. 前記熱交換部材および前記伝熱部材は、同一の素材からなり、一体化しており、
    前記断熱層は、前記素材の酸化物皮膜からなることを特徴とする請求項5に記載の熱交換部材。
  7. 前記素材は、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなり、前記酸化物皮膜は、アルミナからなることを特徴とする請求項6に記載の熱交換部材。
  8. 前記アルミナは、陽極酸化によって形成されていることを特徴とする請求項7に記載の熱交換部材。
  9. 前記伝熱部材は、内燃機関の冷却ジャケットの内壁部であり、前記冷却媒体は、前記冷却ジャケットの内部を流通することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換部材。
  10. 前記伝熱部材は、電気モータの冷却ジャケットの内壁部であり、前記冷却媒体は、前記冷却ジャケットの内部を流通することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換部材。
  11. 前記伝熱部材は、インバータの冷却ジャケットの内壁部であり、前記冷却媒体は、前記冷却ジャケットの内部を流通することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換部材。
  12. 液体あるいは気体からなる冷却媒体と、前記冷却媒体の温度より高い温度を有する固体の伝熱部材との間の界面において、熱交換を行う熱交換部材の製造方法であって、
    前記伝熱部材と前記冷却媒体との温度差によって決定される、前記伝熱部材から前記冷却媒体への単位面積あたりの伝熱量が、特定の温度差を境界にして増大する可変熱伝達層を、前記界面に面している前記熱交換部材の表面に、形成する工程を有する
    ことを特徴とする熱交換部材の製造方法。
  13. 前記工程において、複数の微細な柱状凹部が前記可変熱伝達層に形成されており、
    前記柱状凹部は、所定の平均直径および所定の平均深さを有することを特徴とする請求項12に記載の熱交換部材の製造方法。
  14. 前記冷却媒体は、液体であり、
    前記所定の平均直径は、25nm以上かつ1μm以下であり、前記所定の平均深さは、100nm以上かつ25mm以下であることを特徴とする請求項13に記載の熱交換部材の製造方法。
  15. 前記液体は、水あるいは添加剤を含む水であり、
    前記所定の平均直径は、40nm以上かつ450nm以下であり、前記所定の平均深さは、280nm以上かつ4.5mm以下であることを特徴とする請求項14に記載の熱交換部材の製造方法。
  16. 前記工程において、前記柱状凹部の周囲に、断熱層が形成されることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の熱交換部材の製造方法。
  17. 前記熱交換部材の素材は、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなり、
    前記断熱層は、アルミナからなり、
    前記柱状凹部および前記断熱層は、陽極酸化によって形成されることを特徴とする請求項16に記載の熱交換部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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