JP2009023871A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合材料や、吸着材料、電子材料(例えば、電子源)などとして注目を集めているカーボンナノチューブを、不純物が少なく、安価で、かつ、同時に大量に製造でき、しかも得られるカーボンナノチューブの直径を制御できる技術を提供することである。
【解決手段】π電子系共役高分子化合物と、該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物を、炭素化処理するカーボンナノチューブの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はカーボンナノチューブの製造方法に関する。特に、低コストな製造方法、及びそれにより得られる導電性に優れたカーボンナノチューブに関する。
カーボンブラックに代表される微細炭化物は、良好な導電性を示すことから、導電性添加剤として古くから使用されている。近年、微細炭化物の中でも、特に、カーボンナノチューブが注目されている。すなわち、カーボンナノチューブは、機械的強度および導電性に優れていることから複合材料として、又、ナノサイズの空間を有することから吸着材料として、又、先端が非常に細いことからフィールドエミッションの電子源として大きく期待されている。
そして、カーボンナノチューブは、グラファイトの一枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻かれたものは単層カーボンナノチューブ、2層以上に巻かれたものは多層カーボンナノチューブといわれている。多層カーボンナノチューブの中でも、2層のものは二層カーボンナノチューブといわれている。
さて、上述の如きカーボンナノチューブは、アーク放電法や化学蒸着法(化学気相成長法:Chemical Vapor Deposition:CVD)で製造される。前者のアーク放電法は、真空中または不活性気体雰囲気中で炭素棒を電極として、高電圧・高電流のアーク放電を行うことにより、カーボンナノチューブを製造する方法である。この手法によって得られるカーボンナノチューブは、陰極堆積物中に、グラファイトやカーボンナノパーティクル等と一緒に得られる。後者のCVD法は、鉄、ニッケル等の金属微粒子の存在下で原料ガスを数百℃で反応させることにより、カーボンナノチューブを製造する方法である。この場合の原料ガスとしては、ベンゼン、トルエン、オルトメチルジアリールケトン、アセチレン、エチレン、メタン等が用いられる。
ところで、アーク放電法によれば、欠陥の少ないグラファイト層を持つカーボンナノチューブが得られるが、アモルファスカーボン等の不純物が多いものしか得られない。
これに対して、CVD法によれば、得られたカーボンナノチューブに含まれる不純物は比較的少なく、かつ、安価にカーボンナノチューブが得られる。しかしながら、生成したカーボンナノチューブは、グラファイト層に欠陥が多い。従って、2900℃程度の熱処理(後処理)を行なわなければ、欠陥の少ないグラファイト層を持つカーボンナノチューブが得られない。
尚、上記何れの手法で得られたカーボンナノチューブも、このカーボンナノチューブの商品化を鑑みた場合、含まれる不純物が問題となり、基本的には、精製が必要なものであった。
このような観点から、粉末状のY型ゼオライトにコバルトとバナジウムとを担持させた触媒を用いることにより、欠陥の少ない多層(約10層)カーボンナノチューブが製造できることが、篠原らによって、報告(非特許文献1)されている。
又、粉末状のY型ゼオライトやアルミナにコバルトと鉄、コバルトとバナジウム、又はコバルトとモリブデンとを担持させた触媒を用いることにより、欠陥の少ない多層(2〜十数層)カーボンナノチューブが製造できることが、J. B. Nagyらによって、報告(非特許文献2)されている。
そして、上記の如きゼオライトに金属を担持させた触媒を用いる製造方法によれば、欠陥の少ないグラファイト層を持つ多層カーボンナノチューブが安価に得られる。しかしながら、生成するカーボンナノチューブの直径が制御できない。或いは、大量に製造できない問題点が有る。
このような観点から、π電子系共役高分子化合物を高温処理し、炭素化させるという工程を経るだけでカーボンナノチューブを大量に作成する手法が、後藤らによって、報告(非特許文献3)されている。これは、π電子系共役高分子化合物が融点を持たないこと(不融性)、及び特殊な高次構造、一例としてはらせん構造を形成することを利用しているものである。つまり、特殊な高次構造を形成させたπ電子系共役高分子化合物を高温処理することによって、水素、窒素、酸素、硫黄元素などを除去し、熱処理前の高次構造を保持したままの炭化物を得る、ということである。
ChemicalPhysics Letters 303(1999),pp117−124 ChemicalPhysics Letters 317(2000),pp7−76 PolymerPreprints, Janpan Vol.55, No.1 (2006),p1514
上記非特許文献3の技術によれば、カーボンナノチューブを安価に、かつ、大量に製造できる。
しかしながら、この技術では、カーボンナノチューブの直径を単層カーボンナノチューブの直径である2nm程度まで縮めるには限界が有った。
従って、本発明が解決しようとする課題は、例えば複合材料や、吸着材料、電子材料(例えば、電子源)などとして注目を集めているカーボンナノチューブを、不純物が少なく、安価で、かつ、同時に大量に製造でき、しかも得られるカーボンナノチューブの直径を制御できる技術を提供することである。
前記の課題は、
π電子系共役高分子化合物と、該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物を、炭素化処理する
ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法によって解決される。
又、前記の課題は、
π電子系共役高分子化合物と該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物が炭素化処理されてなる
ことを特徴とするカーボンナノチューブによって解決される。
上記発明において、π電子系共役高分子化合物には各種のものが有るが、最も好ましいπ電子系共役高分子化合物はポリアニリンおよびその誘導体である。ポリヌクレオチドにも各種のものが有るが、最も好ましいポリヌクレオチドはデオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)である。中でも、DNAである。π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物にも各種のものが有るが、最も好ましい包摂化合物はシクロデキストリン及びその誘導体である。
上記発明において、炭素化処理は、例えば加熱処理である。その好ましい加熱温度は800℃以上である。
本発明によって、不純物が少なく、かつ、直径が制御されたカーボンナノチューブが、安価で、かつ、大量に生産できる。そして、得られたカーボンナノチューブは、導電性に優れており、更には他物質と複合させた際の分散性が良好である。
従って、複合材料・吸着材料・電子材料などの各種の用途において好適に用いられる。
本発明になるカーボンナノチューブの製造方法は、π電子系共役高分子化合物と、該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物を、炭素化処理する方法である。
本発明になるカーボンナノチューブは、π電子系共役高分子化合物と該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物が炭素化処理されてなるカーボンナノチューブである。
上記本発明において、π電子系共役高分子化合物には各種のものが有るが、最も好ましいπ電子系共役高分子化合物はポリアニリンおよびその誘導体である。ポリヌクレオチドにも各種のものが有るが、最も好ましいポリヌクレオチドはデオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)である。中でも、DNAである。包摂化合物にも各種のものが有るが、最も好ましい包摂化合物はシクロデキストリン及びその誘導体である。π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとの好ましい割合は、(π電子系共役高分子化合物):(ポリヌクレオチド)=100:363〜1089(質量比)(モノマー単位当たりのモル比で100:50〜150に相当)である。特に好ましくは、(π電子系共役高分子化合物):(ポリヌクレオチド)=100:545〜726(質量比)(モノマー単位当たりのモル比で100:75〜100に相当)である。π電子系共役高分子化合物と包摂化合物との好ましい割合は、(π電子系共役高分子化合物):(包摂化合物)=100:624〜1871(質量比)(モノマー単位当たりのモル比で100:50〜150に相当)である。特に好ましくは、(π電子系共役高分子化合物):(包摂化合物)=100:935〜1247(質量比)(モノマー単位当たりのモル比で100:75〜100に相当)である。炭素化処理は、例えば加熱処理であり、好ましい加熱温度は800℃以上である。特に、2000℃以上である。尚、加熱温度の上限には格別な制約は無いが、必要以上に高くすることは経済的で無い。従って、3000℃以下が好ましい。加熱時間は、炭素化に必要な時間であれば良い。具体的には、上記温度で0.5〜3時間である。
本発明者は、π電子系共役高分子化合物の高温処理による炭素化によって得られたカーボンナノチューブについての検討を、鋭意、推し進めて行く中に、π電子系共役高分子化合物を用いた複合物を炭素化したカーボンナノチューブは複合物の形態によって特性が大きく異なっていることに気付くに至った。
そして、実験を推し進めて行く中、π電子系共役高分子化合物の複合物の中でもポリヌクレオチドや包摂化合物との複合物を炭素化してなるカーボンナノチューブが、不純物は少なく、かつ、直径が制御されたものであることを見出すに至った。
ところで、有機EL素子や光電変換有機デバイスにπ電子系共役高分子化合物とDNAとの複合物からなる有機導電性ポリマーが用いられることの開示が特開2002−161135号公報に有る。又、非線形光学材料や医療用部材にπ電子系共役高分子化合物とDNAとの複合物からなる有機導電性ポリマーが用いられることの開示が特開2003−213098号公報に有る。又、π電子系共役高分子化合物と包摂化合物との複合物からなる有機導電性ポリマーの開示が特開2003−89724号公報に有る。
しかしながら、これらの公報には、カーボンナノチューブに関する記載は皆無である。示唆する記載すら認められない。従って、上記公開公報を精読しても、これ等から、ポリヌクレオチド及び包摂化合物の群の中から選ばれる一つ以上のものとπ電子系共役高分子化合物との複合物を炭素化処理した場合、何故に、不純物が少なく、かつ、直径が制御されたカーボンナノチューブが得られるのかは全く判らないものである。更には、何故に、上記特長のカーボンナノチューブが安価で、かつ、大量に生産できるかも判らない。又、導電性に優れていて、更には他物質と複合させた際の分散性が良好なカーボンナノチューブが得られるのかも判らない。
すなわち、ポリヌクレオチドや包摂化合物とπ電子系共役高分子化合物との複合物を炭素化処理した場合に優れたカーボンナノチューブが得られることは本発明によって初めて見出されたものである。
さて、デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)に代表される鎖状構造を有するポリヌクレオチドは、塩基性部分構造、糖部分構造、及びリン酸部分構造からなるヌクレオチド単位の繰り返し構造を有する。そして、一次構造が特徴的と言うだけでは無く、複数のポリヌクレオチドの鎖状構造の少なくとも一部が互いの塩基性部分構造の水素結合からなる塩基対を複数形成することにより、二重らせん構造を形成し易いと言う特異な性質が有る。特に、DNAやRNAなどの天然ポリヌクレオチドは、自然界に豊富に存在することから、新たな機能性高分子素材として注目を集めている。
かかる背景の下、本発明者は、自己組織化現象やπ電子系共役高分子化合物の不融性に着目し、鋭意検討した結果、らせん構造等の特殊な高次構造を形成させたπ電子系共役高分子化合物を高温熱処理することによって、水素、窒素、酸素、硫黄原子などが除去されて炭化し、熱処理前の高次構造を維持したまま、径の制御されたカーボンナノチューブが大量、かつ、安価に作成できることを見出したのである。すなわち、自然界に大量に存在するDNA等のらせん構造物を鋳型としてπ電子系共役高分子化合物とのイオンコンプレックスを形成した後、高温で炭素化させると、径の制御されたカーボンナノチューブが大量、かつ、安価に作成できることが判ったのである。又、シクロデキストリン誘導体などの包摂化合物とπ電子系共役高分子化合物とを複合化したものを高温で炭素化させると、径の制御されたカーボンナノチューブが大量、かつ、安価に作成できることを見出したのである。
本発明において用いられるπ電子系共役高分子化合物は、p型の導電性高分子であれば、特には限定されない。例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリナフチレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリオキサジアゾール、ポリチアジル、ポリアセン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリアミノピレン、或いはこれ等の誘導体などが挙げられる。これらのπ電子系共役高分子化合物は、一種類のものだけでも良く、二種類以上のものが共に用いられても良い。更に、これ等のp型導電性高分子はドーピングされたものでも良い。
上記π電子系共役高分子化合物の中でも、ドーピング、取扱い性、安定性、均一性などを考慮すると、特に、ポリアニリン及びその誘導体の中から選ばれる化合物が好ましい。該ポリアニリンは、非置換ロイコエメラルジン、プロトエメラルジン、エメラルジン、ニグルアニリン又はトルプトロエメラルジン形態などのプロトン酸でのドーピングにより導電性高分子として作られ得る任意のポリアニリン質のものが使用可能である。置換アニリンから作られるポリマー、又は簡便なポリアニリン置換体、即ち、化学的に修飾されたポリアニリン等のポリアニリン誘導体も議論され得る。
本発明において用いられるポリヌクレオチドは、塩基、糖、リン酸基から構成され、ポリリン酸を主鎖とするポリアニオンであり、かつ、自身と相補的な配列を有する分子と二重らせん構造を形成している化合物で有れば特には限定されない。但し、自然界に存在するものから抽出して得られるものであれば合成に時間を要せず好適である。その観点から、DNAやRNAが特に好ましい。そして、特に、大量に原料を確保できるという観点から、例えばサケ、マス、ニシン、サバ、タラ等の魚類の白子(精子)、牛の乳腺等から抽出されるものを利用することが好ましい。これ等の中でも、特に、サケの白子から抽出されるものを用いることが好ましい。なぜならば、サケの白子は、産業廃棄物として大量廃棄されており、廃棄場所の確保、廃棄の手間などを含め、環境問題となっているからである。そして、サケの白子から抽出したポリヌクレオチドは比較的高分子量体の良質なポリヌクレオチドであり、これを用いることで、産業廃棄物が有効利用され、環境問題に大きく貢献できるのである。
そして、DNAの形成する二重らせん構造の直径は約2nmであることが知られており、該二重らせん構造を鋳型として、DNAのリン酸基のアニオン部位とπ電子系共役高分子化合物のカチオン部位がイオン結合によって結合し、π電子系共役高分子化合物がDNAに巻き付いた形でイオンコンプレックスが形成される。従って、DNAはπ電子系共役高分子化合物に約2nmの直径のチューブ状高次構造を形成させる鋳型として特に好適である。
一方、本発明において用いられる包摂化合物は、環状物質であり、その環の中に対になるπ電子系共役高分子化合物を包接することができる化合物であれば特に限定されるものでは無い。但し、次のような化合物を挙げることが出来る。例えば、(1) (a) シクロデキストリン(CD)、(b) シクロデキストリンの1級水酸基または2級水酸基またはその両方の水酸基をアルキル基で多置換したもの、(c) シクロデキストリンを管(チューブ)状に重合した管状分子等を挙げることが出来る。更に具体的には、例えばα−シクロデキストリン(α−CD)、β−シクロデキストリン(β−CD)、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、ε−シクロデキストリン、ζ−シクロデキストリン、η−シクロデキストリン、θ−シクロデキストリン、2,6−ジ−o−メチル−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリ−o−メチル−β−シクロデキストリン、2,6−ジ−o−エチル−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリ−o−エチル−β−シクロデキストリン、α−シクロデキストリンを管状に重合した管状分子(分子ナノチューブ)等を挙げることが出来る。シクロデキストリンは、グルコース分子が6個ないし8個環状にエーテル結合した構造を有する化合物である。6個の場合がα−シクロデキストリン(α−CD)であり、7個の場合がβ−シクロデキストリン(β−CD)であり、8個の場合がγ−シクロデキストリン(γ−CD)である。各々の内径は異なり、例えばα−CDの場合、環の内径は0.45nmである。
環状物質としては、他に、(2) クラウンエーテル、例えば1,2−クラウン−4,15−クラウン−5,18−クラウン−6,21−クラウン−7等を挙げることが出来る。他にも、(3) クリプタンド、環状のポリアミン、シクロファン、カリックスアレーン等を挙げることが出来る。
これらの中でも、包摂化合物としては、特に、β−シクロデキストリン(β−CD)がポリアニリンを包摂することが出来ることから望ましい。
本発明において、π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとの複合物は、特に、π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとで構成されるイオンコンプレックスの形態のものである。ここで、イオンコンプレックスの形態のものを特に好ましいとしたのは、イオンコンプレックスの形態を持つことで、らせん構造などの高次構造を形成することができるからである。従って、イオンコンプレックスの形態を持たないものは、それを高温加熱処理しても、本発明の特徴のカーボンナノチューブが得られ難い。尚、イオンコンプレックスの作成手法が特に限定されることは無い。例えば、π電子系共役高分子化合物を溶解させた溶液中にポリヌクレオチドを溶解させた溶液を滴下することにより、イオンコンプレックスを調製する手法が挙げられる。ここで、ポリヌクレオチドは、らせん構造物である鋳型として用いる為、溶液中でらせん構造を保持しているものであることが望ましい。そして、この限りでは無いが、例えばDNAの場合では、pHが4〜6の範囲内に調製された水溶液中に溶解していることが望ましい。
本発明において、π電子系共役高分子化合物と包摂化合物との複合物は、特に、π電子系共役高分子化合物と包摂化合物とで構成される複合体である。ここで、複合体の形態のものを特に好ましいとしたのは、複合体の形態を持つことで、π電子系共役高分子化合物が包摂化合物によって包摂された、いわば棒状などの高次構造を形成することが出来るからである。従って、複合体の形態を持たないものは、それを高温加熱処理しても、本発明の特徴のカーボンナノチューブが得られ難い。尚、複合体の作成手法が特に限定されることは無い。例えば、包摂化合物を溶解させた溶液中にπ電子系共役高分子化合物を溶解させた溶液を滴下することにより、複合体を調製する手法が挙げられる。ここで、包摂化合物は、π電子系共役高分子化合物を単離する役割を担っている為、包摂化合物の内径はπ電子系共役高分子化合物を内包することが出来る直径を有していることが好ましい。そして、十分に単離する為には、溶液中の包摂化合物の量がπ電子系共役高分子化合物の量に対して過剰量存在していることが望ましい。
そして、π電子系共役高分子化合物が単離されることによって、高温加熱時のπ電子系共役高分子化合物の異なる分子鎖間での架橋反応などの副反応が抑制されるようになる。これら副反応を抑制することは構造制御されたカーボンナノチューブを得る為に非常に重要である。
本発明において、π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドのイオンコンプレックス、又はπ電子系共役高分子化合物と包摂化合物との複合体を、高温加熱して炭素化する場合、その加熱温度は800℃以上であることが大事である。すなわち、例えば700℃程度の加熱では、水素、窒素、酸素、硫黄などの元素成分除去が不十分であると共に、炭化物の結晶化が起こらない為、得られる炭化物に導電性が期待されず、本発明の特徴のカーボンナノチューブが得られ難かったからである。つまり、複合体中に含まれる水素、窒素、酸素など炭素以外の元素を飛ばし、炭素化させる為に800℃以上の温度が必要であるからによる。そして、炭素化させた後に、2500℃以上の高温で加熱し、アモルファス炭素の部分を結晶化させる必要があるが、この温度は3000℃以下の温度で十分であり、これ以上の高温加熱はエネルギー浪費の観点から望ましくない。
又、炭素化させるまでの昇温速度などの加熱履歴は、炭素化完了までの加熱の間にπ電子系共役高分子化合物を含む複合体のらせん状構造、棒状包摂体などの高次構造が変化することの無いよう、予め、熱示差走査分析、熱質量分析などで確認を取り、適切な加熱履歴を経ることが望ましい。
加熱処理は、加熱炉の中で実施されるものであるが、高温加熱時の雰囲気としては不活性ガス雰囲気が望ましい。例えば、窒素、ネオン、アルゴン等が挙げられるが、汎用の不活性ガスとして利用できるアルゴンが好適である。
そして、本発明によって、カーボンナノチューブの製造法における従来からの課題であった不純物・低生産性・ナノ構造の制御などの問題が解決される。しかも、自然界に大量に存在するDNA等のらせん構造物を鋳型としてπ電子系共役高分子化合物とイオンコンプレックスを形成させた後、或いはシクロデキストリン誘導体などの包摂化合物とπ電子系共役高分子化合物とを複合化させ、π電子系共役高分子化合物を単離した後で高温により炭素化させると言った簡便な手法で、カーボンナノチューブが効率よく得られる。そして、このようにして得られたカーボンナノチューブは、導電性に優れており、又、他物質と複合させる際の分散性が良好である。
以下、具体的な実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
[試料]
ポリヌクレオチド(A) :鮭の白子から抽出した分子量2.4kbp〜30kbpで純度82.6%のDNA
ポリヌクレオチド(B) :鮭の白子から抽出した分子量分子量100bp〜1500bpで純度81.0%のDNA
β−シクロデキストリン :和光純薬社製のβ−シクロデキストリン
[測定装置]
[熱示差走査分析(DSC)]
熱示差走査分析測定装置(DSC822:METTLER TOLEDO社製)を用い、20℃/分の昇温速度で室温から400℃まで加熱し、示差熱量変化を観察した。
[熱質量分析(TGA)]
熱質量分析測定装置(TG:METTLER TOLEDO社製)を用い、20℃/分の昇温速度で室温から1000℃まで加熱した後、1000℃で1時間保持し、その間の質量変化を観察した。
[高温加熱処理]
超高温電気炉(RED DEVIL:石川産業株式会社製)を用い、グライファイト製のチャンバ中に試料を入れ、アルゴン雰囲気下で2500℃まで2時間かけて昇温した後、2500℃で1時間保持することにより、高温加熱処理を施した。
[ナノチューブの観察]
上記高温加熱処理して得られた試料を、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM:S4800:日立製作所製)の所定の基板上に載置し、所定の倍率で観察した。
[ナノチューブのシート化]
高温加熱処理によって得られた試料を3mm×30mm×1mmの金枠内に詰め込み、1MPaの圧力でプレス成形し、シート状にした。
[表面抵抗値測定]
抵抗率計(ロレスターFP:三菱化学製)を用い、四探針プローブ法にて、上記カーボンナノチューブのシートの表面抵抗値を測定した。尚、測定試験片の面内の任意の3点について表面抵抗値を測定し、得られた値の平均値を該試験片の表面抵抗値として採用した。
[π電子系共役高分子化合物溶液(ICP溶液)の調製]
[ポリアニリン(PANI)溶液の調整]
1.0MのHCl溶液に、アニリン及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(DBSNa)を加え、アニリンを取り込んだドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)ミセルを形成させ、酸化剤の過硫酸アンモニウムにより化学重合を行わせた。そして、クロロホルムで抽出し、ポリアニリン(PANI)/DBSA複合体を調製した。
得られたPANI/DBSA複合体のクロロホルム溶液をエタノール中に滴下し、沈殿物を得た。この沈殿物をメタノールで洗浄し、そして真空下で乾燥し、PANI/DBSA複合体を得た。
得られたPANI/DBSA複合体を3%NH4OH溶液10L中に入れて室温で2時間攪拌した。得られた沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄液のpHが7〜8になるまで洗浄した。次に、該沈殿物をメタノールで洗浄液が無色になるまで、次いでメタノール及びエチルエーテルで洗浄した。得られた物質を真空下で乾燥した後、PANI粉末を得た。
得られたPANI粉末をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、濃度1質量%のPANI−NMP溶液を調製した。
[ポリピロール(PPY)溶液の調整]
ポリピロール分散液(SSPY:ティーエーケミカル社製)を用いて、蒸留水に滴下し、沈殿物を得た。得られた沈殿物をメタノールで洗浄した後、真空下で乾燥し、ポリピロール(PPY)粉末を得た。
得られたPPY粉末をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、濃度1質量%のPPY−NMP溶液を調製した。
[ポリチオフェン(PHT)溶液の調整]
ポリチオフェン分散液(エスペイサー100,SD−PT:ティーエーケミカル社製)をヘキサン中に滴下し、沈殿物を得た。得られた沈殿物を1−ヘキサノールで洗浄した後、真空下で乾燥し、PHTを得た。
得られたPHTをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、濃度1質量%のPHT−NMP溶液を調製した。
[ポリヌクレオチド水溶液(PN溶液)の調製]
上記ポリヌクレオチド(A)を、氷冷しつつ、蒸留水に溶解させ、濃度1質量%のポリヌクレオチド水溶液(PN溶液−A)を調整した。
又、上記ポリヌクレオチド(B)を、氷冷しつつ、蒸留水に溶解させ、濃度1質量%のポリヌクレオチド水溶液(PN溶液−B)を調整した。
次に、pH2に調製したドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を用いて、前記ポリヌクレオチド水溶液(PN溶液−A)及びポリヌクレオチド水溶液(PN溶液−B)のpHを4〜6に調整した。
[包摂化合物水溶液(CD溶液)の調製]
上記和光純薬社製のβ−シクロデキストリンを蒸留水に溶解させ、濃度10質量%の包摂化合物水溶液を調製した。
[π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとのイオンコンプレックスの調製]
氷冷した前記[ポリヌクレオチド水溶液(PN溶液)の調製]で調製したPN溶液中に、前記[π電子系共役高分子化合物溶液(ICP溶液)の調製]で調製したICP溶液を、攪拌しながら、PN溶液:ICP溶液=1:1(質量比)の割合になるまで、徐々に、滴下した。そして、得られた沈殿物を蒸留水で洗浄した。この後、真空下で乾燥し、π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとのイオンコンプレックス(ICP/PN−Comp)を得た。
[π電子系共役高分子化合物と包摂化合物との複合体の調製]
氷冷した前記[包摂化合物水溶液(CD溶液)の調製]で調製したCD溶液中に、前記[π電子系共役高分子化合物溶液(ICP溶液)の調製]したICP溶液を、CD溶液:ICP溶液=4:1(質量比)の割合になるまで、徐々に、滴下した。この結果、溶液に不溶な成分が液面に生成した。この不溶分を採取し、真空下で乾燥し、π電子系共役高分子化合物と包摂化合物との複合体(ICP/CD−Comp)を得た。
[実施例1]
ICP溶液としてPANI−NMP溶液を、PN溶液としてPN溶液−Aを用い、前記[π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとのイオンコンプレックスの調製]に従ってICP/PN−Compを得た。
得られたICP/PN−Compを用い、前記[熱示差走査分析(DSC)]及び[熱質量分析(TGA)]記載の手法で、加熱昇温時の変化を観察した。DSCの結果を図1に、TGAの結果を図2に示す。図1に示される通り、120℃までは水分の蒸発に由来する吸熱ピークが観察された。そして、250℃付近の温度ではドデシルベンゼンスルホン酸の脱ドープに由来する発熱ピークが観察された。又、図2に示される通り、800℃までは緩やかに約50%まで質量減少した。そして、800℃から1000℃までは比較的急速に約30%まで質量減少した。更に、1000℃以上の1時間保持では約5%程度の質量減少しか観察されなかった。
この後、前記[高温加熱処理]記載の手法で高温加熱処理を施した。尚、高温加熱処理して得られた試料を前記[ナノチューブの観察]記載の手法で観察したところ、100〜200nmの直径を持つフィブリル状の構造物が観察された。そして、このフィブリル状構造物は、更に細い(恐らくは2〜10nm)カーボンナノチューブが凝集し、バンドルを形成しているものと考えられる。
この高温加熱処理して得られた試料を、前記[ナノチューブのシート化]記載の手法でシート状に加工した。そして、前記[表面抵抗値測定]記載の手法で、表面抵抗値を測定したところ、約500[Ω/□]であった。
[実施例2]
ICP溶液としてPANI−NMP溶液を、PN溶液としてPN溶液−Bを用い、前記[π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとのイオンコンプレックスの調製]に従ってICP/PN−Compを得た。
得られたICP/PN−Compを用い、前記[熱示差走査分析(DSC)]及び[熱質量分析(TGA)]記載の手法で、加熱昇温時の変化を観察した。DSCの結果では、120℃までは水分の蒸発に由来する吸熱ピークが観察された。そして、250℃付近の温度ではドデシルベンゼンスルホン酸の脱ドープに由来する発熱ピークが観察された。又、TGAの結果では、800℃までは緩やかに約50%まで質量減少した。そして、800℃から1000℃までは比較的急速に約30%まで質量減少した。更に、1000℃以上の1時間保持では約5%程度の質量減少しか観察されなかった。
この後、前記[高温加熱処理]記載の手法で高温加熱処理を施した。尚、高温加熱処理して得られた試料を前記[ナノチューブの観察]記載の手法で観察したところ、100〜200nmの直径を持つフィブリル状の構造物が観察された。そして、このフィブリル状構造物は、更に細い(恐らくは2〜10nm)カーボンナノチューブが凝集し、バンドルを形成しているものと考えられる。
この高温加熱処理して得られた試料を、前記[ナノチューブのシート化]記載の手法でシート状に加工した。そして、前記[表面抵抗値測定]記載の手法で、表面抵抗値を測定したところ、約700[Ω/□]であった。
[実施例3]
ICP溶液としてPPY−NMP溶液を、PN溶液としてPN溶液−Aを用い、前記[π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとのイオンコンプレックスの調製]に従ってICP/PN−Compを得た。
得られたICP/PN−Compを用い、前記[高温加熱処理]記載の手法で高温加熱処理を施した。尚、高温加熱処理して得られた試料を前記[ナノチューブの観察]記載の手法で観察したところ、100〜1000nmの直径を持つフィブリル状の構造物が観察された。
この高温加熱処理して得られた試料を、前記[ナノチューブのシート化]記載の手法でシート状に加工した。そして、前記[表面抵抗値測定]記載の手法で、表面抵抗値を測定したところ、約1000[Ω/□]であった。
[実施例4]
ICP溶液としてPHT−NMP溶液を、PN溶液としてPN溶液−Aを用い、前記[π電子系共役高分子化合物とポリヌクレオチドとのイオンコンプレックスの調製]に従ってICP/PN−Compを得た。
得られたICP/PN−Compを用い、前記[高温加熱処理]記載の手法で高温加熱処理を施した。尚、高温加熱処理して得られた試料を前記[ナノチューブの観察]記載の手法で観察したところ、100〜2000nmの直径を持つフィブリル状の構造物が観察された。
この高温加熱処理して得られた試料を、前記[ナノチューブのシート化]記載の手法でシート状に加工した。そして、前記[表面抵抗値測定]記載の手法で、表面抵抗値を測定したところ、約5000[Ω/□]であった。
[実施例5]
ICP溶液としてPANI−NMP溶液を用い、そして前記[π電子系共役高分子化合物と包摂化合物との複合体の調製]に従ってICP/CD−Compを得た。
得られたICP/CD−Compを用い、前記[熱示差走査分析(DSC)]及び[熱質量分析(TGA)]記載の手法で、加熱昇温時の変化を観察した。DSCの結果を図3に、TGAの結果を図4に示す。図3に示される通り、120℃までは水分の蒸発に由来する吸熱ピークが観察された。そして、280〜320℃付近の温度ではシクロデキストリンの融点に由来する穏やかな吸熱ピークが観察された。又、350℃付近の温度では発熱ピークが観察された。これはICP/CD−CompからCDが外れたことに由来するものと考えられる。つまり、350℃付近の温度までは、PANIの分子鎖内または/および分子鎖間の架橋反応を抑制していると考えられ、包摂化合物がπ電子系共役高分子化合物を単離することによって、高温加熱時のπ電子系共役高分子化合物の架橋反応などの副反応を抑制することが可能となり、これら副反応を抑制することで構造制御されたナノチューブが得られるようになると考えられる。又、図4に示される通り、700℃までは緩やかに約60%まで質量減少した。そして、700〜1000℃までは質量減少がほぼ認められず、1000℃以上の1時間保持では約10%程度の質量減少しか観察されなかった。
この後、前記[高温加熱処理]記載の手法で高温加熱処理を施した。尚、高温加熱処理して得られた試料を前記[ナノチューブの観察]記載の手法で観察したところ、100〜1000nmの直径を持つフィブリル状の構造物に加えて、100〜1000nmの直径を持つ球状のナノ構造物が観察された。
この高温加熱処理して得られた試料を、前記[ナノチューブのシート化]記載の手法でシート状に加工した。そして、前記[表面抵抗値測定]記載の手法で、表面抵抗値を測定したところ、約1000[Ω/□]であった。
[比較例1]
実施例1において、PN溶液の代わりに蒸留水を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
得られた試料を用い、前記[熱示差走査分析(DSC)]記載の手法で、加熱昇温時の変化を観察した。DSCの結果を図5に示す。図5に示される通り、120℃までは水分の蒸発に由来する吸熱ピークが観察された。そして、200〜260℃付近の温度では緩やかな発熱ピークが観察された。これはPANIの分子鎖内または/および分子鎖間の架橋反応に由来する発熱ピークである。そして、図1と図5とを対比すると、示差熱の挙動が全く異なることからも考えられるが、実施例1のπ電子系共役高分子化合物の高次構造を制御する為のポリヌクレオチドの鋳型効果が理解できる。
この後、前記[高温加熱処理]記載の手法で高温加熱処理を施した。そして、この高温加熱処理して得られた試料を、前記[ナノチューブのシート化]記載の手法でシート状に加工した。そして、前記[表面抵抗値測定]記載の手法で、表面抵抗値を測定したところ、約100000[Ω/□]であった。
尚、参考までに、上記実施例1〜実施例5及び比較例1における条件などを下記の表−1にまとめて記す。
表−1
ポリヌクレオチド π電子系共役高分子化合物 加熱温度 表面抵抗値
(又は包摂化合物) (℃) (Ω/□)
実施例1 DNA−A ポリアニリン 2500 500
実施例2 DNA−B ポリアニリン 2500 700
実施例3 DNA−A ポリピロール 2500 1000
実施例4 DNA−A ポリチオフェン 2500 5000
実施例5 CD ポリアニリン 2500 1000
比較例1 無し ポリアニリン 2500 100000
本発明によって得られたカーボンナノチューブは、複合材料や、吸着材料、電子材料などの用途の使用に好適である。
実施例1の試料のDSC曲線(太線は第1走査線、細線は第2走査線) 実施例1の試料のTGA曲線 実施例5の試料のDSC曲線(太線は第1走査線、細線は第2走査線) 実施例5の試料のTGA曲線 比較例1の試料のDSC曲線(太線は第1走査線、細線は第2走査線) 特許出願人 株式会社クラレ 代 理 人 宇 高 克 己

Claims (5)

  1. π電子系共役高分子化合物と、該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物を、炭素化処理する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  2. π電子系共役高分子化合物がポリアニリンまたはその誘導体である
    ことを特徴とする請求項1のカーボンナノチューブの製造方法。
  3. ポリヌクレオチドがデオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)の群の中から選ばれる一つ以上のものであり、包摂化合物がシクロデキストリン及びその誘導体の群の中から選ばれる一つ以上のものである
    ことを特徴とする請求項1または2のカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 炭素化処理が800℃以上の温度での加熱処理である
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれかのカーボンナノチューブの製造方法。
  5. π電子系共役高分子化合物と該π電子系共役高分子化合物を包摂することができる包摂化合物またはポリヌクレオチドとの複合物が炭素化処理されてなる
    ことを特徴とするカーボンナノチューブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012211049A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Kumamoto Univ 炭素−金属コンポジットおよびその製造方法
JP2021504731A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 多孔質グラファイトペリクル

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