JP2009002302A - 燃料噴射量の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの低負荷域側でのエンジン回転数の安定性、高負荷域側でのエンジン回転数の応答性をいずれも改善することができる燃料噴射量の制御方法を提供すること。
【解決手段】無負荷回転数NEmaxに隣接するエンジン回転数NEの領域であるガバニング領域Aにおける燃料噴射量Qの制御方法である。無負荷回転数NEmaxと、エンジンの運転状態がガバニング領域A内にあるときのエンジン回転数NEとの差である乖離回転数NEdelを算出し、乖離回転数NEdelから燃料噴射量Qのなまし係数mを求めて、なまし係数mに基づき燃料噴射量Qを制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの回転数を調速するガバニング時の燃料噴射量の制御方法に関する。
エンジンの回転数制御においては、エンジンの高出力な運転と過回転の防止とを両立させるため、エンジンの無負荷回転数(理論的に燃料噴射量を0にする最高回転数)を定めると共に、各アクセル開度における無負荷回転数に隣接する回転数領域(以下、この回転数領域を「ガバニング領域」と称す)にて、エンジン回転数の増加に対し急激に燃料噴射量を減少させる噴射量制御が行われている。
この噴射量制御においては、ガバニング領域において設定した燃料噴射量とエンジン回転数との関係を示すライン(以下、「ガバニングライン」と称す)の勾配が急になり、つまり、エンジン回転数の微小な変化に対する燃料噴射量の増減が大きくなり、特に、コモンレール式燃料噴射装置を備えたディーゼルエンジンの場合、エンジン回転数の変化に対して燃料噴射量が即座に算出、噴射されるため、設定燃料噴射量に対して過大、または過小に燃料を噴射してしまう。その結果、エンジン回転数を一定に保つことができず、エンジンの回転不安定状態(ハンチング状態)が発生するという問題があった。この問題は、特に、エンジンの低負荷域で頻繁に発生していた。
一方、エンジン回転数の変化を機械的に検出する調速機である機械式ガバナを有する燃料噴射装置の場合には、ガバナの機械的な応答遅れがあり、その遅れを機械的に調整することで燃料噴射量の過大な増減を抑制しようとしている。しかし、エンジンの高負荷域においては、ガバナの機械的な応答遅れに起因して燃料噴射量の増加も遅れ、エンジン回転数低下という問題を生じていた。すなわち、エンジンが低負荷域にある場合には、ガバナの機械的な応答遅れを利用することで、エンジンのハンチングをある程度抑制し得るが、エンジンが高負荷域にある場合には、ガバナの機械的な応答遅れに起因してエンジン回転数の応答性が悪化するという問題があった。このような背景のもと、例えば、下記の特許文献1に開示されているような技術が提案されている。
従来、エンジン回転数に基づく最大燃料噴射量制御値、PID制御に基づく最高回転数制御値など、燃料噴射量設定のための複数の値を算出して比較し、最終の燃料噴射量制御値を選択するディーゼルエンジンの燃料制御装置に関する技術が提案、開示されている(特許文献1参照)。このディーゼルエンジンの燃料制御装置は、燃料噴射量設定のためのPID制御により求められる値、オープン制御により求められる値などを比較し、その中で最小の値を最終の燃料噴射量制御値として選択することで、エンジンのハンチングを抑制しようとするものである。
特開平08−74643号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたディーゼルエンジンの燃料制御装置では、エンジンが低負荷域側の運転状態にあるのか、または、高負荷域側の運転状態にあるのかというエンジンの負荷状態を判断して適宜燃料噴射量を選択しているわけではなく、つまり、エンジンの負荷状態に適切に対応した燃料噴射量を適宜選択することはできていない。すなわち、この燃料制御装置は、エンジンの低負荷域側でのエンジン回転数の安定性、高負荷域側でのエンジン回転数の応答性を改善し得るものではない。尚、エンジンの燃料噴射量を制御するにあたって、エンジンの実際の負荷を直接検出することは困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンの低負荷域側でのエンジン回転数の安定性、高負荷域側でのエンジン回転数の応答性をいずれも改善することができる燃料噴射量の制御方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係る燃料噴射量の制御方法は、エンジンの回転数を調速するガバニング時の燃料噴射量の制御方法に関する。そして、本発明に係る燃料噴射量の制御方法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の燃料噴射量の制御方法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料噴射量の制御方法における第1の特徴は、無負荷回転数に隣接するエンジン回転数の領域であるガバニング領域における燃料噴射量の制御方法であって、前記無負荷回転数と、エンジンの運転状態が前記ガバニング領域内にあるときのエンジン回転数との差である乖離回転数を算出する工程を備え、前記乖離回転数から燃料噴射量のなまし係数を算出し、当該なまし係数に基づき燃料噴射量を制御することである。
この構成によると、エンジンの負荷状態を上記剥離回転数の値で判断することができる。この剥離回転数から燃料噴射量のなまし係数を算出し、このなまし係数に基づき燃料噴射量を制御することにより、エンジンの負荷状態に応じた適切な燃料噴射量を決定することができ、その結果、エンジンの低負荷域側でのエンジン回転数の安定性、高負荷域側でのエンジン回転数の応答性をいずれも改善することが可能となる。
また、本発明に係る燃料噴射量の制御方法における第2の特徴は、前記なまし係数は、エンジン回転数の変化に対する燃料噴射量の変化を、エンジンの運転状態が低負荷域側にある場合には小さく、高負荷域側にある場合には大きくするように燃料噴射量を制御する係数であることである。
この構成によると、エンジンの運転状態が低負荷域側にある場合には、燃料噴射量の過大な増減は抑制され、エンジンのハンチングは発生しにくい。つまり、エンジン回転数が安定する。また、エンジンの運転状態が高負荷域側にある場合には、燃料噴射量が十分変化するので、エンジン回転数の応答性はよくなる。
また、本発明に係る燃料噴射量の制御方法における第3の特徴は、フォークリフト用エンジンに供給する燃料の噴射量制御に用いることである。
この構成によると、フォークリフトを用いた荷役運搬作業時に、エンジン回転数低下というエンジン回転数の応答性悪化を抑制できる。また、荷役を運搬しない走行時には、エンジンのハンチングを抑制できる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
以下の説明においては、フォークリフトのような動力付荷役運搬車両に搭載されたディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置における燃料噴射量の制御方法について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料噴射量の制御方法を説明するためのディーゼルエンジンのエンジン回転数NEと燃料噴射量Qとの関係を示す図である。
まず、図1に示すように、設定された燃料噴射量Qとエンジン回転数NEとの関係を示すガバニングラインBは、エンジン回転数NEが増加するのに伴い燃料噴射量Qが減少する勾配θを持ったラインであり、勾配θは、燃料噴射量Q軸に対するガバニングラインBの傾きである。例えば、投入負荷が急で大きい場合は、勾配θは急な勾配に設定される。
ここで、例えばフォークリフトが定常状態にて運転されていたとすると、エンジンの制御コントローラ(不図示)により燃料噴射量Qが制御され、エンジンの燃料噴射量Qおよびエンジン回転数NEは、図1に示すガバニングラインB上の運転状態となるように制御される。この定常状態において、エアコン又は他PTO機器のON/OFFの変更を行ったり、荷役操作を行ったりすると、エンジンの負荷が変動することによりエンジン回転数NEが増減し、エンジン回転数NEと燃料噴射量Qとで示されるエンジンの運転状態がガバニングラインB上より外れた状態となる。その場合、制御コントローラは、エンジンの運転状態が、ガバニングラインB上に戻るように、燃料噴射量Qを制御する。
ここで、ガバニングラインBのうち燃料噴射量Qが減少する方向(矢印Yで示す方向)は、エンジンの負荷が低い低負荷域側であり、また、燃料噴射量Qが増加する方向(矢印Xで示す方向)は、エンジンの負荷が高い高負荷域側である。前記したように、コモンレール式燃料噴射装置を備えたディーゼルエンジンの場合、エンジン回転数の変化に対して燃料噴射量が即座に算出、噴射されるため、燃料噴射装置は、設定燃料噴射量に対して過大、または過小に燃料を噴射してしまう。その結果、エンジン回転数を一定に保つことができず、ハンチング状態が発生するという問題があった。この問題は、特に、エンジンの低負荷域側で頻繁に発生していた。これに対し、エンジンの高負荷域側では、低負荷域側に比べてハンチングの発生頻度が少ないものの、エンジンの応答性が低負荷域側に比べて悪いため、エンジンに負荷変動が生じた場合に、エンジン回転数NEが迅速にガバニングラインB上に戻らないという問題があった。そこで、本発明者らは、エンジンの低負荷域側に適切な燃料の噴射量制御、高負荷域側に適切な燃料の噴射量制御をそれぞれ区別して実現するために、エンジンの負荷状態を適確に判別するための「乖離回転数NEdel」という指標を見出した。
ここで、「乖離回転数NEdel」について説明する。図1に示すラインDは、エンジンが無負荷の場合のエンジン回転数NEと燃料噴射量Q(無負荷噴射量)との関係を示すラインである。そして、このラインDとガバニングラインBとが交差するポイントのエンジン回転数NEは、無負荷回転数(最高回転数)NEmaxである。乖離回転数NEdelは、無負荷回転数NEmaxと、エンジンの運転状態がガバニング領域A内にあるのときの(例えば、図1で示すP1、P2の状態)エンジン回転数NEとの差である。エンジン回転数NEは、エンジンの回転数を検知するエンジン回転数センサ(不図示)で検出できる数値であるため、その値を容易にかつ正確に把握でき、つまり乖離回転数NEdelも容易にかつ正確に把握できる。
一方、エンジンの低負荷域側でのハンチングを抑制するためには、設定燃料噴射量に対する過大、または過小な燃料噴射を抑えることが必要であり、そのためにはエンジン回転数NEの変化に対する燃料噴射量Qの変化が小さくなるように燃料噴射量Qを制御することが好ましい。すなわち、目標とするガバニングラインBに対して、図1中右に示したエンジン回転数NEと燃料噴射量Qとの関係を示すラインCのように、エンジンの負荷が低い低負荷域側では、燃料噴射量Q軸に対するラインCの傾きである勾配θ2を、ガバニングラインBの勾配θよりも緩やか(θ2>θ)となるように燃料噴射量Qを制御することが好ましい。また、エンジンの高負荷域側でのエンジンの応答性を改善するためには、エンジン回転数NEの変化に対する燃料噴射量Qの変化が大きくなるように燃料噴射量Qを制御することが好ましい。すなわち、目標とするガバニングラインBに対して、ラインCのように、エンジンの負荷が高い高負荷域側では、燃料噴射量Q軸に対するラインCの傾きである勾配θ1を、ガバニングラインBの勾配θよりも急(θ1<θ)となるように燃料噴射量Qを制御することが好ましい。「乖離回転数NEdel」という指標を用いれば、エンジンの運転状態が低負荷域側にあるのか、高負荷域側にあるのか適確に判断することができる。
尚、図1に示すガバニングラインBは、アクセル開度ACCPが100%のときの設定されたエンジン回転数NEと燃料噴射量Qとの関係を示すラインであるが、アクセル開度ACCPが90%、80%、・・・等、任意のアクセル開度のときの燃料噴射量Qとエンジン回転数NEとの関係も予め設定されている。一例として、アクセル開度ACCPが50%の時のラインを、図1に一点鎖線で示す。また、ガバニング領域Aは、エンジン回転数NEの増加に対応して燃料噴射量Qを減少させる領域、すなわち、ガバニングラインB全体を包含する領域であり、アクセル開度ACCPが50%となると、そのときのガバニング領域は、アクセル開度ACCPが50%の時のラインと同様、図1中左に移動する。一方、アクセルペダルを踏み込んだときの走行時の車速の伸びを運転者が適度に感じるためには、勾配θはある程度、確保しておく必要がある。また、複数台の発電機で同調制御を行う場合にも、所定の勾配θが必要である。
次に、図2、図3および図4に基づき、乖離回転数NEdelを用いた燃料噴射量Qの制御方法について具体的に説明する。図2は、図1のE部を示し、燃料噴射量Qの算出方法を具体的に説明するための図である。図3は、燃料噴射量Qの算出フローを示す図である。図4は、各アクセル開度ACCPにおける無負荷回転数の設定例、およびなまし係数のマップ例を示す図である。
図2に示す図1のE部は、エンジンの負荷が低い低負荷域側を示している。エンジンの制御コントローラ(不図示)は、エンジン回転数センサ(不図示)、アクセルセンサ(不図示)などからの信号を連続的に取り込み、そして、これら信号をA/D変換して、エンジン回転数NE、アクセル開度ACCPなどを求めている。尚、これら各種信号の取り込みは、数10mmsecのサンプリング間隔で行われる。そして、エンジン回転数NE、燃料噴射量Qにより示されるエンジンの運転状態がガバニング領域Aにある場合、以下の制御が実行される。ここで、説明の都合上、任意時間iにおけるエンジン回転数をNE、燃料噴射量をQとする。このときのエンジン回転数NEを横軸に燃料噴射量Qを縦軸にとった座標平面上における、NEおよびQから定まる座標点(NE、Q)は、アクセル開度ACCPが100%のときのガバニングラインB上に乗っていると仮定する。
ここで、エンジンに負荷が入ったとすると、エンジン回転数NEは落ち、1サンプリング後のエンジン回転数はNEi+1となる。このとき、座標点(NE、Q)は、エンジン回転数NE軸に対して平行に移動し、エンジンの運転状態は、座標点(NEi+1、Q)に移る。このとき、図3に示すように、制御コントローラの演算器には、エンジン回転数NEi+1、燃料噴射量Q、アクセル開度ACCPの各値が入力される(ステップ1、以下S1と記載する。他のステップも同様)。そして、アクセル開度ACCPが100%であった場合、制御コントローラによりガバニングラインBが選択され、演算器は、ガバニングラインBとラインDとが交差するポイント(図2参照)のエンジン回転数NE、すなわちアクセル開度ACCPが100%のときのエンジンの無負荷回転数(最高回転数)NEmaxを求める(S2)。ここで、各アクセル開度ACCPにおけるエンジンの無負荷回転数NEmaxは、予め求められており、例えば図4(a)に示すような値の2次元テーブルとして、制御コントローラ内に蓄えられているものを用いる。本実施例においては、アクセル開度ACCPが100%であるので、図4(a)よりNEmaxは、2800rpmとなる。
次に、無負荷回転数NEmaxとエンジン回転数NEi+1との差である剥離回転数NEdelを求める(S3)。その後、例えば図4(b)に示すような、予め定められ制御コントローラ内に蓄えられている、アクセル開度ACCPと剥離回転数NEdelとで定まるなまし係数mのマップより、なまし係数mを求める(S4)。一方、演算器は、座標点(NEi+1、Q)から燃料噴射量Q軸に平行に延長させたラインと、ガバニングラインBとが交差するポイント(図2参照)の燃料噴射量Q、すなわちエンジン回転数NEi+1のときのガバナより算出される燃料噴射量Qgovを求める(S5)。そして、燃料噴射量Q、Qgov、およびなまし係数mより、i+1番目の燃料噴射量Qi+1を下記の式(A)に基づき算出する(S6)。尚、剥離回転数NEdelが、非常に小さい値であって、予め定められた不感帯回転数NEs以下である場合、座標点(NEi+1、Q)は、ガバニングラインB上にほぼ位置していると判断し、なまし係数mをゼロとする。
(数1)
i+1=Qgov×m+Q×(1−m) ・・・・・・・・・・・・(A)
次に、算出された燃料噴射量Qi+1が、エンジンの上限燃料噴射量Qmax以下か否かが判断され(S7)、Qi+1≦Qmaxの場合、次回の燃料噴射量は、Qi+1で決定し(S8)、Qi+1>Qmaxの場合、燃料噴射量は、Qmaxで決定する(S9)。そして、エンジンの制御コントローラは、決定した燃料噴射量Qi+1に基づき、エンジンにQi+1の燃料が供給されるよう燃料噴射装置を制御する。
燃料噴射量Qが、QからQi+1に変化することで、エンジンの発生トルクが変化し(図2に示す場合は、燃料噴射量Qが増加しトルクアップする)、エンジン回転数NEがNEi+1からNEi+2へ上昇することで、エンジンの運転状態は、座標点(NEi+2、Qi+1)に移行しようとする。図4(b)に示すように、なまし係数mは、剥離回転数NEdelが比較的低い、すなわち、エンジンの運転状態が低負荷域側にある場合は、0<m<1の値となり、エンジン回転数NEの変化に対する燃料噴射量Qの変化量(QからQi+1へ変化しようとする変化量)を、QからQgovへ変化しようとする変化量よりも小さくするように設定され、また、剥離回転数NEdelが増加するにつれ大きな値となるように設定されている。エンジンの負荷状態を剥離回転数NEdelで判別し、剥離回転数NEdelからなまし係数mを算出し、なまし係数mを用いて燃料噴射量Qi+1を算出して燃料噴射量Qを制御することにより、図2に示すようなエンジンの運転状態が低負荷域側にある場合には、燃料噴射量Qの過大な増減は抑制され、つまり、燃料噴射量Qの噴射感度を適度に調整することが可能となり、エンジンのハンチングは発生しにくくなる。
次に、エンジンの負荷が高い高負荷域側における燃料噴射量Qの制御方法について説明する。図5は、エンジンの運転状態が高負荷域側である、図1のF部を示し、燃料噴射量Qの算出方法を具体的に説明するための図である。尚、以下の説明においては、エンジンの運転状態が高負荷域側にある場合の特徴について詳述し、図2に示したエンジンの運転状態が低負荷域側にある場合と同様の燃料噴射量の算出方法については、適宜その説明を省略する。
エンジンの運転状態が高負荷域側にある場合も、エンジンの運転状態が低負荷域側にある場合と同様に、前記式(A)に基づき、燃料噴射量Qi+1を算出する。ここで、図4(b)に例示したように、なまし係数mの値は、剥離回転数NEdelが高くなるほど大きな値に設定され、高負荷域においては、その値が1を超える。なまし係数mの値が1を超えると、図5に示すように、燃料噴射量Qi+1は、ガバナより算出される燃料噴射量Qgovよりも大きく決定される。ここで、例えば、Qi+1をQgovと等しくすると、エンジン回転数NEが迅速に上がらず、エンジン回転数NEの応答性が悪化する場合がある。しかし、本実施例のように、エンジン回転数NEの変化に対する燃料噴射量Qの変化を、エンジンの運転状態が高負荷域側にある場合には、QからQgovの値に変化しようとするよりも大きくするようになまし係数mを設定することにより、燃料噴射量Qは大きく変化しようとするので、その結果、エンジン回転数の応答性はよくなる。
以上より、エンジンの負荷状態を「剥離回転数NEdel」の値で判断し、この剥離回転数から、負荷状態に応じて予め設定したマップに基づきなまし係数mを求め、このなまし係数mに基づき燃料噴射量Qi+1を算出して制御することにより、エンジンの負荷状態に応じた適切な燃料噴射量Qを決定することができる。その結果、エンジンの低負荷域側でのエンジン回転数の安定性、高負荷域側でのエンジン回転数の応答性をいずれも改善することが可能となる。特に、本実施例のように、フォークリフト用のエンジンに本発明に係る燃料噴射量の制御方法が用いられた場合、荷役運搬作業時において、エンジン回転数低下というエンジン回転数NEの応答性悪化を抑制できる。また、荷役を運搬しない走行時には、エンジンのハンチングが抑制され走行状態を安定させることができる。尚、アクセル開度ACCP、エンジン回転数NE、および燃料噴射量Qにより決まるエンジンの運転状態がガバニング領域内にない場合は、公知の燃料噴射量制御により燃料噴射量は決定される。
また、本説明においては、エンジンに負荷が入った場合について述べたが、例えば、フォークリフトで運搬していた荷役を降ろした瞬間など、エンジンから負荷が抜けた場合も同様、「剥離回転数NEdel」を求めて、NEdelからエンジンの負荷状態を判断し、図3に示した燃料噴射量の算出フローに基づき燃料噴射量Qを算出して制御することにより、エンジンの負荷状態に応じた適切な燃料噴射量Qを決定することができる。また、図4(b)に示したように、各アクセル開度ACCPに応じたなまし係数mを設定することが可能なため、エンジンの全回転域において安定した回転数制御性を実現することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射量の制御方法を説明するためのエンジンのエンジン回転数と燃料噴射量との関係を示す図である。 エンジンの運転状態が低負荷域側である図1のE部を示し、燃料噴射量の算出方法を具体的に説明するための図である。 燃料噴射量の算出フローを示す図である。 各アクセル開度における無負荷回転数の設定例、およびなまし係数のマップ例を示す図である。 エンジンの運転状態が高負荷域側である図1のF部を示し、燃料噴射量の算出方法を具体的に説明するための図である。
符号の説明
A:ガバニング領域
B:ガバニングライン
NE:エンジン回転数
Q:燃料噴射量
NEmax:無負荷回転数(最高回転数)
NEdel:乖離回転数
m:なまし係数

Claims (3)

  1. 無負荷回転数に隣接するエンジン回転数の領域であるガバニング領域における燃料噴射量の制御方法であって、
    前記無負荷回転数と、エンジンの運転状態が前記ガバニング領域内にあるときのエンジン回転数との差である乖離回転数を算出する工程を備え、
    前記乖離回転数から燃料噴射量のなまし係数を算出し、当該なまし係数に基づき燃料噴射量を制御することを特徴とする、燃料噴射量の制御方法。
  2. 前記なまし係数は、エンジン回転数の変化に対する燃料噴射量の変化を、エンジンの運転状態が低負荷域側にある場合には小さく、高負荷域側にある場合には大きくするように燃料噴射量を制御する係数であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料噴射量の制御方法。
  3. フォークリフト用エンジンに供給する燃料の噴射量制御に用いることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射量の制御方法。
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