JP2009001451A - 水素の生成方法と装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池自動車にも好適に適用することのできる水素生成の方法および装置を提供すること。
【解決手段】第一の水素化物の加水分解によって水素を生成し、このとき発生する熱を第二の水素化物の熱分解に利用して水素を生成するとともに、必要な場合燃料電池から出る廃熱も第二の水素化物の熱分解に利用するようにすること。
【選択図】図2
【解決手段】第一の水素化物の加水分解によって水素を生成し、このとき発生する熱を第二の水素化物の熱分解に利用して水素を生成するとともに、必要な場合燃料電池から出る廃熱も第二の水素化物の熱分解に利用するようにすること。
【選択図】図2
Description
本発明は水素の生成方法と生成装置に関するものであり、より詳しくは特に燃料電池用の燃料である水素を好適に生成することのできる方法および装置に関するものである。
化石燃料の有限性あるいは化石燃料から排出される炭酸ガスによる地球温暖化などの環境破壊の問題が、現代社会にとって解決されるべき最も重要な課題の一つとされている。このような中、水素は理論的には無尽蔵かつ究極のクリーンなエネルギー源として脚光を浴び、特に水素をエネルギー源とした燃料電池が21世紀の技術として注目され、内外の多くの研究機関や企業がその開発に取り組んでいる。
しかしながら、水素をエネルギー源として、燃料電池を始めとする様々な産業分野において利用するためには、水素の貯蔵あるいは吸蔵技術面においてまだ多くの課題が山積している。 水素の貯蔵吸蔵技術には、これまで種々の方法が提案されている。極低温状態で液化水素として貯蔵する方法、カーボンナノチューブあるいはフラ−レンに吸蔵する方法、水素吸蔵合金に吸蔵する方法、あるいは水素化物として貯蔵する方法などが代表的な方法とされている。
これらの方法は安全性、利便性、輸送効率、貯蔵吸蔵効率あるいは貯蔵吸蔵とその後の水素放出のため必要とされる化石燃料とのエネルギーバランスなどにおいてそれぞれ一長一短がある。例えば、液化水素による貯蔵は、水素を液化するのに膨大な冷却のためのエネルギーを必要とし、また貯蔵容器の安全性の視点からその利用場所、方法が自ずと制限される。水素吸蔵合金を利用した方法はこれらの物質が重金属から作られているためそれ自体の重量が重く、単位重量当り水素吸蔵効率が劣る。またカーボンナノチューブや水素吸蔵合金を利用した方法はコストが高くまた水素の吸蔵放出の繰返しによって水素の吸蔵量の経時的劣化現象が起こるため長期間の使用に耐えず、実用性の面で制約される。
本発明者は水素化物から水素を生成する方法を研究してきた。水素化物から水素を生成する方法として、水素化物を加熱して熱分解する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法において、熱分解のためには常温より高い熱を必要とし、かつ材料および容器の顕熱相当分以上の余分なエネルギーを必要とする。さらに水素を必要とするとき直ぐに取り出せないといった応答の迅速性に欠ける課題がある。
また、反応容器内で水素化物を水やアルコールなどの液体と反応させて水素を生成する方法が提案されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。しかしながらこの方法は水素化物と液体との反応が一気に起こるため、制御しながら水素を発生させることが難しい。仮に液体を徐々に水素化物に加えて反応を制御しようとすると水素化物の水和反応が、副生する水酸化物で阻害されてしまうため、現実的には、加えた液体の量に対応した量の水素が生成せず、水素の生成量の制御が困難であるという課題を含んでいる。
したがって、近時、注目を浴びている燃料電池自動車に上記従来技術を適用しようとしたとき、次のような問題がある。水素化物の加熱分解法による水素生成方式では、自動車の始動時に先ず水素化物とその容器などのシステム要素を、水素放出が行われる水素化物の熱分解温度まで加熱しなければならい。これにはシステム要素自体の顕熱相当分のエネルギーと水素化物の熱分解のためのエネルギーを必要とする。このエネルギーとして、通常は、何らかの方法によって発電し、電池に貯めた電気エネルギーが使用される。この結果、システム要素の温度が上昇し、実際に水素の放出が始まるまでに、5〜10分あるいは冬場にはもっと長時間を要する。これは通常のガソリン車に比べて、自動車がスタートできるまでの時間が長いということを意味するので、実用的視点からは問題となる。
水素化物に水などの液体をくわえて水素を生成する方式では、一度に大量の水素が発生するため、自動車に大きな水素貯蔵容器を搭載しなければならないと同時に、安全性の視点から貯蔵容器は鋼鉄等丈夫な材料から作ることが必要であり、容器の搭載重量負担が極めて大きなものとなる。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決しようとするもので、水素化物から水素を効率的かつ制御しながら生成しようとするものである。このようにして水素を生成することによって、燃料電池自動車のような限定された空間の中でかつ停止と発進を繰り返す条件下においても、好適に適用することのできる水素生成の方法および装置を提供することにある。
本発明は上記した課題を解決するため、請求項1に記載した水素生成方法は第一の水素化物の加水分解反応によって水素を生成し、この加水分解反応の際に生じた反応熱を、第二の水素化物の熱分解反応に適用して水素を生成することを特徴とする。
請求項2に記載した水素生成方法は、請求項1に記載した方法において、第一の水素化物の加水分解反応によって水素を生成し、この加水分解反応の際に生じた反応熱を第二の水素化物の熱分解反応に適用して水素を生成するとともに、外部の熱源から供給する熱で第二の水素化物の熱分解反応を持続させることを特徴とする。
請求項3に記載した水素生成装置は、第一の水素化物を収容した第一の反応容器と、第二の水素化物を収容した第二の反応容器とを含んで構成され、第一の水素化物の加水分解反応によって水素を生成するとともに、発生した反応熱を第二の水素化物に伝達して該水素化物を熱分解し水素を生成するようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載した水素生成装置は、請求項3に記載した装置において、第一の反応容器と第二の反応容器を熱伝導性の隔壁で仕切って形成し、第一の反応容器で発生した反応熱を該隔壁を介して第二の反応容器の水素化物に伝達するようにしたことを特徴とする。
請求項5に記載した水素生成装置は、請求項3または請求項4に記載した装置において、第一の反応容器と第二の反応容器に伝熱手段を配設し、第一の反応容器で発生した反応熱を該伝熱手段を介して第二の反応容器に伝達するようにしたことを特徴とする。
請求項6に記載した水素生成装置は、請求項3から請求項5のいずれかに記載した装置において、第二の水素化物の熱分解反応を行う加熱手段が、第二の反応容器に配設されたことを特徴とする。
請求項7に記載した水素生成装置は、請求項6に記載した装置において、加熱手段として燃料電池から発生する廃熱が用いられることを特徴とする。
請求項8に記載した水素生成装置は、請求項3から請求項7のいずれかに記載した装置において、第二の容器内に補助加熱手段が配設されたことを特徴とする。
請求項9に記載した水素生成装置は、請求項8に記載した装置において、補助加熱手段として燃焼ガスあるいは電気抵抗加熱源が用いられることを特徴とする。
水素化物の加水分解反応は注水後速やかに進行するので、本発明の方法および装置によれば、所望するとき直ぐに水素を生成することができ、そして引き続き加水分解反応で生じた熱を第二の水素化物の熱分解に適用するので、水素の生成を制御して行うことができる。したがって、本発明を、例えば自動車のような限られた空間の中で利用される燃料電池の燃料用水素の生成に適用すれば、大きな水素貯蔵タンクを搭載する必要がないので、搭載部品の小型化を図ることができ、また安全面からも有利である。
本発明の別の実施態様によれば、外部の廃熱、例えば燃料電池から生じる廃熱を利用して第二の水素化物を加熱分解できるので、加水分解から生ずる反応熱だけでは第二の水素化物を完全に熱分解するのに十分な熱を得ることが困難である場合、例えば外気温が低い冬場とか寒冷地で本発明を実施する場合、あるいは第一の水素化物の量が第二の水素化物の量に比べて少なすぎる場合、換言すると第一の水素化物から生じる加水分解熱だけでは第二の水素化物の熱分解を賄うに十分なエネルギーを得ることができない場合においても、安定した状態で第二の水素化物の熱分解を持続させ、水素を取り出すことができる。
本発明のさらに別の実施態様によれば、第二の容器内に補助加熱手段が設けられるので、例えば冬場の寒冷地で、第一の容器に導入する水の凍結によって注水が困難という非常の場合にも、補助加熱手段を稼動して第二の容器の水素化物から水素を生成することができる。それゆえ燃料電池自動車用の水素生成装置として使用すれば、寒冷地においても自動車の始動不能という事態を回避することができる。
以下、本発明に係る水素生成の方法と装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る水素生成の方法を実施するための装置の一例を示す縦断面説明図である。
この図において、水素生成装置1は伝熱性の隔壁9仕切られた2つの反応容器、すなわち第一の反応容器2および第二の反応容器3を有している。反応容器2,3には第一の水素化物4と第二の水素化物5が充填されている。第一の反応容器2には容器内に水を注入するための管6と生成した水素ガスを取り出すための管7が付設されている。また、第二の反応容器3には生成した水素ガスを取り出すための管8が付設されている。これらの管7および8は、得られた水素の利用目的に応じて設置される装置(例えば燃料電池装置)と連結している。隔壁9は熱伝導性の良好な材料、例えばアルミニウムのような金属から作られている。
第一の容器2に充填される第一の水素化物4と第二の容器3に充填される第二の水素化物5は、同一種類の水素化物であっても、あるいは異なる種類の水素化物であってもよい。異種の水素化物を配置する場合には、相対的に加水分解熱の大きな水素化物を第一の容器に充填することが望ましい。大きな熱を第二の水素化物に伝達でき、熱分解が促進できるからである。
本発明で使用される水素化物としては、アランAlH3、NaHあるいはMgH2などがある。
例えばアランを充填した第一の反応容器2に管6から水を注入すると、下記の式;
AlH3 + 3H2O = Al(OH)3 + 3H2 + 405kJ/mol
の加水分解反応が起こり、水素が生成する。
AlH3 + 3H2O = Al(OH)3 + 3H2 + 405kJ/mol
の加水分解反応が起こり、水素が生成する。
また、水素化物がNaHおよびMgH2である場合には、それぞれ下記の式によって表される加水分解反応が行われる。
NaH + H2O = NaOH + H2 + 84kJ/mol
MgH2 + 2H2O = Mg(OH)2 + 2H2 + 139kJ/mol
生成した水素ガスは管7から取り出す。アランの加水分解反応は、アラン1モル当り405キロジュールもの発熱を伴う発熱反応である。アランの熱分解は通常80〜120℃の温度である。したがって、アラン4の加水分解によって生じた熱は、隔壁9を介して第二の容器3に充填したアラン5に伝達されるので、アラン5は下記式によって表される熱分解反応を行い、水素を生成する。
MgH2 + 2H2O = Mg(OH)2 + 2H2 + 139kJ/mol
生成した水素ガスは管7から取り出す。アランの加水分解反応は、アラン1モル当り405キロジュールもの発熱を伴う発熱反応である。アランの熱分解は通常80〜120℃の温度である。したがって、アラン4の加水分解によって生じた熱は、隔壁9を介して第二の容器3に充填したアラン5に伝達されるので、アラン5は下記式によって表される熱分解反応を行い、水素を生成する。
AlH3 = Al + 3/2 H2
第一の反応容器2で発生した加水分解熱を、一層効率的に第二の反応容器3内のアラン5に伝達するため、これらの容器内に伝熱手段、例えば熱交換機10を配置することができる。熱交換器10は、例えば金属製のフィン11を、反応容器2と反応容器3を貫通する伝熱軸12に固定して構成することができる。伝熱軸15は一本である必要はなく、複数本設けてもよい。フィン11および伝熱軸12は、例えば金属アルミニウムから作られている。熱交換器10を配置することによって、第一の反応容器2で発生した熱は、第二の反応容器3に充填したアラン全体に速やかに伝達し、第一の反応容器2で水素を生成した後、ほとんど時間差をおくことなく第二の反応容器3からも水素を生成させることができる。これは燃料電池の水素燃料供給源としての視点から見た場合、従来方法のように大きな水素ガスの貯蔵タンクを付設しなくても、安定した状態で水素燃料を生成し、電池本体に供給することができることを意味する。
第一の反応容器2で発生した加水分解熱を、一層効率的に第二の反応容器3内のアラン5に伝達するため、これらの容器内に伝熱手段、例えば熱交換機10を配置することができる。熱交換器10は、例えば金属製のフィン11を、反応容器2と反応容器3を貫通する伝熱軸12に固定して構成することができる。伝熱軸15は一本である必要はなく、複数本設けてもよい。フィン11および伝熱軸12は、例えば金属アルミニウムから作られている。熱交換器10を配置することによって、第一の反応容器2で発生した熱は、第二の反応容器3に充填したアラン全体に速やかに伝達し、第一の反応容器2で水素を生成した後、ほとんど時間差をおくことなく第二の反応容器3からも水素を生成させることができる。これは燃料電池の水素燃料供給源としての視点から見た場合、従来方法のように大きな水素ガスの貯蔵タンクを付設しなくても、安定した状態で水素燃料を生成し、電池本体に供給することができることを意味する。
第一の反応容器2および第二の反応容器3の寸法、充填する水素化物の量は、水素化物の加水分解によって発生する発熱量を比較考量して設計する。この際、使用条件、特に外気温の高低に配慮することが必要である。熱分解させる水素化物自体の温度が低ければ低いほど、その分多くの熱量が必要とするからである。装置の実際の設計に際しては、第一の反応容器2への注水速度も考慮することが必要である。これは水素化物の加水分解に伴う発熱速度、水素生成速度に関係するからである。
なお、図1には図示されていないが、第二の反応容器には更に、図2の説明において述べると同様の加熱手段および補助加熱の双方あるいはいずれか一方を配設することができ、またそれによって同様の技術的効果が得られる。
次に、図2は本発明に係る水素生成装置の別の例を示す縦断面説明図である。この態様の水素生成装置21では、水素化物24の加水分解反応を行う第一の反応容器22と水素化物25の熱分解反応を行う第二の反応容器23は、互いに分離して配置される。充填される水素化物24および25は同一種類であっても異種のものであってもよい。反応容器22および23には、図1で述べたと同様の伝熱手段である熱交換機30が配設されている。この態様の装置には、図1の装置で述べたような隔壁がないので、第一の反応容器22で発生した熱の第二の反応容器23への伝達は、熱交換機30を通じてのみ行われる。それゆえ、第一の反応容器22と第二の反応容器23を分離したタイプの装置では、熱交換機10は必須の構成要素である。
反応容器22および23を分離して配置する主たるメリットは、水素化物を加水分解したときに副生する水酸化物によって起こる体積膨張の影響を、第二の反応容器23に及ばせない点にある。すなわち、第一の反応容器22に水素化物を一杯に充填し、たとえ副生する水酸化物による容器の膨張があったとしても、この膨張を両容器の間隙33で吸収することができる。
第二の反応容器23には、外部熱源から熱を導入するため、加熱手段34および/または補助加熱手段35を配設することができる。加熱手段34の主たる目的の一つは、第一の反応容器22から伝達される熱だけでは分解することのできない第二の水素化物25の熱分解を行うための熱供給手段である。その目的の他の一つは、第二の水素化物25の熱分解を円滑に行うための熱供給手段でもある。加熱手段34の熱源としては例えば燃料電池から出る廃熱が好適に用いることができる。装置21の設計に際して、該装置の定常運転状態においても意図的に加熱手段34を稼動させることを前提として、第一の反応容器22を小さくまた第二の反応容器23を大きく設計し、第一の水素化物24の量を少なく、第二の水素化物を多く充填することができる。このようにすると、燃料電池の駆動時、第一の反応容器22に注水して先ず必要量の水素を迅速に生成し、得られた水素を燃料として発電し、そのとき燃料電池から出る廃熱の一部又は全部を加熱手段34を介して第二の反応容器23に導入できるので、加熱手段34に供給する廃熱を制御することによって、第二の水素化物25の熱分解速度も制御することができる。勿論、加水分解反応が終結するまでは、伝熱手段30からも加水分解熱が第二の水素化物25に伝達される。
補助加熱手段35は、例えば冬場あるいは寒冷地における装置21の始動時、第一の反応容器22から供給される熱だけでは、第二の反応容器23内の水素化物25を、その熱分解温度まで短時間内に上昇させることが困難である場合において、一時的に外部から熱を供給し分解温度まで加熱することを企図するものである。補助加熱手段35の熱源としては、例えば電気ヒータによる抵抗加熱あるいは炭化水素系やアルコール系の燃料の燃焼熱などがある。
本発明の水素生成装置を燃料電池自動車に適用したとき、その典型的な稼動の態様を、図2に示した装置で説明する。
自動車の始動時、第一の反応容器22に注水すると、水素化物24が加水分解して水素が生成し、加水分解熱が生じる。生じた加水分解熱は伝熱手段30を介して反応容器23内の第二の水素化物25を加熱し、熱分解が開始する。この熱分解反応を円滑に行わせるため必要がある場合、例えば寒冷地での始動時に第二の水素化物25の温度が低いため伝熱手段30から伝達される熱だけでは十分な熱分解温度に達することが困難である場合、補助加熱手段35を稼動して第二の水素化物25を加熱し、所定の温度に達した後、稼動を止める。
第一の反応容器22で生成した水素は、燃料電池に導入され、発電のために燃料として利用される。このとき燃料電池から出る廃熱を加熱手段34に導入し、第二の水素化物25の熱分解に継続的に利用する。燃料電池の効率は完全ではなく、全てのエネルギーを電気エネルギーとして取り出すことはできず、一部は熱エネルギーに変換されるので、この熱エネルギーを第二の容器内の水素化物25の熱分解反応に利用する。
このように稼動させることによって、たとえ冬場の寒い日であっても、エンジン始動時からガソリンエンジンと変わらないタイムラグで円滑に自動車を発進させることができる。
1、21 水素生成装置
2、22 第一の反応容器
3、23 第二の反応容器
4、5,24,25 水素化物
9 隔壁
10、30 伝熱手段
34 加熱手段
35 補助加熱手段
2、22 第一の反応容器
3、23 第二の反応容器
4、5,24,25 水素化物
9 隔壁
10、30 伝熱手段
34 加熱手段
35 補助加熱手段
Claims (9)
- 第一の水素化物の加水分解反応によって水素を生成し、この加水分解反応の際に生じた反応熱を、第二の水素化物の熱分解反応に適用して水素を生成することを特徴とする水素生成方法。
- 第一の水素化物の加水分解反応によって水素を生成し、この加水分解反応の際に生じた反応熱を第二の水素化物の熱分解反応に適用して水素を生成するとともに、外部の熱源から供給する熱で第二の水素化物の熱分解反応を持続させることを特徴とする請求項1に記載した水素生成方法。
- 第一の水素化物を収容した第一の反応容器と、第二の水素化物を収容した第二の反応容器とを含んで構成され、第一の水素化物の加水分解反応によって水素を生成するとともに、発生した反応熱を第二の水素化物に伝達して該水素化物を熱分解し水素を生成するようにしたことを特徴とする水素生成装置。
- 第一の反応容器と第二の反応容器を熱伝導性の隔壁で仕切って形成し、第一の反応容器で発生した反応熱を該隔壁を介して第二の反応容器の水素化物に伝達するようにしたことを特徴とする請求項3に記載した水素生成装置。
- 第一の反応容器と第二の反応容器に伝熱手段を配設し、第一の反応容器で発生した反応熱を該伝熱手段を介して第二の反応容器に伝達するようにしたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載した水素生成装置。
- 第二の水素化物の熱分解反応を行う加熱手段が第二の反応容器に配設されたことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載した水素生成装置。
- 加熱手段として燃料電池から発生する廃熱が用いられることを特徴とする請求項6に記載した水素生成装置。
- 第二の容器内に補助加熱手段が配設されたことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに記載した水素生成装置。
- 補助加熱手段として燃焼ガスあるいは電気抵抗加熱源が用いられることを特徴とする請求項8に記載した水素生成装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133232A (ja) * | 2011-12-23 | 2013-07-08 | Bio Coke Lab Co Ltd | 水素発生装置 |
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2007
- 2007-06-21 JP JP2007163714A patent/JP2009001451A/ja not_active Withdrawn
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JP2013133232A (ja) * | 2011-12-23 | 2013-07-08 | Bio Coke Lab Co Ltd | 水素発生装置 |
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