JP2008545389A - 肺機能及び肺障害の評価のための方法及び組成物 - Google Patents

肺機能及び肺障害の評価のための方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、遺伝的多型の分析を用いて喫煙者及び非喫煙者において職業性慢性閉塞性肺疾患(OCOPD)を発達させるリスクを評価する方法を提供する。本発明は、OCOPDを発達させる対象のリスクを評価する際に遺伝的多型を使用することにも関する。その様な評価に適しているヌクレオチドプローブ及びプライマー、キット、及びマイクロアレイも提供される。

Description

本発明は、肺機能及び/又は障害の評価方法に関し、そして特に遺伝的多型及び遺伝子発現の変化の分析を用いて喫煙者及び非喫煙者における職業性慢性閉塞性肺疾患(OCPOPD)を発達させるリスクを評価する方法に関する。本発明は、OCOPDを発達させる対象のリスクの評価において遺伝的多型を用いることに関する。
職業性慢性閉塞性肺疾患(OCOPD)は、十分に認識され、そして十分に研究された職場の様々な空気汚染物質への慢性的な暴露の結果である。米国胸部学会により発行されたCOPDに対する職業の寄与に関する最近の文書は、全てのCOPDのうちの15%が業務に関係しており、年間70億ドルのコストがかかることを見積もる[1]。OCOPDは、職業上の死亡原因の二番目に高い原因にランク付けされ、そして上昇中であると信じられている。
職業性のCOPDが、有機及び無機空気汚染物質を含むゴミ及び/又は他の空気汚染物質への慢性的暴露により特徴付けられる職業範囲で起こるということを横断的研究及び前向き研究の両方ともが示した[3及び4に総説される]。これらの職業及び工業は、冶金、鉄及び鉄鋼労働者、木材加工労働者、化学(chemistry and chemical)労働者、パルプ及び製紙工業、印刷工業、農業、軍隊、製粉業、ポップコーン製造、石炭、金、シリカ、及び岩鉱山労働者、溶接工、塗装工、造船工、綿/合成繊維労働者、建築作業員、タバコ労働者、及びアンモニア労働者を含む。OCOPDに関連する汚染物質の例として、重金属(例えばカドミウム及びバナジウム)、二酸化窒素、二酸化硫黄、穀物粉塵、エンドトキシン、溶媒及びレジンが挙げられる。
2個の異なる研究において、約4000万人の米国労働者が、上記「危険性」のある職業に従事していると見積もられる[5、6]。
OCOPDが、暴露量(例えば、濃度と期間)と組合わせたホストの因子(遺伝的体質を含む)から生じるということが研究により示される。これらの職業における約20%の労働者は、OCOPDにかかりやすいということが見積もられた。
大事なことは、上記職業とOCOPDのリスクとの関係が喫煙、人種、及び年齢から独立しているという点である。非喫煙者において、上記職場からのゴミ又は煙霧への繰り返し暴露の効果が、COPDを誘導する点において、喫煙の効果と等しいという点が示された。さらに、喫煙者では、その喫煙と肺機能低下に関する職業上の暴露の組み合わせた効果は、いずれか1のみよりも高い。その結果、勤務中に空気-汚染物質に晒される喫煙者はかなりのリスクを負っている。
職業性慢性閉塞性肺疾患は、潜行性炎症と進行性肺破壊(progressive lung destruction)により特徴付けられる。50%以上の肺機能が既に不可逆的に失われた際に、罹患対象が労作時の息切れに気付いた後に、職業性慢性閉塞性肺疾患は臨床的に明らかになる。この肺機能の減少は、呼気流量(具体的に、1秒間努力呼気容量、つまりFEV1)の低下により臨床的に検出される。
気道疾患の治療の進歩にも関わらず、現在の治療は、呼吸不全及び死亡を引き起こす肺機能の進行性減少を伴うOCOPDの自然史を有意に変更することはない。職業上の暴露の停止により、肺機能低下の緩和が予期されうるが、おそらく、初期段階で行われなければ、機能喪失はかなりのものであり、そして息切れの悪化の症状は回避することができないであろう。血清コレステロールの発見とその冠動脈疾患への関連と同様に、リスクのある労働者を同定する試験を開発し、そして汚染物質への職業性暴露の有害効果を低減するために新たな治療法を発見できるようにCOPDに寄与する因子をよく理解する必要がある。
今日までに、様々な肺疾患を発達させる傾向の診断及び評価において有用な多くのバイオマーカーが同定されてきた。これらのバイオマーカーとして、例えば、以下の:
ヒトマクロファージ・エラステート(MMP12)をコードする遺伝子のプロモーターにおけるA-82G;
形質転換成長因子β(TGFβ)をコードする遺伝子のコドン10内のT→C;
スーパーオキシドジムスターゼ3(SOD3)をコードする遺伝子のC+760G;
メタロプロテイナーゼ3の組織インヒビター(TIMP3)をコードする遺伝子のプロモーター内のT-1296C;及び
PCT国際出願PCT/NZ02/00106号(WO02/099134として発行され、そしてその全てが本明細書に援用される)において開示されるこれらの多型に関する連鎖不均衡の多型
を含む一塩基多型が挙げられる。
特に対象が喫煙者の場合、職業性慢性閉塞性肺疾患(OCOPD)、又はOCOPDに関連する肺機能の喪失を発達させる危険性、などの肺疾患を発達させる対象のリスクを評価するために使用されたさらなるバイオマーカーを有することは、望ましくかつ利点があるであろう。
本発明は主に、このようなバイオマーカー、並びにこのような障害を発達させるリスクを評価する方法における当該バイオマーカーの使用に関する。
本発明は、対照対象と比べてOCOPDを患う患者において、特定の多型が多く見られるという発見に主に基づく。これらの多型の分析は、遺伝子型とOCOPDを発達させる対象のリスクとの間の関連を明らかにする。
こうして、1の態様に従って、以下の:
シクロオキシゲナーゼ2(COX2)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
グルタチオンS転移酵素P(GSTP1)をコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
インターロイキン-18(IL-18)をコードする遺伝子における105C/A; IL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
インターロイキン-8(IL-8)をコードする遺伝子における-251A/T;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
ミクロソームのエポキシド加水分解酵素(MEH)をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)をコードする遺伝子におけるArg312Gln(AC);
α1アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
α1アンチトリプシン(α1AT)S多型;
トール様受容体4(TLR4)をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
β2アドレナリン受容体(ADRB2)をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
インターロイキン-11(IL-11)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
インターロイキン-13(IL-13)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI-1)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
NO合成酵素3(NOS3)をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP1)をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
からなる群から選ばれる1以上の多型の有無について対象からサンプルを分析することを含む、慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを測定する方法が提供される。ここで、1以上の当該多型の有無は、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを指し示す。
1以上の多型は、直接検出できるか、又は当該1以上の多型と連鎖不均衡にある1以上の多型を検出することにより検出できる。
連鎖不均衡(LD)は、2以上の突然変異又は多型が一緒に遺伝するほど遺伝的に近接している遺伝の現象である。これは、遺伝子型決定において、1の多型が存在すると検出することは、もう一方の多型の存在を暗示するということを意味する(Reich DEら;Linkage disequilibrium in the human genome, Nature 2001, 411:199-204)。
以下の:
COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765CC又はCG;
IL-8をコードする遺伝子のプロモーターにおける-251AA遺伝子型;
VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrAA遺伝子型;
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspTT又はTG遺伝子型; MEHをコードする遺伝子におけるエクソン3T/C RR遺伝子型;
SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAG又はGG遺伝子型; α1ATをコードする遺伝子におけるMS又はSS遺伝子型;
TLR4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyAG又はGG遺伝子型;
ADRB2をコードする遺伝子におけるGln27GluCC遺伝子型;
IL-11をコードする遺伝子における-518 AA遺伝子型;又は
NOS3をコードする遺伝子におけるAsp298GluTT遺伝子型
からなる群から選ばれる1以上の多型の存在は、OCOPDを発達させるリスクが少ないことを示唆しうる。
以下の:
COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765GG;
GSTP1をコードする遺伝子におけるIle105ValGG;
IL-18をコードする遺伝子における105AA;
IL18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133CC;
VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrCC;
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspGG;
SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAA;
α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
IL-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055TT;
PAI-1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 5G5G;
マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP1)をコードする遺伝子における-1607 2G2G;
からなる群から選ばれる1以上の多型の存在は、OCOPDを発達させる高いリスクを指し示しうる。
多型は単独で分析されるか、より好ましくは2以上の任意の組み合わせで分析されてもよい。
本方法は、慢性的に空気-汚染物質に晒される対象、特にその職業又は前の職業が空気汚染物質への暴露に関連のある対象、において特に有用である。当該方法はまた、特に喫煙者であるか又は喫煙者であった対象において特に有用である。
本発明の方法が多型の2個のカテゴリー、つまりOCOPDを発達するリスクの低い多型(当該多型は「保護的(protective)多型」と呼ぶことができる)及びOCOPDを発達するリスクの高い多型(当該多型は「罹患性(susceptibiity)多型」と呼ぶことができる)、を同定することが認められよう。
その結果、本発明はさらに、職業性慢性肺疾患(OCOPD)を発達させる対象のリスクを評価する方法を提供し、ここで当該方法は以下の:
OCOPDを発達させる低いリスクと関連する少なくとも1の保護的多型の有無を決定し;そして
少なくとも1の保護的多型を有さない場合、OCOPDを発達させる高いリスクと関連する少なくとも1の罹患性多型の有無を決定する
を含む。ここで当該1以上の保護的多型が存在することが、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示し、そして少なくとも1の罹患性多型の存在と組合わせて少なくとも1の保護的多型が存在しないことは、OCOPDを発達させるリスクの増加を指す。
好ましくは、当該少なくとも1の保護的多型は、以下の:
-COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765CC又はCG遺伝子型;
IL-8をコードする遺伝子のプロモーターにおける-251AA遺伝子型;
VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrAA遺伝子型;
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspTT又はTG遺伝子型;
MEHをコードする遺伝子におけるエクソン3T/C RR遺伝子型;
SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAG又はGG遺伝子型;
α1ATをコードする遺伝子におけるMS又はSS遺伝子型;
TLR4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyAG遺伝子型;
ADRB2をコードする遺伝子におけるGln27GluCC遺伝子型;
IL-11をコードする遺伝子における-518AA遺伝子型;及び
NOS3をコードする遺伝子におけるAsp298GIuTT遺伝子型
からなる群から選ばれる。
場合により、本方法は、以下の:
SOD3をコードする遺伝子内の+760GG又は+760CG遺伝子型;
TIMP3をコードする遺伝子のプロモーター内の-1296TT遺伝子型;
TGFβをコードする遺伝子のコドン10内のCC遺伝子型(ホモ接合性Pアレル);又は
MMP1をコードする遺伝子のプロモーター内の2G2G
からなる群から選ばれる、少なくとも1の追加の保護的多型の有無を決定する追加ステップを含む。
少なくとも1の罹患性多型は、以下の:
遺伝子COX2のプロモーターにおける-765GG遺伝子型;
GSTP1をコードする遺伝子におけるIle105ValGG遺伝子型;
IL-18をコードする遺伝子における105AA遺伝子型;
IL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133CC遺伝子型;
VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrCC遺伝子型;
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspGG遺伝子型;
SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAA遺伝子型;
IL-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055TT遺伝子型;
PaI-1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 5G5G遺伝子型;
α1ATをコードする遺伝子における1237Tt又はtt遺伝子型;及び
MMP1をコードする遺伝子における-1670 2G2G遺伝子型
からなる群から選ばれる遺伝子型であってもよい。
場合により、当該方法は、以下の:
MMP12をコードする遺伝子のプロモーター内の-82AA遺伝子型;又は
MMP9をコードする遺伝子のプロモーター内の-1562CT又は-1562TT遺伝子型
からなる群から選ばれる少なくとも1の更なる罹患性多型の有無を決定するステップを含む。
本発明の好ましい形態では、2以上の保護的多型の存在は、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す。
本発明のさらに好ましい形態では、2以上の罹患性多型の存在は、OCOPDを発達させる高いリスクを指し示す。
本発明のさらに好ましい形態では、1以上の罹患性多型の存在に関わらず2以上の保護的多型の存在は、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す。
別の態様では、本発明は、OCOPDを発達させる対象のリスクを測定する方法を提供し、当該方法は以下の:
当該対象から得たサンプルの1以上の遺伝子試験の結果を取得し、そして
以下の:
シクロオキシゲナーゼ2(COX2)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
グルタチオンS転移酵素P(GSTP1)をコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
インターロイキン-18(IL-18)をコードする遺伝子における105C/A;
IL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
インターロイキン-8(IL-8)をコードする遺伝子における-251A/T;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
ミクロソームのエポキシド加水分解酵素(MEH)をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)をコードする遺伝子におけるArg312Gln(AC);
α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
α1-アンチトリプシン(α1AT)S多型:
トール様受容体4(TLR4)をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
β2アドレナリン受容体(ADRB2)をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
インターロイキン-11(IL-11)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
インターロイキン-13(IL-13)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI-1)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
NO合成酵素3(NOS3)をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP1)をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
又はこれらの多型の1以上のいずれかと連鎖不均衡にある1以上の多型
からなる群から選ばれる1以上の多型の有無についての結果を分析する
を含み、ここで、当該多型の1以上の有無を指し示す結果は、OCOPDを発達させる対象のリスクを指し示す。
さらなる態様では、本発明は、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる患者のリスクを決定する方法を提供し、当該方法は、COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765Cアレル、及び/又はα1ATをコードする遺伝子におけるSアレルの有無を測定し、ここで1以上の当該アレルのいずれかの存在は、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す。
さらなる態様では、本発明は、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる患者のリスクを決定する方法を提供し、当該方法は、COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765CC又はCG遺伝子型、及び/又は1-アンチトリプシンをコードする遺伝子におけるMS遺伝子型の有無を測定し、ここで1以上の当該遺伝子型のいずれかの存在は、OCOPDを発達させる低下されたリスクを指し示す。
さらなる態様では、職業性慢性閉塞性肺疾患(OCOPD)を発達させる患者のリスクを測定する方法であって、以下の:
シクロオキシゲナーゼ2(COX2)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
グルタチオンS転移酵素P(GSTP1)をコードする遺伝子においてIle105Val(A/G);
インターロイキン-18(IL-18)をコードする遺伝子における105C/A;
IL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
インターロイキン-8(IL-8)をコードする遺伝子における-251A/T;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
ミクロソームのエポキシド加水分解酵素(MEH)をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)をコードする遺伝子におけるArg312Gln(AC);
α1アンチトリプシン(α1AT)S多型;
トール様受容体4(TLR4)をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
β2アドレナリン受容体(ADRB2)をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
インターロイキン-11(IL-11)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
インターロイキン-13(IL-13)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI-1)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
NO合成酵素3(NOS3)をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
α/ATをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);又は
MMP1をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
からなる群から選ばれる2以上の多型を分析することを含む、方法が提供される。
様々な実施態様では、上記方法の任意の1以上が、VDBPをコードする遺伝子のコドン420へのマッピング位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む。
当該位置でのスレオニンの存在が、OCOPDを発達させる高いリスクを指し示す。
当該位置でのリジンの存在が、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す、
様々な実施態様では、上記方法のいずれか1以上は、VDBPをコードする遺伝子のコドン416へのマッピング位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む。
様々な実施態様では、上記方法のいずれか1以上は、SOD3をコードする遺伝子のコドン312へのマッピング位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む。
様々な実施態様では、上記方法のいずれか1以上は、TLR4をコードする遺伝子のコドン299へのマッピング位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む。
様々な実施態様では、上記方法のいずれか1以上は、ADRB2をコードする遺伝子のコドン27へのマッピング位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む。
様々な実施態様では、上記方法のいずれか1以上は、NOS3をコードする遺伝子のコドン298へのマッピング位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む。
当該位置でのグルタミン酸の存在が、OCOPDを発達させる高いリスクを指し示す。
当該位置でのアスパラギンの存在が、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す。
本発明の好ましい形態では、本明細書に記載される方法は、職業性慢性閉塞性肺疾患(OCOPD)を発達させるリスクに関する1以上の疫学的リスク因子を含む1以上のリスク因子の分析と組合わせて行われる。このような疫学的リスク因子としては、非限定的に喫煙又はタバコの煙への暴露、年齢、性別、及び家族のOCOPDの病歴が挙げられる。
更なる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる対象のリスクの評価において少なくとも1の多型を使用することを提供し、ここで当該少なくとも1の多型が以下の:
シクロオキシゲナーゼ2(COX2)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
グルタチオンS転移酵素P(GSTP1)をコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
インターロイキン-18(IL-18)をコードする遺伝子における105C/A; IL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
インターロイキン-8(IL-8)をコードする遺伝子における-251A/T;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
ミクロソームのエポキシド加水分解酵素(MEH)をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)をコードする遺伝子におけるArg312Gln(AC);
α1アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
α1アンチトリプシン(α1AT)S多型;
トール様受容体4(TLR4)をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
β2アドレナリン受容体(ADRB2)をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
インターロイキン-11(IL-11)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
インターロイキン-13(IL-13)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI-1)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
NO合成酵素3(NOS3)をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP1)をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;又は
当該多型のうちのいずれか一つと連鎖不均衡にある1以上の多型
からなる群から選ばれる。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される好ましい方法において使用するためのヌクレオチドプローブ及び/又はプライマーのセットを提供する。好ましくはヌクレオチドプローブ及び/又はプライマーは、遺伝子の多型領域にまたがるか又はまたがる様に使用できるプローブ及び/又はプライマーである。本明細書に記載されるプローブ及び/又はプライマーのいずれか1の配列を含む1以上のヌクレオチドプローブ及び/又はプライマーが提供され、配列番号1〜配列番号56のいずれか1の配列、より好ましくは配列番号7〜配列番号56のいずれか1の配列を含む任意のものを含む。
さらなる態様では、本発明は、本発明の方法において使用するための核酸マイクロアレイであって、本明細書に記載される罹患性又は保護的多型又はそれらに相補的である配列の1以上をコードする核酸配列にハイブリダイズできる核酸配列を提示する支持体を含む、核酸マイクロアレイを提供する。
別の態様では、本発明は、本発明の方法において使用するための抗体マイクロアレイであって、当該マイクロアレイは、本明細書に記載される罹患性又は保護的多型に関連する場合に上方制御又は下方制御される遺伝子発現産物に結合できる抗体を提示する支持体を含む、抗体マイクロアレイを提供する。
本発明の更なる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有する対象を治療する方法であって、当該対象において保護的多型の存在及び/又は機能効果を遺伝子型として又は表現形として複製するステップを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有する対象であって、遺伝子の発現を上方制御又は下方制御し、その結果発現された遺伝子産物の生理学的活性濃度が当該対象の年齢及び性別に対して通常である範囲を外れている検出可能な多型を有する対象を治療する方法であって、当該方法が、当該遺伝子発現産物の生理学的に活性な濃度を、当該対象の年齢及び性別に対して通常である範囲に回復させるステップを含む、前記方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有し、かつCOX2をコードする遺伝子のプロモーターに存在する-765C/G多型でGG遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象においてCOX2活性を低減できる薬剤を当該対象に投与することを含む方法を提供する。
1の実施態様では、当該試薬は、COX2阻害剤又は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であり、好ましくは当該COX2阻害剤が、Celebrex(登録商標)(セレコキシブ)、Bextra(登録商標)(バルデコキシブ)、及びVioxx(ロフェコキシブ)からなる群から選ばれる。
さらなる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有し、かつIL-18をコードする遺伝子における105C/A多型でAA遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象においてIL-18活性を高めることができる薬剤を当該対象に投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有し、かつIL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C多型でCC遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象においてIL-18活性を高めることができる薬剤を当該対象に投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有し、かつPAI-1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G多型で5G5G遺伝子型の存在が決定される対象を治療する方法であって、当該対象においてPAI-1活性を高めることができる薬剤を当該対象に投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、罹患性又は保護的多型と関連する場合にその発現が上方制御又は下方制御されるところの遺伝子の発現及び/又は活性を調節する化合物をスクリーニングする方法であって、当該方法が以下のステップ:
遺伝子発現の上方制御又は下方制御と関連すると決定された罹患性又は保護的多型を含む細胞と候補化合物を接触させ;そして
当該候補化合物との接触に続き当該遺伝子発現を計測する
を含み、ここで接触ステップの前に比べた接触ステップ後の発現レベルの変化が、当該遺伝子の発現及び/又は活性を調節する化合物の能力を指し示す、前記方法を提供する。
好ましくは、当該細胞は当該多型の存在を確認するために予め選択されたヒト肺細胞である。
好ましくは、当該細胞は、当該遺伝子の発現の上方制御と関連する罹患性多型を含み、そして当該スクリーニングが、当該遺伝子の発現を下方制御する候補化合物についてされる。
或いは、当該細胞は、当該遺伝子の発現の下方制御と関連する罹患性多型を含み、そして当該スクリーニングが、当該遺伝子の発現を上方制御する候補化合物についてされる。
別の実施態様では、当該細胞は、当該遺伝子の発現の上方制御と関連する保護的多型を含み、そして当該スクリーニングが、当該遺伝子の発現をさらに上方制御する候補化合物についてされる。
或いは、当該細胞は、当該遺伝子の発現の下方制御と関連する保護的多型を含み、そして当該スクリーニングが、当該遺伝子の発現をさらに下方制御する候補化合物についてされる。
別の態様では、本発明は、罹患性又は保護的多型と関連する場合にその発現が上方制御又は下方制御される遺伝子の発現及び/又は活性化を調節する化合物をスクリーニングする方法であって、以下のステップ:
罹患性又は保護的多型と関連する場合その発現が上方制御又は下方制御するが、当該細胞内ではその発現が上方制御又は下方制御のいずれもされない遺伝子を含む細胞と候補化合物とを接触させ、そして
当該候補化合物との接触に続き当該遺伝子の発現を計測する
を含み、ここで、接触ステップ前に比べた接触ステップ後の発現レベルの変化が、当該遺伝子の発現及び/又は活性化を調節する化合物の能力を指し示す、前記方法を提供する。
好ましくは、当該細胞は、当該遺伝子の存在及び発現のベースラインレベルを確認するために予め選択されたヒト肺細胞である。
好ましくは、当該遺伝子の発現は、罹患性多型と関連する場合に下方制御され、当該スクリーニングが、当該細胞において当該遺伝子の発現を上方制御する候補化合物についてされる。
或いは、当該遺伝子の発現は、罹患性多型と関連する場合上方制御され、そして当該スクリーニングが当該細胞において当該遺伝子の発現を下方制御する候補化合物についてされる。
別の実施態様では、当該遺伝子の発現は、保護的多型と関連する場合上方制御され、そして当該スクリーニングが当該細胞内において当該遺伝子の発現を上方制御する候補化合物についてされる。
或いは、当該遺伝子の発現は、保護的多型に関連する場合下方制御され、そして当該スクリーニングが当該細胞内において当該遺伝子の発現を下方制御する化合物についてされる。
さらに別の態様では、本発明は、OCOPDを発達させる高いリスクを有する対象の、遺伝子発現産物の生理学的に活性な濃度が当該対象の年齢及び性別について通常である範囲内に回復させることに関する予防又は治療処理に対する応答を評価する方法であって、当該方法が、存在する場合に当該遺伝子の発現を上方制御又は下方制御し、その結果、発現遺伝子産物の生理学的に活性な濃度が当該通常の範囲を外れるようにする罹患性多型の有無を当該対象において検出することを含み、ここで、当該多型の存在の検出が、当該処理に応答する傾向のある対象を指し示す、前記方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、OCOPDを発達させる対象のリスクを評価するためのキットであって、当該キットが当該対象からのサンプルを、本明細書に開示される1以上の多型の有無について分析する手段を含む、前記キットを提供する。
ケースコントロール研究を用いて、OCOPDを発達させた喫煙者、OCOPDに対して耐性と思われる喫煙者、並びに血液ドナー対象における候補遺伝子のいくつかの遺伝的変異(多型)の頻度を比較した。これらの候補遺伝子の大半は、遺伝子発現又はタンパク質の機能についての機能効果を確認した(又はおそらく確認した)。特に、血液ドナー対照、耐性喫煙者、及びOCOPDを患う喫煙者(初期の開始を患うと喫煙者と通常の開始を患う喫煙者にさらに分けられる)との間の多型の頻度が比較された。本発明により、被験患者の選択された候補遺伝子に存在する保護的及び罹患性多型の両方が存在することが示された。
重要なことに、出願人の継続中の出願第NZ539934号において記載されるように、OCOPDを発達させるリスクを識別すると見られる多くの多型は、COPD、肺気腫、又はCOPDと肺気腫の両方のリスクの識別しないことが発見された。例えば、SOD3Arg312Gln多型、TLR4Asp299GlyA/G多型、IL-8-251A/T多型、IL-11-518G/A多型、及びMEHエクソン3T/C(rR)多型は、各々OCOPDを識別するが、COPDを識別しない。逆に、(NZ539934に記載されるように)COPD及び/又は肺気腫を発達するリスクを識別すると決定された多くの多型は、OCOPDを発達させるリスクの識別しない。例えば、インターフェロン-γ874A/T多型及びインターロイキン-13Arg130Gln多型は、各々COPD及び/又は肺気腫を識別するが、OCOPDを識別しない。こうして、いずれの理論に束縛されることを望まないが、特定の疾患又は障害を発達させるリスクを決定する所定の多型の識別値が、別の、それにも関わらず関連した疾患又は障害において識別値に基づいて容易に予想できないということが明らかになる。任意の所定の多型と、関連する疾患又は障害との間の特定の関連は必須である。
本発明は、選択された候補遺伝的多型から得られたOCOPDについての保護的及び罹患性遺伝子型の両方を同定する。具体的に11個の罹患性多型と11の保護的多型が同定される。これらは以下の通りである:
Figure 2008545389
罹患性遺伝的多型は、存在する場合にOCOPDを発達させる高いリスクを指し示す多型である。対照的に、保護的遺伝的多型は、存在する場合にOCOPDを発達させる低いリスクを指し示す多型である。
本明細書に使用される場合、「OCOPDを発達させるリスク」という語句は、当該リスクに当てはまる対象が、OCOPDを発達させる可能性を意味し、そして当該疾患の素因及び当該疾患の潜在的な開始を含む。従って、「OCOPDを発達させる高いリスク」という用語は、その様な高いリスクを有する対象が、OCOPDを発達させる遺伝的性向又は傾向を有するということを意味する。このことは、このようなヒトが実際どんな場合もOCOPDを発達させるということを意味するものではなく、彼又は彼女が、高いOCOPDリスクに関連する多型を有さないか又は低いOCOPDリスクに関連する多型を有するヒトの一般的集合に比較してOCOPDを発達させる可能性が高いということを単に意味する。OCOPDを発達させる高いリスクを有する対象は、評価時の肺機能に関わらず、OCOPD、肺気腫への素因、例えば傾向又は好発などを有する者、例えば遺伝的にOCOPDへの傾向を有するが通常の肺機能を有する対象、潜在的なリスクをもつ対象、例えば喫煙を続けた場合にOCOPDを患うことになる可能性のある少し低減された肺機能への傾向を有する対象、そして肺活量測定器などで悪い肺機能への傾向を有するOCOPDの潜在的に開始させた対象を含み、評価の際にOCOPDと一致する。
同様に、「OCOPDを発達する低いリスク」という語句は、その様な低いリスクを有する対象が、OCOPDを発達させる遺伝的傾向を有さないか又は低い傾向しか有さないということを意味する。このことは、このようなヒトが、どのような場合でもOCOPDを発達させることはないということを意味しているわけでなく、単に、彼又は彼女が、高いOCOPDリスクに関連する1以上の多型を有するか又は低いOCOPDリスクに関する多型を有さないヒトの一般的な集合に比較して、OCOPDを発達させる可能性が低いことを意味する。
本発明の文脈では、「多型」という用語は、ヌクレオチド配列の点で異なるか又は様々な数の繰り返しヌクレオチドユニットを有する染色体座の2以上の変異(例えばアレル又は遺伝マーカー)が、同じ位置で同時に、ランダム突然変異(通常1%超)が寄与するよりも高率で生じることを意味するということが理解されよう。例えば、www.ornl.gov/sci/techresources/Human_Genome/publicat/97pr/09gloss.html#pを参照のこと。従って、本明細書に使用される「多型」という語句は、1塩基置換、ヌクレオチドの挿入及び欠失、繰り返し配列(例えば、マイクロサテライト)、及び遺伝子の全て又は部分的な喪失(例えばヌル変異)を含む遺伝的変化を予定する。本明細書に使用される場合、「多型」は、遺伝子型及びハプロタイプも含む。遺伝子型は、特定の遺伝子座又は遺伝子座のセットでの遺伝的構成物である。ハプロタイプは、1の染色体上に存在する密接に関連される遺伝マーカーのセットであり、組換えにより簡単に分離できず、一緒に遺伝する傾向を有し、そして連鎖不均衡で存在しうる。ハプロタイプは、SNPなどの多型のパターンにより同定できる。同様に、本発明の文脈における「1塩基多型」又は「SNP」という用語は、1塩基ヌクレオチド置換及び短い欠失及び挿入多型を含む。
OCOPDを発達させる対象の低い又は高いリスクは、以下の:
シクロオキシゲナーゼ2(COX2)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
グルタチオンS転移酵素P(GSTP1)をコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
インターロイキン-18(IL-18)をコードする遺伝子における105C/A; IL-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
インターロイキン-8(IL-8)をコードする遺伝子における-251A/T;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
ミクロソームのエポキシド加水分解酵素(MEH)をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)をコードする遺伝子におけるArg312Gln(AC);
α1アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
α1アンチトリプシン(α1AT)S多型;
トール様受容体4(TLR4)をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
β2アドレナリン受容体(ADRB2)をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
インターロイキン-11(IL-11)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
インターロイキン-13(IL-13)をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI-1)をコードする遺伝子のプロモーターにおけるの-675 4G/5G;
NO合成酵素3(NOS3)をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP1)をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
又は上記群の任意の1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型
からなる群から選択される多型の存在について当該対象からえたサンプルを分析することにより診断されよう。
これらの多型は、2以上の組合わせで分析できるか、又は上記残りの多型を含めたOCOPDを発達させる患者のリスクを指し示す他の多型と組合わせて分析できる。
上記多型と、第WO02/099134号として刊行されたPCT国際出願PCT/NZ02/00106において記載される多型との組合わせは明示的に意図される。
多型の組合わせを含むアッセイ、例えばマイクロアレイを用いるアッセイなどのハイスループットにかけられるアッセイが好ましい。
特に、これらの多型の組み合わされた効果の統計分析は、本発明の遺伝的分析が、全ての喫煙者のリスク率を決定するために、そして特にOCOPDを発達させる高いリスクの喫煙者を同定するために使用できるということが示される。このような組み合わされた分析は、罹患性多型のみの組合わせ、保護的多型のみ、又はその両方の組合わせからなってもよい。分析は、段階的であり、保護的多型の有無の分析を最初に行い、そして次に保護性多型が存在する場合にのみ罹患性多型の分析が行われる。
こうして、本明細書に記載される様に、喫煙者と非喫煙者のよく規定された群におけるこれらの多型の頻度の体系的分析を通して、OCOPDの発達において特定のタンパク質が関係しているとみなすことができ、そして予測の目的でどの喫煙者が、OCOPDに関連する肺機能悪化及びOCOPDを発達する高いリスクにあるかを同定する能力を改善する。
本結果は、OCOPDを発達させる少数の喫煙者が、1以上の罹患性多型を有し、そして本明細書に規定される保護的多型を全く持たないか少ししか持たないためにOCOPDを発達させることを最初に示した。1以上の罹患性多型の存在は、喫煙の悪い刺激及び酸化効果と組み合わされて、当該群の喫煙者を、OCOPDを発達させる高い罹患性にすると考えられている。さらなるリスク因子、例えば、家族病歴、年齢、体重、パックイヤー(pack year)などは、対象のリスクプロファイルに影響を有し、そして本明細書に記載される遺伝的分析と組み合わせて評価できる。
1以上の多型は、直接検出されてもよいし、又は当該1以上の多型と連鎖不均衡にある1以上の多型を検出することにより検出されてもよい。上で記載される様に、連鎖不均衡は、2以上の変異又は多型がかなり遺伝的に近位に存在しており、それらが一緒に遺伝される遺伝学における現象である。これは、遺伝子型の決定の際に、存在する1の多型を検出することが、もう一方の存在を暗示することを意味する(Reich DEら;Linkage disequilibrium in the human genome, Nature 2001, 411:199-204)。
連鎖不均衡にあると報告された本明細書に記載された多型の例が本明細書に示され、そして、以下に示される様にインターロイキン-18-133C/Gと105A/C多型、並びにビタミンD結合タンパク質Glu416AspとLys420Thr多型が挙げられる。
Figure 2008545389
OCOPDを発達させる高い又は低いリスクに関する1以上の他の多型と連鎖不均衡にある多型が、OCOPDを発達させるリスクについて生体マーカーとしての有用性を提供する。本明細書に示されるデータは、連鎖不均衡にあるSNPについての頻度がかなり似ているということを示す。従って、遺伝的に連鎖されたSNPは、オリジナルのSNPから計算されたリスクレベルに匹敵するリスクレベルをもたらすために混合多型分析において使用できる。
その結果、例えば公的なデータベースを用いて本明細書中に特定された多型と連鎖不均衡にある1以上の多型が同定できることが明らかであろう。本明細書に特定される多型と連鎖不均衡にあると報告されたこのような多型の例は、本明細書で表36に示される。
様々な命名法が所定の多型について存在してもよいということが明らかであろう。例えば、本明細書に、SOD3をコードする遺伝子におけるArg312Glnと呼ばれる多型が、Arg213Gly、+760G/C、及びArg231Gly(rs1799895)と様々に呼ばれてきたことが信じられている。本明細書に記載されるように罹患性又は保護的多型のことを言う場合、このような代わりの命名法が本発明により意図されている。
本発明の方法は、OCOPDと関連する上記多型の検出と同定に主に関し、これらは全て1塩基多型である。一般的に、1塩基多型(SNP)は、個体間での遺伝的変化をもたらす位置塩基変異又は点突然変異である。SNPはヒトゲノムにおいておよそ100〜300塩基毎に生じ、そしてコード又は非コード領域で生じうる。遺伝コードの縮重のため、コード領域におけるSNPは、タンパク質のアミノ酸配列を変化させることもあるし変化させないこともある。非コード領域におけるSNPは、例えば、プロモーター、転写因子結合部位、プロセッシング部位、リボソーム結合部位などの調節領域を変更することにより遺伝子発現を変化させ、そして遺伝子転写、プロセッシング、及び翻訳に影響することができる。
SNPは、大規模の遺伝的関連研究を促進することができ、そして近年SNPの発見及び検出についてかなりの関心がある。SNPsは、多くの(潜在的形質を含む)表現形形質、例えば、疾患傾向及び疾患重篤度、健康傾向、及び例えば薬の副作用への感受性を含む薬剤応答性、についてマーカーとしてかなりの裏付けを示す。個人が当該特定のSNPを有するかについての知識と併せて、表現形形質と特定SNPとの関係についての知識は、診断、予防、及び治療適用を標的とすることを可能にして、より良い疾患管理を可能にし、疾患状態の理解の向上させ、そして最終的により効果的な治療、例えば個人にあった治療法の発見を促進する。
実際、既知のSNPの多くのデータベースが構築され、そして幾つかのその様なSNPについて、生物学的効果がSNPと関連する。例えば、NCBI SNPデータベース”dbSNP”は、NCBIのEntrezシステムに包含されており、そしてPubMed及びGenBankなどのEntrezの他のデータベースと同じアプローチを用いて検索できる。当該データベースは、ヒトゲノム配列上にマッピングされた150万を超えるSNPについての記録を有する。各dbSNPエントリーは、多型の配列関係(つまり、周囲配列)、(集合又は個人による)多型の発生頻度、及びバリエーションをアッセイするために使用される実験法、プロトコル、及び条件を含み、そして特定の表現型形質についてのSNPに関する情報を含むことができる。
少なくとも部分的に健康についての潜在的な影響のため、SNPsを信頼性高くかつ迅速に同定する方法を開発するかなりの努力がされてきており、そして継続してされている。これは、少なくとも部分的に、3×109塩基対からなるハプロイドゲノムを有するヒトゲノムDNAの複雑さ、及び関連する感受性及び識別要求のため、簡単な仕事ではない。
当該技術分野において周知であるSNPsを検出するための遺伝子型決定アプローチとしては、DNAシーケンス、プライマー又はプローブのアレル特異的ハイブリダイゼーション、多型の近く又は多型に隣接して結合するプライマーへのヌクレオチドのアレル特異的取り込み(しばしば、「1塩基延長」又は「ミニシーケンス」とも呼ばれる)、オリゴヌクレオチドのアレル特異的ライゲーション(結合)(ライゲーション連鎖反応又はライゲーションパッドロックプローブ)、制限酵素又は化学試薬若しくは化学試薬によるオリゴヌクレオチド又はPCR産物のアレル特異的切断(制限断片長多型分析(RFLP)) を必要とする方法、又は電気泳動又はクロマトグラフィーによる移動におけるアレル依存性差異の解析、侵襲的構造特異的酵素を含む構造特異的酵素による方法を必要とする方法、又は質量分析法が挙げられる。アミノ酸バリエーションの分析は、SNPがコード領域に存在し、そしてアミノ酸変化をもたらす場合に可能である。
DNAシーケンスは、SNPsの直接的な決定及び同定を可能にする。全ゲノムシーケンス又は標的サブゲノムシーケンスでさえ、その固有の難しさは、シーケンス目的では特異性及び正確性の利点を上回ってしまう。
ミニシーケンスは、検査される試験サンプルのSNP部位に隣接するDNA配列に、プライマーをハイブリダイズさせることに関する。プライマーは、4個の異なる標的蛍光ジデオキシヌクレオチド(ACGT)及びDNAポリメラーゼを用いて1塩基だけ伸張される。4個のヌクレオチドのうちの1つのみ(ホモ接合の場合)又は4個のヌクレオチドのうちの2個(ヘテロ接合の場合)が取り込まれる。取り込まれる塩基は、SNP位でのヌクレオチドに相補する。
SNP検出に現在使用されている多くの方法は、部位特異的及び/又はアレル特異的ハイブリダイゼーションに関する。これらの方法は、オリゴヌクレオチドが目的のSNPを含む標的配列を識別して結合することに主として依存する。Affymetrix(Santa Clara, Calif.)及びNanogen Inc.(Sandiego, Calif.)の技術は特に知られており、そして1塩基ミスマッチを含むDNA二本鎖は、完全に塩基対形成している二本鎖よりもずっと安定ではないという事実を利用する。対形成した二本鎖の存在は蛍光により検出される。
部位特異的ハイブリダイゼーションにより、SNPsを検出又は同定するための大部分の方法は、PCRなどの方法により標的を増幅して、感度及び特異性を増幅することを必要とする(例えば、米国特許第5,679,524号、PCT公開WO98/59066、PCT公開WO95/12607を参照のこと)。米国出願第20050059030号(その全ては本明細書に援用される)は、選択的に標的配列を濃縮するために前もって増幅すること又は複雑性を低減することなく、そして任意の酵素反応の助けをかりずに、全ヒトDNAにおいて1塩基多型を検出する方法を記載する。当該方法は、2個のハイブリダイゼーション事象:標的配列の第一部分を捕捉プローブへとハイブリダイゼーションすること、及び当該標的配列の第二部分を検出プローブへとハイブリダイゼーションすること、を含む一段階ハイブリダイゼーションを利用する。両方のハイブリダイゼーション事象は同じ反応において起こり、そしてハイブリダイゼーションが起こる順番は重要ではない。
米国出願第20050042608号(その全てを本明細書に援用される)は、Thorpら(米国特許第5,871,918号)の核酸ハイブリダイゼーションの電気化学的検出方法の変更を記載する。簡潔に記載すると、捕捉プローブは、その各々が異なるSNP塩基を有し、そしてプローブの配列がSNP塩基の各側に位置するように設計される。プローブ塩基は、SNP部位に隣接する対応する標的配列に相補的である。各捕捉プローブは、支持体の導電性作用表面(conductive working surface)上に非伝導性外層を有する異なった電極上に固定される。各捕捉プローブと核酸標的との間のハイブリダイゼーションの程度は、遷移金属複合体を用いて各電極での酸化還元反応を検出することにより検出される。異なる電極での酸化率におけるこれらの差異は、選択された核酸標的が選択されたSNP部位で1のヌクレオチド多型を有するかを決定するために使用される。
MEGATYPE(登録商標)を用いたLynx Therapeutics(Hayward, Calif)の技術は、少量又は大量のゲノム物質から同時に、かなり多くの数のSNPを遺伝子型決定できる。当該技術は、従来のSNPマッピング又は知識を必要とすることなく、蛍光標識されたプローブを用い、そして2個の集合の回収されたゲノムを比較して、2個の集合を区別するSNPにまたがっているDNA断片の検出及び回収を可能とする。
SNPsを検出しそして同定する多くの他の方法が存在する。これらは、例えば、SNPにハイブリダイズするプローブを計測するために、質量分析の使用を含む。当該技術は、質量コードタグを用いて、1日当たり少数のサンプルから1日あたり40000SNPsのハイスループットまで、どれだけ迅速に行われうるかの点で変化する。好ましい例は、本発明の多型を含む核酸配列、例えば、COX2遺伝子又は相補配列のプロモーターを含む本発明の多型を含む核酸配列の質量分光方法の使用である。このような質量分光方法は当業者に知られており、そして本発明の遺伝子型決定方法は、本発明の多型、例えば本発明野COX2プロモーター多型の質量分光決定に適用される。
SNPは、ライゲーション-ビット分析により測定できる。当該分析は、プライマー間で1のヌクレオチドギャップを有する標的にハイブリダイズする2個のプライマーを必要とする。4個のヌクレオチドの各々が、DNPポリメラーゼ、ライゲース、標的DNA、及びプライマーを含む別々の反応混合液に加えられる。ポリメラーゼは、SNPに相補的である第一プライマーの3'末端にヌクレオチドを加え、そして次にライゲースは2個の隣接するプライマーをライゲーションする。サンプルを加熱する際に、ライゲーションが生じた場合、大きいプライマーは、ハイブリダイズしたまま残り、そしてシグナル、例えば蛍光が検出できる。当該方法のさらなる記載は、米国特許第5,919,626号;第5,945,283号;第5,242,794号;及び第5,952,174号において見ることができる。
米国特許第6,821,733号(その全てを本明細書に援用される)は、以下の:
4方向複合体(four way complex)の形成と交差点移動(branch migration)を許容する条件下で2個の核酸を接触させ、
4方向複合体とトレーサー分子及び検出分子とを、検出分子がトレーサー分子又は4方向複合体に結合できる条件下で接触させ;そして
4方向複合体に晒される前又は後で、トレーサー分子の検出分子への結合を測定する
で表されるステップを含む2個の核酸分子の配列における差異を検出する方法を記載する。検出分子に結合することについての4方向複合体とトレーサー分子との競合は、2個の核酸の間の差異を示す。
タンパク質-及びプロテオミクスに基づくアプローチは、多型検出及び分析に適している。発現されたタンパク質のバリエーションをもたらすか又は当該バリエーションに関する多型は、当該タンパク質を分析することにより直接検出できる。これは典型的に、サンプル内の様々なタンパク質を、例えばゲル電気泳動又はHPLCにより分離することを必要とし、そして例えば、NMR又はタンパク質シーケンス、例えば化学的シーケンス又はより一般的な質量分光法により、それらから派生されたタンパク質又はペプチドの同定することを必要とする。プロテオミック方法論は、当該技術分野に周知であり、そして自動化の高い可能性を有する。例えば、Proteome Systemsから販売されるProteomIQ(商標)などの統合システムは、サンプル調整、タンパク質分離、画像取得及び分析、タンパク質プロセッシング、質量分析、及びバイオインフォマティクス技術を組み合わせたプロテオーム分析のハイスループットプラットフォームを提供する。
タンパク質同定のプロテオーム方法の大部分は、イオントラップ質量分析、液体クロマトグラフィー(LC)及びLC/MSn質量分析、ガスクロマトグラフィー(GC)質量分析、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析(FT-MS)、MALDI-TOF質量分析、及びESI質量分析、及びその派生法を含む質量分析を利用する。質量分析方法は、タンパク質の転写後改変、例えばリン酸化又はグリコシル化の決定において有用であり、そうしてタンパク質の転写後改変におけるバリエーションをもたらすか、又は当該バリエーションと関連する多型を決定するのに有用性を有する。
関連技術も周知であり、そして例えば、酵素又は化学物質を直接選択されたタンパク質スポットにジェット噴射することにより、2次元PAGEから電気ブロットされたタンパク質サンプルの酵素又は化学物質によるin situ切断を可能にする圧電プリンティング技術を含む「化学物質インクジェットプリンター」などのタンパク質処理装置を含む。in situ切断及び当該タンパク質のインキュベートの後に、膜は、ペプチド分析のために質量分析器に直接配置されてもよい。
核酸の構造的変動性に依存した多数の方法は、SNPを検出するために開発された。
例えば、一本鎖高次構造多型(SSCP、Oritaら、PNAS 1989 86:1766-2770)は、特定の条件下で溶液中で二次構造を形成する一本鎖核酸の能力に依存した方法である。二次構造は、塩基組成に依存し、そして1塩基置換により改変することができて、未変性条件下での電気泳動の移動度における差異をもたらす。様々な多型は、一般的に、放射性標識された場合オートラジオグラフィーにより、銀染色のバンドにより、検出可能なように標識されたプローブ断片とハイブリダイゼーションすることにより、又は例えば後に自動化DNAシーケンサーにより検出される蛍光PCRプライマーを使用することにより、検出される。
SSCPの改変は当該技術分野に周知であり、異なるゲル移動条件、例えば、異なる温度、又は添加物及び異なるゲルマトリクスの添加など、を使用することを含む。SSCPの他のバリエーションは、当該技術分野に周知であり、RNA-SSCP、制限エンドヌクレアーゼフィンガープリントSSCP、ジデオキシフィンガープリント(ジデオキシ配列とSSCPとの間のハイブリッド)、2方向性ジデオキシフィンガープリント(ジデオキシ末端反応が同時に、2個の反対のプライマーで行われる)、及び蛍光PCR-SSCP(ここで、PCR産物が複数の蛍光色素で内部標識され、制限酵素で切断され、続いてSSCPを行い、そして蛍光色素を検出できる自動化DNAシーケンサー上で分析される)を含む。
異なる核酸構造の様々な移動度を利用する他の方法は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、温度勾配電気泳動(TGGE)、及びヘテロ二本鎖分析(HET)を含む。ここで、(例えば、塩基対ミスマッチのため生じる)二本鎖DNAの分離におけるバリエーションは、電気泳動の移動度における変化をもたらす。これらの移動度シフトは、ヌクレオチドの変異を検出するために使用される。
変性高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)は、例えば、異なる速度でHPLCカラムから溶出するホモ二本鎖とヘテロ二本鎖を検出し、それによりミスマッチヌクレオチドの検出、そうしてSNPの検出を可能にするために当該技術分野に周知であるHPLC方法を上で記載される分離方法の代替として使用して、SNPを検出するために使用される更なる方法である。
SNPを検出するさらなる方法は、化学切断試薬及び核酸分解酵素を含む様々な試薬による切断に対する一本鎖及び二本鎖核酸の異なる感受性に依存する。例えば、RNaseAによるRNA:DNAへテロ二本鎖でのミスマッチの切断、例えばバクテリオファージT4エンドヌクレアーゼYII又はT7エンドヌクレアーゼIによるヘテロ二本鎖の切断、切断酵素Iによる一本鎖DNAと二本鎖DNAとの間の結合部でのヘアピンループの5'末端の切断、及びMaxam-Gilbertシーケンス化学において一般的に使用される化学試薬によるヘテロ二本鎖内のミスペアのヌクレオチドの改変はすべて、当該技術分野に周知である。
さらなる例として、変異により生成された停止コドンであって、翻訳の未完成終結をもたらし、そして小さいサイズのタンパク質産物をもたらす停止コドンを解明するために使用されたタンパク質翻訳試験(PTT)が挙げられる。変異は、例えば、MutSタンパク質、つまり大腸菌DNAミスマッチリペアシステムの成分、又はヒトhMSH2及びGTBPタンパク質を、ミスマッチ塩基を含む二本鎖DNAヘテロ二本鎖に結合することにより検出される。DNA二本鎖は次に、ミスマッチ結合タンパク質とインキュベートされ、そしてバリエーションは、移動度シフトアッセイにより検出される。例えば、単純なアッセイは、ミスマッチ結合タンパク質をヘテロ二本鎖へと結合することが、エキソヌクレアーゼ変性から異種二本鎖を保護するという事実に基づく。
特定のSNPは、特に、プロモーターなどの遺伝子の調節領域において生じる場合、遺伝子発現の変化に関連しうるということを当業者は知っている。遺伝子発現の変化は、SNPがタンパク質をコードする遺伝子のコード領域に位置する場合にも生じ、例えばここでSNPは、様々な使用量のコドンと関連し、そうして異なる量のtRNAと関連する。このような変更された発現は、当該技術分野に周知の方法により決定でき、そしてそれによりその様なSNPを検出するために使用できる。同様に、SNPが遺伝子のコード領域で生じ、そして非同義的アミノ酸置換をもたらす場合、このような置換は、遺伝子産物の機能の変化をもたらしうる。同様に、遺伝子産物がRNAである場合、このようなSNPは、RNA遺伝子産物の機能の変化をもたらすことができる。機能におけるこのような変化のいずれかは、例えば、活性又は機能アッセイにおいて評価されるように、このようなSNPを検出するために使用できる。
SNPを検出及び同定する上記方法は、本発明の方法において使用されやすい。
もちろん、本発明に従ってSNPsを検出及び同定するために、試験される物質を含むサンプルは対象から得られる。サンプルは、標的SNPs(又は標的ポリペプチド)を潜在的に含む任意のサンプルでありうるし、そして任意の体液(血液、尿、唾液など)の生検又は他の組織調製品から取得されうる。
DNA又はRNAは、当該技術分野において周知の多くの方法のいずれかに従ってサンプルから単離できる。例えば、核酸精製方法は Tijssen; Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology; Hybridization with nucleic acid probes Part 1: Theory and Nucleic acid preparation, Elsevier, New York, N.Y. 1993 並びにManiatis, T., Fritsch, E. F. 及びSambrook, J., Molecular Cloning Manual 1989において記載される。
多型/SNPsの有無の検出を助けるために、核酸プローブ及び/又はプライマーが提供されうる。このようなプローブは、多型の有無を明らかにする染色体変化に特異的な核酸配列を有し、そして好ましくは標的多型と組み合わせた場合検出されるシグナルを放出する物質で標識される。
核酸プローブは、ゲノムDNA又はcDNA又はmRNA、或いは任意のRNA様又はDNA様物質、例えばペプチド核酸、分岐DNAなどでありうる。プローブは、センス又はアンチセンスポリヌクレオチドプローブでありうる。ここで標的ポリヌクレオチドは二本鎖であり、プローブはセンス又はアンチセンス鎖であってもよい。標的ポリヌクレオチドが一本鎖である場合、プローブは相補的一本鎖である。
プローブが、当該技術分野に周知である様々な合成又は酵素スキームにより調製されうる。プローブは、全部又は一部において、当該技術分野に周知である科学的方法を用いて合成されうる(Caruthersら、Nucleic Acids Res., Symp. Ser., 215-233(1980))。或いは、プローブは、酵素的に全部又は一部において作成できる。
ヌクレオチドアナログは、当該技術分野に周知である方法によりプローブに取り込まれうる。取り込まれたヌクレオチドアナログが、標的ポリヌクレオチド配列と塩基対を形成するように機能しなければならないということが唯一の要件である。例えば、特定のグアニンヌクレオチドは、ヒポキサンチンで置換され、ヒポキサンチンはシトシン残基と塩基対形成する。しかしながら、これらの塩基対は、グアニンとシトシンとの間の塩基対よりも安定性が低い。或いは、アデニンヌクレオチドは、2,6-ジアミノプリンで置換されうる。2,6ジアミノプリンは、アデニンとチミジンとの間の塩基対よりも強い塩基対を形成できる。
さらに、プローブは、化学的又は酵素的に誘導体化されたヌクレオチドを含むことができる。典型的な化学的改変は、アシル、アルキル、アリール、又はアミノ基での誘導体化を含む。
プローブは、支持体上に固定できる。好ましい支持体は、膜、フィルター、チップ、スライド、ウエハー、ファイバー、磁性又は非磁性ビーズ、ゲル、チューブ、プレート、ポリマー、微粒子、及びキャピラリーを含むいずれかの適切な剛体又は半剛体の支持体である。支持体は、ポリヌクレオチドプローブが結合する様々な表面形態、例えばウェル、トレンチ、ピン、チャネル、及び孔を有することがでる。好ましくは、支持体は光学的に透明である。
さらに、プローブは、表面に直接結合される必要はなく、むしろリンカー基を通して支持体に結合されうる。リンカー基は、一般的に約6〜50原子長であり、取り付けられたプローブへの露出を提供する。好ましいリンカー基は、エチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二酸などを含む。支持体表面上の反応基は、リンカーを支持体に結合するリンカーの末端位置のうちの一つと反応する。リンカーの他の末端部分は、次にプローブを結合するために官能基化される。
プローブは、プローブを合成するために試薬を支持体表面に分注することにより、又は予め形成されたDNA断片又はクローンを支持体表面に分注することにより、支持体に取り付けることができる。一般的なディスペンサーは、支持体に対してマイクロピペットの位置を制御するためのロボットシステムを用いて、溶液を支持体にデリバリーするマイクロピペットを含む。試薬を同時に反応領域にデリバリーできるように複数のディスペンサーが存在しうる。
核酸マイクロアレイが好ましい。このようなマイクロアレイ(核酸チップを含む)は当該技術分野に周知である(例えば、米国特許第5,578,832号;第5,861,242号;第6,183,698号;第6,287,850号;第6,291,183号;第6,297,018号;第6,306,643号;及び第6,308,170号を参照のこと、各々は援用される)。
或いは、抗体マイクロアレイが製造できる。このようなマイクロアレイの製造は、実質的にSchweitzer & Kingsmore, "Measuring proteins on microarrays", Curr Opin Biotechnol 2002; 13(1): 14-9; Avseeknoら、"Immobilization of proteins in immunochemical microarrays fabricated by electrospray deposition", Anal Chem 2001 15; 73(24): 6047-52; Huang, "Detection of multiple proteins in an antibody- based protein microarray system, Immunol Methods 2001 1; 255 (1-2): 1-13.に記載される通りにおこなわれる。
本発明は、本発明に従って使用するためのキットの製造にも関する。適切なキットは、
本発明に従って使用するための様々な試薬を、適切な容器及びパッケージング物質、例えばチューブ、バイアル、及び収縮包装されそして中空成形されたパッケージ中に含む。
本発明に従った代表的キットに含めるために適した物質は、以下の:目的の遺伝的多型に隣接するDNA又はcDNA配列ドメインにアニールする遺伝子特異的PCRプライマー対(オリゴヌクレオチド)、PCRを実行することを必要とせずにゲノムDNA又はcDNAのいずれかにおいて特異的配列ドメインを増幅できる試薬;PCR又は非PCR増幅により増幅された配列ドメインにおいて様々な潜在的アレルを識別するために必要とされる試薬(例えば、制限エンドヌクレアーゼ、多型の1のアレルに優先的にアニールするオリゴヌクレオチド、例えばオリゴヌクレオチドからシグナルを増幅し、そしてアレルの識別をより明らかにする酵素又は蛍光化学基を含むように改変されたオリゴヌクレオチド)、様々なアレルから得られた精製物を物理的に分離するために必要とされる試薬(例えば、アガロース又はポリアクリルアミド、及び電気穿孔において使用される緩衝液、HPLCカラム、SSCPゲル、ホルムアミドゲル又はMALDI-TOF用のマトリクスサポート)のうちの1以上を含む。
本発明の方法が、OCOPDと関連することが知られている他のリスク因子の分析と併せて行うことができるということが認められよう。このようなリスク因子は、OCOPDを発達させる高いリスクと関連する疫学的リスク因子を含む。このようなリスク因子として、非限定的に、喫煙及び/又はタバコの煙への露出、年齢、性別、及び家族の病歴などが挙げられる。これらのリスク因子は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び/又は肺気腫を発達させる対象のリスクを評価する場合、本明細書に記載される様に1以上の多型の分析を増強するために使用できる。
本発明の予測方法により、多くの治療的介入及び/又は治療計画が適切性について評価され、そして所定の対象について実行されることが可能になる。これらの最も簡単なものは、対照にライフスタイルを変えるための動機付けを提供することであり、例えば対象が習慣的な喫煙者である場合、本発明の方法は、禁煙をするための動機を提供することができる。
治療的介入又は処置の様式は、多型の性質及び当該多型の生物学的影響により予測されよう。例えば、罹患性多型が遺伝子発現の変化と関連する場合、介入又は処置は、当該遺伝子の発現を調節することができる薬剤を投与することにより、当該遺伝子の通常の発現を回復することに向けられる。多型が遺伝子発現低下に関連する場合、治療は当該遺伝子発現を増大できる薬剤の投与に関し、そして逆に多型が遺伝子発現の増加に関連する場合、治療は当該遺伝子発現を低下できる薬剤の投与に関しうる。遺伝子発現の調節に有用な方法は当該技術に良く知られている。例えば、多型が遺伝子発現の増加と関連する場合では、RNAi又はアンチセンス法を用いる治療がmRNAの量を低減するために行われ、そうして当該遺伝子の発現を低減することができる。或いは治療は、例えば当該遺伝子産物の活性を調節し、それにより当該遺伝子の異常発現を補償することに向けられた方法であってもよい。
罹患性多型が遺伝子産物の機能低下又は遺伝子産物の発現レベルの低下と関連する場合、治療介入又は処置は、当該機能を増大し又は置換すること、又は例えば当該遺伝子産物又はその機能アナログの投与により対象内の遺伝子産物の量を補うことに関しうる。多型が酵素機能の低下と関連する場合、治療は活性酵素又は酵素アナログの対象への投与に関しうる。同様に、多型が遺伝子産物機能の増加と関連する場合、治療介入又は処置は、例えば当該遺伝子産物のインヒビター又は対象内で遺伝子産物のレベルを低減できる薬剤を投与することにより当該機能を低下させることに関しうる。例えば、SNPアレル又は遺伝子型が酵素機能の増加と関連する場合、治療は酵素インヒビターを対象に投与することに関しうる。
同様に、保護的多型が特定の遺伝子又は酵素又は他のタンパク質の発現の上方制御と関連する場合、治療は、抵抗性遺伝子型を欠く個人においてその様な上方制御又は発現を真似ること、及び/又はその様な個人にその様な酵素又は他のタンパク質をデリバリーすることに向けられうる。さらに、保護的多型が特定遺伝子の下方制御と関連する場合、又は酵素又は他のタンパク質の低減又は除去された発現と関連する場合、望ましい治療は、保護的遺伝子型を欠く個人においてその様な条件を模倣することに向けられうる。
上で同定された様々な多型とOCOPDへの対象の罹患性(又はその逆)との関係は、治療薬の候補の設計及び/又はスクリーニングにおいて適用を有する。これは、罹患性又は保護的多型との間の関係が、遺伝子発現の上方制御又は下方制御のいずれかにより示される場合である。このような場合では、その様な上方制御又は下方制御における候補治療薬の効果は容易に検出できる。
例えば、1の実施態様では、現存のヒトの肺器官及び細胞培養物は、上で記載されるSNP遺伝子型についてスクリーニングされる(ヒト肺器官及び細胞培養物の情報については、例えば:Bohinskiら(1996) Molecular and Cellular Biology 14:5671-5681; Collettsolbergら、(1996) Pediatric Research 39:504; Hermannsら(2004) Laboratory Investigation 84:736-752; Humeら (1996) In Vitro Cellular & Developmental Biology-Animal 32:24-29; Leonardiら (1995) 38:352-355; Notingherら (2003) Biopolymers (Biospectroscopy) 72:230-240; Ohgaら(1996) Biochemical and Biophysical Research Communications 228:391-396を参照のこと。各文献はその全てを本明細書に援用する)。保護的多型が存在する場合に上方制御されるか又は下方制御される遺伝子の発現の点でおそらく「通常」である培養物と一緒に、罹患性及び保護的遺伝子型群を示す培養物が選択される。
このような培養物のサンプルが、治療候補化合物のライブラリーに晒され、そして以下の:
(a)罹患性遺伝子型において通常上方制御される罹患性遺伝子の下方制御;
(b)罹患性遺伝子型において通常下方制御される罹患性遺伝子の上方制御;
(c)保護的遺伝子型において通常下方制御されるか又は発現されない(又はヌル形態が発現される)保護的遺伝子の下方制御;及び
(d)保護的遺伝子型において通常上方制御される保護的遺伝子の上方制御
のいずれか又は全てについてスクリーニングされる。化合物は、罹患性遺伝子型を有する培養物中の罹患性遺伝子及び/又は保護的遺伝子の調節及び/又は作用を変更する化合物の能力について選択される。
同様に、存在する場合に発現された遺伝子産物の生理学的に活性な濃度が(年齢及び性別について調節された)対象の通常範囲を外れる場合、発現された遺伝子産物のレベルを通常範囲内に回復する利用可能な予防又は治療アプローチが存在する場合、個々の対象は、回復アプローチからの利益の可能性を決定するためにスクリーニングされうる。このようなスクリーニングは、本明細書に記載される任意の方法により対象における多型の有無を検出することに関し、多型が存在するこれらの対象は、治療からの利益を受けやすい個体として同定される。
本発明は、非限定的な実施例を参照することでより詳細に記載されよう。
実施例1
症例関連研究
方法
対象要件
慢性喫煙(最低15パックイヤー)及び職場における空気汚染物質(有毒なゴミ又は粉塵)に晒された欧州出身の対象を呼吸器科から集めた。スパイロメトリー試験の後に、発明者は、予測値の70%未満の割合の1秒間の努力呼気容量(FEV1)で及び79%未満のFEV1/FVC比(1秒間努力呼気容量/強制肺活量)(米国胸部学会基準を用いて計測)の慢性閉塞性肺疾患を患う対象を採用した。139人の対象を採用した。その70%は男性であり、平均FEV1/FVC(±標準偏差)は54%(SD15)であり、予測割合としての平均FEV1は46(SD19)であった。平均年齢、1日当たりのタバコの本数及びパックイヤーヒストリーは、それぞれ62年(SD9)、25本/日(SD16)及び53パックイヤー(SD31)であった。発明者らは、最低で15パックイヤーを喫煙し、そして同様に職場で潜在的に有害なゴミ又は粉塵に晒されていた112人の欧州人の対象を研究した。当該対照群は、肺機能の地域的研究を通して採用し、そして81%の男性を含み、平均FEV1/FVC(SD)は81%(SD8)であり、予測の割合としての平均FEV1は96%(SD10)であった。平均年齢、1日当たりのタバコの本数、及びパックイヤーヒストリーは、それぞれ58歳(SD11)、26本/日(SD14)及び45パックイヤー(SD28)であった。PCRに基づく方法を用いて(Sandfordら、1999[6])、発明者らは、全ての対象についてα1抗トリプシン突然変異(M,S及びZアレル)の遺伝子型を決定し、そしてZZアレルを有する対象を除いた。COPD及び抵抗性喫煙者のコホートは、MZ遺伝子型(各コホートにおいて6%)を有する対象でマッチングした。彼らはまた、喫煙開始年齢(平均16年)と平均禁煙年齢(50台半ば)についてマッチングした。続いて190人の欧州人血液ドナー(喫煙及び職業上の暴露状態は未知)を、地域血液ドナーサービスを通して得た。63%が男性であり、そして平均年齢は50歳であった。回帰分析では、OCOPDの患者と抵抗性を有する喫煙者との間で観測された年齢の差及びパックイヤーの差は、FEV又はOCOPDを決定することはないということが分かった。
Figure 2008545389
遺伝子型決定方法
シクロオキシゲナーゼ2(COX2)-765G/Cプロモーターの多型及びα1アンチトリプシンの遺伝子型決定
ゲノムDNAを全血サンプルから抽出した [Maniatis,T., Fritsch, E. F.及びSambrook, J., Molecular Cloning Manual. 1989 [7]]。シクロオキシゲナーゼ2-765多型は、以前に公開された方法を少し改変することにより測定した[Papafili Aら, 2002, その全てを本明細書に援用する[8]]。PCR反応を、全体積25μlであって、20ngのゲノムDNA、500pmolのフォワード及びリバースプライマー、0.2mMのdNTPs、10mM Tris-HCL(pH8.4)、150mMのKCl、1.0mM・MgCl2、及び1ユニットのTaqポリメラーゼ(Life Technologies)で行った。サイクル時間は95℃で3分間のインキュベート、続いて94℃で50秒、66℃で60秒、及び72℃で60秒を33サイクルであった。次に最後の伸張を72℃で10分を行った。 4μlのPCR産物を、臭化エチジウムで染色された6%アガロースを紫外線照射により可視化した。3μlの増幅産物の一定量を、37℃で4ユニットのAciI(Roche Diagnostics, NewZealand)で切断した。TBE緩衝液を用いて切断産物を2.0時間80mVで2.5%アガロースゲル上で分離した。臭化エチジウム染色の後に紫外線照射を用いた。産物を123bpラダーに対して可視化した。PCRに基づく上記方法を用い[Sandfordら、1999[6]]、全ての喫煙対象は、α1-アンチトリプシンM、S、及びZアレルについて遺伝子型を決定した。
スーパーオキシドジスムターゼ3Arg312Gln多型の遺伝子型決定
ゲノムDNAを標準フェノール及びクロロホルム方法を用いて抽出した。患者及び対照のコホートを、戦略的陰性対照を含む96ウェルPCRフォーマットに構成した。アッセイプライマー、PCR条件及びRFLPアッセイの詳細は、以前に記載された[9]。遺伝子型決定は、研究室条件用に最適化された上記プロトコルを少し改変して行われた。PCR反応は、MJリサーチサーモサイクラーにおいて、25μlの全体体積で行い、そして80ngゲノムDNA、10pmolフォワード及びリバースプライマー、0.1mMのdNTPs、10mMのTris-HCl(pH8.4)、150mM KCl、1.0mM・MgCl2、及び0.5ユニットのTaqポリメラーゼ(Qiagen)を含んだ。増幅産物の一定量を、5ユニットの関連のある制限酵素(Roche Diagnostics、New Zealand)を用いて切断温度条件にて4時間切断した。切断された産物を8%ポリアクリルアミドゲル(49:1、Sigma)上で分離した。産物を臭化エチジウム染色の後に紫外線照射により可視化し、そして移動度を1Kb+ラダー標準(Invitrogen)に対して移動度を比較した。遺伝子型をデータスプレッドシートに記録し、そして統計分析を行った。
ミクロソームエポキシド加水分解酵素エクソン3TC多型の遺伝子型決定
ゲノムDNAを標準的なフェノール及びクロロホルム法を用いて抽出した。患者及び対照のコホートを、戦略的陰性対照を含む96ウェルPCRフォーマットに構成した。アッセイプライマー、PCR条件及びRFLPアッセイ詳細は、以前に記載された[Smithら[10]]。研究室条件について最適化された上記プロトコルを少し改変して用いて遺伝子型決定を行った。PCR反応は、総体積25μlでMJ Researchサーモサイクラーで増幅し、そして80ngのゲノムDNA、100ngのフォワード及びリバースプライマー、0.2mM dNTP、10mM Tris HCl(pH8.4)、150mM KCl、1.5mM・MgCl2及び1.0ユニットのTaqポリメラーゼ(Qiagen)を含んだ。サイクル条件は、94℃60秒、56℃20秒、72℃20秒を38サイクル行い、最後の伸張を3分行うことからなる。増幅産物の一定量を5ユニットの関連する制限酵素Eco RV(Roche Diagnostics、New Zealand)を用いて切断温度条件において4時間切断した。切断産物を8%ポリアクリルアミドゲル(49:1、Sigma)上で分離した。産物を、臭化エチジウム染色した後に紫外線照射により可視化し、そして移動度を1Kb+ラダー標準(Invitrogen)に対して比較した。遺伝子型をデータスプレッドシートに記録し、そして統計分析を行った。
α1-アンチトリプシン遺伝子の3'1237G/A(T/t)多型の遺伝子型決定
ゲノムDNAを標準的なフェノール及びクロロホルム法を用いて抽出した。患者及び対照のコホートを、戦略的陰性対照を含む96ウェルPCRフォーマットに構成した。アッセイプライマー、PCR条件、及びRFLPアッセイの詳細は、以前に記載された[Sanford AJら[6]]。研究室条件について最適化された上記プロトコルを少し改変して用いて遺伝子型決定を行った。PCR反応は、総体積25μlでMJ Researchサーモサイクラーで増幅し、そして80ngのゲノムDNA、100ngのフォワード及びリバースプライマー、0.2mM dNTP、10mM Tris HCl(pH8.4)、150mM KCl、1.5mM・MgCl2及び1.0ユニットのTaqポリメラーゼ(Qiagen)を含んだ。フォワード及びリバースプライマーの配列は5'-CTACCAGGAATGGCCTTGTCC3'[配列番号1]及び5'-CTCTCAGGTCTGGTGTCATCC3'[配列番号2]であった。サイクル条件は、94℃60秒、56℃20秒、72℃20秒を38サイクル行い、最後の伸張を3分行うことからなる。増幅産物の一定量を2ユニットの制限酵素Taq1(Roche Diagnostics、New Zealand)を用いて切断温度条件において4時間切断した。切断産物を3%アガロース上で分離した。産物を、エチジウム染色した後に紫外線照射により可視化し、そして移動度を1Kb+ラダー標準(Invitrogen)に対して比較した。遺伝子型をデータスプレッドシートに記録し、そして統計分析を行った。
トール様受容体4遺伝子のAsp299Gly多型の遺伝子型決定
ゲノムDNAを標準的なフェノール及びクロロホルム法を用いて抽出した。患者及び対照のコホートを、戦略的陰性対照を含む96ウェルPCRフォーマットに構成した。アッセイプライマー、PCR条件、及びRFLPアッセイの詳細は、以前に記載された[Lorenz Eら[11]]。研究室条件について最適化された上記プロトコルを少し改変して用いて遺伝子型決定を行った。PCR反応は、総体積25μlでMJ Researchサーモサイクラーで増幅し、そして80ngのゲノムDNA、100ngのフォワード及びリバースプライマー、0.2mM dNTP、10mM Tris HCl(pH8.4)、150mM KCl、1.5mM・MgCl2及び1.0ユニットのTaqポリメラーゼ(Qiagen)を含んだ。フォワード及びリバースプライマーの配列は5'-GATTAGCATACTTAGACTACTACCTCCATG-3'[配列番号3]及び5'-GATCAACTTCTGAAAAAGCATTCCCAC-3'[配列番号4]であった。サイクル条件は、94℃30秒、55℃30秒、72℃30秒を30サイクル行い、最後の伸張を3分行うことからなる。増幅産物の一定量を2ユニットの制限酵素NcoI(Roche Diagnostics、New Zealand)を用いて切断温度条件において4時間切断した。切断産物を3%アガロースゲル上で分離した。産物を、臭化エチジウム染色した後に紫外線照射により可視化し、そして移動度を1Kb+ラダー標準(Invitrogen)に対して比較した。遺伝子型をデータスプレッドシートに記録し、そして統計分析を行った。
マトリクスメタロプロテイナーゼ1遺伝子の16071G2G多型の遺伝子型決定
ゲノムDNAを標準的なフェノール及びクロロホルム法を用いて抽出した。患者及び対照のコホートを、戦略的陰性対照を含む96ウェルPCRフォーマットに構成した。アッセイプライマー、PCR条件、及びRFLPアッセイの詳細は、以前に記載された[Dunleavey L.ら]。研究室条件について最適化された上記プロトコルを少し改変して用いて遺伝子型決定を行った。PCR反応は、総体積25μlでMJ Researchサーモサイクラーで増幅し、そして80ngのゲノムDNA、100ngのフォワード及びリバースプライマー、200mM dNTP、20mM Tris HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl2及び1.0ユニットのTaqポリメラーゼ(Qiagen)を含んだ。フォワード及びリバースプライマーの配列は3'TCGTGAGAATGTCTTCCCATT-3'[配列番号5]及び5'-TCTTGGATTGATTTGAGATAAGTGAAATC-3'[配列番号6]であった。サイクル条件は、94℃60秒、55℃30秒、72℃30秒を35サイクル行い、最後の伸張を3分行うことからなる。増幅産物の一定量を6ユニットの制限酵素XmnI(Roche Diagnostics、New Zealand)を用いて切断温度条件において4時間切断した。切断産物を6%ポリアクリルアミドゲルで分離した。産物を、エチジウム染色した後に紫外線照射により可視化し、そして移動度を1Kb+ラダー標準(Invitrogen)に対して比較した。遺伝子型をデータスプレッドシートに記録し、そして統計分析を行った。
他の多型遺伝子型決定
ゲノムDNAを全血サンプルから抽出した(Maniatis, T.、Fritsch, E. F.及びSambrook, J., Molecular Cloning Manual. 1989[7])。精製されたゲノムDNAを96ウェルプレートに一定量を分注し(10ng/μlの濃度)、そして以下の配列、増幅条件及び方法を用いて、Sequenom(登録商標)システム((Sequenomtm Autoflex Mass Spectrometer及びSamsung 24ピンナノディスペンサー)上で遺伝子型を決定した。
以下の条件は、PCR多重反応について使用された:
終濃度は10×緩衝液について、15mM・MgCl2、1.25×緩衝液について、25mM・MgCl21.625mM、dNTPミックス25mM500μM、プライマー4μM100nM、Taqポリメラーゼ(Quiagenホットスタート)0.15u/反応、ゲノムDNA10ng/μlであった。サイクル時間は95℃15分、(5℃15秒、56℃30秒、72℃30秒)を45サイクル行い、3分の最終伸張であった。エビアルカリホスファターゼ(SAP)処理を用い、(2μ〜5μlPCR反応液)35℃で30分間インキュベートし、そして伸張反応(SAP処理後2μl〜7μlを加える)を行い、1反応あたりの体積は、水0.76μl、hME10×停止緩衝液0.2μl、hMEプライマー(10μM)1μl、MassEXTEND酵素0.04μlであった。
Figure 2008545389
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Figure 2008545389
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結果
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのCC/CG対GG、オッズ比(OR)=2.2、95%信頼限界=1.1〜4.8、χ2(イェーツ補正)=4.76、P=0.03
CC/CGは、OCOPDに対して保護的である。
2.アレル. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてC対G、オッズ比(OR)=2.1、95%信頼限界=1.1〜3.8、χ2(イェーツ補正)=5.65、p=0.02
CはOCOPDについて保護的である。
3.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのGG対CG/CC、オッズ比(OR)=0.5、95%信頼限界0.2〜0.9、χ2(イェーツ補正)=4.76、P=0.03、
GGはOCOPDについて罹患性である。
4.アレル. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのG対C、オッズ比(OR)=0.5、95%信頼限界=0.3〜0.9、χ2(イェーツ補正)=5.65、p=0.02
GはOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのGG対AG/AA、オッズ比(OR)=2.3、95%信頼限界=0.8〜4.8、χ2(イェーツ補正)=2.88、P=0.09
GG遺伝子型はOCOPDに対して罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのAA対AC/CC、オッズ比(OR)=1.8、95%信頼限界=1.0〜3.1、χ2(イェーツ補正)=3.8、P=0.05
AAは、OCOPDについて罹患性である。
2.遺伝子型. COPD患者対対照についてAA対AC/CC、オッズ比(OR)=1.6、95%信頼限界=1.0〜2.6、χ2(イェーツ補正)=3.86、p=0.05
AAはOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPD患者対対照についてのCC対CG/GG、オッズ比(OR)=1.6、95%信頼限界=1.0〜2.6、χ2(イェーツ補正)=3.68、P=0.05
CCはOCOPDに対して罹患性である。
2.遺伝子型。 COPD患者対抵抗性喫煙者についてのCC対CG/GG、オッズ比(OR)=1.8、95%信頼限界=1.0〜3.2、χ2(イェーツ補正)=4.10、p=0.04
CCはOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのAA対AT/TT、オッズ比(OR)=1.8、95%信頼限界=0.9〜3.6、χ2(イェーツ補正)=2.88、P=0.09
AAはOCOPDに対して保護的である。
2.アレル. COPD患者対抵抗性喫煙者についてA対T、オッズ比(OR)=1.3、95%信頼限界=0.9〜2.0、χ2(イェーツ補正)=2.3、p=0.15
AはOCOPDについて保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのAA対AC/CC、オッズ比(OR)=3.2、95%信頼限界=1.0〜11.0、χ2(イェーツ補正)=3.89、P=0.05
AA遺伝子型はOCOPDに対して保護的である。
2.アレル. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてA対C、オッズ比(OR)=1.7、95%信頼限界=1.1〜2.6、χ2(イェーツ補正)=6.24、p=0.01
AアレルはOCOPDについて保護的である。
3.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのCC対AC/AA、オッズ比(OR)=1.8、95%信頼限界1.0〜3.3、χ2(イェーツ補正)=4.29、P=0.04
CC遺伝子型はOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのTT/TG対GG、オッズ比(OR)=1.9、95%信頼限界=1.0〜38、χ2(イェーツ補正)=4.08、P=0.04
TT/TG遺伝子型はOCOPDに対して保護的である。
2.アレル. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてT対G、オッズ比(OR)=1.3、95%信頼限界=0.9〜2.0、χ2(イェーツ補正)=2.36、p=0.12
AアレルはOCOPDについて保護的である。
3.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についてのGG対TT/TG、オッズ比(OR)=0.5、95%信頼限界0.3〜1.0、χ2(イェーツ補正)=4.1、P=0.04
GG遺伝子型はOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのRR対Rr/rr、オッズ比(OR)=2.3、95%信頼限界=0.9〜5.8、χ2(イェーツ補正)=3.7、P=0.05
RR遺伝子型はOCOPDに対して保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのAG/GG対AA、オッズ比(OR)=10.8、95%信頼限界=1.4〜229、χ2(イェーツ補正)=5.99、P=0.01
AG/GG遺伝子型はOCOPDに対して保護的である。
AAはOCOPDに対して罹患性である。
2.アレル. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてG対A、オッズ比(OR)=11.3、95%信頼限界=1.5〜237、χ2(イェーツ補正)=6.77、p=0.001、
GアレルはOCOPDに対して保護的である。
AアレルはOCOPDに対して罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのMS対MM、オッズ比(OR)=2.7、95%信頼限界=0.8〜9.0、χ2(イェーツ補正)=3.4、P=0.07
MSはOCOPDに対して保護的である。
2.アレル. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてS対Mアレル、オッズ比(OR)=2.5、95%信頼限界=0.8〜8.4、χ2(イェーツ補正)=3.24、p=0.07
SはOCOPDについて保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型: COPD患者対対照についてのTt/tt対TT、オッズ比(OR)=3.34、95%信頼限界=1.3〜8.9、χ2(イェーツ補正)=6.28、P=0.01
Tt/ttはOCOPDに対して罹患性である。
2.アレル: COPD患者対対照についてt対T、オッズ比(OR)=2.5、95%信頼限界=1.0〜6.3、χ2(イェーツ補正)=4.1、p=0.04、tはOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのAG対AA、オッズ比(OR)=5.61、95%信頼限界=0.5〜146、χ2(イェーツ補正)=2.66、P=0.10
AGはOCOPDに対して保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのCC対CG/GG、オッズ比(OR)=1.75、95%信頼限界=1.0〜3.2、χ2(イェーツ補正)=3.73、P=0.05
CCはOCOPDに対して保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてのAA対AG/GG、オッズ比(OR)=1.6、95%信頼限界=0.8〜32、χ2(イェーツ補正)=2.02、P=0.16
AAはOCOPDに対して保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPC対抵抗性喫煙者についてのTT対TC/CC、オッズ比(OR)=6.03、95%信頼限界=1.1〜42、χ2(イェーツ補正)=4.9、P=0.03
TTはOCOPDに対して罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPD患者対抵抗性喫煙者についての5G5G対残り、オッズ比(OR)=1.9、95%信頼限界=0.9〜4.0、χ2(イェーツ補正)=3.11、P=0.08
5G5GはOCOPDに対して罹患性である。
2.アレル. COPD患者対抵抗性喫煙者について5G対4G、オッズ比(OR)=1.4、95%信頼限界=0.9〜2.1、χ2(イェーツ補正)=3.1、p=0.08
5GはOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対対照についてのTT対TG/GG、オッズ比(OR)=2.3、95%信頼限界=1.0〜5.5、χ2(イェーツ補正)=3.80、P=0.05
TT遺伝子型はOCOPDに対して保護的である。
2.遺伝子型. 抵抗性喫煙者対COPD患者についてTT対TG/GG、オッズ比(OR)=1.9、95%信頼限界=0.8〜5.0、χ2(イェーツ補正)=2.49、p=0.11、
TT遺伝子型はOCOPDについて保護的である。
Figure 2008545389
1.遺伝子型. COPD対対照についての2G2G対1G1G/1G2G、オッズ比(OR)=2.1、95%信頼限界=1.1〜4.1、χ2(イェーツ補正)=5.44、P=0.02
2G2G遺伝子型はOCOPDに対して罹患性である。
2.アレル. COPD患者対対照について2G対1G、オッズ比(OR)=1.7、95%信頼限界=1.2〜2.5、χ2(イェーツ補正)=7.97、p=0.005、
2GはOCOPDについて罹患性である。
Figure 2008545389
Figure 2008545389
Figure 2008545389
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議論
幾つかの多型が、職場の空気汚染物質及び慢性的喫煙に晒されたヒトにおいて閉塞性肺疾患を発達させる高い又は低いリスクのいずれかに関連するということが上記結果により示される。個々の多型の関連は、それ自身では識別力のある値ではあるが、許容できる疾患予測を提供しないようである。しかしながら、組み合わせることで多型は、同等の職場及び喫煙暴露を受けた労働者であって抵抗性である労働者と、罹患性の労働者(OCOPDを患う)とを区別する。多型は、遺伝子発現を変化させそしてタンパク質合成を変化させると考えられるプロモーター多型と、肺リモデリングの根底にあると知られている過程に関与すると知られている多くの遺伝子のアミノ酸配列(並びに発現及び/又は機能)を変更すると知られているエクソン多型の両方を表す。本明細書に同定された多型は、炎症、マトリックスリモデリング及び酸化ストレスを含む過程の中核をなすタンパク質をコードする遺伝子に見られる。
空気汚染物質/喫煙に晒され、COPDを患う労働者(つまりOCOPD対象)と同等の職場/喫煙暴露にさらされたが、ほぼ通常の肺機能を有する対応喫煙者との比較において、幾つかの多型は、比較群(血液ドナーコホートを含む)において発見されるよりも有意に高い又は低い頻度で発見されると同定された。
・シクロオキシゲナーゼの-765C/Gプロモーター多型の分析では、Cアレル及びCC/CG遺伝子型は、OCOPDコホートと比べて暴露抵抗性コホートにおいて有意に多く存在することが発見され(OR=2.1、P=0.02、及びOR=2.2、P=0.03)、保護的役割と一致する。血液ドナーコホートに比べて高い頻度は、Cアレル(CC遺伝子型)が抵抗性群において多く存在するということを示唆する(表1を参照のこと)。
・グルタチオンS転移酵素P遺伝子のIle105Val(A/G)多型の分析において、GG遺伝子型は、抵抗性コホートに比べて暴露COPDコホートにおいて多く存在することが発見され(OR=2.3、P=0.09)罹患性役割と一致する(表2を参照のこと)。
・インターロイキン-18遺伝子の105C/A多型の分析において、AA遺伝子型は、抵抗性コホートにくらべて暴露COPDコホートにおいて有意に高いことが発見され(OR=1.8、P=0.05)、罹患性の役割に一致する。AA遺伝子型は、対照と比較して暴露COPDコホートにおいて高く(OR1.6、P=0.05)、罹患性の役割と一致する(表3aを参照のこと)。
・インターロイキン-18遺伝子の-133G/Cプロモーター多型の分析において、CC遺伝子型は、対照と比較して暴露COPDコホートにおいて有意に高く存在すると言うことが発見され(OR=1.6、P=0.05)、罹患性の役割と一致する。CC遺伝子型は、抵抗性喫煙者と比較して暴露COPDコホートにおいて高く(OR=1.8、P=0.04)、罹患性の役割と一致する(表3bを参照のこと)。
・インターロイキン-8の-251A/T多型の分析において、Aアレル及びAA遺伝子型は、抵抗性喫煙者に比較して暴露COPDコホートにおいて多く存在することが発見され(OR=1.3、P=0.15、及びOR=1.8、P=0.09)、保護的役割に一致する傾向を有する(表4)。
・ビタミンD結合タンパク質遺伝子のLys420Thr(A/C)多型の分析において、Aアレル及びAA遺伝子型は、COPDコホートと比較して暴露抵抗性喫煙者コホートにおいて多く存在することが発見され(それぞれOR=1.7、P=0.01及びOR=3.2、P=0.05)、保護的役割と一致する(表5aを参照のこと)。逆に、CC遺伝子型は、抵抗性コホートに比較して暴露COPDコホートにおいて多く存在することが発見され(OR=1.8、P=0.04)、罹患性役割と一致する(表5a)。
・ビタミンD結合タンパク質遺伝子のGlu416Asp(T/G)多型の分析において、Tアレル及びTT/TG遺伝子型は、COPDコホートに比較して暴露抵抗性喫煙者コホートにおいて高いことが発見され(それぞれOR=1.3、P=0.12、及びOR=1.9、P=0.04)、保護的役割と一致する(表5bを参照のこと)。逆にGG遺伝子型は、抵抗性コホートに比較して暴露COPDコホートにおいて多く発見され(OR=0.5、P=0.04)罹患性の役割と一致する(表5b)。
・ミクロソームエポキシド加水分解酵素遺伝子のエクソン3T/C(R/r)多型の分析において、RR遺伝子型は、COPDに比べて暴露抵抗性コホートにおいて多く存在することが発見され(OR=2.3、P=0.05)、保護的役割と一致する(表6)。
・スーパーオキシドジスムターゼ3遺伝子のArg312Gln(AC)多型の分析において、Gアレル及びAG/GG(AC/CC)遺伝子型は、COPDコホートと比べて暴露抵抗性コホートにおいて多く存在することが発見され(OR=11.3、P=0.001、及びOR=10.8、P=0.01)、保護的役割と一致する(一方、Aアレル及びAA遺伝子型が罹患性である)(表7)。
・α1-アンチトリプシンS多型の分析では、Sアレル及びMS/SS遺伝子型は、COPDコホートと比較して抵抗性喫煙者において多く存在すると発見され(OR=2.5、P=0.07及びOR=2.7、P=0.07)、保護的役割と一致する(表8)。
・α1アンチトリプシン遺伝子の3'1237G/A(T/t)多型の分析において、tアレル及びTt/tt遺伝子型は、対照に比べて暴露COPDコホートにおいて有意に多く存在すると発見され(OR=2.5、P=0.04及びOR=3.3、P=0.01)、罹患性役割と一致する(表9)。
・トール様受容体4遺伝子のAsp299GlyA/G多型の分析において、AG(GG)遺伝子型は、COPDと比較して暴露抵抗性コホートにおいて多く存在することが発見され(OR=5.6、P=0.10)、保護的役割と一致する(表10)。
・β2アドレナリン受容体遺伝子のGln27Glu多型の分析において、CC遺伝子型は、COPDコホートと比較して暴露抵抗性コホートにおいて有意に多く存在することが発見され(OR=1.75、P=0.05)、空気汚染物質に対する当該遺伝子型に関連する潜在的な保護的役割を示唆する(表11)。
・インターロイキン-8遺伝子の-518G/A多型の分析において、AA遺伝子型は、COPDと比べて暴露抵抗性コホートにおいて多く存在し(OR=1.6、P=0.16)、保護的役割と一致した(表12)。
・インターロイキン-13遺伝子の-1055(C/T)多型の分析において、TT遺伝子型は、抵抗性コホートと比べて暴露COPDコホートにおいて多く存在することが発見され(OR=6.03、P=0.03)、保護的役割と一致した(表13)。
・プラスミノーゲン活性化インヒビター遺伝子の-675・4G/5Gプロモーター多型の分析において、5Gアレル及び5G5G遺伝子型は、抵抗性喫煙者コホートと比べて暴露COPDコホートにおいて有意に多く存在することが発見され(OR=1.4、P=0.08及びOR=1.9、P=0.08)、罹患性役割と一致した。血液ドナーコホートと比べて暴露COPDにおいて5G5Gの頻度が高いことは、5G5G遺伝子型が罹患性と関連することを示唆する(表14を参照のこと)。
・一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子の298Asp/Glu(T/G)多型の分析において、TT遺伝子型は、血液ドナーコホートとCOPDコホートと比較して抵抗性喫煙者コホートにおいて有意に多く存在することが発見され(OR=2.3、P=0.05及びOR=1.9、P=0.11)、保護的役割と一致した(表15を参照のこと)。
・マトリックスメタロプロテイナーゼ1遺伝子の-1607 1G/2Gの分析において、2Gアレル及び2G2G遺伝子型は、血液ドナーコホートと比べて暴露COPDコホートにおいて有意に多く存在することが発見され(OR=1.7、P=0.005及びOR=2.1、P=0.02)、罹患性役割と一致した(表16を参照のこと)。
・空気汚染物質に晒された対象(COPD及び抵抗性喫煙者の両者)において、6個の保護的多型(Cox2-765CC/CG、NOS3 298TT、α1AT MS/SS、SOD3 AG/GG、MEHエクソン3RR、VDBR420AA)の有無に依存した肺機能の喪失(COPD)を有する頻度を試験した。表18では、保護的多型を1つも持たないヒトでは63%がCOPDであり、それに対して2以上の保護的多型を有するヒトでは、42%のみがCOPDであり、オッズ比は約2であることがわかる。
・空気汚染物質に晒された対象(COPD及び抵抗性の両者)では、5個の罹患性多型(MMP1-1607 2G2G、GSTP1 105GG、PAI-1-675 5G5G、IL-13-1055TT、VDBP416GG)の有無に依存した肺機能の喪失(COPD)を有する頻度を試験した。表19では、2以上の罹患性多型を有するヒトでは73%がCOPDであり、それに対して罹患性多型を一つも有さないヒトでは、たった45%のヒトのみがCOPDであり、オッズ比は約2であった。
慢性閉塞性肺疾患(例えばOCOPD)への傾向は、個々の遺伝子構造と様々な空気汚染物質への生涯にわたる暴露の組み合わせた影響の結果であると認められる。同様に、OCOPDが幾つかの閉塞性肺疾患を包含し、そして呼気流量の喪失(例えばFEV1)により特徴付けられるということが認められる。本明細書のデータにより、幾つかの遺伝子が職場の空気汚染物質に晒された後のOCOPD発達に寄与することができるということを示唆する。肺の損傷を促進又は防御のいずれかの組み合わせで機能する多くの遺伝的突然変異が、高い抵抗性又は罹患性に関与しうる。
個々の多型の分析から、11の保護的遺伝子型を同定し、そして抵抗性喫煙者とOCOPDを患う喫煙者からなる喫煙者コホートにおいてその頻度を分析した。空気汚染物質に晒された抵抗性対照及び空気汚染物質に晒されたOCOPD対象の頻度が、6個の保護的多型(Cox2-765CC/CG、NOS3 298TT、α1AT MS/SS、SOD3 AG/GG、MEH エクソン3RR、VDBP420AA)のサブセットから選択される0、1、及び2以上(2+)の保護的遺伝子型の存在に従って比較される場合、有意差が見られた(表16を参照のこと)。保護的多型を有さないヒトの63%はOCOPD患者であり、2以上の保護的多型を有するヒトの42%に比較され、オッズ比約2であった。
個々の多型の分析から、11個の罹患性遺伝子型が同定され、そして抵抗性喫煙者及びOCOPDを患う喫煙者からなる喫煙者コホートにおいてその頻度を分析した。空気汚染物質に晒された抵抗性対象と空気汚染物質に晒されたOCOPD対象の頻度が、罹患性多型(MMP1-1607 2G2G、GSTP1 105 GG、PAI-1-675 5G5G、IL-13-1055TT、VDBP416GG)のサブセットから選ばれた0、1、及び2以上の罹患性遺伝子型の存在に従って比較された場合に、有意差が見られた(表17を参照のこと)。2い上の罹患性多型を有するヒトの73%はOCOPDであり、罹患性多型を一つも有さないヒトの45%と比較され、オッズ比は約2であった。
これらの発見は、本発明の方法が、症状が現れる前に個人においてOCOPDをうまく予測することができるということを示唆する。
それにより、これらの発見は、本明細書に議論される治療介入及び/又は治療計画の機会を提示する。簡潔に記載すると、このような治療介入又は計画は、対象にライフスタイルの改善及び/又は職業の変更をさせる動機を提供することを含むことができ、又は異常な遺伝子発現又は遺伝子サンプルの機能を通常にすることに向けられる。例えばCOX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765Gアレルは、Cアレルで観察される遺伝子に比べて遺伝子の発現増加と関連する。本明細書に示される様に、Cアレルは、OCOPDを発達させるリスクに関して保護的であり、ここで-765Gアレルを有すると知られている対象における適切な治療は、COX2をコードする遺伝子の発現を低減できる薬剤の投与でありうる。代替となる適切な治療は、その様な対象にCOX2阻害剤、例えばさらなる治療アプローチ、遺伝子治療、RNAiなどを投与することでありうる。別の例では、本明細書に示される様に、IL18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133Cアレルは、OCOPDへの罹患性と関連する。IL18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133Gアレルは、IL18の高いレベルと関連し、それにより-133Cアレルを有すると知られている対象における適切な治療は、IL18をコードする遺伝子の発現を増加できる薬剤の投与でありうる。さらに別の例では、本明細書に示される様にプラスミノーゲン活性化因子インヒビター遺伝子のプロモーターにおける-675 5G5G遺伝子型は、OCOPDへの罹患性と関連する。5Gアレルは、報告によれば、リプレッサータンパク質の結合増加と、遺伝子転写の現象と関連する。適切な治療は、リプレッサーのレベルを低減及び/又はリプレッサーの結合を妨げることができ、それにより転写の下方制御効果を軽減することができる薬剤の投与でありうる。代替の治療は、遺伝子治療、例えば、リプレッサー結合について低い親和性を有するプラスミノーゲン活性化インヒビター遺伝子(例えば、-675 4G4G遺伝子型を有する遺伝子コピー)の少なくとも1のさらなるコピーを導入することを含む。
このような治療において使用するための適切な方法及び薬剤は当該技術分野で周知であり、そして本明細書に議論される。
本明細書に記載される罹患性及び保護的多型の同定は、予防及び/又は治療処置の方法においてその効力を評価するために候補化合物をスクリーニングする機会を提供する。このようなスクリーニング方法は、どの範囲の候補化合物が罹患性多型の遺伝子型又は表現形効果を反転させるか又は対抗する能力、又は保護的多型の遺伝子型又は表現形効果を模倣するか又は複製する能力を有するかを同定することに関する。
さらに、利用できる予防又は治療アプローチに対する対象の同様の応答性を評価する方法が提供される。このような方法は、利用できる治療アプローチが、過剰又は不足のいずれかの状態で発現された遺伝子産物の生理学的に活性な濃度を、対象の年齢及び性別について通常である範囲内に回復させることに関する特定の適用を有する。このような場合、当該方法は、存在する場合に当該遺伝子の発現を上方制御又は下方制御し、その結果このような過剰又は不足の状態をもたらす罹患性多型の有無を検出することを含み、ここで、多型が存在する対象が、治療に応答性を有する者であるようだ。
実施例2
以下の表21は、本明細書に特定される多型と連鎖不均衡にある多型の代表的な例を示す。このような多型の例は、www.hapmap.orgで利用できるデータベースなどの公的なデータベースを用いて位置決定されうる。特定の多型は、括弧内に記される。
Figure 2008545389
Figure 2008545389
Figure 2008545389
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Figure 2008545389
工業適用
本発明は、職業性慢性閉塞性肺疾患(OCOPD)を発達させる対象のリスクを評価する方法に関する。 当該方法は、OCOPDを発達させる高いリスク又は低いリスクと関連すると示される多型の分析、或いはこのような分析から得られた結果の分析を含む。対象のリスクの評価において、OCOPDを発達させる高い又は低いリスクと関連すると本明細書に示された多型の使用が提供され、その様な評価に適したヌクレオチドプローブ、プライマー、キット、及びマイクロアレイが提供される。本明細書の多型を有する対象を治療する方法も提供される。本明細書に記載される多型と関連する遺伝子の発現を調節できる化合物をスクリーニングする方法も提供される。
Figure 2008545389
本明細書で言及され又は参照される全ての特許、刊行物、科学論文、及び他の文書及び資料は、本発明の属する技術分野の当業者の技術水準を示し、そしてこのように引用された文書及び資料各々、その全てを個別に援用され、又は本明細書にその全てを記載する場合と同程度に本明細書に援用される。出願人は、このような特許、刊行物、科学論文、ウェブサイト、電気的に利用できる情報、及び他の引用される資料又は文書から、任意及び全ての資料及び情報を本明細書に物理的に取り込む権利を留保する。
本明細書に記載される特定の方法及び組成物は、様々な実施態様の又は好ましい実施態様の代表であり、そして例示のみであり、そして本発明の範囲を制限するものとして意図されない。他の対象、態様、実施例、及び実施態様は、本明細書を考慮すれば当業者に生じ、そして特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に包含される。様々な置換及び変更が、本発明の範囲及び本質から逸脱することなく本明細書に開示される発明になされうるということは当業者に容易に明らかであろう。本明細書に例示的に記載された発明は、本質として本明細書に具体的に開示されていない構成要素(単数又は複数)又は制限(単数又は複数)のいずれかのの不存在下で適切に行われうる。こうして、例えば、本明細書の各場合において、本発明の実施態様又は実施例において、「含む」、「実質的に〜なる」、及び「からなる」という用語のいずれも、本明細書における他の二つの用語のいずれかと置き換えることができ、そうして、本発明の様々な代わりの実施態様の異なる範囲を有する更なる例を指す。また、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing):などは拡張的に、かつ非制限的に読むべきである。本明細書に代表的に記載される方法及び過程は、工程の順番を違えて適切に行われても良く、そしてそれらは必ずしも本明細書又は特許請求の範囲に記載された工程の順番に限らなければならないわけではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないと記載しない限り複数形を含む。こうして、例えば、「宿主細胞」という参照は、このような宿主細胞の複数形(例えば、培養物又は集団)を含む。本特許は、本明細書に具体的に開示された特定の実施例又は実施態様又は方法に制限されると解釈される場合はない。このような主張が具体的にされ、そして制限又は留保無しに出願人による書面において明らかに適用された場合を除き、本特許は、審査官又は特許及び商標庁の他の関係者又は職員によって制限されて解釈される場合はない。
使用された用語及び表現は、説明の観点で使用され、そして制限するものではなく、そして示されそして記載された特徴の任意の同等物を除外することを、このような用語及び表現を使用する際に意図しないが、様々な改変が特許請求される発明の範囲内で可能であるということが認められる。こうして、本発明が具体的に好ましい実施態様及び選択的な特徴により具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の変更及びバリエーションは、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であると解釈される。
図1は、保護的遺伝的変異の数に対してプロットされたOCOPDを患うヒトの割合を示すグラフを記載する。 図2は、罹患性遺伝的変異の数に対してプロットされたOCOPDを患うヒトの割合を示すグラフを記載する。

Claims (59)

  1. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを測定する方法であって、以下の:
    シクロオキシゲナーゼ2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
    グルタチオンS転移酵素Pをコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
    インターロイキン-18をコードする遺伝子における105C/A;
    インターロイキン-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
    インターロイキン-8をコードする遺伝子における-251A/T;
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
    ミクロソームのエポキシド加水分解酵素をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
    スーパーオキシドジスムターゼ3をコードする遺伝子におけるArg312Gln(AC);
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
    α1-アンチトリプシン(α1AT)S多型;
    トール様受容体4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
    β2アドレナリン受容体をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
    インターロイキン-11をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
    インターロイキン-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
    プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
    一酸化窒素合成酵素3をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
    マトリックスメタロプロテイナーゼ1をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
    又はこれらの多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型
    からなる群から選ばれる1以上の多型の有無について当該対象由来のサンプルを分析することを含み、ここで1以上の当該多型の有無は、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる当該対象のリスクを指し示す、前記方法。
  2. 以下の:
    COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765CC又はCG;
    IL-8をコードする遺伝子のプロモーターにおける-251AA遺伝子型;
    VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrAA遺伝子型;
    VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspTT又はTG遺伝子型; MEHをコードする遺伝子におけるエクソン3T/C RR遺伝子型;
    SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAG又はGG遺伝子型; α1ATをコードする遺伝子におけるMS又はSS遺伝子型;
    TLR4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyAG又はGG遺伝子型;
    ADRB2をコードする遺伝子におけるGln27GluCC遺伝子型;
    IL-11をコードする遺伝子における-518 AA遺伝子型;又は
    NOS3をコードする遺伝子におけるAsp298GluTT遺伝子型
    からなる群から選ばれる1以上の多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる低いリスクを指し示す、請求項1に記載の方法。
  3. 以下の:
    COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765GG;
    GSTP1をコードする遺伝子におけるIle105ValGG;
    IL-18をコードする遺伝子における105AA;
    IL18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133CC;
    VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrCC;
    VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspGG;
    SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAA;
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237Tt又はtt;
    IL-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055TT;
    PAI-1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 5G5G;又は
    MMP1をコードする遺伝子における-1607 2G2G
    からなる群から選ばれる1以上の多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを指し示す、請求項1に記載の方法。
  4. 前記方法が、以下の:
    GST-1をコードする遺伝子におけるM1ヌル;
    MMP12をコードする遺伝子のプロモーターにおける-82A/G;
    MMP9をコードする遺伝子のプロモーター内の-1562C/T;
    TGFβをコードする遺伝子のコドン10内のT→C;
    TIMP3をコードする遺伝子のプロモーター内の-1296T/C;又は
    これらの多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型;
    からなる群から選ばれる1以上のさらなる多型の有無について前記サンプルを分析することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 以下の:
    TIMP3をコードする遺伝子のプロモーター内の-1296TT;
    TGFβをコードする遺伝子のコドン10内のCC(ホモ接合Pアレル);
    からなる群から選ばれる1以上の多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる低いリスクを指し示す、請求項4に記載の方法。
  6. 以下の:
    MMP12をコードする遺伝子のプロモーター内の-82AA;
    MMP9をコードする遺伝子のプロモーター内の-1562CT又は-1562TT;
    からなる群から選ばれる1以上の多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを指し示す、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを評価する方法であって、当該方法が以下のステップ:
    (i) 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる低いリスクと関連する少なくとも1の保護的多型の有無を測定し;そして
    (ii)少なくとも1の保護的多型の不存在下で、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクと関連する少なくとも1の罹患性多型の有無を測定する
    を含み、ここで、1以上の当該保護的多型の存在が職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる低いリスクを指し示し、そして少なくとも1の罹患性多型の存在と組み合わせて少なくとも1の保護的多型が存在しないことが職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを指し示す、前記方法。
  8. 前記少なくとも1の保護的多型が以下の:
    COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765CC又はCG;
    IL-8をコードする遺伝子のプロモーターにおける-251AA遺伝子型;
    VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrAA遺伝子型;
    VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspTT又はTG遺伝子型; MEHをコードする遺伝子におけるエクソン3T/C RR遺伝子型;
    SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAG又はGG遺伝子型; α1ATをコードする遺伝子におけるMS又はSS遺伝子型;
    TLR4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyAG又はGG遺伝子型;
    ADRB2をコードする遺伝子におけるGln27GluCC遺伝子型;
    IL-11をコードする遺伝子における-518 AA遺伝子型;又は
    NOS3をコードする遺伝子におけるAsp298GluTT遺伝子型
    からなる群から選ばれる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記方法が、以下の:
    TIMP3をコードする遺伝子のプロモーター内の-1296TT;
    TGFβをコードする遺伝子のコドン10内のCC(ホモ接合性Pアレル)
    からなる群から選ばれる少なくとも1のさらなる保護的多型の有無を測定する追加ステップを含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1の罹患性多型が、以下の:
    COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765GG;
    GSTP1をコードする遺伝子におけるIle105ValGG;
    IL-18をコードする遺伝子における105AA;
    IL18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133CC;
    VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrCC;
    VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspGG;
    SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAA;
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237Tt又はtt;
    IL-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055TT;
    PAI-1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 5G5G;
    MMP1をコードする遺伝子における-1607 2G2G;
    からなる群から選ばれる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記方法が、以下の:
    MMP12をコードする遺伝子のプロモーター内の-82AA;
    MMP9をコードする遺伝子のプロモーター内の-1562CT又は-1562TT;
    からなる群から選ばれる少なくとも1のさらなる罹患性多型の有無を測定するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 1以上の罹患性多型の存在とは無関係に2以上の保護的多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる低いリスクを指し示す、請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 保護的多型の不存在下で、1以上の罹患性多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを指し示す、請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 2以上の罹患性多型の存在が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを指し示す、請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを測定する方法が、以下の:
    シクロオキシゲナーゼ2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
    グルタチオンS転移酵素Pをコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
    インターロイキン-18をコードする遺伝子における105C/A;
    インターロイキン-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
    インターロイキン-8をコードする遺伝子における-251A/T;
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
    ミクロソームのエポキシド加水分解酵素をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
    スーパーオキシドジスムターゼ3をコードする遺伝子におけるアルギニン312Gln(AC);
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
    α1-アンチトリプシン(α1AT)S多型;
    トール様受容体4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
    β2アドレナリン受容体をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
    インターロイキン-11をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
    インターロイキン-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
    プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
    一酸化窒素合成酵素3をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
    マトリックスメタロプロテイナーゼ1をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
    又はこれらの多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型
    からなる群から選ばれる2以上の多型の存在について当該対象由来のサンプルを分析することを含む、前記方法。
  16. 前記方法が、1以上の疫学的リスク因子の分析を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法において使用するための1以上のヌクレオチドプローブ及び/又はプライマーであって、当該1以上のヌクレオチドプローブ及び/又はプライマーが、分析される当該多型が存在する遺伝子の多型領域にかかっているか、又はかかるために使用できる、前記1以上のヌクレオチドプローブ及び/又はプライマー。
  18. 配列番号1〜配列番号56のいずれかひとつの配列を含む、請求項17に記載される1以上のヌクレオチドプローブ及び/又はプライマー。
  19. 請求項1に定義される群から選ばれる多型のうちの1以上をコードする核酸配列又はそれらに相補的である配列にハイブリダイズできる核酸配列を提示する支持体を含む核酸マイクロアレイ。
  20. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを測定する方法であって、当該方法が以下のステップ:
    (i) 上記対象由来のサンプルについての1以上の遺伝子試験の結果を取得し;そして
    (ii) 以下の:
    シクロオキシゲナーゼ2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
    グルタチオンS転移酵素Pをコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
    インターロイキン-18をコードする遺伝子における105C/A;
    インターロイキン-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
    インターロイキン-8をコードする遺伝子における-251A/T;
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
    ミクロソームのエポキシド加水分解酵素をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
    スーパーオキシドジスムターゼ3をコードする遺伝子におけるアルギニン312Gln(AC);
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
    α1-アンチトリプシン(α1AT)S多型;
    トール様受容体4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
    β2アドレナリン受容体をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
    インターロイキン-11をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
    インターロイキン-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
    プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
    一酸化窒素合成酵素3をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
    マトリックスメタロプロテイナーゼ1をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
    又はこれら多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型
    からなる群から選ばれる1以上の多型の有無について結果を分析する
    を含み、ここで1以上の当該多型の有無を指し示す結果が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを指し示す、前記方法。
  21. 以下の:
    COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765CC又はCG;
    IL-8をコードする遺伝子のプロモーターにおける-251AA遺伝子型;
    VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrAA遺伝子型;
    VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspTT又はTG遺伝子型; MEHをコードする遺伝子におけるエクソン3T/C RR遺伝子型;
    SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAG又はGG遺伝子型; α1ATをコードする遺伝子におけるMS又はSS遺伝子型;
    TLR4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyAG又はGG遺伝子型;
    ADRB2をコードする遺伝子におけるGln27GluCC遺伝子型;
    IL-11をコードする遺伝子における-518 AA遺伝子型;又は
    NOS3をコードする遺伝子におけるAsp298GluTT遺伝子型
    からなる群から選ばれる1以上の多型の存在を示す結果が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる低いリスクを指し示す、請求項20に記載の方法。
  22. 以下の:
    COX2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765GG;
    GSTP1をコードする遺伝子におけるIle105ValGG;
    IL-18をコードする遺伝子における105AA;
    IL18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133CC;
    VDBPをコードする遺伝子におけるLys420ThrCC;
    VDBPをコードする遺伝子におけるGlu416AspGG;
    SOD3をコードする遺伝子におけるArg312GlnAA;
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237Tt又はtt;
    IL-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055TT;
    PAI-1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 5G5G;又は
    MMP1をコードする遺伝子における-1607 2G2G
    からなる群から選ばれる1以上の多型の存在を示す結果が、職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを指し示す、請求項20に記載の方法。
  23. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクの評価における少なくとも1の多型の使用であって、当該少なくとも1の多型が以下の:
    シクロオキシゲナーゼ2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
    グルタチオンS転移酵素Pをコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
    インターロイキン-18をコードする遺伝子における105C/A;
    インターロイキン-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
    インターロイキン-8をコードする遺伝子における-251A/T;
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
    ミクロソームのエポキシド加水分解酵素をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
    スーパーオキシドジスムターゼ3をコードする遺伝子におけるアルギニン312Gln(AC);
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
    α1-アンチトリプシン(α1AT)S多型;
    トール様受容体4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
    β2アドレナリン受容体をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
    インターロイキン-11をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
    インターロイキン-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
    プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
    一酸化窒素合成酵素3をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
    マトリックスメタロプロテイナーゼ1をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
    又はこれらの多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型
    からなる群から選ばれる、前記使用。
  24. 前記使用が、以下の:
    GST-1をコードする遺伝子におけるM1ヌル;
    MMP12をコードする遺伝子のプロモーターにおける-82A/G;
    MMP9をコードする遺伝子のプロモーター内の-1562C/T;
    TGFβをコードする遺伝子のコドン10内のT→C;
    TIMP3をコードする遺伝子のプロモーター内の-1296T/C;又は
    これら多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型;
    からなる群から選ばれる少なくとも1のさらなる多型の使用と組み合わされる、請求項23に記載の使用。
  25. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象を治療する方法であって、請求項8に定義される群から選ばれる保護的多型の当該対象における存在及び/又は機能効果を遺伝子型又は表現形として複製するステップを含む、前記方法。
  26. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、当該対象が請求項10に定義される群から選ばれる検出可能な罹患性多型を有し、当該多型が遺伝子発現を上方制御又は下方制御し、その結果発現された遺伝子産物の生理学的に活性な濃度が当該対象の年齢及び性別について通常である範囲を外れている対象を治療する方法であって、当該方法が、当該遺伝子発現産物の生理学的に活性な濃度を、上記対象の年齢及び性別について通常である範囲内に回復させるステップを含む、前記方法。
  27. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、COX2をコードする遺伝子のプロモーターに存在する-765C/G多型でGG遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象のCOX2活性を低減できる薬剤を当該対象に投与することを含む、前記方法。
  28. 前記薬剤がCOX2インヒビター又は非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記COX2インヒビターがCelebrex(登録商標)(セレコキシブ)、Bextra(登録商標)(バルデコキシブ)、及びVioxx(ロフェコキシブ)からなる群から選ばれる、請求項28に記載の方法。
  30. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、インターロイキン-18をコードする遺伝子における105C/A多型でのAA遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象におけるインターロイキン-18活性を高めることができる薬剤を当該対象に投与することを含む、前記方法。
  31. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、インターロイキン-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C多型でのCC遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象におけるインターロイキン-18活性を高めることができる薬剤を当該対象に投与することを含む、前記方法。
  32. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G多型での5G5G遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象におけるプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1の活性を高めることができる薬剤を当該対象に投与することを含む、前記方法。
  33. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、インターフェロン-γをコードする遺伝子における874A/T多型でのAA遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象におけるインターフェロン-γ活性を調節できる薬剤を当該対象に投与することを含む、前記方法。
  34. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる高いリスクを有する対象であって、CD14をコードする遺伝子における-159C/T多型でのCC遺伝子型の存在が決定された対象を治療する方法であって、当該対象におけるCD-14及び/又はIgE活性を調節できる薬剤を当該対象に投与することを含む、前記方法。
  35. 遺伝子発現産物に結合できる抗体を提示する支持体を含む抗体マイクロアレイであって、当該遺伝子発現が、請求項2又は請求項3において定義される群から選ばれる罹患性又は保護的多型と関連する場合に上方制御されるか又は下方制御される、前記マイクロアレイ。
  36. 請求項2又は請求項3に定義される群から選ばれる罹患性又は保護的多型と関連する場合に上方制御又は下方制御される遺伝子の発現及び/又は活性を調節する化合物をスクリーニングする方法であって、当該方法が以下のステップ:
    請求項2又は請求項3に定義される群から選ばれる罹患性又は保護的多型であって、遺伝子発現の上方制御又は下方制御と関連することが決定された多型を含む細胞と候補化合物を接触させ;そして
    当該候補化合物と接触させた後に当該遺伝子の発現を計測する
    を含み、ここで、接触ステップの前に比べて、接触ステップの後に発現レベルの変化が、当該遺伝子の発現及び/又は活性を調節する化合物の能力を指し示す、前記方法。
  37. 前記細胞が、当該多型の存在を確認するために予めスクリーニングされたヒト肺細胞である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記細胞が、前記遺伝子の発現の下方制御と関連する罹患性多型を含み、そして前記スクリーニングが、当該遺伝子の発現を上方制御する候補化合物に対してされる、請求項37に記載の方法。
  39. 前記細胞が、前記遺伝子の発現の下方制御と関連する罹患性多型を含み、そして前記スクリーニングが、当該遺伝子の発現を上方制御する候補化合物に対してされる、請求項37に記載の方法。
  40. 前記細胞が、前記遺伝子の発現の上方制御と関連する保護的多型を含み、そして前記スクリーニングが、当該遺伝子の発現をさらに上方制御する候補化合物に対してされる、請求項37に記載の方法。
  41. 前記細胞が、前記遺伝子の発現の下方制御と関連する保護的多型を含み、そして前記スクリーニングが、当該遺伝子の発現をさらに下方制御する候補化合物に対してされる、請求項37に記載の方法。
  42. 遺伝子の発現及び/又は活性を調節する化合物をスクリーニングする方法であって、当該遺伝子の発現が、請求項2又は請求項3に定義される群から選ばれる罹患性又は保護的多型と関連する場合に上方制御又は下方制御され、当該方法が以下のステップ:
    その発現が請求項2又は請求項3に定義される群から選ばれる罹患性又は保護的多型と関連する場合に上方制御又は下方制御されるが、細胞においてその発現が上方制御も下方制御もされていないところの遺伝子を含む細胞と候補化合物を接触させ、
    上記候補化合物と接触させた後に当該遺伝子の発現を計測する、
    を含み、ここで上記接触ステップの前に比べて当該接触ステップの後の発現レベルの変化が、当該遺伝子の発現及び/又は活性を調節する化合物の能力を指し示す、前記方法。
  43. 前記細胞が、前記遺伝子の存在及び発現のベースラインレベルを確認するために予めスクリーニングされたヒト肺細胞である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記遺伝子発現が罹患性多型と関連する場合に下方制御され、そして前記スクリーニングが、前記細胞において、当該遺伝子発現を上方制御する候補化合物に対してされる、請求項43に記載の方法。
  45. 前記遺伝子発現が罹患性多型と関連する場合に上方制御され、そして前記スクリーニングが、前記細胞において、当該遺伝子発現を下方制御する候補化合物に対してされる、請求項43に記載の方法。
  46. 前記遺伝子発現が保護的多型と関連する場合に上方制御され、そして前記スクリーニングが、前記細胞において、当該遺伝子発現を上方制御する候補化合物に対してされる、請求項43に記載の方法。
  47. 前記遺伝子発現が保護的多型と接触される場合に下方制御され、そして前記スクリーニングが、前記細胞において、当該遺伝子発現を下方制御する候補化合物に対してされる、請求項43に記載の方法。
  48. 職業性慢性閉塞性肺疾患の高いリスクを有するか又は患っている対象の予防又は治療処置への応答性を評価する方法であって、当該処置が当該対象の性別及び年齢について通常である範囲内に遺伝子発現産物の生理学的に活性な濃度を回復することに関し、当該方法は、存在する場合に当該遺伝子の発現を上方制御又は下方制御し、その結果発現された遺伝子産物の生理学的に活性な濃度が通常の範囲を外れる、請求項3に定義される群から選ばれる罹患性多型の有無を当該対象において検出することを含み、ここで当該多型の存在の検出が当該処置に応答しやすい対象を指す、前記方法。
  49. 職業性慢性閉塞性肺疾患を発達させる対象のリスクを評価するキットであって、当該キットが以下の:
    シクロオキシゲナーゼ2をコードする遺伝子のプロモーターにおける-765C/G;
    グルタチオンS転移酵素Pをコードする遺伝子におけるIle105Val(A/G);
    インターロイキン-18をコードする遺伝子における105C/A;
    インターロイキン-18をコードする遺伝子のプロモーターにおける-133G/C;
    インターロイキン-8をコードする遺伝子における-251A/T;
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるLys420Thr(A/C);
    ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子におけるGlu416Asp(T/G);
    ミクロソームのエポキシド加水分解酵素をコードする遺伝子におけるエクソン3T/C(R/r);
    スーパーオキシドジスムターゼ3をコードする遺伝子におけるアルギニン312Gln(AC);
    α1-アンチトリプシンをコードする遺伝子における3'1237G/A(T/t);
    α1-アンチトリプシン(α1AT)S多型;
    トール様受容体4をコードする遺伝子におけるAsp299GlyA/G;
    β2アドレナリン受容体をコードする遺伝子におけるGln27Glu;
    インターロイキン-11をコードする遺伝子のプロモーターにおける-518G/A;
    インターロイキン-13をコードする遺伝子のプロモーターにおける-1055(C/T);
    プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1をコードする遺伝子のプロモーターにおける-675 4G/5G;
    一酸化窒素合成酵素3をコードする遺伝子における298Asp/Glu(T/G);
    マトリックスメタロプロテイナーゼ1をコードする遺伝子における-1607 1G/2G;
    又はこれら多型のいずれか1以上と連鎖不均衡にある1以上の多型
    からなる群から選ばれる1以上の多型の有無について当該対象からえたサンプルを分析する手段を含む、前記キット。
  50. ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子のコドン420にマッピングされた位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  51. ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子のコドン420へとマッピングする前記位置でのスレオニンの存在が、OCOPDを発達させる高いリスクを指し示す、請求項50に記載の方法。
  52. ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子のコドン420へとマッピングする前記位置でのリジンの存在が、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す、請求項50に記載の方法。
  53. VDBPをコードする遺伝子のコドン416にマッピングされた位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  54. SOD3をコードする遺伝子のコドン312にマッピングされた位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  55. TLR4をコードする遺伝子のコドン299にマッピングされた位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  56. ADRB2をコードする遺伝子のコドン27にマッピングされた位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  57. 一酸化窒素合成酵素(NOS3)をコードする遺伝子のコドン298にマッピングされた位置に存在するアミノ酸を分析するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  58. 一酸化窒素合成酵素をコードする遺伝子のコドン298にマッピングされた位置でのグルタミン酸の存在が、OCOPDを発達させる高いリスクを指し示す、請求項57に記載の方法。
  59. 一酸化窒素合成酵素をコードする遺伝子のコドン298にマッピングされた位置でのアスパラギンの存在が、OCOPDを発達させる低いリスクを指し示す、請求項57に記載の方法。
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