JP2008531586A - 網膜変性疾患の治療法 - Google Patents

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Abstract

脊椎動物の眼における変性疾患を治療するための方法が提供される。脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法も提供される。

Description

(関連出願の相互参照)
(本願は、2005年2月24日に出願された米国特許出願番号[UW−0009]の利益を主張し、2005年3月18日に出願された米国特許出願番号[UW−0014]の利益を主張する。これらの開示は全体として本発明の一部として参照される。)
(政府援助の表明)
(本発明は、国立眼病研究所により授与された認可番号EY008061により政府支援によってなされた。政府は本発明に一定の権利がある。)
本発明は、脊椎動物の眼における変性疾患を治療するための方法を提供する。本発明はさらに、脊椎動物の眼において光受容体の変性を予防する方法を提供する。
脊椎動物光受容体細胞において、光子は11−シスレチニリデン発色団の異性化を引き起こし、視覚オプシン受容体と結合した全トランス型レチニリデンにする。この光異性化は、オプシンの構造変化を引き起こし、これは次に、光情報伝達と呼ばれる反応の生化学連鎖を開始する(Filipekら、Annu Rev Physiol 65:851−79、2003)。視覚色素の再生は、包括的にレチノイド(視覚)サイクルと呼ばれるプロセスにおいて発色団が11−シス構造に戻ることを必要とする。(McBeeら、Prog Retin Eye Res 20:469−52、2001において論評)。まず、発色団がオプシンから放出され、レチノールデヒドロゲナーゼにより光受容体において還元される。生成物、全トランス型レチノールは、隣接する網膜色素上皮(RPE)においてレチノゾームと呼ばれる細胞下構造中不溶性脂肪酸エステルの形態でトラップされる(Imanishiら、J Cell Biol 164:373−8、2004)。重要な異性化プロセスは分子特性化に対してわかりにくいままである。「イソメロヒドロラーゼ」仮説は、吸熱性異性化反応を行うためにレチニルエステル加水分解のエネルギーを利用する酵素の存在を提案する(Rando、Biochemistry 30:595−602、1990)。このメカニズムは、全トランス型レチニルパルミテートのC11位での求核攻撃と、アルキル開裂によるパルミテートの同時除去を引き起こす(図1A)。複合体は回転してC11−C12結合を新しい構造に変え、続いて発色団−複合体の遷移状態を再水和し、これは11−シスレチノールの生成に至る。このメカニズムについての直接的証拠はなく、その是非について幅広く論議されている(Kuksaら、Vision Res 43:2959−81、2003)。別のメカニズムが本発明者らの研究室により提案されており、ここで、全トランス型レチニルエステルは未確認の中間体(全トランス型レチノール、活性化エステルの亜集団、または未知のレチノイド中間体)に変換される(Stecherら、J Biol Chem 274:8577−85、1999)。この中間体を次いでレチニルカルボカチオンに変換し、遷移状態において再水和し、11−シス−レチノールとして放出させる(McBeeら、Biochemistry 39:11370−80、2000)(図1B)。この吸熱反応における顕著な生成物形成は、レチノイド結合タンパク質の存在下でのみ見られ(StecherおよびPalczewski、Methods Enzyml 316:330−44、2000)、生成した異性体の比はレチノイド結合タンパク質の特異性に対して感受性であるらしい(Stecherら、J Biol Chem 274:8577−85、1999;McBeeら、Biochemistry 39:11370−80、2000)。両メカニズムにおいて、経路は実験で観察されるようにアルキル開裂を経て進行する(要約および考察については、Kuksaら、Vision Res 43:2959−81、2003を参照)。第二のメカニズムに基づいて、異性化反応を阻害するために有効な遷移状態類似体を設計することができる。反応がカルボカチオン中間体により起こるならば、正帯電レチノイドは酵素を阻害するが、イソメロヒドロラーゼメカニズムはそれほど影響を受けない。
露光後のインビボでの異性化の有効な阻害剤の使用も、視覚色素発色団産生の回復を防止するか、または遅らせる。ABCRトランスポーターにおける突然変異に関連するシュタルガルト病(Allikmetsら、Nat Genet 15:236−46、1997)において、全トランス型レチナールの蓄積は、網膜細胞に対して毒性であり、網膜変性を引き起こし、最終的に失明を引き起こすリポフスチン色素、A2Eの形成に関与することが提唱されている(MataおよびTravis、Proc Natl Acad Sci USA 97:7154−9;Wengら、Cell 98:13−23、1999)。患者のレチノールデヒドロゲナーゼ、13−シス−RA(Accutane(登録商標)、Roche)での治療は、A2Eの形成を防止または遅らせ、正常視力を維持する保護特性を有し得る(Raduら、Proc Natl Acad Sci USA 100:4742−7、2003)。13−シス−RA(イソトレチノイン、またはAccutane(登録商標))は11−シスRDH(LawおよびRando、Biochem Biophys Res Commun 161:825−9、1989)を阻害し、誘発夜盲症に関連し、11−シス−RDHの阻害により11−シス−レチナールの合成を遅らせるために用いられてきた。他の者は、13−シス−RAが眼中の異性化プロセスに必須のタンパク質であるRPE65を結合させることにより発色団再生を防止する働きをすることを提唱している(GollapalliおよびRando、Proc Natl Acad Sci USA 101:10030−5、2004;WO2005/079774;WO2006/007314)。これらの発明者らは、13−シス−RAがA2Eの形成をブロックすることを見出し、この治療法は、リポフスチン蓄積を阻害し、かくして、シュタルガルト病の患者における視力喪失またはリポフスチン蓄積に関連する黄斑変性の開始を遅らせることを示唆している。レチノイドサイクルおよび非リガンド型オプシンの形成のブロックに関連する潜在的な問題を認識しなければならない(Van Hooserら、J Biol Chem 277:19173−82、2002;Woodruffら、Nat Genet 35:158−164、2003)。このことはさらに重大な結果をもたらし、患者の予後が悪化する。発色団を形成できないことは、進行性網膜変性に至り、極端な場合、レーバー先天性黒内障(LCA)に類似した表現型を生成させる。この疾患は、非常にまれな小児期症状であって、出生またはその後まもなくからの子ともに影響を及ぼす。さらに、13−シス−RAでの治療は、誘発夜盲症と関連する。
WO2005/079774 WO2006/007314 Filipekら、Annu Rev Physiol 65:851−79、2003 McBeeら、Prog Retin Eye Res 20:469−52、2001 Imanishiら、J Cell Biol 164:373−8、2004 Rando、Biochemistry 30:595−602、1990 Kuksaら、Vision Res 43:2959−81、2003 Stecherら、J Biol Chem 274:8577−85、1999 McBeeら、Biochemistry 39:11370−80、2000 StecherおよびPalczewski、Methods Enzyml 316:330−44、2000 Allikmetsら、Nat Genet 15:236−46、1997 MataおよびTravis、Proc Natl Acad Sci USA 97:7154−9 Wengら、Cell 98:13−23、1999 Raduら、Proc Natl Acad Sci USA 100:4742−7、2003 LawおよびRando、Biochem Biophys Res Commun 161:825−9、1989 GollapalliおよびRando、Proc Natl Acad Sci USA 101:10030−5、2004 Van Hooserら、J Biol Chem 277:19173−82、2002 Woodruffら、Nat Genet 35:158−164、2003
さらなる望ましくない副作用、例えば、進行性網膜変性、LCA、または夜盲症を引き起こすことなく、シュタルガルト病および加齢性黄斑変性症(AMD)を有効に治療する方法が当該分野において必要とされている。
本発明は、脊椎動物の眼における変性疾患の治療法であって、前記脊椎動物に有効量の正帯電レチノイド誘導体、例えば、レチニルアミン誘導体を、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中で投与することを含む方法を提供する。変性疾患は、加齢性黄斑変性症またはシュタルガルト病黄斑変性である。本発明は、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物における光受容体機能を回復する方法であって、前記脊椎動物に有効量の正帯電レチノイド化合物、例えば、レチニルアミンを医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中で投与して、眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせ、眼における光受容体機能を回復することを含む方法を提供する。
脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法であって、前記脊椎動物に有効量の正帯電レチノイド誘導体を医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中で投与することを含む方法が提供される。一つの実施態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチニルアミン誘導体である。さらなる態様において、正帯電レチノイド誘導体は、レチノイドサイクルの異性化工程を阻害する。
脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法であって、前記脊椎動物に、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド化合物を投与し、脊椎動物の眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせる、脊椎動物の眼における光受容体変性を防止することを含む方法あるいは眼における光受容体機能を回復する方法が提供される。一つの実施態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチニルアミン誘導体である。さらなる態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチノイドサイクルの異性化工程を阻害する。
本発明は、脊椎動物の眼における変性疾患を治療する方法であって、前記脊椎動物に、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド誘導体、例えば、レチニルアミン誘導体を投与することを含む方法を提供する。変性疾患は、加齢性黄斑変性症またはシュタルガルト病黄斑変性である。本発明はさらに、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法、または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法であって、前記脊椎動物に,医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド化合物、例えば、レチニルアミン誘導体を投与し、眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせ、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防することを含む方法、または眼における光受容体機能を回復する方法を提供する。
光の吸収および11−シス−レチナールの全トランス型レチナールへの光異性化後、視覚発色団の再生は、光受容体のその暗順応状態への再生において重要な工程である。この再生プロセスは、レチノイド(視覚)サイクルと呼ばれ、光受容体外側部および網膜色素上皮(RPE)において生じる。本発明の実験は、眼における発色団の再生は、レチニルカルボカチオン中間体によりおこり得ることを示唆している。異性化は正帯電レチノイドにより阻害されることを示唆する証拠が提供されている。正帯電レチノイドは、異性化プロセスの遷移状態類似体として作用することができる。レチニルアミン(Ret−NH)およびレチニルアミン誘導体は、インビトロおよびインビボでレチノイドサイクルの異性化工程を強力かつ選択的に阻害することができる。Ret−NHはRPEミクロソーム中タンパク質と結合するが、異性化反応に関与するタンパク質であるRPE65とは結合しない。この阻害剤、正帯電レチノイド誘導体、例えばレチニルアミンの新規対は、13−シス−レチノイン酸(13−シス−RA)よりも特異的に発色団フラックスを制御することができる。後者は、眼以外の多くの他の組織に影響を及ぼすその可能性にもかかわらず、レチノイドサイクルを遅らせることにより、シュタルガルト病の症状を治療することが提唱されている。重要なことに、自発的に異性化して、全トランス型異性体になり得、次に各受容体RXRおよびRARを活性化する13−シス−RAと対照的に、Ret−NHはマイクロモル濃度でRXRおよびRARと相互作用しない。従って、Ret−NHは13−シス−RAに対するさらに安全な代替物のようである。
11−シス−レチニルアミンは、11−シス−レチナールの還元的アミノ化により調製される。アミンはイソメラーゼ、または視覚サイクルに関与するタンパク質であるイソメロヒドロラーゼの強力な阻害剤である。光漂白後のイソメラーゼのインビボ阻害は、視覚色素発色団の回復に至らず、従って、レチナールの形成の予防およびレチニルエステルの増量に至らない。レチナールは、毒性リポフスチン色素A2Eの蓄積に関与し、網膜細胞に対して高い毒性を有し、網膜変性を引き起こす。これは次に、多くの網膜変性疾患、例えば、シュタルガルト病および加齢性黄斑変性症(AMD)に至り、これは患者の視力の喪失につながる。患者を11−シス−レチニルアミンで治療することで、A2Eの形成を予防するか、または遅らせることができ、網膜の保護特性を有し得る。
本発明は、脊椎動物の眼における変性疾患を治療する方法であって、前記脊椎動物に、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量のレチニルアミン誘導体を投与することを含む方法を提供する。異性化反応は、インビトロアッセイおよびマウスにおいて正帯電レチニルアミンにより有効かつ可逆的に阻害される証拠が提供されている。これらの研究は、カルボカチオンメカニズムが異性化プロセスに関与することの裏付け証拠を提供する。これらの知見に基づいて、レチニルアミン類似体は13−シス−RAと比較して、インビボでレチノイドサイクルの阻害に関して優れているようである。脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体の機能を回復する方法であって、前記脊椎動物に、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド化合物、例えば、レチニルアミン誘導体を投与し、眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせ、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防することを含む方法または眼における光受容体の機能を回復する方法が提供される。脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体の機能を回復する方法であって、前記脊椎動物に、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量のレチニルアミン誘導体を投与し、眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせ、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法、または眼における光受容体の機能を回復する方法が提供される。
「レチノイド」は、頭−尾で結合した4つのイソプレノイド単位からなる化合物の種類をさす。IUPAC−IUB生化学命名法に関する合同委員会(Joint Commission on Biochemical Nomenclature)参照。すべてのレチノイドは、5つの炭素−炭素二重結合およびアクリル部分の末端で官能基を含有する単環式親化合物から形式上誘導される。基本的なレチノイド構造は、一般に、3つの部分、すなわち、極性末端(例えば、末端アミン、アルコール、アルデヒドまたは酸)、共役側鎖、およびシクロヘキセニル環または非極性アルキル側鎖に細分される。最も一般的な天然のレチノイドの基本的構造は、レチノール、レチンアルデヒド、およびレチノイン酸と呼ばれる。
「正帯電レチノイド誘導体」とは、正帯電置換基、例えば、第一、第二、第三、または第四アミンを有するレチノイドクラスの化合物をさす。さらなる正帯電置換基としては、これに限定されないが、アミン、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、またはスルホニウム(例えば、SMe )が挙げられる。
本発明の合成レチノイドは、例えば、11−シス−レチニルアミン、13−シス−レチニルアミンまたは9−シス−レチニルアミン、または11−シス−レチニルアミン、13−シス−レチニルアミン、9−シス−レチニルアミンである。ある実施態様において、「合成レチノイド」とは、「合成シス−レチノイド」である。
合成レチノイドは、11−シス−レチニルアミン誘導体、13−シス−レチニルアミン誘導体、または9−シス−レチニルアミン誘導体、例えば、次のもの:非環式レチニルアミン;ポリエン鎖長が変更されたレチニルアミン、例えば、トリエン酸またはテトラエン酸レチニルアミン;置換ポリエン鎖、例えば、アルキル、ハロゲンまたはヘテロ原子置換ポリエン鎖を有するレチニルアミン;トランスまたはシス−ロックされたポリエン鎖などの変更されたポリエン鎖を有するレチニルアミン、または例えば、アレンまたはアルキン修飾を有するレチニルアミン;および環修飾、例えば、複素環、複素芳香族または置換シクロアルカンまたはシクロアルケン環を有するレチニルアミンを包含する。
脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法であって、前記脊椎動物に、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド誘導体を投与することを含む方法が提供される。一つの実施態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチニルアミン誘導体である。さらなる態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチノイドサイクルの異性化工程を阻害する。
一つの実施態様において、脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法は、正帯電レチノイド誘導体が式I:
Figure 2008531586
(式中、
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは、第一、第二、第三または第四アミンであり;
またはRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xは、アニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
一つの態様において、正帯電レチノイド誘導体は全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である。
さらなる態様において、正帯電レチノイド誘導体は11−シス−レチニルアミンである。さらなる態様において、正帯電レチノイド誘導体は9−シス−レチニルアミン、13−シス−レチニルアミン、または全トランス型レチニルアミンである。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における変性疾患を治療または予防する方法は、正帯電レチノイド誘導体が式II:
Figure 2008531586
(式中、
nは1、2、3、または4であり;
+m=1、2、または3;
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グア二ジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法は、正帯電レチノイド誘導体が式III:
Figure 2008531586
(式中、
nは1、2、3、または4であり;
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
一つの態様において、正帯電レチノイド誘導体は11−シス−ロックされたレチニルアミンである。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法は、正帯電レチノイド誘導体が式IV:
Figure 2008531586
(式中、
は独立して、水素、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、OR、SR、またはNRであり、ここで、RおよびRは独立して、H、C〜Cアルキルであり;
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
またはRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、OR10、SR10、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
10、R11、およびR12は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR13であり、ここで、R13はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
一つの態様において、正帯電レチノイド誘導体は全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、および11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法は、正帯電レチノイド誘導体が式V:
Figure 2008531586
(式中、
およびRは独立して、低級アルキル、直鎖アルキル、直鎖、iso−アルキル、sec−アルキル、tert−アルキル、C〜C分岐鎖アルキル、置換アルキル基、置換分岐鎖アルキル、ヒドロキシル、ヒドロアルキル、アミン、またはアミドであり;
、R、R、R、R、またはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
またはRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、OR、SR、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
10、およびR11は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR12であり、ここで、R12はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
一つの態様において、変性疾患は眼におけるリポフスチン色素蓄積の結果である。さらなる態様において、変性疾患は眼におけるN−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミン蓄積の結果である。詳細な態様において、変性疾患は加齢性黄斑変性症またはシュタルガルト病黄斑変性である。
さらなる態様において、レチノイド誘導体は眼に局所投与され、さらにレチノイド誘導体は点眼薬、眼内注射または眼周囲注射により局所投与される。レチノイド誘導体は脊椎動物に経口投与することもできる。
脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復するための方法であって、医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド化合物を投与し、眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせ、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防することを含む方法、または眼における光受容体機能を回復する方法が提供される。一つの実施態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチニルアミン誘導体である。さらなる態様において、正帯電レチノイド誘導体はレチノイドサイクルの異性化工程を阻害する。
一つの実施態様において、方法は、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法は、正帯電レチノイド化合物が式I:
Figure 2008531586
(式中、R、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
またはRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
一つの態様において、正帯電レチノイド化合物は11−シス−レチニルアミンである。さらなる態様において、正帯電レチノイド化合物は全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス」異性体である。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法はまたは脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法は、正帯電レチノイド化合物が式II:
Figure 2008531586
(式中、nは1、2、3、または4であり;
+m=1、2、または3;
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここでR10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法は、正帯電レチノイド化合物が式III:
Figure 2008531586
(式中、nは1、2、3、または4であり;
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
さらなる態様において、正帯電レチノイド化合物は11−シス−ロックされたレチニルアミンである。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法は、正帯電レチノイド化合物が式IV:
Figure 2008531586
(式中、Rは独立して、水素、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、OR、SR、またはNRであり、ここで、RおよびRは独立して、H、C〜Cアルキルであり;
、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
またはRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、OR10、SR10、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
10、R11、およびR12は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR13であり、ここで、R13はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態であるとする。
さらなる実施態様において、レチノイド誘導体は全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である。
さらなる実施態様において、脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法または脊椎動物の眼における光受容体機能を回復する方法は、正帯電レチノイド化合物が式V:
Figure 2008531586
(式中、RおよびRは独立して、低級アルキル、直鎖アルキル、直鎖、iso−アルキル、sec−アルキル、tert−アルキル、C〜C分岐鎖アルキル、置換アルキル基、置換分岐鎖アルキル、ヒドロキシル、ヒドロアルキル、アミン、またはアミドであり;
、R、R、R、R、またはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
またはRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
は独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、OR、SR、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
10、およびR11は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR12であり、ここで、R12はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である)
のレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態を含むものとする。
一つの態様において、変性疾患は、眼におけるリポフスチン色素蓄積の結果である。さらなる実施態様において、変性疾患は、眼におけるN−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミン蓄積の結果である。詳細な態様において、変性疾患は加齢性黄斑変性症またはシュタルガルト病黄斑変性である。
さらなる態様において、レチノイド誘導体は眼に局所投与され、さらに、この場合、レチノイド誘導体は点眼薬、眼内注射または眼周囲注射により局所投与される。レチノイド誘導体は脊椎動物に経口投与することもできる。
特定の実施態様において、合成レチノイドは10−エチル−3,7−ジメチル−ドデカ−2,4,6,8−テトラエニルアミンである。
合成レチノイド化合物およびその誘導体を製造する方法は、例えば、次の文献において開示されている:Anal. Biochem. 272:232−42、1999;Angew、Chem.36:2089−93、1997;Biochemistry 14:3933−41、1975;Biochemistry 21:384−93、1982;Biochemistry 28:2732−39、1989;Biochemistry 33:408−16、1994;Biochemistry 35:6257−62,1996;Bioorganic Chemistry 27:372−82、1999;Biophys. Chem. 56:31−39、1995;Biophys. J. 56:1259−65、1989;Biophys. J. 83:3460−6、2002;Chemistry 7:4198−204、2001;Chemistry (Europe) 5:1172−75、1999;FEBS 158:1、1983;J. American Chem. Soc. 104:3214−16、1982;J. Am. Chem. Soc. 108:6077−78、1986;J. Am. Chem. Soc. 109:6163、1987;J. Am. Chem. Soc. 112:7779−82、1990;J. Am. Chem. Soc. 119:5758−59、1997;J. Am. Chem. Soc. 121:5803−04、1999;J. American Chem. Soc. 123:10024−29、2001;J. American Chem. Soc. 124:7294−302、2002;J. Biol. Chem. 276:26148−53、2001;J. Biol. Chem. 277:42315−24、2004;J. Chem. Soc. − Perkin T. 1:1773−77,1997;J. Chem. Soc. − Perkin T. 1:2430−39、2001;J. Org. Chem. 49:649−52、1984;J. Org. Chem. 58:3533−37、1993;J. Physical Chemistry B 102:2787−806、1998;Lipids 8:558−65;Photochem. Photobiol. 13:259−83、1986;Photochem. Photobiol. 44:803−07、1986;Photochem. Photobiol. 54:969−76、1991;Photochem. Photobiol. 60:64−68 (1994);Photochem. Photobiol. 65:1047−55、1991;Photochem. Photobiol. 70:111−15、2002;Photochem. Photobiol. 76:606−615、2002;Proc. Natl Acad. Sci. USA 88:9412−16、1991;Proc. Natl Acad. Sci. USA 90:4072−76、1993;Proc. Natl Acad. Sci. USA 94:13442−47、1997;and Proc. R. Soc. Lond. Series B、Biol. Sci. 233(1270):55−76、1988(その開示は本明細書の一部として参照される)。
レチニルエステルは、当該分野において公知の方法、例えば、レチノールのカルボン酸での酸触媒エスエル化、カップリング試薬、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの存在下でのレチナールのカルボン酸との反応、またはトリフェニルホスフィンおよびジエチル(イソプロピル)アゾジカルボキシレートの存在下でのレチノールとカルボン酸の間のミツノブ反応、酸ハライドのレチノールとの反応、酸無水物のレチノールとの塩基触媒反応、レチニルエステルのカルボン酸でのエステル交換反応、第一ハライドのレチノイン酸のカルボン酸塩との反応などにより形成することができる。実施態様例において、レチニルエステルは、レチノールのカルボン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、コハク酸、フマル酸などでの酸触媒エステル化により形成することができる。もう一つ別の実施態様例において、レチニルエステルはアシルハライドのレチノールとの反応により形成することができる(例えば、Van Hooserら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、97:8623−28、2000参照)。好適なアシルハライドとしては、例えば、アセチルクロリド、パルミトイルクロリドなどが挙げられる。
レチニルエーテルは、当該分野において公知の方法、たとえば、レチノールの第一アルキルハライドとの反応により形成することができる。
ある実施態様において、UV光に露光することにより、トランスレチノイドを異性化して、シス−レチノイドにすることができる。例えば、全トランス型レチナール、全トランス型レチノール、全トランス型レチニルエステルまたは全トランス型レチノイン酸を異性化して、それぞれ、9−シス−レチナール、9−シス−レチノール、9−シス−レチニルエステルまたは9−シス−レチノイン酸にすることができる。本明細書においてさらに記載するように、約365nmの波長を有し、シス−レチノイドの分解の原因となる短波長が実質的にないUV光に露光することにより、トランスレチノイド異性化して、9−シス−レチノイドにすることができる。
レチニルアセタールおよびヘミアセタールは、例えば、酸触媒の存在下で9−シスおよび11−シス−レチノールをアルコールで処理することにより調製できる。反応の間に形成される水は、例えば、モレキュラシーブのAlにより除去される。
レチニルオキシムは、例えば、レチナールのヒドロキシルアミン、O−メチル−またはO−エチルヒドロキシルアミンなどとの反応により調製できる。
過剰のレチノイド(例えば、過剰の11−シス−レチノールまたは11−シス−レチナール)、過剰のレチノイド廃棄物または全トランス型レチナールのリサイクルにおける中間体などを有する合成レチニルアミン誘導体を脊椎動物の眼に投与できる。脊椎動物の眼は典型的には野生型オプシンタンパク質を含む。脊椎動物の眼における内因性レチノイドレベル、およびかかるレチノイドの過剰または不足を測定する方法は、例えば、米国仮特許出願60/538,051(2004年2月12日出願)(その開示は本発明の一部として参照される)に開示されている。脊椎動物の眼における内因性レチノイドレベル、および過剰のかかるレチノイドを測定する他の方法は、例えば、対象からのサンプルにおけるレチノイドの高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析を包含する。例えば、レチノイドレベルまたはこのようなレベルにおける過剰は、対象からの血液サンプルから決定できる。
具体例において、血液サンプルを対象から得ることができ、サンプル中のレチノイドのタイプおよびレベルを順相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)(例えば、HP1100 HPLCおよびBeckman、Ultrasphere−Si、4.6 mm x 250 mmカラム、10%酢酸エチル/90%ヘキサンを1.4ml/分の流速で使用)により分離し、分析することができる。レチノイドを、例えば325nmでダイオード−アレー検出器およびHP Chemstation A.03.03ソフトウェアを用いて検出できる。レチノイドにおける過剰は、例えば、サンプル中のレチノイドの特性を正常な対象からのサンプルと比較することにより決定できる。
本明細書において用いられる場合、内因性レチノイド、例えば、11−シス−レチノールまたは11−シス−レチナールの増加または過剰レベルは、同じ種の脊椎動物の健康な眼において見られるものよりも低い内因性レチノイドのレベルを意味する。合成レチニルアミン誘導体は内因性レチノイドについて要件を容認できる。
本明細書において用いられる場合、「予防」および「予防的に」とは、合成レチニルアミン誘導体を受容しない比較脊椎動物視覚系と比較して、脊椎動物の視覚系の変性またはさらなる変性あるいは悪化またはさらなる悪化を予防するための合成レチニルアミン誘導体の投与を意味する。「回復」なる用語は、合成レチニルアミン誘導体を受容しない比較脊椎動物視覚系と比較して、脊椎動物視覚系における光受容体機能の長期(例えば、数週間または数ヶ月で測定)改善を意味する。「安定化する」なる用語は、合成レチニルアミン誘導体を受容しない比較脊椎動物視覚系と比較して、脊椎動物視覚系におけるさらなる変性またはさらなる悪化の最小化を意味する。
一つの態様において、脊椎動物の眼は、レーバー先天性黒内障(LCA)を有するとして特徴づけられる。この疾患は、出生後またはその後まもなくの小児に影響を及ぼす非常にまれな幼少期症状である。これは眼における桿体および錐体の両方に影響を及ぼす。例えば、RP65およびLRATタンパク質をコード化する遺伝子におけるある突然変異はLCA中に含まれる。両遺伝子における突然変異の結果、個体が11−シス−レチナールを適量で生成できなくなる。従って、11−シス−レチナールは、存在しないか、または減少した量で存在する。RP65が欠損した個体において、レチニルエステルがRPE中に蓄積する。LRATが欠損した個人はエステルを形成することができず、その後、過剰のレチノイドを分泌する。LCAに関して、合成レチナール誘導体を用いて、存在しないか、または枯渇した11−シス−レチナールを置換することができる。
もう一つ別の態様において、脊椎動物の眼はシュタルガルト病またはシュタルガルト病黄斑変性を有すると特徴づけられる。ABCRトランスポーターにおける突然変異を伴うシュタルガルト病において、全トランス型レチナールの蓄積は、網膜細胞に対して毒性であり、網膜変性を引き起こし、最終的には失明の原因となるリポフスチン色素A2Eの形成の原因であると提唱されている。
さらに別の態様において、脊椎動物の眼は加齢性黄斑変性症(AMD)を有すると特徴づけられる。様々な実施態様において、AMDは湿潤または乾燥形態であり得る。AMDにおいて、疾患の後期の合併症が、新規血管の網膜下での成長、または網膜萎縮のいずれかの原因である場合に失明が起こる。特定の理論により拘束されることを意図しないが、全トランス型レチナールの蓄積は、網膜細胞に対して毒性であり、網膜変性そして最終的に失明の原因であるリポフスチン色素、N−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミン(A2E)の形成の原因であることが提唱されている。
脊椎動物の眼、例えば哺乳動物の眼において、A2Eの形成は、光依存性プロセスであり、その蓄積は眼における多くのマイナスの効果につながる。これらには、網膜色素上皮(RPE)膜の不安定化、細胞の青色光損傷に対する感作、およびリン脂質の変性障害が含まれる。分子酸素によるA2E酸化の生成物(オキシラン)は培養されたRPE細胞におけるDNA損傷を誘発することがさらに示された。すべてのこれらの因子は、視覚の鋭敏さを徐々に減少させ、最終的には失明につながる。視覚プロセスの間にレチナールの形成を減少させることが可能であるならば、眼におけるA2Eの量の減少につながる。これはRPEおよび網膜の老化を遅らせ、失明を遅らせるかまたは予防する。患者をll−シス−レチニルアミンで治療することは、A2Eの形成を予防するか、または遅らせることができ、網膜に対して保護特性を有し得る。
「治療する」または「治療」とは、症状の軽減;緩和;縮小または損傷、病変、または病気を患者に対してより許容性にすること;変性または減退の速度の遅延;変性の最終点の衰弱度を減少させる;または患者の身体的または精神的健康状態を改善することなどの客観的または主観的パラメータを包含する損傷、病変または病気の治療または改善における成功の兆候を意味する。症状の治療または改善は、健康診断の結果をはじめとする客観的または主観的パラメータに基づく。従って、「治療する」なる用語は、疼痛、痛覚過敏症、異痛症、または侵害受容事象を治療するための本発明の化合物または薬剤の投与を包含する。従って、「治療する」なる用語は、疼痛、痛覚過敏症、異痛症、侵害受容事象、または他の障害に関連する症状または状態の進展を予防または遅延、軽減、阻止または抑制するための、本発明の化合物または薬剤の投与を包含する。「治療的効果」なる用語は、対象における疾患、疾患の症状、または疾患の副作用の減少、排除、または予防を意味する。
「脊椎動物」、「対象」または「患者」または「哺乳動物」とは、本発明の組成物を投与できる任意の脊椎動物または哺乳動物患者または対象を意味する。「脊椎動物」または「哺乳動物」とは、ヒト患者およびヒト以外の霊長類、ならびに実験動物、例えば、ウサギ、ラット、およびマウス、ならびに他の動物を意味する。本発明の具体例において、本発明の方法に準拠した治療のための対象患者を特定するために、標的とされる、または疑わしい疾患または状態を確認するために、あるいは対象においてすでに存在する疾患または状態、例えば、シュタルガルト病の黄斑変性または加齢性黄斑変性症の現状を確認するために、一般に認められたスクリーニング法が用いられる。これらのスクリーニング法としては、例えば、標的とされるかまたは疑わしい疾患または状態に関連する危険因子を確認するための通常の精密検査が挙げられる。これらおよび他の慣例法により、医師が本発明の方法および処方を用いた治療を必要とする患者を選択することが可能になる。
本発明の方法において用いられる化合物は、プロドラッグの形態において存在し得る。「プロドラッグ」は、任意の共有結合した担体であって、活性親薬剤、例えば、式I、II、III、IV、またはV、または他の式、あるいはかかるプロドラッグが哺乳動物対象に投与された場合にインビボで本発明の方法において用いられる化合物を放出するものを包含することを意図される。プロドラッグは医薬の多くの望ましい性質(例えば、溶解度、バイオアベイラビリティー、製造など)を向上させることが知られているので、本発明において用いられる化合物は、所望により、プロドラッグ形態において送達することができる。したがって、本発明は、プロドラッグを送達する方法も想定する。本発明において用いられる化合物のプロドラッグ、例えば、式I、II、III、IV、またはVは、化合物中に存在する官能基を、通常の操作またはインビボのいずれかで、修飾物が開裂して、親化合物になるように修飾することにより調製できる。
従って、プロドラッグは、例えば、本明細書において記載される化合物であって、ヒドロキシ、アミノ、またはカルボキシ基が、プロドラッグが哺乳動物対象に投与された場合に開裂して、それぞれ、遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、またはカルボン酸を形成する任意の基と結合している化合物を包含する。例としては、これに限定されないが、アルコールおよびアミン官能基の酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体;およびアルキル、炭素環、アリール、およびアルキルアリールエステル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、フェニル、ベンジル、またはフェネチルエステルを包含する。
レチニルアミンのプロドラッグの例は、さらに、これに限定されないが、レチニルアミンのアミド誘導体、チオアミド誘導体、カーバメート誘導体、チオカーバメート誘導体、イミド誘導体、スルホンアミド誘導体、イミン誘導体、プロトン化 イミン誘導体、イソシアネート誘導体、またはイソチオシアネート誘導体を包含する。例えば、図11参照。プロドラッグは、例えば、レチニルアミド、レチニルチオアミド、レチニルカーバメート、またはレチニルチオカーバメートである。
化合物は好ましくは、選択された投与経路および、例えば、レミントンの製薬化学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)(Mack Pub. Co.、Easton、PA、1980)(全体として本発明の一部として参照される)に記載されているような標準的製薬実施例に基づいて選択される医薬担体と組み合わせられる。
本発明の化合物は、純粋な化学物質として投与できるが、活性成分を医薬組成物として提供するのが好ましい。本発明は、従って、本発明の1以上のレチニルアミン化合物、またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶性形態を1以上の医薬的に許容される担体および、任意に他の治療および/または予防成分とともに含む医薬組成物を提供する。担体は、組成物の他の成分と適合性であり、その受容者に対して有害でないという意味で許容されなければならない。
シュタルガルト病の黄斑変性、劣性遺伝病は、小児の失明に至る遺伝病である。シュタルガルト病における一次病的欠陥も、毒性リポフスチン色素、例えば、A2Eの網膜色素上皮(RPE)の細胞における蓄積である。この蓄積は、シュタルガルト病患者において見られる光受容体の死および重度の視力喪失に関与するようである。レチニルアミンは、視覚サイクルにおいてイソメラーゼを阻害することにより、ll−シス−レチンアルデヒド(11cRAL)の合成および−5−ロドプシンの再生を遅らせることができる。ロドプシンの光活性化の結果、全トランス型レチナールが放出され、これは、A2E生合成における第一の反応物質を構成する。
レチニルアミン誘導体は、野生型マウスにおけるリポフスチンの年齢依存性蓄積をブロックすることもできる。さらに、レチニルアミンでの治療は、リポフスチン蓄積を阻害し、かくして、シュタルガルト病およびAMD患者における視力喪失の開始を遅らせることができる。レチニルアミン誘導体は、低毒性を有すると予想される。最後に、レチニルアミンは、リポフスチン蓄積に関連する網膜または黄斑変性の他の形態の有効な治療法であり得る。
RPEにおけるA2E蓄積の予防に関して研究が行われてきた。これは、13−シス−レチノイン酸(Accutane(登録商標)またはイソトレチノイン)、挫創の治療に通常用いられる薬剤および11−シス−レチノールデヒドロゲナーゼの阻害剤での治療を包含する。この提案された治療法の主な欠点は、13−シス−レチノイン酸が容易に異性化して、全トランス型レチノイン酸になることである。全トランス型レチノイン酸は非常に強力な催奇性化合物であって、細胞増殖および発達に悪影響を及ぼす。レチノイン酸は肝臓においても蓄積し、肝疾患における重要な要因である。
合成レチニルアミン誘導体の脊椎動物の眼への投与はリポフスチン色素(AE2)(網膜細胞に対して毒性であり、網膜変性の原因である)の形成を予防することができる。ある実施態様においては、合成レチニルアミン誘導体の投与は、不要物、例えば、リポフスチン色素(A2E)の生成を減少させ、失明(例えば、脈絡膜血管新生および/または網脈絡膜萎縮)を軽減または遅らせることができる。
さらに別の態様において、合成レチニルアミン誘導体を対象、例えば、眼においてABCRトランスポーター中に突然変異を有するヒトに投与する。合成レチニルアミン誘導体を、ヒトなどの高齢対象に投与することもできる。本明細書において用いられる場合、高齢のヒト対象は典型的には少なくとも45才、または少なくとも50才、または少なくとも60才、または少なくとも65才である。ABCRトランスポーターにおける突然変異を伴うシュタルガルト病において、全トランス型レチナールの蓄積は、網膜細胞に対して毒性であり、網膜変性、そして最終的には失明を引き起こすリポフスチン色素、A2Eの形成の原因であることが提唱されている。理論により拘束されることを望まないが、レチニルアミン誘導体は、視覚サイクルに含まれるイソメロヒドロラーゼタンパク質の強力な阻害剤であり得る。患者のレチニルアミン誘導体、例えば、11−シス−レチニルアミンでの治療は、A2Eの形成を予防または遅延させることができ、正常視力に対する保護特性を有し得る。
合成レチニルアミン誘導体をヒトまたはヒト以外の脊椎動物に投与することができる。ある実施態様において、合成レチニルアミン誘導体は、約5%未満、または約1%未満、または約0.1%未満の他のレチノイドを含有する点で実質的に純粋である。他の実施態様において、合成レチニルアミン誘導体の組み合わせを投与することができる。
合成レチニルアミン誘導体を任意の好適な手段、例えば、経口または局所投与により眼に送達することができる。投与様式は、例えば、点眼薬、眼内注射または眼周囲注射を含み得る。眼周囲注射は、典型的には合成レチニルアミン誘導体を結膜中またはテノン(眼を覆う繊維状組織)に注射することを含む。眼内注射は典型的には、合成レチニルアミン誘導体を硝子体中に注射することを含む。ある実施態様において、投与は非観血的、例えば、点眼薬または経口投与形態である。
医薬的に許容されるビヒクルならびに当該分野において慣例的に用いられる技術を用いて、合成レチニルアミン誘導体を処方することができる。ビヒクルは、合成レチニルアミン誘導体の溶解度に従って選択される。好適な眼科組成物は、点眼薬、注射などにより、眼に局所投与可能なものを包含する。点眼薬の場合、処方はさらに、任意に、例えば、眼科的に適合性の薬剤、例えば、等張化剤、例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリンなど;緩衝剤、例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど;界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80とも呼ばれる)、ポリオキシルステアレート40、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油など;安定剤、例えば、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムなど;保存料、例えば、ベンザルコニウムクロリド、および他の成分を包含する。保存料は、例えば、約0.001〜約1.0%重量/体積の量で用いることができる。処方のpHは通常、眼科処方に対して許容できる範囲内、例えば、約pH4〜8の範囲内である。
注射に関して、合成レチニルアミン誘導体は注射グレードの塩溶液、注射可能なリポソーム溶液などにおいて提供することができる。眼内および眼周囲注射は当業者には公知であり、多くの刊行物、例えば、Spaeth編、Ophthalmic Surgery: Principles of Practice、 W. B. Sanders Co.、Philadelphia、Pa.、85−87、1990において記載されている。
好適な経口投与形態は、例えば、錠剤、丸薬、サシェ、あるいはハードまたはソフトゼラチン、メチルセルロースまたは消化管中で容易に溶解する別の好適な物質のカプセルを包含する。例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、シュークロース、炭酸マグネシウムなどを包含する、好適な非毒性固体担体を使用できる。(例えば、Gennaro、Ed.、Remington “Pharmaceutical Sciences”、第17版、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1985参照)。
合成レチニルアミン誘導体の用量は、対象の臨床状態、症状、および年齢、投与形態などに応じて好適に選択できる。点眼薬の場合、合成レチニルアミン誘導体を、例えば、単回投与あたり約0.01 mg、約0.1 mg、または約1 mgから約25 mg、約50 mg、約90 mgまでで投与できる。点眼薬を1日あたり1回以上投与できる。注射の場合、好適な用量は、例えば、約0.0001 mg、約0.001 mg、約0.01 mg、または約0.1 mg〜約10 mgから約25 mg、約50 mg、または約90 mgまでの合成レチニルアミン誘導体を、1週あたり1〜4回投与できる。別の実施態様において、約1.0〜約30 mgの合成レチニルアミン誘導体を1週あたり1〜3回投与できる。
経口用量は、典型的には、約1.0〜約1000 mgの範囲であり、1日あたり1〜4回、またはそれ以上である。用量例は、経口投与については、約10〜約250 mg、1日あたり1〜3回である。
他の実施態様および用途は本開示の観点から当業者には明らかであろう。以下の実施例は、単に本発明の様々な態様の例示のためのものであって、本発明をなんら限定するものではない。
(実施例)
レチニルアミンは異性化反応の有効かつ特異的阻害剤である。
11−シス−レチニルアミン(11−シス−Ret−NH)が異性化およびエスエル化に影響を及ぼすかどうかを調べるために、インビトロアッセイを用いた。このアッセイにおいて、LRATにより触媒された反応において形成される全トランス型レチニルエステルおよびイソメラーゼによる11−シス−レチノール生成を測定した(6)。精製されたRPEミクロソームは酵素の供給源であり、全トランス型レチノールは基質であった。11−シス−Ret−NHは11−シス−レチノール産生をIC50 = 70 nMで強く阻害し(図2A)、一方、エステルの形成は影響を受けなかった(図2A)。Ret−NHによる異性化の阻害は、CRALBPの結合またはCRALBPに対する結合についての11−シス−レチノールとの競合のためではない。このことは、CRALBP濃度が6から30μMに増大することは、11−シス−レチノールの産生に影響を及ぼさないという事実により証明される。反応阻害剤の存在下で混合物から単離されるCRALBPと結合するレチノイドの分析は、有意な量の11−シス−Ret−NHを示さなかった。全トランス型レチノールの増大した濃度は、図2Bにおいて示されるように、阻害のレベルを低下させた。このことは、Ret−NHおよびレチノールが同じ結合部位について競合することを示唆する。標準的アッセイ条件におけるDixon’sおよびLineweaver−Burkプロットは、全トランス型レチノール(K = 0.3 μM)が基質であると見なされる場合に、Ret−NHについてK = 0.1μMを示した。HPLC分析は、アッセイの開始時および最終時でのRet−NHの量は変わらず(5%以内)、非阻害N−パルミトイルレチンアミド以外の中間体はインビトロ実験の過程で形成されなかったことを示す。この推定値は、11−シス−Ret−NHによる阻害の非常に有効な性質を反映する。
阻害の特異性を試験するために、Ret−NHの異なる異性体および誘導体を合成し、試験した。11−シス−Ret−NH(図2CおよびD、化合物I)は最も有効な阻害剤であり、9−シス、13−シス、および全トランス型Ret−NHは低い有効性レベルを有し、それぞれIC50=640、730、および500 nMであった(図2C、D、化合物II、III、およびIV)。Ret−NHの非環式類似体は低いが、11−シス−Ret−NHに匹敵する有効性を有し、10μM濃度でイソメラーゼを75%阻害した(図2D、化合物V)。N−ヒドロキシレチニルアミン(還元オキシム、図2D、化合物VI)はさらに高いIC50を有していた。興味深いことに、C13−14二重結合の飽和は、効力を11−シスおよび全トランス型異性体について約10倍低下させ、このことは、プロトン化アミンのベータ位での二重結合の存在は阻害に重要であることを示唆する(図2D、化合物 VIIおよびVIII)。Ret−NHのN−アルキル化誘導体は異性化を有効に阻害せず、このことは、これらの類似体がイソメラーゼの結合ポケットに最適に適合しないことを示唆する(図2D、化合物IX、X、およびXI)。Ret−NHおよびその誘導体はイソメラーゼの基質でない。全トランス型チオレチノールも全トランス型13,14−ジヒドロレチノールも異性化に影響を及ぼさないので、阻害はアミノ誘導体に対して特異的であった。
図2Aは、Ret−NHおよびその誘導体による11−シス−レチノールイソメラーゼ活性の阻害を示す。A.11−シス−Ret−NHは、LRAT活性に影響を及ぼすことなくインビトロで低μMにおいてイソメラーゼ活性を阻害する。灰色の棒グラフおよび白色の棒グラフは、11−シス−Ret−NHの増大する濃度の関数としての、それぞれ11−シス−レチノールおよび全トランス型レチニルエステルの相対量に相当する。B.初期反応速度(v)および全トランス型レチノールおよび11−シス−Ret−NHの異なる濃度間の関係。プロットされたグラフは、Ret−NHによるイソメラーゼの阻害が可逆性であり、全トランス型レチノールにより匹敵することを示す。C.異なるRet−NH異性体によるイソメラーゼ阻害の効力。D.Ret−NH類似体によるイソメラーゼアッセイにおける11−シス−レチノール産生の阻害。
Ret−NHの特異性を、生化学アッセイによりさらに試験した。実験は、阻害剤がRPEタンパク質と結合し、RPE、RPE65の最も豊富なタンパク質と結合しないことを示した。RPEミクロソームをDHPCで可溶化させた場合、イソメラーゼ活性は少しだけ減少した。次に、[H]−Ret−NHをRPE抽出物に添加し、ゲル濾過カラム上にかけた。タンパク質を分別し、フラクション18から60の間で溶出し(図3A)、その間、放射能がフラクション36〜38において溶出した。RPE65をフラクション23〜34における免疫ブロット法により同定した(図3B)。このフラクションにおける最も豊富なタンパク質が質量分析により同定され、グルコースホスフェートイソメラーゼ、D−グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、エノラーゼ、アネキシンV、カルビンジン2、およびLRATを包含する。それほど豊富でないタンパク質の同定は進行中である。この放射性溶出特性は、形成された[H]−Ret−NHはRPE65と異なるタンパク質と複合体を形成したことを示唆する。LRATはクロマトグラムのほとんどのフラクションにおいて溶出され、このことは、複数のオリゴマータンパク質−界面活性剤複合体が抽出物中に存在することを示唆する(図3B)。対照実験において、異性化反応を弱く阻害するレチノイド、例えば、レチノイン酸、全トランス型レチノール、およびRet−NHアセチルアミド(XIII)は、空隙容量中または低分子量化合物とともに溶出した。しかしながら、強力な阻害剤、Ret−NHの非環式類似体(V)は、Ret−NHと同様に、フラクション36〜38中に溶出した。熱変性タンパク質を用いた対照実験において、[H]−Ret−NHはフラクション48〜60中に溶出し、このことは、特異的結合が非変性タンパク質を必要とすることを示唆する。直接分析において、Ret−NHはRPE中に存在するレチノールデヒドロゲナーゼまたはレチニルアセテートヒドロラーゼ(Kuksaら、Vision Res 43:2959−81、2003)を阻害しなかった。
図3は、RPEタンパク質のゲル濾過クロマトグラフィーを示す。RPEミクロソームを10 mM DHPCで可溶化し、11,12−ジ[H]−全トランス型Ret−NH (1μM)とともにインキュベートし、4mM DHPCを含有するTris/HCl緩衝液(pH7.5)で平衡化した。タンパク質を一定流速0.4 ml/分で溶出させた。0.4mlフラクションのタンパク質および放射性レベルをSDS−PAGE、シンチレーションカウンティング(A)、ならびに抗RPE65および抗LRAT抗体での免疫ブロット(B)により検査した。星印は、最大放射性に関連するフラクションを示す。
レチニルアミンは、治療されたマウスにおける発色団および視覚機能の回復に影響を及ぼす。
レチニルアミン(Ret−NH)は、強い照明に露光された後、マウスにおいて11−シス−レチナールの再生を特異的に阻害する。この実験において、全トランス型Ret−NHは、11−シス異性体よりも安定で、利用可能であるので、阻害剤として選択された。マウスに全トランス型Ret−NHを強制摂取させ、20分間強い光に露光し、次いで暗所で5時間回復させた。すべての実験における異なる形態のレチノイドの合計量は変化しなかった。治療されたマウスにおいて、残留量の11−シス−レチナールのみが存在し(ピーク2および2’、図4A、真ん中のパネル)、一方、未処置のマウス11−シス−レチナールは完全に回復した(ピーク2および2’、図4A、一番上のパネル)。全トランス型レチニルエステルのレベルは、対照と比較して、処置動物において上昇し(図4A、ピーク1、真ん中のパネル)、このことは、LRAT活性が、インビボで本発明者らのインビトロ結果にしたがって影響を受けないことを示す。全トランス型Ret−NHでの処置は、処置された動物における9−シス−レチノールの取り込み、輸送または酸化に影響しなかった(図4A、3番目のパネル)。この実験に関して、マウスを9−シス−レチノールおよび全トランス型Ret−NHの両方で処置し、24時間後に漂白し、5時間暗所で回復させた。9−シス−レチナールの存在が処置動物において確認された(図4Aにおけるピーク4および4’、一番下のパネル、それぞれ、syn−およびanti−9−シス−レチナールオキシムに対応する)。11−シス−レチナールは、Ret−NHでの処置後に還元および/またはエステル化されなかった。 このことは、全トランス型Ret−NHが、予想されるように、ロドプシンの結合ポケット、RPE、または光受容体デヒドロゲナーゼによる酸化/還元、あるいはRPEから、またRPEへの輸送に対して、発色団と競合しなかったことを示唆する。このことは、Ret−NHが異性化反応の特異的阻害剤であるという考えを裏付ける。
Ret−NH処置および20分高強度露光後の発色団回復の5および24時間用量依存性を図4Bに示す。Ret−NH−処置された動物は、未処置動物よりもかなりゆっくりと発色団を回復した(5時間回復についてIC50=2 mg/kg、図4B、黒丸)。Ret−NHの発色団回復に対する影響は可逆的で、これは、マウスを暗所中24時間保持した後に発色団のレベルが5時間と比較して増大したという事実により証明される(24時間回復についてIC50 = 24 mg/kg、図4B 白丸)。全トランス型Ret−NH(50 mg/kg)で処置され、露光されていないマウスは、30時間後に眼中で正常なレチノイドレベルを有していた。13−シス−RAはインビトロ、ならびに処置された動物においてレチノイドサイクルを阻害することが証明された。Raduら、Proc Natl Acad Sci U S A 100、4742−7、2003;Sievingら、Proc Natl Acad Sci U S A 98、1835−40、2001。Ret−NHの効力を13−シス−RAと平行して試験した。本発明者らのアッセイの条件において、13−シス−RA(50 mg/kg)は無効であった(図4B、赤い三角)。Ret−NHは、長期の光処理により光受容体11−シス−レチナールのすべてが光異性化して、全トランス型になった後に、発色団の回復を完全にブロックする(図7)。かくして、Ret−NHは13−シス−RAと比較して、異性化反応のより特異的かつ非常に有効な阻害剤である。
図4は、レチニルアミンがインビボでの視覚発色団の再生を阻害することを示す。A.WTマウス眼からの非極性レチノイドのクロマトグラフィー分離。Ganzfeldチャンバー中で150 cd・m−2 Wで20分間漂白する24時間前にマウスに全トランス型Ret−NHを強制摂取させた。11−シス−レチナールの再生を暗所中24時間許容し、レチノイドを眼から抽出し、物質および方法に記載されるように、順相HPLCにより分離した。溶出時間および次のレチノイド:1、全トランス型レチニルエステル;2,2’、syn−およびanti−11−シス−レチナールオキシム;3、syn−全トランス型レチナールオキシム;4,4’、syn−およびanti−9−シス−レチナールオキシム;5、全トランス型レチノールに対応する吸収スペクトルに基づいてピークを同定した。B.5時間または24時間の暗順応の間の全トランス型Ret−NHの増大する用量での11−シス−レチナールオキシムレベルの変化。四角は、漂白直後にレチノイドを含まない植物油を強制摂取させたマウス中に存在する11−シス−レチナールオキシムのレベルを示し、矢印は、5時間の暗順応の間の視覚発色団の増加を示す。三角は、50 mg/kgの13−シス−RAを強制摂取させたマウスにおいて見られる11−シス−レチナールのレベルに相当する。CおよびD.全トランス型Ret−NH処置されたマウスおよび対照マウスについて増加する強度の1回フラッシュERG応答。増加するフラッシュ刺激に対して一連の反応が、選択された強度(C)について全トランス型Ret−NH処置されたマウスおよび対照マウスについて得られ、漂白前ならびに漂白後5時間および24時間で暗順応条件下(D)での様々な光強度に対するa波およびb波の関数としてプロットした。暗順応したマウスを強い一定の照明(150 cd・m−2)で20分間漂白した。全トランス型Ret−NH処置されたマウスからの応答は、1回量(50mg/kg)の投与により対照マウスと比較して有意に弱められた(P<0.0001、ワンウェイANOVA)。SEバーが示される。
図7は、明順応条件において、全トランス型Ret−NH2処置されたマウスおよび対照マウスについて増大する強度の1回フラッシュERG応答を示す。増大するフラッシュ刺激に対する一連の反応が、選択された強度について全トランス型Ret−NH2処置されたマウスおよび対照マウスについて得られ(A)、強い一定の照明(150 cd・m−2)で20分間漂白する前ならびに漂白後5時間および24時間での明順応条件下での光強度に対するa波およびb波(B)の関数としてプロットした。全トランス型Ret−NH2処置されたマウスからの応答は、対照マウスと比較して、1回量の投与(50 mg/kg)により若干弱められた(p>0.1、ワンウェイANOVA)。SEバーが示される。
Ret−NH−処置されたマウスのレチノイドの分析から誘導された結論は、視覚機能のERG分析により裏付けられた。ERG応答は、全トランス型Ret−NH投与での11−シス−レチナール再生における減少により有意に影響を受けた。全トランス型Ret−NHの増加する濃度の1回量(0.5〜100 mg/kg)を経口強制摂取によりマウスに送達した。処置されたマウスは全身毒性の症状、例えば、減量または胃腸管傷害を示さなかった。次に、全トランス型Ret−NH投与の、野生型マウスの視覚生理に対する影響を、インビボでERGを用いて評価した。暗順応ERGを全トランス型Ret−NH強制摂取(50 mg/kg)後24時間ならびに強力漂白後5および24時間後に連続して行った。処置されたマウスは漂白に得られる記録について正常な波形および応答を示した。しかしながら、20分の一定照明および5時間の暗順応後、処置されたマウスからのa波およびb波振幅は有意に弱められ、24時間後でもそのままであった(P<0.0001、ワンウェイANOVA)。対照的に、対照マウスの暗順応状態は漂白の5時間後に完全に回復した(図4CおよびD)。明所ERG状態を使用して錐体機能を試験した。錐体機能の回復は、全トランス型Ret−NHにより桿体機能と同程度に影響を受けなかった。これは、錐体が桿体よりも速く発色団を回復させることができ、強力な漂白後でさえも飽和せず、低レベルの再生錐体色素でこれらを作動させるという事実の結果である(図6)。
図6は、レチニルアミンが強力な漂白後にインビボで視覚発色団の再生を阻害することを示す。非極性レチノイドのWTマウスの眼からのクロマトグラフィー分離。マウスに100 mg/kgの全トランス型Ret−NHを漂白の24時間前に強制摂取させた。マウスを次に500 cd ・m−2に48時間露光させ、Ganzfeldチャンバー中で漂白した。11−シス−レチナールの再生を暗所で24時間行い、レチノイドを眼から抽出し、物質および方法において記載されているように順相HPLCにより分離した。溶出時間および吸収スペクトルに基づいて特定されたピークは、次のレチノイドに相当する:1、全トランス型レチニルエステル;2,2’、syn−およびanti−11−シス−レチナールオキシム;3,3’syn−およびanti−全トランス型レチナールオキシム;4、全トランス型レチノール。
13−シス−RAは異性化して、全トランス型RAになり、次いで9−シス−RAになることができ、これらはどちらも、RAレセプター(RAR)の有効なリガンドである。9−シス−RAもレチノイドXレセプター(RXR)と結合し、活性化する。これは、RARおよびRXRリガンドの毒性の一因となる。前述のようなレセプター細胞を用いて、Ret−NHがこれらの核レセプターを活性化できるかどうかを調査した(20)。β−ガラクトシダーゼ活性アッセイを用いて、全トランス型RA、9−シス−RA、およびRet−NHがこれらの核レセプターの作用物質であるかどうかを調べた。全トランス型RAおよび9−シス−RAと対照的に、全トランス型Ret−NHはRARまたはRXRのいずれかによりマイクロモル濃度でタンパク質転写を活性化しない(図8および9)。
図8は、F9−RARE−lacZレポーター細胞系のレチニルアミンに対する応答を示す。F9−RARE−lacZ細胞は、内因性RARおよびRXRを発現し、lacZの構造と最小プロモーターの制御下で、DR5エレメントの上流にトランスフェクトされた(1)。F9−RARE−lacZ細胞を異なる用量の全トランス型RAまたはRet−NH2で24時間処理し、その後、細胞を収穫し、可溶性基質o−ニトロフェニルβ−D−ガラクトピラノシドを用いてβ−ガラクトシダーゼ活性を測定した。無色基質をβ−ガラクトシダーゼにより開裂させて、黄色o−ニトロフェノールを得、分光光度計を用いて、その吸光度を420 nmで測定した。実験を2回繰り返して、同様の結果を得た。RAREレポーター細胞系F9−RARE−lacZ(SIL15−RA)はMichael Wagner博士(SUNY Downstate Medical Center)およびPeter McCaffery博士(University of Massachusetts Medical School)からの贈り物であった。RA−反応性F9細胞系を、イー・コリ(E. coli)lacZ遺伝子の上流に配置されたヒトRAレポーター−β遺伝子(RARβ)由来のRAREエレメントのレポーター構造でトランスフェクトした。(1)細胞を、N3補足物および抗生物質を含有するL15−CO培地中で成長させた。細胞を24時間暗所中、37℃、100%湿度で、EtOH中に表示された濃度で溶解させたRAまたはRet−NHで刺激し、溶解させ、β−ガラクトシダーゼ酵素分析システム(Promega、Madison WI)を用いてβ−ガラクトシダーゼの発現について分析した。Wagner、M.、Han、B. & Jessell、T. M.(1992) Development 116、55−66(本発明の一部として参照される)。
図9は、レチニルアミンによるDR1−エレメントの活性化を示す。HEK−293細胞をlacZの構造で、最小プロモーターおよび5つの連続した上流DR1エレメントの制御下でトランスフェクトした。(上)HEK−293細胞をDR1−レポーター構造およびマウスRXRαの両方で、CMVプロモーターの制御下で同時トランスフェクトした。細胞を次いで、表示されたレベルの全トランス型RA、9−シス−RA、またはRet−NHで48時間処理した。細胞を収穫し、β−ガラクトシダーゼ活性を物質および方法において記載されたようにして分析した。(下)DR1−レポーターでトランスフェクトされた細胞を異なる用量の全トランス型RA、9−シス−RA、またはRet−NHで、RXRの不在下で48時間処理した。細胞を収穫し、β−ガラクトシダーゼ活性を物質および方法において記載されたようにして分析した。逆転写されたマウス肝臓cDNAからのプライマー3’−GGGCATGAGTTAGTCGCAGA−5’および3’−AGCTGAGCAGCTGTGTCCA−5’を用いてマウスRXR−αをクローンした。RXR−αORFを次いでpcDNA3.1単一方向TOPOベクター(Invitrogen、Carlsbad CA)中に、プライマー3’−CACCATGGACACCAAACATTTCCT−5’および3’−AGCTGAGCAGCTGTGTCCA−5’を用いてサブクローンした。ベクターRXRからのRXREエレメント(2)半透明レポーターベクター(Panomics、Redwood City、CA)を、プライマー3’−CTCAACCCTATCTCGGTCTATTCT−5’および3’−ATGCCAGCTTCATTATATACCCA−5’を用いて増幅させ、最小プロモーターおよびpBLUE−TOPO(Invitrogen)のβ−ガラクトシダーゼの上流にクローンした。これはβ−ガラクトシダーゼの上流に5つの連続したDR1エレメントを配置し、その発現は、RXRの活性化およびRXRホモダイマーの形成に依存する。突然変異が存在しないこと確実にするために、全構造の両鎖を並べた。リポフェクタミン2000(Invitrogen)を用い、製造業者のプロトコルに従ってHEK−293細胞を一時的にトランスフェクトし、次いで24時間後、24穴プレートに分割して、等しい数のトランスフェクトされた細胞が各アッセイウェル中に確実にあるようにした。細胞を適当な濃度のRA、9−シス−RA、またはRet−NHで刺激した。β−ガラクトシダーゼの発現を前記のようにして48時間後に分析した。
次に、RA酸化経路を調べた。CYP26A1でトランスフェクトされたHEK−293細胞を用いて、cDNA RAは容易に酸化して、4−オキソ−、4−ヒドロキシ−、および18−ヒドロキシ−代謝体になることが判明し、一方、ヒドロキシ−またはオキソ−Ret−NHが存在することの証拠はない。この観察は、Ret−NHがチトクロームP450 CYP26酵素の経路により直接代謝されないことを示す。分泌に加えて、Ret−NHはまず脱アミノ化により分解して全トランス型レチノール/レチナールになり、これは、Ret−NH処理された細胞において増大することが観察された。分泌に加えて、Ret−NHをアミド化して、処置されたマウスの肝臓サンプルおよび標準の化学合成のHPLCおよび質量分析により確認されるように、N−レチニルパルミトアミドにした。N−レチニルパルミトアミド(XII)は異性化を阻害しないが、このアミドおよびN−レチニルアセトアミド(XI)もマウスにおける再生の有効な阻害剤であった。これらの観察は、アミドが貯蔵され、加水分解されて、遊離アミンに戻る際、RetNHの長時間持続する効果を説明する。
図10は、レチニルアミドが、レチニルアミドでの処理後のマウスにおける視覚発色団の再生を阻害することを示し、レチニルアミドの強制摂取によりマウスを処理することは、遊離レチニルアミンの場合に遊離レチナールの量を減少させることにより影響を及ぼすことを示す。図10は、阻害剤での処理および光漂白後のマウスの眼における11−シス−レチナールの相対量を示す。マウスに植物油中阻害剤の溶液(対照、非処置、RPN−レチニルパルミトアミド、RAN−レチニルアセトアミド、Ret−NH−全トランス型レチニルアミン)を強制摂取させ、暗所で16時間保持し、次いで光刺激し、暗所でさらに5時間保持した後、その眼を分析した。アミドの効果は遊離レチニルアミンと同じであった。
全トランス型レチノール異性化のメカニズムおよび網膜疾患の病因を研究するための新規手段
異性化メカニズムを研究する過程で、レチノイドサイクルの鍵酵素の特異的かつ有効な阻害剤が見出された(McBeeら、Prog Retin Eye Res 20:469−552、2001)。異性化反応を行う酵素は知られていないが、異性化のメカニズムに関して、2、3の異なる理論が出てきている。一つのメカニズムにおいて、全トランス型レチニルエステルは、エステル加水分解のエネルギーをC11−12二重結合の吸熱性異性化と結びつける仮想酵素であるイソメロヒドロラーゼの直接的基質である(Rand、Biochemistry 30:595−602、1990)(図1A)。異性化反応に関する多くの観察がイソメロヒドロラーゼ仮説に疑問を投げかけている(Kuksaら、Vision Res 43:2959−81、2003)。これらの矛盾を調整するために、第二のメカニズムが提案され、これは異なる答えならびに異性化工程に関する疑問を提示している。提案されたメカニズム(図1B)において、まだ同定されていない中間体が酸素原子でプロトン化を受け、これは最終的にカルボン酸の除去につながり、全トランス型レチノールがレチニルカルボカチオンとして残る。正電荷は共役二重結合全体にわたって非局在化している(図1B)。結果は、Ret−NH がカルボカチオンメカニズムにおいて遷移状態類似体を模倣することを示唆している。11−シス−Ret−NHは全トランス型よりも有効な阻害剤であるので、レチニルカルボカチオン様構造は11−シス−レチナール構造と類似している可能性がある。
本発明者らのインビトロおよびインビボ実験からの観察は、Ret−NHが異性化プロセスの特異的阻害剤であることを示す。インビトロアッセイは、この化合物がLRAT、レチノールデヒドロゲナーゼ、またはレチニルエステルヒドロラーゼを阻害しないことを証明する。さらに、Ret−NHはCRALBPまたはRPE65と結合しない。最も有効な阻害剤は11−シス−Ret−NHであり、アミノ基(N−レチニルヒドロキシルアミンを除く)の修飾は、有効性を低下させ、このことは、化合物が活性部位にぴったりと適合していることを示唆する。N−レチニルヒドロキシルアミンの場合、−NHOH基が−NH 基と置換されているために水素結合網目構造があり、この化合物は酵素の結合部位においてプロトン化され得る。試験されたレチノイドのほとんどは、中性pHでプロトン化され、この特性は、プロトン化阻害の必須条件であるらしい。嵩高いRet−NH誘導体、例えばN−アルキル−Ret−NHは良好な阻害剤でなく、たぶんイソメラーゼの結合ポケット中にうまく適合しない。この観察に基づいて、実際の基質は嵩高い疎水性レチニルエステルではなく、おそらくはより極性が高く、置換されにくい成分、例えば、レチノールまたは低分子量レチニルエステルであるという仮説が立てられる。インビトロ結果は、レチノイドサイクルにおける他の工程も、異性化反応を除いてはRet−NHにより影響を受けないという考えを裏付ける。
レチノイドサイクルおよびシュタルガルト病の阻害
ABCR遺伝子における突然変異は、劣性シュタルガルト病黄斑変性と関連づけられた(Allikmetsら、Nat Genet 15:236−46、1997)。Mataおよび共同研究者らは、リポフスチンの主なフルオロフォアであるA2Eが、8月齢のAbcr+/−マウスにおいて、野生型マウスにおいてよりも〜4倍多いことを見出した(Mataら、Invest Ophthalmol Vis Sci 42:1685−90、2001)。この蓄積は露光に強く依存した。この蓄積は、シュタルガルト病患者における光レセプターの死および重度の視力喪失に関与すると推測される。(Wengら、Cell 98:13−23、1999)。これらの知見に基づいて、シュタルガルト病のマウスモデルにおいてリポフスチン蓄積を阻害する(かくして、レチノイドサイクルを遅らせる)ための新しい治療法が提案された。この目的に関して、13−シス−RA(イソトレチノイン、またはAccutane(登録商標))(11−シス−RDH(Raduら、Proc Natl Acad Sci USA 100:4742−7、2003)を阻害し、誘発夜盲症と関連づけられる)が、11−シス−RDHの阻害により11−シス−レチナールの合成を遅らせるために用いられてきた。他の者は、13−シス−RAが、眼における異性化プロセスに必須のタンパク質であるRPE65を結合することにより、発色団再生を予防する働きをすることを提唱している(LawおよびRand、Biochem Biophys Res Commun 161:825−9、1989)。13−シス−RAの作用はそれでも、先に提案された役割と異なることに注目すべきである。それでも、これらの研究者らは、13−シス−RAがA2Eの形成をブロックすることを見出し、この治療法がリポフスチン蓄積を阻害し、かくして、シュタルガルト病患者における視覚喪失の開始またはリポフスチン蓄積に関連する黄斑変性のいずれかを遅らせることを示唆した。提案された治療法は興味深いが、レチノイドサイクルのブロックおよびリガンド結合していないオプシンの形成を伴う潜在的な問題を認識しなければならない(Van Hooserら、J Biol Chem 277:19173−82、2002;Woodruffら、Nat Genet 35:158−164、2003)。この結果、より深刻な結果がもたらされ、患者の予後が悪くなる。発色団を形成できないことは、進行性網膜変性に至り、極端な場合、LCAと類似した表現型を生成するであろう。
Ret−NHと13−シス−RAの比較
阻害剤13−シス−RAおよびRet−NHの化学および生物学的活性は、互いに明確に対照的である。13−シス−RAの場合、その2つの可能な代謝運命は、全トランス型異性体への異性化または酸化、グルクロン酸化、および分泌である(Liら、J Chromatogr B Biomed Appl 683:155−62、1996)。13−シス−RAは全トランス型RAとの平衡において生じ、これはRA−依存性転写経路を活性化できる。RAは、核RAレセプター(RAR)およびレチノイドXレセプター(RXR)と結合することにより標的遺伝子の転写を活性化することが示された(Chambo、Faseb J 10:940−54、1996)。特に、13−シス−RAは妊娠中毒性が高い(MitchellおよびVan Bennekom、J Am Acad Dermatol 49:1201−2、2003)。異なる遺伝子によりコードされるRARの3つの異なるイソタイプ(α、βおよびγ)がある。3つのRARのリガンド結合ドメインは高度に保存され、9−シス−RAおよび全トランス型RAの両方と結合する。RXRの3つのイソタイプ(α、βおよびγ)のリガンド結合ドメインも保存され、9−シス−RAのみと結合する。RARは、RAR/RXRヘテロダイマーを形成することにより、シス作用応答エレメント(RARE)を含有する遺伝子の活性化を媒介する。RAREエレメントは、1−5塩基により隔てられたヘキサマーモチーフPuG(G/T)TCAの直接繰り返しからなり、RARβ遺伝子をはじめとする多くの遺伝子のプロモーター領域において見られる(Sucovら、Proc Natl Acad Sci USA 98:5392、1990)。RXRホモダイマーは、9−シス−RA(Heymanら、Cell 68、397−406、1992)および他の疎水性基質により活性化できる。RXRホモダイマーは、CRBP IIプロモーターにおいて見られるように、1つの塩基対により隔てられたヘキサマーモチーフのDR1エレメントについて特異性である(Goldsteinら、Arch Biochem Biophys 420、185−93、2003)。RARまたはRXRにより媒介される遺伝子の活性化は、最小プロモーターおよびすぐ上流に位置する適当なDRエレメントの制御下で、lacZを含有するレポーター遺伝子を用いて研究できる。本発明者らの分析において、予想されるように、9−シスおよび全トランス型RAはDR1またはDR5 RAREエレメントの転写を活性化し、一方、Ret−NHは活性化しなかった。このことは、Ret−NHが、その毒性が多くの患者においてこれらを不適当にするRAおよびRA系薬理阻害剤、例えば、13−シス−RAに対するより安全な代替物であることを示唆する。
インビボでのRet−NHの薬物動態についてはあまり知られていない。Ret−NHはエステル形態において貯蔵できない。これらがアミド化または脱アミノ化を受けるかどうかは未解決の問題であり、さらなる調査を必要とする。本明細書において記載されるように、Ret−NHは、Cyp26により触媒される酸化ヒドロキシル化により容易に代謝されない(Abu−Abedら、Genes Dev 15:226−40、2001)。加えて、Ret−NHはアミドの形態で貯蔵でき、Cyp26による酸化ヒドロキシル化を受けない。アミド貯蔵形態は、遊離アミンに関して可逆性であり、このことはマウスにおけるRet−NHにより異性化の長期間持続する阻害を明らかにする。さらに重要なことには、Ret−NHはRARおよびRXR核レセプターを活性化しない。したがって、用量あたりの高い効力、低い毒性、および錐体の保存のためにRet−NHが13−シス−RAの高度に改善された代替物になることを推測することは妥当である。
レチノイドサイクルを理解するための異性化の特異的阻害剤の値
このような有効な阻害剤群の同定は、インビボおよびインビトロのレチノイドサイクルの研究を拡大する。眼におけるその代謝を追跡するために、標識11−シスレチナールを調製することは、比較的直接的な方法であるらしい。これらの種類の方法は、二光子顕微鏡検査法(Imanishiら、J Cell Biol 164:373−8、2004)と併せて、野生型および遺伝子操作されたマウスにおける視覚サイクルを通してレチノイドの磁束動力学の研究が可能にする。これらの阻害剤も、異性化複合体を単離する試みの間のアフィニティークロマトグラフィーの有用なリガンドであるようである。
実験手順
動物
すべての動物実験は、ワシントン大学動物ケア委員会(University of Washington Animal Care Committees)により承認され、安楽死に関する米国獣医師会委員会の推薦ならびに眼科および視覚に関する研究会議の推薦に準拠した手順を使用した。典型的には、6−8週齢のマウスをすべての実験において用いた。
物質
新鮮なウシの眼を地方の食肉処理場(Schenk Packing Co.、Inc.、Stanwood、WA)から入手した。ウシRPEミクロソームの調製は、すでに記載されている方法に従って行われた(Stecherら、J Bil Chem 274:8577−85、1999)。すべての化学物質は、Sigma−Aldrich(St. Louis、MO)から購入した。11−シス−レチナールは、Rosalie Crouch博士(Charleston、South Carolina)から入手した、
レチノイド調製物
全トランス型レチノールは、全トランス型レチナールをEtOH中、0℃で過剰のNaBHで還元し、順相HPLC(Beckman Ultrasphere Si 5μ 4.5×250 mm、10% EtOAc/ヘキサン;325 nmで検出)により精製することにより入手した。精製された全トランス型レチノールをアルゴン流下で乾燥し、DMF中で最終濃度3 mMになるように溶解させ、−80℃で貯蔵した。EtOH中レチノイド濃度を分光光度測定により測定した。Ret−NHの吸収係数はレチノール異性体と等しいと推定された。Hubbardら、Methods in Enzymology 18: 615−653、1971; Robesonら、J. Am Chem Soc 77: 4111−4119。
化学合成
Ret−NHは、すでに記載された方法に幾つかの変更を加えて入手した。Yangら、Proc Natl Acad Sci USA 94:13559−64、1997。従って、レチナールの対応する異性体をEtOH中に溶解させ、MeOH中、5倍過剰の7 N NHと1時間室温で反応させて、レチニルイミンを形成した。次に、レチニルイミンを5倍過剰のNaBHで還元してRet−NHにした。反応の進行は、分光光度分析により追跡した。0℃で1時間後、水を添加し、Ret−NHを2回ヘキサンで抽出した。合わせたヘキサン抽出物を水および食塩水で洗浄し、層を分離し、有機相をシリカゲル上にかけた。カラムをヘキサン、次いで1:1EtOAc/ヘキサンで洗浄した。10% 7 N NH/MeOHを追加したEtOAcでRet−NHを溶出した。典型的な収率は、30%の純粋なRet−NH であった(図5)。インビトロ実験前に、MeOH中EtOAc/7 N NH(99:0.5)で溶出することにより、順相カラムを用いて、Ret−NHをさらに精製した。
図1は、11−シス−レチノール形成の2つの提案されたメカニズムを示す。A.第一のメカニズムは、水性イソメロヒドロラーゼにより触媒される反応において、全トランス型異性体のその熱力学的に安定性が低い11−シス異性体にする望ましくない異性化を推進するために、エステル加水分解のエネルギーを用いる(Rando、Biochemistry 30:595−602、1990)。B.第二のメカニズムは、カルボカチオン中間体による1−シス−レチノールの形成を提案し、ここで、全トランス型レチノール、全トランス型レチニルエステル、または別の全トランス型レチノイド誘導体はプロトン化され、続いて脱離反応により、レチニルカルボカチオンが得られる。カルボカチオンの水素化は、11−シス−レチノールの形成に至る。反応は、未知のイソメラーゼにより触媒され、結合タンパク質の質量作用によりエネルギー的に推進される(Kuksaら、Vision Res 43:2959−81、2003)。
図5は、レチニルアミン異性体の合成およびHPLC分離を示す。(A)レチノールをMnOで酸化してレチナールにすることにより、Ret−NHを合成した(Aλmaxが325から383nmへシフト)。Ret−NHを生成させるために、酸化生成物をさらにNHと反応させた(反応の進行は、吸収最大値のブルーシフトならびに酸化に際しての著しいレッドシフトと同時に起こった)。レチニルイミンをNABHにより還元して、Ret−NHにした(Aλmax = 325 nm)。パネルBは、異性体の分離のHPLCクロマトグラムを表す(MeOH/EtOAc中0.5 % NH)。ピークはその吸収最大値およびスペクトルの形状により次のように特定された:1,11−シス;2,13−シス;9−シス;全トランス型Ret−NH。パネルCは、全トランス型Ret−NHのMS分画パターンを示し、親イオンは185 m/z、特徴的レチノイドピークは268および255 m/zであった。
NH、過剰の対応するアルキルアミンを全トランス型レチナールのEtOH中溶液に添加する以外は、N−置換全トランス型Ret−NHを前述のようにして調製した。N−アルキル−Ret−NHをHPLCカラム上で、前述のような条件を用いて精製した。
レチナールの対応するヒドロキシルアミンとのEtoH中での反応により、ヒドロキシルアミン誘導体を調製した。全トランス型レチナールオキシムをヘキサン抽出し、乾燥し、酢酸(10%v/v)を追加したEtOH:MeOH(1:1)中に再溶解させ、NaBHCNで還元した。Kratos profile HV−3直接プローブ質量分析器を用いて、合成されたレチノイドのMS分析を行った。
全トランス型レチニルアミンと過剰の無水酢酸または塩化パルミトイルのいずれかの無水ジクロロメタン中、N,N−ジメチルアミノピリジンの存在下、0℃で30分間の反応により、レチニルアミドを調製した。反応が完了した後、水を添加し、生成物をヘキサンで抽出した。ヘキサン層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。Kratos profile HV−3直接プローブ質量分析器を用いて、合成されたレチノイドの質量分析を行った。
イソメラーゼおよびLRAT反応の反応条件
イソメラーゼ反応を本質的にすでに記載されているようにして行った(Stecherら、J Biol Chem 274:8577−85、1999)。反応を10 mM BTP緩衝液(pH7.5)、1 mM ATPおよび6μM apo−CRALBPを含有する1% BSA中で行った。Ret−NHおよびその誘導体の阻害特性を調べるために、RPEミクロソームを5分間、37℃で、10mM BTP緩衝液(pH7.5)、1%BSA、1mM ATP中表示された化合物とともにプレインキュベートした後、apo−CRALBPおよび全トランス型レチノールを添加した。Ret−NHおよびその誘導体を反応混合物に、1μlのDMF中反応混合物に送達し、同じ体積のDMFを対照反応に添加した。各実験は3回重複して行った。平均値を用い、標準偏差を計算した。
マウスレチノイド抽出および分析
すでに記載されているようにして、レチノイド分析を弱い赤色光下で行った(Maedaら、J.Neurochem 85:944−956、2003;Van Hooserら、J Biol Chem 277:19173−82、2002)。すでに記載されているようにして、マウスにレチノイドを強制摂取させた(Van Hooserら、J Biol Chem 277:19173−82、2002)。
網膜電図(ERG)
すでに記載されているようにして、マウスを準備し、ERG記録を行った(Hanseleerら、Nat Neurosci 7:1079−87、2004)。1回のフラッシュ刺激はある範囲の強度を有していた(−3.7〜2.8 log cd・s・m−2)。典型的には、すべての条件における各点の記録のために3〜4匹の動物を使用した。ワンウェイANOVA試験を用いて、統計分析を行った。
Deignerら、Science、244:968−971、1989;Gollapalliら、Biochim Biophys Acta. 1651: 93−101、2003;Parishら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、14609−14613、1998;Raduら、Proc Natl Acad Sci USA、101: 5928−5933、2004
本明細書において、分子量などの物理的特性、または化学処方などの化学的特性に関して範囲が用いられる場合、範囲のすべての組み合わせおよびサブコンビネーションおよび特定の具体例が含まれることが意図される。
本明細書において言及または記載された各特許、特許出願および刊行物の開示は全体として本発明の一部として参照される。
当業者らは、本発明の具体例に対して多くの変更および修正を加えることができ、このような変更および修正は本発明の精神から逸脱することなく行うことができる。したがって、添付の請求の範囲は本発明の精神および範囲内に含まれるこのような等価な変化を網羅することが意図される。
図1Aおよび1Bは、11−シス−レチノール形成の2つの提案されたメカニズムを示す。
図2A、2B、2C、および2Dは、レチニルアミンおよびその誘導体による11−シス−レチノールイソメラーゼ活性の阻害を示す。
図3Aおよび3Bは、RPEタンパク質のゲル濾過クロマトグラフィーを示す。
図4A、4B、4C、および4Dは、レチニルアミンがインビボでの視覚発色団の再生を阻害することを示す。
図5A、5B、および5Cは、レチニルアミン異性体の合成およびHPLC分離を示す。
図6Aおよび6Bは、レチニルアミンが、激しい漂白後のインビボでの視覚発色団の再生を阻害することを示す。
図7Aおよび7Bは、明順応条件における全トランス型レチニルアミン処理マウスおよび対照マウスの強度を増加させる一回のフラッシュERG反応を示す。
F9−RARE−lacZレポーター細胞系のレチニルアミンに対する反応を示す。
レチニルアミンによるDR1−エレメントの活性化を示す。HEK−293細胞を最小プロモーターおよび5つの連続した上流DR1エレメントの制御下、lacZの構造でトランスフェクトした。
レチニルアミドは、レチニルアミドでの処理後のマウスにおける視覚発色団の再生を阻害することを示す。
レチニルアミンの可能なプロドラッグの構造を示す。

Claims (37)

  1. 脊椎動物の眼における変性疾患の治療または予防法であって、医薬的または眼科的に許容できるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド誘導体を該脊椎動物に投与することを含む方法。
  2. 正帯電レチノイド誘導体がレチニルアミン誘導体である請求項1記載の方法。
  3. 正帯電レチノイド誘導体がレチノイドサイクルの異性化工程を阻害する請求項1記載の方法。
  4. 正帯電レチノイド誘導体が式I:
    Figure 2008531586
    [式中:
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
    またはRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
    、R、およびRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項1記載の方法。
  5. レチノイド誘導体が、全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である請求項4記載の方法。
  6. 正帯電レチノイド誘導体が11−シスレチニルアミンである請求項4記載の方法。
  7. 正帯電レチノイド誘導体が、9−シスレチニルアミン、13−シスレチニルアミン、または全トランス型レチニルアミンである請求項4記載の方法。
  8. 正帯電レチノイド誘導体が、式II:
    Figure 2008531586
    [式中:
    nは1、2、3、または4であり;
    +m=1、2、または3;
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
    は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
    、R、およびRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項1記載の方法。
  9. 正帯電レチノイド誘導体が、式III:
    Figure 2008531586
    [式中:
    nは1、2、3、または4であり;
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは、第一、第二、第三または第四アミンであり;
    は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
    、R、およびRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項1記載の方法。
  10. 正帯電レチノイド誘導体が11−シスにロックされたレチニルアミンである請求項9記載の方法。
  11. 正帯電レチノイド誘導体が、式IV:
    Figure 2008531586
    [式中:
    は、独立して、水素、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、OR、SR、またはNRであり、ここで、RおよびRは独立して、H、C〜Cアルキルであり;
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは、第一、第二、第三または第四アミンであり;
    またはRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、OR10、SR10、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
    10、R11、およびR12は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR13であり、ここで、R13はC〜Cアルキルであり;Xは、アニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体、またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項1記載の方法。
  12. レチノイド誘導体が全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、および11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である請求項11記載の方法。
  13. 正帯電レチノイド誘導体が、式V:
    Figure 2008531586
    [式中:
    およびRは、独立して、低級アルキル、直鎖アルキル、直鎖、イソ−アルキル、sec−アルキル、tert−アルキル、C〜C分岐鎖アルキル、置換アルキル基、置換分岐鎖アルキル、ヒドロキシル、ヒドロアルキル、アミン、またはアミドであり;
    、R、R、R、R、またはRが、第一、第二、第三または第四アミンであり;
    またはRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、OR、SR、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
    10、およびR11は独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR12であり、ここで、R12はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項1記載の方法。
  14. 変性疾患が、眼中のリポフスチン色素蓄積の結果である請求項1記載の方法。
  15. 変性疾患が、眼中のN−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミン蓄積の結果である請求項14記載の方法。
  16. 変性疾患が、加齢性黄斑変性症またはシュタルガルト病黄斑変性である請求項14記載の方法。
  17. レチノイド誘導体が眼に局所投与される請求項1記載の方法。
  18. レチノイド誘導体が点眼薬、眼内注射または眼周囲注射により局所投与される請求項17記載の方法。
  19. レチノイド誘導体が脊椎動物に経口投与される請求項1記載の方法。
  20. 脊椎動物の眼における光受容体の変性を予防する方法であって、該脊椎動物に医薬的または眼科的に許容されるビヒクル中、有効量の正帯電レチノイド化合物を投与し、眼におけるレチノイドサイクル中の発色団フラックスを遅らせ、眼における光受容体の変性を予防することを含む方法。
  21. 正帯電レチノイド化合物がレチニルアミン誘導体である請求項20記載の方法。
  22. 正帯電レチノイド化合物がレチノイドサイクルの異性化工程を阻害する請求項20記載の方法。
  23. 正帯電レチノイド化合物が、式I:
    Figure 2008531586
    [式中:
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つが第一、第二、第三または第四アミンであり;
    またはRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
    、R、およびRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項20記載の方法。
  24. 正帯電レチノイド化合物が11−シスレチニルアミンである請求項23記載の方法。
  25. 正帯電レチノイド化合物が全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である請求項23記載の方法。
  26. 正帯電レチノイド化合物が、式II:
    Figure 2008531586
    [式中:
    nは1、2、3、または4であり;
    +mは1、2、または3であり;
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
    は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐鎖アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
    、R、およびRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項20記載の方法。
  27. レチノイド化合物が、式III:
    Figure 2008531586
    [式中:
    nは1、2、3、または4であり;
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
    は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、CH−NR、NR、またはNR であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR 、OR、SR、CH−NR、NR、またはNR であり;
    、R、およびRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR10であり、ここで、R10はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項20記載の方法。
  28. 正帯電レチノイド化合物が11−シスにロックされたレチニルアミンである請求項27記載の方法。
  29. 正帯電レチノイド化合物が、式IV:
    Figure 2008531586
    [式中:
    は、独立して、水素、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、OR、SR、またはNRであり、ここで、RおよびRは独立して、H、C〜Cアルキルであり;
    、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
    またはRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR1011 、OR10、SR10、CH−NR1011、NR1011、またはNR101112 であり;
    10、R11、およびR12は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR13であり、ここで、R13はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項20記載の方法。
  30. レチノイド誘導体が全トランス型異性体、9−シス異性体、11−シス異性体、13−シス異性体、9,11−ジ−シス異性体、9,13−ジ−シス異性体、11,13−ジ−シス異性体、または9,11,13−トリ−シス異性体である請求項29記載の方法。
  31. 正帯電レチノイド化合物が、式V:
    Figure 2008531586
    [式中:
    およびRは、独立して、低級アルキル、直鎖アルキル、直鎖、イソ−アルキル、sec−アルキル、tert−アルキル、C〜C分岐鎖アルキル、置換アルキル基、置換分岐鎖アルキル、ヒドロキシル、ヒドロアルキル、アミン、またはアミドであり;
    、R、R、R、R、またはRの少なくとも1つは第一、第二、第三または第四アミンであり;
    またはRは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
    は、独立して、H、C〜C14アルキル、C〜C14アルケニル、C〜C14アルキリル、C〜C14分岐鎖アルキル、C〜C10シクロアルキル、ハロゲン、複素環、二置換イミダゾリウム、三置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウム、ヨードニウム、スルホニウム、CH−SR10 、OR、SR、CH−NR10、NR10、またはNR1011 であり;
    、R10、およびR11は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜Cシクロアルキル、OH、またはOR12であり、ここで、R12はC〜Cアルキルであり;Xはアニオン、Cl、Br、I、SOH、またはP(O)(OH)である]
    で示されるレチノイド誘導体またはその立体異性体、プロドラッグ、医薬的または眼科的に許容される塩、水和物、溶媒和物、酸塩水和物、N−オキシドまたは同型結晶形態である請求項20記載の方法。
  32. 眼中のリポフスチン色素の蓄積を減少させることをさらに含む請求項20記載の方法。
  33. リポフスチン色素がN−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミンである請求項32記載の方法。
  34. 眼中のリポフスチン色素の蓄積を減少させることが、変性眼疾患、加齢性黄斑変性症、またはシュタルガルト病黄斑変性の治療法である請求項32記載の方法。
  35. レチノイド化合物が眼に局所投与される請求項20記載の方法。
  36. 合成レチノイドが点眼薬、眼内注射または眼周囲注射により局所投与される請求項35記載の方法。
  37. 合成レチノイドが脊椎動物に経口投与される請求項20記載の方法。
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