JP2008529773A - 医薬製剤に使用するためのラクトース粒子の結晶化方法 - Google Patents

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Abstract

複数のラクトース粒子を製造する方法は、複数のラクトース粒子を、より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該複数のラクトース粒子から離れて液状媒体中に分散されるような条件に付すことと;該液状媒体を、該より小さいラクトース粒子の表面上で結晶化を引き起こしてより大きいラクトース粒子を形成するのに十分な条件に付すことと;該液状媒体を、該複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該液状媒体中に溶解されるような条件(ただし、該複数のより大きいラクトース粒子上で結晶化が起こるような条件)に付すことと;を含む。
【選択図】 図1

Description

発明の分野
本発明は、一般的には、ラクトース粒子の製造方法に関する。
発明の背景
吸入療法の分野では、一般的には、1〜10μmの範囲内の粒子サイズ(すなわち直径)を有する治療用分子を利用することが望ましい。吸入療法製剤に用いられる担体分子または賦形剤(たとえばラクトース)は、典型的には活性成分と同程度まで上気道中に進入しないように、有意により大きい直径(たとえば100〜150μm)を呈することが多い。しかしながら、多くの場合、ラクトースまたは規定の比で粗粉ラクトースと微粉ラクトースとを有するラクトースブレンドでは、より小さい粒子サイズを使用することが望まれる。
ラクトースの粒子サイズおよび分布もまた、多くの場合、医薬的および生物学的性質(たとえば生物学的利用能など)に有意に影響を与えるであろう。たとえば、周知のごとく、結晶形態の粗粉ラクトースは、適切な流動速度および良好な物理的安定性を有するが、従来の微粉砕またはミリングにより製造されるようなラクトース微粉末は、一般的には良好な流動性が欠如している。従来のスプレー乾燥により調製されるラクトースは、所望の流動性が欠如しているか大きいサイズのラクトース結晶をあまりにも多く含有しているかのいずれかである。
周知のごとく、医薬グレードのラクトースの従来の製造手段に伴う特定の欠点の1つは、粒子サイズ、モルフォロジー、および分布の望ましくない変動に関係する。そのような製造方法は、そのようなラクトースを利用する医薬製剤の微粒子質量(「FPMass」)の過剰変動および望ましくない変動を引き起こすことが多いという点でとくに問題となる。FPMassとは、所望のサイズの気道に達して効果を発揮する所与の用量中の医薬の重量のことである。
より一貫性のある粒子サイズ分布を有するラクトースを製造しうる方法を利用することが望ましいであろう。
発明の概要
一態様において、本発明は、指定の粒子サイズ分布を有する複数のラクトース粒子の製造方法を提供する。本方法は、複数のラクトース粒子(液状媒体中に存在しかつ該ラクトース粒子の表面上に複数のより小さいラクトース粒子を有する)を、該より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該複数のラクトース粒子から離れて該液状媒体中に分散されるような条件に付す工程;該液状媒体を、該より小さいラクトース粒子の表面上で結晶化を引き起こしてそれらから複数のより大きいラクトース粒子を形成するのに十分な条件に付す工程(この場合、該複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さい複数のラクトース粒子もまた該液状媒体中に存在する);および、該液状媒体を、該複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該液状媒体中に溶解されるような条件に付す工程(この場合、該複数のより大きいラクトース粒子上で結晶化が起こる);を含む。
これらの態様および他の態様を本発明により提供する。
発明の詳細な説明
次に、本明細書中に示される実施形態に関連させて本発明について説明する。当然のことながら、これらの実施形態は、本発明を例示すべく示されたものであり、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。そのような実施形態は、それぞれ互いに排他的に実施されることもあれば、そうでないこともある。
本明細書に引用されている刊行物、特許、および特許出願はすべて、以上または以下のいずれにおいても、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別的に明示されて参照により組み入れられたのと同程度までそれらの全体が参照により結果として本明細書に組み入れられるものとする。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、内容上明らかに異なる場合を除いて、単数形「a」、「an」、「the」、および「one」が複数形の指示対象を包含することに留意しなければならない。
本発明に従って本明細書中で使用される「ラクトース」という用語は、広義に解釈されるものとする。一例として、ラクトースは、立体異性体のα−ラクトース一水和物およびβ−無水ラクトースやα−無水ラクトース(ただし、これらに限定されるものではない)を含めて、物理的な結晶形態、アモルファス形態、および多形形態のラクトースを包含することが意図される。以上の組合せを使用することが可能である。ラクトース(すなわち乳糖)は、好ましくは、利用されるプロセスに応じてさまざまな形態で製造されうるチーズホエーから得られる。一実施形態では、複数のラクトース粒子は、α−ラクトース一水和物を含む。一実施形態では、複数のラクトース粒子は、本質的にα−ラクトース一水和物よりなる。一実施形態では、複数のラクトース粒子は、α−ラクトース一水和物よりなる。一実施形態では、α−ラクトース一水和物は、少なくとも97パーセントのアノマー純度を有しうる。本明細書中で使用する場合、「粒子」という用語は、種々の形状、サイズ、および/またはテクスチャーを有する粒子を包含するように広義に解釈されるものとし、不規則性、不均一性などをさまざまな度合いで有しうる粒子または規則性および/もしくは均一性を有しうる粒子を含みうる。
一実施形態では、液状媒体は水性媒体である。すなわち、媒体の40重量パーセント超は水である。一実施形態では、飽和ラクトース溶液は、47.6%wt/wtの水を含みうる。エタノールおよびアセトン(ただし、これらに限定されるものではない)をはじめとする共溶媒を利用することが可能である。たとえば、一実施形態では、媒体は、45%wt/wt wtのエタノール/水を含みうる。一実施形態では、媒体は、45%wt/wtのアセトン/水を含みうる。以上の共溶媒混合物を用いて10ミクロン未満の粒子サイズを達成することが可能である。「水」という用語は、水道水、処理水(たとえば蒸留水)、精製水、さらには他のタイプの水を包含するように広義に解釈されるものとする。液状媒体を有機媒体として利用することも可能である。使用可能な有機溶媒の一例は、ジメチルスルホキシドである。以上の水性媒体および有機媒体のいずれの混合物も利用可能である。本発明に従って利用される液状媒体は、場合により、広範にわたる添加剤および追加成分、たとえば、界面活性剤、緩衝剤、湿潤剤など(ただし、これらに限定されるものではない)をも包含しうる。
本発明に係る方法で利用されるラクトース粒子(すなわち種晶材料)は、種々のサイズ分布を有しうる。たとえば、一実施形態では、ラクトース粒子は、約70、80、または90ミクロンの下限から約100、110、120、または130ミクロンの上限までの範囲内のメジアン直径(D−50)を有しうる。
ラクトース粒子の表面上に存在するより小さいラクトース粒子は、種々の形状で存在する。一例として、「〜上に」という用語は、より小さい粒子がさまざまな形でラクトース粒子の表面上に引き寄せられることを意味すると解釈可能である。たとえば、より大きい粒子は、より小さい粒子で被覆されうる。
種々の実施形態では、ラクトース粒子の表面上に存在するより小さいラクトース粒子は、種々のサイズで存在可能である。一例として、複数のより小さい粒子は、SEM画像から取得したときに約1ミクロン〜約3ミクロンの範囲内のメジアン直径(D−50)を有しうる。
本発明によれば、より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分は、ラクトース粒子から離れる。一実施形態では、より小さいラクトース粒子は、液状媒体中に均一なディスパージョンを形成するように分散される。
複数のラクトース粒子を、より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が複数のラクトース粒子から離れるような条件に付す工程は、種々の条件下で行われうる。たとえば、一実施形態では、そのような工程は、液状媒体が約50℃〜約70℃の範囲内の温度を有しうるように行われうる。一実施形態では、液状媒体は、50℃の温度を有しうる。理論により拘束しようとするものではないが、温度と種晶サイズとの相互作用から判断して、より高い温度では形成されるラクトースはより小さいことが示唆される。ただし、種晶添加温度だけが粒子サイズに影響を及ぼすわけではない。マイクロ粒子化種晶が同一の効果を示さないことから判断して、小粒子はより大きい種晶と一体化されるとともに摩砕により削り取られるかまたは液状媒体の作用により表面から離れることが示唆される。さらにまた、理論により拘束しようとするものではないが、より低い温度では、生成物のPSDはより高くなる傾向があるので、摩砕が原因ではなく、種晶表面への微粒子の付着が最も可能性の高い説明であった。このことは、SEMにより確認された。より高い温度ではより多くの粒子が表面から離れる傾向があるというのが結論である。最適温度範囲は確定されておらず、50℃未満の温度では自発核生成が起こる可能性があり、70℃超の温度では微粒子種晶が溶解する可能性がある。
このほか、一実施形態では、液状媒体は、約3.0〜約4.0の範囲内のpHを有しうる。
さらに、一実施形態では、液状媒体は、ラクトースで過飽和される。本発明の目的では、「過飽和」という用語は、一定の温度および溶液組成における溶媒中の溶質の実際の濃度(C)からその溶媒中の溶質の溶解度(C)を引き算したものとして定義される。過飽和は、以下に示されるように表現されうる。
S=C−C
一例として、一実施形態では、以上の式から、50℃で使用される通常の結晶化条件におけるラクトース溶液の過飽和は、62g/100g(水)であり、70℃では27g/100g(水)である。
以上に示されるように、本発明は、液状媒体を、より小さいラクトース粒子上で結晶化を引き起こしてそれらから複数のより大きいラクトース粒子を形成するのに十分な条件に付す工程をも包含しうる。複数のより大きいラクトース粒子は、いくつかのサイズを包含しうる。たとえば、一実施形態では、複数のより大きいラクトース粒子は、約20、30、40、50、または60ミクロンの下限から約70、80、90、100、110、または130ミクロンの上限までの範囲内のメジアン直径(D−50)を有しうる。液状媒体を、より小さいラクトース粒子上で結晶化を引き起こすのに十分な条件に付す工程は、種々の条件下で行われうる。たとえば、一実施形態では、そのような工程は、液状媒体が約20、25、30、または35℃の下限から約35、40、45、または50℃の上限までの範囲内の温度を有しうるように行われうる。一実施形態では、液状媒体は、50℃の温度を有する。一実施形態では、液状媒体は、約3〜約4の範囲内のpHを有しうる。
液状媒体を、複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が液状媒体中に溶解されるような条件(ただし、複数のより大きいラクトース粒子上で結晶化が起こるような条件)に付す工程は、種々の実施形態を包含しうる。たとえば、一実施形態では、結晶化の結果として形成されるラクトース粒子は、約20、30、40、50、60、70、または80ミクロンの下限から約70、80、90、100、110、120、または130ミクロンの上限までの範囲内のメジアン直径(D−50)を有しうる。
一実施形態では、得られる結晶化ラクトース粒子は、実質的に表面欠陥を含まない。より特定的には、得られる結晶化ラクトース粒子は、平滑な規則的トマホーク形として存在しうる。
本発明に係る方法と併用して、結晶化プロセスに伴うことの多い当技術分野で公知の他の手順を利用することが可能である。そのような手順の例としては、清浄化および衛生化、結晶化槽の予備洗浄、ならびにバッチ間の清浄化が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
他の態様において、本発明は、本方法により形成される医薬製剤、さらにはそのような製剤を含む吸入装置を包含しうる。本発明の目的に合った医薬としては、さまざまな医薬活性成分、たとえば、吸入療法に有用な医薬活性成分などが挙げられる。一般的には、「医薬」という用語は、広義に解釈されるものとし、例としては、活性剤、薬剤、および生物活性剤、さらには生物薬剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。種々の実施形態は、マイクロ粒子化形態で存在する医薬を含みうる。したがって、適切な医薬は、たとえば、次の中から選択可能である:鎮痛剤(たとえば、コデイン、ジヒドロモルフィン、エルゴタミン、フェンタニル、またはモルフィン);狭心症治療剤(たとえば、ジルチアゼム);抗アレルギー剤(たとえば、クロモグリケート、ケトチフェン、またはネドクロミル);抗感染症剤(たとえば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、およびペンタミジン);抗ヒスタミン剤(たとえば、メタピリレン);抗炎症剤(たとえば、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾンフロエート、シクレソニド、トリアムシノロンアセトニド、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−3−イル)エステル、(6α,11β,16α,17α)−6,9−ジフルオロ−17−{[(フルオロメチル)チオ]カルボニル}−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−イル2−フロエート、および(6α,11β,16α,17α)−6,9−ジフルオロ−17−{[(フルオロメチル)チオ]カルボニル}−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−イル4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート);鎮咳剤(たとえば、ノスカピン);気管支拡張剤、たとえば、アルブテロール(たとえば、スルフェートとして)、サルメテロール(たとえば、キシナホエートとして)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(たとえば、ヒドロブロミドとして)、ホルモテロール(たとえば、フマレートとして)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(たとえば、アセテートとして)、レプロテロール(たとえば、ヒドロクロリドとして)、リミテロール、テルブタリン(たとえば、スルフェートとして)、イソエタリン、ツロブテロール、4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−(フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、3−(3−{[7−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、2−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{[2−(4−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]アミノ}フェニル)エチル]アミノ}エチル)フェニルホルムアミド、および8−ヒドロキシ−5−{(1R)−1−ヒドロキシ−2−[(2−{4−[(6−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]エチル}キノリン−2(1H)−オン;利尿剤(たとえば、アミロライド);抗コリン作動剤(たとえば、イプラトロピウム(たとえば、ブロミドとして)、チオトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム);ホルモン(たとえば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン);キサンチン類(たとえば、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、またはテオフィリン);治療用のタンパク質およびペプチド(たとえば、インスリン)。当業者には自明なことであろうが、適切であれば、医薬の活性および/または安定性を最適化するために、塩の形態で(たとえば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩としてまたは酸付加塩として)、またはエステル(たとえば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(たとえば、水和物)として、医薬を使用することが可能である。当業者にはさらに自明なことであろうが、適切であれば、医薬を純粋な異性体の形態で使用することが可能であり、たとえば、R−サルブタモールまたはRR−ホルモテロールが使用可能である。
本発明に係る医薬製剤を用いて投与される特定の医薬としては、本明細書中に定義される呼吸器病状を吸入療法により治療するのに有用な抗アレルギー剤、気管支拡張剤、βアゴニスト(たとえば、長時間作用性βアゴニスト)、および抗炎症性ステロイド、たとえば、クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、サルブタモール(たとえば、遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)、ビトルテロール、ホルモテロール(たとえば、フマル酸塩として)、テルブタリン(たとえば、硫酸塩として)、レプロテロール(たとえば、塩酸塩として)、ベクロメタゾンエステル(たとえば、ジプロピオネート)、フルチカゾンエステル(たとえば、プロピオネート)、モメタゾンエステル(たとえば、フロエート)、ブデソニド、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、トリプレダン、(22R)−6α,9α−ジフルオロ−11β,21−ジヒドロキシ−16α,17α−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン−3,20−ジオンが挙げられる。勃起不全治療に有用な医薬(たとえば、アルプロスタジルやシルデナフィルシトレートと併用される塩酸バルデナフィルのようなPDE−V阻害剤)を利用することも可能である。当然のことながら、吸入器と組み合わせて使用しうる医薬は、本明細書中に記載のものに限定されるものではない。
サルメテロール(特定的には、キシナホ酸サルメテロール)、サルブタモール、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、および生理学的に許容されるそれらの塩および溶媒和物は、とくに好ましい。
当業者であればわかるであろうが、本発明に係る製剤は、所望により、2種以上の医薬の組合せを含有しうる。2種の活性成分を含有する製剤は、喘息やCOPDのような呼吸器障害の治療用および/または予防用として公知であり、たとえば、ホルモテロール(たとえば、フマレートとして)とブデソニド、サルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)とフルチカゾン(たとえば、プロピオネートエステルとして)、サルブタモール(たとえば、遊離塩基または硫酸塩として)とベクロメタゾン(ジプロピオネートエステルとして)が好ましい。
一実施形態では、利用しうる特定の組合せは、βアゴニスト(たとえば、長時間作用性βアゴニスト)と抗炎症性ステロイドとの組合せである。一実施形態は、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールまたはその塩(特定的には、キシナホ酸塩)との組合せを包含する。本発明に係る製剤中のサルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンとの比は、好ましくは、4:1〜1:20の範囲内である。2種の薬剤は、同一比または異なる比で、同時に、逐次的に、または個別に、種々の方法により投与可能である。種々の実施形態では、吸入器の各計量用量または各作動分は、典型的には、25μg〜100μgのサルメテロールと25μg〜500μgのプロピオン酸フルチカゾンとを含有するであろう。医薬製剤は、種々の1日服用回数の製剤として投与可能である。一実施形態では、医薬製剤は、1日2回投与される。
種々の医薬製剤で使用しうる特定の医薬の組合せの実施形態は、以下のとおりである:
1)プロピオン酸フルチカゾン100μg/サルメテロール50μg
2)プロピオン酸フルチカゾン250μg/サルメテロール50μg
3)プロピオン酸フルチカゾン500μg/サルメテロール50μg
種々の実施形態では、医薬製剤は、種々の吸入可能製剤の形態で存在可能である。一実施形態では、医薬製剤は、乾燥粉末製剤の形態で存在し、そのような製剤の製剤化は、公知の方法に従って実施可能である。吸入により肺への局所送達を行うための乾燥粉末製剤は、たとえば、吸入器や吹込み器で使用すべくゼラチンなどで形成されたカプセルやカートリッジまたはラミネートアルミニウム箔などで形成されたブリスターの中に存在可能である。粉末ブレンド製剤は、一般的には、本発明に係る化合物と、ラクトースと場合により少なくとも1種の追加の賦形剤(たとえば、担体、希釈剤など)とを含む好適な粉末基剤と、の吸入用粉末混合物を含有する。種々の実施形態では、それぞれのカプセルまたはカートリッジは、一般的には、20μg〜10mgの少なくとも1種の医薬を含有しうる。一実施形態では、製剤は、共沈やコーティングなどにより、少なくとも1種の医薬と賦形剤材料(複数種可)とを含む粒子の形態に形成可能である。乾燥粉末として利用する場合、製剤のパッケージングは、ユニットドーズまたはマルチドーズの送達に好適でありうる。マルチドーズ送達の場合、製剤は、予備計量可能であるか(たとえば、GB 2242134/米国特許第6,032,666号、同第5,860,419号、同第5,873,360号、同第5,590,645号、同第6,378,519号、および同第6,536,427号に見られるようなDiskus(登録商標)、もしくはGB 2178965、同2129691、および同2169265、米国特許第4,778,054号、同第4,811,731号、同第5,035,237号に見られるようなDiskhalerの場合)、または使用時に計量可能である(たとえば、EP 69715に見られるようなTurbuhalerもしくは米国特許第6,321,747号に記載の装置の場合)。ユニット用量装置の一例は、Rotahalerである(GB 2064336参照)。一実施形態では、Diskus(登録商標)吸入装置は、長手方向に離間して配置された複数の凹部を有するベースシートと、複数の容器を規定するようにそれに気密にしかし剥離可能に封着された蓋シートと、から形成された細長いストリップを含み、それぞれの容器は、少なくとも1種の医薬とラクトース(場合により他の賦形剤と共に)とを含有する吸入可能製剤を内包して有する。好ましくは、ストリップは、ロールの形態に巻き取るのに十分な可撓性を有する。蓋シートおよびベースシートは、好ましくは、互いに封着されない先端部を有するであろう。また、先端部の少なくとも一方は、巻取り手段に取り付けられるように作製される。さらに、好ましくは、ベースシートと蓋シートとの間の気密封着は、それらの全幅にわたって延在する。蓋シートは、好ましくは、ベースシートの第1の端から長手方向にベースシートから剥離可能である。
一実施形態では、製剤は、サスペンジョンの状態でもしくはサスペンジョンとして、または好適な噴射剤、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、二酸化炭素、もしくは他の好適なガスを用いて加圧パックから送達されるエアロゾルとして、利用可能である。そのような製剤は、加圧式吸入器、たとえば、定量噴霧式吸入器(MDI)を介して送達可能である。代表的なMDIは、典型的には、医薬製剤の送達に好適なキャニスターを含む。キャニスターは、一般的には、使用される噴射剤の蒸気圧に耐えることのできる容器、たとえば、プラスチック瓶もしくはプラスチック被覆ガラス瓶または好ましくは金属缶(たとえば、場合により陽極処理、ラッカー被覆、および/もしくはプラスチック被覆が施されていてもよいアルミニウム缶)を含み、容器は、計量バルブで密閉される。フルオロカーボンポリマーで被覆された内表面を有するアルミニウム缶は、とくに好ましい。そのようなポリマーは、多数の次のモノマー単位:テトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(EFTE)、ビニリデンフルオリド(vinyldienefluoride)(PVDF)、および塩素化エチレンテトラフルオロエチレンで作製可能である。MDIの内表面の全部もしくは一部の上に使用される被覆の実施形態は、米国特許第6,143,277号;同第6,511,653号;同第6,253,762号;同第6,532,955号;および同第6,546,928号に記載されている。
MDIは、作動させるごとに計量された量の製剤が送達されるように設計されたかつバルブを通って噴射剤が漏れないようにガスケットが組み込まれた計量バルブをも含みうる。ガスケットは、低密度ポリエチレン、クロロブチル、黒色および白色のブタジエン−アクリロニトリルゴム、ブチルゴム、およびネオプレンなどのような任意の好適なエラストマー材料を含みうる。好適なバルブは、エアロゾル業界でよく知られた製造業者から、たとえば、Valois, France(たとえば、DF10、DF30、DF60)、Bespak plc, UK(たとえば、BK300、BK356)、および3M-Neotechnic Ltd, UK(たとえば、SpraymiserTM)から、市販品として入手可能である。計量バルブの実施形態は、米国特許第6,170,717号;同第6,315,173号;および同第6,318,603号に記載されている。
種々の実施形態では、MDIは、MDIを保存および収容するためのオーバーラップパッケージ、たとえば、米国特許第6,390,291号に記載のもの(ただし、これに限定されるものではない)、さらには、ドーズカウンターユニット、たとえば、米国特許第6,360,739号および同第6,431,168号に記載のもの(ただし、これらに限定されるものではない)のような他の構造体と組み合わせて使用することも可能である。
以上のほかに、医薬製剤は、カプセル剤、サシェ剤、バッカル錠剤、ロゼンジ剤、ペーパー剤、または他のコンテナー剤の形態で利用可能である。さらに、製剤は、錠剤、丸剤、粉末剤、エリキシル剤、サスペンジョン剤、エマルジョン剤、溶液剤、シロップ剤、カプセル剤(たとえば、軟質および硬質のゼラチンカプセル剤)、坐剤、滅菌注射溶液剤、および滅菌パッケージ化粉末剤の形態をとりうる。場合により、賦形剤、担体、希釈剤などを利用することが可能である。
本発明に係る方法により形成される医薬製剤は、いくつかの呼吸器障害の治療に使用可能である。そのような呼吸器病状としては、可逆性気道閉塞に関連する疾患および病状、たとえば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(たとえば、慢性および喘鳴性の気管支炎、肺気腫)、気道感染症、および上気道疾患(たとえば、アレルギー性および季節性の鼻炎のような鼻炎)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。そのような治療は、哺乳動物に医薬を送達することにより行われる。したがって、以上の点を考慮して、他の態様において、本発明は、哺乳動物(たとえば、ヒト)に製薬上有効な量の医薬製剤を投与する工程を含む呼吸器障害の治療方法を提供する。本発明の目的では、「製薬上有効な量」という用語は、広義に解釈されて障害の治療を包含するものとする。一実施形態では、投与は、本明細書に記載の吸入装置を介して行われる。一実施形態では、投与は、経鼻吸入または経口吸入により行われる。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図したものであり、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を限定するものではない。
表1は、実施例に示される結晶化の実施形態で利用される装置を説明したものである。結晶化のプロセス構成は、図3に示される。
Figure 2008529773
実施例1
結晶化プロセスの説明
プロセスの説明
・ 160kg(159.31kg)のα−ラクトース一水和物を反応器2に仕込む。
・ 112Lのプロセス水を反応器2に仕込む。
・ 反応器2のアジテーターを作動させて100(80)rpmで運転する。
・ 反応器2の混合物を100℃に加熱して固体を溶解させる。
・ 反応器1のアジテーターを作動させて50rpmで運転する。
・ 1.0μmおよび0.2μmのフィルターアセンブリーを介して反応器2の熱溶液を反応器1に移送する。
・ 32L(42L)のプロセス水を反応器2に仕込む。
・ 反応器2の水を90℃に加熱する。
・ 1.0μmおよび0.2μmのフィルターアセンブリーを介して反応器2の水を反応器1に移送する。
・ 反応器1の槽ヘッドスペースを窒素でパージングして結晶化時間全体を通して槽内をわずかに正圧に保持する。
・ ボトムジャケットだけを用いて反応器1の溶液温度を85℃に調整する。
・ 溶液を50℃〜53℃に冷却する。
・ 反応器1の温度が50〜53℃(実際の種晶添加温度53.2℃)で安定したときに8.0gの篩分けされた種晶(125〜150μm)を添加する。
・ 次の7つの操作の冷却プロファイルに準拠してボトムジャケットにより温度を制御する。
・ 約2時間にわたり温度を50℃〜53℃に保持する。
・ 約1時間かけて混合物を44℃〜47℃に冷却する。
・ 約2時間にわたり混合物を44℃〜47℃に保持する。
・ 約5時間かけて混合物を20℃〜23℃に冷却する。
・ 混合物を60℃〜63℃に加熱する。
・ 約2時間にわたり温度を60℃〜63℃に保持する。
・ 約6時間かけて混合物を20℃〜23℃に冷却する。
・ 固体の単離中、discfloポンプを作動させてスラリーを反応器1に戻すように再循環させる。
・ FIMA遠心分離機に4〜6回投入して固体を単離する。
湿潤固体を取り出してポリテンバッグに入れ、乾燥可能になるまで0℃〜4℃で材料を保存する。
(湿潤生成物を乾燥前24時間以下の時間にわたり0℃〜4℃で保存した。湿潤バッチを乾燥前最大6日間まで0〜4℃で保存した。)
・ 湿潤材料をBolz乾燥機に仕込んでヘッドスペースを窒素でパージングした。
・ 窒素パージ速度を0.5L/分に設定した。
・ ジャケット設定点温度を75℃に設定した。
・ 固体は、約4時間後に乾燥状態になり、それから温度および圧力が安定化した。しかしながら、実際の乾燥時間は、交代勤務の引継ぎ、障害などに依存して、7〜12時間の範囲内で変動した。好ましい乾燥時間は、4〜6時間に設定すべきであることが判明した。
・ ジャケットの温度を40℃に低下させ、温度が安定化するまで乾燥を継続させた。
・ 内容物を冷却し、生成物を取り出した。
パッケージングおよび保存
二重包装の食品グレードのプラスチックバッグに乾燥固体を充填し、プラスチック製の樽に入れて化学中間体保管庫で周囲温度(20℃)で保存した。
実施例2
水からのラクトースの結晶化
この実施例では、実施例1に従って行われた実験作業のまとめを示す。この実施例の目的は、粒子サイズ分布(PSD)および低微粉レベルを有する結晶性ラクトースを製造することであった。
重要なプロセス変数を特定すべく、水からのラクトースの結晶化に関する実験を行った。スケールに依存しない4つの変数を選択した。表2は、そのような変数を列挙したものである。
Figure 2008529773
サイズ分布を記述すべく、3つの百分位数応答(D−10、D−50、およびD−90)を選択した。Mettler Toledo in Columbus, Ohioから市販されているLasentec S400 FBRMミニプローブを用いて、値を測定した。
DoE実験から得られたD−50百分位数の値の結果を図4aおよび4bに示す。他の応答は、類似の効果を示す。
結果は、種晶サイズおよび種晶量の重要な効果を示しているだけでなく、種晶サイズと温度との相互作用を示している。驚くべきことに、冷却時間は、もしあったとしてもごくわずかの影響を示すにすぎない。理論により拘束しようとするものではないが、これは、おそらく、脱過飽和速度が冷却速度よりも速いため、いずれの冷却時間でもほぼ一定に保持されることが原因であろう。
実験の結果、図5に示されるように、選択されたバッチに関してSympatec PSD(「粒子サイズ分布」)により示される広範にわたる粒子サイズを生じた。
データは、温度と種晶サイズとの相互作用を示す傾向がある。この相互作用から判断して、より高い温度では生成物のサイズはより小さいことが示唆される。ただし、種晶添加温度だけが粒子サイズに影響を及ぼすわけではない。理論により拘束しようとするものではないが、この観測結果から、より大きい種晶では異なる種晶添加機構が働くことが示唆された。相互作用グラフは、より低い温度では粒子サイズの増加が従来の種晶添加機構で予想されるよりも大きいことを示している。5μmのマイクロ粒子化材料を用いて高温種晶添加を行うと、より低い種晶添加温度で生成されるよりも大きい生成物サイズが得られる。理論により拘束しようとするものではないが、これは、より高い温度では一部のマイクロファイン材料(<1μm)が溶解されて核生成に利用可能な種晶が少なくなることが原因であろう。大きい種晶を用いて高温種晶添加を行うと、対応する低温種晶添加よりも小さい生成物サイズが得られる。さらにまた、理論により拘束しようとするものではないが、このことから判断して、小粒子は、より大きい種晶と一体化されるとともに、摩砕により削り取られるか、または液状媒体の作用により表面から離れ、離れる度合は、温度が高いほど高いことが示唆される。マイクロファイン粒子は、外見上、より強く結合されているか、またはより高い温度では溶解されるので、核生成にはなんら役割を果たさないであろう。より低い温度では、生成物のPSDはより高くなるので、摩砕が原因ではなく、種晶表面への微粒子の付着が最も可能性の高い説明であった。このことは、SEMにより確認された。
本発明の利点の1つは、混合物全体にわたり種晶の分散がより良好であり、大きい種晶が篩分けにより調製されるので種晶のサイズ制御もまた改善されることである。
理論により拘束しようとするものではないが、0.02%(投入重量)の分級された種晶(15mm)を用いて50℃でラクトースの種晶添加を行うと、最大粒子サイズ(D−10 75mm、D−50 133mm、D−90 204mm)が得られると考えられる。さらにまた、理論により拘束しようとするものではないが、0.1%のマイクロ粒子化種晶を用いて50℃で種晶添加を行うと、小さいPSD(D−10 6mm、D−50 34mm、D−90 57mm)が得られると考えられる。
PSDのさらなる改善は、高温オストワルド熟成により達成されると考えられた。結晶化スラリーを60℃に3時間再加熱してから徐々に20℃に冷却した。Lasentec FBRMにより測定される弦長分布(CLD)は、微粒子のかなりの減少を伴ってより大きいサイズ範囲への顕著なシフトを示す。オストワルド熟成の前後で単離された結晶性固体の顕微鏡検査は、微粒子がほとんど存在することなく有意なサイズ増加を示す。
高温オストワルド熟成と組み合わせて少量の分級された種晶を用いる種晶添加レジームを適用すると、微粉がほとんど含まれない大きいラクトース結晶が得られると考えられる。これは、二次処理に好適であると考えられる。
実施例3
プロセスの概要
プロセス水(0.7倍体積)およびラクトース一水和物を100±5℃に加熱し、完全溶解状態に達するまで約30分間攪拌し、次に、溶液を90±2℃に冷却する。次に、それを0.2mフィルターに通し、そしてフィルターを90±2℃のプロセス水(0.2倍体積)で濯ぐ。溶液を50±2℃に冷却し、種結晶(0.00005倍重量)を添加し、次に、2時間にわたり溶液を50±2℃に保持する。次に、得られたスラリーを1時間かけて45±2℃に冷却し、次に、2時間にわたり45±2℃に保持する。5時間かけてスラリーを20±2℃にさらに冷却する。混合物を60±2℃に加熱し、次に、2時間にわたりその温度に保持し、次に、8時間かけて20±2℃に冷却し、次に、サンプルを取り出して分析にかける。次に、固体を遠心分離機で少しずつ単離し、100±5℃の窒素で乾燥させ、次に、40±5℃の窒素で少なくとも30分間エージングし、次に、<30℃に冷却し、そして取り出す。
実施例4
結晶化の手順
この実施例では、結晶化時間全体を通して温度を制御する。結晶化器の内側から外部環境にわずかに正の圧力差を提供する窒素ヘッドスペース下で結晶化を行う。
最初、ラクトース溶液の温度は、90℃である。次に、それを50〜53℃に冷却し、種晶を添加し、そして温度を45℃に低下させ、さらに20℃まで低下させる。種晶の全重量は約8gにすぎないので、種晶から添加される微生物の数は、最小限に抑えられるであろう。種晶を仕込む前に消毒スプレーで結晶化器の仕込み口の外表面を消毒したが、微生物は、これらの温度でも生き延びて数が増加する可能性があった。できるかぎりさらなる環境汚染を伴わないように、種晶を添加しなければならない。
20℃で5時間経過した後、2時間にわたり温度を60℃に上昇させる。この60℃の保持時間により、プロセスの初期段階で発生する可能性のある増殖微生物汚染は、不活性化されるはずである。とくに60℃の保持時間の間、温度を監視することが望ましい。
その後、スラリーを20℃に保持する。この保持を最大2日間まで継続させてもよい。これは、深刻な危険を伴う期間である。初期の抗微生物因子に耐えて生き延びている可能性のあるいかなる汚染菌も、結晶化器の底部の作動バルブから入り込んだいかなる汚染菌も、細菌保持フィルターの下流のガスライン中で生存または増殖している可能性のあるいかなる汚染菌も、数が増加する可能性があろう。
乾燥
微生物を最小限に抑えた状態で乾燥を行い、得られたラクトースを100℃の窒素ストリーム下で乾燥させる。ラクトースは、BOLZ乾燥機により950〜100mbargの窒素圧力下で乾燥させた。窒素を加熱することはなかったが、75〜80℃の水をBOLZジャケットに通して循環させることにより固体を加熱した。FIMAにより製造された乾燥機は適していないことが判明した。
実施例5
結晶化の手順
次の手順に従って、ラクトースの結晶化を行う:
ラクトースを槽反応器2に仕込み、プロセス水を添加する。
・混合物を100℃に加熱して固体を溶解させる。
・1μmおよび0.2μmのフィルターを介して溶液を反応器1に移送し、高温プロセス水でフラッシングする。
・結晶化中、終始にわたり槽反応器1を窒素の正圧下に保持する。
・結晶化器に種晶を添加する前、消毒スプレーを人道に散布する。また、種晶の添加中、作業者が清浄な使い捨てオーバーオール服、滅菌された手袋およびマスクを着用することを義務付ける。
実施例6
固体の単離手順
このプロセスで約5%のLODまで効率的な脱液を可能にするには、遠心分離がきわめて好ましい。真空濾過では、湿分が10〜12%まで低減されるにすぎないであろう。このレベルでは、乾燥材料のβ−アノマー含有率は、3%超まで増加するであろう(許容限度3%)。
固体の単離は、FIMA遠心分離機/乾燥機を用いて達成された。FIMAのサイズの制約から、1回の投入あたり15〜20kgで5〜6回投入して100kgのバッチを単離することが必要であった。固体ラクトースの性質上、高速脱液が行われ、単離中に不均一分布を生じるので、脱液後にFIMAドラムから固体を取り出すのが困難になる。流動床乾燥は、非効率的であり、取り出されない固体がかなりのケーキングを起こした。
単離工程中、ボトムマッシュルームバルブを開放した後、マッシュルームバルブの下の入り組んだPTFEスリーブの周りに固体が蓄積してバルブの閉鎖が妨害されることが判明した。トランスファーパイプ中に残存するいかなるスラリーも、沈降して、ラインの閉塞を引き起こした。この問題を克服するために、再循環ループを追加して単離中のスラリーの移動を保持した。循環ポンプは、結晶に損傷を与える可能性があるので推奨されない(スラリーのポンプ移送が避けられないのであれば、脆弱な材料をポンプ移送するように設計されたポンプを使用することが望ましい)。
・ 推奨される単離プロセスでは、1回の投入で全バッチを収容するのに十分な大きさのバスケット遠心分離機が使用されるであろう。
・ 遠心分離機は、単離前に装置を消毒すべく適切な蒸気装置を備えていることが望ましい。
・ スラリートランスファーラインは、使用前に消毒することが望ましい。一例として、希薄次亜塩素酸ナトリウム溶液をスラリーラインに通して循環させ、続いて、熱水を少なくとも30分間循環させ、その直後に単離を行うことが望ましい。蒸気滅菌は、トランスファーラインの消毒に最適な方法であろう。
実施例7
乾燥手順
この実施例では、60℃で各バッチのラクトース投入物を乾燥させるべくBolz乾燥機を使用して好結果を得た。これは、この生成物に最適な方法であると思われるが、90〜100℃のより高い乾燥温度が好ましい可能性もある。
FIMA遠心分離機/乾燥機による流動床乾燥では、以上に記載したように部分的に好結果が得られた。流動床乾燥は、ラクトース供給業者による最適な方法であるが;
この乾燥法の結晶破壊量は、調べられていない。
・ このプロセスに好ましい乾燥機は、Bolz乾燥機である。ケーキングを防止するために、乾燥中、常に、固体を穏やかに攪拌しなければならず、摩砕を最小限に抑えることが望ましい。
・ 乾燥機の蒸気滅菌をルーチン処理として考慮に入れることが望ましい。
実施例8
結晶化の結果
本明細書に記載の手順に従って、以下のバッチを結晶化させた。結果を表4に示す。
Figure 2008529773
Figure 2008529773
表5は、ブレンディングされたサンプルのD−10、D−50、およびD−90の値を示している。より特定的には、A(ブレンド)は、表4に列挙される個々の乾燥重量のバッチ1〜6のブレンドを示している。B(ブレンド)は、表4に列挙される個々の乾燥重量のバッチ7〜12のブレンドを示している。C(ブレンド)は、表4に列挙される個々の乾燥重量のバッチ13〜17のブレンドを示している。表4に列挙されるバッチはすべて、個別に単離され乾燥され、かつ同一のプロセス条件下で合成されたものである。
実施例11に記載のSympatec HELOSレーザー回折法を利用することにより、PSDの結果を得た。
バッチ1〜17のすべてのサブバッチのカールフィッシャーの結果を以上の表4に提供する。利用したカールフィッシャー法は、水分析法としても当技術分野で公知である。
実施例9
アッセイおよびアノマー比分析
各バッチのサブロットをブレンディングしてバッチの代表的なブレンドを与え、化学分析にかけた。アノマー含有率の分析結果は、本明細書に記載されている。アノマー含有率を調べるためのブレンドを作製するために使用した手順は、バッチ重量に比例したサンプルを各バッチから採取して振盪および手作業の混合により容器中で混合することであった。
実施例11
粒子サイズの分析手順
この手順は、実施例8に記載のバッチ1〜6、7〜12、および13〜17と組み合わせて、公知の手順に従って使用した。すべてのサンプルを三重反復試験方式で測定した。
サンプルの調製はすべて、薬剤部門内で分析対象の関連薬剤物質を取り扱うためのCOSHH評価および会社のCOSHH実施基準ならびに局所安全作業実施の資料に準拠して手袋および目の保護具を着用した作業者によりクラス2の安全キャビネット内で行われるものとする。
参考文献: COSHH/01/06。
計測
Sympatec HELOSレーザー回折,製造番号:H0643.-Biomax:064263 Vibriフィーダー,製造番号:528 Biomax:0642266。
方法
レンズ:R5 圧力:1.5bar フィードレート:85%
参照測定:10s
基準時間:100ms
チャネル8で光学濃度>0.2%になった0秒後に開始して、光学濃度<0.2%になった5秒後または30秒間の実時間の後で常に停止する。
端から2cmの位置でvibriシュートを横切ってサンプル(約0.25g)を拡げ、均一なサンプル供給を確保する。
危険有害性
ラクトース材料(材料ID:742)のMSDSに準拠して、作業を行った。
実施例12
α−ラクトース(一水和物)の水含有率の決定
この実施例では、Mitsubishi水分計を用いて直接添加カールフィッシャー滴定によりα−ラクトースの水含有率を決定するための手順について説明する。
試薬
カールフィッシャーMitsubishi電量試薬:
Aquamicron AX:分析グレードのホルムアミド(4:1)
Aquamicron CXU。
装置パラメーター
滴定セルの作製
典型的には、120mLのAX試薬と30mLとのホルムアミドの混合物をセルのアノード室に添加する。10mLのCXU試薬をセルのカソード室に添加する。
窒素パージの使用
約300mL/分で乾燥窒素をアノード室に通してパージングする。
分析
20mg±2mgを正確に秤量して好適な秤量ボートに入れる。サンプルを滴定セルに直接導入し、秤量ボートを再秤量して正確なサンプル重量を決定する。存在する水の量(μg単位)を記録する。二重反復方式で分析を行う。
秤量されたサンプルの水含有率
水(%w/w)=Ww×100/Wu×1000
式中、Ww=検出された水の重量(μg)
Wu=サンプルの重量(mg)。
実施例13
アッセイ方法およびアノマー純度の決定

この手順は、α−ラクトース一水和物中のアノマー比を決定すべく開発されたものである。それは、誘導体化GC法である。
試薬/安全性
HPLCグレードまたは適合性の証明された他のグレードの試薬を使用する。トリメチルシリルイミダゾールは、2〜8℃で保存することが望ましい。
溶液の調製
誘導体化剤の調製
好適な体積のピリジンとトリメチルシリルイミダゾールとジメチルスルホキシドとを組み合わせて、58.5:22:19.5の混合物を取得する。この溶解溶媒は、密閉容器中に2〜8℃で保存した場合、7日間安定である。
サンプルの調製
15mg±0.5mgのラクトース一水和物を正確に秤量し、清浄な乾燥reactivialに入れる。4mLの誘導体化溶媒を添加して2分間振盪する。少なくとも20分間にわたりサンプルを誘導体化させる。
すべてのサンプルを密閉容器中に保存しかつ2〜8℃で保存しなければならない。サンプルは、24時間安定である。
装置パラメーター
Figure 2008529773
Figure 2008529773
システムの適合性
実施例12に記載のサンプルの調製を使用してサンプルを調製する(αおよびβ−ラクトースの両方を含有しかつ外見上以下に示されるものに確実に類似していることが知られる)。
典型的な保持時間
Figure 2008529773
図6は、2種のアノマーのGCの結果を示している。
実施例14
混合の電気抵抗トモグラフィー研究
この実施例では、電気抵抗トモグラフィー反応器内で3.5Lスケールで行われたラクトース結晶化プロセスの実験研究について説明する。研究の目的は、結晶化に及ぼす混合の影響を評価しスケールアップの推奨基準を作成することであった。所要の最低速度を用いながら実験時間全体を通して均一なサスペンジョンが保持されることを確認すべく、電気抵抗トモグラフィー(ERT)を使用した。
全体として、パイロットプラント反応器内で結晶の良好なサスペンジョンを保持すべく、120RPMの高速を使用することがきわめて望ましいことが判明した。結晶に及ぼす剪断の影響は、無視しうることが判明した。
プロセスパラメーター
以下のパラメーターを用いて、4つの実験を行った:
・ 実験1: スケールアップ情報を取得すべく2つのViscopropsインペラーを使用する。
・ 実験2: 高速で2つのViscopropsインペラーを使用する。
・ 実験3: 他の選択肢のジオメトリーを検査すべく1つのバッフルを有する後退曲線インペラーを使用する。
・ 実験4: 2つのViscoprops分速度を使用する。
ラクトースプロセスに供すべくviscopropsを選択した。なぜなら、それらは、粘性溶液またはスラリーにおいて強力な軸流を提供することによりこれらの系で良好な混合を保持するように設計されているからである。それらはまた、反応器1に使用したインペラーにきわめて類似している。当技術分野で受け入れられている方法に従って、そのようなシステムを操作した。
溶液中に固体が存在すると電界に影響を及ぼすと考えられ、したがって、監視が可能であるので、本明細書に記載の方法にERT反応器を適用した。4つの平面上で同等な導電率の読取り値が得られるまで(均一なサスペンジョンに相当する)、スターラー速度を変化させることにより、この技術を品質面で適用した。図7は、トモグラフィーデータに基づいて適用されたプロセス制御を記述したものである。
・ 検討した種々のシステムで、とくに45℃から20℃への初期冷却ランプ時、重要なパラメーターとして槽の底部における結晶の沈降を確認した。スターラーに異常を生じると、槽の底部で固体塊が生成されて、懸濁させるのが非常に困難になるであろう。
・ 固体塊は、オストワルド熟成中、部分的に分散される可能性がある。
実施例15
装置の評価
110Lのバッチサイズで反応器1のCFD評価を行った。
強調すべき点として、インペラーの下方の循環不良は、スケールアップ時にプロセスに有害となる可能性がある。しかしながら、10L CLRでのスケールアップ研究では、槽内の不十分なバッフリングに基づく強力な渦運動により、結晶は、移動可能な状態に保持されることが実証された。反応器内で利用可能な伝熱面積と仕込み体積との比が比較的大きいので、タンク内を均一温度に保持しオストワルド熟成中に凝集体を除去するうえで役立つはずである。
反応器の底部における粒子の沈降が重要なパラメーターとして確認されたので、槽底部における粒子の沈降を2秒間超にわたり防止するのに必要な速度として定義される適正懸濁速度(just suspension speed)(Njs)をスケールアップ因子として選択した。
3〜5Lスケールで、350RPMのスターラー速度を用いて、粒子サイズ分布に対してもし仮に影響があったとしてもほとんど有害な影響を及ぼすことなくタンク内に良好に分布した状態に固体を保持した。スケールアップ時に液体および固体の性質が一定に保持されかつ幾何学的相似性が保存されているという仮定下で、スケールアップ推奨基準にZwietering係数を使用することが可能である。次に、実施した実験研究から、槽内の液状媒体に必要なスターラー速度を推定すべく、以下の式を確立した:
N[RPS]=5.8 RPS(D[m]/0.08m)−0.85
式中、
N[RPS]は、槽スターラー速度であり;そして
D[m]は、本発明に係る方法が行われるメートル単位の槽直径である。D[m]は、種々の値を包含しうる。たとえば、一実施形態では、D[m]は、約0.01〜約10メートルの範囲内でありうる。
RPSおよびmは、それぞれ、毎秒回転数およびメートルを表す。
以上の式により表される槽スターラー速度は、±20パーセントの変動を生じる可能性があるが、それでも、本発明に係る方法に対して許容しうる攪拌を提供すると考えられる。
本発明の目的では、スターラー速度は、結晶化に有意な影響を及ぼすと考えられる。一例として、スターラー速度が遅すぎると、スラリーが不十分に攪拌されることになるので、固体の沈降が起こる可能性がある。逆に、スターラー速度が速すぎると、結晶化スラリー中に存在する固体に損傷が起こる可能性がある。
以上の式は、viscopropsのジオメトリーまたは類似のジオメトリーに有効である。
10Lスケールで濾過および乾燥の追跡を行った。以上に記載したスケールアップの相関関係を用いて、275RPMの速度が必要であると予測された。しかしながら、実験を行う場合、200RPMの速度で十分であることが確認された。理論に拘束されるものではないが、そのようなことは、インペラー設計の変化に起因するものと思われる。なぜなら、10Lスケールで使用されるインペラーは、実験室スケールで使用されるViscopropsよりも広幅のブレードを有するので、インペラーの圧送能力および装置の全体的効率が改善される可能性があるからである。全体として、相関関係は、スケールアップ時に必要とされる速度を過大に見積もる傾向があるが、そのため、本方法は、控えめに行いうる。
以上に記載のスケールアップの相関関係を用いて、反応器1では120RPMの速度が必要であると予測された。この速度を用いると、実験室で行われる高速実験と比較して粒子に提供される剪断力のわずかな増加(約5パーセント)が起こると考えられる。後者は、粒子サイズ分布に影響を及ぼさないように思われた。好ましくは、より高速の150RPMで実験を行うことが望ましい。なぜなら、これにより、皿底で均一なサスペンジョンおよび改善された循環が確実に得られるからである。CFD研究で強調されたインペラーの下方の循環不良にもかかわらず、反応器1は、パイロットプラントでスケールアップするのに最適であると考えられる。スラリー中の多量の固体は、他の反応器(円錐底)により取り扱うことができなかった。このことは、本方法に劇的な影響を及ぼす可能性がある。
以上の実施例は、本発明を例示すべく示されたものである。次に、以下の特許請求の範囲により本発明を規定する。
図1は、本発明に係る方法で使用するための2〜3ミクロンの微粉を付着して有する種晶ラクトース粒子のSEM画像である。 図2は、本発明に従って形成されたラクトース粒子のSEM画像である。 図3は、本発明に従って利用されたラクトース結晶化プロセスの実施形態の概略図である。 図4aおよび4bは、それぞれ、ラクトースの粒子サイズに及ぼすプロセス変数の影響を示す半正規プロットおよび相互作用グラフである。 図5は、本発明に従って形成された種々のラクトースバッチの粒子サイズ分布を示している。 図6は、供給原料のラクトースについてα−ラクトースおよびβ−ラクトースに対するガスクロマトグラフ(GC)を示している。 図7は、トモグラフィーデータに基づいてラクトース結晶化プロセスに加えられたプロセス制御を示している。

Claims (36)

  1. 指定の粒子サイズ分布を有する複数のラクトース粒子を製造する方法であって、
    液状媒体中に存在しかつラクトース粒子の表面上に複数のより小さいラクトース粒子を有する複数のラクトース粒子を、該より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該複数のラクトース粒子から離れて該液状媒体中に分散されるような条件に付す工程;
    該液状媒体を、該より小さいラクトース粒子の表面上で結晶化を引き起こしてそれらから複数のより大きいラクトース粒子を形成するのに十分な条件に付す工程、ここで、該複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さい複数のラクトース粒子もまた該液状媒体中に存在する工程;および
    該液状媒体を、該複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該液状媒体中に溶解されるような条件に付す工程、ここで、該複数のより大きいラクトース粒子上で結晶化が起こる;
    を含む、上記方法。
  2. 前記複数のラクトース粒子が、約70ミクロン〜約130ミクロンのサイズ範囲内のメジアン直径を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数のより小さいラクトース粒子が、約1ミクロン〜約3ミクロンのサイズ範囲内のメジアン直径を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記複数のより大きいラクトース粒子が、約20ミクロン〜約130ミクロンのサイズ範囲内のメジアン直径を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記複数のより大きいラクトース粒子と比べてより小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が、約1ミクロン〜約3ミクロンのサイズ範囲内のメジアン直径を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記結晶化の結果として形成されるラクトース粒子が、約20ミクロン〜約130ミクロンのサイズ範囲内のメジアン直径を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記液状媒体が水性媒体である、請求項1に記載の方法。
  8. 複数のラクトース粒子を、より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該複数のラクトース粒子から離れる条件に付す前記工程が、前記液状媒体をラクトースで過飽和させることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 離れたより小さいラクトース粒子が、均一なディスパージョンを形成する、請求項1に記載の方法。
  10. 得られた結晶化ラクトース粒子が、実質的に表面欠陥を含まない、請求項1に記載の方法。
  11. 前記複数のラクトース粒子がラクトース一水和物を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記複数のラクトース粒子が、少なくとも約97パーセントのアノマー純度でαラクトース一水和物を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 複数のラクトース粒子を、前記より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該複数のラクトース粒子から離れる条件に付す前記工程が、約50℃〜約70℃の範囲内の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. 複数のラクトース粒子を、前記より小さいラクトース粒子の少なくとも一部分が該複数のラクトース粒子から離れる条件に付す前記工程が、50℃の温度で行われる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記液状媒体を、前記より小さいラクトース粒子の表面上で結晶化を引き起こしてそれらから複数のより大きいラクトース粒子を形成するのに十分な条件に付す前記工程が、約20℃〜約50℃の範囲内の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  16. 前記液状媒体を、前記より大きいラクトース粒子上で結晶化が起こるような条件に付す前記工程が、約20℃〜約70℃の範囲内の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  17. 得られた結晶化ラクトース粒子を前記液状媒体から単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. 得られた結晶化ラクトース粒子を乾燥させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 得られた結晶化ラクトース粒子を少なくとも1種の医薬と組み合わせて医薬製剤を形成することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記医薬製剤が、吸入に好適な乾燥粉末医薬製剤である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1種の医薬が、鎮痛剤、狭心症治療剤、抗感染症剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、鎮咳剤、気管支拡張剤、利尿剤、抗コリン作動剤、ホルモン、キサンチン類、治療用のタンパク質およびペプチド、それらの塩、それらのエステル、それらの溶媒和物、ならびにそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1種の医薬が、少なくとも1種のβアゴニストを含む、請求項19に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1種のβアゴニストが、サルブタモール、テルブタリン、サルメテロール、ビトルテロール、ホルモテロール、それらのエステル、それらの溶媒和物、それらの塩、およびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記少なくとも1種のβアゴニストが、キシナホ酸サルメテロールを含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1種のβアゴニストが、硫酸サルブタモールを含む、請求項22に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1種の医薬が、少なくとも1種の抗炎症性ステロイドを含む、請求項19に記載の方法。
  27. 前記少なくとも1種の抗炎症性ステロイドが、モメタゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、それらのエステル、それらの溶媒和物、それらの塩、およびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記少なくとも1種の抗炎症性ステロイドが、プロピオン酸フルチカゾンを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記少なくとも1種の医薬が、少なくとも1種のβアゴニストと少なくとも1種の抗炎症性ステロイドとを含む、請求項19に記載の方法。
  30. 前記少なくとも1種のβアゴニストがキシナホ酸サルメテロールを含み、かつ前記少なくとも1種の抗炎症性ステロイドがプロピオン酸フルチカゾンを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記少なくとも1種の医薬が、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、テルブタリン、チオトロピウム、イプラトロピウム、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、イソエタリン、ツロブテロール、(−)−4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−[[[6−[2−(2−ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]メチル]ベンゼンメタノール、それらのエステル、それらの溶媒和物、それらの塩、およびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1種の医薬が、硫酸アルブテロール、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、およびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  33. 前記医薬製剤が、少なくとも1種の追加の賦形剤をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  34. 前記方法が槽内で行われる、請求項1に記載の方法。
  35. 前記水性媒体が、スターラーによる攪拌に付され、該スターラーの速度が、式:
    N[RPS]=5.8 RPS(D[m]/0.08m)−0.85±20パーセント
    〔式中、
    N[RPS]は、槽スターラー速度であり;
    D[m]は、槽直径であり;そして
    RPSおよびmは、それぞれ、毎秒回転数およびメートルを表す〕
    により決定される、請求項34に記載の方法。
  36. D[m]が、約0.01〜約10メートルの範囲内である、請求項35に記載の方法。
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