JP2008519006A - 肥満症の治療に使用するためのペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、1以上のメラノコルチン受容体タイプを調節することにおいて有効な新規なペプチド化合物、該化合物の治療における使用、それを必要としている患者に対して当該化合物を投与することを含んでなる治療方法、医薬の製造における該化合物の使用に関する。本発明の化合物は、肥満の治療、並びに肥満に付随する種々の疾患または状態の治療に関して特に興味あるものである。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、1以上のメラノコルチン受容体のリガンドであり且つ延長された作用を働かせ得る新規ペプチド化合物、治療における該化合物の使用、患者への該化合物の投与を含んでなる治療方法、および医薬の製造における該化合物の使用に関する。
発明の背景
肥満症は、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病(NIDDM))、異脂肪血症、冠動脈性心疾患、および骨関節炎、並びに種々の悪性腫瘍等のような、多くの非常に普通の疾患の発症についての周知の危険因子である。また、それは減少した運動性および低下したクオリティー・オブ・ライフによって、顕著な問題を引き起こす。肥満の発生、またそれによるこれら疾患の発生は、産業化された世界全体の至る所で増加している。現在のところ、少数の薬理学的治療のみが利用可能であるに過ぎない:即ち、シブトラミン(アボット社;セロトニン作動性および非アドレナリン機構を介して作用する)およびオルリスタット(ロッシュファーマ社;腸からの脂肪の取り込みを低減する)である。しかし、重篤な(更には致死的な)および普通の疾患における危険因子としての肥満の重要な影響のため、肥満の治療に有用な医薬化合物が未だ必要とされている。
肥満症の用語は、脂肪組織の過剰を意味する。この点において、肥満症は、健康に危険を与える何等かの程度の脂肪過多とみなすのが最良である。正常な固体と肥満固体との間の区別は近似できるに過ぎないが、肥満症により与えられる健康の危険は、おそらく脂肪過多と共に増大する連続系である。本発明に関しては、25以上の肥満度指数(BMI=キログラムでの体重をメートルでの身長の二乗で除算したもの)を持った固体は肥満とみなされるべきである。
穏やかな肥満症でさえも、若年死、並びに糖尿病、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、胆嚢疾患およびある種の癌のような症状の危険を増加させる。産業化された西側世界では、肥満症の蔓延が過去数十年の間に著しく増加した。肥満症およびその健康上の結果の高度の蔓延のため、その予防および治療は高度の公衆衛生的優先事項であるべきである。
エネルギー摂取が消費を超える場合、超過カロリーは脂肪組織に優先的に蓄積され、また、この正味のプラスのバランスが長期に亘れば肥満が生じる。即ち、体重バランスには二つの要素が存在し、その何れの側(摂取または消費)での異常も肥満症に結びつくことがあり得る。
プロオピオメラノコルチン(POMC)は、メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)およびアドレノコルチコトロピン(ACTH)を含むβ-エンドルフィンおよびメラノコルチンペプチドの前駆体である。POMCは、メラニン細胞、下垂体および視床下部のニューロンを含む幾つかの抹消および中枢の組織において発現される。該POMC前駆体は、異なる組織において異なる仕方でプロセッシングされ、発現部位に応じて異なるメラノコルチンペプチドの発現がもたらされる。下垂体の前葉においては、主にACTHが産生されるのに対して、中葉および視床下部ニューロンにおける主要なペプチドは、α-MSH、β-MSH、デスアセチル-α-MSHおよびβ-エンドルフィンである。ACTHおよびα-MSHを含む幾つかのメラノコルチンは、脳室内注射によってラットに投与されたときに食欲抑制作用を有することが示されている[Vergoni et al, European Journal of Pharmacology 179, 347-355 (1990)]。食欲抑制効果はまた、人工的な環状α-MSH類似体であるMT-IIでも得られる。
五つのメラノコルチン受容体サブタイプのファミリーが同定されている(メラノコルチン受容体1〜5;MC1、MC2、MC3、MC4およびMC5とも呼ばれる)。MC1、MC2およびMC5は、主に抹消組織で発現されるのに対して、MC3およびMC4は主に中枢で発現される。しかし、MC3は幾つかの抹消組織でも発現される。エネルギーホメオスタシスに関与することに加えて、MC3受容体は、幾つかの炎症性疾患にも関与することが示唆されている。MC3アゴニストは、このような疾患、例えば通風性関節炎に対して積極的な効果を有することができるであろう。MC5は主に抹消で発現され、外分泌および炎症に関与することが示唆されている。MC4ノックアウトマウスが肥満症を発症するので、MC4は、体重および摂食行動の調節に関与することが示されている[Huzar et al., Cell 88, 131-141 (1997)]。加えて、MC4受容体は、エネルギー消費の調節に関与することが示されている[Fekete et al., Journal of Neuroscience 20, 1550-1558 (2000)]。更に、アグーチタンパク質(MC1、MC3およびMC4アンタゴニスト)の異所性中枢発現、またはマウス脳において内因的に生じるMC3およびMC4アンタゴニスト(アグーチ遺伝子関連タンパク質、AGRP)の過剰発現は、これら二つのアンタゴニストの過剰発現が肥満症の発症を導くことを立証した[Kleibig et al., PNAS 92, 4728-4732 (1995)]。更に、AGRPのC末端断片のicv注射は、摂食を増大させ、また摂食に対するα-MSHの阻害効果を打ち消す。
ヒトにおいて、MC4におけるフレームシフト変異に起因すると思われる肥満を持った家族の幾つかの事例が記載されている[例えば、Yeo et al., Nature Genetics 20, 111-112 (1998); Vaisse et al., Nature Genetics 20, 113-114 (1998)参照]。
結論として、MC4アゴニストは、食欲抑制薬またはエネルギー消費調節薬として働くことができ、また肥満または肥満関連疾患の治療、並びに他の疾患、障害、またはMC4の活性化によって寛解され得る病状の治療に有用であることができるであろう。
MC4アンタゴニストは、悪液質または摂食障害の治療のために有用である可能性があり、また虚弱高齢患者における消耗状態の治療のために有用であり得る。更に、MC4アンタゴニストは、慢性疼痛、神経症、神経障害および神経性炎症の治療のために使用してもよい。
多くの特許出願が、メラノコルチン受容体モジュレータとしての種々のクラスの非ペプチド小分子を開示している:その例は、WO 03/009850, WO 03/007949およびWO 02/081443である。
メラノコルチン受容体モジュレータとしてのペプチドの使用が、多くの特許文献、例えばWO 03/006620、US 5731,408およびWO 98/27113に開示されている。Hadley [Pigment Cell Res., 4, 180-185, (1991)]は、脂肪酸に接合された特定のメラニン細胞刺激ペプチドの延長作用を報告しており、この延長は、接合された脂肪酸によって生じる、可逆的作用から不可逆的作用への該モジュレータの変換によって行われるものである。
発明の概要
本願の発明者は、驚くべきことに、特定のペプチド接合体が1以上のメラノコルチン受容体、即ち、MC1、MC2、MC3、MC4またはMC5に対して高い調節効果を有することを見出した。従って、本発明は、次式Iの化合物、並びにその医薬的に許容可能な塩、プロドラッグおよび溶媒和物に関する:
R1-S-Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6-c[X1-X2-X3-Arg-X4-X5]N(R’)2 [I]
ここで、
R1は、任意にハロゲン、ヒドロキシルおよびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてよい直鎖、分岐鎖および/または環式のC14-22アルカノイル、C14-22アルケノイル、またはC14-22アルキノイルを表すか、あるいは、R1はC9-17-C(O)-NH-S(O)2-(CH2)3-C(O)-を表し;
Sは、結合、4-アミノ酪酸残基、Gly、β-Ala、または次式IIで表される構造を表し;
Figure 2008519006
Z1は、Gly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、または結合を表し;
Z2は、Ser、Thr、Gln、Asn、Glu、Asp、またはHisを表し;
Z3は、Gln、D-Gln、Asn、またはD-Asnを表し;
Z4は、His、Arg、homoArg、Lys、Orn、Dab、またはDapを表し;
Z5は、Ser、Thr、Dab、Dap、Glu、またはAspを表し;
Z6は、Ala、Val、Leu、Ile、Met、またはNleを表し;
X1は、Glu、Asp、Cys、homoCys、Pen、Lys、Orn、Dab、またはDapを表し;
X2は、GlnまたはAsnを表し;
X3は、D-Pheを表し、D-Pheのフェニル部分は任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチルおよびシアノの中から選択される1以上の置換基で置換されてよく;
X4は、Trp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン残基、または(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸残基を表し;
X5は、Glu、Asp、Cys、homoCys、Pen、Lys、Orn、DabまたはDapを表し;
X1およびX5は、独立にCys、homoCysもしくはPenであるX1およびX5から誘導されるジスルフィド橋を介して、またはX1の側鎖におけるカルボン酸とX5の側鎖におけるアミノ基の間に形成されるアミド結合を介して、またはX5の側鎖におけるカルボン酸とX1の側鎖におけるアミノ基の間に形成されるアミド結合を介して結合されることにより、前記式Iの化合物を環状にし、
各R’は、独立に、水素またはC1-6アルキルを表し、これは任意に1以上のアミノまたはヒドロキシで置換されてよい:
但し、前記式Iの化合物は、4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2、またはヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2ではない。
本発明は更に、治療における本発明の化合物の使用、本発明の化合物を含む医薬組成物、治療的有効量の本発明の化合物を、それを必要としている患者に投与することを含む治療方法、医薬の製造における本発明の化合物の使用に関する。
定義
Cx-yアルキル(例えばC14-22アルキル)のように、基の名称に前にある「Cx-y」型の接頭語の使用は、x〜yの炭素原子を有する指定された種類の基を示すものである。従って、直鎖および/または環式のC14-22アルカノイル基、C14-22アルケノイル基、またはC14-22アルキノイル基は、それらが本発明の化合物における置換基R1として出てくるときは、14、15、16、17、18、19、20、21または22個の炭素原子(即ち、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21またはC22)を有する、直鎖、分岐鎖および/または環式のアルカノイル基、アルケノイル基、またはアルキノイル基を包含するものである。
ここで用いる「アルキル」の用語は、直鎖、分岐鎖および/または環式の1価の飽和炭化水素基を意味する。その例には、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。
ここで用いる「アルケニル」の用語は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含んでなる直鎖、分岐鎖および/または環式の1価の飽和炭化水素基を意味する。その例には、エテニル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-2-エン-1-イル、およびプロパ-2-エン-2-イルが含まれる。
ここで用いる「アルキニル」の用語は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含んでなる直鎖、分岐鎖および/または環式の1価の飽和炭化水素基を意味し、任意に、1以上の炭素-炭素二重結合を含んでもよい。その例には、エチニル、プロパ-1-イン-1-イル、およびプロパ-2-イン-1-イルが含まれる。
ここで用いる「アルカノイル」の用語は、式-C(O)-R’の基を意味し、ここでのR’は上記で示したアルキルである。
ここで用いる「アルケノイル」の用語は、式-C(O)-R’’の基を意味し、ここでのR’’は上記で示したアルケニルである。
ここで用いる「アルキノイル」の用語は、式-C(O)-R’’’の基を意味し、ここでのR’’’は上記で示したアルキニルである。
ここで用いる「アルコキシ」の用語は、式-OR’の基を意味し、ここでのR’は上記で示したアルキルである。その例には、メトキシおよびエトキシが含まれる。
本発明の内容において、「アリール」の用語は、炭素環式芳香族基、または少なくとも一つの環が芳香族である融合した芳香族環系の基を示すものである。典型的な芳香族基には、フェニル、ビフェニリル、およびナフチル等が含まれる。
ここで用いる「ハロゲン」の用語は、元素周期表第7族の元素を示し、これにはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素(それぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード置換基に対応する)が含まれる。
二つのアミノ酸が架橋されるときとは、二つのそれぞれのアミノ酸の側鎖における官能基が反応して、共有結合を形成したことを示すものである。
本発明の内容において、「アゴニスト」の用語は、問題の受容体タイプを活性化させる物質(リガンド)を示すものである。
本発明の内容において、「アンタゴニスト」の用語は、アゴニストの効果を阻止し、中和し、または打ち消す物質(リガンド)を示すものである。
より詳細に言えば、受容体リガンドは次のように分類されてよい。
受容体を活性化させる受容体アゴニスト:部分的アゴニストもまた、受容体を活性化させるが、その効果は完全なアゴニストよりも低い。部分的アゴニストは、受容体の部分的アンタゴニストとして作用し、完全なアゴニストの効果を部分的に阻害する。
受容体中性アンタゴニストは、アゴニストの作用を阻止するものであるが、受容体の構成的活性には影響しない。
受容体逆アゴニストは、アゴニストの作用を阻止すると同時に、受容体の構成的活性を減弱させるものである。完全な逆アゴニストは、受容体の構成的活性を完全に減弱させるであろう;部分的な逆アゴニストは、受容体の構成的活性をより小さい範囲で減弱させるであろう。
ここで用いる「アンタゴニスト」の用語は、中性アンタゴニストおよび部分的アンタゴニスト、並びに逆アゴニストを含むものである。「アゴニスト」の用語は、完全なアゴニスト並びに部分的アゴニストを含むものである。
本発明の内容において、「医薬的に許容可能な塩」の用語は、患者に有害でない塩を示すものである。そのような塩には、医薬的に許容可能な酸付加塩、医薬的に許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸並びに有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表的な例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、燐酸、硫酸、硝酸等が含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、蓚酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等が含まれる。医薬的に許容可能な無機または有機の酸付加塩の更なる例には、本明細書の一部として援用するJ. Pharm. Sci. 1977, 66, 2に列挙された医薬的に許容可能な塩が含まれる。関連の金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が含まれる。アルキル化アンモニウム塩の例には、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等が含まれる。
ここに使用される化合物の「治療的に有効な量」は、所定の疾患および/またはその合併症の臨床症状を治癒、緩和、または部分的に阻止するために充分な量を意味する。これを達成するのに適切な量が、「治療的に有効な量」として定義される。各目的のための有効な量は、疾患または創傷の重篤度、並びに患者の体重および全身状態に依存するであろう。適切な投与量の決定は、値のマトリックスを構築し、該マトリックスの異なる点において試験することによりルーチンの実験を使用して達成することができ、これらは全て熟練した医師または獣医師の通常の知識の範囲内であることが理解されるであろう。
ここに使用される「治療」および「治療する」の用語、並びにそれらの変形は、疾患または病気のような症状と闘う目的での患者の管理および看護を意味する。この用語は、患者が患っている所定の症状についての全スペクトルの治療、例えば、疾患、障害または症状の進行を遅らせ、症候群および合併症を緩和または除去し、当該疾患、障害または症状を治癒または排除し、するために、および/または該症状を防止するために、問題の活性化合物を投与することを含むものである。ここで予防とは、疾患、症状、または障害と闘う目的での、患者の管理および看護として理解されるべきものであり、当該症状または合併症の発症を防止するために問題の活性化合物を投与することを含むものである。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特に人間であるが、更に、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジおよびブタのような他の動物の治療も本発明の範囲に含まれる。
ここに使用される「溶媒和物」の用語は、溶質(この場合は本発明による化合物)および溶媒によって形成された、定義された化学量論的複合体である。溶媒は、例えば水、エタノールまたは酢酸であってよい。
本発明において使用されるアミノ酸の略語は、次の意味を有する。
Figure 2008519006
Figure 2008519006
D-で始まって3文字コードが続くアミノ酸の略語、例えばD-Ser、D-His等は、対応するアミノ酸のD-エナンチオマー、例えばD-セリン、D-ヒスチジン等を意味する。例えばSer(セリン)、His(ヒスチジン)等のように、3文字コードまたはアミノ酸名の前にDの文字が存在しない場合、それは問題のアミノ酸のL-エナンチオマーを意味すると理解されるべきである。
発明の説明
上記で既に示したとおり、本発明の一つの側面は、次式Iに従う化合物、並びにその医薬的に許容可能な塩、プロドラッグ、および溶媒和物に関する:
R1-S-Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6-c[X1-X2-X3-Arg-X4-X5]N(R’)2 [I]
ここで、
R1は、任意にハロゲン、ヒドロキシルおよびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてよい直鎖、分岐鎖および/または環式のC14-22アルカノイル、C14-22アルケノイル、またはC14-22アルキノイルを表すか、あるいは、R1はC9-17-C(O)-NH-S(O)2-(CH2)3-C(O)-を表し;
Sは、結合、4-アミノ酪酸残基、Gly、β-Ala、または次式IIで表される構造を表し;
Figure 2008519006
Z1は、Gly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、または結合を表し;
Z2は、Ser、Thr、Gln、Asn、Glu、Asp、またはHisを表し;
Z3は、Gln、D-Gln、Asn、またはD-Asnを表し;
Z4は、His、Arg、homoArg、Lys、Orn、Dab、またはDapを表し;
Z5は、Ser、Thr、Dab、Dap、Glu、またはAspを表し;
Z6は、Ala、Val、Leu、Ile、Met、またはNleを表し;
X1は、Glu、Asp、Cys、homoCys、Pen、Lys、Orn、Dab、またはDapを表し;
X2は、GlnまたはAsnを表し;
X3は、D-Pheを表し、D-Pheのフェニル部分は任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチルおよびシアノの中から選択される1以上の置換基で置換されてよく;
X4は、Trp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン残基、または(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸残基を表し;
X5は、Glu、Asp、Cys、homoCys、Pen、Lys、Orn、DabまたはDapを表し;
X1およびX5は、独立にCys、homoCysもしくはPenであるX1およびX5から誘導されるジスルフィド橋を介して、またはX1の側鎖におけるカルボン酸とX5の側鎖におけるアミノ基の間に形成されるアミド結合を介して、またはX5の側鎖におけるカルボン酸とX1の側鎖におけるアミノ基の間に形成されるアミド結合を介して結合されることにより、前記式Iの化合物を環状にし、
各R’は、独立に、水素またはC1-6アルキルを表し、これは任意に1以上のアミノまたはヒドロキシで置換されてよい:
但し、前記式Iの化合物は、4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2、またはヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2ではない。
一定の実施形態において、R1はC14-18アルカノイルであり、Sは結合または式IIで表される構造である。
本発明の化合物の更なる実施形態において、式IにおけるR1は、4-(C14-18アルカノイルスルファモイル)ブタノイル、例えば4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルであり、Sは結合である。
本発明の化合物の他の実施形態において、式IにおけるZ1は、Gly、GluもしくはAsp、または結合であり、Z6は、NleまたはAlaである。特に教示ある実施形態において、Z1はGlyであり、Z6はNleである。
本発明の化合物の追加の実施形態において、式IにおけるZ2は、Glu、Asp、Ser、Thr、Gln、またはAsnであり、例えばSer、Thr、またはGlnである。
本発明の化合物の他の実施形態において、式IにおけるZ3は、Asn、Gln、D-Asn、またはD-Glnであり、例えばGlnである。
本発明の化合物の更なる実施形態において、式IにおけるZ4は、His、Arg、homoArg、Lys、Orn、Dab、またはDapであり、例えばHis、またはArgである。
本発明の化合物の更なる実施形態において、式IにおけるZ5は、Glu、Asp、Ser、Thr、DabまたはDapであり、例えばSerまたはDapである。
本発明の化合物の一定の実施形態において、式IにおけるX2は、Glnである。幾つかの代替実施形態において、X2はAsnである。
本発明の化合物の一群の実施形態において、式IにおけるX1はGluであり、式IにおけるX3はD-Pheであり、式IにおけるX4はTrpであり、式IにおけるX5はLysである。もう一つの群の実施形態において、X1はAspであり、X3はD-Pheであり、X4はTrpであり、X5はLysである。
本発明の化合物の一定の他の実施形態において、式IにおけるX1およびX5は、独立に、Cys、homoCysまたはPenであり、式IにおけるX3はD-Pheであり、また式IにおけるX4はTrpである。
本発明の化合物の一つの特定の群の実施形態において、N(R')2はNH2である。
特定のタイプの本発明の化合物には、次のものが含まれる:
・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号1)、
・R1-S-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号2)、
・R1-S-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号3)、
・R1-S-Gly-Ser-D-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号4)、
・R1-S-Gly-Gln-D-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号5)、
・R1-S-Gly-Ser-Asn-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号6)、
・R1-S-Gly-Ser-D-Asn-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号7)、
・R1-S-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号8)、
・R1-S-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号9)、
・R1-S-Gly-Gln-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号10)、
・R1-S-Gly-Ser-D-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号11)、
・R1-S-Gly-Gln-D-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号12)、
・R1-S-Gly-Ser-Asn-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号13)、
・R1-S-Gly-Ser-D-Asn-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号14)、
・R1-S-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号15)、
・R1-S-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号16)、
・R1-S-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号17)、
・R1-S-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号18)、
・R1-S-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号19)、
・R1-S-Gln-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号20)、
・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号21)、
・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Cys-X2-D-Phe-Arg-Trp-Cys]-NH2(配列番号22)、
・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[homoCys-X2-D-Phe-Arg-Trp-Pen]-NH2(配列番号23)、
・R1-S-Glu-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号24)、
・R1-S-Gly-Glu-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号25)、
・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Glu-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号26)、 および
・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Ala-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号27)、
ここでのR1およびSは、上記で示したようにして変化してよい。
本発明による興味ある化合物の特定の例は、次の通りである:
・2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号28)、
・2-[2-(テトラデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号29)、
・2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号30)、
・2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号31)、
・ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号32)、
・オクタデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号33)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号34)、
・ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号35)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号36)、
・テトラデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号37)、
・ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号38)、
・オクタデカノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号39)、
・ヘキサデカノイル-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号40)、
・オクタデカノイル-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号41)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号42)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Cys-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Cys]-NH2(配列番号43)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[homoCys-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Pen]-NH2(配列番号44)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Glu-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号45)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Glu-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号46)、
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Glu-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号47)、および
・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Ala-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2(配列番号48)。
本発明はまた、上記で概説した本発明の化合物の二以上の実施形態の組合せも包含するものである。
本発明の一つの側面において、本発明の化合物はメラノコルチン受容体アゴニスト、特にMC4アゴニストである。本発明のもう一つの側面において、当該化合物はMC4の選択的アゴニストである。この点において、選択性はMC1、MC3および/またはMC5に関する当該化合物の活性に対するものと理解されるべきである。化合物がMC1、MC3および/またはMC5アゴニストとしてよりも、MC4アゴニストとして顕著に強いときには、選択的なMC4アゴニストであると看做される。MC1およびMC4に対する化合物のアゴニスト力価は、後述の「アッセイIV」(MC1)に記載したMC1結合アッセイを、後述の「アッセイIII」(MC4)に記載した機能的MC4アッセイと比較することによって決定されてよい。もし、化合物がMC1に関してよりもMC4に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強ければ、MC1に比較して選択的なMC4アゴニストであると看做される。MC3、MC4およびMC5に関する化合物のアゴニスト力価は、「アッセイII」(MC3およびMC5)および「アッセイIII」(MC4)に記載の機能的アッセイにおいて決定されてよい。もし、化合物がMC3に関してよりもMC4に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強ければ、MC3に比較して選択的なMC4アゴニストであると看做される。もし、化合物がMC5に関してよりもMC4に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強ければ、MC5に比較して選択的なMC4アゴニストであると看做される。特別の側面において、本発明の化合物は、MC1に比較して、MC3に比較して、MC5に比較して、MC1およびMC3に比較して、MC1およびMC5に比較して、MC3およびMC5に比較して、またはMC1、MC3およびMC5に比較して、選択的なMC4アゴニストである。
本発明のもう一つの側面において、本発明の化合物は、選択的なMC4アゴニストおよびMC3アンタゴニストである。この点において、化合物は、それが上記で述べたようにMC1およびMC5に比較して選択的なMC4アゴニストであり、また「アッセイII」に記載した通り測定したときにMC3に拮抗するときには、それは選択的なMC4アゴニストおよびMC3アンタゴニストと看做される。後者のアッセイにおいて100 nM未満、例えば10 nM未満、5 nM未満のIC50値を示す化合物は、MC3アンタゴニストと看做される。
本発明の更なる側面において、本発明の化合物は、選択的MC3アゴニストで且つ選択的MC4アゴニストである。この点において、化合物は、それがMC1およびMC5に対するアゴニストとしてよりも、MC3およびMC4に対するアゴニストとして顕著に強ければ、それは選択的なMC3およびMC4アゴニストと看做される。MC1およびMC3に関する化合物の選択性は、「アッセイIV」に記載したようにMC1について測定された力価を、「アッセイII」に記載したようにして測定されたMC3についての力価と比較することによって決定されてよい。もし、化合物がMC1に関してよりもMC3に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強ければ、それはMC1に比較して選択的なMC3アゴニストであると看做される。MC3およびMC5に関する化合物の選択性は、「アッセイII」に記載したようにして測定された力価を比較することによって決定されてよい。もし、化合物がMC5に関してよりもMC3に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強ければ、それはMC5に比較して選択的なMC3アゴニストであると看做される。化合物のMC3およびMC5に比較したMC4選択性は、上記で述べたようにして決定される。
本発明の化合物は、遅延性の効果を働かせることができる。即ち、それらが生物学的活性を働かせる期間が延長され得る。遅延性効果は、本発明の化合物と、僅かに変更された「アッセイI」において、R1が水素でSが結合である対応の化合物との間での比較で評価されてよい。この実験は、マウスが当該実験の前に食べたのと同じ量を食べるまで、時間Tの間継続される。本発明の化合物、およびR1が水素でSが結合である対応の化合物についてのT値が測定され、その差ΔTが計算される。3時間超、例えば7時間超、例えば12時間超、例えば24時間超、例えば48時間超、例えば72時間超のΔTを生じる本発明の化合物は、遅延性の効果を働かせると看做される。
本発明の化合物はメラノコルチン受容体を調節し、従って、それはメラノコルチン受容体活性の調節により治療できる疾患または状態を治療するために特に適していると思われる。特に、本発明の化合物は、MC4の活性化を介しての、疾患または状態の治療のために適していると思われる。
一つの側面において、本発明は、対象においてMC4をアゴナイズまたは活性化させる方法に関し、該方法は、前記対象に対して、有効量の本発明の化合物(即ち、式Iの化合物)を投与することを含んでなるものである。
もう一つの側面において、本発明は、IGTの2型糖尿病への進行を遅延させる方法に関するものであり、該方法は、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなるものである。
更なる側面において、本発明は、2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行を遅延させる方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法を提供する。
追加の側面において、本発明は、肥満症を治療し、または過体重を防止する方法に関し、該方法は、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなるものである。
更なる側面において、本発明は、食欲を調節する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法を提供する。
本発明のもう一つの側面は、満腹感を誘導する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法に関する。
本発明の更なる側面は、首尾よく減量した後の体重増加を防止する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法に関する。
本発明に更にもう一つの側面は、エネルギー消費を増大させる方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法に関する。
本発明の更なる側面には、次のものが含まれる:
過体重または肥満に関連した疾患または状態を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法;
過食症を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法;
気晴らし食いを治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法;
アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、および若年死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法。
特に、本発明の化合物は、肥満または過体重の患者における疾患の治療に適することができる。従って、本発明はまた、肥満症の患者において、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、および若年死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法を提供する。
更に、本発明の化合物の投与は、特に、胃緊縛法および/または胃手術を受けたか、または受けるべき肥満または過体重の患者の治療において有利であることができる。
加えて、MC4アゴニストは、インスリン感受性に対して、報酬系を調節することにより薬物乱用に対して、また出血性ショックに対して積極的な効果を有することができるであろう。更に、MC3およびMC4アゴニストは解熱効果を有し、両者とも抹消神経再生に関与することが示唆されている。MC4アゴニストはまた、ストレス応答を低減することが知られている。
本発明に関して、本発明の化合物の患者への適切な投与経路には、鼻、肺、または舌下の投与経路のような非経腸的経路が含まれ、これらは全て薬物投与の技術の当業者によく知られている。
上記で述べた全ての治療方法において、本発明の化合物は単独で、または1以上(即ち、一つ、二つまたは三つ…等)の本発明の追加の化合物と組み合わせて投与されてより。更に、本発明の化合物、または本発明の二以上(即ち、二つ、三つまたは四つ…等)の化合物の組合せは、1以上の他の治療的に活性な物質または化合物(即ち、本発明の範囲内にない物質または化合物)と組合せて、同時にまたは逐次的に投与されてよい。
本発明による方法において用いるときの、本発明の化合物の典型的な経口投与量は、1日当たり約0.001〜約100mg/kg体重、例えば1日当たり約0.01から約50mg/kg体重、例えば1日当たり約0.05〜約10mg/kg体重の範囲であり、これらは1回以上、例えば1〜3回の投与回数で投与される。正確な投与量は、投与の頻度およびモード、治療される患者の性別、年齢、体重および一般状態、治療される状態の性質および重篤度、何らかの同時に治療されるべき疾患、並びに当業者に明らかな他の要因に依存するであろう。
本発明の化合物は、当業者に周知の技術を使用して、単位投与量形態に便宜に処方されてよい。1日当たり1回以上(例えば1日当たり1〜3回)投与される経口投与のための典型的な単位投与量形態は、0.05〜約1000mg、例えば約0.1〜約500mg、例えば約0.5mg〜約200mgの本発明の化合物を適切に含有してよい。
更なる側面において、本発明は、1以上の医薬的に許容可能なキャリアまたは賦形剤問い共に、任意に1以上の追加の治療的に活性な化合物または物質と組み合わせた本発明の化合物を含んでなる医薬組成物に関する。該粗製物は、適切には、0.05〜約1000mg、例えば約0.1〜約500mg、例えば約0.5mg〜約200mgの本発明の化合物を含有する単位投与量形態であってよい。
本発明はまた、任意に1以上の追加の治療的に活性な化合物または物質と組み合わせた本発明の化合物の使用であって、過体重または肥満症、過食症、気晴らし食い、アテローム製動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、および若年死のリスクから選択される疾患または状態を治療するための医薬の製造における使用に関する。
本発明はまた、任意に1以上の追加の治療的に活性な化合物または物質と組み合わせた本発明の化合物の使用であって、IGTから2型糖尿病への進行を遅延させること;2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行を遅延させること;肥満を治療もしくは過体重を治療すること;食欲を調節すること;満腹感を誘導すること;首尾よく減量した後の体重再増加を防止すること;またはエネルギー消費を増大させることにおいて有効な医薬の製造における使用に関する。
上記で述べたように、本発明の化合物は、1以上の治療的に活性な化合物または物質と組み合わせて投与または適用されてよい。適切な追加の化合物または物質は、例えば、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤、肥満治療剤、高血圧治療剤、および糖尿病に由来または付随する合併症の治療のための薬剤から選択されてよい。
適切な糖尿病治療剤には、インスリン、その全てを本明細書の一部として援用するWO 95/07931、WO 97/31022、およびWO 2005/012347(ノボ・ノルディスクA/S)に開示されたような延長または遅延された活性プロファイルを示す誘導体または類似体を含む、インスリンの誘導体または類似体;本明細書の一部として援用するWO 98/08871(ノボ・ノルディスクA/S)に開示されたようなGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の誘導体;本明細書の一部として援用する米国特許第6,458,924号(Knudsen et al.)に開示されたようなGLP-1類似体の誘導体;並びに経口的に活性な血糖降下剤が含まれる。
適切な経口的に活性な血糖降下剤には次のものが含まれる:イミダゾリン;スルホニル尿素;ビグアニド;メグリチニド(meglitinides);オキサジアゾリジンジオン;チアゾリジンジオン;インスリン抵抗性改善剤;α-グルコシダーゼ阻害剤;膵臓β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えば、本明細書の一部として援用するWO 97/26265、WO 99/03861およびWO 00/37474(ノボ・ノルディスクA/S)に開示されたカリウムチャンネル開放剤;オルミチグリニド(ormitiglinide)のようなカリウムチャンネル開放剤;ナテグリニドまたはBTS-67582のようなカリウムチャンネル阻止剤;全て本明細書の一部として援用するWO 99/01423およびWO 00/39088(ノボノルディスクA/SおよびAgouron Pharmaceuticals, Inc.)に開示されたようなグルカゴンアンタゴニスト;本明細書の一部として援用するWO 00/42026(ノボノルディスクA/SおよびAgouron Pharmaceuticals, Inc.)に開示されたGLP-1アゴニスト;DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤;PTPase(タンパク質チロシンホスファターゼ)阻害剤;本明細書の一部として援用するWO 2004/002481(ノボ・ノルディスクA/S)およびホフマン・ラ・ロシュ社のWO 02/08209に記載されたもの等のグルコキナーゼ活性剤;糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤;グルコース取り込み調節剤;GSK-3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3)阻害剤;抗超高脂血症剤および抗高脂血薬のような脂質代謝を修飾する化合物;食物摂取を低下させる化合物;並びにPPAR(ペルオキシゾーム増殖因子に活性化される受容体)アゴニストおよびRXR(レチノイドXの受容体)アゴニスト、例えばALRT-268、LG-1268またはLG-1069が含まれる。
適切な追加の治療的に活性な物質の他の例には、チアゾリジンジオンインスリン抵抗性改善剤、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、シグリタゾン(ciglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、イサグリタゾン(isaglitazone)、ダルグリタゾン(darglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、CS-011/CI-1037もしくはT 174、または本明細書の一部として援用するWO 97/41097(DRF-2344)、WO 97/41119、WO 97/41120、WO 00/41121およびWO 98/45292(Dr. Reddy’s Reserch Foundation)に開示された化合物が含まれる。
適切な追加の治療的活性物質の追加の例には、インスリン抵抗性改善剤、例えば、GI 262570、YM-440、MCC-555、JTT-501、AR-H039242、KRP-297、GW-409544、CRE-16336、AR-H049020、LY510929、MBX-102、CLX-0940、GW-501516、および本明細書の一部として援用するWO 99/19313(NN622/DRF-2725)、WO 00/50414、WO 00/63191、WO 00/63192およびWO 00/63193(Dr. Reddy’s Reserch Foundation)、並びにWO 00/23425 WO 00/23415、WO 00/23451、WO 00/23445、WO 00/23417、WO 00/23416、WO 00/63153、WO 00/63196、WO 00/63209、WO 00/63190およびWO 00/63189(ノボノルディスクA/S)に開示された化合物が含まれる。
適切な治療的活性物質の更なる例には、次のものが含まれる:
・αグルコシダーゼ阻害剤、例えばフォグリボース(voglibose)、エミグリテート(emiglitate)、ミグリトール(miglitol)またはアカルボース;
・グリコーゲンフォスフォリラーゼ阻害剤、例えばWO 97/09040に開示された化合物;
・グルコキナーゼ活性剤;
・膵臓β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド、BTS-67582またはレパグリニド。
他の適切な追加の治療的活性物質には、抗超高脂血症剤または抗高脂血症剤、例えばコレスチラミン、コレスチポール(colestipol)、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、プロブコール(probucol)、またはデキストチロキシンが含まれる。
追加の治療的活性物質として適した更なる物質には、抗肥満剤または食欲調節剤が含まれる。このような薬剤は、CART(コカイン・アンフェタミンに調節された転写)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、Y2およびY4受容体アゴニスト、MC3(メラノコルチン3)アゴニスト、MC3(メラノコルチン3)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オーレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)アゴニスト、CRF BP(副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合蛋白質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、CL-316243、AJ-9677、GW-0604、LY362884、LY377267もしくはAZ-40140のようなβ3アドレナリン作動性アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MC1(メラノコルチン1)アゴニスト、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再吸収阻害剤[例えばフルオキセチン(fluoxetine)、セロキサット(seroxat)またはシタロプラム(citalopram)]、セロトニンおよびノルエピネフリン再吸収阻害剤、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、プロラクチンまたは胎盤ラクトゲンのような成長因子、成長ホルモン放出化合物(成長ホルモン分泌促進剤)、グレリン(Ghrelin)アンタゴニスト、TRH(チレオトロピン放出ホルモン)アゴニスト、UCP 2または3(脱共役タンパク質2または3)調節剤、化学的脱共役剤、レプチンアゴニスト、DA(ドーパミン)アゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPAR調節剤、RXR調節剤、TRβアゴニスト、アドレナリン作動性CNS刺激剤、AGRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤、本明細書の一部として援用するWO 00/42023、WO 00/63208およびWO 00/64884に開示されたようなヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、エキセンジン-4、GLP-1アゴニストおよび毛様態神経栄養因子からなる群から選択されてよい。
更なる適切な抗肥満剤は、ブプロピオン(抗うつ薬)、トピラメート(topiramate;抗痙攣薬)、エコピパム(ecopipam;ドーパミンD1/D5アンタゴニスト)、ナルトレキソン(オピオイドのアンタゴニスト)、およびペプチドYY3-36(Batterham et al, Nature 418, 650-654 (2002))である。
て本発明の方法において、追加の治療的活性物質とし本発明の化合物と組み合わせて使用するための適切な抗肥満剤は、レプチンである。
適切な抗肥満剤の更なる実施形態は、ペプチドYY3-36である。
適切な抗肥満剤の追加の実施形態は、セロトニンおよびノルエピネフィリン再吸収阻害剤、例えばシブトラミンである。
適切な抗肥満剤の他の実施形態は、リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタットである。
適切な抗肥満剤の更なる実施形態は、アドレナリン作動性CNS刺激剤、例えばデキストロアンフェタミン、アンフェタミン、フェンテルミン、マチンドール、フェンジメトラジン(phendimetrazine)、ジエチルプロピオン、フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンである。
適切な追加の治療的活性化合物の他の例には、血圧降下薬が含まれる。血圧降下薬の例は、β遮断剤、例えばアルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロル、プロプラノロールおよびメトプロロール;ACE(アンギオテンシン転換酵素)阻害剤、例えばベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、リシノプリル、キナプリルおよびラミプリル(ramipril);カルシウムチャネル遮断薬、例えばニフェジピン、フェロジピン(felodipine)、ニカルジピン(nicardipine)、イスラジピン(isradipine)、ニモジピン(nimodipine)、ジルチアゼムおよびベラパミル;並びにα遮断剤、例えばドキサゾシン(doxazosin)、ウラピジル(urapidil)、プラゾシンおよびテトラゾシン(terazosin)である。
本発明の使用および方法の一定の実施形態において、本発明の化合物は、上記で述べた適切な追加の治療的活性化合物または物質の二以上、例えばメトホルミンおよびスルホニル尿素(例えばグリブリド);スルホニル尿素およびアカルボース;ナテグリニドおよびメトホルミ;アカルボースおよびメトホルミンン;スルホニル尿素、メトホルミンおよびトログリタゾン;インスリンおよびスルホニル尿素;インスリンおよびメトホルミン;インスリン、メトホルミンおよびスルホニル尿素;インスリンおよびトログリタゾン;インスリンおよび炉バスタチン;等と組み合わせて投与または適用してよい。
<医薬組成物>
既に述べたように、本発明の一つの側面は、本発明の化合物を含有する医薬組成物(処方剤)を提供する。このような処方剤の適切な実施形態は、屡々、本発明の化合物を10-3 mg/mL〜200 mg/mL、例えば10-1 mg/mL〜100 mg/mLの濃度で含有するであろう。本発明のこのような処方剤のpHは、典型的には2.0〜10の範囲であろう。該処方剤は更に、緩衝系、保存剤、張性剤、キレート化剤、安定剤および/または表面活性剤を含有してよい。本発明の一つの実施形態において、当該医薬処方剤は水性処方剤、即ち、水を含有する処方剤であり、本発明の文脈において「水性処方剤」の用語は、通常は少なくとも50%(w/w)の水を含有する処方剤を示すように用いられてよい。このような処方剤は、典型t系には溶液または懸濁液である。水溶液の形態の本発明の水性処方剤は、通常は少なくとも50%(w/w)の水を含有するであろう。同様に、水性懸濁液の形態の本発明の水性処方剤は、通常は少なくとも50%(w/w)の水を含有するであろう。
もう一つの実施形態において、本発明の医薬組成物(処方剤)は、医師または患者が溶媒および/または希釈剤の添加によって使用前に再構成することを意図した、凍結乾燥された処方剤であってよい。
更なる実施形態において、本発明の医薬組成物(処方剤)は、予め溶解することなく直ぐに使用できる乾燥(例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥)された組成物である。
更なる側面において、本発明は、本発明の化合物および緩衝剤の水溶液を含んでなる医薬組成物(処方剤)に関し、ここで、本発明の化合物は0.1〜100 mg/mL以上の濃度で存在し、また、該処方剤は約2.0〜約10のpHを有する。
本発明のもう一つの実施形態において、当該処方剤のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9および10.0からなる群から選択される値を有する。
更なる実施形態において、本発明の緩衝された医薬組成物における緩衝剤は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン(TRIS)、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、およびアスパラギン酸からなる群から選択される1以上の緩衝剤を含有してよい。これらの特定の緩衝剤の各々が、本発明の代替的実施形態を構成する。
本発明のもう一つの実施形態において、本発明の医薬組成物は、医薬的に許容され得る保存剤、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、チメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、およびクロロフェネシン(3p-クロロフェノキシプロパン-1,2-ジオール)からなる群から選択される1以上の保存剤を含有してよい。これらの特定保存剤の各々が、本発明の代替的実施形態を構成する。本発明の更なる実施形態において、保存剤は、0.1 mg/mL〜20 mg/mLの濃度で存在する。本発明の更なる実施形態において、保存剤は0.1〜5 mg/mLの濃度、5〜10 mg/mLの濃度、または10 mg/mL〜20 mg/mLの濃度で存在する。医薬組成物中に保存剤を使用することは当業者に周知である。便宜のために、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版(2000年発行)が参照される。
本発明の更なる実施形態において、当該処方剤は更に張性調節剤、即ち、液体処方剤(特に水性処方剤)または本発明の再構成された凍結乾燥処方剤の張性(浸透圧)を望ましいレベルに、通常は、得られる最終的な液体処方剤が等張または実質的に等張になるように調節する目的で添加される物質を含有する。適切な張性調節剤は、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖および糖アルコール(例えばマンニトール)、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、またはスレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)およびそれらの混合物からなる群から選択されてよい。
単糖、二糖または多糖のような糖または水溶性グルカン、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、またはカルボキシメチルセルロース−ナトリウムを用いてよい。糖アルコール(モノ-、ジ-、オリゴ-、またはポリ-サッカライドから誘導されたポリオール)には、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクシトール、ズルシトール、キシリトール、およびアラビトールが含まれる。一つの実施形態において、用いられる糖アルコーはマンニトールである。上記で述べた糖または糖アルコールは、個別にまたは組み合わせて使用してよい。糖または糖アルコールが液体組成物(処方剤)中に可溶性であり、本発明の方法により達成される安定化効果に悪影響を与えない限り、使用すされる量に固定された限界は存在しない。一つの実施形態において、糖または糖アルコールの濃度は約1 mg/mL〜約150 mg/mLである。
更なる実施形態において、張性調節剤は、1 mg/mL〜50 mg/mL、例えば1 mg/mL〜7 mg/mL、8 mg/mL〜24 mg/mL、25 mg/mL〜50 mg/mLの濃度で存在する。上記で特に述べた張性調節剤の何れかを含有する本発明の医薬組成物が、本発明の代替的実施形態を構成する。医薬組成物中における等張剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版(20000年発行)が参照される。
本発明の医薬組成物(処方剤)の更なる実施形態において、該処方剤は更にキレート化剤を含有する。適切なキレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、アスパラギン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。キレート化剤は、適切には0.1 mg/mL〜5 mg/mL、例えば0.1 mg/mL〜2 mg/mL、または2 mg/mL〜5 mg/mLの範囲で存在するであろう。上記で特に述べたキレート化剤の何れかを含有する本発明の医薬組成物が、本発明の代替的実施形態を構成する。医薬組成物中におけるキレート化剤の使用は、当業者に周知である。便宜のために、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版(2000年発行)が参照される。
本発明の更なる実施形態において、本発明の組成物(処方剤)は更に安定化剤を含有する。医薬組成物中における安定化剤の使用は、当業者に周知である。便宜のために、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版(2000年発行)が参照される。
より具体的には、本発明の特に有用な組成物には安定化された液体医薬組成物が含まれ、その治療的活性成分には、液体医薬処方剤中での保存の際に凝集物形成を示す可能性のあるポリペプチドが含まれる。「凝集物形成」とは、オリゴペプチドまたはポリペプチド分子の間の物理的相互作用により、可溶性のまま残り得るオリゴマー、または溶液から沈殿する目にみえる大きな凝集物の形成を意味する。「保存の際」の用語は、調製された液体医薬組成物または処方剤が、直ちに患者に投与されない事実を言うものである。むしろ、調製された後、保存のために、液体形態、凍結状態、または患者に投与するのに適した液体形態または他の形態に後で再構成するための乾燥粉末の形態で包装される。「乾燥形態」とは、液体医薬組成物または処方剤が、凍結乾燥(例えば、WilliamsおよびPolli, J. Parenteral Sci. Technol., 38:48-59(1984)参照)、噴霧乾燥(Masters, Spray-Drying Handbook, 第5版, pp. 491-676, 英国Essezに所在のLongman Scientific and Technical(1991年)発行;Broadheadら, Drug Devel. Ind. Pharm., 18:1169-1206(1992);Mumenthalerら,Pharm. Res., 11:12-20(1994)参照))、または風乾(CarpenterおよびCrowe, Cryobiology, 25:459-470(1988);Roser, Biopharm., 4:47-53(1991))によって乾燥されるときに得られる生成物を意味する。液体医薬組成物の保存の際のオリゴペプチドまたはポリペプチドによる凝集物形成は、当該ポリペプチドの生物学的活性に悪影響を及ぼし、医薬組成物の治療効果の低下をもたらす可能性がある。更に、凝集物形成は、注入システムを用いて当該オリゴペプチドまたはポリペプチド含有医薬組成物を投与するときに、管、膜またはポンプの閉塞のような他の問題を引き起こすことがある。
本発明の医薬組成物は更に、組成物の保存中に、ポリペプチドによる凝集物の形成を低下させるのに十分な量のアミノ酸塩基を含み得る。「アミノ酸塩基」は、所与のアミノ酸が遊離塩基または塩の形態で存在する、アミノ酸またはその組合せを意味する。アミノ酸の組合せを使用するとき、全てのアミノ酸が遊離塩基状態で存在していても、全てが塩の形態で存在していても、一部が遊離塩基の形態で存在し且つ他が塩の形態で存在していてもよい。一つの実施形態では、本発明の組成物を製造する際に使用されるアミノ酸は帯電した側鎖を有するもの、例えばアルギニン、リシン、アスパラギン酸およびグルタミン酸である。特定アミノ酸(例えば、グリシン、メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニンおよびその混合物)が遊離塩基または塩の形態で存在している限り、本発明の医薬組成物中には、特定アミノ酸の立体異性体(すなわち、L、DまたはDL異性体)および前記異性体の組合せが存在していてもよい。一つの実施形態では、L-立体異性体が使用される。本発明の組成物は、これらアミノ酸のアナログを用いても調製されてもよい。「アミノ酸アナログ」とは、本発明の液体医薬組成物の保存の際に、ポリペプチドによる凝集物形成を低下させる望ましい効果をもたらす天然アミノ酸の誘導体を意味する。適当なアルギニンアナログには、例えばアミノグアニジン、オルニチンおよびN-モノエチル-L-アルギニンが含まれる。適当なメチオニンアナログには、エチオニンおよびブチオニンが含まれ、また適当なシステインアナログには、S-メチル-L-システインが含まれる。アミノ酸自体の場合と同様に、アミノ酸アナログは、遊離塩基または塩の形態で組成物中に配合される。本発明の更なる実施形態において、アミノ酸またはアミノ酸アナログは、オリゴペプチドまたはポリペプチドの凝集を防止または遅延させるのに十分な濃度で使用される。
本発明の特定の実施形態において、治療薬として作用するオリゴペプチドまたはポリペプチドがメチオニンスルホキシドへの酸化を受けやすいメチオニン残基を少なくとも1個含むポリペプチドの場合には、前記したメチオニン残基のメチオニンスルホキシドへの酸化を抑制するために、メチオニン(または、他の硫黄含有アミノ酸またはアミノ酸アナログ)を添加してもよい。この文脈における「抑制」の用語は、メチオニン酸化種の経時的な蓄積を最小化することを意味する。メチオニン酸化を抑制すると、適正な分子形態で保持されるオリゴペプチドまたはポリペプチドの増大をもたらす。メチオニンの全ての立体異性体(L、DまたはDL異性体)またはその組合せを使用することができる。添加量は、メチオニンスルホキシドの量が規制当局に許容され得るように、メチオニン残基の酸化を抑制するのに十分な量でなければならない。典型的には、これは、メチオニンが酸化されたオリゴペプチドもしくはポリペプチドの形態が、約10%〜約30%以下しか存在しないことを意味する。一般に、これは、添加するメチオニン:メチオニン残基の比が約1:1〜約1000:1(例えば、約10:1〜約100:1)であるように、メチオニンを添加することによって達成することができる。
本発明の更なる実施形態において、当該処方剤は更に、高分子量ポリマーまたは低分子量化合物からなる群から選択される安定化剤を含有する。従って、例えば、安定化剤はポリエチレングリコール(例えば、PEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロースまたはその誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-LおよびHPMC)、シクロデキストリン、硫黄含有物質(例えば、モノチオグリセロール、チオグリコール酸および2-メチルチオエタノール)および種々の塩(例えば、塩化ナトリウム)のような物質から選択される。上記で特に述べた安定剤の何れかを含有する本発明の医薬組成物が、本発明の実施形態を構成する。
本発明の医薬組成物はまた、その中の治療的に活性なオリゴペプチドまたはポリペプチドの安定性を更に高める追加安定化剤を含有してもよい。本発明にとって特に興味深い安定化剤には、ポリペプチドをメチオニン酸化から保護するメチオニンおよびEDTA、並びにポリペプチドを凍結融解または機械的剪断に関連する凝集から保護する非イオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。
従って、本発明の更なる実施形態において、当該医薬処方剤は界面活性剤、特に非イオン性表面活性剤を含有する。その例には、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックポリマー(例えば、プルロニック(登録商標)F68、ポロキサマー188および407、トリトンX-100のようなポロキサマー);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンおよびポリエチレン誘導体(例えば、アルキル化およびアルコキシル化誘導体(例:ツイーン-20、ツイーン-40、ツイーン-80およびBrij-35のようなツイーン);モノグリセリドまたはそのエトキシル化誘導体、ジグリセリドまたはそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチンおよびリン脂質(例えば、ホスファチジルセリン,ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロールおよびスフィングミエリン);リン脂質誘導体(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸)およびリソホスホ脂質誘導体(例えば、パルミトイルリソホスファチジル-L-セリンおよびエタノールアミン、コリン、セリンまたはスレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-ホスフェートエストル);リソホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル、アルキルエステルおよびアルキルエーテル誘導体、例えば、リソファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、並びにコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトールである極性頭基の修飾物、正帯電したDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リソファチジルセリンおよびリソファチジルスレオニン;グリセロリン脂質(例えば、セファリン);グリセロ糖脂質(例えば、ガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、セラミド、ガングリオシド);ドデシルホスホコリン;ニワトリ卵リソレシチン;フシジン酸誘導体(例えば、タウロ−ジヒドロフシジン酸ナトリウム等);長鎖脂肪酸(例えば、オレイン酸およびカプリル酸)およびその塩;アシルカルニチンおよび誘導体;リシン、アルギニンまたはヒスチジンのNα-アシル化
誘導体、リシンまたはアルギニンの側鎖アシル化誘導体;リシン、アルギニンまたはヒスチジンおよび中性または酸性アミノ酸の組合せからなるジペプチドのNα-アシル化誘導体;中性アミノ酸と2つの帯電アミノ酸の組合せからなるトリペプチドのNα-アシル化誘導体;DSS(ドクサートナトリウム、CAS登録番号[577-11-7])、ドクサートカルシウム(CAS登録番号[128-49-4])、ドクサートカリウム(CAS登録番号[7491-09-0]);SDS(ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム);カプリル酸ナトリウム;コール酸またはその誘導体;胆汁酸およびその塩;並びにグリシンまたはタウリンコンジュゲート;ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート;アニオン性(アルキル-アリール-スルホネート)1価界面活性剤;双イオン性界面活性剤(例えば、N-アルキル-N,N-ジメルアンモニオ-1-プロパンスルホンネート、3-コールアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート);カチオン性界面活性剤(第4級アンモニウム塩基)(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム);非イオン性界面活性剤(例えば、ドデシルβ-D-グルコピラノシド);プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをエチレンジアミンに順次添加することにより誘導される四官能性ブロックコポリマーであるポロキサマー(例えば、Tetronic’s)が含まれる。表面活性剤はm多、イミダゾリン誘導体類およびその混合物から選択されてもよい。上記で特別に述べた表面活性剤の何れかを含む本発明の医薬組成物は、本発明の代替的実施形態を構成する。
医薬組成物中における界面活性剤の使用は当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版(2000年発行)が参照される。
本発明の医薬組成物(処方剤)の中には、追加の成分を存在させてもよい。このような追加成分には、例えば、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、増量剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチンまたは他のタンパク質)および双イオン種(例えば、ベタイン、チウリン、アルギニン、グリシン、リシンおよびヒスチジンのようなアミノ酸)が存在してよい。勿論、このような追加の成分は、本発明の医薬組成物の全体的な安定性に悪影響を及ぼしてはならない。
本発明に従う化合物を含有する医薬組成物は、治療を要する患者に対して複数の部位に、例えば局所部位(例:皮膚および粘膜部位)、吸収をバイパスする部位(例えば動脈内、静脈内、心臓内)、および吸収を伴う部位(例えば、皮膚内、皮膚下、筋肉内または腹部内)に投与され得る。
本発明の医薬組成物の治療を要する患者に対する投与は、複数の投与ルートを介するものであってよい。これらには、例えば、舌、舌下、バッカル、口内、経口、胃および腸内、鼻、肺(例えば、細気管支および肺胞を介して)またはその組合せ、表皮、真皮、経皮、経膣、直腸、眼(例えば、結膜を介して)、尿管を介して、および非経腸的になされ得る。
本発明の組成物は複数の剤形で、例えば溶液剤、懸濁液剤、エマルジョン剤、マイクロエマルジョン剤、複合エマルジョン剤、泡剤、膏薬、ペースト剤、硬膏剤、軟膏剤、錠剤、被覆錠剤、リンス剤、カプセル剤(例えば、硬カプセル剤および軟カプセル剤)、座剤、直腸カプセル剤、ドロップ、ゲル剤、スプレー剤、散剤、エアゾル剤、吸入剤、点眼剤、眼軟膏剤、眼リンス剤、膣ペッサリー、膣リング、膣軟膏、注射用溶液、現場変換溶液(例えば、現場ゲル化、現場硬化、現場沈殿、現場結晶化)、注入溶液およびインプラントとして投与され得る。
本発明の組成物は、本発明の組成物の安定性を更に高めるため、生体利用性を向上させるため、溶解度を増加させるため、副作用を減らすため、当業者に公知の時間療法を達成するため、および患者のコンプライアンスを高めるため、またはその組合せのために、例えば共有結合、疎水性結合および静電的相互作用を介して、薬物担体、ドラッグデリバリーシステムおよび高度ドラッグデリバリーシステムに混合させるかまたは結合させてもよい。担体、ドラッグデリバリーシステムおよび高度ドラッグデリバリーシステムの例には、ポリマー、例えばセルロースおよびその誘導体;多糖、例えば、デキストランおよびその誘導体、並びにデンプンおよびその誘導体;ポリ(ビニルアルコール);アクリレートおよびメタクリレートポリマー;ポリ乳酸およびポリグリコール酸、並びにそれらのブロックコポリマー;ポリエチレングリコール;キャリアタンパク質、例えばアルブミン;ゲル、例えば当業者に公知のブロックコポリマー系のような熱ゲル化系;ミセル;リポソーム;ミクロスフェア;ナノ粒子;液晶およびその分散液;脂質−水系における相挙動の当業者に公知のL2相およびその分散液;ポリマーミセル;複合エマルジョン(自己乳化・自己ミクロ乳化);シクロデキストリンおよびその誘導体;並びにデンドリマーが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、例えば、全て当業者に公知のデバイスである計量吸入器、乾燥粉末吸入器およびネブライザーを用いて本発明の組成物を肺投与するために、固体、半固体、粉末および液体製剤において有用である。
本発明の組成物は、特に制御放出、持続放出、延長放出、遅延放出および徐放ドラッグデリバリーシステムの製剤において有用である。従って、本発明の組成物は、当業者に周知の制御放出および持続放出システムの製剤において価値がある(両方のタイプ共、必要な投与回数を何分の1かに減らすことができる)。
特に価値があるのは、皮下投与のための制御放出および徐放システムである。本発明の範囲を限定するものではないが、有用な制御放出システムおよび組成物の例は、ヒドロゲル、油性ゲル、液晶、ポリマーミセル、ミクロスフェア、またはナノ粒子を含有するものである。
本発明の組成物のために有用な制御放出系の製造方法には、結晶化、凝縮、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧均質化、カプセル化、噴霧乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフェアを生成するための溶媒蒸発、押し出しおよび超臨界流動プロセスが含まれるが、これらに限定されない。一般的には、Handbook of Pharmaceutical Controlled Release(Wise, D.L., ed. Marcel Dekker, New York, 2000)およびDrug and the Pharmaceutical Sciences, 99巻: Protein Formulation and Delivery(MacNally, E.J., ed. Marcel Dekker, New York, 2000)を参照されたい。
非経腸的投与は、注射器、場合によってはペン様注射器を用いて皮下、筋肉内、腹腔内または静脈内投与により実施されてよい。或いは、非経腸的投与は注入ポンプを用いて実施されてよい。更なるオプションは、鼻または肺スプレーの形態の液体(典型的には水)溶液または懸濁液である本発明の組成物の投与である。更なるオプションはとして、本発明の医薬組成物は、経皮投与(例えば無針注射によるか、またはイオン泳動パッチ等のパッチを介して)または経粘膜投与(例えば、バッカル投与)に適合させることができる。
「安定化処方剤」の用語は、高い物理的安定性、高い化学的安定性または高い物理的/化学的安定性を有する処方剤を意味する。オリゴペプチドもしくはポリペプチドを含有する処方剤についての「物理的安定性」の用語は、タンパク質を熱−機械的ストレスおよび/または不安定化させる界面および表面(例えば、疎水性表面および界面)に曝した結果として、前記ペプチドが生物学的に不活性および/または不溶性の凝集物を形成する傾向を意味する。水性タンパク質処方剤の物理的安定性は、適当な容器(例えば、カートリッジまたはバイアル)に充填した処方剤を異なる温度で異なる期間だけ機械的/物理的ストレス(例えば、撹拌)にかけた後に、目視検査および/または濁度の測定により評価される。処方剤の目視検査は、暗背景で鮮明に焦点を合わせた光を用いて実施する。処方剤の濁度は、濁度を例えば0〜3のスケールでランク付ける視覚スコアにより特徴づけられる(濁度を示さない処方剤は視覚スコア0に相当し、昼間光で濁りが見える処方剤は視覚スコア3に相当する)。昼間光で濁りが見えるときは、該処方剤は凝集に関して物理的に不安定と分類される。或いは、当業者に周知の簡単な濁度測定により、処方剤の濁度を評価することができる。水性オリゴペプチドもしくはポリペプチド処方剤の物理的安定性は、該ペプチドの立体配座状態についての分光物質またはプローブを用いて評価することもできる。該プローブは、好ましくは、前記オリゴペプチドもしくはポリペプチドの非天然コンフォーマーに優先的に結合する小分子である。このような小分子分光プローブの一例は、チオフラビンTである。チオフラビンTは、アミロイドフィブリルを検出するために広く使用されている蛍光染料である。フィブリルの存在下において、且つおそらくは他の構造の存在下において、チオフラビンTは約450 nmでの新たな最大励起を生じ、フィブリル形態に結合しているときには約482 nmでの増大した発光を生ずる。非結合型のチオフラビンTは、問題の波長において本質的に非蛍光性である。
ペプチド構造の天然状態から非天然状態への変化のプローブとして、他の小分子を使用することができる。例えば、「疎水性パッチ」プローブは、タンパク質の露出疎水性パッチに優先的に結合する。この疎水性パッチは、通常は天然状態のタンパク質の3次構造内に埋まっているが、タンパク質がアンフォールデイングまたは変性し始めると露出されるようになる。このような小分子分光プローブの例は、芳香族疎水性染料、例えば、アントラセン、アクリジン、フェナントロリン等である。他の分光プローブは、アミノ酸の金属錯体、例えば疎水性アミノ酸(例:フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン等)のコバルト錯体である。
ここで使用される医薬処方剤の「化学的安定性」の用語は、オリゴペプチドもしくはポリペプチド構造における化学的共有結合の変化を意味し、この変化により、元の分子に比較して潜在的に低い生物学的力価および/または潜在的に高い免疫原性を有する化学的分解産物が形成される。出発分子の種類および性質、並びに該分子が曝される環境に応じて種々のの化学的分解産物が形成され得る。化学的分解の排除は多分完全には避けることができず、当業者に周知のように、オリゴペプチドもしくはポリペプチド処方剤の保存および使用の際に、徐々に増大する量の化学分解産物がしばしば見られる。通常遭遇する分解プロセスは脱アミド化、即ち、グルタミンまたはアスパラギン残基中の側鎖アミド基が加水分解されて遊離カルボン酸を形成するプロセスである。他の分解経路には、出発物質の2以上の分子がトランスアミド化および/またはジスルフィド相互作用により相互に共有結合して、共有結合したダイマー、オリゴマーおよびポリマー分解産物が形成される、より高分子量の形質転換産物の形成が含まれる(Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahern. T.J. & Manning M.C., Plenum Press, New York 1992参照)。化学分解のもう一つの変形例として、(例えば、メチオニン残基の)酸化が挙げられる。処方剤の化学安定性は、異なる環境条件に曝した後の異なる時点での化学分解産物の量を測定することによって評価され得る(分解産物の形成は、例えば温度を上昇させることにより加速され得る)。各分解産物の量は、屡々、各種クロマトグラフィー技術(例えば、SEC-HPLCおよび/またはRP-HPLC)を使用して、分子サイズおよび/または電荷に応じて分解産物を分離することにより決定される。
従って、上に概説したように、「安定化組成物」とは、増大した物理的安定性、増大した化学的安定性、または増大した物理的/化学的安定性を有する組成物を意味する。通常、医薬組成物(処方剤)は有効期限が切れるまで、使用および保存(推奨される使用および保存条件に合致して)に際して安定でなければならない。
本発明の医薬組成物(または処方剤)は、2週間以上の使用、および2年間以上の保存において、好ましくは4週間以上の使用、および2年間以上の保存において、望ましくは、4週間以上の使用および3年間以上の保存において、最も好ましくは6週間以上の使用および3年間以上の保存において安定であるべきである。
ここに引用された刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、あたかも各参考文献が個別に且つ具体的にここで援用を指示され、且つその全体がここに記載されたかのように、それらの全体が本明細書の一部として本願に援用される。
見出しおよび副見出しは、ここでは便宜的にのみ使用されるもであり、如何なる意味でも本発明を限定するように解釈されるべきではない。
本命最初において、何れかおよび全ての例、または例示的文言(「例として」、「例えば」、「たとえば」および「のような」を含む)の使用は、単に本発明をより良く例示することを意図したものであり、他に指示しない限り、本発明の範囲に対して限定を課するものではない。本明細書中の文言は、特許請求の範囲に記載されていない如何なる要素も、本発明の実施に不可欠であることを示しているように解釈されるべきではない。
ここでの特許文献の引用および援用は、便宜的にのみなされるものであり、このような特許書類の有効性、特許可能性および/または強制執行能力の如何なる側面をも反映するものではない。
本発明は、適用可能な法が許容する限り、特許請求の範囲に記載された主題の全ての変形例および均等物を含むものである。
用いられる略語の一覧
AcOH 酢酸
BSA ウシ血清アルブミン
DCM ジクロロメタン
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA エチルジイソプロピルアミン
DMAP 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMEM ダルベッコの改変イーグル培地
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチル スルホキシド
EGTA 1,2-ジ(2-アミノエトキシ)エタン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸
FCS ウシ胎仔血清
Fmoc 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
HEPES 2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-エタンスルホン酸
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンザトリアゾール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HSA ヒト血清アルブミン
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
α-MSH α-型のメラニン細胞刺激ホルモン
MTX メトトレキサート
NEt3 トリエチルアミン
NMP N-メチルピロリドン
PBS リン酸塩緩衝生理食塩水
PEI ポリエチレンイミン
PhMe トルエン
PyBop (ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート。
本発明の全ての化合物は、標準的なカップリングおよび脱保護工程を用いて当業者が合成することができる。ペプチド合成について、標準的な略語を含む全ての必要なツールおよび合成方法の記載は、“The Fine Art Of Solid Phase Synthesis”, 2002/3 Catalogue, NovabioChemに見出すことができる。
以下に挙げる例において、Rt値は保持時間であり、質量の値は質量スペクトル(MS)検出器により検出され、以下のHPLC-MS機器(LCMS)のうち1つを用いて得られる。
LCMS(システム1)
Agilent 1100シリーズ, 電子スプレー;カラム:Waters XTerra(登録商標) C18 5μm 3.0x50mm;0.05% TFAを含んだ水/アセトニトリル;勾配:0〜6.75分で5%→100%アセトニトリル, t=9.0分まで溶出;流速1.5 mL/分。
LCMS(システム2)
Sciex API-100 四極MS, 電子スプレー, m/z=300〜m/z=2000;カラム:Waters XTerra(登録商標) MS C18 5μm 3.0×50mm;溶液A(0.05% TFAを含んだ水)および溶液B(0.05% TFAを含んだアセトニトリル)の混合物を用いた溶出;勾配:0〜7.5分で、5%→90%溶液B;流速1.5 mL/分。
環化工程を含んだ合成手順の典型例は次のとおりである:
例1 2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例1のためのステップA:保護されたペプチド樹脂 Fmoc-Nle-c[Glu-Asn(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rink リンカー-ポリスチレン
Fmoc-Rink 樹脂(4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシポリスチレン樹脂, BaCHem D-2080, Lot 514460;0.47mmol/g)を、フリットを備えた2つの60mL テフロン(登録商標)反応器に充填した(各反応器:3.55 g, 1.67mmol)。各反応器内の樹脂をDCM(30mL)で洗浄した。
Fmocの除去:樹脂を、NMP(25mL)中の20%ピペリジンの溶液とともに20分振盪し、ついでNMP/DCM 1:1(5x 30mL)で洗浄した。
Fmoc-Lys(Mtt)-OHを用いたアシル化:別のガラス瓶において、Fmoc-アミノ酸(10.0mmol)をNMP(12.5mL)、DCM(22.5mL)、およびNMP 中の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の1M 溶液(10.0mL, 10.0mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(1.56mL, 10.0mmol)を素早く添加した後、溶液をただちに振盪した。溶液を閉じた瓶の中で15分放置した。この溶液の25mL(5.0mmol HOBtエステル)を上記の各反応器に添加し、樹脂を2時間半振盪した。エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(各反応器 0.856mL, 5.0mmol)を添加し、混合物を18h振盪した。樹脂をNMP/DCM 1:1で洗浄した(4x 30mL)。
Fmocの除去:同上
Fmoc-Trp(Boc)-OHを用いたアシル化:別のガラス瓶内で、Fmoc-アミノ酸(10.0mmol)をNMP(12.5mL)、DCM(22.5mL)、および1M HOBt-NMP 溶液(10.0mL, 10.0mmol)と混合させた。得られた透明な溶液に、DIC(1.56mL, 10.0mmol)を素早く添加した後、溶液を直ちに振盪した。溶液を閉じた瓶の中で30分放置した。25mL(5.0mmol HOBtエステル)のこの溶液を前記各反応器に添加し、樹脂を2時間半振盪した。液体を濾過除去し、樹脂をNMP/DCM 1:1(4x 30mL)で洗浄した。
同様にして、以下のアミノ酸を連続的に樹脂に結合させた:Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-D-Phe-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-OHおよびFmoc-Nle-OH。Fmoc-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-OH とのカップリングを、HOBtの代わりにHOAt、およびDIPEA(HOAtエステル形成後に、反応器ごとに5.0mmolを添加した)を用いることにより行った。得られたFmoc-保護された樹脂を広範囲にわたりDCMで洗浄した。
LysおよびGluの選択的な側鎖脱保護:樹脂を、DCM(25mL)中の2 vol-% TFAおよび3 vol-% トリイソプロピルシランの溶液とともに10分振盪し、該液体を濾過により除去した。この手順をさらに7回繰り返した。樹脂を、DCM(4x 30mL)、DCM 中の10% DIPEA (2x 30mL)およびDCM(2x 30mL)で洗浄した。
Lysの側鎖のGluとの環化:別のガラス瓶内で、PyBOP(5.205g=10.0mmol)を、1M HOBt-NMP 溶液(10.0mL=10.0mmol)、DCM(25mL)およびNMP(15mL)と混合した。25mL(5.0mmol PyBOP/HOBtを含む)のこの溶液を各反応器に添加し、ついでDIPEA(各反応器 1.71mL=10.0mmol)を添加した。樹脂を15h振盪した。液体を濾過除去し、樹脂をNMP/DCM 1:1で洗浄した(4x 30mL)。
非アシル化アミノ基のキャッピング:樹脂を、DCM(反応器ごとに25mL)中の無水Boc (反応器ごとに10mmol)の溶液とともに1h振盪した。液体を濾過除去し、樹脂をDCM(3x 30mL)、DCM/MeOH 2:1(2x 30mL)、THF(4x 30mL)、およびDCM(3x 30mL)で洗浄した。
残留溶媒を、反応器の空気を4h吸引することにより除去した。両反応器からの樹脂を混合して12.785gの樹脂Fmoc-Nle-c[Glu-Asn(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rink リンカー-ポリスチレンを得たが、これは完全な反応を仮定したときの想定最大付加0.26mmol/gに対応する。
例1のためのステップB:2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
フリットを有する10mL テフロン(登録商標)反応器に、樹脂Fmoc-Nle-c[Glu-Asn(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rink リンカー-ポリスチレン(0.385 g, 理論上0.10mmol,上記ステップAより得られたもの)を充填した。樹脂をDCMで洗浄した(2x 3mL)。
Fmocの除去:樹脂を、NMP(3.5mL)中の20% ピペリジン溶液とともに20分振盪し、ついでNMP/DCM 1:1で洗浄した(5x 4mL)。
Fmoc-Ser(tBu)-OHを用いたアシル化:別のガラス瓶において、上記Fmoc-アミノ酸(0.5mmol)、をNMP(0.65mL)、DCM(1.15mL)、および1M HOBt-NMP 溶液(0.5mL, 0.5mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(0.078mL, 0.5mmol)を素早く添加し、該溶液を直後に振盪した。溶液を閉じた瓶内で20分放置し、ついで樹脂を添加した。該混合物を90分振盪した。液体を濾過除去し、樹脂をNMP/DCM 1:1で洗浄した(4x 4mL)。
同様に、つぎのカルボン酸を連続的に樹脂に結合させた:Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO2H, およびヘキサデカン酸。最終的に、樹脂をNMP/DCM 1:1(2x 3mL)、DCM/MeOH 2:1(2x 3mL)、THF(2x 3mL)、およびDCM(3x 3mL)で洗浄した。
樹脂からの開裂:樹脂を、TFA(95 vol-%)、トリイソプロピルシラン(2.5 vol-%l)及び水(2.5 vol-%)を含んだ予め混合した溶液溶液(4mL)とともに2h振盪した。該混合物を濾過し、濾液をガラス瓶内に回収した。樹脂を2x 3mL DCM/TFA 2:1 で洗浄し、濾液を回収した。合体した濾液を濃縮して、赤みがかった茶色の油状懸濁物を得た。
エーテルを用いた沈殿:残渣を、ジエチルエーテル(30mL)を用いて処理し、固体の沈殿物を得た。遠心分離後にエーテル相を除去した。固体残渣を、再びジエチルエーテル(30mL)で洗浄した。遠心分離およびエーテル相を除去した後、固体残渣を一晩放置して、残りのジエチルエーテルを除去した。
精製:エーテルから沈殿した粗成物を、アセトニトリル (8mL)、酢酸(0.6mL)、および水の混合物中に溶解させ、全体積を約21mLとした。得られたくすんだ色の液体を濾過し、透明な濾液をGilson 分取用HPLC機器に注入した。0.1% TFAを含んだ水/アセトニトリルを用い、44%〜56%のアセトニトリル勾配で溶出を行った。溶出液を、5mL(ピーク画分)または12mL(非ピーク画分)の画分としてそれぞれ回収した。関連する画分を分析HPLCにより調べた。ターゲットとする純粋なペプチドを含んだ画分を混合し、減圧下で濃縮し、脱イオン水を用いて希釈することにより、透明な溶液(18mL)を得た。1M HCl水溶液(0.6mL)の添加後、溶液をガラス瓶中へ充填した。ガラス瓶にミリポアガラスファイバー前置フィルタを用いて蓋をした。3日間凍結乾燥させて、塩酸ペプチド(28.1mg, 14%収率)、白色の固体で得た。
分析HPLC(Waters Symmetry300 C18, 5 μm, 3.9 x 150 mm;42℃;水/0.05% TFAを含んだアセトニトリル;勾配:5%〜95% アセトニトリル 0〜15分;流速1 mL/分):tR=13.67分(99%純度 UV 214 nmによる)。LCMS(システム1):Rt=4.10分;((m+2)/2)=944。
上記例1の化合物と同様の手順で得ることができる本発明の更なる化合物の例は、以下の例2〜21の化合物である。例7、9及び15〜21の化合物の合成で用いられたビルディングブロックの合成については後で記述される:
例2 2-[2-(テトラデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
LCMS(システム1):Rt=3.75分;((m+2)/2)=930
例3 2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
LCMS(システム1):Rt=4.05分;((m+2)/2)=935
例4 2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
LCMS(システム1):Rt=4.03分;((m+2)/2)=906
例5 ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例6 オクタデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例7 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例8 ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例9 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例10 テトラデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例11 ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例12 オクタデカノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例13 ヘキサデカノイル-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例14 オクタデカノイル-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
例15 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
LCMS(システム2):Rt=3.98分;((m+2)/2)=936
例16 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Cys-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Cys]-NH2
Figure 2008519006
LCMS(システム1):Rt=4.18分;((m+2)/2)=919
例17 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[homoCys-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Pen]-NH2
Figure 2008519006
LCMS(システム1):Rt=4.46分;((m+2)/2)=933
例18 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Glu-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例19 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Glu-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例20 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Glu-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例21 4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Ala-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
Figure 2008519006
例7, 9および15〜21の標題化合物の合成に用いられる4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)酪酸の調製
Figure 2008519006
このビルディングブロックの合成は、WO 2004/099246(Novo Nordisk A/S)に既に記載されている。簡単にいうと、4-スルファモイル酪酸 メチルエステルは商業的に入手可能な4-スルファモイル酪酸から調製され、4-ジメチルアミノピリジンの存在中において、塩化パルミチンを用いてアシル化される。得られたアシルスルホンアミドを分離する。水酸化ナトリウムを用いた鹸化、および再結晶化により4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)酪酸を得る。
<薬理学的方法>
アッセイ(I)
- 自由に摂食させるラットモデルを用いた、MC4類似体の食欲に対する
有効性試験のための実験プロトコール
TAC:SPRDラットまたはウィスターラット(M&B Breeding and Research Centre A/S、デンマーク)を、実験に使用する。ラットは、実験の開始時には、体重が200-250 gである。ラットは、実験開始の少なくとも10〜14日前に届き、そのときの体重は180〜200 gである。化合物の各投与量を、8匹のラットからなる群ごとに試験する。8匹のラットからなる賦形剤(vehicle)の群を、試験のそれぞれの組に含める。
動物が届いたら、それらを、昼間に消灯し且つ夜間に点灯することを意味する逆転した明/暗周期(7:30 amに消灯し、7:30 pmに点灯)の中に、個別に収容する。ラットは通常、電灯が消えているときに食物取り込みを開始し、夜間に一日の食物取り込みの大部分を行うため、この設定により、食物取り込みの開始時間が、消灯される7:30 amとなる変化がもたらされる。10-14日間の順化の期間に、ラットは、自由に食物および水を摂取できる。この期間に、動物は、少なくとも3回取り扱われる(handled)。実験は、ラットの飼育檻おいて行われる。投与の直前に、ラットを、体重により様々な治療群(n = 8)にランダム化する。それらに対し、体重に従って、7:00 amから7:45 amの間に、腹腔内(ip)、経口(po)、または皮下(sc)で、1-3 mg/kgの溶液を投与する。投与の時間を、それぞれの群で記録する。投与後、ラットは、それぞれの飼育檻に戻され、そこで食物および水を摂取することができる。個別に、食物消費量を7時間毎に、次いで24時間後、時には48時間後に記録する。実験期間の終了時に動物を安楽死させる。
各々のデータを、マイクロソフトエクセルのシートに記録する。異常値のためのGrubbs統計的評価試験を適用し、異常値を除外し、結果を、GraphPad Prismプログラムを用いて、グラフで表す。
アッセイ(II)
- AlphaScreen(商標) cAMP検出キットを用いた、メラノコルチン受容体3および5
(MC3およびMC5) cAMP機能試験
MC3およびMC5のためのcAMP試験を、それぞれMC3およびMC5受容体を安定して発現する細胞(HEK293またはBHK細胞の何れか)に対して行う。受容体は、PCRにてcDNAからクローン化し、pcDNA3発現ベクターに挿入する。安定したクローンを、1 mg/mlのG418を用いて選択する。
約80〜90%の集密度の細胞を、PBSで3回洗浄し、Verseneでプレートから剥がし、PBSで希釈する。次に、それらを1300 rpmで2分間遠心分離し、上清を除く。細胞を、刺激緩衝液(stimulation buffer)で2度洗浄し、次いで、最終濃度が1x106または2x106 cells/mlになるように刺激緩衝液に再懸濁する。25μlの細胞懸濁液を、25μlの試験化合物または参照化合物(全て刺激緩衝液中に希釈されている)を含むマイクロタイタープレートに添加する。プレートを、低い振盪速度に設定したプレート振盪機にて、室温(RT)で30分間インキュベートする。反応を、抗cAMP抗体の結合したアクセプタービーズを25μl添加して停止させ、2分後、ウェル毎に、溶解緩衝液中でビオチン化cAMPが結合したドナービーズ50μlを添加する。次に、プレートをプラスティックで封着し、30分間振盪し一晩静置させる。その後、Alpha(商標)マイクロプレートリーダーで計測する。
EC50値を、ウインドウズ(商標)プログラムGraphPad(商標) Prism (GrapfPad(商標) Software、USA)を用いて、投与量/応答曲線(最小で6点)の非線形回帰分析によって算出する。全ての結果は、nMで表される。
MC3機能的cAMP試験における拮抗性活性を測定するため、MC3受容体を、3 nMのα-MSHで刺激し、強力な拮抗剤(antagonist)の量を増加させて阻害する。拮抗剤に対するIC50値は、50%のMC3刺激を阻害する濃度として定義される。
アッセイ(III)
- メラノコルチン受容体4 (MC4) cAMP試験
MC4受容体を発現するBHK細胞を、強力なMC4作用薬(agonist)で刺激し、cAMPの刺激の度合いを、Flash Plate (登録商標) cAMP試験 (NEN(商標) Life Science Products、cat. No. SMP004)を用いて測定する。
MC4受容体をコードするcDNAをBHK570/KZ10-20-48に形質移入し、MC4受容体が発現する安定なクローンを選択することにより、MC4受容体を発現するBHK細胞を作製する。MC4受容体cDNA、ならびにMC4受容体が発現する細胞株は、Euroscreen(商標)から購入してよい。細胞を、DMEM、10%FCS、1 mg/ml G418、250 nM MTXおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン中で生育させる。
約80-90%の集密度の細胞を、PBSで3回洗浄し、Verseneでプレートから剥がし、PBSで希釈する。次に、それらを1300 rpmで2分間遠心分離し、上清を除く。細胞を、刺激緩衝液(stimulation buffer)で2度洗浄し、次いで、最終濃度が0.75x106 cells/mlになるように刺激緩衝液に再懸濁する(その消費量:96穴マイクロタイタープレートごとに7 ml)。25μlの細胞懸濁液を、25μlの試験化合物または参照化合物(全て刺激緩衝液中に希釈されている)を含むマイクロタイタープレートに添加する。50μlの細胞懸濁液を、50μlの試験化合物または参照化合物(全て水に希釈されている)を含むFlash Plateに添加する。混合液を、5分間振盪し、次にRTで25分間静置させる。反応を、100μlのDetection Mixをウェルごとに添加して停止させる(Detection Mix = 11 mlのDetection Buffer + 100μl (~2μCi) のcAMP [125I]トレーサー)。次に、プレートをプラスティックで封着し、30分間振盪し、一晩(または2時間)静置させ、次いでTopcounterで計測する(2分/ウェル)。一般に、試験方法は、Flash Plateキットのプロトコールに記載された通りとする(Flash Plate (登録商標) cAMP試験 (NEN(商標) Life Science Products、cat. No. SMP004))。しかしながら、cAMP基準物は、0.1% HASおよび0.005% Tween(商標) 20中に希釈され、刺激緩衝液中には希釈されない。
EC50値を、ウインドウズ(商標)プログラムGraphPad(商標) Prism (GrapfPad(商標) Software、USA)を用いて、投与量/応答曲線(最小で6点)の非線形回帰分析によって算出する。全ての結果は、nMで表される。
アッセイ(IV)
- メラノコルチン受容体1(MC1)結合試験
MC1受容体結合試験を、MC1受容体を安定に発現するBHK細胞膜にて行った。試験は、全量250μlで行った:25μlの125NDP-α-MSH (終濃度が22 pM)、25μlの試験化合物/対照物、および200μlの細胞膜(35μg/ml)。試験化合物をDMSO中に溶解させる。放射標識したリガンド、膜および試験化合物は、緩衝液(25 mM HEPES、pH 7.0、0.1 mM CaCl2、1 mM MgSO4、1 mM EDTA、0.1% HASおよび0.005% Tween(商標) 20)の中に希釈させる。サンプルを、Greinerマイクロタイタープレートにて30℃で90分間インキュベートし、GF/Bフィルターで分離する。該フィルターは、濾過により非結合の放射標識リガンドから結合した放射標識リガンドを分離する前に、0.5% PEI中で60分間、予め湿らせ(pre-wetted)、および2-3回NaCl(0.9%)で洗浄する。濾過後、フィルターを氷冷した0.9% NaClで10回洗浄する。フィルターを50℃で30分間乾燥させ、封着し、30μlのMi-croscint 0 (Packard、cat. No. 6013616)を各ウェルに加える。プレートを、Topcounterで計測する(1分/ウェル)。
データを、ウインドウズ(商標)プログラムGraphPad(商標) Prism (GrapfPad(商標) Software、USA)を用いて、結合曲線の非線形回帰分析によって分析する。
アッセイ(V)
- メラノコルチン受容体41(MC4)結合試験
ヒトMC4受容体を発現する組み換えBHK細胞への、 125 NDP-α-MSHのin vitro結合(濾過試験)
試験は、5 mlのminisorbバイアル (Sarstedt No. 55.526)または96穴フィルタープレート (Millipore MADVN 6550)にて、ヒトMC4受容体を発現するBHK細胞(スウェーデン、ウプサラ、Wikberg教授より頂いた)を用いて行う。BHK細胞は、試験まで-80℃で保存し、試験は、直接この細胞懸濁液の希釈液で、更なる調製をすることなく行う。懸濁液は、最大10%の特異的結合が得られるよう希釈する。即ち、約50-100倍希釈を行う。試験は、全量が200μlで行う:50μlの細胞懸濁液、50μlの125NDP-α-MSH (終濃度は、ほぼ79 pM)、50μlの試験化合物および50μlの結合緩衝液 (pH 7)(混合し、25℃で2時間インキュベートする)[結合緩衝液:25 mM HEPES (pH 7.0)、1 mM CaCl2、1 mM MgSO4、1 mM EGTA、0.02%バシトラシンおよび0.2% BSA]。試験化合物は、H2Oに溶解し、結合緩衝液で希釈する。放射標識リガンドおよび膜は、結合緩衝液に希釈する。インキュベートの処理を、5 mlの氷冷した0.9% NaClで希釈して停止させ、続いて0.5% ポリエチレンイミンで1時間前処理したWhatman GF/Cフィルターを通して急速濾過する。フィルターを、5 mlの氷冷したNaClで3回洗浄する。フィルター上に保持される放射能を、Cobra II オートガンマカウンターを用いて計測する。
データを、ウインドウズ(商標)プログラムGraphPad(商標) Prism (GrapfPad(商標) Software、USA)を用いて、結合曲線の非線形回帰分析によって分析する。
アッセイ(VI)
- エネルギー消費の評価
TAC:SPRDラットまたはウィスターラット(M&B Breeding and Research Centre A/S、デンマーク)を使用する。順化の少なくとも1週間後に、ラットを、個々に代謝容器(metabolic chanber )(Oxymax system, Columbus Instruments, コロンバス、オハイオ州、USA;システムは毎日較正する)に入れる。測定の間、動物は、自由に水を摂取することが可能であるが、食物は、容器内に提供されない。明:暗の周期は、6:00に電灯を切り替えて、12時間:12時間とする。動物を容器内に入れて約2時間が経過した後(即ち、基底のエネルギー消費に達したとき)、試験化合物または賦形剤(vehicle)を投与し(po、ipまたはsc)、および試験化合物の作用時間を確立するために、記録を続ける。それぞれの動物のデータ(酸素消費、二酸化炭素生成および流速)を、10〜18分おきに、計22時間収集する[2時間は順応(基底)のため、20時間は測定のため]。流入空気におけるO2およびCO2含量の変化の収集を、10-18分ごとの周期で行う。
データから、代謝体重(metabolic weight) [(kg体重)0.75]当りの酸素消費量および二酸化炭素生成量、ならびに、動物当りの熱を測定する。酸素消費量(VO2)は、主なエネルギー消費の興味あるパラメーターとみなされる。

Claims (41)

  1. 次式Iに従う化合物、並びにその医薬的に許容可能な塩、プロドラッグ、および溶媒和物:
    R1-S-Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6-c[X1-X2-X3-Arg-X4-X5]N(R’)2 [I]
    ここで、
    R1は、任意にハロゲン、ヒドロキシルおよびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてよい直鎖、分岐鎖および/または環式のC14-22アルカノイル、C14-22アルケノイル、またはC14-22アルキノイルを表すか、あるいは、R1はC9-17-C(O)-NH-S(O)2-(CH2)3-C(O)-を表し;
    Sは、結合、4-アミノ酪酸残基、Gly、β-Ala、または次式IIで表される構造を表し;
    Figure 2008519006
    Z1は、Gly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、または結合を表し;
    Z2は、Ser、Thr、Gln、Asn、Glu、Asp、またはHisを表し;
    Z3は、Gln、D-Gln、Asn、またはD-Asnを表し;
    Z4は、His、Arg、homoArg、Lys、Orn、Dab、またはDapを表し;
    Z5は、Ser、Thr、Dab、Dap、Glu、またはAspを表し;
    Z6は、Ala、Val、Leu、Ile、Met、またはNleを表し;
    X1は、Glu、Asp、Cys、homoCys、Pen、Lys、Orn、Dab、またはDapを表し;
    X2は、GlnまたはAsnを表し;
    X3は、D-Pheを表し、D-Pheのフェニル部分は任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチルおよびシアノの中から選択される1以上の置換基で置換されてよく;
    X4は、Trp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン残基、または(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸残基を表し;
    X5は、Glu、Asp、Cys、homoCys、Pen、Lys、Orn、DabまたはDapを表し;
    X1およびX5は、独立にCys、homoCysもしくはPenであるX1およびX5から誘導されるジスルフィド橋を介して、またはX1の側鎖におけるカルボン酸とX5の側鎖におけるアミノ基の間に形成されるアミド結合を介して、またはX5の側鎖におけるカルボン酸とX1の側鎖におけるアミノ基の間に形成されるアミド結合を介して結合されることにより、前記式Iの化合物を環状にし、
    各R’は、独立に、水素またはC1-6アルキルを表し、これは任意に1以上のアミノまたはヒドロキシで置換されてよい:
    但し、前記式Iの化合物は、4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2、またはヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2ではない。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、R1がC14-18アルカノイルであり、Sが結合または式IIで表される構造である化合物。
  3. 請求項1に記載の化合物であって、R1が4-(C14-18アルカノイルスルファモイル)ブタノイルであり、Sが結合である化合物。
  4. 請求項3に記載の化合物であって、R1が4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルである化合物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Z1がGly、GluもしくはAsp、または結合であり、Z6がNleまたはAlaである化合物。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Z1がGlyであり、Z6がNleである化合物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の化合物であって、Z2がGlu、Asp、Ser、Thr、Gln、またはAsnである化合物。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物であって、Z2が、Ser、Thr、またはGlnである化合物。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の化合物であって、Z3が、Asn、Gln、D-Asn、またはD-Glnである化合物。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物であって、Z3が、Glnである化合物。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物であって、Z4が、His、Arg、homoArg、Lys、Ornである化合物。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の化合物であって、Z4が、His、またはAlgである化合物。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物であって、Z5が、Glu、Asp、Ser、Thr、Dab、またはDapである化合物。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の化合物であって、Z5が、Ser、またはDapである化合物。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の化合物であって、X2がGlnである化合物。
  16. 請求項1〜14の何れか1項に記載の化合物であって、X2がAsnである化合物。
  17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物であって、X1がGluであり、X3がD-Pheであり、X4がTrpであり、X5がLysである化合物。
  18. 請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物であって、X1がAspであり、X3がD-Pheであり、X4がTrpであり、X5がLys.である化合物。
  19. 請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物であって、X1およびX5が独立に、Cys、homoCys、またはPenであり、X3がD-Pheであり、またX4がTrpである化合物。
  20. 請求項1〜19の何れか1項に記載の化合物であって、N(R')2がNH2である化合物。
  21. 請求項1に記載の化合物であって、下記からなる群から選択される化合物:
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-D-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Gln-D-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Asn-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-D-Asn-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Gln-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-D-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Gln-D-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Asn-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-D-Asn-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gln-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Cys-X2-D-Phe-Arg-Trp-Cys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[homoCys-X2-D-Phe-Arg-Trp-Pen]-NH2,
    ・R1-S-Glu-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Glu-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Glu-Nle-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2, および
    ・R1-S-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Ala-c[Glu-X2-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
  22. 請求項1に記載の化合物であって、下記からなる群から選択される化合物:
    ・2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・2-[2-(テトラデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・オクタデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・テトラデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・ヘキサデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・オクタデカノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・ヘキサデカノイル-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・オクタデカノイル-Gly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Cys-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Cys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[homoCys-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Pen]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Glu-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Glu-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2,
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Glu-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2, および
    ・4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Ala-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
  23. IGTの2型糖尿病への進行を遅延させる方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜21の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  24. 2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行を遅延させる方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  25. 肥満症を治療し、または過体重を防止する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  26. 食欲を調節する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  27. 満腹感を誘導する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  28. 首尾よく減量した後の体重増加を防止する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  29. エネルギー消費を増大させる方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  30. 過体重または肥満に関連した疾患または状態を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  31. 過食症を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  32. 気晴らし食いを治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  33. アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、および若年死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  34. 肥満症の患者において、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、および若年死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法であって、それを必要としている肥満症の患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を、任意に1以上の追加の治療的活性化合物と組合わせて投与することを含んでなる方法。
  35. 請求項23〜34の何れか1項に記載の方法であって、前記追加の治療液活性化合物が、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤、肥満治療剤、高血圧治療剤、および糖尿病から生じまたは糖尿病に付随する合併症の治療のための薬剤からなる群から選択される方法。。
  36. 請求項23〜35の何れか1項に記載の方法であって、請求項1〜22の何れか1項に記載の前記化合物が、約0.05 mg〜約1000 mgの該化合物を含有する単位投与量形態で前記患者に投与される方法。
  37. 患者においてMC4を活性化する方法であって、前記患者に対して、有効量の請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
  38. 請求項23〜37の何れか1項に記載の方法であって、前記請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物が、鼻、肺、または舌下での投与によって非経腸的に投与される方法。
  39. 治療において使用するための、前記請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物。
  40. 請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物を含有してなる医薬組成物。
  41. 請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物の使用であって:IGTから2型糖尿病への進行を遅延させるため;2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行を遅延させるため;肥満を治療もしくは過体重を治療するため;食欲を調節するため;満腹感を誘導するため;首尾よく減量した後の体重再増加を防止するため;エネルギー消費を増大させるため;過体重または肥満症に関連した疾患もしくは状態を治療するため;過食症を治療するため;気晴らし食いを治療するため;アテローム硬化症、高血圧、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、または若年死のリスクを治療するため;または、肥満症の患者において、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、異脂肪血症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的機能障害、または若年死のリスクを治療するための、医薬の製造における使用。
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