JP2008517675A - 脊椎インプラントの同時軸方向送達 - Google Patents

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Abstract

経仙骨アプローチによって形成される軸方向チャネルを介して脊椎運動保持アセンブリを脊椎運動セグメントに送達し、組立てるためのプロセスを含む、脊椎運動セグメントにおける使用に適合された脊椎運動保持アセンブリなど、脊椎インプラントアセンブリの配置用の用具に関する。この用具によって、互いに剛直に接続されていない一対の脊椎インプラント構成要素が隣接する椎体へ推進されることが可能となる。この用具によって、さらに、椎体と隣接する遠位椎体との間で伸延を行うために、近位椎体の近位構成要素とのねじ係合に基づき、相異するねじ山ピッチ又は伸延用具の軸方向運動による伸延を行うことが可能となる。また、この用具によって、人工髄核材料などの流動性生体材料の提供も可能となる。

Description

本発明は、全体として埋め込み型デバイスアセンブリ、実装システム及び低侵襲性の経仙骨アプローチによって脊椎運動セグメントにアクセスする方法(引用によって本明細書に援用される米国特許第6,558,390号に記載)並びに骨にアンカーで固着され、ヒト脊椎において位置決めし、運動を管理し、脊椎運動セグメントを安定化させるのに用いられ、腰痛を緩和し、腰椎の生理機能を回復させ、変性疾患の進行又は転移を防止することが可能な埋め込み型構成要素及びアセンブリの配置を含む処置に関する。より具体的には、本発明は、全体として低侵襲性で外傷が少ない態様にて脊椎におけるアクセスポイントに一般に組織を通じて経皮的に導入され、脊椎の治療をする脊椎運動保持アセンブリ(MPA)に関する。
(概要)
本発明は、主たる事業所をノースカロライナ州ウィルミントンに置くTranS1社(TranS1 Inc.)に帰する研究の延長である。大部分の研究は、上記で言及され、参照して本出願に組み込まれる多くの出願に詳細に述べられている。従って、本明細書で述べる発明の背景では、早い時期の出願において述べたあらゆる詳細事項を繰り返すのではなく、本発明がこの一連の研究を如何様に深めるかに重点を置く。
脊柱は骨セグメント(椎体及び他の骨セグメント)の複合系であり、骨セグメントはほとんどの場合、椎間腔における椎間板によって互いに離間している(仙椎は例外である)。図1は側方からみたヒト脊柱の種々のセグメントを示す。本発明の内容において、「運動セグメント」は隣接する椎骨、即ち、上下の椎体と、脱核した間隙であるか、或いは無傷又は損傷した脊椎椎間板を有するかに関わらず、この2つの椎体を分離している椎間板腔とを含む。各運動セグメントは脊椎の全体的な柔軟性に寄与し、これは屈曲して体幹及び頭部の運動を支持する脊椎の全体的な能力に寄与する。
従来、脊髄の椎骨は複数の部分に細分化されている。頭部から尾骨に移動すると、当該部分は頸椎104、胸椎108、腰椎112、仙椎116及び尾椎120である。当該部分内の個々の椎体は頭部に最も近い椎体から始まる番号によって特定される。本出願において特に重要であるのは腰部及び仙部における椎体である。通常、成人では仙部における種々の椎体は融合しているため、個々の仙骨構成部分ではなく単に仙骨に言及することで十分であり、おそらくより説明的である。
本発明の背景のより詳細な考察に入る前に、標準的な医学用語の一部を示すことは有用である。本考察の文脈において、前方は脊柱の前部(腹側)を指し、後方は脊柱の後部(背側)を指す。頭側は患者の頭部方向のことである(時には「上位」)。尾側(時には「下位」)は足部に近い方向又は位置を指す。本出願では仙骨から進入して頭部方向に移動する好ましいアプローチを通じて種々の椎体及び椎間腔にアクセスすることを意図するため、近位及び遠位はこのチャネルのアプローチの文脈で定義される。従って、近位は当該チャネルの開始部分により近く、故に足部又は外科医方向であり、遠位は当該チャネルの開始部分からより離れており、故に頭部方向であり、或いは外科医からより遠い部位である。
脊柱内の個々の運動セグメントは制約された限界内の運動を可能にし、脊髄を保護する。ヒトが歩き、からだを曲げ、起き上がり、或いは動く際に、椎間板は脊柱を貫通する大きな力を支持し、分散するのに重要である。残念なことに下記の多くの理由のため、一部
のヒトでは脊柱における1つ又はそれ以上の椎間板が意図するように機能しない。椎間板の不具合の理由は、先天異常、疾患、損傷又は加齢に起因する変性に及ぶ。椎間板が適切に機能しない場合、隣接する椎体の間の間隙が縮小し、これにより疼痛を含む更なる不具合が生じることが多い。
現在、米国では腰痛を治療するために年間700,000件以上の外科的処置が行われている。2004年に米国では200,000件以上、世界中では300,000件以上の腰椎固定術が行われると控えめに推定され、患者の疼痛を緩和しようとする約10億ドルの取り組みを表している。脊椎手術の約60%は腰椎で行われ、そのうち約80%が第4腰椎(“L4”)、第5腰椎(“L5”)及び第1仙椎(“S1”)と称される下部腰椎に関連する。持続性腰痛はL5とS1の間の椎間板の変性に起因することが多い(図1における腰部112と仙骨116の間の縁部を参照されたい)。
椎間板の不具合に関連する疼痛を緩和するため、様々な治療法が開発されてきた。1つの部類の解決手段は、損傷した椎間板を除去し、次に、恒久的であるが柔軟性のない間隙とともに2つの隣接する椎体を融合することであり、静的安定化とも称される。上記のように毎年推定で300,000件の融合手術が施行されている。1つの部分を融合すると、その運動セグメントにおける屈曲能が絶たれてしまう。運動セグメントの融合を通じた運動セグメントに対する正常な生理的な椎間板機能の喪失は、疼痛に苦しみ続けるよりは良いかもしれないが、疼痛を緩和し、なおかつ健常な運動セグメントのすべて又は多くの正常な機能を保持できればなお良いであろう。
別の部類の治療法では、椎間板が意図する椎間腔及び機械的特性を伴って機能を再開するように、椎間板を修復しようとする。1つの種類の修復は損傷した元の椎間板を人工椎間板に置き換えることである。この種の治療法は動的安定化又は脊椎運動保持のような異なる名称で呼ばれる。
(脊椎の働き)
連続した腰椎体、胸椎体及び頸椎体は互いに連接し、脊椎椎間板によって分離されている。各脊椎椎間板は、脊柱に対する圧迫力のクッション性及び緩衝性を付与する中心部の塊「髄核」(又は本明細書では「核」)を取り囲む線維軟骨の外殻を含む。核を取り囲む外殻は、頭側及び尾側の椎体の対向する皮質骨終板に付着した軟骨質終板並びに髄核の周囲を取り巻き、軟骨質終板を結合する多層の対向膠原線維を含む「線維輪」(又は本明細書では「輪」)を含む。自然の生理学的核は親水性(水を誘引する)ムコ多糖類(mucopolysacharide)及び線維束(蛋白質高分子)から成る。核は比較的非弾性的であるが、輪は外側に僅かに膨張し、脊椎運動セグメントに対して軸方向に加えられる荷重を受容することができる。
椎間板は脊椎管の前方にあり、頭側椎体と尾側椎体の対向する端面又は終板の間に位置する。下関節突起は尾側(即ち、足部方向又は下位)方向において次に続く椎骨の上関節突起と連接する。複数の靱帯(棘上靱帯、棘間靱帯、前縦靱帯及び後縦靱帯並びに黄色靱帯)は椎骨を所定位置に保持するが、限定的な程度の運動を許容する。2つの椎体、挿置された脊椎椎間板並びに付着した靱帯、筋肉及び椎間関節の集合体は、「脊椎運動セグメント」と称される。
脊椎の前部に位置する比較的大きな椎体及び椎間板は脊柱の大部分の荷重支持を付与する。各椎体は終板を含む椎体の露出した外面を含む比較的強固な皮質骨層及び椎体の中心を含む比較的脆弱な海綿骨を有する。
椎間板の中心部を形成する髄核は、健常な成人の脊椎においてプロテオグリカンに吸収
される80%水から成る。加齢に伴い、核は液性が低下し、粘着性が高まり、時には脱水及び収縮(「孤立性椎間板再吸収」(isolated disc resorption)と呼称されることもある)でさえも多くの例で重度の疼痛を引き起こす。脊椎椎間板は各椎体間における「緩衝体」として機能し、脊柱への運動の衝撃を最小限にし、核内水含量の減少を特徴とする椎間板の変性は椎間板が荷重を輪層に伝達する効果をなくしてしまう。加えて、輪は肥厚し、乾燥し、より硬質化する傾向があり、荷重下で弾性的に変形する能力が低下し、断裂又は亀裂しやすくなり、従って、輪が亀裂し、或いは断裂したときに椎間板の1つの形態の変性が生じる。亀裂は核物質の輪の中への突出及び輪を越えた突出を伴う場合もあれば伴わない場合もある。椎間板の結合組織の全般的な変性変化に加え、亀裂自体は唯一の形態変化であり得るが、椎間板の亀裂は疼痛性且つ消耗性となり得る。核内に含まれる生化学物質は亀裂を通じて脱出することが可能になり、近傍の構造体を刺激する。
また、亀裂は輪のヘルニア形成又は破裂とも関連する場合があり、核が亀裂を通じて外方向に膨張し、或いは突出し、脊柱又は神経に接触する(「破裂椎間板」又は「脱出」椎間板)。コンテインド(contained)椎間板ヘルニアに関しては、核は輪の一部に進入し得るが、輪内又は後縦靱帯下に含まれたままであり、脊椎管に遊離した核断片はない。しかし、contained椎間板ヘルニアであっても、外方向の突出が脊髄又は脊髄神経を圧迫し、坐骨神経痛を引き起こし得る。
椎間板が一カ所だけでなくあらゆる方向にて外向きで外周方向に膨張する場合、また別の椎間板の不具合が生じる。これは、経時的に椎間板が脆弱化し、外向きに膨張し、「ロール」形を呈する場合に生じる。関節の機械的な剛性は低下し、脊椎運動セグメントは不安定化し、脊髄セグメントを短縮し得る。椎間板「ロール」が正常な周囲を越えて伸張すると、椎間板高に障害が生じ得て、神経根を有する神経孔が圧迫され、疼痛を引き起こす。症候性の椎間板ロール及び椎間板ヘルニアに対する脊椎融合以外の他の現在の処置法には「椎弓切除」が含まれ、これは輪の外科手術による露出及び症候性部分の椎間板ヘルニアの外科的切除を伴い、その後、比較的長期の回復期間が続く。加えて、骨棘が椎間板ロールの外面に形成され、神経が通過する脊椎管及び神経孔を更に侵し得る。頭側椎骨は最終的に尾側椎骨の上部に定着し得る。この状態は「腰椎症」と呼ばれる。
脊椎椎間板を保持し、単に疼痛を軽減しようとする他の様々な外科治療には、一部又は大部分の内部核を除去し、これにより輪に対する外方向の圧力を減じ、低下させるための「椎間板切除術」又は「椎間板減圧術」が含まれる。「顕微腰椎椎間板切除術」及び「自動経皮的腰椎椎間板切除術」として公知の低侵襲性顕微手術手技において、核は輪を通って横方向に延びる針を通じた吸引によって除去される。これらの手技は切開術より低侵襲性であるが、神経根及び硬膜嚢への損傷、神経周囲の瘢痕形成、手術部位の再ヘルニア形成並びに過度の骨除去による不安定性の可能性を被る。加えて、一般的にこれらの手技は輪の穿孔を含む。
損傷した椎間板及び椎体は最新の診断画像によって同定することができるが、既存の外科的介入及び臨床転帰は常に良好とはいえない。更に、このような融合手術を受ける患者は有意な合併症及び不快で長期的な回復期を経験する。手術合併症には、例えば、椎間板腔感染症、神経根損傷、血腫形成、隣接椎骨の不安定性並びに筋肉、腱及び靱帯の破壊が含まれる。
複数の企業が生理的椎間板を完全に置換すること、即ち、人工椎間板を目的として、ヒト脊椎用の人工器官の開発を続けている。変性の程度が輪の破壊にまで進行していない患者では、人工椎間板全置換ではなく、好ましい治療の選択肢は人工器官の椎間板核の配置を含む髄核を置換又は増強することでよい。上述のように、正常な核はその上下の骨性の
椎骨及びその周囲を取り巻く線維輪によって囲まれた間隙内に含まれる。このようにして、核は完全に密閉及び密封され、からだに対する唯一の伝達は終板として公知の椎骨との骨界面を通じて生じる流体交換である。
生理的核を含む吸湿物質は水に対する親和性を有し(体積が膨潤する)、これは通常の活動において椎間板にわたり加えられる有意な生理的荷重に関わらず、椎間板腔を伸延する(即ち、上昇させ、或いは「膨張させる」)ほど十分に強力である。これらの力は体重の約0.4倍から約1.8倍に及び、通常の血圧をはるかに上回る局所圧力を生じさせ、核及び環状内部組織は実際に効果的に無血管性である。
クッションとしての核(例えば、核は脊椎椎間板として既知の「タイヤ」における「空気」である)及び柔軟性要素としての輪の存在は、正常な椎間板における一連の運動に寄与する。一連の運動は自由度の点から説明する(即ち、基準点に対する平行移動及び3つの直交面の周囲の回転、脊椎の縦軸周囲の回転の瞬間中心)。
(伸延)
純粋な伸延は稀にしか生ぜず、通常、印加される力の方向に依存した、脊椎関節における引張りと圧縮の組合せである。伸延力の一例は脊椎の「荷重を除荷する」ための治療上の脊椎牽引である。
本発明に照らし、本明細書で用いるように、伸延という用語は、形式上、運動保持アセンブリ又は人工髄核デバイス(“PND”)の導入によって生じる、椎間板腔を増大させる高さの上昇を指し、これは移植中にデバイス自体の軸方向の配置において、或いは暫定的な伸延ロッドによって補助され、達成され得る。暫定的な伸延とは伸延ロッドのような手段による椎間板高の上昇を指し、これは後に取り外されるが、その上昇は術中に保持され、一方、患者は腹臥位の状態である。従って、デバイスは他の伸延手段によって最初に形成された上昇椎間板腔に挿入され、その後、挿入されたデバイスの物理的存在及び立体性がその高さ間隙を保持する要となって、椎間板を減圧し、神経接触によって生じた疼痛を緩和する。
今日まで、現在企図され、或いは配置されている人工髄核デバイスの欠点には、沈降(subsidence)、その突出又は移動する傾向、骨を腐食する傾向、経時的に劣化する傾向或いは生体力学的荷重の分散及び支持を付与しない傾向が含まれる。これらの欠点の一部は、通常、その配置が、患者のからだを横方向に貫通して椎間板部位に導入されるとともに、椎間板及び隣接する皮質骨を切除し、或いは椎間板及び隣接する皮質骨を貫通する横方向の孔を開けるように操作される器具によって達成されるほぼ完全な椎間板切除を伴うという事実に関連する。椎体の終板は非常に硬い皮質骨を含み、椎体に必要な強度を与える役割を果たし、通常、孔開け中に脆弱化し、或いは破壊される。椎体終板は各椎骨の頂部及び底部を取り囲む特別な軟骨構造体であり、椎間板と直接接触している。椎体終板は椎間板への栄養素及び水の通過を可能にするため、椎間板の栄養に重要である。これらの構造体が損傷すると、椎間板の劣化及び椎間板機能の変化が生じ得る。横方向に開けられた大きな1つの孔又は複数の孔は椎体の統合性を損なうのみならず、過度に後方に孔開けされた場合、脊髄が損傷し得る。
或いは、現在のデバイスは輪において外科的に生成され、或いは拡大された孔を通じて配置される場合がある。線維輪は強靭で太い膠原線維から成る。線維輪を含む膠原線維は同心の交互層にて配置されている。これらの線維の層内配向は並行であるが、各交互(即ち、層間)層の膠原線維は斜めに配向している(〜120度)。この斜め配向により、輪は垂直及び水平方向での力に抵抗することが可能である。椎間板の軸方向の圧縮は椎間板腔における圧力上昇を生じる。この圧力は輪の壁部に垂直な荷重(応力)の形態にて輪に伝達される。応力が印加されると、これらの線維層は引張り状態となり、水平角が縮小し
て荷重により良く抵抗し、即ち、輪は荷重を輪の外周に伝達することにより(フープ応力)、これらの垂直応力に抵抗するように働く。垂直引張力は曲げ及び伸延(屈曲及び伸長)に抵抗する。水平引張力は回転及び滑動(即ち、捻転)に抵抗する。輪の層の垂直構成部分は椎間板が前方及び後方の曲げに十分に耐えることを可能にするが、回転運動中に関与する輪の水平方向の線維は僅かに半分である。概して、椎間板は捻転運動中により損傷を受けやすく、回転中にその主たる保護を後方の椎間関節から得ているが、このリスクは輪が損傷した場合に、更に上昇する。
更に、輪の破壊は術後に残存し、椎間板構造の生理学的生体力学を損なうことに加え、デバイスの突出及び移動の経路を付与する。受ける応力に耐えるのに十分な機械的統合性を付与しようとする他のデバイスは、非常に強靭且つ硬性であり柔軟性に欠けるように構成されるため、骨を腐食し、或いは経時的に椎体に埋め込まれる傾向があり、この現象は「沈降」として既知であり、「入れ子状(telescoping)」と称される場合もある。沈降の結果は脊柱の有効長が短縮されることであり、これは引き続いて神経根及び隣接する2つの椎骨の間を通る神経に損傷を生じさせ得る。
脊椎運動保持アセンブリなどの脊椎インプラントアセンブリの配置に用いられる用具を開示する。この用具は、共に配置プロセスの一部である3つのステップを補助する。しかしながら、配置によっては必ずしも3つのステップ全てが必要ではなく、また配置の方法によってはそれらのステップのうちの2つが同時に実行される。
概して、部分的又は完全な髄核切除の後、当該アセンブリは脊椎内に軸方向に、仙骨に固定されたカニューレを通じ、処置域にわたる上述のアクセスポイントから外科的に脱核された椎間板腔に挿入され得る。本発明の一態様において、人工又は増強材料は少なくとも1つの椎体を通じて、或いは少なくとも1つの椎間板腔に導入される。本発明の脊椎運動保持アセンブリの導入は、椎間板の線維輪に外科的に孔を形成し、或いは既存の孔を有害に拡大する必要なく達成され、その配置は自然の椎間板構造体の生理機能を治療的に保持する。
本発明の一態様において、インプラントの脱出、移動又は沈降に関連するリスク(本発明の運動保持アセンブリでは本質的に少ない)は、椎体に係合し、そこにインプラントアセンブリを固定(即ち、アンカー)する外部の保持手段、例えば、広い表面積にわたり応力を均一に分散するように構成されたセルフタッピング雄ねじによって更に軽減され得る。
通常、ねじは当該技術分野で公知の「海綿」状骨ねじである。通常、ねじ山はねじ山においてほぼ平坦な表面になるように切削され、表面の最も平坦な部分は印加される荷重の方向に配向される。一実施形態において、概してねじ山形状は非対称のねじ山形状をした深いねじ山を含み、これは向上した重量支持及び荷重分散の利点を付与する。ねじ山は根部に形成され、それぞれのねじ部の後端から先端まで連続したねじ山として延在する。ねじ山はねじ山間間隙によって根部に沿って離間された複数の回転部を備える。近位構成部と遠位構成部のねじ山は同様のねじれであるため(即ち、ねじ山は同一方向に回転する)、両ねじ山は右回りであり、或いは両方とも左回りである。
セルフタッピングねじは、運動セグメント内の隣接する椎体の伸延を支援するように構成される場合もあればそうでない場合もあり、即ち、異なるねじ山ピッチを有する遠位及び近位構成部(それぞれ上位椎体、下位椎体にアンカーで固着される)をもって構成される場合もあればそうでない場合もあり、ここで遠位アンカーは近位アンカーより小さい外径を有する。右回りのねじ山(即ち、上記のように異なるピッチ及び外径)をもって構成される実施形態の右回り回転は、アセンブリを軸方向に進め、運動セグメント内の上位及
び下位椎体を互いに対して伸延する。
本出願では、「動的」とは、損傷し、脆弱化し、或いは存在しない生理構造体を支援し、或いは代替する力又は荷重支持を可能にし、或いは促進することによって運動性を可能にする固有能力を有する非静的デバイスを指す。軸方向経仙骨アプローチによって導入される運動性保持アセンブリ(MPA)は、X線像では変性又は崩壊がほとんど明らかでない患者の処置から人工髄核デバイス又は椎間板全置換が適応となる患者に及ぶ、症候性の椎間板起因の疼痛を処置するための治療介入の進行にわたる動的安定化(DS)を提供する。例えば、変性及び椎間板高の喪失の程度が大きいが、進行した輪の破壊が存在する病期に至らない患者では人工髄核(PN)が適応となろう。人工髄核は侵襲性の髄核切除及び引き続く適切な材料による脱核間隙の充填を含むことにより、動的安定化の範囲を超え得る。この場合の目標は椎間板高及び運動を回復させることである。一般的に、椎間板全置換(TDR)は人工髄核の場合よりも進行した疾患であるが、一部の輪機能が残存している場合に適応となる。この運動保持アセンブリは、従来の椎間板全置換よりはるかに低侵襲性であって(配置の点において)、適応となる介入に従って生理機能を増強、保持、回復、及び管理、もしくは増強、保持、回復、又は管理するように構成された人工椎間板置換(PDR)として機能することができる。概して、本明細書に開示する本発明の軸方向運動保持アセンブリは、好ましくは1を超えるアスペクト比を有するデバイスとして構成され、即ち、椎骨軸面におけるデバイス寸法が軸回転の生理的瞬間中心に近接する当該軸面への任意の直交方向におけるデバイス寸法より大きく、また、主要圧縮応力ラインにほぼ沿った配向にて配置され、ヒト椎間板運動セグメントに対してほぼ回転の中心に配置される。
(軸方向経仙骨アクセス)
本発明は腰仙椎への軸方向経仙骨アクセスの使用を企図する。図2に示す軸方向経仙骨アクセス法は筋切開や従来の脊椎手術に関連する他の侵襲的ステップの必要性を排除しながら、介入における治療の進行にわたる安定化、運動保持及び固定デバイス/融合システムを含む、新規で改良された器具及び治療的介入の設計及び配置を可能にする。
図2はプロセスの導入的概要を示し、図2A及び2Bは蛍光透視鏡にてモニタリングしながら(図示せず)、鈍い先端のスタイレット204を仙骨116の前面上方へ「緩徐に進め」、仙骨116の所望位置へ至らしめるプロセスを示す。このプロセスでは直腸208を脇に移動させるため、その後のステップに対して直線経路が構築される。図2Cは仙骨116、L5/仙骨椎間板腔、L5椎骨216、L4/L5椎間板腔を通じてL4椎骨220に構築される代表的な軸方向経仙骨チャネル212を示す。治療がL4/L5運動セグメントに提供されない場合、当該チャネルはL4に延伸するというよりはL5に終止し得る。
図2の考察は本発明の背景を提供するために示すものである。TranS1社に帰する過去の出願(一部は米国特許として登録済)は、前方経仙骨軸方向脊椎アプローチというよりも後方経仙骨軸方向脊椎アプローチである別のアクセス法の説明を含んできた(例えば、米国特許第6,558,386号「軸方向脊椎インプラント並びに脊椎の椎骨内に軸方向脊椎インプラントを移植するための方法及び装置」(Axial Spinal Implant and Method and Apparatus for Implanting an Axial Spinal Implant Within the Vertebrae of the Spine)を参照されたい。同特許は図2に示す前方経仙骨軸方向アプローチについて説明しており、参照してその全体が組み込まれる)。本発明の教示は軸方向経仙骨チャネルに関して用いることができる。
脊椎領域にアクセスして治療を受ける本方法の概要は本発明の背景を示すのに有用である。図2Aに示すように、仙骨標的に向かう経皮的前方経路を通じた仙骨前アプローチ、これを通じて経仙骨軸方向孔が開けられ、チャネルが遠位に伸展され、その後、マルチレベルの軸方向脊椎安定化アセンブリを進めていく。前方、仙骨前、経皮的経路は「仙骨前空隙」を通じて仙骨前方に伸長する。仙骨前、経皮的経路は器具を導入してアクセスし、準備するために使用されることが好ましい(例えば、1つ又はそれ以上の腰椎体及び介在する椎間板を通じて遠位/頭側方向に孔を開けることによって)。この文脈における「経皮的」(percutaneous)は、transcutaneous又はtransdermalのように、単に皮膚を通じて後方又は前方の標的ポイントに至ることを意味し、他の医療分野由来の特定の処置を示唆するものではない。しかし、経皮は外科的アクセスと異なり、皮膚の経皮開口部は好ましくは最小にされるため、直径4cm未満、好ましくは2cm未満、場合により1cm未満である。一般的に、経皮経路は、X線透視又は蛍光透視装置によって可視化されるように、それぞれの後方又は前方の標的ポイントから頭側方向における少なくとも1つの仙椎体及び1つ又はそれ以上の腰椎体を通じて伸長する孔と軸方向に整合される。より具体的には、図2bに示すように、腰椎は尾骨の先端に隣接する小さな皮膚開口を通じてアクセスされる。標準的な経皮的手法を用いて仙骨前空隙が進入され、スタイレットの鈍端が拡張器として機能する導入アセンブリが尾骨側方進入部位を通じて配置される。スタイレットの先端が面層を通過すると、鈍端は仙骨の前面に対して回転され、蛍光透視下で仙骨の所望位置に「緩徐に進められる」。標的部位がアクセスされ、軟組織損傷のリスクが軽減すると、鈍端スタイレットは取り外され、ガイドピン又はワイヤがガイドピン導入チューブを通じて安全に導入され、「タップイン(tapped in)」される。ガイドピンは引き続く骨拡張器及びシースの配置のための経路を構築し、これを通じてツイストドリルが導入されて軸方向孔路を形成し、その内腔は遠位に拡張される。ガイドピンは孔路より大きい径のアクセス及び準備用具の軸方向配列並びにカニューレ挿入脊椎安定化デバイス及びアセンブリの配列を維持し、これらは引き続いて約58.4cm(23インチ)長、約2.29mm(0.090インチ)径のガイドピン上に且つ脊柱内配置のための交換カニューレを通じて導入される。これについては、すべて2004年10月22日に出願された、同時係属中であって譲受人共通の米国特許出願番号10/972,065,10/971,779;10/971,781;10/971,731;10/972,077;10/971,765;10/971,775;10/972,299;及び10/971,780並びに2005年8月9日に出願された、同時係属中であって譲受人共通の米国仮特許出願60/706,704において少なくとも部分的に説明されており、これらはすべてその全体を参照して本明細書に組み込まれる。
(実施例)
本発明の実施例を提供するには、脊椎運動保持アセンブリに関する2005年10月24日出願の同時継続中の米国特許出願第11/−,−号明細書(代理人文書番号T105002USU)に詳細に開示の種類の移植された脊椎インプラントアセンブリの主要構成要素を簡潔に説明することが有用である。図3に提供する詳細は、本発明によって対処される問題の実施例を提供するためのものであり、本発明の用途を限定するものとして構成されるものではない。
図3は移植された運動保持アセンブリ300を示す。この運動保持アセンブリ300は遠位椎体304及び近位椎体308に移植され、椎間板腔312を横断して伸展している。運動保持アセンブリ300は事前に作製した軸方向チャネル212に配置され得る。集合的に、遠位椎体304、近位椎体308及び椎間板腔312は運動セグメント316を形成している。椎体の図面は脊椎構成要素の解剖学的詳細を伝えることではなく、組立運動保持アセンブリ300の配置を示すことを目的とする。図3に示す構成要素の脊椎へのマッピングの1つは、遠位椎体が腰椎部112(図1を参照)の尾側端部におけるL5椎
体216(図2を参照)であり、近位椎体308が仙骨116(図1を参照)となり得る。或いは、運動セグメントはL4/L5椎体220,216(図2を参照)のように、より頭側(従って、外科医に対してより遠位)となり得る。
運動保持アセンブリ300の主要な構成要素は、遠位構成要素(上位又は遠位椎体にアンカーで固着され、本明細書では遠位骨アンカーと称される場合もある)340、近位構成要素(下位又は近位椎体にアンカーで固着され、本明細書では近位骨アンカーと称される場合もある)344、人工髄核348(一般的に外膜460を含む)及びピボット352を含む。外膜は弾性材料、例えば、シリコーンゴムから成り、例えば、カリフォルニア州Carpeneriaに所在するNusil Silicone Technology社から得られるようなものであって、約500%〜約1500%、最も好ましくは約1000%の伸びを示し、約5.58mm(0.220インチ)の壁厚を有する。
図3に示す遠位骨アンカー340は一組の雄ねじ356を有する。或いは、一組の雄ねじ356は遠位椎体304へのねじ溝の切り込みの開始を容易にするため、遠位骨アンカーの遠位端にチップブレーカー部360を含み得る。チップブレーカーはねじ山における不連続部であり、ねじ溝が切り込まれるとチップが剥離することを可能にする。軸方向チャネル212は遠位椎体304に形成され、遠位椎体304における軸方向チャネル212の径は一組の雄ねじ356の谷経にほぼ等しい。
遠位骨アンカー340は、遠位骨アンカー340の遠位面366から遠位骨アンカー340の近位面370まで続くキャビティ364を有する。この文脈において、面はその側面から見たようにその部分の3次元面であり、一対のサイコロからの1つのサイコロの6つの3次元面に類似している。キャビティ364は均一な断面ではなく、複数の目的を果たす。キャビティ364の遠位端は、当該キャビティを用いて遠位骨アンカー340がガイドワイヤを通じて配置されることを可能にすることを示す。キャビティ364は、下記のドライバ、保持又は除去用具に係合可能な雌ねじ部368を備える。図3に示す遠位骨アンカー340におけるキャビティ364は、キャビティ364の対応するカップ部376において遠位ピボットカップ372を有する。
次に、遠位ピボットカップ372はピボット352の遠位端384の支持面として機能するキャビティ380を有する。
図3に示すピボット352は、この実施形態ではピボット体部392と一体化したほぼ球状の構成要素として構成された上記遠位端384及び近位端388を有する。
近位骨アンカー344は導入部408を含む一組の雄ねじ404を有する。近位骨アンカー344は近位骨アンカー344の遠位面410から近位骨アンカー344の近位面414まで続くキャビティ412を有する。キャビティ412は断面が均一でない。キャビティ412の一部は一組の雌ねじ416を有する。一組の雌ねじ416のピッチは比較的微細であることが好ましい(おそらく1インチあたり16個のねじ山、最大で1インチあたり64個のねじ山)。図3に示す特定の運動保持アセンブリにおいて、近位骨アンカーキャビティ412は一組の雌ねじ416に係合する一組の雌ねじ424を有する近位ピボットカップ420を含み、ドライバ係合部428に付与されるドライバ(図示せず)からのトルクが近位骨アンカー344に対して近位ピボットカップ420を回転させ、近位ピボットカップ420を軸方向(遠位)に進める。近位ピボットカップ420を軸方向に進めると、近位ピボットカップ420はピボット352に接触し、ピボット352は遠位ピボットカップ372に接触することを理解するであろう。これらの構成要素が接触した後、近位ピボットカップ420を更に軸方向に進めると、近位骨アンカー344(及び近位骨アンカー344に係合した近位椎体308)に対する遠位骨アンカー340(及び遠位骨アンカー340に係合した遠位椎体304)の軸方向移動が生じる。1つの椎体が別の
椎体から離れるこの運動は、2つの椎体の間の椎間板腔の伸延を生じさせる。
近位ピボットカップ420の回転によって達成可能な伸延は、1つの調整として運動保持アセンブリのピボットと人工髄核構成要素の間の荷重の分散を変えるために用いられることが好ましいことに留意されたい。伸延を達成する主要な手段は、下記のように図20における伸延及び挿入用具によるものである。
図3に戻ると、ドライバ係合部428は多くの種類の様式の中でもドライバによってトルクを付与するように構成され得る。雌六角ソケットが好適な選択である。図3に示す近位ピボットカップ420はドライバ又は除去用具に係合可能なねじ山付きキャビティ432を含む。近位ピボットカップ420はピボット352の近位端388に対する支持面として機能する遠位キャビティ436を含む。
近位骨アンカー344におけるキャビティ412は遠位端442及び近位端446を有するジャムナット440も含む。ジャムナット440は一組の雌ねじに係合するようにされた一組の雄ねじ444を有する。ジャムナット440は雄六角ドライバのような対応するドライバに付与されるトルクを受けるようにされたドライバ係合部448も有する。トルク入力はジャムナット440を軸方向(遠位)に進ませ、ついには近位ピボットカップ420と接触させる。図3に示すジャムナット440はドライバ又は除去用具によって使用可能なねじ山付きキャビティ452も含む。
人工髄核348は外膜460及び人工髄核材料464を含む。外膜460は人工髄核材料464を充填されているため、外膜460は拡張して遠位椎体304の下位終板、近位椎体308の上位終板及び線維輪(図示せず)の内壁に適合可能に接触し、また、これらは集合的に椎間板腔312の境界を画定する。
好ましい人工髄核材料及びシステムは、生物医学等級のシリコーンエラストマー、例えば、シリコーンゴム、例えば、カリフォルニア州Carpeneriaに所在するNusil Silicone Technology社から得られるようなもの又はヒドロゲル又はこれらのブレンド(例えば、ヒドロゲル/ヒドロゲル又はヒドロゲル/エラストマー)を含む。イタリアのFidia Corporationから市販されているような架橋ヒアルロン酸は好適な材料の一例であるが、多くの天然及び人工ヒドロゲル又はそのブレンドが類似した特性を炎症反応もなく達成するように構成され得て、例えば、上記の同時係属中であって譲受人共通の米国特許出願に、また、特に詳細に2004年8月9日に出願された米国仮特許出願60/599,989及び2004年3月31日に出願された60/558,069に開示・説明されている。
(異なるねじ山ピッチの使用を通じた運動セグメントの伸延)
TranS1社に帰する、過去に出願された特許出願では、運動セグメントに伸延を課す方法について説明している(2つの椎体をz軸に沿って互いに引き離す)。例えば、米国特許第6,921,403号「脊椎伸延及び融合のための方法及び装置(Method
and Apparatus for Spinal Distraction and Fusion)」を参照されたい。従って、最初のより微細なねじ山ピッチの遠位ねじ山部を有するねじ山ロッドが遠位椎体に係合し(遠位ねじ山部におけるねじ山の外径より大きい近位椎体における孔を通過した後)、同一ねじ山ロッドにおける近位でより粗いねじ山部が近位椎体に係合するとき、異なるねじ山ピッチを有する2つのねじ山部の回転は、遠位でより微細なピッチのねじ山を、より粗いねじ山が近位椎体に進むよりも遅く遠位椎体に進める。正味効果は2つのねじ山部の2つの椎体との係合が2つの椎体を引き離すことである。
(2つのねじ山付きインプラント構成要素の推進)
図3に示す遠位骨アンカー340及び近位骨アンカー344などのインプラント構成要素は、骨アンカー以上のものであるが、脊椎インプラントアセンブリを椎体へアンカーで固着する機能を果たす。
軸チャネル212の準備の一環として、遠位椎体は、雄ねじ404より小さく、ほぼ近位骨アンカー344のサイズ、又は換言すると、ほぼ近位骨アンカー344の雄ねじ404の谷経のサイズの孔を形成するために穿孔される。同様に、軸チャネル212は、遠位椎体304の少なくとも途中へ拡張され、孔のサイズは、ほぼ遠位骨アンカー340上の雄ねじ356の谷経のサイズである。
図3の場合には、これらの両方の組の雄ねじの谷経は同じである。幾つかの脊椎インプラントアセンブリでは、近位椎体に螺旋ねじ山が切り込まれて残ることなく、遠位骨アンカーが近位椎体の孔を通過することが可能であるように、遠位骨アンカーの雄ねじの外径は、近位骨アンカー上の雄ねじの谷経未満である。
図4には、遠位椎体用と近位椎体用との2つのねじ山部を有するシングルロッドによって開始される、ねじ山及び孔サイズの様々な組み合わせを示す。図4は、本出願における他の図と同様に、本発明に関連する概念を紹介し図示する役目を果たすものであり、特定の寸法比率を伝達することは意図していない。
図4には、一連の近位椎体604及び遠位椎体608を示す。2つの椎体間には椎間板腔612が位置する。デュアルアンカーロッドとして椎体の各対が移植されている。図4Aには、直径及びピッチが同じ2つのねじ山部を有するデュアルアンカーロッド620を示す。遠位椎体608のねじ山624が近位椎体604を通じて推進されるにつれ、近位椎体604の中へ螺旋ねじ溝が切り込まれる。ねじ山628の先導部分が近位椎体604に達するとき、それらのねじ山628はねじ山624によって事前に切り込まれた同じ螺旋ねじ溝を用いることが好適である。そうしないと、クロススレッディング(cross
threading)を生じる。クロススレッディングは、デュアルアンカーロッド620を推進することを困難とするか、又は、近位椎体へ新たな螺旋溝を切り込み、必要なより多くの機械的損傷を椎体に与えることを意味する(或いは、両方が起こる)。この状況においては、ねじ山624のピッチはねじ山628のピッチと同じであり、二組のねじ山が連続的な一組のねじ山であるかのように互いに対して配置され得るので、クロススレッディングを回避することは困難でない。したがって、二組のねじ山がウエスト部632によって剛直に接続されるので、クロススレッディングは回避される。ウエスト部632は2つのねじ部の間に位置し、詳細には、椎間板腔612に位置する。引用によって援用した以前の出願に記載のように、ウエスト部632は、融合療法において用いられる骨ペーストなどの治療材料が送達可能であるように、デュアルアンカーロッド620の中心キャビティと流体伝達する開口部636を備え得る。
デュアルアンカーロッド620を回転させ、軸方向移動させ、移植して、近位椎体604及び遠位椎体608の両方へ係合するために、雌六角ソケットなどシングルドライバ係合部640が対応するドライバと係合され得る。
図4Bには、デュアルアンカーロッド644を示す。デュアルアンカーロッド644では、遠位椎体608との係合のための一組のねじ山648の外径は、一組のねじ山628の谷経よりわずかに小さい。このため、それらのねじ山が遠位椎体608の孔へ向けて軸方向移動されるときに、一組のねじ山648は近位椎体604の中へ切り込まれた螺旋状のねじ山を切り込まない。デュアルアンカーロッド644はシングルドライバ係合部640を有する。シングルドライバ係合部640は、それらの部分がウエスト652によって
接続されるとき、両方の組のねじ山628,648を回転させる。引用によって援用される素材に記載のように、遠位椎体608においてより精密なピッチのねじ山を用い、近位椎体604においてより粗いピッチのねじ山を用いることによって、伸延を課し、近位椎体604と遠位椎体608との間の距離を増大し、椎間板腔612のサイズを増大する。
ねじ山の組628とねじ山の組648との間の外径の減少は、ねじ山の組648と遠位椎体608との間の相互作用の量の減少という欠点を有する。ピッチが同じでないときに、続くねじ山の組628がねじ山ピッチの差異のために追随することの不可能な螺旋ねじ山溝を形成することを回避するためには、この外径の減少が必要である。
したがって、図4Cに示す、外径は異なるがねじ山ピッチは同じであり、ウエスト664によって接続されたねじ山部628,660を備えるデュアルアンカーロッド656を有することは、デュアルアンカーロッド620及びデュアルアンカーロッド644のいずれの利点も有しない例は、一般に見出されない。
幾つかの脊椎インプラントアセンブリでは、脊椎運動保持アセンブリに関する2005年10月24日出願の同時継続中で同じ譲受人の米国特許出願第11/−,−号明細書(代理人文書T105002USU)(引用によって本明細書に援用される)において開示の脊椎インプラントアセンブリを含め、遠位椎体608に移植される構成要素が近位椎体604に移植される構成要素に剛直に接続されないアセンブリが開示されている。2つの構成要素は椎体への移植の点で、柔軟性膜460によって接続され得る(図3を参照)。柔軟性膜460は、注入される人工髄核材料によって拡張され、人工髄核348(図3)を形成する。しかしながら、柔軟性膜460によって与えられる接続は、2つの別個の構成要素の相対位置を制御するには充分に剛直ではない。したがって、例えば、図5Aには、外径及びピッチの同じ雄ねじの組824及び828を有する遠位構成要素816及び近位構成要素820を用いるとき、ドライバ係合部832に係合したドライバが遠位構成要素816にトルクを与えるのは不可能であることを示す。したがって、断面積の縮小された遠位構成要素を用いずにクロススレッディングに関連した問題を回避しつつ、遠位椎体へ遠位構成要素を送達し、近位構成要素へ近位椎体を送達することの可能なドライバの必要が存在する。
問題を示すために挙げられた例では、拡張されて人工髄核膜の外部境界を形成する柔軟性膜が参照されているが、この問題は、ねじ山の組824を遠位椎体608へ推進するためにドライバ係合部832に与えられるトルクが不十分な、遠位・近位構成要素間の他の一体化接続まで拡張され得る。
例えば、先の出願や、譲受人であるTranS1社に与えられた特許には、人工髄核材料の注入前に、注入されるバリアシーラント材料を用いて椎間板腔の内面を密閉し、人工髄核を形成することに関する教示が含まれる。柔軟性膜の代わりにバリアシーラント材料を用いる療法のプロセスの一環として送達される構成要素は、定義により、柔軟性膜によって接続されない。
図5Bには、運動セグメントの伸延が所望される場合を示す。選択される伸延の方法は、遠位構成要素836上のねじ山の組848と近位構成要素820上のねじ山の組828との間の相異するねじ山ピッチの使用である。この場合にも、近位構成要素820上のドライバ係合部820を推進するのみらなず、遠位構成要素836にトルクを伝達するためにトルクを与える必要が存在する。これらの2つの構成要素が非剛直構成要素を通じて中間部によって接続されていない場合であっても、伸延力が存在するときは、注入される人工髄核材料が拡張された椎間板腔において硬化し、伸延を実装する用具が除去されるときに、伸延を保持することが可能であるように、拡張された椎間板腔612に人工髄核材料
を注入する必要が存在するので、連続する注入は選択肢とならない。
図5Cは完全性のために提供されるが、それらのねじ山の組に対し、外径は異なるが、ねじ山ピッチは同じである2つの別個の構成要素856,862を用いることは、より一般的でない。
したがって、従来技術は2つの隣接した椎体への2つの構成要素の軸方向送達に用いられる適切な解決策を提供していない。また、従来技術は、人工髄核材料の挿入によって維持される椎体に課される伸延と組合わされる、2つの隣接した椎体への2つの構成要素の軸送達の過程のために適切な解決策を提供していない。
(実施例A)
従来技術における上述の欠点に対する一解決策を、図6に示す。図6Aには、載置したデュアルアンカードライバアセンブリ2100の拡大部分を透視図で示す。構成要素の相互作用を明らかにするために、周囲の4分の1を除去してある。デュアルアンカードライバアセンブリ2100では、遠位骨アンカー2108及び近位骨アンカー2112を同時に係合するための多角形トルクドライバ2104が用いられる。これらの骨アンカーは、谷経、外径、ピッチ及び回転の向きの同じ、雄ねじ部(2116,2120)を有する。近位アンカー雄ねじ2120が近位椎体へ回転するとき、近位椎体の遠位アンカー雄ねじ2116によって残された螺旋ねじ山切り込みのクロススレッディングを回避するために、2つの骨アンカーの送達は適時性である必要がある。このことは、骨アンカーの回転及び軸方向移動中に骨アンカーの相対位置に対する制御を行うことによって可能となる。ここで制御は、A)遠位アンカー2108の雌ねじ2124と係合する保持ロッド2012を作用させ、遠位アンカー2108を引いて、多角形トルクドライバ2104の遠位のチップ2128上に据え付けることと、B)一組の雄ねじ2136を近位アンカー2112の雌ねじ2142と係合する近位アンカー保持継手2132を作用させ、近位アンカー2112を多角形トルクドライバ2104の肩部2146上に据え付けることとによって行われる。保持ロッド2012及び近位アンカー保持継手2132の両方は、多角形トルクドライバ2104に対して各々回転可能であるように、デュアルアンカードライバ2100へ接続される。
図6Bには、近位アンカー2112と接触し、フランジ2130とデュアルアンカードライバアセンブリ2100における他の構成要素との係合を示す、多角形トルクドライバ2104の肩部2138を含むデュアルアンカードライバ2100の断面を示す。
トルクドライバとして一般に六角形が用いられているが、三角形、四角形、五角形、八角形など、他の多角形が用いられ得ることが当業者には認識される。星又は非対称形状など、より複雑な形状が用いられ得るが、単純な多角形が適切である。
図7には、ハンドル2204を備えるデュアルアンカードライバアセンブリ2100を示す。ハンドルを回転させることによって、多角形トルクドライバ2104を含むドライバシャフト2216が回転する。遠位構成要素2108は、保持ロッドノッブ2208を回転させることによって保持ロッド2012上のねじ山の回転によってねじ山で係合され得る。これによって、保持ロッドが多角形トルクドライバ2014に対し回転する。
外部シース2212の回転によって、近位アンカー保持継手2032上の雄ねじ2036と近位アンカー上の対応するねじ山とのねじ係合が生じる。シース2211及び取り付けられた近位アンカー保持継手2032は、多角形トルクドライバ2104に対し回転可能である。保持ピン2220は、近位アンカー継手2032をシース2212へ対し保持する。
図7に示す種類のデュアルアンカードライバ2100を含む様々な構成要素の詳細な図のセットを、図8〜16に提供する。当業者には、これらの図の説明は不要である(保持ピンに関する詳細はこれらの詳細のようには提供されないが、他の図面から認識可能である)。
(実施例B)
図10に示すように、多角形トルクドライバ2104は、保持ロッド2012によって用いられる軸線に沿って走る中空のキャビティ2224を有する。遠位構成要素2108と近位構成要素2112との間の流動性材料を椎間板腔の中へ送達するために、この同じキャビティ2224は開口部(図示せず)を通じて接続され得る。様々な生体材料が送達され得る。例には、硬化可能なエラストマー、ヒドロゲル、及びエラストマーとヒドロゲルとのブレンドが含まれる。遠位構成要素の遠位端のキャビティ364が開かれ、載置したドライバアセンブリがガイドワイヤを通じて配置されることが可能となるが、材料注入中にはこのことによって問題は提示されない。キャビティ364への開口は、多くの場合、遠位椎体内に含まれる(図3を参照)。しかしながら、キャビティ364がガイドワイヤに対して目的を果たした後、このキャビティ364にプラグを送達するために保持ロッドその他の送達デバイスが用いられ得る。
(実施例C)
図17には、開口部2234を備える代替のトルクドライバ2230を示す。この種類のデュアル六角ヘッドドライバ2230は、図5Bに示したように、遠位構成要素の断面が近位構成要素の断面に対し減少するとき、典型的には、相違するねじ山ピッチを用いて伸延が提供されるときの使用に適合されている。伸延後、デュアル六角ヘッドドライバ2230を用いるドライバアセンブリは、ドライバが2つの構成要素の相対位置を、一方の構成要素が保持ロッドによってデュアル六角ヘッドドライバ2230の遠位部分との係合によって保持され、他方の構成要素がカップリングによってデュアル六角ヘッドドライバのより近位の部分との係合により保持されるように維持し、適所に残され得る。図18Aでは、ドライバアセンブリの中へ注入される材料の所望されない流れを制限することを補助するためのOリングの使用を示す分解図を提供する。図18B,18Cには、デュアル六角ヘッドドライバと他のシステム構成要素との間の相互作用の他の詳細を示す。
デュアル六角ヘッドドライバは、図17,18に示すドライバを説明するための名前であるが、当業者には、他の多角形形状が存在し得ることが認識される。
デュアル六角ヘッドドライバ及び実施例Aに関連して記載した多角形トルクドライバは、ドライバが遠位・近位構成要素を近位構成要素の適時性送達(クロススレッディングを回避するために適時性送達が用いられる場合)と、患者間の解剖学的な偏差及び所望の伸延のレベルを調節するためとの両方に適切な相対軸距離にて保持することが可能であるように、様々な長さで製造可能である。
(実施例D)
図19は遠位骨アンカー1340及び近位骨アンカー1344を示し、膜460は遠位骨アンカー1340及び近位骨アンカー1344に結合している。この実施例において、遠位骨アンカー上の雄ねじ356のねじ山ピッチは、近位骨アンカー上の一組の雄ねじ404のねじ山ピッチと同じである。キー締めされたドライバアセンブリ2000は肩部2008を備えたキー2004を有する。キー2004は近位骨アンカー及び遠位骨アンカーにおけるスロット中に摺動する(既出)。従って、キー締めされたドライバアセンブリ2000は近位骨アンカー1344が遠位骨アンカー1340に対して回転するのを防止する。骨アンカー間の距離の正確な制御と同調したキー締めは、近位骨アンカー上の雄ねじの前縁が近位椎体に進入し、遠位骨アンカーが遠位椎体方向に進む間に近位椎体を通じ
て回転された、遠位骨アンカーに残されたねじ溝の開始部に進入することを可能にする。
雄ねじ2016を有する保持ロッド2012は遠位骨アンカー1340の雌ねじ部368に係合する。保持ロッド2012はドライバチップ2018に対して回転可能であり、そのため遠位骨アンカー1340は引っ張られてドライバチップ2018に接触する。
同様に、近位アンカー保持継手2088は外部シース2096に付着しているため、雄ねじ2092を有する近位アンカー保持継手2088はドライバチップ2018に対して回転可能である。近位アンカー保持継手2088の回転は雄ねじ2092と近位アンカー1344の雌ねじ416との係合を生じさせ、近位アンカー1344を肩部2008まで引き下げる。両アンカーがキー締めされたドライバアセンブリ2000の構成要素に接触した状態に保持され、近位骨アンカー1344に対する遠位骨アンカー1340の位置が肩部2008とドライバチップ2018の間の距離に基づいて設定され得る。2つの離れた骨アンカー間の距離に対する制御は、同じ外径を有する2つの骨アンカーが近位椎体のクロススレッディングなしに挿入されることを可能にする。
(実施例E)
図20には、構成要素が近位椎体及び遠位椎体に移植され、インプラントドライバが取り外された後に用いられる、ディストラクタ/インジェクタの使用を示す。人工髄核材料の注入前に遠位骨アンカー340へ追加の構成要素が挿入される必要のあるとき、この種のディストラクタ/インジェクタは有用である。図20に示す例では、ピボット(ここでは図示しないが図3を参照のこと)の支持面として作用する遠位ピボットカップ372が、移植された遠位骨アンカーに挿入される。この骨アンカーは、実施例A及び図6において説明した種類のドライバアセンブリを用いて移植され得るか、又は遠位構成要素及び近位構成要素がキー締めされた送達用のスロットを有する場合、図19と共に説明した種類のドライバアセンブリが用いられ得る。
図20は運動セグメントを伸延し、次に人工髄核材料を膜460に配置し、膜460を拡張させて椎間板腔の間隙内に適合させるのに用いられる伸延及び挿入用具2032を示す。挿入用具2032は近位骨アンカー344における一組の雌ねじ416に係合する一組の雄ねじ2036を有する。挿入用具2032の遠位端は遠位ピボットカップ372における支持面を損傷させずに接触するように設計された非外傷性チップ2042である。軸方向に進みながら伸延及び挿入用具2032は非外傷性チップ2042を遠位ピボットカップ372に押し進め、近位骨アンカー344に係合した椎体に対して遠位骨アンカー340に係合した椎体を移動させる。所望の量の伸延を成した後、内部チャネル2048を用いて一組の開窓部2052を通じて送達される人工髄核材料を付与し、膜460を満たし、拡張させる。人工髄核材料は、膜460と2つの椎体の終板と線維輪の壁部が適合するまで挿入される。
人工髄核材料を硬化させた後、挿入用具2032は取り外すことができ、人工髄核の形成中に当該挿入用具が存在した位置に人工髄核材料における間隙が残される(図3における要素348を参照)。
図21には、伸延に次いで人工髄核材料を注入するための異なる用具を挿入する前に、最初に遠位デバイス及び近位デバイスを移植し、次いで1つ以上の構成要素を挿入するためにドライバを用いるプロセス3200を要約する。
ステップ3210:デバイスドライバアセンブリに遠位及び近位構成要素を載置する。柔軟性膜によって結合されたこれら2つのアンカーは、アンカードライバアセンブリに配置される。ドライバアセンブリは、長尺状トルクドライバ、この場合、一定の断面部(縦
軸に対して垂直)を有する長尺状部分を有する六角形トルクドライバを用いる。
ドライバアセンブリを載置するステップは、遠位構成要素をドライバの遠位端に固定し、これは挿入中に先端部に保持され、ねじ山付き保持ロッドによって軸方向、遠位に進められるステップと、近位アンカー保持継手の使用を通じて近位骨アンカーをデュアルアンカードライバアセンブリ内の肩部に固定するステップを含む。2つの骨アンカーをドライバアセンブリに固定することにより、遠位構成要素と近位構成要素の間の所定の空間分離が維持され、これらの間に位置する柔軟性膜が引き延ばされ、そのため当該膜は僅かにネックインし、近位椎体を通過する間に損傷を受ける可能性が低くなる。
ステップ3220:ガイドワイヤを通じてアンカードライバアセンブリを挿入し、近位椎体を貫通する孔及び遠位椎体における孔を含む、事前に作製された軸方向チャネルを通じてアンカードライバアセンブリを進める。近位椎体における孔は両骨アンカー上の雄ねじの谷経の大きさとほぼ同じである。
ステップ3230:アンカードライバアセンブリを用いてトルクを与え、近位椎体を通じて遠位骨アンカーを回転させ、軸方向に進め、これによって第一の椎体を通じた螺旋ねじ溝が形成される。
ステップ3240:トルクを連続して与えて骨アンカーを軸方向に進め、骨アンカーは空間的に維持された距離にてアンカードライバアセンブリに保持され、遠位構成要素を遠位椎体に固定し、近位椎体におけるクロススレッディング又は再ねじ込みなしに、近位構成要素を近位椎体に固定する。
ステップ3250:骨アンカーがそれぞれの椎体に配置されると、遠位骨アンカーを保持ロッドとのねじ係合から解放し、近位骨アンカーを近位アンカー保持継手から解放する。保持ロッド及び近位アンカー保持継手は長尺状六角形ドライバに対して回転可能である。
ステップ3260:アンカードライバアセンブリを取り外す。
ステップ3270:遠位ピボットカップを係合するために係止機構を用いるドライバ(ここには示さず)と遠位ピボットカップを係合することにより、遠位ピボットカップを挿入する(この特定のドライバの重要性に関しては、同時継続中の米国特許出願第11/−,−号明細書(代理人文書番号T105003USU)に詳細に記載されていることが見出される。この明細書を引用によって本明細書に援用する)。
ステップ3280:遠位ピボットカップドライバを遠位ピボットカップから外し、遠位ピボットカップドライバを除去する。
ステップ3290:ディストラクタ/インジェクタ用具を移植した骨アンカーに挿入し、ディストラクタ/インジェクタ用具の非外傷性チップが遠位ピボットカップの支持面に接触する。支持面に掻き傷その他の損傷を与えることは所望されない。非外傷性チップ用に選択された材料は、有利には、支持面を掻き傷を与えにくいように、支持面より硬くなく、かつ、滑らかであるように選択される。
ステップ3300:近位骨アンカー内でのねじ係合を通じて近位骨アンカーに対してディストラクタ/インジェクタ用具を軸方向に進め、遠位ピボットカップ上の非外傷性チップを通じて押し進めることにより、近位椎体に対して遠位椎体を移動させる。
ステップ3310:ディストラクタ/インジェクタの内部及びディストラクタ/インジェクタの内部と柔軟性膜との間の流体伝達における外開口部を通じて人工髄核材料を注入
し、柔軟性膜を十分に拡張させて充填し、この人工椎間板デバイスの人工髄核構成要素を形成し、当該人工髄核構成要素は椎間板腔の表面と整合的に接触する。
ステップ3320:注入した材料を硬化させる。
ステップ3330:ディストラクタ/インジェクタ用具を除去する。これによって、硬化した注入材料において、注入及び硬化中に椎間板腔における用具占有体積に空間が残される。硬化した人工髄核材料は、椎体間に課された伸延を充分に保持する。脊椎インプラントアセンブリの組立中の続く加工工程には、微小な二次的な伸延が含まれ得る。これに代えて、ディストラクタ/インジェクタの取り外しによって残される空間に向かう、硬化した注入材料の移動を補償するために、元の伸延が少量増大され得る。
続いて、特定の脊椎インプラントアセンブリの組立を完了し、外科的部位を閉鎖するステップが存在するが、それらのステップは本発明の中心から外れるものである。
上述のドライバにおいて示した様々な構成要素に好適な材料には、設計によって選択される生体力学特性(例えば、椎骨を通じて椎骨へデュアルアンカーインプラントを軸方向移動するための回転中、ドライバがトルクに耐える性能)に従い高強度(例えば、高引張強度、高疲労強度)、耐摩滅・摩耗性の金属合金(例えば、MP35N、Elgiloy(商標)、コバルト・クロム超合金、ステライト(商標)などのCo−Cr合金、Ti6Al4V合金、及び窒化物被覆Ti合金)から形成される、即ち、機械加工される構成要素が含まれる。
(注入の詳細)
ドライバ/インジェクタ又はディストラクタ/インジェクタ用具を介して行われ、MPAディストラクタ/インジェクタの近位端にてハンドルを係合するように構成される一体型ルア・ロックフィッティングによって係合されるシリンジを用いる人工髄核材料(PNM)(例えば、生理食塩水、粘弾性ゲル若しくは弾性固体、又はそれらのブレンド若しくは組合せ)の高圧注入によって、膜が拡張される。送達チューブ、即ち、カテーテルは、チューブの遠位端が用具の近位端にいてフィッティングを係合し、チューブの近位端がその上に取り付けられたシリンジを係合するように構成される。拡張可能な膜は開口部又は開窓部によって、例えば、スリット又はトルクドライバ(上述のデュアル六角ヘッドドライバなど)を含むカニューレ挿入ロッド又はディストラクタ/インジェクタ用具の「カット」によって拡大され、或いは充填される。このカニューレ挿入ロッド又はディストラクタ/インジェクタ用具によって、ドライバの外部と内部との間の流体伝達が可能となり、直接又は中間の(全配置インプラント長のうちの約6〜12mm)拡張可能な膜を介して人工髄核材料が椎間板腔に注入される。この膜は、保持器リングのレーザー溶接によって、それぞれ近位ねじ山アンカー構成要素の遠位端と、遠位ねじ山アンカー構成要素の近位端とへ、又はそれらの中へ、粘着的に固定及び係合されるように構成されている。このようにして、拡張可能な膜は、充填され、椎間板腔の表面と接触するまで、本発明のドライバ/インジェクタ又はディストラクタ/インジェクタによって事前に伸延された椎間板腔へ膨張及び拡大する。膜の拡張は、最終的には、終板と環との接触によって制限されており、過膨張による破膜が予防されている。例えば、少なくとも部分的には粘弾性に基づき選択されたヒドロゲルなど、適切なPNMを用いるこの手法により充填、拡張されるとき、MPAによって、運動回復セグメントの意図した機能を生物力学的に実行することが可能であり、例えば、膜は、PNMによって充填されたとき、髄核間隙内の静水圧を環の張力の「フープ応力」へ移す。
本発明の一態様では、ドライバ/インジェクタ又はディストラクタ/インジェクタは、分解、変性や、例えば、流動性又は圧縮性などの粘弾性を変更する剪断力を伴うことなく、PNMを送達(又は、治療、例えば、薬品材料送達)するために充分な約2.07MPa(約300psi)の十分な圧力/荷重を有する注入手段を備えるか、或いは、意図し
た機能性(例えば、PNMを含むPNDの場合、生体力学の運動セグメントの移動性の回復/保存)に有効でない治療材料又はPNMを提供するように構成される。好適な一実施形態では、ドライバ/インジェクタ又はディストラクタ/インジェクタは、圧力下で液体の注入を可能とするために1つ以上のOリングを含む。
当業者であれば、上記に示した代替の実施形態は普遍的に相互排他的ではなく、場合により上記の2つ又はそれ以上の変形例を用いる代替の実施形態が可能であることを理解しよう。同様に、本発明は、本発明の理解を容易にするために提供した具体的な実施例又は特定の実施形態に限定されるものではない。更に、当業者には公知であるように、本発明の範囲は、本明細書に記載の構成要素に対する一定範囲の変形、改変及び代替に及ぶ。
特許請求の範囲の法的制約は特許請求の範囲に示されており、進展してその法的等価に範囲が及ぶ。
ヒト脊椎の各部を示す側面図。 脊椎に軸方向チャネルを形成する前方軸方向経仙骨アクセス法であって、本発明に用いる脊椎における軸方向チャネルを用意するために用いることが可能な方法を示す概略図。 脊椎に軸方向チャネルを形成する前方軸方向経仙骨アクセス法であって、本発明に用いる脊椎における軸方向チャネルを用意するために用いることが可能な方法を示す概略図。 脊椎に軸方向チャネルを形成する前方軸方向経仙骨アクセス法であって、本発明に用いる脊椎における軸方向チャネルを用意するために用いることが可能な方法を示す概略図。 脊椎運動セグメントに移植された運動保持アセンブリ300を示す概略図。 デュアルアンカーロッドが運動セグメントに移植された状況を示す一連の図。 近位構成要素の推進によって遠位構成要素が回転されない状況を示す図。 長尺状多角形トルクドライバを備えるデュアルアンカードライバアセンブリを示す図。 長尺状多角形トルクドライバを備えるデュアルアンカードライバアセンブリを示す図。 図6の完全なデュアルアンカードライバアセンブリを示す図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 図6A,6B,7のデュアルアンカードライバアセンブリ内の構成要素に関する詳細を提供する図。 開口部を備えるデュアル六角ヘッドドライバを示す図。 デュアル六角ヘッドドライバを備える載置したドライバアセンブリを示す分解図。 デュアル六角ヘッドドライバを備える載置したドライバアセンブリを示す分解図。 デュアル六角ヘッドドライバを備える載置したドライバアセンブリを示す分解図。 移植される2つの構成要素の送達のためのキー締めされたドライバアセンブリの断面を示す断面図。 ディストラクタ/インジェクタ用具から四半円が取り外された斜視図。 運動保持アセンブリの配置のための特定の方法を示すフロー図。

Claims (29)

  1. 遠位構成要素及び近位構成要素を備える脊椎インプラントアセンブリを運動セグメントに送達するための装置であって、
    遠位構成要素及び近位構成要素を同時に回転によって運動セグメントに推進し、遠位構成要素及び近位構成要素の間の軸方向の相対的な間隔を維持するように構成されている装置。
  2. 遠位構成要素及び近位構成要素の間に維持される特定の軸方向の相対的な間隔を選択するために、長さの異なる一組の交換可能なドライバヘッドが用いられる請求項1に記載の装置。
  3. 経仙骨アプローチによってアクセスされる脊椎における軸方向チャネルにおいて用いられる請求項1に記載の装置。
  4. 遠位構成要素と近位構成要素との間に位置する椎間板腔への流動性生体材料の送達を可能とする請求項1に記載の装置。
  5. 流動性生体材料はインシチュ(in situ)硬化性エラストマーである請求項4に記載の装置。
  6. 前記エラストマーはシリコーンからなる請求項5に記載の装置。
  7. 流動性生体材料はヒドロゲルである請求項1に記載の装置。
  8. 流動性生体材料はヒドロゲル及びエラストマーのブレンドである請求項1に記載の装置。
  9. 長尺状多角形ドライバ構成要素を有する請求項1に記載の装置。
  10. 長尺状多角形ドライバのうちの少なくとも一部は六角形形状である請求項9に記載の装置。
  11. デュアル六角ヘッドドライバを有する請求項1に記載の装置。
  12. 近位構成要素との係合用の肩部を有する請求項1に記載の装置。
  13. 遠位構成要素及び近位構成要素の上の対応するスロットと係合するキーを有する請求項1に記載の装置。
  14. 遠位構成要素と近位構成要素との間の軸方向の相対的な間隔は、遠位構成要素と装置内のドライバ構成要素の遠位端との係合及び近位構成要素とドライバ構成要素上の肩部との係合によって維持される請求項1に記載の装置。
  15. 遠位構成要素によって近位椎体に切り込まれた螺旋ねじ溝に対し近位構成要素上の一組の雄ねじを適時性に送達することによって、遠位構成要素を回転によって近位椎体を通じて推進し、続いて近位構成要素を近位椎体へ推進するように適合されている請求項1に記載の装置。
  16. 装置の適合は、遠位構成要素上の一組の雄ねじにおいて用いられ、かつ、近位構成要素
    上の一組の雄ねじにおいて用いられるねじ山ピッチに部分的に基づき、遠位構成要素と近位構成要素との間の軸方向の相対的な間隔を選択することを含む請求項15に記載の装置。
  17. 装置の適合は、脊椎インプラントアセンブリの意図する受容者の運動セグメントの解剖学的構造に部分的に基づき、遠位構成要素と近位構成要素との間の軸方向の相対的な間隔を選択することを含む請求項15に記載の装置。
  18. ドライバ構成要素に対し回転することによって遠位構成要素を係合するためのねじやま付き保持ロッドと、ドライバ構成要素に対する回転中、近位構成要素を係合するためのねじ山付き継手とを含む請求項9に記載の装置。
  19. デュアルヘッド多角形トルクドライバの使用によって、第1の断面を有する近位構成要素と、より小さな第2の断面を有する遠位構成要素とを同時に推進するように適合されている請求項1に記載の装置。
  20. ガイドワイヤを通じる配置に適合されている請求項1に記載の装置。
  21. 経仙骨アプローチによって形成された脊椎の軸チャネルを通じてアクセスされる隣接する椎体に事前に移植された、遠位構成要素及び近位構成要素からなる一対の構成要素を係合するための装置であって、
    装置を回転することによって、装置が遠位構成要素と接触し、かつ、遠位構成要素とねじ係合されないような軸方向移動を生じるように、近位構成要素とのねじ係合に適合されており、
    装置が近位構成要素と係合したまま遠位構成要素と接触するときに、遠位構成要素と近位構成要素との間に位置する間隙へ流動性生体材料を送達することを可能とするように適合されている装置。
  22. 遠位構成要素と近位構成要素との間に維持される所望の軸方向の相対的な間隔に基づき、長さの異なる一組の交換可能な副構成要素が用いられる請求項21に記載の装置。
  23. 流動性生体材料はインシチュ(in situ)硬化性エラストマーである請求項21に記載の装置。
  24. 前記エラストマーはシリコーンからなる請求項23に記載の装置。
  25. 流動性生体材料はヒドロゲルである請求項21に記載の装置。
  26. 流動性生体材料はヒドロゲル及びエラストマーのブレンドである請求項21に記載の装置。
  27. 装置と遠位構成要素との間の接触点である非外傷性チップを含む請求項21に記載の装置。
  28. 装置を遠位構成要素に向けて軸方向移動させ、遠位構成要素と接触させ、遠位構成要素を押し進め、遠位構成要素と近位構成要素との間の距離を増大させるために充分なねじ山数の一組の雄ねじを有する請求項21に記載の装置。
  29. 明細書に記載し図面に示されている本発明。
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