JP2008500957A - ヒトモノクローナル抗体sc−1の抗イディオタイプ抗体、並びに、その産生および使用 - Google Patents

ヒトモノクローナル抗体sc−1の抗イディオタイプ抗体、並びに、その産生および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトモノクローナル抗体SC−1の抗イディオタイプ抗体、並びに、当該抗イディオタイプ抗体の産生および使用方法を特徴とする。
【選択図】なし

Description

発明の背景
本発明は、癌の診断および治療の分野に関するものであり、更に詳しくは、哺乳動物(例えば、ヒト)の新生物の診断、検出、監視および治療に有用な、抗イディオタイプ抗体等のポリペプチドに関する。
癌を診断および治療する際のヒトモノクローナル抗体の利用は、優れた治療可能性を秘めている。抗体は、癌細胞のさらなる増殖を抑制して癌細胞の制御機構に作用することが可能であり、その結果、アポトーシスにつながる事象を引き起こす。治療上使用されるヒトモノクローナル抗体の産生は、癌患者の免疫応答の成分である抗体を単離することから始まる。ハイブリドーマを産生することで、抗体を大量かつ特にモノクローナルな状態で得ることができる。
ヒトモノクローナル抗体に治療可能性があるなら、試料または患者におけるこのような抗体の有無を検出するのに使用できる物質が必要である。
発明の要旨
本発明者らは、ヒトモノクローナルIgM抗体SC−1に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を作製した。SC−1は腫瘍特異的抗体であって、胃腺癌細胞ではアポトーシスを誘導するが健常組織では誘導しないため、SC−1抗イディオタイプ抗体は、患者におけるSC−1抗体の有無を検出するための優れた診断ツールを提供し、また、対照抗原として、様々な治療法および診断法と併用することもできる。SC−1抗イディオタイプ抗体の作製に利用される技術は、他の治療用ヒトモノクローナルIgM抗体に対する抗イディオタイプ抗体を作製する際にも利用できる。また、SC−1抗イディオタイプ抗体は、SC−1抗体によって認識される抗原に良く似ているため、この抗イディオタイプ抗体を使用して患者に腫瘍特異的免疫応答を生じさせることができる。
従って、本発明の第一の側面は、図3(配列番号1)に示すSC−1モノクローナル抗体重鎖配列を包含するポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗イディオタイプ抗体を特徴とする。本発明のこの側面の望ましい実施態様では、抗イディオタイプ抗体はCD5陽性Bリンパ球に特異的に結合する。
本発明の第二の側面は、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)受託番号DSM ACC2625のハイブリドーマ細胞株を特徴とし、第三の側面では、本発明はDSMZ受託番号DSM ACC2625のハイブリドーマ細胞株によって発現される抗イディオタイプ抗体を特徴とする。本発明の第三の側面の望ましい実施態様では、抗イディオタイプ抗体には検出可能な物質が含まれる。別の望ましい側面では、本発明は、DSMZ受託番号DSM ACC2625のハイブリドーマ細胞株によって発現される抗イディオタイプ抗体に対する結合特異性を有するヒト化抗体を特徴とする。当該ヒト化抗体には、望ましくは検出可能な物質が含まれる。
第四の側面では、本発明は、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗イディオタイプ抗体に対する免疫応答を哺乳動物に生じさせる方法を特徴とする。この方法は、精製された抗イディオタイプ抗体を薬学的に許容される担体に担持させたもので哺乳動物を免疫することを含む。望ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)の免疫に先立って抗イディオタイプ抗体をヒト化する。本発明の第四の側面の他の望ましい実施態様では、哺乳動物はヒト以外の哺乳動物、例えば、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギまたは齧歯類動物(例えば、マウスもしくはラット)である。さらに望ましい実施態様では、哺乳動物を免疫することで、抗イディオタイプ抗体に特異的に結合するポリペプチド(例えば、抗体)を発現する細胞を哺乳動物において取得する。ポリペプチドを発現する細胞を哺乳動物から単離してミエローマ細胞と融合させ、抗体発現ハイブリドーマ細胞を作製することも可能である。また、ハイブリドーマ細胞を試験して、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する抗体を発現するか否かを判定することも可能である。
第五の側面では、本発明は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギまたは齧歯類動物、例えば、マウス(BALB/Cマウス等)もしくはラットにおいて抗イディオタイプ抗体を産生する方法を特徴とする。この方法は、(i)ヒト以外の哺乳動物を精製されたヒトモノクローナルIgM抗体で、例えば腹腔内注射によって免疫し、(ii)Bリンパ球をヒト以外の哺乳動物から単離し、(iii)ヒト以外の哺乳動物と同一の種に由来する非ヒトミエローマ細胞と単離Bリンパ球とを、ミエローマ細胞とBリンパ球とを融合させる条件下で接触させて非ヒトハイブリドーマ細胞を取得し、(iv)非ヒトハイブリドーマ細胞を培養し、(v)非ヒトハイブリドーマ細胞が抗体を発現するか否かを判定し、(vi)非ヒトハイブリドーマ細胞によって発現される抗体が、ヒトハイブリドーマ細胞またはヒトハイブリドーマ細胞によって発現されるヒトモノクローナルIgM抗体に特異的に結合するか否かを判定することを含む。望ましい実施態様では、この方法に使用する精製されたヒトモノクローナルIgM抗体としては、図3に示すような配列番号1のSC−1モノクローナル抗体重鎖配列が挙げられる。
本発明の第五の側面の他の望ましい実施態様では、ヒト以外の哺乳動物を、例えば、精製されたヒトモノクローナルIgM抗体での最終免疫の4日以内に屠殺する。本発明の第五の側面の方法の意味での免疫とは、望ましくは免疫計画(immunization regimen)を意味する。
本発明の第五の側面の別の望ましい実施態様では、ヒトモノクローナルIgM抗体が発現された培養ヒトハイブリドーマ細胞の上清から精製ヒトモノクローナルIgM抗体を取得し、ヒトモノクローナルIgM抗体のハイブリドーマ上清からの精製には、望ましくはアフィニティークロマトグラフィーおよび/またはイオン交換クロマトグラフィーおよび/またはゲル濾過を利用する。
さらに、非ヒトBリンパ球(例えば、BALB/CマウスBリンパ球またはラットBリンパ球)と非ヒトミエローマ細胞(例えば、マウスNS−Oミエローマ細胞またはラットミエローマ細胞)との融合には、望ましくはポリエチレングリコール(PEG)を利用する。さらに、非ヒトハイブリドーマ細胞が抗体を発現するか否かは、望ましくは酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を利用し、例えば、非ヒトハイブリドーマ細胞を2、3、4または5週間培養した後に行う。
定義
「抗イディオタイプ抗体」とは、別の抗体の抗原結合部位に特異的に結合する結果、他の抗体に特異的に結合される抗体を意味する。望ましくは、抗イディオタイプ抗体は、別の抗体、例えばVollmersら(“Tumor-Specific Apoptosis Induced by the Human Monoclonal Antibody SC-1 : A New Therapeutical Approach for Stomach Cancer,” Oncology Reports 5: 35-40,1998)に記載されているSC−1等のヒトモノクローナルIgM抗体等によって通常認識されるエピトープ、または、配列番号1の配列を含有する抗体もしくは配列番号1の配列を含有する抗体の機能性断片によって通常認識されるエピトープを模倣したものである。別の望ましい実施態様では、抗イディオタイプ抗体は、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗体である。さらに望ましい実施態様では、抗イディオタイプ抗体は、ヒト腺癌細胞株23132(DSMZ受託番号DSM ACC201)によって発現されるCD55のアイソフォーム上に存在する腫瘍特異的糖構造(glycostructure)を模倣したものであり、このCD55アイソフォームは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)におけるおおよその分子量が82kDaである。
「候補化合物」または「被験化合物」とは、天然物由来または人為的に誘導した化学物質であって、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗イディオタイプ抗体に対する特異的結合能、または、配列番号1の配列を含有する抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体に対する特異的結合能を、例えば、本明細書に記載のアッセイ方法のうちの1つにおいて調査する化学物質を意味する。候補化合物または被験化合物としては、例えば、ペプチド、ポリペプチド、合成有機分子、天然物由来の有機分子、核酸分子、および、これらの構成成分が挙げられる。
「検出可能な物質」とは、抗イディオタイプ抗体に結合して検出を容易にする化合物を意味する。このような「検出可能な物質」は、共有結合的または非共有結合的に抗イディオタイプ抗体に結合可能である。さらに、結合は直接的または間接的であってよい。「検出可能な物質」の例としては、タンパク質精製タグ、細胞毒素、酵素、常磁性の標識、酵素基質、補助因子、酵素的阻害剤(enzymatic inhibitor)、染料、放射性核種、化学発光標識、蛍光マーカー、増殖阻害剤、サイトカイン、抗体、ビオチンが挙げられる。
本明細書中、ポリペプチドまたは抗イディオタイプ抗体に関して「機能性断片」とは、全長ポリペプチドの少なくとも1種の生物活性を保持する断片を意味する。このような生物活性の例は、抗原に対する特異的結合能である。例えば、機能性断片は、図3(配列番号1)に示すSC−1重鎖配列を含有するポリペプチド、または、ヒト腺癌細胞株23132(DSMZ受託番号DSM ACC201)に特異的に結合するものであればよい。機能性断片の生物活性は、例えば、本明細書に記載のアッセイのいずれかを用いて測定可能である。
抗体の機能性断片の例は、当業者に公知のV、V、F、F、Fab、Fab’またはF(ab’)断片である(例えば、Huston et al., Cell Biophys. 22: 189-224, 1993およびHarlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, N. Y., 1999を参照のこと)。望ましい実施態様では、このような断片としては、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現されるSC−1抗イディオタイプ抗体のVまたはV領域の相補性決定領域(Complement Determining Region:CDR)のうち1つ以上が挙げられる。
本明細書中「ヒト化抗体」とは、最低限の非ヒト(例えば、マウス)抗体配列がヒト抗体配列と組み合わされており、かつ、元の非ヒト抗体の結合特異性を依然として維持している遺伝子工学的に作製された抗体である。望ましい実施態様では、ヒト化抗体は15%、20%、25%、30%または40%の非ヒト配列を含有する。より望ましい実施態様では、ヒト化抗体は5%または10%の非ヒト配列を含有する。さらに、ヒト化抗体は、ヒト化抗体中に残存するいずれの非ヒト配列に対してもヒトの免疫応答を全く誘導しないか、または、最小限にしか誘導しないのが望ましい。
本明細書中「ハイブリドーマ」とは、正常細胞(例えば、活性化リンパ球)と悪性細胞(例えば、ミエローマ)との融合によって人為的に作製された任意の細胞である。少なくとも2個の細胞の融合によって生じたハイブリッド細胞は、免疫学的にコンピテントな親が産生するのと同じモノクローナル抗体またはT細胞産物を産生することが可能である。さらに、これらの細胞は、悪性の親と同様、不死である。
本明細書中「免疫応答」とは、哺乳動物の免疫系の活性化を伴い、抗原を特異的に標的とする。望ましくはこの抗原は、抗イディオタイプ抗体によって模倣される抗原である。さらに望ましい実施態様では、当該抗原は、悪性細胞によって特異的に発現されるが、非悪性細胞では発現しない抗原である。従って、別の望ましい実施態様では、当該抗原は、ヒト腺癌細胞株23132(DSMZ受託番号DSM ACC201)によって発現されるCD55のアイソフォーム上に存在する腫瘍特異的糖構造を含有し、このCD55アイソフォームは、SDS−PAGEにおけるおおよその分子量が82kDaである。
本明細書中「悪性細胞(neoplastic cell)」とは、不適切な条件下でも細胞分裂するか、アポトーシスしないか、またはその双方である細胞を指す。例えば、「悪性細胞」は、対応の正常細胞が細胞分裂しない場合にも細胞分裂可能であるか、あるいは、正常な細胞周期のチェックポイント制御に応答しない可能性がある。
本明細書中「タンパク質精製タグ」とは、タンパク質に共有結合的または非共有結合的に付加されてタンパク質の精製を助けるペプチド(例えば、エピトープタグ)である。望ましくは、このようなペプチドは高い親和性で抗体または別のペプチド(ビオチンまたはアビジン等)に結合する。エピトープタグの市販例としては、Hisタグ、HAタグ、FLAG(登録商標)タグ、c−Mycタグが挙げられる。しかしながら、抗体によって認識されるエピトープであれば、いずれもタンパク質精製タグとして使用できる。例えば、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience, New York, 2001およびSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, N. Y., 2001を参照のこと。タンパク質精製タグは、酵素(例えば、トロンビン)または化学物質(例えば、臭化シアン)を用いるなどしてタンパク質から切り離すことが可能である。
本明細書中、ポリペプチド(例えば、抗イディオタイプ抗体)に関して「特異的に結合」および「特異的に認識」とは、等量の他の任意のタンパク質と比較して、特定のタンパク質(例えば、抗原)に対するポリペプチドの親和性が増加していることを意味する。例えば、抗イディオタイプ抗体は、望ましくはその抗原に対する親和性が、等量の他の任意の抗原(関連抗原を含む)に対する親和性よりも最低でも2倍、5倍、10倍、30倍または100倍である。ポリペプチドの別のポリペプチドへの結合は、本明細書に記載の通り、不特定多数の当該技術分野の標準的な方法、例えば、ウェスタン分析、ELISA、共免疫沈降法等によって測定可能である。
「実質的に同一」とは、参照のアミノ酸もしくは核酸配列またはその断片に対して、少なくとも80%、85%、90%または95%の同一性を示すポリペプチドまたは核酸を意味する。望ましい実施態様では、当該ポリペプチドまたは核酸配列は、参照アミノ酸または核酸配列と少なくとも98%、99%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、さらには100%同一である。ポリペプチドの場合、比較配列の長さは、通常少なくとも3、4、5、6、8、10または15アミノ酸であり、望ましくは少なくとも20または25連続アミノ酸である。より望ましい実施態様では、比較配列の長さは少なくとも30、50、75、90または95連続アミノ酸であり、さらには全長アミノ酸配列である。核酸の場合、比較配列の長さは、通常少なくとも9、10、12、15、18、20、24または25連続ヌクレオチドであり、望ましくは少なくとも30連続ヌクレオチドである。より望ましい実施態様では、比較配列の長さは少なくとも50、75、150、225、270、280、285または290連続ヌクレオチドであり、さらには全長ヌクレオチド配列である。
配列同一性は、配列分析ソフトウェアをデフォルト設定で使用して測定することができる(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)。このようなソフトウェアは、相同性の度合いを各種の置換、欠失、他の改変に対して割り当てることで類似配列を照合することが可能である。保存的置換としては、典型的には以下の群内における置換が挙げられる:グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン群;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン群;セリン、トレオニン群;リジン、アルギニン群;フェニルアラニン、チロシン群。
Clustal W(1.4)プログラム(Julie D. ThompsonおよびToby Gibson(European Molecular Biology Laboratory, Germany)並びにDesmond Higgins(European Bioinformatics Institute, Cambridge, UK)により作成)を用いて複数の配列をアラインメントすることも可能であり、その際、ペアワイズアラインメントモードを「slow」に設定し、ペアワイズアラインメントパラメータとしてはギャップオープンペナルティが10.0、ギャップ延長ペナルティが0.1等であり、また、類似性行列を「blosum」に設定する。さらに、マルチプルアラインメントパラメータとしては、ギャップオープンペナルティが10.0、ギャップ延長ペナルティが0.1等であり、また、類似性行列を「blosum」に、delay divergentを40%に、ギャップの距離を8に設定すればよい。
「精製(された)」または「単離(された)」とは、元々付随する他の構成成分から分離することを意味する。典型的には、ある因子が、元々付随するタンパク質、抗体および天然物由来の有機分子を少なくとも50重量%含まない場合に、当該因子は「精製」または「単離」されたことになり、また、核酸分子に関しては、生物のゲノム中の核酸分子の配列と元々隣接する核酸配列を含まない場合に、当該因子は「精製」または「単離」されたことになる。望ましくは、当該因子は少なくとも75重量%、より望ましくは少なくとも90重量%、最も望ましくは少なくとも99重量%純粋である。実質的に純粋な因子は、化学合成、天然源からの因子の分離、または、元々は因子を産生しない組換え宿主細胞における因子の産生によって取得が可能である。タンパク質、小胞および細胞小器官は、当業者であれば、Ausubelら(Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience, New York, 2001)に記載されているような標準的な技術を用いて精製可能である。当該因子は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィー、光学密度、HPLC分析またはウェスタン分析を用いて測定した場合に、望ましくは出発物質の少なくとも2、5または10倍純粋である(Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience, New York, 2001)。望ましい精製方法としては、免疫沈降、カラムクロマトグラフィー(イムノアフィニティークロマトグラフィーおよびニッケルアフィニティーカラム等)、磁気ビーズイムノアフィニティー精製、プレート結合抗体を用いたパニング(panning)が挙げられる。
抗イディオタイプ抗体は、試料または生化学的実験、薬理試験および/もしくは実験室診断における、治療または診断用抗体(例えば、SC−1抗体)の有無を検出するための費用対効果が大きいツールとして機能することができる。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲から明らかであろう。
詳細な説明
本発明は、癌診断および癌治療の分野で使用可能であって、かつ、腫瘍特異的免疫応答を患者に生じさせることのできる抗イディオタイプ抗体を特徴とする。さらに本発明は、ヒトモノクローナルIgM抗体に対する抗イディオタイプ抗体を作製する方法を特徴とする。特に、本発明者らは、例えばVollmersら(“Tumor-Specific Apoptosis Induced by the Human Monoclonal Antibody SC-1: A Novel Therapeutical Approach for Stomach Cancer,” 5: 35-40, 1998)に記載されているSC−1ヒトモノクローナルIgM抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を作製した。この抗イディオタイプ抗体は、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現されるのであるが、これを用いて腫瘍特異的免疫応答を患者に生じさせることができ、さらに、細胞株23132(DSMZ受託番号DSM ACC201)上に存在するCD55の82kDaの腫瘍特異的アイソフォームに特異的に結合する抗体を患者が発現するか否かを検出する様々な方法に使用可能であり、また、抗イディオタイプ抗体に結合する化合物をスクリーニングするのにも使用できる。
SC−1抗イディオタイプ抗体を産生する細胞株(細胞株6/22−10−30−13)は、2003年11月6日にドイツ微生物細胞培養コレクション(「DSMZ」;Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1b, 38124 Braunschweig, Germany)へブダペスト条約に基づいて寄託を済ませ、DSMZ受託番号DSM ACC2625を受けている。
抗体とは、各々2本の同一軽鎖と2本の同一重鎖を有し、互いにジスルフィド架橋によって結合している免疫グロブリン(Ig)分子である。鎖は各々、可変配列を有する約110アミノ酸からなる領域を含有し、各鎖の残部は一定の配列を有する領域である。抗体は、遺伝子再配列を伴う過程でBリンパ球によって作られる。B細胞の発生過程で、可変ドメインをコードする遺伝子が遺伝子エレメント(genetic element)より組み立てられる。Vドメインの場合には、再配列していないV遺伝子、DセグメントおよびJセグメントの3つのエレメントが存在する。Vドメインの場合には、再配列していないV(VラムダまたはVカッパー)遺伝子およびJ(JラムダまたはJカッパー)セグメントの2つのエレメントが存在する。これらの遺伝子セグメントのランダムな組み合わせと、再配列後のVおよびVドメインのランダムな組み合わせによって、抗体の膨大なレパートリーが生じ、多岐にわたる等しく多様な抗原に結合することができる。さらに、VおよびV領域はそれぞれ、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域と、4つのフレームワーク領域(FR)を有する。FRは抗体の骨格であり、CDRは抗体の抗原結合部である。当業者であれば、同一種で惹起された複数の抗体のアミノ酸配列を比較することで、抗体のFRおよびCDR領域を決定できる(例えば、Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402, 1997およびKabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5thedition, NIH Publication No. 91-3242, U. S. Department of Health and Human Services, 1991を参照のこと)。
通常、モノクローナル抗体は、正常リンパ球と不死ミエローマ細胞との細胞融合によって得られる細胞ハイブリッドであるハイブリドーマによって産生される。融合によって生じるハイブリドーマ細胞は、両方の親細胞の特性を有する。従ってハイブリドーマは、リンパ球と同様に抗体を産生し、かつ、ミエローマ細胞と同様に不死である。従って、ハイブリドーマを利用して抗体を大量に産生させることが可能である(Kohler and Millstein, Nature 256: 495,1975)。融合によって生じる各ハイブリッド細胞はモノクローナル抗体を産生し、その抗体の特異性は元のリンパ球細胞によって決定される。ハイブリドーマ細胞を培養し、所望の特異性の抗体を産生するものを選択する。この工程によって、特定の抗原決定基に特異的に結合する抗体が得られる。例えば、腫瘍抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体は、腫瘍細胞の診断および治療に有用である。
ハイブリドーマを作製して抗イディオタイプ抗体を作製することも可能である。抗イディオタイプ抗体を発現するハイブリドーマ細胞の作製は、適切に感作されたBリンパ球の入手のし易さ、および/または、免疫感作に使用する物質の入手のし易さに依存する。この工程には、Bリンパ球の融合の相手方として適切なミエローマ細胞を作製することが含まれていてもよい。個々のイディオタイプは、所定のBリンパ球によって発現される全てのモノクローナル抗体が通常特異的に結合するアミノ酸配列である。
抗イディオタイプ抗体の産生
イディオタイプとは、免疫グロブリンの可変領域における分子内構造体の遺伝的に決まっている変異(variation)である。イディオタイプの変異性(variability)の正確な遺伝的基礎は、一部しか説明されていない。しかしながら、イディオタイプの変異は、イディオトープとも呼ばれる抗原結合部位の領域に特に存在するアミノ酸配列およびタンパク質構造(いわゆる決定基)に関わる。用語「イディオタイプ」とは、抗体分子の可変領域にある決定基全ての集合を指す。
抗イディオタイプ抗体は、精製されたヒトモノクローナルIgM抗体、または、ヒトモノクローナルIgM抗体を発現するヒトハイブリドーマ細胞株を用いる工程によって作製可能である。例えば、抗イディオタイプ抗体の作製工程には、ヒトモノクローナルIgM抗体を上清中に分泌するヒトハイブリドーマ細胞株を培養し、このIgM抗体を、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過またはこれらの組み合わせを用いて精製することが含まれる。次いで、この精製ヒトモノクローナルIgM抗体を使用して、例えば腹腔内注射によってヒト以外の哺乳動物(例えば、マウスまたはラット)を免疫してもよく、また、単離Bリンパ球をインビトロで直接感作してもよい。次いで、ヒト以外の哺乳動物を最終免疫後4日目までに屠殺してBリンパ球を単離し、単離したBリンパ球を同一の種(例えば、マウスまたはラット)のミエローマ細胞と、ミエローマ細胞とBリンパ球とを融合させる条件下で接触させて非ヒトハイブリドーマ細胞を作製すればよい。次いで、これらの非ヒトハイブリドーマ細胞を培養し、例えば、培養3週間後等にイディオタイプIg抗体(例えば、IgM、IgAまたはIgG抗体)の発現について(ELISAを利用するなどして)試験することができる。これらのIg抗体は、ヒトハイブリドーマ細胞および各種IgM抗体(ヒト以外の哺乳動物を免疫するのに使用するヒトモノクローナルIgM抗体を含む)に対する特異的結合について試験することができる。
この工程では、ヒトモノクローナルIgM抗体を発現するヒトハイブリドーマ細胞は、癌患者(例えば、胃の印環細胞癌を有する患者)の脾臓、リンパ節のようなリンパ系器官または血液に由来するBリンパ球を、SPM4−0ヘテロミエローマ(heteromyeloma)細胞と融合させることにより作製可能である。この工程に使用できる他の代表的なヘテロミエローマ細胞株としては、HAB−1(Faller, et al., Br. J. Cancer 62: 595-598,1990)、CB−F7(Delvig et al., Hum. Antibodies Hybridomas 6: 42-46,1995)、K6H6B5(Delvig et al., Hum. Antibodies Hybridomas 6: 42-46,1995)、H7NS.934(Delvig et al., Hum. Antibodies Hybridomas 6: 42-46,1995)、SHM−D33(Bron et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 3214-3217,1984)およびB6B11(Borisova et al., Vopr. Virusol. 44: 172-174,1999)が挙げられる。
SC−1ヒトモノクローナルIgM抗体の抗イディオタイプ抗体を作製するには、当該工程に使用するヒトハイブリドーマ細胞が、ヒトモノクローナルSC−1抗体またはその機能性断片(例えば、V、V、Fv、Fc、Fab、Fab’およびF(ab’)断片)を発現することが必要である。ヒトホモクローナル(homoclonal)SC−1抗体可変領域重鎖のアミノ酸配列は、下記の刊行物に記載されており:(Vollmers et al., “Tumor-Specific Apoptosis Induced by the Human Monoclonal Antibody SC-1: A New Therapeutical Approach for Stomach Cancer,” Oncology Reports 5: 35-40, 1998)、配列番号1に示すアミノ酸配列である。
特に、マウスの抗イディオタイプSC−1抗体を取得するために、BALB/Cマウスを精製されたヒトモノクローナルSC−1抗体で免疫した。これらのマウスから取得したBリンパ球をNS/Oミエローマ細胞とポリエチレングリコール(PEG)−1500中で電気刺激(融合ジェネレーターを使用)を用いて融合させた。
腫瘍ワクチン
患者に免疫応答(例えば、腫瘍特異的免疫応答)を生じさせるには、抗イディオタイプ抗体またはその断片を、免疫応答を患者にもたらす任意の適切な手段で投与すればよい。当該ポリペプチドは、任意の適切な量で任意の適切な担体物質中に含有させることができ、通常、組成物の総重量の1〜95重量%の量である。組成物は、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内または腹腔内)投与経路に適した剤形で供給することが可能である。医薬組成物は、従来の製薬上の通例に従って製剤化すればよい(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.), ed. A. R. Gennaro, Lippincott, Williams & Wilkins, 2000およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照のこと)。
医薬組成物は、注射、注入または埋め込み(皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内等)により、剤形、製剤の形態で、または、適切な送達デバイスもしくは従来の毒性のない薬学的に許容される担体やアジュバントを含有するインプラントを介して、非経口的に投与することができる。このような組成物の製剤化および調製は、医薬製剤の分野の当業者には周知である。製剤例は、例えば、Remington(The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.), ed. A. R. Gennaro, Lippincott, Williams & Wilkins, 2000およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New York)に記載されている。
免疫応答を生じさせるための抗イディオタイプ抗体の患者への投与は、特定の投与形態、投与量または投薬頻度に限定されるわけではなく、本発明は全ての投与形態、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、胞内(intravesicular)、関節内、病巣内、皮下、または、免疫応答を生じさせるのに十分な用量を供給するのに十分な他の任意の経路などを意図している。抗イディオタイプ抗体は、単回または複数回に分けて患者に投与可能である。複数回投与の場合には投与間隔をあけることができ、例えば、1日、2日、1週間、2週間または1ヶ月ごとに行ってもよい。例えば、抗イディオタイプ抗体(例えば、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗体)を、週1回、例えば、2、3、4、5、6、7、8、10、15、20週間またはそれ以上の期間投与することが可能である。任意の特定の被験者の場合には、個々の要求および組成物の投与を行うまたは監督する人物の専門的な判断に応じて、細かな用法を経時的に調整すべきであることは理解されたい。正確な用量は、使用する抗イディオタイプ抗体に応じて異なり、例えば、腫瘍特異的免疫応答を生じさせる場合には、抗イディオタイプ抗体によって模倣される抗原の腫瘍表面上での密度や抗イディオタイプ抗体のクリアランス速度に応じて異なる。例えば、低用量では十分な免疫応答が誘導されない場合には、抗イディオタイプ抗体の投与量を増やすことができる。逆に、患者から新生物が消滅すれば、抗イディオタイプ抗体の投与量を減らすことができる。
主治医が最終的に適量や免疫感作や用法を決定するとはいえ、免疫応答を誘導するための抗イディオタイプ抗体の有効量は、例えば、約0.1mg〜50mg/kg体重/日の範囲または0.70mg〜350mg/kg体重/週の範囲である。望ましくは有効量は約0.50mg〜20.0mg/kgの範囲、より望ましくは約0.50mg〜15.0mg/kgの範囲であり、例えば、約0.2、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、7.0、8.0、8.5、9.0、10.0、11.0、12.0、13.0、14.0または15.0mg/kg体重を毎日、1日おき、または、週に2回投与する。適切な用量サイズは患者のサイズに応じて異なるが、典型的には約0.1mL〜約5mLの範囲である。
インビトロ診断アッセイ
本発明の抗イディオタイプ抗体は様々な診断アッセイに利用することができ、被験者が抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する抗体または抗原を発現するか否かを判定することが可能である。例えば、新生物の診断には、試料中のポリペプチドマーカーを検出する結合物質が必要である。例えば、Harlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, N. Y., 1999を参照のこと。抗イディオタイプ抗体は、悪性細胞によって発現されるが、非悪性細胞では発現しない抗原を模倣することができるため、当該抗イディオタイプ抗体を、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ウェスタンブロッティング、または、組織試料中の腫瘍細胞のインシチュ検出の対照抗原として使用することが可能である。また、当業者であれば、抗イディオタイプ抗体を使用して、患者が抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する抗体を発現するか否かを判定することも可能である。例えば、個人から採取した血液中のSC−1抗体の有無を検出するのに抗イディオタイプ抗体を使用してもよい。SC−1抗体が存在すれば、その個人は胃腺癌を有することになる。本発明の抗イディオタイプ抗体を利用し得る他のアッセイとしては、免疫組織化学染色や蛍光活性化細胞選別法(FACS)が挙げられる。さらに、本発明の抗イディオタイプ抗体を利用してCD−5陽性Bリンパ球を同定することもできる。
ELISAアッセイは、典型的には、抗イディオタイプ抗体等のポリペプチドを固相支持体上に固定化したものを使用して、生物学的試料(例えば、癌患者由来の抗体を含有する試料)へ結合させるものである。生物学的試料由来の抗体が抗イディオタイプ抗体に結合した場合には、次いで、レポーター基を含有し、かつ、抗体/抗イディオタイプ抗体複合体に特異的に結合する検出試薬を用いて結合抗体を検出すればよい。このような検出試薬としては、例えば、抗免疫グロブリン、プロテインG、プロテインAまたはレクチンといった、抗体に特異的に結合する任意の結合物質が挙げられる。あるいは、抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する抗体をレポーター基で標識し、当該抗体を、生物学的試料と共にインキュベートした後の固定化抗イディオタイプ抗体へ結合させる競合アッセイを利用してもよい。試料の構成成分が標識抗体の抗イディオタイプ抗体への結合を阻害する程度によって、固定化抗イディオタイプ抗体に対する試料成分の反応性が分かる。
レポーター基を検出するのに利用される方法は、レポーター基の性質に依存する。放射性基の場合には、シンチレーション計数法またはオートラジオグラフ法を用いればよい。染料、発光性基および蛍光性基を検出するには分光法を用いればよい。ビオチンは、異なるレポーター基(通常は放射性もしくは蛍光性基または酵素)に結合させたアビジンを用いて検出すればよい。酵素レポーター基は、通常、基質を(通常は決まった期間)添加し、次いで反応産物を分光学的にまたは他の分析によって分析することで検出可能である。
被験抽出物および被験化合物
一般に、抗イディオタイプ抗体(例えば、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗体)をハイスループットスクリーニング技術に利用して、治療用抗体(例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含有する抗体)と類似の結合特性を有する化合物を同定することも可能である。このような化合物は、天然物、合成(もしくは半合成)抽出物双方の膨大なライブラリーから、または、化学物質のライブラリーから、当該技術分野で公知の方法によって同定できる。
当業者であれば、被験抽出物または被験化合物の正確な供給源が本発明のスクリーニング手法にとって重要ではないことは明らかであろう。従って、実際には、不特定多数の化学抽出物または化学化合物を、本明細書に記載の代表的な方法を用いてスクリーニングできる。このような抽出物または化合物の例としては、植物由来、真菌由来、原核生物由来または動物由来の抽出物、発酵ブロスおよび合成化合物、並びに、既存の化合物の改変体が挙げられるが、これらに限定されない。また、不特定多数の化学化合物(糖系、脂質系、ペプチド系および核酸系の化合物等が挙げられるが、これらに限定されない)のランダム合成または直接合成(例えば、半合成もしくは全合成)にも、多数の方法が利用可能である。合成化合物ライブラリーは、例えば、Brandon Associates(メリマック、NH)およびAldrich Chemical(ミルウォーキー、WI)より市販されている。
また、細菌、真菌、植物および動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリーは、複数の販売元より市販されており、例えば、Biotics(サセックス、UK)、Xenova(スラウ、UK)、Harbor Branch Oceangraphics Institute(Ft.ピアス、FL)、PharmaMar, U.S.A.(ケンブリッジ、MA)などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、天然および合成ライブラリーは、必要に応じて、当該技術分野で公知の方法(例えば、コンビナトリアル・ケミストリー法または標準的な抽出および分画法)に従って作製する。さらに、必要に応じて、標準的な化学、物理または生化学的方法を用いていずれのライブラリーまたは化合物も容易に改変することが可能である。
さらに、当業者であれば、デレプリケーション(例えば、分類学的デレプリケーション、生物学的デレプリケーション、化学的デレプリケーション、もしくは、これらの任意の組み合わせ)を行う方法、または、エストロゲン調節に関与する化合物に対する作用が既に知られている材料の反復(replicates)または重複(repeats)を除く方法を、可能な限り利用すべきであることは容易に理解できる。
粗製抽出物が抗イディオタイプ抗体(例えば、DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現される抗体)に結合することが判明したら、主要な陽性抽出物をさらに分画し、観察された作用を担う化学的成分を単離することが必要である。従って、抽出、分画および精製工程の目的は、抗イディオタイプ抗体に結合する粗製抽出物中の化学的成分を慎重に特性決定し、同定することである。不均質な抽出物を分画および精製する方法は、当該技術分野で公知である。
以下の実施例は発明を例示する目的で提供されるものであり、限定と解釈すべきではない。
実施例1
材料および方法
ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)
ELISAアッセイを下記の通り行った。
ELISAプレートを一次抗体(精製SC−1抗体をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で10μg/mlに希釈したもの)で被覆し、一次抗体50μlを各ウェルへ添加し、ELISAプレートに蓋をして一晩4℃で保存する。次の日、ELISAプレートをPBSで2回洗浄し、1ウェル当たり100μlのRPMI−1640細胞培養培地(10%ウシ胎児血清(FCS)含有)を添加し、1時間室温(RT)で静置する。次いでELISAプレートをPBS/0.05%Tweenで2回洗浄し、RPMI−1640細胞培養培地50μlを陰性対照として添加し(2ウェル、2回測定)、試料を50μlずつ隣合わせにピペッティングし(2ウェル、2回測定)、1時間インキュベーションチャンバー内でインキュベートする。インキュベーション後、PBSで2回洗浄し、PBS/0.05%Tweenで2回洗浄し、PBSで2回洗浄し、50μlの二次抗体(ペルオキシダーゼ結合型)(ペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスIgをPBS/Tweenで1:2000に希釈したもの)を各ウェルへピペッティングし、1時間インキュベーションチャンバー内でインキュベートする。このインキュベーションの後、PBSで2回洗浄し、PBS/0.05%Tweenで1回洗浄し、PBSで2回洗浄し、クエン酸緩衝液で2回洗浄する。評価について:オルトフェニレンジアミン(OPD)錠(Dako、ハンブルク)を、Hを含有するクエン酸緩衝液に溶解し(3mlクエン酸緩衝液+1錠+5μlH)、50μlの染料を各ウェルへピペッティングし、陽性反応(黄変)が出たら10μlの3M HSOで停止させる。
免疫ペルオキシダーゼ染色
免疫ペルオキシダーゼ染色を下記の通り行った。
凍結保存組織を4μm切片に薄切し、スライドを薄切後少なくとも2時間乾燥させた。スライドをアセトン中に10分間置き、次いで30分間乾燥させ、トリス/NaClで3回洗浄し、5分間トリス中でインキュベートし、粉乳をPBSに5%で溶いたもの100μlで15〜30分間ブロッキングし、トリス/NaCl中に浸漬した。100μ1の一次抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体(ハイブリドーマ上清、未希釈)、陰性対照にはRPMI−1640/10%FCS、陽性対照にはウシ血清アルブミン(BSA)/PBSで1:50に希釈したCK8抗体またはBSA/PBSで1:10に希釈したCAM 5.2抗体(PBS中BSAは0.5%))をそれぞれ添加し、30分間インキュベートし、トリス−NaClで3回洗浄した。次いで、100μlの二次抗体(例えば、30%ヒト血清を含有する70%PBSに溶解したペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスIg、および、それを1:50に希釈したもの)をそれぞれ添加し、30分間インキュベートし、トリス/NaClで3回洗浄した。次いで、スライドをPBS中に10分間置いた。ジアミノベンジジン(DAB)錠(Sigma、ミュンヒェン)1錠とH錠1錠を1mlの水道水に溶解した。100μ1のDAB基質をスライド上へピペッティングし、10分間インキュベートし、蒸留水ですすいだ。スライドをヘマトキシリン中へ5分間置き、流水下に15分間置き、次いで蒸留水中に置き、グリセリン−ゼラチンで封入した。
免疫組織化学蛍光二重染色
間接免疫蛍光法を利用して1つの標本上の各種抗原を検出した。凍結保存ヒトリンパ系組織の切片(厚さ4μm)を10分間アセトンで固定した。染色は2工程で行った。第一工程では、マウス抗イディオタイプ抗体を一次抗体とし、FITC結合ウサギ抗マウス抗体(PBS(pH7.3)中1:40に希釈)を二次抗体として、これらの抗体で凍結切片を各々30分間被覆した。続いて、非結合型ウサギ抗マウス抗体(PBS(pH7.3)中1:50に希釈)と共に60分間インキュベートし、第一抗体の遊離の結合部位を飽和させた。第二工程では、Pan−Bリンパ球(PBS(pH7.3)中1:50に希釈)、一次抗体としてマウス抗CD5(PBS(pH7.3)中1:50に希釈)またはマウス抗ヒトIgM(PBS(pH7.3)中1:100に希釈)、二次抗体としてTRITC結合ウサギ抗マウス抗体(PBS(pH7.3)中1:20に希釈)を、凍結切片上へピペッティングした。各インキュベーション工程の後、標本を15分間PBS(pH7.3)で洗浄した。標本を蛍光顕微鏡で評価した。
実施例2
SC−1抗イディオタイプ抗体の作製および特性決定
図1に示す実験では、マウスのモノクローナル抗SC−1イディオタイプ抗体を作製することで、わずかに変異した非アフィニティー成熟抗体SC−1の免疫学的起源を特性決定した。BALB/Cマウスをアフィニティー精製済みSC−1抗体で免疫し、次いで脾臓リンパ球を不死化することにより、SC−1IgMと独占的に反応するモノクローナルIgG1マウス抗体の取得が可能であった。様々なIgM抗体(市販のもの等)を用いた詳細なELISA分析の結果、他の免疫グロブリンとの交叉反応は認められなかった。抗イディオタイプ抗体と抗CD5抗体による免疫組織化学二重染色を用いることにより、抗イディオタイプ抗体によって認識される両細胞がCD5陽性Bリンパ球であることを明らかにすることができた(図1Cおよび1D)。
図2に示す結果から、SC−1IgM抗体を発現する細胞を単離した胃癌患者から取得した自己由来の脾臓組織(図2B)、別の胃癌患者由来の脾臓組織(当該患者の癌はSC−1抗体によって認識される抗原を発現しない;図2C)、および、健常被験者の脾臓組織(図2D)は、イディオタイプを発現することが明らかである。これらの免疫組織化学試験からは、SC−1イディオタイプが癌患者のリンパ系器官だけでなく、健常被験者でも発現することが分かる。従って、SC−1は、防御の第一線の範囲で先天免疫系の細胞によって分泌される抗体である。
実施例3
SC−1抗イディオタイプ抗体の抗癌ワクチンとしての使用
DSMZ受託番号DSM ACC2625の細胞株によって発現されるSC−1抗イディオタイプ抗体は、単独で使用しても腫瘍特異的免疫応答を胃癌患者に誘導することができ、また、胃癌の化学療法や外科的除去といった他の治療と組み合わせることも可能である。精製SC−1抗イディオタイプ抗体(望ましくは、ヒト化抗体)の用量を増やしながら2ヶ月間患者を免疫し、さらに5ヶ月〜2年にわたって追加免疫を行う。このような患者を、治療期間中、SC−1抗イディオタイプ抗体に対する免疫応答および胃癌の消滅について定期的にアッセイする。
他の実施態様
本発明をその特定の実施態様に関して記載してきたが、さらなる改変が可能であることは明らかであろう。また、本出願は、本発明のあらゆるバリエーション、用途または改良にも及ぶことを意図しており、これらは本発明の理念に通常従い、かつ、本開示からは外れるものの、本発明が属する技術分野では既知または慣例の範囲内であり、これまでに記載してきた必須の特徴に応用することもできる。
ドイツ特許出願第10352977.2号(2004年11月13日出願)および本明細書中で引用した全ての文献は引用により本明細書に含まれるものとする。
図1A 〜1Dは、免疫蛍光二重染色を示す画像である。蛍光を発している細胞には、抗イディオタイプ抗体(図1A)およびウサギ抗ヒトIgM抗体(図1B)の双方が特異的に結合している。図1Cおよび1Dは、抗SC−1イディオタイプ抗体および抗CD5抗体による免疫蛍光二重染色の結果を示す。抗イディオタイプ抗体(図1C)で標識された2個の細胞は、抗CD5抗体(図1D)にも認識されている。 図2A〜2Dは、抗イディオタイプ抗体のリンパ系組織における発現を分析するための免疫ペルオキシダーゼ染色の画像を示す。図2Aは自己由来の脾臓組織に対する陰性対照であり、図2Bは自己由来の脾臓組織に対するSC−1抗イディオタイプ抗体染色を示し、図2Cは胃癌患者(当該患者の癌はSC−1抗体によって認識される抗原を発現しない)由来の脾臓組織に対するSC−1抗イディオタイプ抗体染色を示し、図2Dは健常者由来の脾臓組織に対するSC−1抗イディオタイプ抗体染色を示す。 図3は、ヒトモノクローナル抗体SC−1可変領域重鎖(20/11と表示)のアミノ酸配列(配列番号1)および核酸配列(配列番号2)を、相同なヒトIg生殖系列H鎖V領域遺伝子DP−49(配列番号3および4)と比較したものを示す。図中、「---」はSC−1およびDP−49に対して配列が同一であることを示し、相違箇所はSC−1配列中に個々のアミノ酸またはヌクレオチドの相違を示すことで表す。「###」および「***」も配列中の相違箇所を表す。相補性決定領域(CDR)はその旨表示。

Claims (28)

  1. 図3(配列番号1)に記載のSC−1ヒトモノクローナル抗体重鎖配列を含むポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗イディオタイプ抗体。
  2. CD5陽性Bリンパ球に特異的に結合する、請求項1記載の抗イディオタイプ抗体。
  3. DSMZ受託番号DSM ACC2625のハイブリドーマ細胞株。
  4. 請求項3記載のハイブリドーマ細胞株によって発現される抗イディオタイプ抗体。
  5. 請求項4記載の抗イディオタイプ抗体に対する結合特異性を有するヒト化抗体。
  6. 検出可能な物質をさらに含む、請求項4記載の抗イディオタイプ抗体。
  7. 請求項4記載の抗イディオタイプ抗体に対する免疫応答を哺乳動物に生じさせる方法であって、請求項4記載の精製された抗体を薬学的に許容される担体に担持させたもので哺乳動物を免疫することを含む、前記方法。
  8. 請求項4記載の抗イディオタイプ抗体を、前記哺乳動物の免疫に先立ってヒト化する、請求項6記載の方法。
  9. 前記哺乳動物がヒト以外の哺乳動物である、請求項6記載の方法。
  10. 前記免疫の結果、前記抗イディオタイプ抗体に特異的に結合するポリペプチドを発現する細胞を前記哺乳動物において得る、請求項7または8記載の方法。
  11. 前記ポリペプチドが抗体である、請求項10記載の方法。
  12. 前記ポリペプチドを発現する前記細胞を前記哺乳動物から単離することをさらに含む、請求項6記載の方法。
  13. 前記細胞をミエローマ細胞と融合させて抗体発現ハイブリドーマ細胞を作製することをさらに含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記ハイブリドーマ細胞が、請求項4記載の抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する抗体を発現するか否か試験することをさらに含む、請求項13記載の方法。
  15. ヒト以外の哺乳動物において抗イディオタイプ抗体を産生する方法であって、
    (i)ヒト以外の哺乳動物を精製されたヒトモノクローナルIgM抗体で免疫し、
    (ii)Bリンパ球を前記ヒト以外の哺乳動物から単離し、
    (iii)前記ヒト以外の哺乳動物と同一の種に由来する非ヒトミエローマ細胞と前記単離Bリンパ球とを、前記ミエローマ細胞と前記Bリンパ球とを融合させる条件下で接触させて非ヒトハイブリドーマ細胞を取得し、
    (iv)前記非ヒトハイブリドーマ細胞を培養し、
    (v)前記非ヒトハイブリドーマ細胞が抗体を発現するか否かを判定し、
    (vi)前記非ヒトハイブリドーマ細胞によって発現される前記抗体が、前記ヒトハイブリドーマ細胞または前記ヒトハイブリドーマ細胞によって発現される前記ヒトモノクローナルIgM抗体に特異的に結合するか否かを判定する
    ことを含む、前記方法。
  16. 前記精製されたヒトモノクローナルIgM抗体が、配列番号1記載のSC−1モノクローナル抗体重鎖アミノ酸配列を含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記ヒト以外の哺乳動物がマウスまたはラットである、請求項15記載の方法。
  18. 前記マウスがBALB/cマウスである、請求項17記載の方法。
  19. 前記ヒト以外の哺乳動物を、前記精製されたヒトモノクローナルIgM抗体での最終免疫後4日以内に屠殺する、請求項15記載の方法。
  20. 前記免疫が、前記精製されたヒトモノクローナルIgM抗体を腹腔内注射することを含む、請求項15記載の方法。
  21. 前記免疫が、免疫計画(immunization regimen)を含む、請求項15記載の方法。
  22. 前記精製されたヒトモノクローナルIgM抗体が、前記ヒトモノクローナルIgM抗体を発現する培養ヒトハイブリドーマ細胞の上清から得られるものである、請求項15記載の方法。
  23. 前記精製されたモノクローナルヒトIgM抗体を、
    a)アフィニティークロマトグラフィー、および/または
    b)イオン交換クロマトグラフィー、および/または
    c)ゲル濾過
    を含む方法によって前記ヒトハイブリドーマ上清から取得する、請求項22記載の方法。
  24. 前記非ヒトBリンパ球と前記非ヒトミエローマ細胞との融合が、ポリエチレングリコール(PEG)を利用することを含む、請求項15記載の方法。
  25. 前記非ヒトBリンパ球がBALB/CマウスBリンパ球であり、前記非ヒトミエローマ細胞がマウスNS−Oミエローマ細胞である、請求項24記載の方法。
  26. 前記非ヒトBリンパ球がラットBリンパ球であり、前記非ヒトミエローマ細胞がラットミエローマ細胞である、請求項24記載の方法。
  27. 前記非ヒトハイブリドーマ細胞が抗体を発現するか否かの判定が、酵素結合免疫吸着測定法を利用することを含む、請求項15記載の方法。
  28. 前記酵素結合免疫吸着測定法を、前記非ヒトハイブリドーマ細胞を2、3、4または5週間培養した後に行う、請求項27記載の方法。
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