JP2008291790A - Control device for valve system - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アクチュエータの作動に対する反力を生じさせる弾性体を備える動弁系に適用されて、アクチュエータの制御値について所定の初期値からの変更量を検出し、これら初期値と変更量とに基づいてアクチュエータの制御値を算出する動弁系の制御装置に関する。 The present invention is applied to a valve operating system including an elastic body that generates a reaction force against the operation of an actuator, detects a change amount from a predetermined initial value of a control value of the actuator, and determines the initial value and the change amount. The present invention relates to a valve system control device that calculates a control value of an actuator based on the control value.
近年、内燃機関の燃費性能や出力の向上を図るため、機関バルブの最大リフト量にかかる目標値を機関運転状態に基づいて設定するとともに、その目標値と一致するように最大リフト量をフィードバック制御する吸気系の制御装置が採用されている(例えば特許文献1参照)。このような吸気系の制御装置では、以下の構成が一般的に採用される。すなわち、この制御装置にあっては、機械的に規制される作動範囲内で作動して機関バルブのバルブ特性を変更するアクチュエータと、このアクチュエータの制御値について所定の初期値からの変更量を検出するセンサとが設けられている。こうした制御装置は、これら初期値と変更量とに基づいてアクチュエータの制御値、換言すれば機関バルブの最大リフト量を算出し、この制御値と機関運転状態に基づいて設定された目標値との乖離が小さくなるようにアクチュエータを作動させるようにしている。 In recent years, in order to improve the fuel efficiency and output of internal combustion engines, a target value for the maximum lift amount of the engine valve is set based on the engine operating state, and the maximum lift amount is feedback-controlled to match the target value. An intake system control device is employed (see, for example, Patent Document 1). In such an intake system control device, the following configuration is generally employed. That is, in this control device, an actuator that operates within a mechanically regulated operating range to change the valve characteristics of the engine valve, and a change amount from a predetermined initial value for the control value of the actuator are detected. Sensor. Such a control device calculates the control value of the actuator based on the initial value and the change amount, in other words, the maximum lift amount of the engine valve, and calculates the control value and the target value set based on the engine operating state. The actuator is operated so that the deviation is small.
また、この制御装置では、所定の学習条件が成立したときに、アクチュエータをその作動範囲の機械的限界位置に作動させるとともに、同アクチュエータの作動が停止した旨が判断されたときにその機械的限界位置に対応する制御値を学習し、その時点に算出されるアクチュエータの制御値を学習された制御値に更新するようにしている。こうした制御値学習を実行することにより、例えばセンサ特性の変化等に起因して算出されるアクチュエータの制御値と実際の位置に対応する制御値との間にずれが生じた場合であっても、算出されるアクチュエータの制御値と実際の位置に対応する制御値とを一致させることができるようになる。
ところで、動弁系の制御装置の給電回路や通信回路において接触不良等が発生し、その制御装置による制御の一時的な停止、いわゆる瞬断が発生することがある。例えば上述した制御値学習の実行中にアクチュエータがその機械的限界位置に到達する前にこうした瞬断が発生すると、制御装置によって制御されるアクチュエータの作動が一時的に停止することとなる。 Incidentally, contact failure or the like may occur in the power supply circuit or communication circuit of the valve-operated control device, and a temporary stop of control by the control device, that is, a so-called instantaneous interruption may occur. For example, if such an instantaneous interruption occurs before the actuator reaches the mechanical limit position during execution of the control value learning described above, the operation of the actuator controlled by the control device is temporarily stopped.
ここで、アクチュエータの各駆動部材の不必要な変位を抑制するため、ワッシャー等の弾性体をそれら駆動部材の間に設ける構造を採用する場合がある。そして、この弾性体がアクチュエータの作動に対する反力を生じさせる場合には、アクチュエータの作動に影響を及ぼすおそれがある。また、上述したように、制御装置によるアクチュエータの作動が一時的に停止した場合等、アクチュエータの作動状態によって弾性体の変形度合いが変化することも考えられる。その結果、アクチュエータが機械的限界位置に到達しない場合には、アクチュエータの制御値を実際の位置に対応する制御値とは異なる値に誤って更新してしまうこととなる。 Here, in order to suppress unnecessary displacement of each drive member of the actuator, a structure in which an elastic body such as a washer is provided between the drive members may be employed. And when this elastic body produces the reaction force with respect to the action | operation of an actuator, there exists a possibility of affecting the action | operation of an actuator. In addition, as described above, when the operation of the actuator by the control device is temporarily stopped, the degree of deformation of the elastic body may be changed depending on the operation state of the actuator. As a result, when the actuator does not reach the mechanical limit position, the control value of the actuator is erroneously updated to a value different from the control value corresponding to the actual position.
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アクチュエータの作動に対する反力を生じさせる弾性体を備える動弁系の制御装置において、アクチュエータの作動状態によって制御値を誤って更新することを抑制することにある。 The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to update a control value by mistake depending on an operating state of an actuator in a valve system control device including an elastic body that generates a reaction force against the operation of the actuator. It is to suppress doing.
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、機械的に規制される作動範囲内で作動することにより機関バルブのバルブ特性を変更するアクチュエータを有し、該アクチュエータに、変形領域において前記アクチュエータを前記作動範囲の機械的限界位置まで作動させる際に同アクチュエータの作動に対する反力を生じさせる弾性体が設けられる動弁系に適用されて、前記アクチュエータの制御値について所定の初期値からの変更量を検出する変更量検出手段と、前記初期値と前記変更量とに基づいて前記アクチュエータの制御値を算出する算出手段と、所定の学習条件が成立したとき、前記アクチュエータを前記作動範囲の機械的限界位置まで作動させ、同アクチュエータの作動が停止したときに前記算出手段によって算出される制御値を前記機械的限界位置に対応する制御値に更新する制御値学習を実行する学習手段とを備える動弁系の制御装置において、前記学習手段による制御値学習の実行中に前記アクチュエータが前記変形領域内で一時的に停止したときに、前記アクチュエータを前記機械的限界位置の反対側に作動させた後に前記学習手段による制御値学習を再開する学習再開手段を備えることをその要旨とする。
Hereinafter, means for solving the above-described problems and the effects thereof will be described.
The invention according to
同構成によれば、制御値学習の実行中にアクチュエータが弾性体の変形領域内で一時的に停止したときに、アクチュエータを機械的限界位置の反対側に作動させることにより、弾性体によるアクチュエータの作動に対する反力を一旦低下させることができる。そして、弾性体の反力が相対的に小さな状態下で学習手段による制御値学習を再開し、アクチュエータを機械的限界位置に作動させると、アクチュエータが所定の作動慣性力をもって先の停止位置まで作動することができる。これにより、例えばアクチュエータをその停止位置から直接に制御値学習を再開する場合、換言すれば作動慣性力が「0」である状態下でそのアクチュエータを機械的限界位置に作動させる場合と比較して、アクチュエータを機械的限界位置に作動させやすくなる。したがって、学習手段による制御値学習の実行中にアクチュエータが変形領域内で一時的に停止した場合にあっても、アクチュエータの作動慣性力の低下に起因して、アクチュエータが機械的限界位置に到達しないことを抑制することができる。その結果、アクチュエータの作動状態によって制御値を誤って更新することを抑制することができるようになる。 According to this configuration, when the actuator temporarily stops in the deformation region of the elastic body during execution of the control value learning, the actuator is operated to the opposite side of the mechanical limit position, thereby The reaction force against the operation can be once reduced. Then, the control value learning by the learning means is resumed in a state where the reaction force of the elastic body is relatively small, and when the actuator is operated to the mechanical limit position, the actuator operates to the previous stop position with a predetermined operating inertia force. can do. Thus, for example, when the control value learning is resumed directly from the stop position of the actuator, in other words, compared to the case where the actuator is operated to the mechanical limit position under the state where the operation inertia force is “0”. The actuator can be easily operated to the mechanical limit position. Therefore, even when the actuator is temporarily stopped in the deformation region during execution of the control value learning by the learning means, the actuator does not reach the mechanical limit position due to a decrease in the operating inertia force of the actuator. This can be suppressed. As a result, it is possible to suppress erroneous updating of the control value depending on the operating state of the actuator.
なお、請求項2に記載されるように、前記学習再開手段は、前記アクチュエータを前記弾性体の変形領域外に作動させた後に前記学習手段による制御値学習を再開する、といった構成を採用することが望ましい。これにより、弾性体によるアクチュエータの作動に対する反力が「0」である位置にアクチュエータを作動させてから制御学習を再開するため、アクチュエータの作動慣性力の低下に起因して、アクチュエータが機械的限界位置に到達しないことを効果的に抑制することができる。
In addition, as described in
以下、本発明を車両に搭載される内燃機関の動弁系の制御装置に適用した一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。ここで、図1は、車両に搭載される内燃機関の動弁系の一部断面構造を示す断面図であり、図2は、内燃機関の動弁系の配設態様を示す平面図である。 Hereinafter, an embodiment in which the present invention is applied to a control device for a valve train of an internal combustion engine mounted on a vehicle will be described with reference to FIGS. Here, FIG. 1 is a sectional view showing a partial sectional structure of a valve operating system of an internal combustion engine mounted on a vehicle, and FIG. 2 is a plan view showing an arrangement mode of the valve operating system of the internal combustion engine. .
図1及び図2に示されるように、内燃機関は4つの気筒(図1では1つのみを表示)を有しており、そのシリンダヘッド2にはこれら気筒に対応した一対の排気バルブ10と吸気バルブ20とが往復動可能にそれぞれ設けられている。また、シリンダヘッド2には、それら排気バルブ10と吸気バルブ20とに対応して排気弁開閉装置90と吸気弁開閉装置100とがそれぞれ設けられている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the internal combustion engine has four cylinders (only one is shown in FIG. 1), and a
排気弁開閉装置90には、各排気バルブ10に対応してラッシュアジャスタ12が設けられるとともに、このラッシュアジャスタ12と排気バルブ10との間にはロッカーアーム13が架設されている。ロッカーアーム13は、その基端がラッシュアジャスタ12に支持されるとともに先端が排気バルブ10の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド2には、排気カムシャフト14が回転可能に支持されており、この排気カムシャフト14は、機関出力軸の回転に連動して回転される。排気カムシャフト14には複数のカム15が形成されるとともに、それらカム15の外周面にはロッカーアーム13の中間部分に設けられたローラ13aが当接されている。排気バルブ10にはリテーナ16が設けられるとともに、このリテーナ16とシリンダヘッド2との間にはバルブスプリング11が設けられている。なお、このバルブスプリング11の付勢力によって排気バルブ10は閉弁方向に付勢されている。そしてこれにより、ロッカーアーム13のローラ13aはカム15の外周面に押圧されている。機関運転時にカム15が回転すると、ロッカーアーム13はラッシュアジャスタ12により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ10はロッカーアーム13によって開閉駆動されるようになる。なお、排気バルブ10の開度、すなわちリフト量の増大に伴ってバルブスプリング11が圧縮され、バルブスプリング11による排気弁開閉装置90の作動に対する反力が増大する。
The exhaust valve opening /
一方、吸気弁開閉装置100には、排気側と同様にバルブスプリング21、吸気バルブ20に設けられたリテーナ26、ロッカーアーム23及びラッシュアジャスタ22が設けられている。シリンダヘッド2には、複数のカム25が形成された吸気カムシャフト24が回転可能に支持されており、この吸気カムシャフト24も、機関出力軸の回転に連動して回転される。ここで、排気弁開閉装置90とは異なり、吸気弁開閉装置100には、カム25とロッカーアーム23との間に仲介駆動機構50が設けられている。この仲介駆動機構50は入力部51と一対の出力部52とを有しており、これら入力部51及び出力部52はシリンダヘッド2に固定された支持パイプ53に揺動可能に支持されている。ロッカーアーム23は、ラッシュアジャスタ22及びバルブスプリング21の付勢力によって出力部52側に付勢され、同ロッカーアーム23の中間部分に設けられたローラ23aが出力部52の外周面に当接されている。これにより、入力部51が出力部52とともに左回り方向W1に揺動付勢され、入力部51においてその径方向に延出した部分の先端に設けられたローラ51aがカム25の外周面に押圧される。
On the other hand, the intake valve opening /
こうした吸気弁開閉装置100では、機関運転時にカム25が回転すると、同カム25はローラ51aに摺接しつつ入力部51を押圧し、これにより出力部52が支持パイプ53の周方向に揺動するようになる。そして出力部52が揺動すると、ロッカーアーム23はラッシュアジャスタ22により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ20はロッカーアーム23によって開閉駆動されるようになる。なお、吸気バルブ20の開度、すなわちリフト量の増大に伴ってバルブスプリング21が圧縮され、同バルブスプリング21による吸気弁開閉装置100の作動に対する反力が増大する。
In such an intake valve opening /
また、支持パイプ53には、その軸方向に沿って駆動可能なコントロールシャフト54が挿入されている。このコントロールシャフト54は、連結部材を介して入力部51及び出力部52に駆動連結されている。コントロールシャフト54がその軸方向に沿って駆動すると、それら入力部51及び出力部52が相対的に揺動するようになる。次に、図3を参照してコントロールシャフト54と入力部51,出力部52とを連結する仲介駆動機構50について詳述する。尚、図3は仲介駆動機構50の内部構造を示す一部破断斜視図である。
A
図3に示されるように、入力部51は一対の出力部52の間に設けられており、これら入力部51と出力部52との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部51の内周面にはヘリカルスプライン51hが形成されるとともに、出力部52の内周面には入力部51のヘリカルスプライン51hとその歯すじが逆向きに傾斜するヘリカルスプライン52hが形成されている。
As shown in FIG. 3, the
入力部51と出力部52との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア55が設けられている。このスライダギア55の外周面の中央部分には、入力部51のヘリカルスプライン51hに噛合するヘリカルスプライン55aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部52のヘリカルスプライン52hに噛合するヘリカルスプライン55bが形成されている。
A substantially
また、この略円筒状のスライダギア55の内壁には、その周方向に沿って延伸する溝55cが形成されており、この溝55cにはブッシュ56が嵌合されている。なお、このブッシュ56は、溝55cの伸びる方向に沿って同溝55cの内周面を摺動することができるが、スライダギア55に対するその軸方向の相対変位は溝55cによって規制されている。
Further, a groove 55c extending along the circumferential direction is formed on the inner wall of the substantially
そして、支持パイプ53はスライダギア55の内部に形成された貫通空間に挿入されるとともに、コントロールシャフト54はその支持パイプ53に挿入されている。また、支持パイプ53の管壁にはその軸方向に延伸する長孔53aが形成されている。スライダギア55とコントロールシャフト54との間には、長孔53aを通じてこれらスライダギア55とコントロールシャフト54とを連結する係止ピン57が設けられている。この係止ピン57の一端がコントロールシャフト54に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ56に形成された貫通孔56aに挿入されている。
The
こうした仲介駆動機構50にあって、コントロールシャフト54がその軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダギア55が軸方向に変位する。スライダギア55の外周面に形成されたヘリカルスプライン55a,55bは、入力部51及び出力部52の内周面に形成されたヘリカルスプライン51h、52hとそれぞれ噛合されているため、スライダギア55がその軸方向に変位すると、入力部51と出力部52とは逆の方向に回転する。その結果、入力部51と出力部52との相対位相差が変更され、吸気バルブ20の最大リフト量が変更される。
In such an
ここで、先の図2に示されるように、コントロールシャフト54の基端部(図中右端部)には、電動式アクチュエータ60(以下、単に「アクチュエータ60」と称する)が設けられており、このアクチュエータ60は、マイクロコンピュータ70によりその駆動が制御される。以下、図4を参照してアクチュエータ60の構造について詳細に説明する。図4は、アクチュエータ60の構造を主に示す部分断面図である。
Here, as shown in FIG. 2, an electric actuator 60 (hereinafter simply referred to as “
図4に示されるように、アクチュエータ60のハウジング60aは、シリンダヘッド2に取り付けられている。このハウジング60aの内部には、コイルCを有するステータ61a及び永久磁石を有するロータ61bを備えたモータ61と、そのモータ61の回転を直線運動に変換してコントロールシャフト54に伝達する遊星ギヤ機構62とが設けられている。
As shown in FIG. 4, the
この遊星ギヤ機構62は、外周に螺旋状のスプラインを設けた出力軸63と、それとは逆回りのスプラインを、外周に設けた複数の遊星ギヤ64と内周に設けたローラナット65とを有して構成されている。
This planetary gear mechanism 62 has an
出力軸63は、軸方向へ変位可能に、かつ軸線Lを中心として回転不能にハウジング60aにより支持され、その先端部(図4の左端部)は、連結部材68によってコントロールシャフト54に連結されている。ローラナット65は、複列アンギュラ式のベアリング66を介してロータ61bと一体回転可能にハウジング60aにより支持されている。
The
このベアリング66は、ハウジング60aに固定された外輪66a、ローラナット65の外周に設けられた2つの内輪66b,66c、並びにこれら内輪66b,66cにそれぞれ対応する2つの玉列66d,66eによって構成されている。それら内輪66b,66cは、ローラナット65の外周に嵌入されたストッパ65a,65bの間に並列に配設されている。そしてストッパ65aと内輪66bとの間には、ワッシャー67が圧縮された状態で設けられており、このワッシャー67の弾力により、内輪66b,66cの不必要な変位を抑制している。玉列66dと外輪66a及び内輪66bとは接触角θをもっている一方、玉列66eと外輪66a及び内輪66cとは接触角−θをもっている。こうしたベアリング66により、ラジアル荷重(軸線Lと垂直な方向への荷重)とアキシアル荷重(軸線Lと平行な方向への荷重)とを受け止めることができる。
The
また、遊星ギヤ64は、それら出力軸63及びローラナット65の間に等角度毎に配置されている。遊星ギヤ64のスプラインは、出力軸63のスプラインと同出力軸63に外嵌したローラナット65のスプラインとの双方に噛合し、出力軸63とローラナット65との間で遊星ギヤ64が出力軸63を中心に公転しながら自転するように形成されている。
Further, the
こうしたアクチュエータ60により、ステータ61aのコイルCに通電すると、ロータ61b及びローラナット65が軸線Lを中心として回転され、各遊星ギヤ64がそれぞれ自身の軸線を中心として自転しつつ、軸線Lの周りを公転する。また上述したように、出力軸63は、軸線Lを中心として回転不能であるが、軸方向へは変位可能であるため、各遊星ギヤ64の自転及び公転によりその出力軸63が軸方向に変位する。
When the
そして、出力軸63の軸方向の変位に伴いコントロールシャフト54が軸方向に変位することにより、仲介駆動機構50の駆動状態が変更され、吸気バルブ20の最大リフト量が連続的に変化するようになる。具体的には、コントロールシャフト54が図4の方向Fへ移動すると、最大リフト量が減少する一方、コントロールシャフト54が図4の方向Rへ移動すると、最大リフト量が増大する。
As the
出力軸63には、ハウジング60aに当接可能な2つのストッパ63a,63bが固定されており、出力軸63、換言すればコントロールシャフト54は、これらストッパ63a,63bによって規制される駆動区間において駆動可能になっている。ストッパ63aがハウジング60aに当接する限界位置(以下「Hi端」と称する)に出力軸63が変位したときに、最大リフト量がその設計最大値になる一方、ストッパ63bがハウジング60aに当接する限界位置(以下「Lo端」と称する)に出力軸63が変位したときに、最大リフト量がその設計最大値になる。
Two
ここで、ストッパ63aがハウジング60aに当接した状態下でアクチュエータ60による出力軸63をR方向に駆動する駆動力が生じた場合には、出力軸63の方向Rへの移動が規制されるため、ローラナット65を方向Fに駆動する反力が生じる。この反力は、ストッパ65bを通じてベアリング66の内輪66cに伝達される。上述したように、ベアリング66によりアキシアル荷重を受け止めることができるため、具体的には、内輪66cに伝達された荷重は玉列66e及び外輪66aを介してハウジング60aの突起60bにより受け止められるため、ローラナット65の方向Fへの移動が規制される。すなわち、ストッパ63aがHi端に変位したときに、アクチュエータ60がその作動範囲の機械的上限位置に到達するとともに、同アクチュエータ60の作動量がその上限位置に対応する設計最大値になる。
Here, when a driving force for driving the
一方、ストッパ63bがハウジング60aに当接した状態下でアクチュエータ60による出力軸63をF方向に駆動する駆動力が生じた場合には、出力軸63の方向Fへの移動が規制されるため、ローラナット65を方向Rに駆動する反力が生じる。この反力は、ストッパ65aを通じてワッシャー67に伝達される。ベアリング66によりアキシアル荷重を受け止めることができるため、具体的には、ワッシャー67に伝達された荷重は内輪66b、玉列66d及び外輪66aを介して突起60cにより受け止められるため、その反力によりワッシャー67が圧縮され、ローラナット65が回転しながらワッシャー67の圧縮された分だけ方向Rに変位するようになる。そしてワッシャー67が圧縮限界状態まで圧縮されたときに、ローラナット65の変位が停止し、アクチュエータ60がその作動範囲の機械的下限位置に到達するとともに、同アクチュエータ60の作動量がその下限位置に対応する設計最小値になる。
On the other hand, when the driving force for driving the
なお、ストッパ63a,63bとハウジング60aとが頻繁に当接することにより、部材の損傷等を招くおそれがあるため、通常の制御時には、出力軸63をストッパ63a,63bによって規制される駆動空間よりも小さい区間内に変位させるようにしている。
Since the
アクチュエータ60には、3つの電気角センサD1〜D3と、これら電気角センサD1〜D3に対応してローラナット65と一体回転する8極の多極マグネット(図示略)とが設けられている。これら電気角センサD1〜D3は、8極の多極マグネットの磁気に応じて図5(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、すなわち論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、3つの電気角センサD1〜D3は出力軸63の周方向において120°毎に配置されている。したがって、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸63の45°回転毎に発生している。また、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つからのパルス信号は、他の電気角センサからのパルス信号に対し、出力軸63の30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
The
また、アクチュエータ60には、ロータリーエンコーダとして機能する2つの位置センサS1,S2と、これら位置センサS1,S2に対応して出力軸63と一体回転する48極の多極マグネット(図示略)とが設けられている。これら位置センサS1,S2は、48極の多極マグネットの磁気に応じて図5(d)及び(e)に示されるようなパルス状の信号、すなわち論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、位置センサS1は出力軸63の周方向において位置センサS2から176.25°を隔てて配置されている。したがって、位置センサS1,S2のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸63の7.5°回転毎に発生している。また、位置センサS2からのパルス信号は、位置センサS1からのパルス信号に対し、出力軸63の3.75°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
The
ここで、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジ間隔は3.75°となっている。したがって、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。 Here, the edge interval of the pulse signal combined with the electric angle sensors D1 to D3 is 15 °, whereas the edge interval of the pulse signal combined with the position sensors S1 and S2 is 3.75 °. Therefore, the edge of the pulse signal combined with the position sensors S1 and S2 is generated four times from the generation of the edge of the pulse signal combined with the electric angle sensors D1 to D3 to the next generation of the edge.
これら電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号はマイクロコンピュータ70に取り込まれる。このマイクロコンピュータ70は、プログラムによって数値計算や情報処理等を行う中央演算処理装置(CPU)71、各種の制御に必要なプログラムやデータを記憶する不揮発性メモリ(ROM)72a、入力データや演算結果を一時的に記憶する揮発性メモリ(DRAM)72b、学習制御により得られた基準位置等を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM)72cを備えている。
The pulse signals output by the electrical angle sensors D1 to D3 and the position sensors S1 and S2 are taken into the
また、マイクロコンピュータ70には、車両のアクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサ74や、内燃機関のクランクシャフトの回転位相を検出するクランク角センサ75等、機関の運転状態を検出するセンサが接続されている。マイクロコンピュータ70は、機関の運転状態に基づき吸気バルブ20の最大リフト量の制御目標値を設定するとともに、上述した電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号に基づいて吸気バルブ20の最大リフト量の実際値を検出する。以下、吸気バルブ20の最大リフト量の実際値を検出する手順について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
The
ここで、図5(a)〜(e)は、上述したようにアクチュエータ60の出力軸63の回転時に電気角センサD1〜D3、及び位置センサS1,S2から出力するパルス信号の波形を示している。そして図5(f)〜(h)は、アクチュエータ60の回転時における回転角の変化に対し、それぞれ電気角カウント値E、位置カウント値P、及びストロークカウント値Sが推移するパターンを示している。また、図6(a)は、電気角センサD1〜D3の出力信号のパターンと電気角カウント値Eとの対応関係を示すとともに、図6(b)は、位置センサS1,S2の出力信号のエッジが発生するときに位置カウント値Pが増減する態様を示している。
Here, FIGS. 5A to 5E show the waveforms of the pulse signals output from the electrical angle sensors D1 to D3 and the position sensors S1 and S2 when the
まず、各カウント値について説明する。
[電気角カウント値E]
電気角カウント値Eは、電気角センサD1〜D3のパルス信号に基づいて設定され、モータ61の回転位相を表す。具体的には、図6(a)に示されるように、各電気角センサD1〜D3から各々論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウント値Eに「0」〜「5」範囲内の連続した整数値のうちのいずれかに設定されてDRAM72bに記憶される。マイクロコンピュータ70は、DRAM72bに記憶された電気角カウント値Eに基づきアクチュエータ60の回転位相を検出し、同コイルCの通電相を切り替えてモータを正・逆回転する。ここで、モータ61の正回転時には、電気角カウント値Eは「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に変化する。一方、アクチュエータ60の逆回転時には、電気角カウント値E「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に変化する。
First, each count value will be described.
[Electric angle count value E]
The electrical angle count value E is set based on the pulse signals of the electrical angle sensors D1 to D3 and represents the rotational phase of the motor 61. Specifically, as shown in FIG. 6A, depending on which of the logic high level signal “H” or the logic low level signal “L” is output from each of the electrical angle sensors D1 to D3. Thus, the electrical angle count value E is set to any one of continuous integer values in the range of “0” to “5” and stored in the
[位置カウント値P]
位置カウント値Pは、モータ61の作用角、換言すればアクチュエータ60の制御値について機関始動時における初期値からの変更量を表す。具体的には、位置センサS1,S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジ及び立下りエッジのいずれが生じているか、及び他方のセンサから論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウント値Pに対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される(図6(b)参照)。なお、同図6(b)において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立下りエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウント値Pは、各位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジを計数した値になる。
[Position count value P]
The position count value P represents the amount of change of the operating angle of the motor 61, in other words, the control value of the actuator 60 from the initial value when the engine is started. Specifically, of the position sensors S1 and S2, which one of the rising edges and the falling edges of the pulse signal is generated from one sensor, and the logic high level signal “H” and the logic low level signal from the other sensor. Depending on which “L” is output, either “+1” or “−1” is added to the position count value P (see FIG. 6B). In FIG. 6B, “↑” represents the rising edge of the pulse signal, and “↓” represents the falling edge of the pulse signal. The position count value P obtained by executing such processing is a value obtained by counting the edges of the pulse signals from the position sensors S1 and S2.
ここで、モータ61の正回転中であれば、位置カウント値Pは、図5(d)及び(e)に示される位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算され、図5(g)に示されるパターンに沿って矢印Aに示す方向に推移するようになる。一方、アクチュエータ60の逆回転中であれば、位置カウント値Pは、上記パルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減算され、図5(g)に示されるパターンに沿って矢印Bに示す方向に推移するようになる。なお、この位置カウント値Pは、内燃機関の運転が停止すると、「0」にリセットされる。したがって、位置カウント値Pは、アクチュエータ60の制御値が機関始動時の初期値に対してどれだけ変化したか、言い換えれば吸気バルブ20の最大リフト量が機関始動時の初期値に対してどれだけ変化したかを表す。また、位置カウント値Pは、吸気弁開閉装置100の駆動に基づいて迅速に加減算する必要があるため、DRAM72bに記憶される。
Here, if the motor 61 is rotating forward, the position count value P is incremented by “1” for each edge of the pulse signal from the position sensors S1 and S2 shown in FIGS. 5 (d) and 5 (e). , The direction shown by the arrow A changes along the pattern shown in FIG. On the other hand, if the
[ストロークカウント値S]
ストロークカウント値Sは、アクチュエータ60を機械的下限位置に作動させたときの制御量を基準制御量とした同アクチュエータ60の制御量の変更量、換言すれば最大リフト量の実際値を表す。すなわち、ストロークカウント値Sの初期設定として、アクチュエータ60を機械的下限位置に作動させたとき、マイクロコンピュータ70はストロークカウント値Sを「0」に設定する。マイクロコンピュータ70は、位置カウント値Pをストロークカウント値Sに加算し、ストロークカウント値Sをこの加算された値に更新される。なお、機関停止が完了し、吸気弁開閉装置100の駆動が停止されたときのストロークカウント値Sの最終値が次回機関運転の開始時の初期値Sgとして学習されてEEPROM72cに記憶される。
[Stroke count value S]
The stroke count value S represents the amount of change in the control amount of the
したがって、マイクロコンピュータ70は、EEPROM72cに記憶された初期値SgとDRAM72bに記憶された位置カウント値Pとに基づきストロークカウント値S、換言すれば最大リフト量の実際値を算出する。そして、マイクロコンピュータ70は、アクチュエータ60を駆動制御することにより、この実際値と機関運転状態に基づいて設定された制御目標値との乖離が小さくなるようにフィードバック制御する。これにより、吸気バルブ20の最大リフト量を機関運転状態に適した値に変更し、内燃機関の燃費や出力の向上を図ることができるようになる。
Accordingly, the
ところで、位置センサS1,S2のセンサ特性の変化等により位置カウント値Pの検出値とその実際値との偏差が発生すると、ストロークカウント値Sの算出値とその実際値との偏差が発生し、上述した最大リフト量のフィードバック制御を正確に実行できなくなるおそれがある。 By the way, when a deviation between the detected value of the position count value P and its actual value occurs due to changes in the sensor characteristics of the position sensors S1, S2, etc., a deviation between the calculated value of the stroke count value S and its actual value occurs. There is a possibility that the above-described feedback control of the maximum lift amount cannot be executed accurately.
もっともこの場合には、以下の制御値学習処理を実行することによりこうした偏差による悪影響を抑えることができる。すなわち、例えば位置センサS1,S2のセンサ特性の変化が検出されたとき等、所定の学習条件が成立したときに、まずアクチュエータ60をその機械的下限位置に作動させる。具体的には、先の図4に示されるように、出力軸63のストッパ63bがハウジング60aに当接するようにアクチュエータ60を作動させた後に、アクチュエータ60の作動慣性力及び上述したアクチュエータ60の駆動力の反力により、ローラナット65が方向Rに変位するとともにワッシャー67が圧縮され、アクチュエータ60の制御値はワッシャー67の変形領域に進入する。そしてワッシャー67が作動慣性力及び反力によりその圧縮限界状態まで圧縮され、アクチュエータ60の作動が停止したときに算出されるアクチュエータ60の制御値、すなわちストロークカウント値Sを機械的限界位置に対応する設計最小値に更新する。これにより、位置センサS1,S2のセンサ特性の変化が生じた場合であっても、位置センサS1,S2の出力に基づいて算出されるアクチュエータ60の制御値と実際の制御値とを一致させることができる。
In this case, however, adverse effects due to such deviation can be suppressed by executing the following control value learning process. That is, for example, when a predetermined learning condition is satisfied, for example, when a change in sensor characteristics of the position sensors S1 and S2 is detected, the
ただし、マイクロコンピュータ70の給電回路において接触不良等が発生し、マイクロコンピュータ70による最大リフト量の制御の一時的な停止、いわゆる瞬断が発生することがある。こうした瞬断が発生すると、マイクロコンピュータ70によって制御されるアクチュエータ60の作動が一時的に停止することとなる。ここで、例えば上述した制御値学習の実行中にアクチュエータ60の制御値がワッシャー67の変形領域に進入した後にマイクロコンピュータ70による制御が瞬断すると、ワッシャー67の圧縮量が相対的に大きい状態下でアクチュエータ60の作動が停止することがある。そうすると、マイクロコンピュータ70の制御が一時的な停止状態から復帰した後に、ローラナット65を方向Fに変位させる作動慣性力が「0」になる。この場合には、アクチュエータ60の駆動力に対する反力により、アクチュエータ60がその機械的下限位置に到達する前に停止するおそれがある。このように、アクチュエータ60が機械的下限位置に到達しない場合には、アクチュエータ60の作動が停止したことに基づいてその機械的下限位置まで作動した旨の判断がなされ、アクチュエータ60の制御値を実際の制御値とは異なる値に誤って更新してしまうこととなる。
However, contact failure or the like may occur in the power supply circuit of the
そこで、本実施形態にかかる動弁系の制御装置では、以下に説明する処理を採用することによりこうした不都合を好適に抑制するようにしている。以下、図7,8のフローチャートを参照して制御値学習を実行する際の処理手順について詳細に説明する。 Therefore, the valve operating control apparatus according to the present embodiment suitably suppresses such inconvenience by adopting the processing described below. Hereinafter, a processing procedure for executing control value learning will be described in detail with reference to the flowcharts of FIGS.
図7,8に示される一連の処理は、マイクロコンピュータ70により所定の制御周期をもって繰り返し実行される。この処理ではまず、学習条件フラグFgが「オン」であるか否かを判断する(ステップS10)。なお、この学習条件フラグFgは、その初期値が「オフ」であるが、例えば位置センサS1,S2のセンサ特性が変化したとき等、その所定の学習条件が成立したときに、この処理とは別の処理を通じて「オン」に設定される。
A series of processes shown in FIGS. 7 and 8 are repeatedly executed by the
この学習条件フラグFgが「オフ」である場合には(ステップS10:NO)、所定の学習条件が成立しない旨判断し、この一連の処理を一旦終了する。一方、学習条件フラグFgが「オン」である場合には(ステップS10:YES)、制御中断フラグFcが「オン」であるか否かを判断する(ステップS20)。なお、この制御中断フラグFcは、前回の制御周期においてマイクロコンピュータ70の給電回路の瞬断等により、マイクロコンピュータ70による制御の一時的な停止が発生したか否かを表すフラグであり、こうした制御の一時的な停止が発生したときに、この処理とは別の処理を通じて「オフ」から「オン」に設定される。
When the learning condition flag Fg is “off” (step S10: NO), it is determined that the predetermined learning condition is not satisfied, and the series of processes is temporarily ended. On the other hand, when the learning condition flag Fg is “ON” (step S10: YES), it is determined whether or not the control interruption flag Fc is “ON” (step S20). The control interruption flag Fc is a flag that indicates whether or not a temporary stop of the control by the
この制御中断フラグFcが「オフ」である場合には(ステップS20:NO)、制御の一時的な停止が発生していない旨判断し、制御値学習を実行する。
この制御値学習の処理ではまず、DRAM72bに記憶された位置カウント値PとEEPROM72cに記憶された初期値Sgとに基づいてストロークカウント値Sを以下の式(1)に基づいて算出する(ステップS30)。そして、更に以下の式(2)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stを算出してアクチュエータの制御値のフィードバック制御を実行する(ステップS40)。
When the control interruption flag Fc is “OFF” (step S20: NO), it is determined that the temporary stop of the control has not occurred, and the control value learning is executed.
In this control value learning process, first, the stroke count value S is calculated based on the following equation (1) based on the position count value P stored in the
S←Sg+P …(1)
St←S−B …(2)
B:減量値
式(2)において、減量値Bは予め設定された正の値である。そのため、制御目標値Stはストロークカウント値Sよりも小さな値に設定され、アクチュエータ60がその機械的下限位置に作動する。その結果、アクチュエータ60の制御値が減少するとともに、位置カウント値Pが減少するようになる。
S ← Sg + P (1)
St ← SB (2)
B: Weight loss value
In equation (2), the weight loss value B is a positive value set in advance. Therefore, the control target value St is set to a value smaller than the stroke count value S, and the
次に、位置カウント値Pの変化量に基づいて今回の制御周期におけるアクチュエータ60の作動速度Vを算出するとともに、これと前回の制御周期における作動速度Vzとに基づいて作動速度の変化速度、すなわちアクチュエータ60の加速度Wを算出してDRAM72bに記憶する(ステップS50)。そして、作動速度Vが閾値V0よりも小さいが否かを判断する(ステップS60)。作動速度Vが閾値V0よりも大きい場合には、アクチュエータ60が作動している旨判断し、先のステップS30に戻り、制御値学習を継続して実行する。一方、作動速度Vが閾値V0よりも小さい場合には、アクチュエータ60が機械的下限位置に到達した旨判断し、その時点のストロークカウント値SをROM72aに記憶されたその下限位置に対応するストロークカウント値(本実施形態では「0」)に更新する(ステップS70)。更新されたストロークカウント値Sと初期値Sgとに基づき以下の式(3)を通じて位置カウント値Pを更新する(ステップS80)。
Next, the operation speed V of the
P←S−Sg …(3)
そして、学習条件フラグFgを「オフ」に設定し(ステップS90)、この一連の処理を一旦終了する。
P ← S-Sg (3)
Then, the learning condition flag Fg is set to “off” (step S90), and this series of processes is temporarily ended.
ところで、先のステップS20において、制御中断フラグFcが「オン」である場合には(ステップS20:YES)、今回の制御周期は制御が中断状態から復帰した直後の制御周期である旨判断し、こうした制御の中断に対応する処理を実行する。 By the way, when the control interruption flag Fc is “ON” in the previous step S20 (step S20: YES), it is determined that the current control period is a control period immediately after the control returns from the interruption state, Processing corresponding to such interruption of control is executed.
この処理ではまず、制御の中断が発生する直前の周期にDRAM72bに記憶された加速度Wが判定値W0よりも小さいか否かを判断する(ステップS21)。この判定値W0は、アクチュエータ60がワッシャー67の変形領域において機械的下限位置に作動するときの加速度Wの最大値であり、実験により検出されてROM72aに予め記憶されている。ここで、加速度Wが判定値W0以上である場合には(ステップS21:NO)、アクチュエータ60がワッシャー67の変形領域に進入していない旨判断し、制御値学習(ステップS30〜S90)を再開する。一方、加速度Wが判定値W0よりも小さい場合には(ステップS21:YES)、アクチュエータ60がワッシャー67の変形領域に進入している旨判断し、DRAM72bに記憶された位置カウント値PとEEPROM72cに記憶された初期値Sgとに基づいてストロークカウント値Sを上式(1)に基づいて算出する(ステップS22)。そして、以下の式(4)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stを算出してアクチュエータ60の制御値のフィードバック制御を実行する(ステップS23)。
In this process, first, it is determined whether or not the acceleration W stored in the
St←S−I …(4)
I:変位量
式(4)において、変位量Iは、アクチュエータ60の駆動力の反力によりワッシャー67が圧縮され始めてから圧縮限界状態まで圧縮される間に、ストロークカウント値Sの変化量、すなわちワッシャー67の変形領域の幅よりも大きい値に設定される。
St ← SI (4)
I: Displacement amount
In the equation (4), the displacement amount I is the amount of change in the stroke count value S, that is, the deformation of the
アクチュエータ60の制御値を上式(4)に基づいて設定された制御目標値Stに制御した後、換言すればアクチュエータ60が確実にワッシャー67の変形領域以外に作動させた後に、制御中断フラグFcを「オフ」に設定し(ステップS24)、制御値学習(ステップS30〜S90)を再開する。
After controlling the control value of the
以下、図9を参照して上述した制御値学習処理についてその一具体例を説明する。図9は、アクチュエータ60の制御値の時間的な推移を示すタイミングチャートである。
図9に示されるように、時刻T1において、マイクロコンピュータ70の給電回路の瞬断等が発生していない通常の制御中に所定の学習条件が成立すると(ステップS10:YES)、制御値学習が実行され(ステップS30〜S50)、アクチュエータ60がその機械的下限位置に作動するとともに、同アクチュエータ60の制御値が減少するようになる。
Hereinafter, a specific example of the control value learning process described above with reference to FIG. 9 will be described. FIG. 9 is a timing chart showing temporal transition of the control value of the
As shown in FIG. 9, at time T1, when a predetermined learning condition is satisfied during normal control in which no instantaneous interruption of the power feeding circuit of the
時刻T2において、マイクロコンピュータ70の給電回路の瞬断等が発生すると、マイクロコンピュータ70による制御が一時的に停止し、アクチュエータ60の作動が一時的に停止する。そして時刻T3において、マイクロコンピュータ70による制御が一時的な停止状態から復帰したときにアクチュエータ60がワッシャー67の変形領域に進入している旨が判断されると(ステップS21:YES)、その制御の中断に対応する処理が実行され(ステップS22〜S24)、アクチュエータ60がその機械的下限位置の反対側に駆動される。
When an instantaneous interruption of the power supply circuit of the
時刻T4において、アクチュエータ60の変位量がワッシャー67の変形領域の幅よりも大きい値に設定された変位量Iになると、制御値学習が再開される。なお、図9に示されるように、このように制御値学習が再開された場合には、アクチュエータ60が所定の作動慣性力をもって先の停止位置まで作動するようになる。
When the displacement amount of the
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)制御値学習の実行中にアクチュエータ60が一時的に停止したときに、アクチュエータ60を機械的限界位置の反対側に作動させるようにした。これにより、例えば制御値学習処理の実行中にアクチュエータ60の制御値がワッシャー67の変形領域に進入した後に同アクチュエータ60が一時的に停止した場合に、ワッシャー67によるアクチュエータ60の作動に対する反力を一旦低下させることができる。そして、ワッシャー67の反力が相対的に小さい状態下で制御値学習を再開し、アクチュエータ60を機械的限界位置に作動させると、アクチュエータ60が所定の作動慣性力をもって先の停止位置まで作動することができる。これにより、例えばアクチュエータ60をその停止位置から直接に制御値学習を再開する場合、換言すれば作動慣性力が「0」である状態下でそのアクチュエータ60を機械的限界位置に作動させる場合と比較して、アクチュエータ60を機械的限界位置に作動させやすくなる。したがって、制御値学習の実行中にアクチュエータ60がその変形領域内で一時的に停止した場合にあっても、アクチュエータ60の作動慣性力の低下に起因して、アクチュエータ60が機械的限界位置に到達しないことを抑制することができる。その結果、アクチュエータ60の作動状態によって制御値を誤って更新することを抑制することができるようになる。
According to the embodiment described above, the following effects can be obtained.
(1) When the
(2)変位量Iをワッシャー67の変形領域の幅よりも大きい値に設定するようにした。そのため、アクチュエータ60を確実にワッシャー67の変形領域外に作動させることができる。これにより、ワッシャー67によるアクチュエータ60の作動に対する反力が「0」である位置にアクチュエータ60を作動させてから制御学習を再開するため、アクチュエータ60の作動慣性力の低下に起因して、アクチュエータ60が機械的限界位置に到達しないことを効果的に抑制することができる。
(2) The displacement amount I is set to a value larger than the width of the deformation region of the
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、変位量Iをワッシャー67の変形領域の幅よりも大きい値に設定するようにしているが、例えばアクチュエータ60が変形領域内の所定の位置から作動し始めてもその機械的下限位置に作動できる場合には、必ずしも変位量Iを変形領域の幅よりも大きい値に設定しなくてもよい。
In addition, the said embodiment can also be implemented with the following forms which changed this suitably.
In the above embodiment, the displacement amount I is set to a value larger than the width of the deformation region of the
・上記実施形態では、アクチュエータ60を機械的下限位置に作動させてストロークカウント値Sの算出値をその下限位置に対応するストロークカウント値に更新する動弁系の制御装置に本発明を適用する場合について例示した。これに限らず、例えばアクチュエータ60をその機械的上限位置まで作動させる際にアクチュエータ60の作動に対する反力を生じさせるワッシャーが設けられ、所定の学習条件が成立したときに、アクチュエータ60を機械的上限位置に作動させてストロークカウント値Sの算出値をその上限位置に対応するストロークカウント値に更新する動弁系の制御装置においても、基本的に同様の態様をもって本発明を適用することができる。
In the above embodiment, when the present invention is applied to a valve system control device that operates the
・上記実施形態では、吸気バルブ20の最大リフト量をフィードバック制御する内燃機関の動弁系に本発明を適用する場合について例示したが、排気バルブ10の最大リフト量をフィードバック制御する動弁系においても、基本的に同様の態様をもって本発明を適用することができる。
In the above embodiment, the case where the present invention is applied to the valve operating system of the internal combustion engine that feedback-controls the maximum lift amount of the
C…コイル、S1,S2…位置センサ、D1〜D3…電気角センサ、2…シリンダヘッド、10…排気バルブ、11…バルブスプリング、12…ラッシュアジャスタ、13…ロッカーアーム、13a…ローラ、14…排気カムシャフト、15…カム、16…リテーナ、20…吸気バルブ、21…バルブスプリング、22…ラッシュアジャスタ、23…ロッカーアーム、23a…ローラ、24…吸気カムシャフト、25…カム、26…リテーナ、50…仲介駆動機構、51…入力部、51a…ローラ、51h…ヘリカルスプライン、52…出力部、52h…ヘリカルスプライン、53…支持パイプ、53a…長孔、54…コントロールシャフト、55…スライダギア、55a…ヘリカルスプライン、55b…ヘリカルスプライン、55c…溝、56…ブッシュ、56a…貫通孔、57…係止ピン、60…電動式アクチュエータ、60a…ハウジング、60b,60c…突起、61…モータ、61a…ステータ、61b…ロータ、62……遊星ギヤ機構、63…出力軸、63a,63b…ストッパ、64…遊星ギヤ、65…ローラナット、65a,65b…ストッパ、66…ベアリング、66a…外輪、66b,66c…内輪、66d,66e…玉、67…ワッシャー、68…連結部材、70…マイクロコンピュータ、71…中央演算処理装置(CPU)、72a…不揮発性メモリ(ROM)、72b…揮発性メモリ(DRAM)、72c…不揮発性メモリ(EEPROM)、74…アクセルセンサ、75…クランク角センサ、90…排気動弁装置、100…吸気動弁装置。
C ... Coil, S1, S2 ... Position sensor, D1-D3 ... Electrical angle sensor, 2 ... Cylinder head, 10 ... Exhaust valve, 11 ... Valve spring, 12 ... Rush adjuster, 13 ... Rocker arm, 13a ... Roller, 14 ... Exhaust camshaft, 15 ... cam, 16 ... retainer, 20 ... intake valve, 21 ... valve spring, 22 ... lash adjuster, 23 ... rocker arm, 23a ... roller, 24 ... intake camshaft, 25 ... cam, 26 ... retainer, DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記学習手段による制御値学習の実行中に前記アクチュエータが前記変形領域内で一時的に停止したときに、前記アクチュエータを前記機械的限界位置の反対側に作動させた後に前記学習手段による制御値学習を再開する学習再開手段を備える
ことを特徴とする動弁系の制御装置。 An actuator that changes a valve characteristic of an engine valve by operating within a mechanically regulated operating range, and when the actuator is operated to a mechanical limit position of the operating range in a deformation region; A change amount detection means for detecting a change amount from a predetermined initial value for a control value of the actuator, applied to a valve train provided with an elastic body that generates a reaction force against the operation of the actuator; and the initial value; The calculation means for calculating the control value of the actuator based on the change amount, and when a predetermined learning condition is satisfied, the actuator is operated to the mechanical limit position of the operating range, and the operation of the actuator is stopped. Sometimes the control value calculated by the calculating means is updated to a control value corresponding to the mechanical limit position. The control apparatus for valve system and a learning means for executing the control value learning,
When the actuator is temporarily stopped in the deformation area during the execution of the control value learning by the learning means, the control value learning by the learning means is performed after operating the actuator to the opposite side of the mechanical limit position. A valve operating system control device comprising learning resumption means for resuming operation.
前記学習再開手段は、前記アクチュエータを前記弾性体の変形領域外に作動させた後に前記学習手段による制御値学習を再開する
ことを特徴とする動弁系の制御装置。 In the valve system control device according to claim 1,
The valve train control device, wherein the learning restarting means restarts the control value learning by the learning means after operating the actuator outside the deformation region of the elastic body.
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