JP2008281355A - 腐食危険度評価方法、維持管理計画作成方法、腐食危険度評価プログラム、維持管理計画作成プログラム、腐食危険度評価装置、維持管理計画作成装置 - Google Patents

腐食危険度評価方法、維持管理計画作成方法、腐食危険度評価プログラム、維持管理計画作成プログラム、腐食危険度評価装置、維持管理計画作成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の腐食危険度判断基準を数値化して、個人ノウハウに依存することなく、腐食危険度の評価を非掘削で行うことのできる埋設管の腐食危険度評価方法を提供する。
【解決手段】複数の評価基準項目間の相対的な重み値(以下「基準間重み」)を格納した記憶手段を設け、評価基準項目のうち1つを選択する選択ステップと、選択ステップで選択した評価基準項目を重視する程度を、埋設管の評価対象要素間で一対比較して相対的に評価した一対比較値を入力する入力ステップと、入力ステップで入力した一対比較値を所定の規則で正規化した値(以下「要素間重み」)を求める正規化ステップと、を有し、上記各ステップを評価基準項目の全てについて実行して、評価基準項目毎に要素間重みを求め、基準間重みと要素間重みを評価基準項目毎に乗じて合算し、個々の評価対象要素の相対的な腐食危険度を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、埋設管の腐食損傷危険度の評価方法と、その評価結果を用いて埋設管の維持管理計画を作成する方法、これらのプログラム、及び装置に関するものである。
従来、埋設管の腐食損傷を発見・評価するため、例えば以下の(1)〜(4)のような手法が実施されてきた。
(1)埋設管で輸送する流体の流れを停止して管内に検査装置を挿入し、超音波等を用いて検査を行う。
(2)活管状態(輸送を行っている状態)で、例えばピグに搭載した検査装置を、内部流体の圧力を利用して管内で推進し、超音波もしくは漏洩磁束を用いて検査を行う。
(3)土壌の腐食性を判断する指標、例えば土壌抵抗率やpHなどを用いて、埋設土を掘削することなく、埋設管の腐食が発生しやすい箇所を間接的に評価する。
(4)埋設管の塗覆装の損傷を測定し、これを補修・更新の判断に用いる。
また、埋設管の損傷検出技術に関し、『電動カート10と、地中の接地極との間に交流電圧が印加された埋設塗覆装鋼管1の上の地表面の電位を検出する車輪型センサ23a,23bと、電動カート10に搭載された水タンク21と、水タンク21の水を車輪型センサ23a,23bの外周部に供給するヘッダ26と、1対の車輪型センサ23a,23bの出力に基づいて地表面の電位差分布を求め、そして、電位差分布に基づいて埋設塗覆装鋼管1の損傷位置を検出する信号処理装置22とを備える。また、更に別の1対の車輪型センサと、その1対の車輪型センサを固定支持する枠体とを備え、その1対の車輪型センサの出力を上記の信号処理装置22に出力する。』というものが提案されている(特許文献1)。
特開2003−161716号公報(要約)
上述の腐食損傷発見・評価手法には、それぞれ以下のような課題がある。
(1)埋設管で輸送する流体の流れを停止して管内に検査装置を挿入し、超音波等を用いて検査を行う手法は、検査装置を埋設管内に挿入するため、任意の位置で埋設土を掘削して管を切断する作業が必要となり、そのためのコストを要する。また、流体の輸送を停止するため、経済的損失が生じる。
(2)活管状態で、検査装置を内部流体の圧力を利用して推進し、超音波もしくは漏洩磁束を用いて検査を行う手法は、検査装置を管内で推進するためにある程度の高い差圧と圧力制御が必要であるため、適用できる埋設管に制限がある。
また、管路に分岐がある場合の推進や、曲率半径の小さい曲がり管を通過することができない点に課題がある。
(3)土壌の腐食性から腐食可能性が高い箇所を間接的に評価する手法は、腐食要因と腐食箇所の関連性について現在も理論的解明の途上にあり、腐食箇所を完全に特定するには至っていない。
これは、埋設管の腐食には土壌の様々な性状が寄与していることに起因する。さらに、埋設位置によっては、電気鉄道や外部電源から土壌中に流れ出る迷走電流が管内を流れてその電流の流出点で激しい腐食を起こすなど、腐食には複雑な要因が絡み合っており、腐食危険度の評価を困難にしている。
(4)上記特許文献1に記載のような塗覆装の損傷測定による腐食危険度評価は、測定装置を測定位置に運搬する等の作業が必要であり、そのためのコストを要する。
一方、埋設管の補修・更新に際しては、保守担当のベテラン技術者の経験に基づく判断が少なからず用いられている。即ち、ベテラン技術者が腐食発生を予測したエリアを掘削して埋設管を調査すると、実際に腐食が発生している事例が多く見られる。
こうしたベテラン技術者の経験に基づく手法は、非掘削で腐食箇所を精度良く特定できる反面、ベテラン技術者個人のノウハウに依存するという課題がある。
そこで本発明では、このような判断ノウハウを数理的に取り込み、種々の腐食危険度判断基準を数値化して、個人ノウハウに依存することなく、腐食危険度の評価を非掘削で行うことのできる埋設管の腐食危険度評価方法、及びその結果を用いた埋設管の維持管理計画作成方法を提供することを目的とする。
本発明に係る埋設管の腐食危険度評価方法は、埋設管の腐食危険度を複数の評価対象要素間で相対的に評価する方法であって、複数の評価基準項目間の相対的な重み値(以下「基準間重み」)を格納した記憶手段を設け、前記評価基準項目のうち1つを選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択した評価基準項目を重視する程度を、前記埋設管の評価対象要素間で一対比較して相対的に評価した一対比較値を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力した一対比較値を所定の規則で正規化した値(以下「要素間重み」)を求める正規化ステップと、を有し、前記選択ステップ、前記入力ステップ、及び前記正規化ステップを、前記評価基準項目の全てについて実行して、前記評価基準項目毎に前記要素間重みを求め、前記基準間重みと前記要素間重みを前記評価基準項目毎に乗じて合算し、個々の評価対象要素の相対的な腐食危険度を求めるものである。
また、本発明に係る埋設管の維持管理計画作成方法は、上記の埋設管の腐食危険度評価方法を実行して求めた、各評価対象要素の相対的な腐食危険度と、当該各評価対象要素が腐食することにより生じるコストを評価したコスト値と、を乗算し、その結果に基づき埋設管の維持管理計画を作成するものである。
本発明に係る埋設管の腐食危険度評価方法によれば、埋設管の腐食危険度の評価を、個人ノウハウに依存することなく、かつ非掘削で数理的に行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る腐食危険度評価装置100の機能ブロック図である。腐食危険度評価装置100は、入力部110、記憶部120、選択部130、正規化部140、評価部150、出力部160を備える。
入力部110は、後述の図3で説明する一対比較値を入力として受け取る。
記憶部120は、後述の図2で説明する評価基準項目及び基準間重みを格納している。
選択部130は、記憶部120が格納している評価基準項目を逐次選択し、入力部110に出力する。詳細は後述の図3〜図4で説明する。
正規化部140は、入力部110に入力された一対比較値を所定の規則で正規化し、後述の図3で説明する要素間重みを求める。
評価部150は、記憶部120が格納している基準間重みと、正規化部140が求めた要素間重みとに基づき、評価対象要素の腐食危険度を評価する。
出力部160は、評価部150が求めた腐食危険度を腐食危険度評価装置100の外部に出力する。
入力部110は、一対比較値の入力方法に応じて、操作部やデータ入力インターフェース等、適宜必要なインターフェースを備える。
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶装置で構成することができる。
選択部130、正規化部140、評価部150は、これらの機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで構成することもできるし、CPUやマイコン等の演算装置上で実行されるソフトウェアとして構成することもできる。
出力部160は、腐食危険度の評価結果の出力方法に応じて、データ出力インターフェース、画面表示デバイス等、適宜必要なインターフェースを備える。
腐食危険度評価装置100は、階層分析法と呼ばれる手法を用いて、保守担当のベテラン技術者のノウハウを数値化し、入力部110に入力される所定のパラメータに基づき、埋設管の腐食危険度を評価する。
そこで、腐食危険度評価装置100の動作説明に先立ち、階層分析法を用いた腐食危険度評価について、その概念を説明する。
図8は、腐食危険度と腐食要因との定性的な相関を示す図である。
同図に示すように、腐食危険度と腐食要因の相関は、一対の比較では明らかになっている。例えば、土壌のpHが小さい(酸性)ほど埋設管の腐食危険度は高いことは既に判明している。
しかし、腐食危険度を評価する基準項目(腐食要因)は複数あり、実際の腐食危険度はこれらの総合によって定まる。これら評価基準項目同士の相関については明らかになっておらず、その順位付けは困難である。
腐食危険度の評価を数理的に行うためには、各評価基準項目の評価を1つの評価値に統合化する必要があるが、これは多基準意思決定問題の一種であると言える。
そこで本発明では、多基準意思決定手法の1つである階層分析法を用いて、ベテラン技術者のノウハウを数値化し、精度良く腐食危険度を評価することのできる腐食危険度評価手法を提案する。
図9は、記憶部120にあらかじめ数値化して格納しておくデータの説明である。
記憶部120には、以下の(1)〜(3)のような情報を数値化して格納する。数値化の手法については、後述の図2で説明する。
(1)検査データ、埋設環境情報、埋設管の管理情報
保守技術者が埋設管の腐食エリアを推定するのに用いている以下のような情報である。
・埋設管近傍の電鉄の有無:電鉄軌道との位置関係、外部電源との干渉
・塗覆装の種類:PE(ポリエチレンライニング)、アスファルト、コールタールエナメル等
・電気防食の管理状態:防食電位
・埋設管周辺土壌の腐食性指標:pH、土壌抵抗率、含水率等
・高圧電線の有無
・埋設後の供用期間
・地域や地形:造成地、埋立地等
(2)ベテラン技術者の経験、ノウハウ
保守技術者個人のノウハウを後述の図2で説明する方法で数値化して記憶部120にあらかじめ格納しておく。さらに、上述(1)の値を、ベテラン技術者の経験等に基づきチューニングしてもよい。
(3)腐食損傷事例データ
同様に、過去の腐食損傷の事例データに基づき、上述(1)の値をチューニングしてもよい。
このように、記憶部120には、腐食危険度の評価基準項目が数値化して格納される。
保守技術者は、所定のパラメータを腐食危険度評価装置100に入力し、腐食危険度評価装置100はそのパラメータと記憶部120に格納されている値とに基づき、評価対象要素の腐食危険度を算出することができる。
図10は、腐食危険度を評価する階層分析図の例である。
階層分析法では、図10に示すように、評価の目的を最上位、評価基準項目を中位、評価対象要素(代替案とも言う)を下位に配置した階層図を用いる。ここでは、目的は「腐食危険度の評価」、評価基準項目は図8の各項目、評価対象要素は埋設管の各評価対象部位となる。
評価基準項目は、上述の(1)〜(3)を取り込んで数値化され、記憶部120にあらかじめ格納される。
また、評価対象である管要素A〜Eは、あるエリアに存在する埋設管のうち、例えば数m単位で区切った評価対象部位を表す。
評価を行う際には、後述の図3で説明するように、上位の項目それぞれについて各評価対象要素の一対比較値を入力部110に入力し、記憶部120に格納されている数値に基づき、評価部150が腐食危険度の評価を実行する。
これを下位の階層から繰り返し実行して階層を登っていき、最上位の評価目的に到達すると、腐食危険度の評価が得られる。
以後は、腐食危険度評価装置100の動作説明に戻る。
図2は、図10の階層分析図に基づく基準間の一対比較の例である。
階層分析法においては、評価基準項目の相対的な重みを、評価に先立って求めておく。以後、この重みのことを「基準間重み」と呼ぶ。
以下、図2を用いて、基準間重みの設定手順を説明する。なお、図2において評価基準項目の名称は略記していることを付言しておく。
まず、図2の1行目を例に説明する。腐食危険度の評価に際し、評価基準項目「電鉄」を他の項目よりも重視する程度を、例えば10段階評価で図2の1行目に入力する。「電鉄」自身との評価の際には「1」を入力しておく。
図2の1行目の例では、評価基準項目「電鉄」は、「塗覆装」よりもやや重要、「土壌」よりもかなり重要、であることが分かる。
また、重要度の数値を入力した対角要素には、その逆数を入力する。例えば、2行1列の欄には、1行2列の値の逆数が入力される。
次に、各行に入力された数値の幾何平均を求める。求めた幾何平均は、総和が「1」になるように正規化する。最終的に、図2の「ウエイト」列の値が算出される。
この「ウエイト」列の値は、腐食危険度の評価基準項目間の相対的な重み、即ち上述の基準間重みを表している。図2の例では、評価基準項目「電鉄」が最も重視され(0.38)、「期間」が最も軽視される(0.04)ことが分かる。
この一対比較値、即ち基準間重みの値は、先に述べた検査データ、埋設環境情報、埋設管の管理情報等に基づいて上述の手順で設定し、評価基準項目の名称等、必要な情報と組にして記憶部120にあらかじめ格納しておく。
即ち、保守技術者のノウハウや過去の腐食事例データ等は、この基準間重みに集約・統合されることになる。
なお、上述のように幾何平均を用いて正規化し、ウエイト値を求める手法を、「幾何平均法」と呼ぶ。
一方、一対比較値を入力した行列の固有ベクトルを求め、固有値から整合度を、固有ベクトルからウエイト値を求める手法を、「固有ベクトル法」と呼ぶ。
本実施の形態1では、説明の簡易のため幾何平均法を用いているが、これに限られるものではないことを付言しておく。
図3は、各管要素間の一対比較値について説明するものである。
腐食危険度の評価者は、評価対象である各管要素A〜Eについて、階層図の上位に存在する各評価基準項目のそれぞれにつき、同様の一対比較値を入力する。以下、ステップを追って説明する。
なお、図3において「幾何平均」列を省略していることを付言しておく。
(ステップ1)
選択部130は、記憶部120に格納されている評価基準項目のうち1つを任意に選択し、入力部110に出力する。
入力部110は、選択部130より受け取った評価基準項目の名称を用いるなどして、次のステップ2の処理を行うよう、腐食危険度を評価する者に促す。ここでは、評価基準項目「電鉄」を選択したものとする。
(ステップ2)
腐食危険度を評価する者は、図3(a)の一対比較値を入力部110に入力する。
図3(a)の1行目の例では、管要素Aの腐食危険度評価に際しては、評価基準項目「電鉄」を管要素Bと比較して「7=非常に重要」として取り扱うことが分かる。
これは、例えば管要素Aが電鉄軌道のごく近くに存在し、腐食危険度の評価において、その影響を管要素Bと比べて非常に重視する、といったような場合に相当する。反対に、管要素Bは電鉄軌道から離れたところに存在し、腐食危険度の評価においてその影響はあまり重視しないことを意味する。
一方、1行4列の値は「1」であるため、管要素Aと管要素Dは、電鉄軌道から受ける腐食危険度への影響が同程度である(例えば、軌道からの距離が同程度である)ことが分かる。
以下同様に、他の項目についても入力部110に入力する。
(ステップ3)
図3(a)の全ての項目の入力が終了すると、正規化部140は、図2で説明したものと同様の手順により正規化した「ウエイト」列の値を算出する。この正規化した「ウエイト」列の値を、以下「要素間重み」と呼ぶ。
(ステップ4)
以上のステップ1〜ステップ3の処理を、全ての評価基準項目について実行する。完了すると、図3(a)〜(f)全てのデータが揃う。
(ステップ5)
評価部150は、図3(a)〜(f)の要素間重みと、記憶部120が格納している基準間重みとに基づき、下記式1を用いて腐食危険度を評価する。
Figure 2008281355
例えば、管要素Aの腐食危険度の評価値は、下記式2のようにして求める。
Figure 2008281355
(ステップ6)
出力部160は、評価部150が求めた腐食危険度の評価値を、後述の図4または図5のような形式で出力する。出力手法は、その内容に応じて、画面表示によるものでもよいし、評価値データのみを出力するものでもよい。
図4は、出力部160が出力する腐食危険度の評価結果の例である。
評価部150が上記式2を用いて求めた腐食危険度の評価値は、図4のように表形式で整理することができる。このように整理することで、評価基準項目毎の内訳も分かる。
腐食危険度の評価値は、合計が「1」になるように正規化されているので、図4の結果により、各管要素の相対的な腐食危険度を評価することができる。図4の例では、管要素Aが最も腐食危険度が高く、管要素Bが最も腐食危険度が低いことが分かる。
なお、図4のような表の出力は、画面表示によるものでもよいし、同図のデータを例えばCSV(Comma Separated Values)形式のデータファイル等で出力するようにしてもよい。
図5は、出力部160が出力する腐食危険度の評価結果の別例である。
図5の内容は、図4と同一のものであるが、図5のようにグラフ化して画面表示すると視覚的に評価結果を把握しやすいので、保守技術者にとって便宜である。
以上のように、本実施の形態1に係る腐食危険度評価装置100では、ベテラン技術者のノウハウや過去の腐食事例データ等に基づき設定された基準間重みを記憶部120にあらかじめ格納しておき、入力部110に入力した一対比較値に基づき正規化部140が要素間重みを算出し、評価部150はこれらの値を用いて腐食危険度を評価する。
即ち、ベテラン技術者の予測ノウハウ等を数値として取り込んで数理的に腐食危険度を評価することができるので、個人のノウハウ等に依存することなく、かつ埋設管の評価箇所を掘削することなく、腐食危険度を評価することができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る維持管理計画作成装置200の機能ブロック図である。
維持管理計画作成装置200は、腐食危険度評価装置100の評価結果に基づき、埋設管の維持管理計画を作成する装置である。なお、本実施の形態2においては、腐食危険度評価装置100の出力部160は、評価結果をCSV形式等のデータとして出力するものとする。
維持管理計画作成装置200は、入力部210と計画作成部220を備える。
入力部210は、腐食危険度評価装置100の出力部160から、腐食危険度の評価結果データを受け取るとともに、埋設管の維持管理予算の総額値を受け取る。
計画作成部220は、入力部210への入力に基づき、埋設管の維持管理計画を作成して出力する。詳細は後述する。
入力部210は、データの入力方法に応じて、データ入力インターフェース等、適宜必要なインターフェースを備える。
計画作成部220は、その機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで構成することもできるし、CPUやマイコン等の演算装置上で実行されるソフトウェアとして構成することもできる。
計画作成部220は、腐食危険度の評価結果データから、腐食の危険性が高い管要素を判別することができるので、これに基づいて維持管理予算を配分し、適切な維持管理計画を作成することができる。
例えば、管要素Aは腐食危険度が最も高いため、維持管理予算を優先的に配分する、といった判断が可能となる。これにより、腐食による供給支障が発生する前に保守作業を行うなどの適切な対応が可能である。
計画作成部220が作成した維持管理計画は、任意のデータ形式で出力してもよいし、グラフ化等により画面表示して出力してもよい。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る維持管理計画作成装置200の機能ブロック図である。
本実施の形態3において、入力部210は、腐食危険度の評価結果データ、埋設管の維持管理予算の総額値に加えて、各管要素の供給支障時のコスト値も受け取る。これは、各管要素が腐食により供給支障を起こした際の被害規模額に相当する。
ここでいう被害規模額とは、例えば(1)補修・更新費用、(2)人的な被災の補修費用、(3)生産もしくは供給の支障に伴う営業損失費用、などの総額のことである。
1例を挙げると、上流に存在する管要素で腐食が発生することにより、その下流への供給が全て停止するため、一般に上流の管要素の腐食発生による被害規模額は大きくなるといえる。
計画作成部220は、腐食危険度評価装置100から受け取った腐食危険度の評価値と、各管要素の供給支障時のコスト値とを乗算することにより、被害規模額を勘案した腐食危険度評価値を得ることができる。
例えば、腐食危険度の小さい管要素であっても、供給支障発生時の被害額が大きいものについては、維持管理予算の割当を多くし、被害発生時のリスクを事前に低減することができる。
維持管理計画の作成に際しては、このように被害規模額を加味することにより、より総合的な維持管理計画を作成することができる。
なお、実施の形態2〜3において、維持管理予算額や被害規模額は入力部210が受け取ることとしたが、維持管理計画作成装置200に記憶部を設け、これらの数値をあらかじめ格納しておいてもよい。
実施の形態1に係る腐食危険度評価装置100の機能ブロック図である。 図10の階層分析図に基づく基準間の一対比較の例である。 各管要素間の一対比較値について説明するものである。 出力部160が出力する腐食危険度の評価結果の例である。 出力部160が出力する腐食危険度の評価結果の別例である。 実施の形態2に係る維持管理計画作成装置200の機能ブロック図である。 実施の形態3に係る維持管理計画作成装置200の機能ブロック図である。 腐食危険度と腐食要因との定性的な相関を示す図である。 記憶部120にあらかじめ数値化して格納しておくデータの説明である。 腐食危険度を評価する階層分析図の例である。
符号の説明
100 腐食危険度評価装置、110 入力部、120 記憶部、130 選択部、140 正規化部、150 評価部、160 出力部、200 維持管理計画作成装置、210 入力部、220 計画作成部。

Claims (6)

  1. 埋設管の腐食危険度を複数の評価対象要素間で相対的に評価する方法であって、
    複数の評価基準項目間の相対的な重み値(以下「基準間重み」)を格納した記憶手段を設け、
    前記評価基準項目のうち1つを選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択した評価基準項目を重視する程度を、前記埋設管の評価対象要素間で一対比較して相対的に評価した一対比較値を入力する入力ステップと、
    前記入力ステップで入力した一対比較値を所定の規則で正規化した値(以下「要素間重み」)を求める正規化ステップと、
    を有し、
    前記選択ステップ、前記入力ステップ、及び前記正規化ステップを、前記評価基準項目の全てについて実行して、前記評価基準項目毎に前記要素間重みを求め、
    前記基準間重みと前記要素間重みを前記評価基準項目毎に乗じて合算し、
    個々の評価対象要素の相対的な腐食危険度を求める
    ことを特徴とする埋設管の腐食危険度評価方法。
  2. 請求項1に記載の埋設管の腐食危険度評価方法を実行して求めた、各評価対象要素の相対的な腐食危険度と、
    当該各評価対象要素が腐食することにより生じるコストを表すコスト値と、
    を乗算し、
    その結果に基づき埋設管の維持管理計画を作成する
    ことを特徴とする埋設管の維持管理計画作成方法。
  3. 請求項1に記載の埋設管の腐食危険度評価方法をコンピュータに実行させる
    ことを特徴とする埋設管の腐食危険度評価プログラム。
  4. 請求項2に記載の埋設管の維持管理計画作成方法をコンピュータに実行させる
    ことを特徴とする埋設管の維持管理計画作成プログラム。
  5. 埋設管の腐食危険度を複数の評価対象要素間で相対的に評価する装置であって、
    複数の評価基準項目間の相対的な重み値(以下「基準間重み」)を格納した記憶部と、
    前記評価基準項目のうち1つを選択する選択部と、
    前記選択部が選択した評価基準項目を重視する程度を、前記埋設管の評価対象要素間で一対比較して相対的に評価した一対比較値を入力する入力部と、
    前記入力部に入力された一対比較値を所定の規則で正規化した値(以下「要素間重み」)を求める正規化部と、
    前記基準間重みと前記要素間重みに基づき個々の評価対象要素の相対的な腐食危険度を求める評価部と、
    を有し、
    前記選択部、前記入力部、及び前記正規化部は、前記評価基準項目の全てについて前記各処理を実行して、前記評価基準項目毎に前記要素間重みを求め、
    前記評価部は、
    前記基準間重みと前記要素間重みを前記評価基準項目毎に乗じて合算し、
    個々の評価対象要素の相対的な腐食危険度を求める
    ことを特徴とする埋設管の腐食危険度評価装置。
  6. 請求項5に記載の埋設管の腐食危険度評価装置が求めた、各評価対象要素の相対的な腐食危険度と、
    当該各評価対象要素が腐食することにより生じるコストを表すコスト値と、
    を乗算し、
    その結果に基づき埋設管の維持管理計画を作成する
    ことを特徴とする埋設管の維持管理計画作成装置。
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