JP2008276721A - システムダイナミクスフリーダム(sdf)の特徴的な機能と実現 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地球環境・大都市・先端医療に限らず、幅広い対象に対して有効で、機能を予測から、想像、創造まで拡張した、知的なシミュレーション手法を確立する。
【解決手段】 SDFは多様な機能を持つ。対象の変化や制約に対応したSDF変数値変更機能、弱ゴール機能、強ゴール機能、モデル間コミュニケーションによるデフォルトの機能、計算の進行機能、良いとこ取り機能、進化機能の実現等である。この多様な機能を活かして、対象を自由にモデル表現して、仮説をたてたり、検証をしたり、競わせたり、最適解を得たり、既存のモデルと組み合わせたり、進化させる事等が出来る。SDが本来狙う自由な表現と完全性の確保が、可能かつ容易となり、シミュレーションの機能の大幅拡張が出来る。
【選択図】なし
【解決手段】 SDFは多様な機能を持つ。対象の変化や制約に対応したSDF変数値変更機能、弱ゴール機能、強ゴール機能、モデル間コミュニケーションによるデフォルトの機能、計算の進行機能、良いとこ取り機能、進化機能の実現等である。この多様な機能を活かして、対象を自由にモデル表現して、仮説をたてたり、検証をしたり、競わせたり、最適解を得たり、既存のモデルと組み合わせたり、進化させる事等が出来る。SDが本来狙う自由な表現と完全性の確保が、可能かつ容易となり、シミュレーションの機能の大幅拡張が出来る。
【選択図】なし
Description
この発明は、環境、都市、企業、経営分野などで予測、想像、創造までを目指す、モデリングとシミュレーション技術の方法やシステムに関するものである。
システムダイナミクス(SD)はローマクラブが地球環境に関して「成長の限界」を主張する根拠となった著名なシステム手法であり、モデリングとシミュレーション技術の範疇であり、かつオープン型モデリング手法である。SDは従来の計量経済学等の統計モデル主体の手法が近視眼的に精度を追い、またデータの存在に拘って、本質的な表現や自由なモデリングを困難としていた状況を、データへの依存を減らし、対象に対する自由な直感的な把握、構造や因果関係の表現、定性的な性格の実現を目指したもので、本来、予測手法としては異質なものである。
定性的の意味はその場、その時の精度よりも、長い期間に渡って、かなり対象の動きと合う、説明をすると言うものである。通常、対象は時間と供に変化するから、現実との乖離は大きくなる。だから、相当深い洞察力で対象の構造に基づく性格を把握しておく必要がある。それと、ある観点からは端的な対象の把握であっても、別の観点、新しいが本質的な現象、変化が起こる事、存在する事もある。それを柔軟に取り込む、あるいはその場合も役立つ能力も手法として長く使うのには必要である。
SDでモデリングする事は上記の如くかなり知的な作業であり、困難を伴う。その最大の理由は、システムとして全てが繋がると言う完全性に強く拘束されてしまうからだと言える。だから作成例は歴史の割りに少ない。SDモデルの例が少ない他の理由として、あまりにも著名な「成長の限界」型のモデルのパターンに拘り、他のパターンが自由に出てこなかったという事もある。云わば、孤高を保った状態である。
SDの内容、機能を厳密に特定は出来ないが、通常通用する定義は可能だ。繰り返しになるが、オープン型モデリング手法で、構造、因果、フィードバック主体のモデリングで、変数種はレベル変数とレイト変数、その他から成り、定性性を重視する。他の数値シミュレーションが予測の精度を評価に使うが、定性的な評価、傾向、挙動のパターンなどの評価を重視する。以上のようなものだが、考え方や表現力が重要であり、変数種の区別やモデル構造などの云わば文法的なものは自由と考えても特に問題はない。さらに、適用問題と目的に応じて、手法を発展させるのも自由だが、オリジナルの機能から飛躍すれば、新しい別の手法と見なせるし、それを産みだし易い手法でもある。
一方、人工知能(AI)の研究に知識表現の研究があり、その一つにモデルベースというものがある。これは実現例は少なく、技術も明確には確立していないが、アイデアや必要な機能は混乱しながらもそれなりのコンセンサスがあるようだ。それは、モデルが知識表現の有力な一つと言う事である。そして、SDモデルは、オリジナルのSDにはたとえ知識表現の発想が無くても、知識表現と見なし、扱い、発展させる事が可能と言う潜在力を持つ。
SDの本来、追求すべき機能である、構造や因果の把握、表現は定量に拘らずに、あるいは精度に拘らずに、云わば、定性性、言い換えれば意味のある自由な表現を追求するものだが、この定性性を追及したい。即ち、SDの本来の狙い、長所を伸ばし達成する。一方で、欠点である、モデリングの困難さを軽減する。困難さの根底にあるのは、システムとしての完璧性、完全性にある。これは必要なものであるが、モデル作成者が全てそれを背負うと、本来の鋭い直感的な把握と表現に素直に従うモデリングが困難になる場合がある。例えば、対象の変化を柔軟に取り込む機能は必須である。これはそのモデルの本来の観点の大筋が通用するとして、別の観点の変化が大きい場合に、このモデルの全てを棄却するのが合理的でない場合に、この変化をモデルに取り込むと言うものである。別の例としては、変数の値の範囲の制約や変数間の関数関係の制約が自明に存在する場合などには、その事と対策をモデリング作業の主たる部分から外し、シェルなり支援システムで対応する。作業の分担である。あるいは、そのモデルの主題とそれ以外の部分で他のシステムなりモデルに既存のものがあるなら、全てを同一知的作業レベルで新規に記述するのではなく、あるもの、存在するものとして、利用できれば助かる。自分がモデルの世界に存在する事で、その世界の他のものの存在を活かす、逆に自分も活きる。利用し利用されると言い換えてもよい。こういう機能があれば、モデル作成は楽である。本質ではないと言えば、幾分云いすぎだが、主たる関心事ではないものの記述の手間は省きたい。これは合理的な要求事項である。
上記の要求事項の中、変数値の置き換え機能の必要性の補足説明である。オリジナルのSDには対象の変化を柔軟に取り込む機能はない。また、オリジナルのSDに制約が含まれるかは不明である。制約には様々なものがあるが、例えばゼロデバイドや変数の値の範囲が誰が見ても非現実な場合などはチェックを入れる、何らか対処するのはコンピュータで計算する作業一般の常識であるから、機能に自明に入っていると見なす。それ以上の制約の処理はオリジナルには入っていない。以上も含めて、変数値をモデルの正規の流れ以外で得る値で置き換えたり、他で計算された変数値を使って、モデルを計算する事や、一度計算された変数値を使って、計算、再計算をする事は、オリジナルのSDのオーソライズされた機能には入っていない。繰り返しになるが、自由な表現を実現する為には、この機能は必須である。
SDはオープン型モデリング手法であるが、AIでは一般的であるゴールの概念がない。また、最適化の概念もない。感度などの数値計算的な概念は不明だが、薄いようだ。SDはあるがままの記述で変数の変動を追う、挙動を追うが、その計算値は設定した初期値と境界条件に依存する。解釈、評価はモデルの構造と設定する計算条件に対して行われる。ここでの問題点は解釈、評価が判り難い事、モデルを操作し難い事である。結果のグラフ表示は視覚効果はあるが、操作の効果の判読は難しい。ゴール設定が可能であれば、ゴール達成か否かが容易に判別できるし、ゴール達成という目標が出来、モデルの動きも理解し易くもなる。ゴール達成の為の動きを奨励出来るなら、モデルはそれを達成する動きをする。最適化も同様であり、操作できる変数、選択できる変数があれば、最適化となるような操作や選択がなされる。単なる予測が目的であっても、計算に取り掛かったら、最適化などの意味で何も操作するものがない、選択するものがない、条件が変わらないと言うのもまた計算期間にもよるが、場合によればあり得ない仮定である。尚、最適化の意味ではない計算の時点や変数や変数値に対応した選択などの機能はテーブル関数などとしてオリジナルに備わっている。ゴールもそれがあれば必ずモデルを歪めるというようなものでもない。歪めない設定も可能である。様々な自由な設定が出来れば、様々な自由なシミュレーションが出来る。シミュレーションの目的を予測、想像、創造と広げるには、表現の自由さ、評価の豊富さに繋がる豊富な機能が必要である。
SDモデルには世界モデルやアーバンモデルという著名なものがあるし、実例が少ないとはいえ、幾つかのモデルも国内で開発されている。しかし、それらは閉じられた状態であり、他人がそれらを活かして使う、あるいは自分のものと複数併せて使うと言うような事は考えられていない。モデルを知識と見なせば、知識は相互利用されて価値を増す。ここで記述するモデルは単なる静的な知識ではなく、マンマシンとしてだが、問題解決、創造までの機能を持つ事を目指すから、複数のモデルを並べる事から進めて競争、協調、学習、機能向上などの機能を実現したい。モデルが多数存在する事で新規のモデル開発の負担が軽減できる事を上で記述したが、ここでは、複数のモデルが存在し、情報か計算かのやり取りをする事などで、個々のモデルの機能が向上したり、複数のモデルから成る全体としてのシステムが機能向上する仕組みが構築できれば、進化するモデルが実現出来る事になる。進化とは適応であったり、マンマシンも含む機能の獲得、学習であったりする。元のモデルが影も形もない全く別のモデルに変わる事はないにしても、機能から見たら元で設定した式などが全く使われないと言うような事もあり得るだろう。SDの狙う自由な表現と完全性の確保の要求からは、複数モデルを扱う機能は必須である。単一の巨大なモデルでその中だけで機能していた鋭いモデル部分、これは知識表現に相当するが、それを別の目的を持つ、別のモデルでも役立てる。このような機能が必要である。これは学ぶ側、あるいは利用する側からは、学ぶ自由、変化する自由、利用する自由を手に入れる事である。教える側は己の別部分を交換で学んでも良いし、何らかの評価を上げる事、対価を貰う事もあり得る。何より複数のモデルの集まり全体の機能が向上し、繰り返しになるが、SDの狙う自由な表現と完全性の確保がより容易な方向に進化する。
SDFにより解決したい課題は以上の通りである。
SDFにより解決したい課題は以上の通りである。
(イ)SDF変数値変更機能について説明する。
SDFでは、対象の変化を柔軟に取り込む為に、他のモデルなどで計算された変数値を使って、計算する、置き換える機能を持つ。また、自由なモデリングの為には表現法、計算法の多様化が必須だが、その一環として、一度計算された変数値を使って、最適化や加工や補正をする計算、再計算の機能を持つ。
また、制約では、モデルの中に明示的に変数値の範囲をチェックしたり置き換えたり、変数間の等価や関数関係を設定する機能を持つ。この制約の記述により、モデルの本筋の記述は制約に関わらない、より本質的な記述を中心にして、より自由に記述出来るようになる。これらは何れも、モデルの正規の計算の流れ以外や、流れを超えた変数値変更機能であるが、正規部分をより自由に本質的な記述に集中させる事に貢献する。そして、全体として機能の向上、手法の高度化に繋がる。
SDFでは、対象の変化を柔軟に取り込む為に、他のモデルなどで計算された変数値を使って、計算する、置き換える機能を持つ。また、自由なモデリングの為には表現法、計算法の多様化が必須だが、その一環として、一度計算された変数値を使って、最適化や加工や補正をする計算、再計算の機能を持つ。
また、制約では、モデルの中に明示的に変数値の範囲をチェックしたり置き換えたり、変数間の等価や関数関係を設定する機能を持つ。この制約の記述により、モデルの本筋の記述は制約に関わらない、より本質的な記述を中心にして、より自由に記述出来るようになる。これらは何れも、モデルの正規の計算の流れ以外や、流れを超えた変数値変更機能であるが、正規部分をより自由に本質的な記述に集中させる事に貢献する。そして、全体として機能の向上、手法の高度化に繋がる。
(ロ)弱ゴールとその機能について説明する。
オリジナルのSDにはゴール機能はない。ゴール機能とは、ゴールを設定し、それが達成されれば成功、達成されなければ失敗とするものであるが、ゴールを複数にしたり、構造化したり、成功後、失敗後もそれぞれ処理記述を行うなどで多様な展開も可能である。ここでは、基本として、ゴール設定と成功か否かを判定するだけの機能を弱ゴールと呼ぶ。SDもSDFもオープン型モデリング手法であるが、弱ゴールでは、もとのモデルを歪める事なしに、即ち、意図的な操作などなしに、云わば、本来のあるがままの変動、挙動を追い、解釈、評価に於いて、ゴール達成か否かに用いるものである。利点は分かり易い事であり、ゴール判定後の計算の進行等は自由であり、弱ゴールの範疇外である。
オリジナルのSDにはゴール機能はない。ゴール機能とは、ゴールを設定し、それが達成されれば成功、達成されなければ失敗とするものであるが、ゴールを複数にしたり、構造化したり、成功後、失敗後もそれぞれ処理記述を行うなどで多様な展開も可能である。ここでは、基本として、ゴール設定と成功か否かを判定するだけの機能を弱ゴールと呼ぶ。SDもSDFもオープン型モデリング手法であるが、弱ゴールでは、もとのモデルを歪める事なしに、即ち、意図的な操作などなしに、云わば、本来のあるがままの変動、挙動を追い、解釈、評価に於いて、ゴール達成か否かに用いるものである。利点は分かり易い事であり、ゴール判定後の計算の進行等は自由であり、弱ゴールの範疇外である。
(ハ)強ゴールとその機能について説明する。
ゴール設定と操作変数の指定や設定とゴール達成を目指す操作及び、成功か否かの判定までを行う機能を強ゴールと呼ぶ。ゴールはSDモデルのレベル変数などの変数のある期の値がある範囲内とかある範囲外などで与えたり、それらを組み合わせて与えたりする。操作変数は操作可能な変数と操作可能な値の範囲などを指定する。モデルは強ゴール計算の対象となる変数と期に対してのみ強ゴールの計算を行う。強ゴールの計算は操作変数の操作でゴールの条件が満たされたら成功、満たされなければ失敗である。この計算の過程で、強ゴール達成の為に、ゴールを満たす方向に操作変数を操作する事になる。成功の際、ゴールに使った変数と操作変数の値はそのゴールを満たした値、それを計算した値となる。強ゴールは弱ゴールと違い、もとのモデルをゴール達成の方向に変動させる。歪める。SDFはモデル分析に於いて、予測、想像、創造までを目指すから、豊富な機能を持つ必要がある。尚、失敗した時の処理は自由である。通常は仮説の検証を目的とした使い方などが考えられる。実際の動きに合う仮説に変更され以降が計算、再計算されると言う使い方が自然には考えられる。
ゴール設定と操作変数の指定や設定とゴール達成を目指す操作及び、成功か否かの判定までを行う機能を強ゴールと呼ぶ。ゴールはSDモデルのレベル変数などの変数のある期の値がある範囲内とかある範囲外などで与えたり、それらを組み合わせて与えたりする。操作変数は操作可能な変数と操作可能な値の範囲などを指定する。モデルは強ゴール計算の対象となる変数と期に対してのみ強ゴールの計算を行う。強ゴールの計算は操作変数の操作でゴールの条件が満たされたら成功、満たされなければ失敗である。この計算の過程で、強ゴール達成の為に、ゴールを満たす方向に操作変数を操作する事になる。成功の際、ゴールに使った変数と操作変数の値はそのゴールを満たした値、それを計算した値となる。強ゴールは弱ゴールと違い、もとのモデルをゴール達成の方向に変動させる。歪める。SDFはモデル分析に於いて、予測、想像、創造までを目指すから、豊富な機能を持つ必要がある。尚、失敗した時の処理は自由である。通常は仮説の検証を目的とした使い方などが考えられる。実際の動きに合う仮説に変更され以降が計算、再計算されると言う使い方が自然には考えられる。
(ニ)モデル間コミュニケーションによるデフォルトの機能について説明する。
複数あるいは多数のモデルが存在し、モデル間あるいはそれらの作る世界で多くの変数が共通に参照できる環境であるとする。新しいモデルを作る際、主要な部分は作成者が考えて作る新規のモデリングであるのが通常だが、既存のモデルで作る上記の世界で既に同じ変数があったり、既存の関係から同じものが求まる場合には、その新しいモデルの目的からみて使える変数の参照をする。これは、モデリングの知的作業の中心を主たる部分に集中させる方法であり、合理性がある。より詳しく、変数の参照の方法を説明する。
新しいモデルを作る際に、新しいモデルで使う変数が既存の世界の変数から決まる関係にある、即ち、新しい変数と既存の変数がある関数関係にある時で、しかも、決定に必要な変数以外のもの、重みやパラメータなどが決定可能な時、即ち、新しい変数が決定可能な時、それで決まる変数値をデフォルトとして新しいモデル用の変数値に使用して、そのモデルを作り計算する。ここで決定が不可能ならこのデフォルトは求める事は出来ない。自身でモデリングが必要という事になる。上記は基本の考え方であるが、参照すべき変数で同じ役割りのものが複数ある場合の処理や、デフォルトを求める式が複数ある場合の処理はモデルの作成者の裁量になるが、基本の考え方があれば、後は自由なモデリングの範疇になる。上記で、複数のモデルがあり、その間で変数値などの情報をやり取りして、計算などをする事一般をモデル間コミュニケーションと呼ぶ事にする。
複数あるいは多数のモデルが存在し、モデル間あるいはそれらの作る世界で多くの変数が共通に参照できる環境であるとする。新しいモデルを作る際、主要な部分は作成者が考えて作る新規のモデリングであるのが通常だが、既存のモデルで作る上記の世界で既に同じ変数があったり、既存の関係から同じものが求まる場合には、その新しいモデルの目的からみて使える変数の参照をする。これは、モデリングの知的作業の中心を主たる部分に集中させる方法であり、合理性がある。より詳しく、変数の参照の方法を説明する。
新しいモデルを作る際に、新しいモデルで使う変数が既存の世界の変数から決まる関係にある、即ち、新しい変数と既存の変数がある関数関係にある時で、しかも、決定に必要な変数以外のもの、重みやパラメータなどが決定可能な時、即ち、新しい変数が決定可能な時、それで決まる変数値をデフォルトとして新しいモデル用の変数値に使用して、そのモデルを作り計算する。ここで決定が不可能ならこのデフォルトは求める事は出来ない。自身でモデリングが必要という事になる。上記は基本の考え方であるが、参照すべき変数で同じ役割りのものが複数ある場合の処理や、デフォルトを求める式が複数ある場合の処理はモデルの作成者の裁量になるが、基本の考え方があれば、後は自由なモデリングの範疇になる。上記で、複数のモデルがあり、その間で変数値などの情報をやり取りして、計算などをする事一般をモデル間コミュニケーションと呼ぶ事にする。
(ホ)モデル間コミュニケーションによる計算の進行について説明する。
上記(ニ)は新規のモデル作成の場合で、開発の効率性を考慮した場合の事項だが、ここは既存のモデルを用いて、計算する場合に、環境に上と同様の当該のモデルのある変数の決定に対して関数関係にある変数がある場合である。自身のモデルのこのある変数を決めるモデル部分に自信がないなどの理由で出来ればそこを保留にしたい場合で、それよりも優れたモデリングが環境の他のモデルにありそうな場合には自身の方にその旨指定しておき、他のモデル由来で自身のモデルの変数値が決定できるプロセスが成立して、この変数値が決まればそれを採用すると言うものである。
前項の記述と同様に、自身が他を参照する例であったが、モデルがしっかりと作成されて、自身に自信がある場合にはその変数を参照させる指定にしておく。その変数と関数関係にあり、変数値を決めて欲しいモデルがあれば、決定する計算のプロセスに従い、決めて欲しい値を決めるという事も上記の逆であり得る。
ここでも基本は上記(ニ)と同じである。そして、変数値を決定する関数関係に関して、環境中に決めるものが複数の場合や、決めて貰うものが複数の場合などの処理は、基本の考え方に従いながら、後はかなり自由な、あるいは問題向きのバリエーションがある。ここでは、特定のモデル間の参照の指定などについては述べていないが、モデル間の変数間の関数関係の指定で選択の自由がない場合には、実質は特定の参照の関係となる。
上記(ニ)は新規のモデル作成の場合で、開発の効率性を考慮した場合の事項だが、ここは既存のモデルを用いて、計算する場合に、環境に上と同様の当該のモデルのある変数の決定に対して関数関係にある変数がある場合である。自身のモデルのこのある変数を決めるモデル部分に自信がないなどの理由で出来ればそこを保留にしたい場合で、それよりも優れたモデリングが環境の他のモデルにありそうな場合には自身の方にその旨指定しておき、他のモデル由来で自身のモデルの変数値が決定できるプロセスが成立して、この変数値が決まればそれを採用すると言うものである。
前項の記述と同様に、自身が他を参照する例であったが、モデルがしっかりと作成されて、自身に自信がある場合にはその変数を参照させる指定にしておく。その変数と関数関係にあり、変数値を決めて欲しいモデルがあれば、決定する計算のプロセスに従い、決めて欲しい値を決めるという事も上記の逆であり得る。
ここでも基本は上記(ニ)と同じである。そして、変数値を決定する関数関係に関して、環境中に決めるものが複数の場合や、決めて貰うものが複数の場合などの処理は、基本の考え方に従いながら、後はかなり自由な、あるいは問題向きのバリエーションがある。ここでは、特定のモデル間の参照の指定などについては述べていないが、モデル間の変数間の関数関係の指定で選択の自由がない場合には、実質は特定の参照の関係となる。
(ヘ)モデル間コミュニケーションによる良いとこ取りの方法について説明する。
これもモデル間コミュニケーションに属すが、既存のモデルの優れた変数などの部分を良いとことして、指定し、あるモデルを実行する際に様々なモデルの様々な良いとこを使って、自己の変数値を決定して行く、すなわち、計算する方法である。この良いとこの基準は、実行するあるモデル自身の目的などから自ずと決まるものである。良いとこが決まった後の計算の方法は自明であるから、良いとこを決める方法をここでは主に考える。まず指定は上記(ニ)、(ホ)の参照する、させる時の指定と同様である。自身のモデルの中で、他のモデルの良いとこで置き換えたい変数を参照するに指定し、他のモデルの良いとこの候補を参照させる指定とする。モデルを超える変数間の関数関係で決定するメカニズムを使い、自己のモデルを決定し、計算し、評価値を計算する。評価値はあるモデルの目的などから決める評価の計算法に従う。通常はその評価値が最大となるような、変数の参照に関わる指定の組み合わせ、即ち、良いとこ取りの組み合わせが、その自己のモデルのその目的で見た、良いとこ取りと言う事になる。最大に拘らずある基準を満たす最初のもので決める方法などもあるが考え方の大筋は同じである。基本の考え方がこのようなものであるが、より具体的な問題に応じてバリエーションがあり得るだろう。尚、良いとこ取りと同じ発想で、悪いとこ取り、悪いとこ外し、良いとこ外しなども可能である。何れも、参照に関わる指定の設定、及び評価関数の設定、この基本の考え方のバリエーションで出来る。上記では、良いとこなどを指定の中から最適に選択する方法を述べたが、モデル作成者が、自由な基準で選択、あるいは指定して、云わば好みで決定して、それを良いとことする方法もある。
これもモデル間コミュニケーションに属すが、既存のモデルの優れた変数などの部分を良いとことして、指定し、あるモデルを実行する際に様々なモデルの様々な良いとこを使って、自己の変数値を決定して行く、すなわち、計算する方法である。この良いとこの基準は、実行するあるモデル自身の目的などから自ずと決まるものである。良いとこが決まった後の計算の方法は自明であるから、良いとこを決める方法をここでは主に考える。まず指定は上記(ニ)、(ホ)の参照する、させる時の指定と同様である。自身のモデルの中で、他のモデルの良いとこで置き換えたい変数を参照するに指定し、他のモデルの良いとこの候補を参照させる指定とする。モデルを超える変数間の関数関係で決定するメカニズムを使い、自己のモデルを決定し、計算し、評価値を計算する。評価値はあるモデルの目的などから決める評価の計算法に従う。通常はその評価値が最大となるような、変数の参照に関わる指定の組み合わせ、即ち、良いとこ取りの組み合わせが、その自己のモデルのその目的で見た、良いとこ取りと言う事になる。最大に拘らずある基準を満たす最初のもので決める方法などもあるが考え方の大筋は同じである。基本の考え方がこのようなものであるが、より具体的な問題に応じてバリエーションがあり得るだろう。尚、良いとこ取りと同じ発想で、悪いとこ取り、悪いとこ外し、良いとこ外しなども可能である。何れも、参照に関わる指定の設定、及び評価関数の設定、この基本の考え方のバリエーションで出来る。上記では、良いとこなどを指定の中から最適に選択する方法を述べたが、モデル作成者が、自由な基準で選択、あるいは指定して、云わば好みで決定して、それを良いとことする方法もある。
(ト)モデルの進化の実現法について説明する。
これもモデル間コミュニケーションに属するが、例えば対立する理論をモデル化したモデルがそれぞれあり、ある課題を持つ別のモデルが部分部分で何れかのモデルからの決定を用いる、即ち、この事をその理論を採用すると見なすとすると、このある課題のモデルは両方の理論からのモデルの組み合わせであり、上手く行けば、最強の性格を持つモデルにもなり得る。進化とは進歩と言う意味ではなく、変化に近い意味だそうだが、この組み合わせで出来る、各モデルの中から生き残った一つ又は複数の最終モデルを評価すれば、それを作り出す評価基準と選択の組、ここでは変数の参照する参照させる指定の組を得る事が出来る。評価基準は本質的には進化の方向性を示すものだが、最終の選択の組に従う計算値や様々の視点の評価値から逆に推定する事になるが、それを求める事が出来る。
上記では、(1)ある課題の目標やそれを基準とした評価値、(2)部分部分での選択、(3)進化から見た最終の選択・生き残りに関わる基準や評価値、(4)進化の方向を示すものの4種のキー情報の中、(1)は1個、(2)は部分部分で主には2個からの選択、(1)と(3)が与件、又は容易に求まる形で与えられ、(2)と(4)が、解として求まるものだった。
上記では対立する理論からのモデルで環境には2個のモデルが存在する事を仮定したが、対立には拘らずに多数のモデルが存在し、多数の変数が関数関係にあり、(1)と(4)が複数となるなどで様々な選択が成されるとしたら、その世界での最適な選択はかなり意味のある選択に近づくだろう。これはある課題のモデルが多様性を活かして進化する事と同意である。同様にある課題以外の課題を通常は持つ各モデルの計算を主体として行う際にも、その進化をその世界内で行う事が出来る。尚、各進化は各モデルが(1)で持っていた目標に従う進化ではなくて、結果から見た、(3)(4)から見た進化である。各モデルが進化できる環境は、複数のモデル、多数のモデルが存在する環境自体が進化する環境であると言えるだろう。要するにモデルもそれから成る世界、又は環境も進化する事を実現出来る。ここでの多様性はモデルが多数存在する事、モデル内の変数が多数存在する事、より本質的には多様なモデルと変数が存在する事で保証される。
多数のモデル間で、優れたモデル部分が選択される、強化されると言う意味での進化の機能の実現が成されると云える。
これもモデル間コミュニケーションに属するが、例えば対立する理論をモデル化したモデルがそれぞれあり、ある課題を持つ別のモデルが部分部分で何れかのモデルからの決定を用いる、即ち、この事をその理論を採用すると見なすとすると、このある課題のモデルは両方の理論からのモデルの組み合わせであり、上手く行けば、最強の性格を持つモデルにもなり得る。進化とは進歩と言う意味ではなく、変化に近い意味だそうだが、この組み合わせで出来る、各モデルの中から生き残った一つ又は複数の最終モデルを評価すれば、それを作り出す評価基準と選択の組、ここでは変数の参照する参照させる指定の組を得る事が出来る。評価基準は本質的には進化の方向性を示すものだが、最終の選択の組に従う計算値や様々の視点の評価値から逆に推定する事になるが、それを求める事が出来る。
上記では、(1)ある課題の目標やそれを基準とした評価値、(2)部分部分での選択、(3)進化から見た最終の選択・生き残りに関わる基準や評価値、(4)進化の方向を示すものの4種のキー情報の中、(1)は1個、(2)は部分部分で主には2個からの選択、(1)と(3)が与件、又は容易に求まる形で与えられ、(2)と(4)が、解として求まるものだった。
上記では対立する理論からのモデルで環境には2個のモデルが存在する事を仮定したが、対立には拘らずに多数のモデルが存在し、多数の変数が関数関係にあり、(1)と(4)が複数となるなどで様々な選択が成されるとしたら、その世界での最適な選択はかなり意味のある選択に近づくだろう。これはある課題のモデルが多様性を活かして進化する事と同意である。同様にある課題以外の課題を通常は持つ各モデルの計算を主体として行う際にも、その進化をその世界内で行う事が出来る。尚、各進化は各モデルが(1)で持っていた目標に従う進化ではなくて、結果から見た、(3)(4)から見た進化である。各モデルが進化できる環境は、複数のモデル、多数のモデルが存在する環境自体が進化する環境であると言えるだろう。要するにモデルもそれから成る世界、又は環境も進化する事を実現出来る。ここでの多様性はモデルが多数存在する事、モデル内の変数が多数存在する事、より本質的には多様なモデルと変数が存在する事で保証される。
多数のモデル間で、優れたモデル部分が選択される、強化されると言う意味での進化の機能の実現が成されると云える。
(チ)その他の機能の主なものを説明する。
オリジナルのSDが本来持つ機能はSDFも持つ。オリジナルのSDでは存在は不明だが、定量あるいは計量モデルで定性的なシミュレーションを行うのに有効と思われる感度解析等の機能を持つ。SDF固有の機能から派生した機能、関連した機能、機能間の関係を保つ為の機能で必要と思われる機能を持つ。
オリジナルのSDが本来持つ機能はSDFも持つ。オリジナルのSDでは存在は不明だが、定量あるいは計量モデルで定性的なシミュレーションを行うのに有効と思われる感度解析等の機能を持つ。SDF固有の機能から派生した機能、関連した機能、機能間の関係を保つ為の機能で必要と思われる機能を持つ。
以上に説明した、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)の多様な機能により、表現の自由と完全性の確保を満たし、様々な自由なシミュレーションが出来、その目的と機能を予測から、想像、創造へと広げたSDF手法を確立する。
SDFの多様な機能を活かした、優れた表現の確保、優れたデフォルトの確保、進化の機能の達成などにより、SDが本来狙う自由な表現と完全性の確保が、可能かつ容易となり、予測、想像、創造までシミュレーションの機能を拡張する事が出来る。
SDFは、地球環境、大都市、先端医療等の各問題で対象を自由にモデル表現して、仮説をたて、検証をし、競い、最適解を得、他の既存のモデルと組み合わせ、良いとこ取りをし、進化するというような機能を持つ、知的な手法である。また、同じ分野の多様なモデルを集める事で、世界を作り、進化も促進されるので、分野を選び、具体的にモデリングを行い、使う事で、役立つし、さらに発展もする。
大都市圏の大都市問題の内、都心に集中的に現れる問題を大都市圏の成長と関連させて捉える。大都市圏の人口の増加が都心の産業活動を活発化させるが、この活動を都心の建物の用途別延べ床面積と昼間人口、夜間人口などと関連させて、解析するモデルを考える。産業活動は事務所用途と商業用途の延べ床面積の増加に象徴的に現れるとする。また都心の昼間人口の増加に現れるとする。建物に関しては、各用途別の延べ床面積、敷地面積という変数があるが、敷地面積は土地の有限性からその時点の平均階数も加味して、ある制約関係が成り立つ。要は敷地面積の合計はある範囲内である。また、昼間人口と夜間人口の差は都心への流入人口であるが、これも交通機関の容量からある制約関係が成り立つ。こういう制約関係をモデルのダイナミクスを表現する本体とは別に記述すれば、この制約などを特に気にしないで、自由にモデリングが出来る。それは、各用途床の増加の競争のモデルであるが、付加価値、環境負荷の違いなどに基づき、事務所用途と商業用途が極端に増加、集中するというものである。
実施例1では、一つのモデルの中に大都市圏の人口などの変数と都心の昼間人口、床面積などの変数を持っていたが、大都市圏を扱う別のモデルを作り、そこでは、国の人口や経済活動などとその大都市圏の経済活動や人口が計算されるものとする。その方が巨視的な関係から正当性が高いと判断した。この新しいモデルの大都市圏の人口という変数を参照して、元の大都市圏の都心のモデルの計算を行った。2つのモデルの変数の参照する、参照させる指定を使い、関数関係も単純な等式で、決定のメカニズムも2つのモデルからの2つの変数間だけだから、シンプルである。逆に、都心のモデルの計算から、もう一方のモデルに変数を参照させれば、双方向になる。これは相応しいものがあれば、可能であり、原則はその期の計算で実行が可能であれば可能である。これはモデルの決定のプロセスが成り立てば可という事であり、成り立たなければ不可である。即ち、計算できない場合もある。
都心の地価や文化水準の向上が大都市圏の全体としての魅力や暮し易さや価値に繋がるという事も表現できる。反対に都心の治安の悪化やラッシュや渋滞が集積の不利益として、大都市圏の価値を下げると言う事も表現出来る。都心居住の増加は通勤難の解決、都心の地域社会の再生に役立つという事も表現出来る。大都市圏に競争力のある産業があれば、都心も大都市圏も成長する。都心を効率化し、都心への交通も効率化すれば、大都市圏も成長する。空間的に広がると言う意味ではなくて、付加価値と環境水準が上がるというような意味である。こういう事も表現出来る。
都心の地価や文化水準の向上が大都市圏の全体としての魅力や暮し易さや価値に繋がるという事も表現できる。反対に都心の治安の悪化やラッシュや渋滞が集積の不利益として、大都市圏の価値を下げると言う事も表現出来る。都心居住の増加は通勤難の解決、都心の地域社会の再生に役立つという事も表現出来る。大都市圏に競争力のある産業があれば、都心も大都市圏も成長する。都心を効率化し、都心への交通も効率化すれば、大都市圏も成長する。空間的に広がると言う意味ではなくて、付加価値と環境水準が上がるというような意味である。こういう事も表現出来る。
ここでは幾分抽象的になる。モデル1はある都市の成長するモデルである。モデル2はコンパクトシティー(CC)化の理論(都市を人間サイズに纏める考え方)をモデル化したものである。モデル3は非CC化でモータリゼーション化の理論をモデル化したものである。モデル1はある目的、ビジョンと評価基準を持って成長、衰退、変化を続けるとする。その変化の幾つかの段階で、モデル2からの参照か、モデル3からの参照かの判断をするとする。モデル1の持つ基準がCCに近いものなら、モデル2からの参照が多くなるし、非CCに近いものならモデル3からの参照が多くなる。モデル2の側からは、そのモデル部分のどこが参照されるか、参照されないか、が分り、実用性、有用性が分り、改良点も分る。これはモデル3も同様である。モデル1を多数例、様々に作り計算すればその効果は高い。モデル1からの観点に戻ると、参照するのが、モデル2と3だけでなく、より多くの都市理論からのモデルが用意されれば、また違った発展が成される。モデル1の選択、決定が所謂、神の手による絶対的なものによる選択の代替と見なすなら、各理論、各モデルは各段階で取捨選択されている、即ち、理論や仮説が採択や棄却をされている事になる。但し、これも、多くのモデル1が存在すれば、結果は変わる。相性のよい理論と例もあるだろう。都市の進化と都市理論の進化の表現だと言える。
実施例3のモデル1が多数例、様々にあるとして、その中にモデル2そのものも、モデル3そのものもあるとしても問題はない。モデル1の殆どのモデルはここでは2つの理論からの組み合わせであり、2つ以上の例えば全ての都市理論を考えるとすれば、全ての都市理論をそれぞれモデル化したものからの組み合わせである。例えば、今の日本の都市をモデル表現して、何らかの、都市の評価を行い、この評価値を向上させたいとすると、どの理論を適用するのが最も適するかを計算する事が出来る。厳密には、各都市毎に異なるし、都市の規模や特性や立地などのパターン毎にも異なるだろうが、平均として殆ど全てに成り立つ有効な理論、都市モデルも計算で求まる可能性もある。ある都市理論のそのままのモデルに別のものを継ぐと、この評価値が上がるような事もあるかも知れない。モデル間コミュニケーションによる進化の例だが、評価を固定した場合の分かり易い例である。
都市間競争のモデルである。複数の都市があり、それらが競争するとする。それぞれモデル1、モデル2、モデル3などのモデルで表現される。各都市はそれぞれが目標を持ち、それを達成する為の意思決定と行動をするとする。それは強ゴールで表現されたり、最大や最小など最適化で表現される。各都市で企業が活動するとして、新たに生ずる工場拡張や新設などの投資をどこの都市にするかを決めるとする。企業は様々な要因を考慮して、自社に有利な都市を選ぶ。同じく、各都市で暮す住民が就職、退職その他の理由で住所を変えるとする。住民は様々な要因を考慮して、自分に有利、可能な都市を選ぶ。企業や住民に選択された都市は成長する。企業も住民もある割合で変動、主には減少するとすれば、評価の低い、あるいは魅力のない都市は衰退する。各都市は企業が増え、住民が増えるか、企業が増え、住民が減るか、企業が減り、住民が増えるか、企業も住民も減るかの状態になる。それが各都市の目標と合えばよいし、合わなければ政策の変更が必要となる。自分の都市だけでなく、他の都市、さらには地球的な問題も関わるから、政策もモデルの境界も決め難いが、地球的な問題があるとしても、国内の都市間の問題と自分の都市の問題の部分は存在する。地球的な問題が軽微な影響となれば、都市間や自分の都市そのものが大きな問題、あるいは関心対象となる。この地球規模の現象もモデルに並べる事で、複数の都市と地球規模の現象の併行進行の考慮が可能である。これは各モデルに強ゴールなどを設定した場合のモデル間コミュニケーションの例である。
SDFはシミュレーションの機能を予測から、想像、創造まで拡張した、知的な手法である。地球環境、大都市、先端医療の各問題に限らず、産業分野の幅広い場面で問題解決や創造で付加価値と生産性を上げ、社会の効用を上げる事が出来る。
Claims (7)
- SDFでは、対象の変化を柔軟に取り込む為に、他のモデルなどで計算された変数値を使って、計算する、置き換える機能を持つ。また、自由なモデリングの為には表現法、計算法の多様化が必須だが、その一環として、一度計算された変数値を使って、最適化や加工や補正をする計算、再計算の機能を持つ。
また、制約では、モデルの中に明示的に変数値の範囲をチェックしたり置き換えたり、変数間の等価や関数関係を設定する機能を持つ。この制約の記述により、モデルの本筋の記述は制約に関わらない、より本質的な記述を中心にして、より自由に記述出来るようになる。これらは何れも、モデルの正規の計算の流れ以外や、流れを超えた変数値変更機能であるが、正規部分をより自由に本質的な記述に集中させる事に貢献する。そして、全体として機能の向上、手法の高度化に繋がる。
以上に説明する、SDF変数値変更機能。 - オリジナルのSDにはゴール機能はない。ゴール機能とは、ゴールを設定し、それが達成されれば成功、達成されなければ失敗とするものであるが、ゴールを複数にしたり、構造化したり、成功後、失敗後もそれぞれ処理記述を行うなどで多様な展開も可能である。ここでは、基本として、ゴール設定と成功か否かを判定するだけの機能を弱ゴールと呼ぶ。SDもSDFもオープン型モデリング手法であるが、弱ゴールでは、もとのモデルを歪める事なしに、即ち、意図的な操作などなしに、云わば、本来のあるがままの変動、挙動を追い、解釈、評価に於いて、ゴール達成か否かに用いるものである。利点は分かり易い事であり、ゴール判定後の計算の進行等は自由であり、弱ゴールの範疇外である。
以上に説明する、弱ゴールとその機能。 - ゴール設定と操作変数の指定や設定とゴール達成を目指す操作及び、成功か否かの判定までを行う機能を強ゴールと呼ぶ。ゴールはSDモデルのレベル変数などの変数のある期の値がある範囲内とかある範囲外などで与えたり、それらを組み合わせて与えたりする。操作変数は操作可能な変数と操作可能な値の範囲などを指定する。モデルは強ゴール計算の対象となる変数と期に対してのみ強ゴールの計算を行う。強ゴールの計算は操作変数の操作でゴールの条件が満たされたら成功、満たされなければ失敗である。この計算の過程で、強ゴール達成の為に、ゴールを満たす方向に操作変数を操作する事になる。成功の際、ゴールに使った変数と操作変数の値はそのゴールを満たした値、それを計算した値となる。強ゴールは弱ゴールと違い、もとのモデルをゴール達成の方向に変動させる。歪める。SDFはモデル分折に於いて、予測、想像、創造までを目指すから、豊富な機能を持つ必要がある。尚、失敗した時の処理は自由である。通常は仮説の検証を目的とした使い方などが考えられる。実際の動きに合う仮説に変更され以降が計算、再計算されると言う使い方が自然には考えられる。
以上に説明する、強ゴールとその機能。 - 複数あるいは多数のモデルが存在し、モデル間あるいはそれらの作る世界で多くの変数が共通に参照できる環境であるとする。新しいモデルを作る際、主要な部分は作成者が考えて作る新規のモデリングであるのが通常だが、既存のモデルで作る上記の世界で既に同じ変数があったり、既存の関係から同じものが求まる場合には、その新しいモデルの目的からみて使える変数の参照をする。これは、モデリングの知的作業の中心を主たる部分に集中させる方法であり、合理性がある。より詳しく、変数の参照の方法を説明する。
新しいモデルを作る際に、新しいモデルで使う変数が既存の世界の変数から決まる関係にある、即ち、新しい変数と既存の変数がある関数関係にある時で、しかも、決定に必要な変数以外のもの、重みやパラメータなどが決定可能な時、即ち、新しい変数が決定可能な時、それで決まる変数値をデフォルトとして新しいモデル用の変数値に使用して、そのモデルを作り計算する。ここで決定が不可能ならこのデフォルトは求める事は出来ない。自身でモデリングが必要という事になる。上記は基本の考え方であるが、参照すべき変数で同じ役割りのものが複数ある場合の処理や、デフォルトを求める式が複数ある場合の処理はモデルの作成者の裁量になるが、基本の考え方があれば、後は自由なモデリングの範疇になる。上記で、複数のモデルがあり、その間で変数値などの情報をやり取りして、計算などをする事一般をモデル間コミュニケーションと呼ぶ事にする。
以上に説明する、モデル間コミュニケーションによるデフォルトの機能。 - 上記請求項4は新規のモデル作成の場合で、開発の効率性を考慮した場合の事項だが、ここは既存のモデルを用いて、計算する場合に、環境に上と同様の当該のモデルのある変数の決定に対して関数関係にある変数がある場合である。自身のモデルのこのある変数を決めるモデル部分に自信がないなどの理由で出来ればそこを保留にしたい場合で、それよりも優れたモデリングが環境の他のモデルにありそうな場合には自身の方にその旨指定しておき、他のモデル由来で自身のモデルの変数値が決定できるプロセスが成立して、この変数値が決まればそれを採用すると言うものである。
請求項4の記述と同様に、自身が他を参照する例であったが、モデルがしっかりと作成されて、自身に自信がある場合にはその変数を参照させる指定にしておく。その変数と関数関係にあり、変数値を決めて欲しいモデルがあれば、決定する計算のプロセスに従い、決めて欲しい値を決めるという事も上記の逆であり得る。
ここでも基本は請求項4と同じである。そして、変数値を決定する関数関係に関して、環境中に決めるものが複数の場合や、決めて貰うものが複数の場合などの処理は、基本の考え方に従いながら、後はかなり自由な、あるいは問題向きのバリエーションがある。ここでは、特定のモデル間の参照の指定などについては述べていないが、モデル間の変数間の関数関係の指定で選択の自由がない場合には、実質は特定の参照の関係となる。
以上に説明する、モデル間コミュニケーションによる計算の進行の方法。 - これもモデル間コミュニケーションに属すが、既存のモデルの優れた変数などの部分を良いとことして、指定し、あるモデルを実行する際に様々なモデルの様々な良いとこを使って、自己の変数値を決定して行く、すなわち、計算する方法である。この良いとこの基準は、実行するあるモデル自身の目的などから自ずと決まるものである。良いとこが決まった後の計算の方法は自明であるから、良いとこを決める方法をここでは主に考える。まず指定は上記の請求項4,5の参照する、させる時の指定と同様である。自身のモデルの中で、他のモデルの良いとこで置き換えたい変数を参照するに指定し、他のモデルの良いとこの候補を参照させる指定とする。モデルを超える変数間の関数関係で決定するメカニズムを使い、自己のモデルを決定し、計算し、評価値を計算する。評価値はあるモデルの目的などから決める評価の計算法に従う。通常はその評価値が最大となるような、変数の参照に関わる指定の組み合わせ、即ち、良いとこ取りの組み合わせが、その自己のモデルのその目的で見た、良いとこ取りと言う事になる。最大に拘らずある基準を満たす最初のもので決める方法などもあるが考え方の大筋は同じである。基本の考え方がこのようなものであるが、より具体的な問題に応じてバリエーションがあり得るだろう。尚、良いとこ取りと同じ発想で、悪いとこ取り、悪いとこ外し、良いとこ外しなども可能である。何れも、参照に関わる指定の設定、及び評価関数の設定、この基本の考え方のバリエーションで出来る。上記では、良いとこなどを指定の中から最適に選択する方法を述べたが、モデル作成者が、自由な基準で選択、あるいは指定して、云わば好みで決定して、それを良いとことする方法もある。
以上に説明する、モデル間コミュニケーションによる良いとこ取りの方法。 - これもモデル間コミュニケーションに属するが、例えば対立する理論をモデル化したモデルがそれぞれあり、ある課題を持つ別のモデルが部分部分で何れかのモデルからの決定を用いる、即ち、この事をその理論を採用すると見なすとすると、このある課題のモデルは両方の理論からのモデルの組み合わせであり、上手く行けば、最強の性格を持つモデルにもなり得る。進化とは進歩と言う意味ではなく、変化に近い意味だそうだが、この組み合わせで出来る、各モデルの中から生き残った一つ又は複数の最終モデルを評価すれば、それを作り出す評価基準と選択の組、ここでは変数の参照する参照させる指定の組を得る事が出来る。評価基準は本質的には進化の方向性を示すものだが、最終の選択の組に従う計算値や様々の視点の評価値から逆に推定する事になるが、それを求める事が出来る。
上記では、(1)ある課題の目標やそれを基準とした評価値、(2)部分部分での選択、(3)進化から見た最終の選択・生き残りに関わる基準や評価値、(4)進化の方向を示すものの4種のキー情報の中、(1)は1個、(2)は部分部分で主には2個からの選択、(1)と(3)が与件、又は容易に求まる形で与えられ、(2)と(4)が、解として求まるものだった。
上記では対立する理論からのモデルで環境には2個のモデルが存在する事を仮定したが、対立には拘らずに多数のモデルが存在し、多数の変数が関数関係にあり、(1)と(4)が複数となるなどで様々な選択が成されるとしたら、その世界での最適な選択はかなり意味のある選択に近づくだろう。これはある課題のモデルが多様性を活かして進化する事と同意である。同様にある課題以外の課題を通常は持つ各モデルの計算を主体として行う際にも、その進化をその世界内で行う事が出来る。尚、各進化は各モデルが(1)で持っていた目標に従う進化ではなくて、結果から見た、(3)(4)から見た進化である。各モデルが進化できる環境は、複数のモデル、多数のモデルが存在する環境自体が進化する環境であると言えるだろう。要するにモデルもそれから成る世界、又は環境も進化する事を実現出来る。ここでの多様性はモデルが多数存在する事、モデル内の変数が多数存在する事、より本質的には多様なモデルと変数が存在する事で保証される。
多数のモデル間で、優れたモデル部分が選択される、強化されると言う意味での進化の機能の実現が成されると云える。
以上に説明する、モデルの進化の実現法。
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CN112508231A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-03-16 | 广西大学 | 一种基于系统动力学的中长期电力负荷预测方法及系统 |
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