JP2008276652A - 育成支援システム及び育成支援方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】組織の評価・改善を実施する要員に対して、必要かつ実際的な教育を短期間で実施することを可能にする。
【解決手段】要員が参画するプロジェクトに対して、プロジェクトの特徴を表す状況パラメータ131とプロジェクトにおける評価の対象の特徴を表す対象パラメータ132とを設定し、プロジェクトマッチング部141は、過去のプロジェクト事例136の中から学習者が参画するプロジェクトと類似したプロジェクト事例を選択する。学習シナリオ生成部142は、選択されたプロジェクト事例で起こった問題や、必要であったスキルや知識の情報を組み込んだ学習シナリオを作成し、学習実施部143は、作成された学習シナリオに沿って学習教材134を学習者に提供する。
【選択図】図1
【解決手段】要員が参画するプロジェクトに対して、プロジェクトの特徴を表す状況パラメータ131とプロジェクトにおける評価の対象の特徴を表す対象パラメータ132とを設定し、プロジェクトマッチング部141は、過去のプロジェクト事例136の中から学習者が参画するプロジェクトと類似したプロジェクト事例を選択する。学習シナリオ生成部142は、選択されたプロジェクト事例で起こった問題や、必要であったスキルや知識の情報を組み込んだ学習シナリオを作成し、学習実施部143は、作成された学習シナリオに沿って学習教材134を学習者に提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、育成支援システム及び育成支援方法に係り、特に、組織の評価・改善を実施するプロジェクト要員が必要とする知識の習得や、要員のスキル向上を支援する育成支援システム及び育成支援方法に関する。
企業、官庁等を含む多くの組織は、自らの組織が抱える様々な問題を解決して組織を円滑に運用することや、外部に対して、より高い価値を提供することを目的として、組織内の活動や仕組み、リソース等の組織を支える様々な要素を評価し、問題の抽出や改善を実施している。このような、組織の評価・改善の取り組みは、組織内部の活動として実施される以外に、外部の組織に対して評価・改善サービスとして提供されていることも多い。
組織の評価・改善の取り組みは、組織内の通常の業務の範囲内では実施することができないため、しばしばプロジェクトが立ち上げられる。この種のプロジェクトは、組織内部の活動として実施する場合に限らず、外部のサービスを利用する場合や外部にサービスとして提供する場合にも、サービスの利用側、提供側双方で発足させられる。ここで、プロジェクトとは、通常の業務とは異なり、決まった目標を達成するために、複数の人材がチームを形成して一定期間実施する活動のことである。
前述のようなプロジェクトを円滑に進めるためには、プロジェクトに係わる要員の育成が必要不可欠である。多くの組織では、プロジェクトの要員も含め、自らの組織が抱える人材に対して、知識の習得やスキル向上を支援するための様々な教育が実施されている。このような教育を支援する方法に関する従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。
前述の従来技術は、従業員が有する知識や技術、行動特性等を他の優秀な従業員と比較することにより、各従業員の向上すべき点や特性を診断し、その診断結果に基づいて、従業員の技能等を加味した育成計画を立案して、適切な教育・研修課程を選択し、育成計画の実行を支援するというものである。そして、この従来技術は、教育・研修の後、その結果や成果を蓄積して共有化しており、このように、従業員毎に適切な教育・研修を実施し、その情報を共有することにより、より効率的に人材を育成して、企業競争力を向上させることができるようにしている。
特開2004−246507号公報
前述したような従来技術によれば、従業員は、個々の能力に応じて、必要な知識や技能を身につけることが可能である。また、それらの情報が一元管理されているため、継続的に適切な教育を受講することができる。
しかし、実際のプロジェクトの中で、それらの学習した知識や技能を活用できるか否かは個々の従業員に依存しており、前述した従来技術は、これらが教育の一環としてサポートされていない。また、前述の従来技術は、他者と比較して必要と思われる知識や技能を幅広く習得することになるため、プロジェクトの目標を達成するために必要な知識や技能を短期間で習得したい場合には不向きであるという問題点を有している。
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、組織の評価・改善を実施する要員に対して、必要かつ実際的な教育を短期間で実施することを可能にした組織評価要員の育成支援システム及び育成支援方法を提供することにある。
本発明によれば前記目的は、組織の評価を実施するプロジェクト要員に対して学習教材を提供して要員を育成する育成支援システムであって、プロジェクトの特徴を表す状況パラメータを定義した状況モデルと、プロジェクトにおける評価の対象の特徴を表す対象パラメータを定義した対象モデルと、標準的なプロジェクトの進め方とプロジェクトの各場面で学習すべき事項を定義したシナリオテンプレートと、学習すべき事項の具体的な内容を定義した学習教材と、前記プロジェクトの各場面で必要なスキル、知識を定義したスキル・知識定義書と、過去のプロジェクト事例とが記憶された記憶手段と、前記プロジェクト要員が入出力手段を用いて入力した、前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトに対する前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値を用いて、前記プロジェクト事例の中から前記プロジェクト要員が参画するプロジェクトと類似した前記プロジェクト事例を選択するプロジェクトマッチング手段と、選択された前記プロジェクト事例で起こった問題と、必要であったスキル、知識の情報とを組み込むことにより前記シナリオテンプレートを変更した前記プロジェクト要員用の学習シナリオを作成する学習シナリオ生成手段と、前記入出力手段を用い、前記学習シナリオに沿って学習教材を前記プロジェクト要員に提供する教育実施手段とを備えたことにより達成される。
本発明によれば、学習者が参画するプロジェクトと類似した過去のプロジェクト事例で起こった問題や、必要となった知識、スキルに学習の焦点を絞ることができ、学習者は、短期間で、参画するプロジェクトで有効な問題解決力やスキルを向上し、知識を習得するための教育を受けることができる。
以下、組織評価要員の育成支援システム及び育成支援方法の実施形態を図面により詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、外部の顧客の組織評価プロジェクトに参画する学習者に対して設定された組織評価プロジェクトの特徴及び顧客の特徴を用いて、学習者が参画する組織評価・改善プロジェクト向けの学習教材を学習者に提供することにより、組織評価要員の育成支援を行うものである。
図1は育成支援システムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムは、データ入力や学習教材の表示に使用するユーザ端末101、入力データに基づいて学習者に適した学習教材を提供するサーバ装置102、学習教材等を格納する外部記憶装置103から構成される。
サーバ装置102は、一連の処理を行うCPU110、処理プログラムを格納する記憶装置111、外部機器とのインタフェース群112及びこれらを接続するバス113から構成される。記憶装置111には、入力データに基づいて学習者に適した学習シナリオを作成して教育を実施するためのプログラムにより構成されるプロジェクトマッチング部141、学習シナリオ生成部142及び教育実施部143が格納されている。前述の各プログラムは、CPU110により実行されることにより、それぞれの機能が構築される。
外部記憶装置103には、プロジェクトや顧客の特徴を表すパラメータを定義した状況モデル131及び対象モデル132の情報、学習者に適した学習シナリオを作成するために必要なデータテーブルであるシナリオテンプレート133の情報、学習教材134の情報、スキル・知識定義書135の情報、及び、プロジェクト事例136の情報が格納される。
次に、図2〜図7を参照して、外部記憶装置103に格納された状況モデル131、対象モデル132、シナリオテンプレート133、学習教材134、スキル・知識定義書135、及びプロジェクト事例136について説明する。
図2は状況モデルの例を示す図である。状況モデル131は、学習者が参画するプロジェクトの特徴を表すためのパラメータ群であり、外部記憶装置103にテーブル形式で格納される。状況モデル131は、データ項目として、分類201、パラメータ202のID211及び名称212、パラメータ値の選択肢203を有する。分類201は、プロジェクトの体制、プロジェクトの期間等である。パラメータID211は、各パラメータに割り当てられた固有の番号である。パラメータ名称212は、パラメータの名称である。具体的なパラメータ202は、体制については、プロジェクトメンバのレベルやプロジェクト人員であり、期間は、プロジェクトの実施期間である。
図3は対象モデルの例を示す図である。対象モデル132は、学習者が参画するプロジェクトで評価対象となる顧客の特徴を表すためのパラメータ群であり、外部記憶装置103にテーブル形式で格納される。対象モデル132は、データ項目として、分類301、パラメータ302のID311及び名称312、パラメータ値の選択肢303を有する。分類301は、顧客の組織、プロジェクトの体制、プロジェクトで評価する評価対象等である。パラメータID311は、各パラメータに割り当てられた固有の番号である。パラメータ名称312は、パラメータの名称である。具体的なパラメータ302は、組織については、顧客組織の風土、問題意識(改善意欲)等であり、体制については、プロジェクトメンバのレベル、プロジェクト人員等であり、また、評価対象については、対象となる部門、業務、システム等である。
図4はシナリオテンプレートの例及びシナリオを構成するタスクの実行手順を示す図である。シナリオテンプレート133は、図4(a)に示すように、標準的なプロジェクトの進め方とプロジェクトの各場面で学習すべき事項とを定義した学習シナリオの標準テンプレートであり、外部記憶装置103にテーブル形式で格納される。シナリオテンプレート133は、データ項目として、プロジェクトタスク401のID411、名称412、内容413及び主担当414と、学習教材ID402とを有する。プロジェクトタスク401は、プロジェクトで顧客及び自社が実施すべき作業項目を時系列に並べた、作業項目一覧である。タスクID411は、各タスクに割り当てられた固有の番号である。名称412は、タスクの名称である。内容413は、タスクの実施内容である。主担当414は、タスクを主体的に実施する組織(顧客あるいは自社)を表す。学習教材ID402は、後述の学習教材ID511に対応し、各タスクを学習するための教材を表す。
図4(b)に示すフロー421は、プロジェクトタスク401の情報から得られるタスクの実施手順を示しており、学習者は、フロー421に示されるタスクの順序に沿ってタスク単位で学習を行う。図4(b)には、それぞれのタスクを顧客が行うか、自社で行うかが判るように、図4(a)に示すテンプレートの情報に基づいて示している。
図5は学習教材の例を示す図である。学習教材134は、具体的な学習内容の定義であり、外部記憶装置103にテーブル形式で格納される。学習教材134は、データ項目として、分類501と、学習教材502のID511、使用方法512及び学習内容513と、関連スキル・知識ID503とを有する。分類501は、図4(a)に示したタスクID411により記述される。但し、分類T000は、全てのタスクに共通であることを意味する。学習教材ID511は、各学習教材に割り当てられた固有の番号である。使用方法512は、学習シナリオ中での学習教材の利用方法を表し、表示(注意点として学習者に提示する)、質問(学習者に質問を提示し、回答を受ける)、演習(学習者に演習問題を提示し、回答を受ける)の何れかの値をとる。学習内容513は、具体的に学習する内容の詳細な定義である。関連スキル・知識ID503は、後述するスキルID611及び知識ID613により記述され、各学習教材によって習得することができるスキルや知識を表す。
図6はスキル・知識定義書の例を示す図である。スキル・知識定義書135は、各タスクの実施に必要なスキル及び知識の標準的なリストであり、外部記憶装置103にテーブル形式で格納される。スキル・知識定義書は、図6(a)に示すスキル定義書と、図6(b)に示す知識定義書とにより構成される。
図6(a)に示すスキル定義書は、データ項目として、分類601、スキル602のID611及び内容612を有し、図6(b)に示す知識定義書は、データ項目として、分類601、知識603のID613及び内容614を有する。分類601は、図4(a)に示したタスクID411が使用される。スキルID611は、各スキルに割り当てられた固有の番号である。スキル602の内容612は、具体的なスキルの定義である。知識ID613は、各知識に割り当てられた固有の番号である。知識603の内容614は、具体的な知識の定義である。
図7はプロジェクト事例の例を示す図である。プロジェクト事例136は、過去に組織の評価を実施したプロジェクトに関する情報であり、外部記憶装置103にテーブル形式で格納される。プロジェクト事例136は、図7(a)に示すヘッダ部701と図7(b)に示すデータ部702とから構成される。なお、図7(b)に示すデータ部702は、2段に示されているが、一続きのものである。図7(a)に示すヘッダ部701は、データ項目として、パラメータID711、パラメータ値712を有する。パラメータID711は、図2に示した状況モデル131のパラメータ202のID211及び図3に示した対象モデル132のパラメータ302のID311に対応している。パラメータ値712は、過去のプロジェクト事例における各パラメータの値である。
図7(b)に示すデータ部702は、データ項目として、分類721、問題722のID731及び内容732、対応723のID733及び内容734、影響724の範囲735及び種類736、変更シナリオ725を有する。分類721は、図4(a)に示したタスクID411が使用される。問題ID731は、各問題に割り当てられた固有の番号である。問題の内容732は、過去のプロジェクトで起こった問題や、プロジェクトを実施する際に気づいた事項の具体的な内容である。対応ID733は、各問題に対する対応策に割り当てられた固有の番号である。対応の内容734は、対応策の具体的な内容である。影響範囲735は、各問題が影響を及ぼしたタスクの範囲であり、タスクID411により表わされる。影響の種類736は、問題がシナリオテンプレートに与える影響であり、追加(タスクを追加する)、削除(タスクを削除する)、入替(タスクを別のタスクに入れ替える)、変更(教材を変更する)の何れかの値をとる。変更シナリオ725は、シナリオテンプレートに加える具体的な変更を表し、項目は、図4に示したシナリオテンプレートと同様である。
図8はプロジェクトに参画する組織評価要員に対する教育を支援する育成支援システムにおける処理を説明する図であり、次に、サーバ装置102が入力データに基づいて学習シナリオを作成し、教育の支援を行う方法について説明する。図8には、図1に示すサーバ装置102の記憶装置111に格納されるプロジェクトマッチング部141、学習シナリオ生成部142及び教育実施部143の各プログラムが、この順に実行されることを示している。
図8において、プロジェクトマッチング処理801は、学習者がユーザ端末101で入力したプロジェクト及び顧客に関するデータを用いて、外部記憶装置103に格納されたプロジェクト事例136の中から、学習者の参画するプロジェクトに類似した過去のプロジェクト事例を選択する。学習シナリオ生成処理802は、プロジェクトマッチング処理801により選択されたプロジェクト事例から、想定される問題や必要な知識、スキルを洗い出して学習シナリオを作成する。教育実施処理803は、学習シナリオ生成処理802により作成された学習シナリオに従って学習者に教材を提供する。
図9はプロジェクトマッチング処理801における具体的な処理動作を説明するフローチャート、図10はプロジェクトマッチング処理801での処理動作に対する入力データの例を示す図、図11はプロジェクトマッチング処理801での処理結果としての出力データの例を示す図であり、次に、これらの図を参照して、プロジェクトマッチング部141での具体的な処理動作を説明する。
(1)プロジェクトマッチング部141は、プロジェクトマッチング処理を開始すると、状況・対象データの取得の処理を行い、学習者に対して学習者が参画するプロジェクト情報(状況データ)及び顧客情報(対象データ)の入力フォームをユーザ端末101に提示し、学習者が入力フォームに入力したそれぞれの情報を取得する。取得する状況データ及び対象データは、状況モデル131及び対象モデル132で定義した各パラメータの値であり、図10に示すようにパラメータID1001及びそれらに対応するパラメータ値1002をデータ項目とするテーブルである(ステップ901)。
(2)次に、外部記憶装置103に格納されている過去のプロジェクト事例136の中から、1つの事例データを取得するプロジェクト事例の取得の処理を実行する(ステップ902)。
(3)学習者が参画するプロジェクトと、ステップ902の処理で取得した事例データとの類似度を算出する。類似度は、ステップ901の処理で取得した学習者が参画するプロジェクトの状況・対象データと、ステップ902の処理で取得したプロジェクト事例136のデータのヘッダ部701とのデータを用いて、式(1)により定義される式を用いて算出する(ステップ903)。
式(1)において、aは学習者の参画するプロジェクトと取得した事例データとの類似度、qkは学習者が参画するプロジェクトの状況データ及び対象データ、pkは取得したプロジェクトの事例のデータの状況データ及び対象データ(ヘッダ部701の各パラメータ値)である。
(4)その後、プロジェクトマッチング部141は、ステップ901で取得した状況・対象データと、外部記憶装置103に格納されている過去のプロジェクト事例136に含まれるすべての事例データとの類似度を算出したか否かを判定し、全ての事例データとの類似度を算出していなかった場合、ステップ902からの処理に戻って処理を続ける(ステップ904)。
(5)ステップ904の判定で、全ての事例データとの類似度の算出を行っていた場合、ステップ903の処理で算出した類似度が予め定義したしきい値Taより大きい事例を選択する。そして、選択したプロジェクトを類似度の大きなものから順に並べたリストを作成して記憶装置111に格納する。ここで作成されるプロジェクトのリストは、図11に示すように、プロジェクトID1101と類似度1102とをデータ項目とするテーブルである。このリストに含まれる過去のプロジェクト事例は、学習者が参画するプロジェクトの類似事例である(ステップ905)。
図12は学習シナリオ生成処理802における具体的な処理動作を説明するフローチャート、図13は図12における学習シナリオへの影響の比較処理1203における処理の例を説明する図、図14は学習シナリオ生成処理802での処理結果としての出力データの例を示す図であり、次に、これらの図を参照して、学習シナリオ生成部142での具体的な処理動作を説明する。
(1)学習シナリオ生成部142は、学習シナリオ生成処理802を開始すると、まず、外部記憶装置103を参照して、シナリオテンプレート133を取得し、取得したシナリオテンプレートをコピーして、学習シナリオを作成する(ステップ1201)。
(2)次に、外部記憶装置103を参照して、プロジェクトマッチング処理801で生成されたプロジェクトのリストから、ここでの処理で、まだ参照していない事例データの中の最も上位にある(類似度の大きい)事例データを取得する(ステップ1202)。
(3)次に、すでに学習シナリオに加えている変更の範囲と、ステップ1202の処理で取得した事例データの学習シナリオに対する変更の範囲とを比較して、範囲が重複していない変更の範囲を抽出する学習シナリオへの影響の比較処理を行う(ステップ1203)。
(4)ステップ1203での比較の処理で、学習シナリオにすでに反映した変更と範囲とが重複していない変更があるか否か、すなわち、学習シナリオに異なる影響があるか否かを判定し、変更と範囲とが重複していない変更がない場合、ステップ1202からの処理に戻って、次の事例データを取得して処理を繰り返す(ステップ1204)。
(5)ステップ1204の判定で、変更と範囲とが重複していない変更があった場合、範囲が重複してしない変更の内容を学習シナリオに反映させて、学習シナリオの更新を行う(ステップ1205)。
(6)その後、ここまでの処理で、全ての事例データによる影響を確認したか否かを判定し、プロジェクトマッチング処理801で生成されたプロジェクトのリストに含まれる全ての事例データについて、その変更内容を確認して処理を終了していた場合、更新して作成した学習シナリオを記憶装置111に格納してここでの処理を終了し、そうでない場合、ステップ1202からの処理に戻って、処理を繰り返す(ステップ1206)。
前述したフローにおけるステップ1203〜1205での処理を図13に示す例により説明する。シナリオテンプレート133をコピーして、学習シナリオ411を作成した直後の処理で、類似度の最も大きい事例データ1により、学習シナリオ411に対する変更が反映された学習シナリオ1301が作成され、次に事例データ2が取得されて、すでに反映された事例データ1による学習シナリオ1301の変更の範囲1303と、事例データ2の変更の範囲1304、1305とを比較する。図13に示す例の場合、範囲1304の変更は重複していない変更として抽出されるが、範囲1305は範囲1303と重複するため、事例データ2での範囲1305における変更は破棄される。
前述したような処理の結果、図13により説明したように、事例データ1及び事例データ2の変更を反映した学習シナリオが図14に示すように作成されることになる。作成された学習シナリオは、図14(a)に示すように、図4に示したシナリオデータと同じデータ形式で作成される。また、このシナリオデータをフローにより表現したものを図14(b)に示している。
前述までに説明した実施形態は、組織評価要員の全ての要員に対して、同一の学習シナリオを提示して学習を行わせるものとして説明したが、要員のそれぞれは、異なる知識、スキルを持っており、本発明は、要員のそれぞれが持つ知識、スキルの情報を利用することにより、学習者の能力に合った学習シナリオを作成するようにすることができ、次に、この場合の例について説明する。
図15は学習者の持つスキルや知識のリストによる学習モデルの例を示す図である。図15に示す学習モデルは、データ項目として、スキル・知識1501、選択肢1502により構成される。スキル・知識1501は、図6に示したスキル定義書のID611、知識定義書のID613、及び、スキル、知識の内容612、614に対応している。学習者に、自身のスキルや知識のレベルを図15に示す学習モデルに設定してもらうことにより、学習者がレベルの高いスキルや知識を持つ場合には、それらに関連する学習教材については、学習シナリオから除外することができる。これにより、学習シナリオをより簡素化することが可能となり、学習シナリオ生成部802で、より学習者の能力に合った学習シナリオを作成することができる。
図16は教育実施部143が実行する教育実施処理803における教育の実施画面の例を示す図である。
教育実施部143が実行する教育実施処理803において、学習シナリオ生成処理802で作成した学習シナリオに沿って学習者に教材を提示し教育を実施する。図16に示すように、教育の実施画面は、学習項目や学習の進捗を表示する領域1601、学習者に対して操作を促すメッセージ等を表示する領域1602、教材を提示する領域1603、次のステップに進む際の操作等を実施するためのボタン等を表示する領域1604から構成される。学習者が学習を開始すると、領域1603に、プロジェクトの各場面(タスク)に応じた解説や質問、演習問題が表示される。学習者は、解説を読む、あるいは、質問に回答する、演習問題を解く等により学習を行った後、領域1602に表示されるメッセージに従って、領域1604のボタン等を操作し、学習を進める。また、学習者は、領域1601の内容を確認することにより、現在の学習内容がプロジェクトのどの部分に関係しているのかを把握することができる。
また、教育実施部143は、過去に使用された前記学習シナリオの中で、前述したような学習すべき事項が学習に利用された回数と、学習に利用された際に学習者が問題に陥った回数とを外部記憶装置に記憶し、前述した学習シナリオ生成手段が、問題に陥った回数が利用された回数に対して大である前記学習すべき事項を前記学習シナリオに追加するようにすることができる。これにより、より効果的に組織評価要員の育成の支援を行うことができる。
前述した実施形態により、組織評価要員は、必要なスキル、知識の学習を行うことができるが、それまでの学習の経過を蓄積することで、学習者がよく問題に陥りやすい箇所等が見えてくるため、今後の学習に役立てることが可能である。また、学習者が実際の組織評価プロジェクトを実施後、そのプロジェクトの内容をプロジェクト事例として登録することにより、今後の学習の質の向上が期待できる。このため、本発明は、プロジェクト要員の参画するプロジェクトが終了後に、前記プロジェクト事例の1つとして、入出力手段を用いて前記プロジェクト要員から参画したプロジェクトのデータを取得し、前記記憶手段に記憶するプロジェクト事例更新部を設けることができる。また、プロジェクト事例の登録では、図7に示して説明したようなデータを作成するが、このとき、問題、対応、タスクについては、予めリストを用意し、そのリストから選択するようにすることができ、リストに含まれていないものについては、新たにリストにデータを追加し、固有のIDを割り当てる。
前述した実施形態での各処理は、プログラムにより構成し、本発明が備えるCPUに実行させることができ、また、それらのプログラムは、FD、CDROM、DVD等の記録媒体に格納して提供することができ、また、ネットワークを介してディジタル情報により提供することができる。
前述した実施形態によれば、学習者が参画するプロジェクトに類似した過去のプロジェクト事例で発生した問題や、必要となった知識、スキルに関する教育を優先的に行うことができ、学習者は、短期間で、参画するプロジェクトで必要な問題解決力やスキルを養い、知識を習得することができる。
101 ユーザ端末
102 サーバ装置
103 外部記憶装置
110 CPU
111 記憶装置
112 I/F群
113 バス
131 状況モデル
132 対象モデル
133 シナリオテンプレート
134 学習教材
135 スキル・知識定義書
136 プロジェクト事例
141 プロジェクトマッチング部
142 学習シナリオ生成部
143 教育実施部
102 サーバ装置
103 外部記憶装置
110 CPU
111 記憶装置
112 I/F群
113 バス
131 状況モデル
132 対象モデル
133 シナリオテンプレート
134 学習教材
135 スキル・知識定義書
136 プロジェクト事例
141 プロジェクトマッチング部
142 学習シナリオ生成部
143 教育実施部
Claims (10)
- 組織の評価を実施するプロジェクト要員に対して学習教材を提供して要員を育成する育成支援システムであって、
プロジェクトの特徴を表す状況パラメータを定義した状況モデルと、プロジェクトにおける評価の対象の特徴を表す対象パラメータを定義した対象モデルと、標準的なプロジェクトの進め方とプロジェクトの各場面で学習すべき事項を定義したシナリオテンプレートと、学習すべき事項の具体的な内容を定義した学習教材と、前記プロジェクトの各場面で必要なスキル、知識を定義したスキル・知識定義書と、過去のプロジェクト事例とが記憶された記憶手段と、
前記プロジェクト要員が入出力手段を用いて入力した、前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトに対する前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値を用いて、前記プロジェクト事例の中から前記プロジェクト要員が参画するプロジェクトと類似した前記プロジェクト事例を選択するプロジェクトマッチング手段と、
選択された前記プロジェクト事例で起こった問題と、必要であったスキル、知識の情報とを組み込むことにより前記シナリオテンプレートを変更した前記プロジェクト要員用の学習シナリオを作成する学習シナリオ生成手段と、
前記入出力手段を用い、前記学習シナリオに沿って学習教材を前記プロジェクト要員に提供する教育実施手段とを備えたことを特徴とする育成支援システム。 - 請求項1記載の育成支援システムであって、
前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトが終了後に、前記プロジェクト事例の1つとして、入出力手段を用いて前記プロジェクト要員から参画したプロジェクトのデータを取得し、前記記憶手段に記憶するプロジェクト事例更新手段をさらに備えたことを特徴とする育成支援システム。 - 請求項1記載の育成支援システムであって、
前記状況モデル及び前記対象モデルは、全ての前記状況パラメータ及び前記対象パラメータに対して予め選択肢を定義しており、
前記プロジェクト事例は、プロジェクト及びその評価の対象の特徴が、前記状況パラメータ及び前記対象パラメータに前記選択肢から選択した値を設定することにより定義されており、
前記プロジェクトマッチング手段は、前記プロジェクト要員が前記入出力手段を用いて前記選択肢の中から選択した、前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトに対する前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値と、前記プロジェクト事例に対して定義されている前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値との差の大きさにより、前記プロジェクト要員が参画するプロジェクトと前記プロジェクト事例の類似度合いを判定することを特徴とする育成支援システム。 - 請求項1記載の育成支援システムであって、
前記記憶手段は、前記スキル・知識定義書に記載されている前記スキル及び前記知識を学習者パラメータとして定義した学習者モデルを記憶し、前記学習者モデルは、全ての前記学習者パラメータに対して予め選択肢が定義されており、
前記学習シナリオ生成手段は、前記プロジェクト要員が前記入出力手段を用いて前記選択肢の中から選択した、前記プロジェクト要員の前記学習者パラメータの値を用いて、前記プロジェクト要員用の学習シナリオに含まれる前記学習すべき事項の中で、前記プロジェクト要員が学習する必要のない事項を除外した前記学習シナリオを作成することを特徴とする育成支援システム。 - 請求項1記載の育成支援システムであって、
前記記憶手段は、過去に使用された前記学習シナリオの中で、各前記学習すべき事項が学習に利用された回数と、学習に利用された際に学習者が問題に陥った回数を記憶し、
前記学習シナリオ生成手段は、前記問題に陥った回数が前記利用された回数に対して大である前記学習すべき事項を前記学習シナリオに追加することを特徴とする育成支援システム。 - 組織の評価を実施するプロジェクト要員に対して学習教材を提供して要員を育成する育成支援方法であって、
記憶手段と、入出力手段と、プロジェクトマッチング手段と、学習シナリオ生成手段と、教育実施手段とを有し、
前記記憶手段は、プロジェクトの特徴を表す状況パラメータを定義した状況モデルと、プロジェクトにおける評価の対象の特徴を表す対象パラメータを定義した対象モデルと、標準的なプロジェクトの進め方とプロジェクトの各場面で学習すべき事項を定義したシナリオテンプレートと、学習すべき事項の具体的な内容を定義した学習教材と、前記プロジェクトの各場面で必要なスキル、知識を定義したスキル・知識定義書と、過去のプロジェクト事例とを記憶し、
前記学習シナリオ生成手段は、前記プロジェクト要員が入出力手段を用いて入力した、前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトに対する前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値を用いて、前記プロジェクト事例の中から前記プロジェクト要員が参画するプロジェクトと類似した前記プロジェクト事例を選択し、
前記学習シナリオ生成手段は、選択された前記プロジェクト事例で起こった問題と、必要であったスキル、知識の情報とを組み込むことにより前記シナリオテンプレートを変更した前記プロジェクト要員用の学習シナリオを作成し、
前記教育実施手段は、前記入出力手段を用い、前記学習シナリオに沿って学習教材を前記プロジェクト要員に提供することを特徴とする育成支援方法。 - 請求項6記載の育成支援方法であって、
プロジェクト事例更新手段をさらに備え、該プロジェクト事例更新手段は、前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトが終了後に、前記プロジェクト事例の1つとして、前記入出力手段を用いて前記プロジェクト要員から参画したプロジェクトのデータを取得し、前記記憶手段に記憶することを特徴とする育成支援方法。 - 請求項6記載の育成支援方法であって、
前記状況モデル及び前記対象モデルは、全ての前記状況パラメータ及び前記対象パラメータに対して予め選択肢を定義しており、
前記プロジェクト事例は、プロジェクト及びその評価の対象の特徴が、前記状況パラメータ及び前記対象パラメータに前記選択肢から選択した値を設定することにより定義されており、
前記プロジェクトマッチング手段は、前記プロジェクト要員が前記入出力手段を用いて前記選択肢の中から選択した、前記プロジェクト要員の参画するプロジェクトに対する前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値と、前記プロジェクト事例に対して定義されている前記状況パラメータ及び前記対象パラメータの値との差の大きさにより、前記プロジェクト要員が参画するプロジェクトと前記プロジェクト事例の類似度合いを判定することを特徴とする育成支援方法。 - 請求項6記載の育成支援方法であって、
前記記憶手段は、前記スキル・知識定義書に記載されている前記スキル及び前記知識を学習者パラメータとして定義した学習者モデルを記憶し、前記学習者モデルは、全ての前記学習者パラメータに対して予め選択肢が定義されており、
前記学習シナリオ生成手段は、前記プロジェクト要員が前記入出力手段を用いて前記選択肢の中から選択した、前記プロジェクト要員の前記学習者パラメータの値を用いて、前記プロジェクト要員用の学習シナリオに含まれる前記学習すべき事項の中で、前記プロジェクト要員が学習する必要のない事項を除外した前記学習シナリオを作成することを特徴とする育成支援方法。 - 請求項6記載の育成支援方法であって、
前記記憶手段は、過去に使用された前記学習シナリオの中で、各前記学習すべき事項が学習に利用された回数と、学習に利用された際に学習者が問題に陥った回数を記憶し、
前記学習シナリオ生成手段は、前記問題に陥った回数が前記利用された回数に対して大である前記学習すべき事項を前記学習シナリオに追加することを特徴とする育成支援方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007121833A JP2008276652A (ja) | 2007-05-02 | 2007-05-02 | 育成支援システム及び育成支援方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102063142B1 (ko) * | 2018-09-18 | 2020-01-07 | 한국수력원자력 주식회사 | 프로젝트 중심의 교육을 위한 교육 장치 및 방법 |
JP2022524567A (ja) * | 2019-01-13 | 2022-05-09 | ヘッドウェイ イノベーション インク. | 認知科学、学習理論及び教育学の領域横断的な研究に基づく包括的システム及び方法 |
-
2007
- 2007-05-02 JP JP2007121833A patent/JP2008276652A/ja active Pending
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