JP2008269815A - 車両用避雷器切り離し装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】事故電流処理時において、電極間のアーク抵抗による事故電流が絞られる現象を抑制することにより、遮断器回路におけるトリップ回路の動作を確実とし、車両の安全性を向上可能な車両用避雷器切り離し装置を提供する。
【解決手段】切り離し装置の高圧側電極と低圧側電極とのギャップ間に中間電極が配設されている。なお、高圧側電極と低圧側電極とは、当該中間電極を介し、電線により接続されている。また、高圧側電極と低圧側電極は同心球殻状又は同心円筒状に形成されており、外側の低圧側電極が内部に高圧側電極を包含する構成も有している。なお、当該高圧側電極と低圧側電極は、サージ電圧侵入時の事故電流を最短のアークで処理できるよう電線で繋がっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される車両用避雷器の切り離し装置に係り、最短アークにより事故電流を処理し、安全に避雷器の切り離しを可能とする構造に関する。
車両には、雷サージ等の過大な課電圧から電気系統を保護するために、一般的に避雷器が搭載されている。車両に搭載されるこの避雷器は、雷サージ等による事故電流を処理すると、通常その役割を果たしきり、機能しない状態に陥ってしまうので、車両を再び運行させる際は切り離し装置を用いて車両の電力供給系統から当該避雷器を切り離す必要が生じる。
ここで、図7及び8を参照して、以下に従来の避雷器切り離し装置14の構成を説明する。避雷器切り離し装置14は、図7の通り、高圧側電極1と低圧側電極2と当該電極間を接続する電線3から構成されている。高圧側電極1と低圧側電極2とのギャップ間隔は40cm程の長さになる場合もあるため、両極間に接続される電線3も長尺となる。なお、電線3は、避雷器が動作することによって流れる事故電流で溶断可能となっている。
ここで、図7に記載の避雷器切り離し装置14と、車両用避雷器4が実際に車両に搭載された場合の模式図である図8に基づいて従来の実施形態を説明する。ここで、車両駆動用の電力は、車両用変電所等から遮断器回路5を通じて、車両13上空に設置された架空送電線6(トロリ線)に送電されている。
そして、車両13には、屋根部に碍子等の絶縁体7が設けられており、その絶縁体7上部に伸縮自在なパンタグラフ8が設置されている。このパンタグラフ8を上方向に伸ばすことにより、上空の架空送電線6と接触し、動力ケーブル9を介して車両13の動力部10に電力を供給する。なお、パンタグラフ8を架空送電線6に接触させた状態においても、車両13自体は設置した碍子等の絶縁体7により当該架空送電線1と絶縁される。
また、このパンタグラフ8には、サージ電圧等の流路である電力ケーブル11が接続され、当該電力ケーブル11の他端に避雷器4が設置されている。そして、この避雷器4の低電圧側、すなわち図中下部に上記避雷器切り離し装置14が設置されている。なお、図8の通り、この避雷器切り離し装置14の構成部材である高圧側電極1は避雷器4に接続され、同じく切り離し装置14の構成部材である低圧側電極2は車両13本体の屋根部に接続されている。また、車両13本体は下部に設置された線路12(レール)と接することにより、接地電位に維持されている。
上記のような構成によれば、サージ電圧の侵入により避雷器4が動作して事故電流が流れると、この事故電流により避雷器切り離し装置14中の電線3が溶断する。これにより、高圧側電極1と低圧側電極2が分離し、当該両電極間に生じるギャップの絶縁により車両用避雷器4が架空送電線6から切り離される。
また、特許文献1にも電極間に可溶電線が接続され、事故電流により当該電線が溶断することで、避雷器が切り離される避雷器切り離し装置の構成が記載されている。
特開平1−159984号公報
ところで、上記従来技術では、避雷器4による事故電流処理時において、切り離し装置14中の電線3が溶断消滅する場合でも、高圧側電極1と低圧側電極2間のギャップが当該ギャップの間隔よりも長いアークで導電状態となってしまうので、両電極間で絶縁状態を実現することが難しい。
また、事故電流を処理することにより破損した車両用避雷器4が持つ電位と、両電極間のギャップに生じるアーク抵抗による電位は、それぞれ500V、800V程度となることがあり、合計すると1300Vとなるため架空送電線6の供給電圧が1500V程度の路線の場合、ほぼ架空送電線6の供給電圧に匹敵することになってしまう。
これでは、1300Vの電位を有するアーク抵抗の影響により事故電流が絞られてしまい、車両用避雷器4及び切り離し装置14から成る保護回路には十分な当該事故電流が流れない。そのため、遮断器回路5中のトリップ回路が事故を認識できず、トリップしない場合が生じる。このトリップ回路が働かない状態で車両13の動力部10に電力が供給され続けると、破損した車両用避雷器4と切り離し装置14に電流が流れ続けてしまい、両電極ギャップ間のアークが消滅しないがために、アーク溶接と同じ原理で低圧側電極2が接続されている車両上部が溶融する等の破損が生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するために開発されたものであり、その目的は、事故電流処理時において、電極間のアーク抵抗による事故電流が絞られる現象を抑制することにより、遮断器のトリップ回路の動作を確実とし、車両の安全性を向上可能な車両用避雷器切り離し装置を提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明は、トロリ線に高電圧サージが侵入することによる避雷器の動作時に、ギャップを構成する対電極間に配設された電線が溶断することにより、当該避雷器を電力系統から切り離す避雷器切り離し装置において、前記ギャップ間に中間電極を配設することを特徴とする。
上記のような態様によれば、中間電極を通して事故電流が流れるのでギャップ間に長いアークが生じなくなり、アーク抵抗により事故電流が絞られることを回避することができる。これにより、遮断器内のトリップ回路の動作環境の適性を維持することができ、車両事故の防止及び電力再投入後の車両運行が可能となる。
また、トロリ線に高電圧サージが侵入することによる避雷器の動作時に、ギャップを構成する対電極間に配設された電線が溶断することにより、当該避雷器を電力系統から切り離す避雷器切り離し装置において、前記対電極の一方が、他方の電極を包含する形状を有していることを特徴とする点も本発明の一態様である。
なお、対電極の一方が他方の電極を包含する形状とは、具体的には、前記対電極が同心球殻状、あるいは同心円筒状に形成されていることを意味している。
以上のような態様によれば、アークを電極内に閉じ込めることで当該アークの電極外部への飛び出し及び長いアークの発生を抑えることが可能となる。そのため、アークの飛び出しによる車両の破損やアーク抵抗により事故電流が絞られる現象を回避することができ、車両の安全性のさらなる向上が期待できる。また、遮断器内のトリップ回路の確実動作と電力再投入後の車両運行が可能となる。
以上のような本発明によれば、車両用避雷器切り離し装置の両電極のギャップ間に長いアークが生じなくなり、アーク抵抗により事故電流が絞られる現象を抑制することができるため、事故電流処理時においても遮断器回路中のトリップ回路の動作を確実にし、車両の破損防止を図ることが可能となる。また、電力供給系統から避雷器保護回路を確実に切り離すことができるので、電力再投入後も動作性能及び安全性を維持した車両運行が可能となる。
[本実施形態]
[1.第1の実施形態]
[構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る車両用避雷器切り離し装置20の構成を図1−a及び−bを参照し、以下に説明する。なお、図7と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図1−a及び1−bは、切り離し装置20の高圧側電極21と低圧側電極22とのギャップ間に中間電極23を配設した構成を示すものである。なお、高圧側電極21と低圧側電極22とは、当該中間電極23を介し、電線24により接続されている。つまり、この中間電極23を両電極間に設けることで、サージ電圧侵入時においても事故電流により発生する長いアークを抑制することができ、また各電極間が事故電流で溶断可能な電線24で繋がれていることにより、最短のアークで処理される。
なお、この中間電極23は、図1の通り、一つの高圧側電極21と低圧側電極22に対し、回転軸25を基準に導電性の接続棒26を通じて二つ設置されている(中間電極23−1、23−2)。ここで、回転軸25を基準に二つの中間電極23−1、23−2を繋ぐ接続棒26は、中間電極23の一部とみなすことが可能である。また、高圧側電極21と中間電極23−1を繋ぐ電線を高圧側電線24−1とし、中間電極23−2と低圧側電極23−2を繋ぐ電線を低圧側電線24−2とする。
また、接続棒26で繋がれた中間電極23−1、23−2は、回転軸25を中心に回転可能に設置され、これにより当該中間電極23が移動可能に構成されている。このように中間電極23を可動電極とすることで、この中間電極23は回転軸25を基準に接続棒26を介して所定の角度に設定することができるため、高圧側電極21と低圧側電極22間の絶縁距離を所定の値に調整し、切り離し装置20全体にかかる電圧に応じた絶縁強度を保持させることが可能となる。
また、高圧側電極21、低圧側電極22、中間電極23は、それぞれ球ギャップで構成されている。そのため、高圧側電極21と中間電極23の上部である高圧側間、中間電極23の下部である低圧側と低圧側電極2間では、事故電流によって電線24が溶断し、その後アークが消滅すると、平等電界が生じて電極間の絶縁が安定的に保持される。
次に、本発明に係る切り離し装置が車両に搭載された場合の実施の形態について、図2を参照して以下に説明する。ここで、従来の避雷器切り離し装置が車両に搭載された場合の模式図ある図8とは、避雷器切り離し装置の構成及び設置態様以外に特に差異はないので、同一部分に対して同じ符号を付してその説明は省略する。
図2は、図1の切り離し装置20と車両用避雷器4が実際に車両に搭載された場合の模式図である。ここで、避雷器切り離し装置20は、図8に記載の従来技術と同様に、車両用避雷器4の下部である低圧側に設置され、当該避雷器切り離し装置20の構成部材である高圧側電極21が避雷器4側に、そして低圧側電極22が車両13本体の上部に接続されている。
なお、本実施形態に係る避雷器切り離し装置20を構成する二つの中間電極23−1、23−2間の回転軸25は、車両13上部に設置された碍子等の絶縁体27の頂点部に、軸押さえ28により固定されている。そのため、接続棒26を介した二つの中間電極23−1、23−2は、固定された当該回転軸25を中心に矢印方向に回動可能に構成されている。このような切り離し装置20の構成によれば、サージ電圧等による事故電流は車両用避雷器4で処理されると、中間電極23を通じて事故電流が流れるので、電極間に接続されている電線24−1、24−2がサージ電圧侵入時に事故電流を最短アークで処理することとなる。
[作用]
次に、車両13に避雷器切り離し装置20を搭載した場合の切り離し処理例を上記図2の模式図に基づいて説明する。
架空送電線6は、図示しない車両用変電所から遮断器回路5を通じて電力が供給されている。この状態において、車両13から硝子等の絶縁体7により絶縁支持されているパンダグラフ8を折り畳んだ状態から上方向に伸張させて架空送電線6に接触させることにより、当該架空送電線6からパンダグラフ8、動力ケーブル9を通じて動力部10に電力が供給される。
ここで、架空送電線6に侵入したサージ電圧が車両用避雷器4の保護レベル以上の大きさの場合、車両用避雷器4は、当該サージ電圧から動力部10を保護すべく動作する。この車両用避雷器4の動作により、事故電流が避雷器切り離し装置20中の高電圧側電極21から中間電極23を介して低圧側電極22に流れ、さらに車両13を通って線路12へ流れる。
車両用避雷器4の動作により事故電流が流れると、高圧側電極21と中間電極23の高圧側23−1間を繋ぐ電線24−1と、中間電極23の低圧側23−2と低圧側電極22間を繋ぐ電線24−2とが溶断する。これら電線24−1、24−2の溶断後、高圧側電極21と中間電極23の高圧側23−1間と、中間電極23の低圧側23−2と低圧側電極22間は、一時アークで繋がるがそのアークも消滅する。その後は、球ギャップの平等電界による安定した絶縁で、車両用避雷器4は架空送電線6から切り離される。
上記のような本実施形態によれば、車両用避雷器4の動作により中間電極23を介して事故電流を流すため長いアークが生じなくなり、アーク抵抗で事故電流が絞られて車両用避雷器4及び切り離し装置20から成る保護回路に当該電流が流れなくなる現象を防止することが可能となる。これにより、遮断器回路5中のトリップ回路が事故を認識できずに駆動しないといった状況を回避することができる。そのため、遮断器回路5のトリップ回路が確実に動作するので、サージ電圧等の処理により破損した車両用避雷器4と切り離し装置20に電流が流れ続けてしまい、低圧側電極22が設置された車両上部がアークで溶融するなどの破損が生じることもない。
また、各電極に球ギャップを採用したことにより、高圧側電極21と中間電極23の高圧側23−1のギャップ間と、中間電極23の低圧側23−2と低圧側電極22のギャップ間とには、平等電界が生じ、短いギャップ間隔で絶縁を安定的に保持することが可能となる。そのため、事故電流処理後に車両用避雷器4及び切り離し装置20から成る保護回路は、架空送電線6から確実に切り離すことができる。
[2.第2の実施形態]
[構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用避雷器切り離し装置30の構成を図3及び4を参照し、以下に説明する。なお、図1、2、7、8と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。ここで、図4は、図3に記載の車両用避雷器切り離し装置30を車両に搭載した場合の一例である。
車両用避雷器切り離し装置30は、第1の実施形態と同様に、車両用避雷器4の下部である低圧側に設置されている。ここで、第2の実施形態に係る車両用避雷器切り離し装置30のギャップ間を構成する電極に関して、高圧側電極31が低圧側電極32に包含される構成態様を有している。具体的には、図3の通り、高圧側電極31と低圧側電極32は同心球殻状に形成されており、内側の球殻が高圧側電極31、外側の球殻が低圧側電極32となるよう配設されている。なお、高圧側電極31と低圧側電極32は、サージ電圧侵入時の事故電流を最短のアークで処理できるよう事故電流で溶断可能な電線24で繋がっている。
また、この車両用避雷器切り離し装置30において、当該同心球殻の内側に位置する高圧側電極31には、車両用避雷器4の低圧側に向けた避雷器導電性の接続棒33が接続されている。この接続棒33は、高圧側電極31の一部とみなすことが可能である。なお、ここでは、高圧側電極31の形状として同心球殻を想定しているが、球殻に限定せず球とする構成態様も本発明は包含する。
また、図3及び4の通り、この車両用避雷器切り離し装置30において、当該同心球殻の外側に位置する低圧側電極32の避雷器4側にあたる上部には絶縁体34が設けられており、高圧側電極31に接続された接続棒33が当該絶縁体34を貫通し、避雷器4の低圧側に接続される。すなわち、この絶縁体34の存在により、この高圧側電極31に接続された接続棒33は低圧側電極32と絶縁する。ここで、接続棒33と絶縁体34との間の部分と、当該絶縁体34と低圧側電極32との間の部分は、風雨にさらされても水分が電極間に浸入しないよう気密が保たれている。
また、内部に高圧側電極31を包含する同心球殻上の低圧側電極32は、車両13上部に設置された導電性の電極支持台35により支持されている。なお、この低圧側電極32は、電極支持台35により車両13と同じ接地電位に維持されている。
また、高圧側電極31と低圧側電極32間の空間には、ユーザーの必要に応じてSFガス等の絶縁性ガスが充填され、ギャップ間の絶縁強度と間隔を適切に確保することができる。
[作用]
次に、上記第2の実施形態の構成に基づいて、避雷器の切り離し処理例を図4を参照して説明する。
第1の実施形態と同様に、架空送電線6には、図示しない車両用変電所から遮断器回路5を通じて電力が供給されている。この状態において、車両13から硝子等の絶縁体7により絶縁支持されているパンダグラフ8を折り畳んだ状態から上方向に伸張させて架空送電線6に接触させることにより、当該架空送電線6からパンダグラフ8、動力ケーブル9を通じて動力部10に電力が供給される。
ここで、架空送電線6に侵入したサージ電圧が車両用避雷器4の保護レベル以上の大きさの場合、車両用避雷器4は、当該サージ電圧から動力部10を保護すべく動作する。この車両用避雷器4の動作により、当該避雷器4の低圧側に接続された接続棒33を通じて、低圧側電極32の内部に設置された高圧側電極31に事故電流が流れる。そして、この高圧側電極31から電線24を通じて低圧側電極32に当該電流が流れ、さらに車両13を通って線路12へ流れる。
車両用避雷器4の動作により事故電流が流れると、高圧側電極31と低圧側電極32の両電極間に接続された電線24が溶断する。なお、当該電線24の溶断後、一時アークで繋がるがそのアークもいずれ消滅する。その後は、両電極である同心導体球殻のギャップに生じる準平等電界により、安定した絶縁のもとで、車両用避雷器4が架空送電線6から切り離される。
上記のような本実施形態によれば、高圧側電極31及び低圧側電極32を同心球殻状に形成しているので、両電極間のギャップを通して事故電流を流すことにより、アークを低圧側電極32の内部に閉じ込め、当該電極32外部への飛び出しを抑えることが可能となる。また、電極間のあらゆる箇所におけるアーク長を電極間距離に抑えることができるので、長いアークの発生を抑制することができる。
そのため、アークの飛び出しによる車両の破損やアーク抵抗による事故電流の絞られを回避することができ、本発明である切り離し装置30を搭載した車両の安全性をさらに向上させることが可能となる。同時に、遮断器回路5におけるトリップ回路の確実な動作はもちろんのこと、電力の再投入後の安全な車両運行も可能となる。
[3.第3の実施形態]
[構成]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車両用避雷器切り離し装置40の構成を図5及び6を参照し、以下に説明する。なお、図1、2、7、8と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
図5は、前記第2の実施形態と同様に、高圧側電極が低圧側電極の内部に包含される構成態様であることを特徴とする車両用避雷器切り離し装置40において、ギャップを構成する高圧側電極41と低圧側電極42とが同心円筒状に形成された場合の構成図が記載されている。ここで、図5−aは避雷器切り離し装置40の斜視図、図5−bは側面図、図5−cは平面図である。なお、図6は、図5に記載の車両用避雷器切り離し装置40を車両に搭載した場合の一例である。
図5及び6の通り、高圧側電極41は円筒状または円柱状に形成されており、当該高圧側電極41に車両用避雷器4の低圧側に向けて導電性の接続棒43が接続されている。なお、この接続棒43は高圧側電極41の一部とみなすことが可能である。また、低圧側電極42は、当該高圧側電極41を内部に包含する態様の同心円筒状に形成されている。
なお、高圧側電極41と低圧側電極42は、サージ電圧侵入時の事故電流を最短のアークで処理できるように事故電流で溶断可能な電線24でつながれている。ここで、両電極の上部である車両用避雷器4側には、絶縁体44が設けられており、高圧側電極41に接続された接続棒43は当該絶縁体44を貫通し、車両用避雷器4の低圧側に接続されている。また、低圧側電極42の下部には車両13屋根部に固定された電極支持絶縁台45が設置されており、この支持絶縁台45により低圧側電極42は支持されている。
つまり、両電極の上部である避雷器4側に設けた絶縁体44により、接続棒43と低圧側電極42とは絶縁され、結果として、高圧側電極41と低圧側電極42は当該絶縁体44と電極支持絶縁台45により絶縁される。また、低圧側電極42は電極支持絶縁台45により絶縁されるが、車両13屋根部13に接続される接地線46が当該低圧側電極42に取り付けられているので、この接地線46を介して車両と同じ接地電位となっている。
なお、接続棒43と絶縁体44の間、絶縁体44と低圧側電極42の間、低圧側電極42と電極支持絶縁台45との間の部分は、風雨にさらされても水分が電極間に浸入しないよう気密が保たれている。
また、第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、高圧側電極41と低圧側電極42間の空間は、ユーザーの必要に応じてSF6ガス等の絶縁性ガスが充填され、ギャップ間の絶縁強度と間隔を適切に確保することができる。
[作用]
次に、上記第3の実施形態の構成に基づいて、避雷器の切り離し処理例を図6を参照して説明する。
第1及び2の実施形態と同様に、架空送電線6には、図示しない車両用変電所から遮断器回路5を通じて電力が供給されている。この状態において、車両13から硝子等の絶縁体7により絶縁支持されているパンダグラフ8を折り畳んだ状態から上方向に伸張させて架空送電線6に接触させることにより、当該架空送電線6からパンダグラフ8、動力ケーブル9を通じて動力部10に電力が供給される。
ここで、架空送電線6に侵入したサージ電圧が車両用避雷器4の保護レベル以上の大きさの場合、車両用避雷器4は、当該サージ電圧から動力部10を保護すべく動作する。この車両用避雷器4の動作により、当該避雷器4の低圧側に接続された接続棒43を通じて、低圧側電極42の内部に設置された高圧側電極41に事故電流が流れる。そして、この高圧側電極41から電線24を通じて低圧側電極42に事故電流が流れ、さらに車両13を通って線路12へ流れる。
車両用避雷器4の動作により事故電流が流れると、高圧側電極41と低圧側電極42の両電極間に接続された電線24が溶断する。なお、当該電線24の溶断後、一時アークで繋がるがそのアークもいずれ消滅する。その後は、両電極である同心円筒のギャップに生じる準平等電界により、安定した絶縁のもとで、車両用避雷器4が架空送電線6から切り離される。
上記のような本実施形態によれば、高圧側電極41及び低圧側電極42を同心円筒状に形成しているので、両電極間のギャップを通して事故電流を流すことにより、アークを低圧側電極42の内部に閉じ込め、当該電極42外部への飛び出しを抑えることが可能となる。また、電極間のあらゆる箇所におけるアーク長を電極間距離に抑えることができるので、長いアークの発生を抑制することができる。
そのため、アークの飛び出しによる車両の破損やアーク抵抗による事故電流の絞られを回避することができ、本発明である切り離し装置40を搭載した車両の安全性をさらに向上させることが可能となる。同時に、遮断器回路5におけるトリップ回路の確実な動作はもちろんのこと、電力の再投入後の安全な車両運行も可能となる。
さらに、本実施形態では、避雷器切り離し装置40を構成する電極を、上述したように円筒状に形成しているので、製造の容易さ及び車両への設置のし易さの観点から第2の実施形態と異なるメリットを有している。
[4.他の実施形態]
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものでなく、次のような実施形態を包含する。具体的には、上記第2及び3の実施形態においては、同心球殻、あるいは同心円筒ギャップを構成する電極の極性について、高圧側電極を低圧側電極の内部とする構成にしていたが、この極性はユーザーの必要に応じて入れ替えた実施形態も本発明は包含する。
つまり、当該極性の入れ替えが可能であることにより、車両への据付の自由度を向上せしめることができる。なお、高圧側電極を外側とし、低圧側電極を高圧側の内部とする構成とした場合には、当該高圧側電極を第2の実施形態の場合には球状、第3の実施形態の場合には円柱状とすることはできず、同心球殻状又は同心円筒状としなければならない点に注意が必要である。
本発明に係る第1の実施形態の避雷器切り離し装置の構成を示す図 本発明に係る第1の実施形態の避雷器切り離し装置を車両に搭載した場合の全体構成を示す模式図 本発明に係る第2の実施形態の避雷器切り離し装置の構成を示す図 本発明に係る第2の実施形態の避雷器切り離し装置を車両に搭載した場合の全体構成を示す模式図 本発明に係る第3の実施形態の避雷器切り離し装置の構成を示す図 本発明に係る第3の実施形態の避雷器切り離し装置を車両に搭載した場合の全体構成を示す模式図 従来の避雷器切り離し装置の構成を示す図 従来の避雷器切り離し装置を車両に搭載した場合の全体構成を示す模式図
符号の説明
1…高圧側電極
2…低圧側電極
3…電線
4…車両用避雷器
5…遮断器回路
6…架空送電線(トロリ線)
7…絶縁体
8…パンタグラフ
9…動力ケーブル
10…動力部
11…電力ケーブル
12…線路
13…車両
14…避雷器切り離し装置(従来技術)
20…避雷器切り離し装置
23…中間電極
23−1…中間電極(高圧側)
23−2…中間電極(低圧側)
24…電線
24−1…電線(高圧側)
24−2…電線(低圧側)
25…回転軸
26…接続棒
27…絶縁体
28…軸押さえ
30…避雷器切り離し装置
31…高圧側電極
32…低圧側電極
33…接続棒
34…絶縁体
35…電極支持台
40…避雷器切り離し装置
41…高圧側電極
42…低圧側電極
43…接続棒
44…絶縁体
45…電極支持絶縁台
46…接地線

Claims (6)

  1. トロリ線に高電圧サージが侵入することによる避雷器の動作時に、ギャップを構成する対電極間に配設された電線が溶断することにより、当該避雷器を電力系統から切り離す避雷器切り離し装置において、
    前記ギャップ間に中間電極を配設することを特徴とする車両用避雷器切り離し装置。
  2. 前記中間電極は、前記ギャップ間距離を調整するために可動電極であることを特徴とする請求項1に記載の車両用避雷器切り離し装置。
  3. 前記対電極と前記中間電極の各々が球ギャップで構成され、
    前記対電極と前記中間電極により形成される各ギャップ間は、平等電界を生成することを特徴とする請求項1に記載の車両用避雷器切り離し装置。
  4. トロリ線に高電圧サージが侵入することによる避雷器の動作時に、ギャップを構成する対電極間に配設された電線が溶断することにより、当該避雷器を電力系統から切り離す避雷器切り離し装置において、
    前記対電極の一方が、他方の電極を包含する形状を有していることを特徴とする車両用避雷器切り離し装置。
  5. 前記対電極は、同心球殻状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用避雷器切り離し装置。
  6. 前記対電極は、同心円筒状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用避雷器切り離し装置。
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