JP2008259569A - 階段下スペースを有する建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】階段下スペースを例えば物干しスペースとして有効に活用することができる階段下スペースを有する建物を得ることを目的とする。
【解決手段】階段12の下方には階段下スペース32が形成されており、壁34には仕切り部材38及び物干しパイプ42が収納及び引出し可能に配設されている。仕切り部材38を引き出すことにより目隠しパネルとなり、洗濯物等が見えないようにすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、階段下スペースを有する建物に関する。
一般に、天候不良時や昼間の外出時、陰干しにする衣類を乾かす際等に、洗濯物を屋内で干すが、屋内には物干しに適した環境が少ない。このため、浴室や洗面室のランドリーパイプを利用したり、サンルームを利用したりすることもあるが、浴室や洗面室、サンルームの未使用時に利用しなければならず、又湿気が多い場所でもあるので洗濯物が乾き難い等の問題がある。また、サンルームは必ずしも設けられているとは限らない。
下記特許文献1には、階段の段差に配慮することで階段上のスペースを利用して洗濯物を干せるようにした技術が開示されている。
特開2005−160994号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された先行技術による場合、物干し装置が階段上に常設されるため、見栄えが悪い他、階段を狭めることになるので居住者が階段を昇降し難くなる。
このように屋内で洗濯物を干すことに対するニーズは従来からあるものの、洗濯物を干す環境としては不向きなことが多いか、本来の用途をある程度犠牲にするといったものであった。このため、階段下スペース等の屋内の空きスペースを有効に使って洗濯物をより適した環境で干すことに対するニーズが高くなっている。
本発明は上記事実を考慮し、階段下スペースを例えば物干しスペースとして有効に活用することができる階段下スペースを有する建物を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る階段下スペースを有する建物は、下方側に階段下スペースが形成された階段と、この階段及び階段付近の壁側の少なくとも一方に設けられ、前記階段下スペースを当該階段下スペースと連通された空間から隔成する仕切り手段と、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の階段下スペースを有する建物において、前記仕切り手段は、階段側又は壁側に収納可能とされ、不使用時には収納状態とされかつ使用時には階段側又は壁側から引き出される使用状態とされる一又は二以上の仕切り部材を含んで構成されている、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の階段下スペースを有する建物において、前記仕切り手段は、階段側又は壁側に設置され、作動することにより仕切り位置へ向けてエアを噴出するエアカーテンである、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物において、前記階段には、当該階段に折り畳み可能に設けられると共に、不使用時には階段側に折り畳まれて格納状態とされかつ使用時には階段から離間する方向へ引き出されて使用状態とされる骨組構造体が設けられている、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物において、前記壁には、前記階段下スペース内において当該壁に対して直交する方向へ伸縮可能な棒状体が設けられている、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5記載の階段下スペースを有する建物において、請求項4記載の骨組構造体又は請求項5記載の棒状体は中空筒状に形成されていると共に周壁部に複数の乾燥風吹き出し孔が形成されており、当該骨組構造体又は当該棒状体には、乾燥風供給手段から乾燥風が供給される、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物において、前記階段は、壁面に隣接又は近接して設けられている、ことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物において、前記階段は、壁面から離間した位置に独立して設けられている、ことを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、建物には階段が設置されており、その階段の下方側には階段下スペースが形成されている。
ここで、本発明では、階段及び階段付近の壁側の少なくとも一方に仕切り手段が設けられており、この仕切り手段によって階段下スペースを当該階段下スペースと連通された空間から隔成することができる。このため、階段下スペースを一つの独立した空間にすることができ、物干しスペースとして或いは他の用途のスペースとして用いることが可能となる。
請求項2記載の本発明によれば、仕切り手段は一又は二以上の仕切り部材を含んで構成されており、当該仕切り部材は階段側又は壁側に収納可能とされているため、不使用時には階段下スペースから退避させることができる。
請求項3記載の本発明によれば、仕切り手段が階段側又は壁側に設置されたエアカーテンで構成されているため、請求項2記載の発明のように階段側又は壁側に仕切り部材の収納スペースを確保する必要がなく、更に仕切り部材を引き出したり、収納したりする操作が不要になる。
請求項4記載の本発明によれば、階段には当該階段に折り畳み可能に設けられており、不使用時には階段側に折り畳まれて格納状態とされる骨組構造体が設けられているので、不使用時には階段下スペースには何も異物が存在しない状態になる。また、使用時には、骨組構造体は階段から離間する方向へ引き出されて使用されるので、使い勝手が良い。さらに、骨組構造体は階段に折り畳み可能に設けられるので、壁との関係で造作が必要になることもない。
請求項5記載の本発明によれば、階段下スペース内において壁に対して直交する方向へ伸縮可能な棒状体を壁に設けたので、階段下スペースを使って洗濯物を干すことが可能になる。しかも、不使用時には棒状体を縮めておくことができるので、階段下スペースの外観も良好に保たれる。
請求項6記載の本発明によれば、骨組構造体又は棒状体は中空筒状に形成されており、その内部に乾燥風供給手段から乾燥風が供給される。供給された乾燥風は骨組構造体又は棒状体の周壁部に形成された複数の乾燥風吹き出し孔から噴出される。従って、洗濯物が早く乾く。
請求項7記載の本発明によれば、階段は壁面に隣接又は近接して設けられているので、一般的な階段構造といえる。この種の一般的な階段構造に本発明を適用した場合、階段下スペースの片側の側面は既に壁で仕切られているので、仕切り手段は反対側の側面に対してのみ設ければよい。
請求項8記載の本発明によれば、階段は壁面から離間した位置に独立して設けられているので、一般的な階段構造ではなく、所謂スケルトン階段などがこれに該当する。この場合、階段下スペースの片側の側面だけを仕切って洗濯物等を見えないようにするという使い方ができる他、階段下スペースの両側の側面をそれぞれ仕切って洗濯物等を見えないようにすることも可能である。また、仕切り手段の格納機能がある場合には、不使用時には仕切り手段を格納することができるので、スケルトン階段等の意匠性を損なわずに済む。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、階段下スペースを例えば物干しスペースとして有効に活用することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、不使用時には仕切り部材を収納することができるので、階段下スペースの外観品質を良好に保つことができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、収納スペースを確保する必要がない分、階段側又は壁側の設計が容易になり、かつ仕切り手段の使用時及び収納時の操作の手間が省けるので使い勝手が良いという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、収納性及び使用性に優れ、かつ壁等に大が掛かりな設計変更を要しないという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、必要なときにのみ階段下スペースを使って洗濯物を干すことができるので、階段下スペースの外観品質を良好に維持しつつ洗濯物を好適な環境で干すことができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、階段下スペースを使って洗濯物を短時間で乾かすことができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、壁面を利用して階段下スペースを仕切り手段で仕切るので、仕切り手段を階段下スペースの片側の側面だけに設ければよく、その分、構造の複雑化を回避することができるという優れた効果を有する。
請求項8記載の本発明に係る階段下スペースを有する建物は、所謂スケルトンタイプの階段に対しても本来の意匠性を損なわずに階段下スペースを有効に活用することができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係る階段下スペースを有する建物の第1実施形態について説明する。
図1、図3には階段下スペースを物干しとして利用したときの状態を示す斜視図、側面図がそれぞれ示されており、又図2、図4には階段下スペースを物干しとして利用しないときの状態を示す斜視図、側面図がそれぞれ示されている。
これらの図に示されるように、建物10の内部所定位置には、階段12が設置されている。階段12は一階居室14の壁16に近接して配置されており、左右一対の側桁18間に架け渡された複数段の踏板20及び蹴込み板22、及び側桁18上に立設された左右一対の手摺24といった要素によって構成されている。また、階段12を昇りきったところには二階廊下26と繋がる踊場28が形成されている。側桁18の下端部は一階居室14の床30に支持されており、又側桁18の上端部は踊場28を介して直交する二つの壁16、34にそれぞれ支持されている。
上述した階段12の下方側には階段下スペース32が形成されており、以下に詳細に説明する。階段下スペース32は、直交する二つの壁16、34によって二面が仕切られている。また、階段下スペース32の壁34と対向する側は、階段12によって実質的に仕切られている。そして、階段下スペース32の壁16と対向する側のみが開放されている。従って、この階段下スペース32の壁16と対向する側を仕切ることができれば、階段下スペース32は実質的に閉鎖空間とすることができる。
ここで、階段12と対向する側の壁34の所定位置(階段下スペース32に臨む位置)には、直方体形状の凹部36が形成されている。凹部36の奥行きは所定寸法に設定されており、一方の側部には仕切り手段としての仕切り部材38が折り畳み状態で収納されている。また、凹部36の他方の側部には、扉40が折り畳み状態で収納されている。仕切り部材38及び扉40はいずれもアコーディオンカーテン状に形成されており、折り畳みと引き出しの両方が可能とされている。また、仕切り部材38の引き出し方向は壁34から離間する方向(階段12に接近する方向)であるのに対し、扉40の引き出し方向は壁16から離間する方向とされている。
また、図3〜図7に示されるように、凹部36には、物干しパイプ42が進退可能に配設されている。詳細に説明すると、物干しパイプ42は、所定の高さに平行に配置された左右一対の棒状体としての物干し竿44と、これらの物干し竿44の先端部がそれぞれ連結された左右一対の可動支柱46と、これらの物干し竿44の基端部がそれぞれ連結された左右一対の固定支柱48と、これらの物干し竿44の先端部同士及び基端部同士をそれぞれ連結する前後一対の連結パイプ50と、によって構成されている。可動支柱46は、壁34の凹部36の底部に形成された左右一対の凹溝52内に収納されるようになっている。また、壁34の凹部36の奥側には収容スペース54(図3、図4参照)が設けられており、この収容スペース54内に固定支柱48が収容されている。
物干し竿44は伸縮可能なパイプ構造とされており、物干し竿44の先端部には環状の保持具56が取り付けられている。この保持具56が可動支柱46に軸方向に沿って相対移動可能に挿通されている。なお、可動支柱46の下端部にはローラ58が取り付けられている。さらに、固定支柱48は高さ調節可能に構成されている。固定支柱48の高さを変更すると、それに伴って保持具56が可動支柱46に沿って上下動し、物干し竿44の高さが変更される構成である。
さらに、図7に示されるように、物干し竿44の基端部にはブロック状のジョイント62が配設されている。このジョイント62に固定支柱48の上端部と物干し竿44の基端部側が接続されている。また、ジョイント62には乾燥風供給手段としての温風供給装置64と連通されたホース66が接続されている。さらに、物干し竿44の周壁部には複数の乾燥風噴出し孔としての温風吹出し孔68が形成されており、これらの温風吹出し孔68から温風が吹き出るようになっている。なお、本実施形態では、温風供給装置64によって温風が吹き出されるように構成したが、これに限らず、常温の空気が吹き出されるようにしてもよいし、階段下スペース32の室温及び湿度に応じて温風と常温の空気とが切り換えられるようにしてもよい。
また、凹部36の下部側には、回転格納式の作業台70が設置されている。この作業台70は不使用時にはヒンジ72回りに上方へ回動されて凹部36の底面に密着され、使用時にはヒンジ72回りに下方へ回動されることにより水平な作業台となるものであり、利便性を向上されるために抽斗74も備えている。さらに、凹部36の下部には換気口76が設置されている。また、壁16の下部には開口窓78が形成されている。なお、壁16、34には、調湿機能を有する珪藻土等を利用するのが好ましい。
また、上述した凹部36の側方には、操作パネル80が配設されている。操作パネル80には、物干しパイプ42を使用状態、格納状態に選択的に切換えるためのモード選択スイッチ及び物干しパイプ42の高さ調節をするための高さ調節スイッチが設けられている他、温風供給装置64を作動させる温風供給スイッチ、踊場28の下面に配設された手元灯82を点灯、消灯させるための照明スイッチ等が設けられている。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
建物10の階段12の下方側には階段下スペース32が形成されており、本実施形態では、以下の要領で、この階段下スペース32を物干しスペースとして利用することができる。
天候不良時や外出時等、洗濯物を屋内で干す必要が生じた際には、操作パネル80の操作スイッチを操作することにより、仕切り部材38が図2及び図4に示される格納状態から図1及び図3に示される使用状態にされる。仕切り部材38が引き出されると、二つの壁16、34と階段12とで四方が囲まれて一つの独立した閉鎖空間が形成される。なお、扉40は手動で開放するようにしてもよいし、仕切り部材38を使用状態にする操作スイッチがONされたら、先に扉40が開放されて続いて仕切り部材38が引き出されるように制御してもよい。
続いて、操作パネル80の操作スイッチを操作することにより、物干しパイプ42を図4及び図6に示される格納状態から図3及び図5に示される使用状態にする。なお、仕切り部材38の引出し操作と物干しパイプ42の引出し操作を一つの操作スイッチで連動させて行わせてもよい。また、物干し竿44の高さが高過ぎる等の場合には、操作パネル80の操作スイッチを使って、物干し竿44の高さが自分にとって最適な高さ(作業姿勢を考慮して腰に負担のない高さ)になるように固定支柱48の高さ調節を行えばよい。固定支柱48の高さが変わると、それに伴って可動支柱46に沿って物干し竿44の高さが変更される。
その後は、図5に示されるように、作業台70に洗濯籠を置いて洗濯物を干す等の作業を行う。この際、図7に示されるハンガー84や図示しない小物(洗濯バサミ等)は、作業台70の抽斗74の中に入れておけば、非常に作業効率が上がる。
また、短時間で洗濯物を乾かしたい場合には、操作パネル80の操作スイッチを操作することにより、温風供給装置64を作動させればよい。温風供給装置64が作動すると、温風が物干し竿44内へ供給され、温風吹出し孔68から温風が吹出される。従って、洗濯物が早く乾く。また、湿気を帯びた空気は適宜換気口76や開口窓78から吸い出され、洗濯物の乾燥に快適な空気環境にすることができる。
なお、上記一連の作業をするにあたって、手元が暗い場合には手元灯82を点灯させればよい。この場合、手動スイッチで点灯及び消灯させてもよいし、物干しパイプ42の使用位置への移動動作に連動して点灯し、格納位置への移動動作に連動して消灯するように制御してもよい。また、手元灯82として除菌作用のある照明を用いてもよい。
このように仕切り部材38が壁34から引き出されることにより、階段下スペース32が独立した閉鎖空間となり、物干しスペースとして利用することができる。すなわち、本実施形態によれば、階段下スペース32を有効に活用することができる。補足すると、建物10がユニット建物である場合には、壁34側の造作等は工場内で予め造り込むことができる。従って、かかる建物ユニットに階段を設置するだけで(階段を組み合わせるだけで)階段に本来の昇降機能の他に、他の機能を付加することができる。
また、不使用時には、仕切り部材38を始め物干しパイプ42等も凹部36に格納することができるので、不使用時には階段下スペース32からこれらを退避させることができる。従って、階段下スペース32の外観品質を良好に保つことができる。
さらに、壁34に対して直交する方向でかつ階段下スペース32内へ伸縮可能な物干しパイプ42を設置したので、階段下スペース32を使って洗濯物を干すことが可能になる。しかも、不使用時には物干しパイプ42を縮めておくことができるので、階段下スペース32の外観も良好に保たれる。すなわち、本実施形態によれば、必要なときにのみ階段下スペース32を使って洗濯物を干すことができるので、階段下スペース32の外観品質を良好に維持しつつ洗濯物を好適な環境で干すことができる。
また、物干しパイプ42には温風供給装置64が接続されており、必要に応じて温風を物干し竿44内へ供給して温風吹出し孔68から温風を吹出させることができる。このため、階段下スペース32を使って洗濯物を短時間で乾かすことができる。なお、本実施形態では、物干し用に温風供給装置64を独立して備えているが、これに限らず、建物内の空調システムを利用してもよい。
さらに、階段12は壁16に近接して設けられているので、一般的な階段構造といえる。この種の一般的な階段構造に上記構造を適用した場合、階段下スペース32の片側の側面は既に壁16で仕切られているので、仕切り部材38は壁16と反対側の側面に対してのみ設ければよい。従って、仕切り部材38を物干しパイプ42の両サイドに一対設ける場合に比し、構造の複雑化を避けることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図8〜図10を用いて、本発明に係る階段下スペースを有する建物の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8〜図10に示されるように、この第2実施形態では、上述した物干しパイプ42の替わりに、階段12自体に折り畳み式の骨組構造体としての物干しパイプ90を設置した点に特徴がある。物干しパイプ90は、矩形枠状のフレーム92を備えている。フレーム92の中間二箇所には、ジョイント94を介して2本のパイプ96が架設されている。さらに、階段12の下面側の所定位置(各ジョイント94の直上位置)には、L字状のブラケット98がそれぞれ取り付けられている。ブラケット98の下端部にはストレート形状の第1リンク100の上端部がヒンジ結合されており、更に第1リンク100の下端部にはストレート形状の第2リンク102の上端部がヒンジ結合されている。そして更に、第2リンク102の下端部がジョイント94にヒンジ結合されている。これにより、フレーム92は階段12に対して平行に吊り下げられており、かつ平行移動することにより折り畳み可能となっている。
また、上述した階段12の側桁18の内側には、側桁18の長手方向に沿って長尺状のケース104が配設されている。ケース104にはロールスクリーン106が付勢力で層状に巻き取られた状態で収容されており、必要に応じてロールスクリーン106の角部に取り付けられたフック108を引き出すことにより、図8の二点鎖線で示すように張設され、目隠し用の仕切り部材として機能する。なお、フック108の先端部には係止孔が形成されており、床30にはフック108が係止されるアンカ110が取り付けられている。
(作用・効果)
上記構成によれば、階段下スペース32を物干しとして利用する場合、階段12の側桁18の内側に設置されたケース104からロールスクリーン106を引き出して、床30のアンカ110にフック108を係止させれば、仕切りが形成される。次に、物干しパイプ90を格納状態から引き降ろして使用状態とすることにより、フレーム92の横パイプ(フレーム92の上下のパイプと中間の2本のパイプ96)を使って洗濯物を干すことができる。このように物干しパイプ90は第1リンク100及び第2リンク102を使ったリンク機構により片手で上げ下げできるので、使い勝手が良い。
不使用時には、フック108をアンカ110から外せば、付勢力で自動的にケース104内にロールスクリーン106が巻き取られて格納される。また、物干しパイプ90も階段12側へ押し上げることにより、簡単に折り畳み状態になるので、階段下スペース32にはアンカ110を除いて何も異物が存在しない状態になる。
さらに、物干しパイプ90は階段12の下面側に支持されており、壁16、34とは無関係に設置される構成であるため、壁16、34との関係で造作が必要になることもない。
上記より、本実施形態によれば、収納性及び使用性に優れかつかつ壁16、34等に大が掛かりな設計変更を要しないというメリットが得られる。
〔第3実施形態〕
次に、図11及び図12を用いて、本発明に係る階段下スペースを有する建物の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図11及び図12に示されるように、この第3実施形態では、階段の意匠性を高めるために階段を骨組みだけで構成して設置する所謂スケルトン階段120に対して本発明を適用した点に特徴がある。なお、このスケルトン階段120は、前述した第1実施形態及び第2実施形態と異なり、壁16から充分に離間した距離に配置されており、壁34の幅方向の中間部付近において支持されている。また、構造的には、一例として左右の側桁の替わりに階段幅方向の中央に1本の支持部材122が配置されており、この支持部材122の各段差部に踏板20と蹴込み板22とが取り付けられている。
この場合、リビング等の部屋の用途に応じてスケルトン階段120の片側の側部のみに仕切り部材が存在すれば目隠しとして充分な場合もあると思われるが、両側の側部に左右一対の仕切り部材を設けて階段下スペース32を独立した閉鎖空間とするものである。
そのため、図11に示されるように、物干しパイプ42の先端部の左右一対の可動支柱46にはブラケット124を介して凹部36の蓋126が固定されており、その両サイドにロールスクリーン106がそれぞれ引き出されるようになっている。具体的には、ロールスクリーン106の先端部には、ロールスクリーン106にテンションを与えるためのバー128が取り付けられており、このバー128の側部上下には固定ピン130がそれぞれ立設されている。これに対応して、可動支柱46の側部上下にも固定ピン130側へ向けて連結ピン132がそれぞれ立設されており、固定ピン130と連結されたラッチ134に係合されることにより、物干しパイプ42とバー128とを解除可能に連結し、物干しパイプ42の移動にロールスクリーン106の動作を連動させるようになっている。なお、図11には、片側のロールスクリーン106のみを実線で図示し、手前側のロールスクリーンについては図示を省略している。
(作用・効果)
上記構成によれば、階段下スペース32を物干しとして利用する場合、操作パネル80の操作スイッチを操作することにより、物干しパイプ42が格納状態から伸長されていく。このとき、凹部36を塞いでいる蓋126も一緒に移動していく。また、蓋126の両側部にはロールスクリーン106の先端部が係止されているので、蓋126が物干しパイプ42の伸長動作に伴ってスケルトン階段120の下方へ延び出していくと、左右のロールスクリーン106も連動して引き出されていき、階段下スペース32に閉鎖空間が形成される。従って、前述した第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、本実施形態では、壁34側から物干しパイプ42、左右一対のロールスクリーン106及び蓋126が同期して格納位置から使用位置まで移動されるので、スケルトン階段120が備えている本来の意匠性を損なわずに、階段下スペース32を有効に活用(物干しスペースとして活用)することができる。
〔本実施形態の補足説明〕
(1) 本発明の適用対象は、階段下スペースを有する建物であればよい。従って、上述した各実施形態で説明したような戸建て住宅であってもよいし、上下階で一戸に区画されたマンションのような集合住宅であってもよい。また、戸建て住宅の場合、ユニット住宅でもよいし、軸組構造の一般的な住宅でもよい。
(2) 上述した実施形態では、仕切り手段として仕切り部材38、ロールスクリーン106を用いたが、これに限らず、作動することにより階段下スペース32の両側部にエアを噴出してエアカーテンを形成するものを用いてもよい。エアカーテンを用いれば、仕切り部材の収納スペースを壁34に確保する必要がなくなり、その分、階段側又は壁側の設計が容易になる。また、仕切り部材を引き出したり収納したりする操作が不要になるので、仕切り手段の使用時及び収納時の操作の手間が省けるので使い勝手が良い。
(3) 上述した実施形態では、階段下スペース32を物干しとして利用したが、これに限らず、他の用途に適用してもよい。例えば、本構造は、衣替えの時期等に一時的に衣裳部屋として利用するような場合に好適である。また、第2実施形態の骨組構造体としての物干しパイプ90の替わりに、ウォークインクローゼット等を設置してもよい。
(4) 上述した実施形態では、壁34又は階段12、120に仕切り手段が設けられていたが、これに限らず、壁34及び階段12、120の双方に仕切り手段を設けてもよい。例えば、第1実施形態の仕切り部材38と第2実施形態、第3実施形態のロールスクリーン106とを組み合わせてもよい。
第1実施形態に係る階段下スペースを有する建物の要部を示すである。 図1に示される階段下スペースを利用しないときの状態を示す斜視図である。 図1に示される階段下スペースを物干しとして利用した場合の側面図である。 図3に示される状態から仕切り部材及び物干しパイプを格納した状態を示す図3に対応する側面図である。 図3に示される物干しパイプを示す斜視図である。 図5に示される状態から物干しパイプを格納した状態を示す図5に対応する斜視図である。 図3に示される物干しパイプを拡大した拡大斜視図である。 第2実施形態に係る階段下スペースを有する建物の要部を示す斜視図である。 図8に示される物干しパイプの使用時と格納時の状態を示す要部拡大側面図である。 図8に示される物干しパイプの使用状態を示す図3に対応する側面図である。 第3実施形態に係る階段下スペースを有する建物の要部である物干しパイプ及びロールスクリーンを拡大して示す斜視図である。 図11に示される物干しパイプの使用状態を示す図3に対応する側面図である。
符号の説明
10 建物
12 階段
16 壁
32 階段下スペース
34 壁
38 仕切り部材(仕切り手段)
42 物干しパイプ
44 物干し竿(棒状体)
64 温風供給装置(乾燥風供給手段)
66 ホース(乾燥風供給手段)
68 温風吹出し孔(乾燥風噴出し孔)
90 物干しパイプ(骨組構造体)
106 ロールスクリーン(仕切り部材、仕切り手段)
120 スケルトン階段(階段)

Claims (8)

  1. 下方側に階段下スペースが形成された階段と、
    この階段及び階段付近の壁側の少なくとも一方に設けられ、前記階段下スペースを当該階段下スペースと連通された空間から隔成する仕切り手段と、
    を有することを特徴とする階段下スペースを有する建物。
  2. 前記仕切り手段は、階段側又は壁側に収納可能とされ、不使用時には収納状態とされかつ使用時には階段側又は壁側から引き出される使用状態とされる一又は二以上の仕切り部材を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の階段下スペースを有する建物。
  3. 前記仕切り手段は、階段側又は壁側に設置され、作動することにより仕切り位置へ向けてエアを噴出するエアカーテンである、
    ことを特徴とする請求項1記載の階段下スペースを有する建物。
  4. 前記階段には、当該階段に折り畳み可能に設けられると共に、不使用時には階段側に折り畳まれて格納状態とされかつ使用時には階段から離間する方向へ引き出されて使用状態とされる骨組構造体が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物。
  5. 前記壁には、前記階段下スペース内において当該壁に対して直交する方向へ伸縮可能な棒状体が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物。
  6. 請求項4記載の骨組構造体又は請求項5記載の棒状体は中空筒状に形成されていると共に周壁部に複数の乾燥風吹き出し孔が形成されており、
    当該骨組構造体又は当該棒状体には、乾燥風供給手段から乾燥風が供給される、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の階段下スペースを有する建物。
  7. 前記階段は、壁面に隣接又は近接して設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物。
  8. 前記階段は、壁面から離間した位置に独立して設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の階段下スペースを有する建物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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