JP2008258077A - Spark plug - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、例えば車両用ガソリンエンジン等の内燃機関に用いられる点火プラグに関し、特に着火性能を向上させた点火プラグに関する。 The present invention relates to a spark plug used for an internal combustion engine such as a gasoline engine for vehicles, and more particularly to a spark plug with improved ignition performance.
点火プラグはエンジンのあらゆる運転状況において混合気に確実に着火させ燃焼を開始する重要な役割を担っている。ガソリンは高温下においても着火しにくく、タイミング良く燃焼させるには、点火プラグの着火性能が重要になり、エンジン性能向上、排気ガスの排出削減のためにも更なる高性能なプラグが要求されている。 Spark plugs play an important role in reliably igniting the air-fuel mixture and starting combustion in all operating conditions of the engine. Gasoline is difficult to ignite even at high temperatures, and the ignition performance of spark plugs is important to burn in a timely manner, and higher performance plugs are required to improve engine performance and reduce exhaust gas emissions. Yes.
二輪車や四輪車の過去の技術開発では、最高出力の向上等、走行性能に重点を置いているものが多かったが、近年、二酸化炭素排出による地球温暖化や、CO、HC、PM、NOxなど有害排出ガスによる環境破壊の抑止など、走行性能だけでなく、エミッション性能の向上の要求度が高くなってきている。 Many past technological developments of motorcycles and automobiles have focused on driving performance, such as improving the maximum output, but in recent years global warming due to carbon dioxide emissions, CO, HC, PM, NOx The demand for improving not only driving performance but also emission performance, such as prevention of environmental destruction due to harmful exhaust gases, is increasing.
内燃機関であるエンジンは、更なる燃費向上、代替燃料使用、排ガス浄化などを目指し直噴化、リーンバーン化、高圧縮化などの技術に向かいエンジンの制御精度向上を伴うので、低要求電圧化など更に高い着火性能の点火プラグが望まれている。
ところで、点火プラグに高電圧を印加して火花放電を発生させ、混合気に着火させる点火時期は、エンジン出力が常に最大になるように制御されるが、混合気に点火してから火炎伝播が始まるまでの点火遅れ期間があるため、ピストンの上死点(TDC)前に設定される。 By the way, the ignition timing at which a high voltage is applied to the spark plug to generate a spark discharge and the mixture is ignited is controlled so that the engine output is always maximized. Since there is an ignition delay period before starting, it is set before the top dead center (TDC) of the piston.
火花エネルギーに十分な着火力がなかったり、プラグ側の火花の立ち上がりが遅れたりすると、混合気に点火できず失火が発生したり、ピストンが上死点を過ぎて、想定しているよりも、更に下降局面で混合気に着火することになる。当然の結果として、燃焼圧力が十分に得られず、エンジンのポテンシャルを発揮することはできない。 If the spark energy is not enough to ignite, or if the spark rise on the plug side is delayed, the mixture cannot be ignited and misfire occurs, or the piston passes the top dead center. Furthermore, the air-fuel mixture is ignited in the descending phase. As a natural result, the combustion pressure cannot be sufficiently obtained and the engine potential cannot be exhibited.
点火プラグや点火コイル等を備えた点火装置は、点火コイルの1次側コイルに流れる電流を、断続器(イグナイター)で急にスイッチを開いて遮断すると、2次側コイルには高電圧の逆起電力が発生する。この電圧をディストリビューターにより点火順序に従って、各シリンダーに設けられた点火プラグに配電してプラグの電極間で火花放電を発生させる。 When an ignition device having an ignition plug, an ignition coil, etc., interrupts the current flowing through the primary coil of the ignition coil by suddenly opening the switch with an interrupter (igniter) and shutting off the reverse voltage of the secondary coil. An electromotive force is generated. This voltage is distributed to a spark plug provided in each cylinder according to an ignition sequence by a distributor to generate a spark discharge between the electrodes of the plug.
点火プラグの電極間に絶縁空間があるので高い電圧が必要であるが、放電の初期には主にイグニッションコイルの2次側コイルの浮遊容量に蓄えられた静電エネルギーが電荷により放出される。エネルギー密度は高いが放電時間は極めて短い。続いて2次側コイルに蓄えられた電磁エネルギーが放出される。エネルギー密度は低いが持続時間は長い。 Since there is an insulating space between the electrodes of the spark plug, a high voltage is required, but electrostatic energy stored mainly in the stray capacitance of the secondary coil of the ignition coil is released by electric charges at the beginning of discharge. The energy density is high but the discharge time is very short. Subsequently, the electromagnetic energy stored in the secondary coil is released. Low energy density but long duration.
前者を容量放電といい、後者を誘導放電という、このように、火花放電は複合火花であり、容量放電が活性化に、誘導放電が反応の促進に、それぞれ重要な役割を果たしている。火花エネルギーが効率よく混合気に与えられ、かつ混合気の反応エネルギーが未燃焼混合気に効率よく伝授され、次々と連鎖反応が起こることが必要であるが、電極間で発生した火炎核は外気や電極に接しており、熱を奪われる(消炎作用)により、広がりにくい性質がある。この火炎核の成長度合いが燃焼の良否に影響を及ぼす。 The former is called capacitive discharge and the latter is called induction discharge. Thus, the spark discharge is a composite spark, and the capacitive discharge plays an important role in the activation and the induction discharge plays an important role in promoting the reaction. It is necessary for spark energy to be efficiently applied to the mixture, and for the reaction energy of the mixture to be efficiently transferred to the unburned mixture, so that a chain reaction must occur one after another. It is in contact with the electrode and has a property that it is difficult to spread due to heat deprivation (flame extinguishing action). The degree of growth of the flame kernel affects the quality of combustion.
一方、消炎作用の緩和にはプラグの電極間のギャップを広くすれば良いが、電極間のギャップを広げれば、放電を行うためには高い電圧が必要となる。このように、低要求電圧で着火性能の良い点火プラグが求められている。 On the other hand, in order to alleviate the flame extinguishing action, the gap between the electrodes of the plug may be widened. However, if the gap between the electrodes is widened, a high voltage is required for discharging. Thus, a spark plug having a low required voltage and good ignition performance is required.
また、CO2削減のための燃費向上、燃焼過程で発生する有害排出ガス削減等の理由も加わり、あらゆる条件下で、決められた期間に素早く燃焼を完結することが必要不可欠となっている。 In addition, for reasons such as improving fuel efficiency for reducing CO 2 and reducing harmful exhaust gas generated in the combustion process, it is indispensable to complete combustion quickly in a predetermined period under all conditions.
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、内燃機関の混合気の反応を効率良く促進させ、低要求電圧で高性能の点火プラグを提供することを目的としている。 The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object thereof is to efficiently promote the reaction of an air-fuel mixture in an internal combustion engine and provide a high performance spark plug with a low required voltage.
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電極間の火花放電により混合気に着火する点火プラグであって、前記電極のうち少なくとも電子放出側の電極上に電子を放出する電子放出層を形成したことを特徴とする点火プラグである。
In order to achieve the above object, an invention according to
また、請求項2記載の発明は、前記電子放出層は、該電子放出層が形成される電極を構成する金属よりもイオン化エネルギーの低い物質で構成されていることを特徴とする請求項1記載の点火プラグである。
The invention according to
また、請求項3記載の発明は、前記イオン化エネルギーの低い物質は金属元素又は金属元素を含む化合物で構成されていることを特徴とする請求項2記載の点火プラグである。
The invention according to claim 3 is the spark plug according to
また、請求項4記載の発明は、前記電子放出層は、前記電極の各々すべてについて形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の点火プラグである。
The invention according to claim 4 is the spark plug according to any one of
本発明の点火プラグによれば、電極のうち少なくとも電子放出側の電極上に電子を放出しやすくする電子放出層を形成しているので、容量放電を素早く行って、安定した誘導放電にスムーズに移行することができ、内燃機関の混合気の反応を効率良く促進させることができるとともに、低要求電圧で高性能の着火を実現することができる。 According to the spark plug of the present invention, the electron emission layer that facilitates electron emission is formed on at least the electrode on the electron emission side of the electrode. Therefore, the reaction of the air-fuel mixture in the internal combustion engine can be efficiently promoted, and high-performance ignition can be realized with a low required voltage.
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の点火プラグの構造を、図2は点火プラグと点火プラグに接続された点火回路を示す。点火プラグ10は、碍子等からなる絶縁体5、シリンダヘッド(後述)に取り付けるためのネジ部4、台座部3、中心電極1、接地電極2等の主要部で構成されている。ネジ部4は金属筐体に形成されており、エンジン等の内燃機関の各気筒40の燃焼室41内に台座部3、中心電極1、接地電極2等が挿入される形で配置される。
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 shows the structure of the spark plug of the present invention, and FIG. 2 shows an ignition circuit connected to the spark plug and the spark plug. The
点火コイルの2次側コイル22の一端は、点火プラグ10のターミナル11に接続され、さらに絶縁体5の内部に設置された銅芯(図示せず)、台座部3を介して中心電極1接続される。すなわち、ターミナル11の下部ではセラミックからなる絶縁体5が銅芯を覆うように形成されている。一方、接地電極2は気筒40のシリンダヘッド部を介して接地される。
One end of the
ターミナル11には銅芯が接続されると共に、銅芯には円錐台の台座部3が接続されている。台座部3は、耐熱性および耐蝕性の優れた導電性の材質、例えばインコネル等からなり、台座部3には、溶接によってイリジウムあるいはその合金からなる直径0.4mm〜0.7mm、長さ(高さ)1.1mmの円柱状の中心電極1が接続されている。したがって、ターミナル11から中心電極1までが導通されて放電電圧の導電経路が形成される。
A copper core is connected to the
接地電極2は、例えばプラチナからなる金属が用いられ、溶接などにより点火プラグの金属筐体に接続される。この際、中心電極1と接地電極2の間には、所定距離、例えば1.1mmのギャップが形成される。
The
ここで、点火プラグ10を用いたイオン電流の検出について簡単に説明する。同図は点火プラグ10に火花を生じさせるための点火回路、および、発生したイオン電流を検出するためのイオン電流検出装置のうち、イオン電流検出回路などを示す回路図である。
Here, the detection of the ion current using the
点火プラグ10は、内燃機関の各気筒40のシリンダヘッド部を臨む位置に配置され、台座部22、中心電極1および接地電極2が燃焼室44内にさらされる。点火プラグ10に放電電圧を発生させるための点火コイルは、その1次側(低圧側)コイル21と2次側(高圧側)コイル22とで構成されており、1次側コイル21の一端がバッテリ電源等の直流電源25に接続されると共に、他端がECU(電子制御ユニット)24からの点火信号に応じて開閉されるパワートランジスタ23を介して接地される。
The
また、2次側コイル22の一端は、ハイテンションコードを介して点火プラグ10のターミナル11に接続され、さらには絶縁体5内を走る銅芯(図示せず)、台座部3を介して中心電極1に接続される。一方、接地電極2は気筒40のシリンダヘッド部を介して接地される。
One end of the
他方、2次側コイル22の他端には、イオン電流検出部30が接続される。破線で囲まれたイオン電流検出部30は、放電電流によって図示の極性に充電されるコンデンサ35、およびコンデンサ35の充電電圧を規定するツェナーダイオード32が並列に接続され、さらに、コンデンサ35は、検出抵抗34を介して接地されると共に、ツェナーダイオード32は、電流の逆流を防止するダイオード33を介して接地される。
On the other hand, the ion
ECU24は、マイクロコンピュータからなり、クランク軸あるいはカム軸(共に図示せず)付近に配置されて各気筒のTDC位置およびそれを細分してなるクランク角度に応じた信号を出力するクランク角センサや吸気管内絶対圧(PBA)に応じた信号を出力する絶対圧センサ等のセンサ群の出力が入力される。
The
電源25から1次側コイル21を流れる電流は、ECU24からの点火信号(点火指令)に応じたパワートランジスタ23の開閉(オン・オフ)により通電・遮断される。パワートランジスタ23がオン状態からオフ状態となって1次側コイル21の電流が遮断されると、それに伴って2次側コイル22に負極性の高電圧(逆起電力)が発生し、放電電流が同図において1点鎖線で示すように流れる。
The current flowing from the
具体的には、点火プラグ10から、2次側コイル22、コンデンサ35又はツェナーダイオード54、ダイオード33と順に流れ、各点火プラグ10の中心電極1と接地電極2との間のギャップに火花放電を生じさせて混合気を着火・燃焼させる。
Specifically, the
また、上記した放電電流はコンデンサ35を図示の極性に充電する。尚、充電されたコンデンサ35は、イオン電流を検出するためのバイアス電圧を有するイオン電流検出用電源として機能する。点火プラグ10の電極間のギャップにおける火花放電により混合気が燃焼すると、混合気(正確には混合気の燃焼によって生じた燃焼ガス)が電離してイオンが発生する。台座部3および中心電極1と、接地電極2の間にイオンが介在し、電極間のギャップ付近の電気抵抗が低下することにより、同図において点線で示すように、検出抵抗34、コンデンサ35、2次側コイル22、点火プラグ10と順に流れるイオン電流が生じる。この際、発生したイオン電流に引きずられて検出抵抗34における電圧値が変化する。イオン電流検出部30は、この電圧値の変化、即ちイオン電流波形を検出してコンピュータ等で解析し、内燃機関が失火の状態にあるか否かを判断し、失火検出を行なうものである。
The discharge current described above charges the
ところで、本発明の構成では、中心電極1については、電極構成する金属電極1bを覆うように電子放出膜1aが被覆されており、一方、接地電極2についても、電極を構成する金属電極2bを覆うように電子放出膜2aが被覆されている。この電子放出膜1a、2aは、金属電極1b、2bを構成する元素よりもイオン化エネルギーの低い元素又は仕事関数の小さい元素を含む物質で構成されている。このように電極を構成することにより、電子放出膜1a、2aから、各々電子が放出されやすくなり、電極間の放電特性を改善することができる。
By the way, in the configuration of the present invention, the
具体的には、例えば、接地電極2の金属電極2bには、プラチナ(Pt)が用いられ、中心電極1の金属電極1bには、イリジウム(Ir)が用いられるが、これらのイオン化エネルギーは、Ptで870kJ/mol、Irで880kJ/molとされている。したがって、これらのイオン化エネルギーよりも低いイオン化エネルギーを有するNa(ナトリウム)を含む化合物を電子放出膜1a、2aに用いることができる。実際には、珪酸ナトリウムを電子放出膜1a、2aとして形成した。Naのイオン化エネルギーは496kJ/molとなっている。
Specifically, for example, platinum (Pt) is used for the metal electrode 2 b of the
これを形成するには、例えば、電気メッキの方法を用いた。珪酸ナトリウム水溶液中に点火プラグの電極部分を陰極として浸漬し、直流の電気を通電して、水溶液中の金属イオンを電極の表面に析出させた。 In order to form this, for example, an electroplating method was used. The electrode portion of the spark plug was immersed in a sodium silicate aqueous solution as a cathode, and direct current electricity was applied to deposit metal ions in the aqueous solution on the surface of the electrode.
なお、単一の元素単体でも金属電極上に被膜することができるものであれば、単一の元素により構成しても良い。このようにすることにより、電子放出膜1a又は2aから電子が放出されやすくなり、放電が開始されやすくなるとともに、金属電極1b又は金属電極2bからの電子放出が続けて行われるので、特に容量放電が早く行われてスムーズに誘導放電に移行することができ、電極間における放電特性が改善される。 Note that a single element may be composed of a single element as long as it can be coated on a metal electrode. This makes it easier for electrons to be emitted from the electron-emitting film 1a or 2a, making it easier for discharge to start, and continuing to emit electrons from the metal electrode 1b or metal electrode 2b. Can be performed early and smoothly shift to induction discharge, and the discharge characteristics between the electrodes are improved.
また、図1では、中心電極1と接地電極2における金属電極1b及び金属電極2bの両方に電子放出膜が形成されているが、放電時に電子を放出する側の電極、この場合金属電極1bにのみ電子放出膜を形成するようにしても良く、その形成方法は、金属電極1bを全面に覆うのではなく、金属電極1b上の一部に形成するようにしても良い。また、燃焼室41に曝されている部分をすべて、例えば、金属電極1b及び金属電極2b及び台座部3の上面すべてを覆うように電子放出膜を形成しても良い。
Further, in FIG. 1, an electron emission film is formed on both the metal electrode 1b and the metal electrode 2b in the
本発明の作用を説明するため、図3に、2次側コイル22における放電時の典型的な電圧波形を示す。火花放電は点火コイルで発生した高電圧が、点火プラグの電極ギャップ間の絶縁を破壊することにより発生する放電をいいます。火花放電は図3に示すように、容量放電Aと誘導放電Bの二つの成分により構成されている。図2のように、トランジスタ23による点火では、点火コイルの2次巻線側のコイル22に発生した逆起電力がコイルやプラグコード等とアースとの間に自然発生する浮遊容量に蓄えられる。この浮遊容量の充電電圧が電極ギャップの放電電圧以上に達すると、この浮遊容量に蓄積された電荷が放電される。これを容量放電Aと呼んでいる。この浮遊容量は一般的に非常に小さいため、例えば30〜50A程度の大電流が短時間(例えば、約10〜20ns)流れて容量放電が終了する。
In order to explain the operation of the present invention, FIG. 3 shows a typical voltage waveform during discharge in the
次に、2次巻線側のコイル22に蓄えられた電磁エネルギーによる放電電流が電極ギャップ間を流れるが、コイル22のインダクタンスは大きいため電流値は小さく(例えば50〜80mA)、比較的長い時間(例えば1〜3ms)放電が継続し、これを誘導放電Bと呼んでいる。そして、最後に、誘導放電で余った電気エネルギーが減衰していく領域が減衰振動Cである。
Next, a discharge current due to electromagnetic energy stored in the
このとき、容量放電Aにより、電極間の燃料粒子が電離して活性化され、このとき開始された化学反応が持続発展するように、続く誘導放電Bでエネルギーを供給している。誘導放電Bは、最初の化学反応によって発生する火炎核を周囲の混合気にまで広げ、自分で燃焼を周囲に広げていくだけの大きさになるまでの熱を供給する役割を果たす。したがって、誘導放電Bの役割は重要であり、一定の誘導放電電圧が維持されつつ、その放電時間がある程度長い方が望ましい。 At this time, fuel particles between the electrodes are ionized and activated by the capacitive discharge A, and energy is supplied by the subsequent induction discharge B so that the chemical reaction started at this time is continuously developed. The induction discharge B plays a role of supplying heat until the flame kernel generated by the first chemical reaction spreads to the surrounding air-fuel mixture and becomes large enough to spread the combustion by itself. Therefore, the role of the induction discharge B is important, and it is desirable that the discharge time is long to some extent while maintaining a constant induction discharge voltage.
図4〜図6は、2次側コイル22から発生する高電圧を点火プラグに印加し、点火プラグの中心電極と外側電極(接地電極)との間の絶縁空間に流れる放電電流の状態を計測した。 図4〜図6の横軸は時間を、縦軸は放電電流値を示す。図6は、長期間使用した点火プラグの放電電流を示すが、波形の立下がりの間隔が長く(電気回路で言えば時定数に相当)、安定した電流が流れるのに時間がかかっているのがわかる。図5は、新品の点火プラグの放電電流を示す。新品の点火プラグでは、立下がりの間隔は、図6の中古の点加プラグのときよりも、短くなっているものの、やはり安定するのに遅れが生じている。
4 to 6, the high voltage generated from the
図4は、本発明のように、点火プラグの電極に電子放出膜を形成したものであるが、図5の新品で従来の点火プラグと比較して、放電電流の波形は鋭い形状となっており、急激に立ち下がって、安定した電流が流れる時間が多くなっていることがわかる。すなわち、本発明の構成とすることにより、容量放電から誘導放電に早くスムーズに移行させ、誘導放電の時間を多く確保できる。 FIG. 4 shows an example in which an electron emission film is formed on an electrode of an ignition plug as in the present invention, but the waveform of the discharge current is sharper than that of the new ignition plug of FIG. It can be seen that the time when the current suddenly falls and a stable current flows increases. That is, by adopting the configuration of the present invention, it is possible to shift from capacitive discharge to induction discharge quickly and smoothly, and to secure a long induction discharge time.
次に、更にデータで裏付けるためオシロスコープにより2次側コイル22における2次電圧波形を測定し、それぞれの特性を比較した。なお、2次電圧波形の測定はアイドリング状態で行った。図7(a)は、新品ではあるが従来の点火プラグ(以下、未加工の新品プラグという)における2次電圧波形を、図7(b)は、本発明の構成による新品の点火プラグ(以下、加工後の新品プラグという)における2次電圧波形を示す。また、図中のAは上述した容量放電の領域を、Bは誘導放電の領域を示し、時間軸の1スケールは10μsである。
Next, in order to further support the data, the secondary voltage waveform in the
図7(a)に示すように、未加工の新品プラグにおいては、放電初期の容量放電領域Aにおいて電気抵抗によると思われる波形の乱れがあるが、加工後の新品プラグには図7(b)からわかるように乱れがない。すなわち、加工後の新品プラグでは、放電初期の容量放電はプラグ本体の加工(処理)により、電子が放出されやすくなり、電極間での火花放電がスムーズになり抵抗軽減で一機に放電して、2次電圧が素早く低下すると推測される。 As shown in FIG. 7 (a), in the unprocessed new plug, there is a waveform disturbance considered to be due to electric resistance in the capacity discharge region A at the initial stage of discharge. ) There is no disturbance as you can see. In other words, in the new plug after processing, the capacity discharge at the initial stage of discharge becomes easier to emit electrons due to the processing (processing) of the plug body, the spark discharge between the electrodes becomes smooth, and the resistance is reduced and discharged in one machine. It is presumed that the secondary voltage decreases quickly.
また、図7(a)と(b)では、誘導放電領域Bに大きな違いが確認できる。容量放電続く誘導放電は、未加工の新品プラグでは電極間の電気抵抗等の要因により、小さな電流となり、B−1の領域に示されるように、電圧が低下し、火花は一時、途絶えていると考えられる。加工後の新品プラグでは、図7(b)のB−2の領域に示されるように、容量放電後の誘導放電電圧は安定しており、電極間の火花放電が続いている。 Moreover, a big difference can be confirmed in the induction discharge area | region B in FIG. 7 (a) and (b). Inductive discharge that follows capacitive discharge becomes a small current due to factors such as electrical resistance between the electrodes in the unprocessed new plug, and the voltage decreases as shown in the region B-1, and the spark is temporarily stopped. it is conceivable that. In the new plug after processing, as shown in the area B-2 in FIG. 7B, the induced discharge voltage after the capacitive discharge is stable, and the spark discharge between the electrodes continues.
上述したように、混合気の火炎核を成長させ希薄混合気にも十分な着火力を与えるためには、誘導放電領域Bにおいて、安定した放電電圧で、放電の持続時間がある程度長いことが必要であるが、点火プラグを本発明の構成とすることで、上記のようにこれらの条件を達成することができる。 As described above, in order to grow the flame kernel of the air-fuel mixture and give sufficient ignition power to the lean air-fuel mixture, it is necessary that the discharge duration is long to some extent in the induction discharge region B with a stable discharge voltage. However, these conditions can be achieved as described above by configuring the spark plug according to the present invention.
次に、本発明の構成を中古の点火プラグ(以下、加工後の中古プラグという)に適用した場合の比較データを示す。点火プラグは同じ電極間のギャップでも角があるほうが放電しやすくなる。長期間使用したプラグは消耗により、電極形状が丸みを帯びてくるために、放電しにくくなり、失火しやすくなる。また、電極間のギャップも消耗して少しずつ広くなり、要求電圧が高くなる。 Next, comparison data when the configuration of the present invention is applied to a used spark plug (hereinafter referred to as a used plug after processing) is shown. Spark plugs are more likely to discharge if there are corners even in the gap between the same electrodes. When the plug is used for a long period of time, the electrode shape is rounded due to wear, so that it becomes difficult to discharge and misfires easily. In addition, the gap between the electrodes is consumed and gradually widened, and the required voltage increases.
図12(a)は未加工の新品プラグの2次電圧波形を、図12(b)は加工後の新品プラグの2次電圧波形を示し、図13は加工後の中古プラグの2次電圧波形を示す。これらの時間軸の1スケールは20μsである。また、加工後の中古プラグは、電極消耗による影響をみるために、約20000km走行した使用済みの点火プラグに対して本発明の構成となるように加工を行ったものである。 12A shows the secondary voltage waveform of a new plug that has not been processed, FIG. 12B shows the secondary voltage waveform of a new plug that has been processed, and FIG. 13 shows the secondary voltage waveform of a used plug that has been processed. Indicates. One scale of these time axes is 20 μs. In addition, the used plug after processing is obtained by processing a used spark plug that has traveled about 20000 km so as to have the configuration of the present invention in order to see the influence of electrode consumption.
図12(a)と(b)との比較については、図7で説明した通りの結果となっているが、図13と図12(b)の比較でわかるように、長期使用の点火プラグで電極が消耗していても本発明の構成とすることにより加工後の新品プラグの2次電圧とよく似た波形を示しており、着火性能が著しく向上することがわかる。 The comparison between FIG. 12 (a) and FIG. 12 (b) is the result as described in FIG. 7, but as can be seen from the comparison between FIG. 13 and FIG. Even if the electrode is consumed, the configuration of the present invention shows a waveform very similar to the secondary voltage of the new plug after processing, and it can be seen that the ignition performance is remarkably improved.
また、加工後の新品プラグ、未加工の新品プラグ、加工後の中古プラグをさらに良く比較できるように、時間軸のスケールを変えて測定したのが、図8〜図10、図11である。図8は加工後の新品プラグを用いた2次電圧波形であって、時間軸の1スケールが50μsを、図9は加工後の新品プラグを用いた2次電圧波形であって、時間軸の1スケールが5μsを、図10は加工後の中古プラグを用いた2次電圧波形であって、時間軸の1スケールが5μsを示す。また、図11は加工後の中古プラグを用いた2次電圧波形であって、時間軸の1スケールが10μsを示す。 In addition, FIGS. 8 to 10 and 11 show the measurement by changing the scale of the time axis so that a new plug after processing, an unprocessed new plug, and a used plug after processing can be compared better. FIG. 8 is a secondary voltage waveform using a new plug after processing, and one time scale is 50 μs, and FIG. 9 is a secondary voltage waveform using a new plug after processing. One scale is 5 μs, and FIG. 10 is a secondary voltage waveform using a used plug after processing. One scale on the time axis is 5 μs. FIG. 11 is a secondary voltage waveform using a used plug after processing, and one scale of the time axis indicates 10 μs.
以上説明したように、本発明のプラグは要求電圧が下がり、電極が消耗してギャップが広がってからも安定した火花放電を維持し、放電密度も高いので消炎作用を緩和する。また、ニッケル合金を使った安価な一般電極プラグでも高価な貴金属を電極に使った高性能プラグ以上の性能を発揮することができる。 As described above, the plug of the present invention maintains a stable spark discharge even after the required voltage is lowered, the electrode is consumed and the gap is widened, and the flame extinguishing action is mitigated because the discharge density is high. In addition, an inexpensive general electrode plug using a nickel alloy can perform more than a high performance plug using an expensive noble metal as an electrode.
プラグの電極のギャップ間には高電圧で短絡され発生したアーク放電中の陽光柱には、負の電荷を持つ電子と正の電荷を持った正イオンが、ほぼ同じ割合で混在して、一方の荷電粒子郡は不規則な熱運動をしている。この放電気体が熱を放射して燃料粒子を活性化する。混合気に着火するためにはプラズマ状態を一定時間保つ必要があるが、熱を失ったプラズマは電気的に中性の分子に戻りプラズマ状態でなくなり絶縁体となり電気を通さなくなるので、安定した電気の供給で電極間のプラズマ発生の環境を保つ必要がある。 In the positive column during arc discharge, which is short-circuited between the plug electrode gaps at a high voltage, negatively charged electrons and positively charged positive ions are mixed at approximately the same rate. The charged particle county has irregular thermal motion. This discharge gas radiates heat and activates the fuel particles. In order to ignite the air-fuel mixture, it is necessary to maintain the plasma state for a certain period of time. However, the plasma that has lost its heat returns to neutral molecules and is no longer in a plasma state, becoming an insulator and conducting electricity. It is necessary to maintain the plasma generation environment between the electrodes with the supply of.
本発明の構成では、プラグを構成する導電体に電極間の絶縁空間に電子を放出しやすい電子放出層(膜)を電極上に形成することにより、高電圧が電極に印加された場合、電子を放出して電極間を橋絡し、スパークプラグの火花放電が始まる作用を助長する。それは電極に強い電界ができると電極表面から大量の電子を放出してプラグの火花放電を助け、電極間が電導性の放電路で結ばれ、火花放電が安定した電流により誘導放電として長く持続させることができる。この誘導放電は安定しており、気体温度も高く放電時間も長いので火炎核が成長して火炎伝播となって燃焼が広がるのに大きな役割を果たす。 In the configuration of the present invention, when a high voltage is applied to the electrode by forming an electron emission layer (film) on the electrode that is easy to emit electrons in the insulating space between the electrodes in the conductor constituting the plug, Is released and bridges between the electrodes, promoting the action of spark discharge of the spark plug. When a strong electric field is generated on the electrode, a large amount of electrons are emitted from the electrode surface to help spark discharge of the plug, the electrodes are connected by a conductive discharge path, and the spark discharge is sustained for a long time as an induced discharge by a stable current. be able to. This induction discharge is stable, and the gas temperature is high and the discharge time is long, so that it plays a big role in the growth of flame nuclei and the propagation of flame to spread the combustion.
また、電極の消耗においても有利で、従来プラグは電極が消耗してギャップが広がった場合、火花放電には高い要求電圧が必要になるが、本発明のプラグは電子放出源が別にもあるので電極消耗後の飛火ミス(放電できない)が軽減される。 In addition, it is advantageous in terms of electrode consumption, and when a conventional plug is worn out and the gap widens, a high required voltage is required for spark discharge, but the plug of the present invention has another electron emission source. Misfires (cannot be discharged) after electrode consumption is reduced.
例えば、冬場に低速走行と停止が頻繁に繰り返されると燃えきらないガソリンやオイルによって蒸し焼き状態のカーボンがプラグに付着すると高電圧がカーボンを伝わってリークして火花放電しない状態になり、燃焼室の環境もカーボン付着で悪化する。電極の良い状態を保つためにもエンジンが動いている間は良いプラズマ状態が必要になる。これが良い火花であり、この状態を保つにはスパークプラグの性能(状態)に左右され、エンジンの燃焼室環境の維持にも関係して走行性能に変化が出る。またエンジン寿命にも大きく影響することになるが、本発明のプラグを用いることにより上記問題も解決される。
For example, if low-speed running and stopping are repeated frequently in winter, steam and carbon that does not burn will adhere to the plug, causing high voltage to travel through the carbon, causing leakage and no spark discharge. The environment is also worsened by carbon adhesion. In order to keep the electrodes in good condition, a good plasma state is required while the engine is running. This is a good spark, and maintaining this state depends on the performance (state) of the spark plug, and the running performance changes depending on the maintenance of the combustion chamber environment of the engine. Although the engine life is greatly affected, the above problem can be solved by using the plug of the present invention.
1 中心電極
1a 電子放出膜
1b 金属電極
2 接地電極
2a 電子放出膜
2b 金属電極
3 台座部
4 ネジ部
5 絶縁体
10 点火プラグ
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記電極のうち少なくとも電子放出側の電極上に電子を放出する電子放出層を形成したことを特徴とする点火プラグ。 A spark plug that ignites an air-fuel mixture by spark discharge between electrodes,
An ignition plug characterized in that an electron emission layer for emitting electrons is formed on at least an electrode on the electron emission side of the electrodes.
The spark plug according to any one of claims 1 to 3, wherein the electron emission layer is formed for each of the electrodes.
Priority Applications (1)
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JP2007101137A JP2008258077A (en) | 2007-04-06 | 2007-04-06 | Spark plug |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015222682A (en) * | 2014-05-23 | 2015-12-10 | 日本特殊陶業株式会社 | Spark plug |
-
2007
- 2007-04-06 JP JP2007101137A patent/JP2008258077A/en not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015222682A (en) * | 2014-05-23 | 2015-12-10 | 日本特殊陶業株式会社 | Spark plug |
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