JP2008255573A - 支承センサ装置 - Google Patents

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Harutoshi Okai
晴俊 大貝
Katsumi Hirai
克己 平井
Takahiko Abe
隆彦 安部
Yoshinori Kawamura
義則 川村
Toshitaka Kasai
利貴 笠井
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Abstract

【課題】電力線による電力供給を必要とせず、長期間にわたる保守点検作業を要することなく、シンプルで安価な支承センサ装置を提供する。
【解決手段】支承センサ装置1では、ワイヤ10を円形のプーリ12に巻きつけることによって、ワイヤ10の長さの変化を抵抗値に変換し、橋桁の変位をポテンショメータ11の中点Pの電圧として測定端子Tから電気的に測定する。適当なギア比のギア13および14を用いてプーリ12の回転を最大1回転以下として円盤15に伝達し、円盤15によってマイクロスイッチ16の接点16aを駆動する。マイクロスイッチ16には電圧(+3V)が印加されているが、通常、接点16aは開放状態なので電力を消費しない。接点16aが短絡されたことを検出すれば、規定の値以上の橋桁の変位があったことを知ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋桁間の長さの変位を測定する支承センサ装置に関する。
社会資本、特に、橋梁、道路、港湾および教育施設等の大型建造物は、建造および整備されてから年数を経ると老朽化、陳腐化していくことは免れない。近い将来、これらの大型建造物に対する維持補修および更新等の費用は、建造等に対する全投資額の半分を超えるものと言われている。このため、上記大型建造物については、壊して新規に造る方法から既存の大型建造物に予防的な補修を行って、耐用年数の延長、すなわち長寿命化を図る方法に変更することにより、財政負担の軽減を図る必要性が高まってきている。
社会資本の中でも橋梁は大規模建造物であるだけでなく、一旦、橋梁に不具合が起こったときのインパクトは交通網の遮断に繋がるため、経済的、社会的にも非常に大きい。橋梁は、ほとんどが鉄筋コンクリート製または鉄骨製であり、その設計耐用年数は50年〜60年である。2010年頃には半数以上の橋梁が架設後40年以上経過することになり、2020〜2030年頃には耐用年数50年を越える橋梁が急増することとなるため、これらの橋梁を更新しなければならないと言われている。本来、コンクリートは耐久性に富んだ材料であるため、良質な材料および高度な技術を適用すれば、1000年コンクリートの製造も不可能ではないと考えられている。その一方で、橋梁建設後20年も経たないうちに橋梁に劣化が顕在化する等といった事例があることも事実である。これらの事例の原因は、建設当時には知られていなかった劣化現象、過去の設計技術レベルが現在の状況に対応していなかったこと等が考えられている。車の大型化、交通量の増大に伴って、過去の設計時に想定した橋梁の積載重量に対して過積載となってしまっていること、大半の橋梁で採用されている鉄筋コンクリート構造には一時期塩分を規定値以上に含む砂利が使用されていたこと、橋梁の設置場所が海岸に近い場合は潮風にさらされること等を考慮すると、橋梁の耐用年数は過去の設計値よりも短縮される可能性がある。河川に架かる橋梁の場合、橋脚部分の基礎を川底に埋設して固定することにより全体の強度を出している。しかし、河川流域の開発等により森林の保水力が減少することに伴って、河川流域に降雨後の河川流速が上がるため、橋脚基礎部分の潜掘が進みやすくなっている。このため、橋梁の強度劣化を早めているケースも生じている。以上より明らかなように、今後、維持管理し補修を要する橋梁の数は急激に増大していくものと考えられる。
従来から実施されている、橋梁、トンネル、ダム、擁壁等道路構造物、樋門・樋管等河川構造物、港湾構造物、上下水道施設等のコンクリート構造物の維持管理および診断方法は、管理者によって異なるものの、一般には以下のような方法が採用されている(非特許文献1〜5参照)。
1.定期点検・調査(一次検査):劣化程度の把握、劣化原因の推定
調査・検査方法を列挙すると、損傷・変状調査、構造物調査・点検、外観変状調査、健全度調査、外観目視検査、打音検査、赤外線法、X線法、非破壊検査、腐食調査、耐荷力調査、ひび割れ調査、コア採取、シュミットハンマー等がある。
2.劣化試験・評価・予測(二次検査):劣化の経時変化の予測、要求性能と比較して評価
(1)試験・測定方法を列挙すると、静的載荷試験、耐久性試験、応力頻度測定、材料試験、圧縮強度試験、劣化試験、非破壊試験、変位測定、疲労試験等がある。
(2)評価・判定方法を列挙すると、健全度診断(ひび割れの発生原因究明と対策の検討)、耐久性評価(中性化、塩害、アルカリ骨材反応、錆・腐食)、耐荷力評価(活荷重、疲労、温度、地震)、変位・変形検討(基礎沈下・傾斜、クリープ、側方流動、振動)等がある。
(3)予測方法を列挙すると、劣化予測(コンクリート片落下の可能性)、ライフサイクルコスト予測、耐用年数予測等がある。
3.対策の判定・選定: 補修工法、補強工法
(1)補修工法を列挙すると、表面塗布、ひび割れ注入・充填、断面修復、表面被覆、電気防食等がある。
(2)補強工法を列挙すると、打ち換え、コンクリート巻立て、鋼板接着、支持点増設等がある。
まず、定期点検・調査の一次検査が行われ、その結果に基づき、更に詳細な二次検査を行うか否かを決める。二次検査を行う場合、劣化試験・評価・予測等を含めた破壊試験(コンクリートコアの切り出しによる断面検査等)、非破壊試験(橋脚基礎部分の洗掘の進み方の推定に用いられる衝撃振動法等)も併用される。その結果、補修、補強を施すほうが良いかどうかという判定が行われる。補修・補強を施すと判定された場合、どのような補修工法、補強工法を選定するべきかを決める。
谷川恭雄著、「コンクリート構造物の非破壊検査・診断方法」、セメントジャーナル社、2004年9月17日発行。 小林一輔著、「コア採取によるコンクリート構造物の劣化診断法」、森北出版株式会社、2001年12月28日発行。 鈴木一孝、野尻陽一、松岡康訓共著、「コンクリートの組織構造の診断」、森北出版株式会社、1003年9月30日発行。 片脇清士著、「最新のコンクリート防食と補修技術」、山海堂株式会社、1999年9月16日発行。 魚本健人監修、「コンクリート構造物の検査・診断−非破壊検査ガイドブック」、理工図書株式会社、2003年8月11日。
橋梁支承は橋脚上に設置され、橋桁の温度変化等による伸縮を吸収する。支承センサ装置は橋桁の地震等による異常な変位を検出する装置であるが、その設置される環境から、電力線による電力供給が困難であるという問題があった。さらに、信頼性を確保するため、長期間にわたる保守点検作業の必要性があったが、その設置される環境から、長期間にわたる保守点検作業が困難であるという問題があった。橋梁の監視に多数の支承センサ装置を必要とするため、複雑な構造で高価格な支承センサ装置ではコスト上使用が困難であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、電力線による電力供給を必要とせず、長期間にわたる保守点検作業を要することなく、シンプルで安価な支承センサ装置を提供することにある。
この発明の支承センサ装置は、橋桁間の長さの変位を測定する支承センサ装置であって、プーリと、前記プーリに固定された一端と端子を装着した他端とを有するワイヤであって該一端側は該プーリに巻き付けられたものと、前記プーリに固定され前記ワイヤの巻き戻しの回転力を前記プーリに与える巻き戻し部と、前記プーリと同じ回転軸に装着され該プーリの回転に基づき該回転の角度を出力するポテンショメータとを備え、前記支承センサが装着された橋桁と異なる他の橋桁に前記ワイヤの他端を設置し、該ワイヤの長さの変化に基づく前記プーリの回転角度を前記ポテンショメータにより出力させることを特徴とする。
ここで、この発明の支承センサ装置において、前記プーリの回転軸と同じ回転軸に装着された第1ギアと、第1ギアと所定のギア比を有し第1ギアに接続した第2ギアと、第2ギアの回転軸と同じ回転軸に装着され所定の突起を有する円盤と、前記円盤の回転に伴う突起の回転により駆動されるスイッチと、前記スイッチの駆動に基づき所定の信号を出力する回路部とをさらに備え、前記支承センサが装着された橋桁と異なる他の橋桁に前記ワイヤの他端を設置し、該ワイヤの長さの変化に基づく前記プーリの回転を第1ギア、第2ギア、前記円盤及び前記突起に伝達させ、該プーリの回転角が所定の回転角以上になることにより前記スイッチが駆動された場合、前記回路部に所定の信号を出力させることができる。
ここで、この発明の支承センサ装置において、前記ポテンショメータの印加電圧を抵抗を介して前記スイッチに印加し、前記回路部は、前記円盤の回転に伴う突起の回転により該スイッチが短絡した場合、該スイッチの印加電圧の変化を検出して所定の信号を出力することができる。
本発明の支承センサ装置によれば、ワイヤを円形のプーリに巻きつけることによって、ワイヤの長さの変化を抵抗値に変換し、橋桁の変位をポテンショメータの中点の電圧として測定端子から電気的に測定する。適当なギア比の2つのギアを用いてプーリの回転を最大1回転以下として円盤に伝達し、円盤によってマイクロスイッチの接点を駆動する。マイコロスイッチには電圧が印加されているが、通常、接点は開放状態なので電力を消費しない。接点が短絡されたことを検出すれば、規定の値以上の橋桁の変位があったことを知ることができる。以上のように、本発明の支承センサ装置によれば、非常にシンプルな構造で橋桁の変位量を測定することができ、さらに橋桁が規定以上の大きさの変位を生じたときは、通報装置を起動する信号を生成することができる。従って本発明の支承センサ装置によれば、消費電力が極めて小さく、堅牢で、且つ安価な支承センサ装置を提供することができるという効果がある。
以下、実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における支承センサ装置1を示す。図1に示されるように、金属製のワイヤ10はポテンショメータ11の回転軸11aに装着したプーリ12に巻きつけてあって、一端はプーリ12に固定し、他端の端子10aを橋桁に固定する。橋桁が移動するとプーリ12が回転し、ポテンショメータ11が回転する。プーリ12に固定されたコイル状のバネ12a(巻き戻し部)は、常にワイヤ10を巻き戻すように、プーリ12に回転力を与える。
図1に示されるように、プーリ12と同じ回転軸上にあるギア13はギア14を介してプーリ12の回転を円盤15に伝達する。円盤15の回転数を最大1回転とするようギア13とギア14とのギア比(所定のギア比)を選んでいる。円盤15にある突起15a(所定の突起)は、円盤15が適当な回転角(所定の回転角)になったときに、マイクロスイッチ16の接点16aを駆動する。
図2は、本発明の支承センサ装置1の電気的な動作を説明するブロック図である。図2で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。橋桁の変位の大きさを測定するときは、図2に示されるポテンショメータ11の両端にパルス状の電圧または電流を印加する。プーリ12の回転によりポテンショメータ11の摺動子(不図示)が円形(図2では便宜上直線で示す。)に配置した抵抗線25上を摺動して、中点Pに移動する。そこで、ポテンショメータ11の中点Pの電圧を測定端子Tで測定すればポテンショメータ101回転角、すなわちプーリ12の回転角を得ることができ、これから橋桁の変位量を知ることができる。
図2に示されるように、マイクロスイッチ161には高抵抗22を介して正電圧(+3V)が印加されている。第2の円盤15によってマイクロスイッチ16の接点が短絡されると、マイクロスイッチ16への印加電圧は0Vになる。検出回路23はこの電圧の変化を検出し、ゲート回路24を駆動する。検出回路23およびゲート回路24はCMOS素子を用いて構成することにより、消費電力を微小にすることができる。ゲート回路24からの出力信号S(所定の信号)は、通報装置等を起動するために使用する。
橋桁の変位の大きさを知る基本原理は、上述した支承センサ装置1のワイヤ10を橋脚の橋桁の間に張り、当該ワイヤ10の長さを測定し、その変化から橋桁の変位の大きさを知るというものである。予め定められた値以上の長さの変位があった場合に、マイクロスイッチ16を駆動して、橋桁の異常な変位を検出することができる。
すなわち、本発明の支承センサ装置1では、ワイヤ10を円形のプーリ12に巻きつけることによって、ワイヤ10の長さの変化を抵抗値に変換し、橋桁の変位をポテンショメータ11の中点Pの電圧として測定端子Tから電気的に測定する。適当なギア比のギア13および14を用いてプーリ12の回転を最大1回転以下として円盤15に伝達し、円盤15によってマイクロスイッチ16の接点16aを駆動する。マイクロスイッチ16には電圧(+3V)が印加されているが、通常、接点16aは開放状態なので電力を消費しない。接点16aが短絡されたことを検出すれば、規定の値以上の橋桁の変位があったことを知ることができる。
以上のように、本発明の支承センサ装置1によれば、非常にシンプルな構造で橋桁の変位量を測定することができ、さらに橋桁が規定以上の大きさの変位を生じたときは、通報装置を起動する信号を生成することができる。従って本発明の支承センサ装置1によれば、消費電力が極めて小さいため電力線による電力供給を必要とせず、非常にシンプルな構造であるため堅牢であり、このため長期間にわたる保守点検作業を要することがなく、且つ安価な支承センサ装置を提供することができる。
本発明の活用例として、大型構造物、例えばビル、トンネル、ダム、擁壁等道路構造物、桶門・桶管等河川構造物、港湾構造物、上下水道施設等自体およびこれらの構成要素への適用が挙げられる。
本発明の実施例1における支承センサ装置1を示す図である。 本発明の支承センサ装置1の電気的な動作を説明するブロック図である。
符号の説明
1 支承センサ装置、 10 ワイヤ、 10a 端子、 11 ポテンショメータ、 11a 回転軸、 12 プーリ、 12a バネ、 13、14 ギア、 15 円盤、 15a 突起、 16 マイクロスイッチ、 16a 接点、 22 抵抗、 23 検出回路、 24 ゲート回路。

Claims (3)

  1. 橋桁間の長さの変位を測定する支承センサ装置であって、
    プーリと、
    前記プーリに固定された一端と端子を装着した他端とを有するワイヤであって該一端側は該プーリに巻き付けられたものと、
    前記プーリに固定され前記ワイヤの巻き戻しの回転力を前記プーリに与える巻き戻し部と、
    前記プーリと同じ回転軸に装着され該プーリの回転に基づき該回転の角度を出力するポテンショメータとを備え、
    前記支承センサが装着された橋桁と異なる他の橋桁に前記ワイヤの他端を設置し、該ワイヤの長さの変化に基づく前記プーリの回転角度を前記ポテンショメータにより出力させることを特徴とする支承センサ装置。
  2. 請求項1記載の支承センサ装置において、
    前記プーリの回転軸と同じ回転軸に装着された第1ギアと、
    第1ギアと所定のギア比を有し第1ギアに接続した第2ギアと、
    第2ギアの回転軸と同じ回転軸に装着され所定の突起を有する円盤と、
    前記円盤の回転に伴う突起の回転により駆動されるスイッチと、
    前記スイッチの駆動に基づき所定の信号を出力する回路部とをさらに備え、
    前記支承センサが装着された橋桁と異なる他の橋桁に前記ワイヤの他端を設置し、該ワイヤの長さの変化に基づく前記プーリの回転を第1ギア、第2ギア、前記円盤及び前記突起に伝達させ、該プーリの回転角が所定の回転角以上になることにより前記スイッチが駆動された場合、前記回路部に所定の信号を出力させることを特徴とする支承サンセ装置。
  3. 請求項2記載の支承センサ装置において、前記ポテンショメータの印加電圧を抵抗を介して前記スイッチに印加し、前記回路部は、前記円盤の回転に伴う突起の回転により該スイッチが短絡した場合、該スイッチの印加電圧の変化を検出して所定の信号を出力することを特徴とする支承センサ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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