JP2008206428A - β−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を構成するα−サブユニット、前記α−サブユニットを有するHexA、前記α−サブユニットをコードする遺伝子、ベクターおよび形質転換細胞 - Google Patents

β−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を構成するα−サブユニット、前記α−サブユニットを有するHexA、前記α−サブユニットをコードする遺伝子、ベクターおよび形質転換細胞 Download PDF

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Hitoshi Sakuraba
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Abstract

【課題】 熱安定性およびリソソームへの輸送効率の少なくとも一つに優れる組換えHexAを提供する。
【解決手段】 配列番号1記載のアミノ酸配列において、アミノ酸残基の置換もしくは欠失が行われているアミノ酸配列からなるα−サブユニットを有するHexAである。前記置換ないし欠失としては、例えば、V519A(8)、N518Y/V519A(B6)、P429Q/K432R/N518Y/V519A(B8)、P429Q/K432R/N518Y/V519A/F521Y(B9)、P209Q/N228S/P229L/V230Sかつ第231番目トレオニン(T)の欠失(A2)、S51N/A53T(G4)の6種類がある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、β−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を構成するα−サブユニット、前記α−サブユニットを有するHexA、前記α−サブユニットをコードする遺伝子、ベクターおよび形質転換細胞に関する。
リソソーム病は、リソソーム酵素またはその補助因子(補助タンパク質など)をコードする遺伝子の変異が原因で発症する遺伝性代謝異常症である。リソソーム病では、リソソーム酵素による生体物質の分解に支障がでるため、生体内物質(基質)が組織内で過剰蓄積し、全身性の病状を伴なって発症する。リソソーム病としては、ゴーシェ病、ファブリー病、ムコ多糖症1型、ムコ多糖症2型、ムコ多糖症6型、ボンベ病、GM2ガングリオシドーシスなどがある。GM2ガングリオシドーシスは、糖脂質の一種であるGM2ガングリオシドが、患者組織内、特に脳内に蓄積し、主として中枢神経症を伴なって発症する常染色体劣性遺伝病である。GM2ガングリオシドーシスには、リソソーム性β−ヘキソサミニダーゼ(Hex)を構成するα−サブユニットおよびβ−サブユニットをコードする遺伝子(HEXAおよびHEXB)の変異で発症するTay−Sachs病およびSandhoff病などがある。
従来(1990年以前)では、根本治療が確立されておらず、リソソーム病は、生後、数年以内に死亡する不治の病とされてきた。しかし、近年の遺伝子工学、分子医学の発展に伴ない、リソソーム病に対し、骨髄移植、酵素補充療法および遺伝子治療法が開発されてきた。例えば、ゴーシェ病において、酵素補充療法の実用化が進んでいる。ゴーシェ病の酵素補充療法では、糖鎖トリミングにより末端マンノース残基を露出させた組換グルコセレプロシダーゼが、マクロファージの表面に存在するマンノースレセプター(MR)との結合を介して細胞内に取り込まれてリソソームに到達し、蓄積基質を分解するという原理に基づく。この原理に基づき、マンノース−6−リン酸残基(M6P)を含む組換えマトリクス型リソソーム酵素と標的細胞分子表面のカチオン依存性マンノース−6−リン酸レセプター(CI−M6PR)との結合を介した組換え酵素補充療法の実用化が進み、中枢神経症状を伴なわないリソソーム病の治療法として確立しつつある。例えば、グルコセレブロシダーゼ活性を有する二機能性融合タンパク質を用いた酵素補充療法がある(特許文献1)。
特表2004−525621号公報
しかしながら、酵素補充療法においては、補充用酵素の量的な確保、安定供給およびコストの問題がある。この問題に対しては、遺伝子工学的手法により、野生型酵素を高機能化することで対処可能である。特に、リソソーム病の中でも、Tay−Sachs病およびSandhoff病において、酵素補充療法における酵素の高機能化が望まれている。
そこで、本発明は、高機能化したリソソーム酵素を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のβ−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を構成するα−サブユニットは、配列番号1記載のアミノ酸配列において、下記の(a1)から(a12)の少なくとも一つのアミノ酸残基の置換もしくは欠失が行われているアミノ酸配列からなることを特徴とする。
(a1) 第519番目バリン(V)のアラニン(A)への置換(V519A)
(a2) 第518番目アスパラギン(N)のチロシン(Y)への置換(N518Y)
(a3) 第432番目リシン(K)のアルギニン(R)への置換(K432R)
(a4) 第429番目プロリン(P)のグルタミン(Q)への置換(P429Q)
(a5) 第521番目フェニルアラニン(F)のチロシン(Y)への置換(F521Y)
(a6) 第209番目プロリン(P)のグルタミン(Q)への置換(P209Q)
(a7) 第228番目アスパラギン(N)のセリン(S)への置換(N228S)
(a8) 第229番目プロリン(P)のロイシン(L)への置換(P229L)
(a9) 第230番目バリン(V)のセリン(S)への置換(V230S)
(a10)第231番目トレオニン(T)の欠失
(a11)第51番目セリン(S)のアスパラギン(N)への置換(S51N)
(a12)第53番目アラニン(A)のトレオニン(T)への置換(A53T)
本発明のα−サブユニットおよびβ−サブユニットから構成されるβ−ヘキソサミニダーゼAは、前記α−サブユニットが、本発明のα−サブユニットであることを特徴とする。
本発明者等は、GM2ガングリオシドの分解系を中心に、高機能化の対象となる酵素として、β−ヘキソサミニダーゼ(Hex)を取り上げた。Hexは、α−サブユニットおよびβ−サブユニットから構成される二量体である。前記各サブユニットには、各々、中性基質(例えば、4MUG)と酸性基質(例えば、4MUGS)を分解する触媒部位が存在する。前記両サブユニットの組合せにより、Hexには、HexA(αβ)、HexB(ββ)およびHexS(αα)の3種類のアイソザイムが存在する。これらのなかで、HexAのみが、GM2活性化因子と協同してGM2ガングリオシドを分解することができる。しかし、HexAは、HexSに比べると熱安定性に優れるが、HexBよりは熱安定性が悪い。また、HexAが低濃度であっても十分な酵素補充効果を発揮すれば、酵素の必要量の減少につながる。これらのことを目的として一連の研究を重ねたところ、α−サブユニットにおいて、前記(a1)から(a12)の少なくとも一つのアミノ酸残基の置換もしくは欠失を行えば、HexAにおいて、熱安定性およびリソソームへの輸送効率の少なくとも一方の向上が図れることを見出し、本発明に到達した。
本発明のα−サブユニットは、前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)の置換(V519A)のみが行われているアミノ酸配列からなるという態様であってもよい。以下、このα−サブユニットを有するHexAを、「8」ということもある。「8」のHexAは熱安定性に優れる。
本発明のα−サブユニットは、前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)および前記(a2)の置換(N518Y/V519A)のみが行われているアミノ酸配列からなるという態様であってもよい。以下、このα−サブユニットを有するHexAを、「B6」ということもある。「B6」のHexAは熱安定性に優れる。
本発明のα−サブユニットは、前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)、前記(a2)、前記(a3)および前記(a4)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A)のみが行われているアミノ酸配列からなるという態様であってもよい。以下、このα−サブユニットを有するHexAを、「B8」ということもある。「B8」のHexAは熱安定性に優れる。
本発明のα−サブユニットは、前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)、前記(a2)、前記(a3)、前記(a4)および前記(a5)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A/F521Y)のみが行われているアミノ酸配列からなるという態様であってもよい。以下、このα−サブユニットを有するHexAを、「B9」ということもある。「B9」のHexAは熱安定性に優れる。
本発明のα−サブユニットは、前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a6)、前記(a7)、前記(a8)および前記(a9)の置換(P209Q/N228S/P229L/V230S)並びに前記(a10)の欠失のみが行われているアミノ酸配列からなるという態様であってもよい。以下、このα−サブユニットを有するHexAを、「A2」ということもある。「A2」のHexAは熱安定性に優れる。
本発明のα−サブユニットは、前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a11)および前記(a12)の置換(S51N/A53T)のみが行われているアミノ酸配列からなるという態様であってもよい。以下、このα−サブユニットを有するHexAを、「G4」ということもある。「G4」のHexAは、細胞内で糖鎖が追加され、リソソームへの輸送効率が優れると共に、熱安定性にも優れる。
本発明の遺伝子は、HexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子であって、配列番号2記載の塩基配列において、下記の(b1)から(b12)の少なくとも一つの塩基の置換もしくは欠失が行われている塩基配列からなることを特徴とする。
(b1) 第1555番目から第1557番目のgtaのgctへの置換
(b2) 第1552番目から第1554番目のaatのtatへの置換
(b3) 第1234番目から第1236番目のaagのaggへの置換
(b4) 第1225番目から第1227番目のcctのcagへの置換
(b5) 第1555番目から第1557番目のttcのtacへの置換
(b6) 第625番目から第627番目のcctのcaaへの置換
(b7) 第682番目から第684番目のaacのagcへの置換
(b8) 第685番目から第687番目のcctのcttへの置換
(b9) 第688番目から第690番目のgtcのagcへの置換
(b10)第691番目から第693番目のaccの欠失
(b11)第161番目から第163番目のagcのaacへの置換
(b12)第167番目から第169番目のgccのaccへの置換
本発明の遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)の置換(V519A)のみが行われている塩基配列からなるという態様であってもよい。この態様の遺伝子は、前記「8」のHexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子である。
本発明の遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)および前記(b2)の置換(N518Y/V519A)のみが行われている塩基配列からなるという態様であってもよい。この態様の遺伝子は、前記「B6」のHexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子である。
本発明の遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)、前記(b2)、前記(b3)および前記(b4)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A)のみが行われている塩基配列からなるという態様であってもよい。この態様の遺伝子は、前記「B8」のHexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子である。
本発明の遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)、前記(b2)、前記(b3)、前記(b4)および前記(b5)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A/F521Y)のみが行われている塩基配列からなるという態様であってもよい。この態様の遺伝子は、前記「B9」のHexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子である。
本発明の遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記(b6)、前記(b7)、前記(b8)および前記(b9)の置換(P209Q/N228S/P229L/V230S)並びに前記(b10)の欠失のみが行われている塩基配列からなるという態様であってもよい。この態様の遺伝子は、前記「A2」のHexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子である。
本発明の遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記(b11)および前記(b12)の置換(S51N/A53T)のみが行われている塩基配列からなるという態様であってもよい。この態様の遺伝子は、前記「G4」のHexAを構成するα−サブユニットをコードする遺伝子である。
本発明のベクターは、本発明の遺伝子が発現可能に挿入されていることを特徴とする。
本発明の形質転換細胞は、HexAを発現可能な形質転換細胞であって、本発明のベクターを含み、前記α−サブユニットが、前記ベクターにより発現可能であることを特徴とする。
以下、本発明について、例を挙げ、さらに詳細に説明する。
本発明のα−サブユニットは、配列番号1において、前記(a1)から前記(a12)の少なくとも一つの置換もしくは欠失を有するアミノ酸配列からなる。本発明のα−サブユニットおよびこれを有するHexAは、特に制限されないが、下記表に示す、「8」、「B6」、「B8」、「B9」、「A2」および「G4」の6種類があげられる。なお、配列番号1に示すアミノ酸配列は、ヒトのHexAのαサブユニット(野生型)のアミノ酸配列であり、配列番号2に示す核酸配列は、ヒトのHexAのαサブユニット(野生型)の核酸配列である。
Figure 2008206428
Figure 2008206428
Figure 2008206428
本発明のHexAの製造方法は、特に制限されず、例えば、つぎの方法により製造方法がある。まず、本発明の所定のアミノ酸残基の置換もしくは欠失を伴なったα−サブユニットをコードする遺伝子をベクターに挿入する。前記ベクターとしては、特に制限されないが、例えば、pCXhygroなどのプラスミドがあげられる。前記ベクターには、適当なプロモータを挿入することが好ましい。前記プロモータとしては、例えば、CAGがある。つぎに、β−サブユニットを発現可能な細胞に対し、前記ベクターを導入する。前記細胞としては、例えば、CHO細胞、ヒト繊維芽細胞などがある。ベクターの導入法は、例えば、リポフェクション法により実施できる。前記ベクターを導入した形質転換細胞を培養し、培養した細胞を回収し、超音波等により細胞を破壊して内容物を回収する。この回収物から本発明のHexAを得ることができる。
(実施例1)
本実施例では、前記「8」、「B6」、「B8」、「B9」および「A2」の5種類の組換えHexAを調製し、その機能(熱安定性、GM2ガングリオシド分解能)を評価した。
(1) ヒト繊維芽細胞及び細胞培養
本実施例では、酵素の高機能化の評価のために、Sandhoff病患者由来皮膚繊維芽細胞(F572)および健常者由来皮膚繊維芽細胞(F592:コントロール)を用いた。これらの細胞は10%FCS含有Ham’s F−10培地中で37℃、5%CO条件下で培養した。
(2) 試薬、材料、キット等
下記の試薬、材料およびキット等は、カッコ内の会社から購入した。
4−Methylumbelliferone N−acetyl−β−D−glucosaminide:4−MUG(Sigma社)、
4−Methylumbelliferyl β−D−galactoside:4−MUβGal(Sigma社)、
4−Methylumbelliferone:4−MU(Sigma社)、
4−Methylumbellifery−6−sulfo−β−D−glucosaminide Potassium Salt:4−MUGS(CALBIOCHEM社)、
Mannose−6−phosphate:M6P(Sigma社)、
Nutrient Mixture F−10 Ham(Sigma社)、
Fetal Calf Serum:FCS(EQUITECH−BIO社)、
Dimethyl sulfoxide:DMSO(Sigma社)、
QIAuick Gel Extraction Kit(Bionex Inc社)、
Wizard Plus Midipreps DNA Purification Kit(Promega社)、
KOD plus polymerase(TOYOBO社)、
dNTPs(Promega社)、
Gel Extraction Kit(Bionex Inc社)、
DNA Ligation Kit Ver.1(TaKaRa社)、
RNaseA(Sigma社)、
DNA Purification Kit(Bionex Inc社)、
Hygromycin(和光純薬社)、
G418(GIBCO社)、
Unifecter(B−Bridge International社)、
Protein Assay(BIO RAD社)、
Phenylmethylsulfonyl fuoride:PMSF(和光純薬社)、
Pepstatin A(ペプチド研社)、
Leupeptin(ペプチド研社)、
GenomeLab(商標) DCIT−Quick Start Kit(BECKMAN COULTER社)、
CEQ Separation Gel−LPAI(BECKMAN COULTER社)、
CEQ Separation buffer(BECKMAN COULTER社)、
Viva pure mini spin columns Q type(VIVA SCIENCE社)、
5−Bromo−4−Chloro−3−Indoyl Phosphate/Nitro Blue Tetrazolium:BCIP/NBT(Sigma社)、
Amicon Ultra(Millipore社)、
Bovine serum albumin:BSA(Sigma社)、
ペルオキシダーゼ発色キット(SUMILON社)。
(3) 抗体等
下記の抗体等を使用した。なお、カッコ内は、抗体等の購入先であり、カッコが無いものは、自家調製したものである。
Rabbit anti−human HexA polyclonal antibody(抗HexA抗体)、
抗GM2モノクローナル抗体:GMB28、
Biotinylated anti−rabbit IgG(Vector社)、
Streptavidin −AP conjugate(Roche社)、
Prestained SDS−PAGE standard(BIO RAD社)、
Biotinylated protein ladder(Cell Signaling Technology社)。
(4) アミノ酸置換型HEXA発現プラスミドベクターの構築
pTriEx−hHEXAをテンプレートとし、前記表1、表2および表3に従い、PCR法で異なる部位特異的変異を導入したHEXA遺伝子を増幅した。そして増幅された変異導入hHEXA cDNA の5´末端を制限酵素XhoIで、また3´末端をBglIIで処理した後、Hygromycin耐性遺伝子を持つプラスミドであるpCX hygroのCAG promoter下流に存在する両制限酵素部位間に組み込み、ミスセンス変異導入型HEXA発現プラスミドベクター「8」、「B6]、「B9」および「A2」とした。
(5) シークエンシング
精製したプラスミドDNAを554ng(100fmol)取り、MilliQ HOで10μLにメスアップした後、96℃、1分インキュベートした。Quick start master mix 4μL、3.3μMシークエンスプライマー 2μLを加え優しく撹拌した後、PCRを行った。反応条件は、96℃ 20秒、50℃ 20秒、60℃ 4分で30サイクル行った。反応後、3M NaOAc 2μLとEtOH 60μLを加え反応を止めた後、直ぐに14000rpm、4℃、15min遠心した。上清を除去後、75% EtOHで2回洗浄した後、speed vacで乾燥後、Sample Loading Solution 40μLに溶かし、−30℃で保存した。そして、CEQ8000 dye terminator cycle sequencingを用いて配列を解析した。
(6) 遺伝子導入および細胞株の樹立
構築したベクターを、既に樹立したHEXB単独発現CHO細胞株に対して、Unifectorを用いたリポフェクション法にて導入し、G418とハイグロマイシンによる薬剤セレクション後、限界希釈法にてシングルコロニーを選別し、恒常発現株であるCHO mhHEXA/hHEXBを樹立した。CHO mhHEXA/hHEXB株は、アミノ酸残基の置換もしくは欠失したαサブユニットを発現する株である。また、対照として、アミノ酸残基の置換および欠失のない野生型のαサブユニットおよびβサブユニットを発現するCHO hHEXA/hHEXBも、前述と同様にして作製した。
(7) Hex酵素活性測定
培養細胞をPBS 1mLあるいは3mLで3回洗浄後、PBS 1.4mLを添加しスクレイパーを用いて細胞を回収した後、3000rpm、4℃、5分の遠心操作を行い、細胞を沈殿させ、上清を除いた。この細胞ペレットに対し、プロテアーゼインヒビターとして1mMペプスタチン、2mMロイペプチン、100mM EDTAおよび200mM PMSFの最終濃度となるように添加した10mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH6.0を加え、超音波処理後、12000rpm、4℃、15分遠心を行い、上清を回収し細胞抽出液とした。この細胞抽出液を酵素液として、つぎの酵素活性測定を行った。すなわち、全Hex活性測定には人工蛍光基質である4−MUGを用い、HexAおよびHexS活性には4−MUGSを用い、それぞれpH4.5およびpH4.2で行い、遊離した4−MUの蛍光強度により定量した。対照酵素であるβ−ガラクトシダーゼの活性(β−Gal)は、4−MUβGalを用いてpH4.5で測定した。
(8) HexA画分の分離
前記細胞抽出液1mg分をリン酸ナトリウム緩衝液で400μLにメスアップ後、リン酸ナトリウム緩衝液で前処理したviva pure spin columnに充填し、4500rpm、4℃、5分遠心後、同様の緩衝液を充填し遠心してカラム洗浄を2回行った。その後、50mM、100mM、200mM、400mMおよび1M NaCl/リン酸ナトリウム緩衝液を充填し、ステップワイズで4500rpm、4℃、5分遠心各濃度2回ずつ行い、溶出画分を回収した。なお、各濃度の間にリン酸ナトリウム緩衝液の洗浄操作を1回行った。前述の方法による溶出画分の酵素活性測定の結果より、4−MUGS分解活性の高い400mM溶出画分を分子量30,000カットのAmicon Ultra(Millipore)を用いて濃縮後、10mM クエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.3)を用いて緩衝液を置換し濃縮液(HexA画分)を得た。
(9) 培養液上清におけるHex酵素の獲得
CHO hHEXA/hHEXBおよびCHO mhHEXA/hHEXBを96ウェルプレートの5ウェル分でコンフルエントになるまで培養後、PBS 200μLで2回洗浄を行い、血清非存在下Ham’s F−10 200μLで1週間培養後、上清を回収した。そして3000rpm、4℃、5分遠心を行い、上清を回収後、分子量30,000カットのAmicon Ultra(Millipore)を用いて濃縮後、10mM クエン酸ナトリウム緩衝液 pH4.3を用いて緩衝液を置換し濃縮液(Hex酵素液)を得た。
(10) Western blotting
前記(9)における濃縮液(抽出液)におけるサンプルは、SDS−PAGEの場合は25μg、Native−PAGEの場合は4−MUG分解活性で500nmol/hとなるように取り、6×サンプルバッファーおよびMilliQ HOで全量24μLとなるように調製した。SDS−PAGEはゲル濃度10%、Native−PAGEはゲル濃度7.5%のアクリルアミドゲルで電気泳動した。SDS−PAGEおよびNative−PAGEともにセミドライ法により、PVDF膜にタンパクを転写し、50%Blocking One/TBSで一晩(16〜18時間)ブロッキングした。一次抗体には抗HexA抗体(1000倍希釈)あるいは抗α−subunit抗体(500倍希釈)を、二次抗体にはBiotinylated anti−rabbit IgG(1000倍希釈)を、そして三次反応にはStreptavidin−AP cojugated(1000倍希釈)を用いて、室温(RT、以下同じ)、1時間の反応を行った。それぞれの反応の間には0.1% Tween20/TBSで10分×3回、TBSで10分×1回の洗浄を行った。そして、BCIP/NBTをAP発色Bufferで50倍希釈し膜を浸して発色させた。
反応組成液は、4−MUGS分解活性で2000nmol/h のHexA画分に1μL BSAを加え、10mM クエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.3)で全量100μLに調製した。前記反応組成液を、37℃でCOインキュベーター中、2、5、8および10日間インキュベートし、各日ごとに酵素活性測定を行った。
(12) Cell Enzyme−linked immnunosorbent assay(Cell ELISA)
図4に示す手順により、Cell ELISAにより、GM2ガングリオシド分解能評価を実施した。すなわち、まず、コラーゲンコートした96ウェルプレート(IWAKI社)でF572をコンフルエントになるまで培養後、培地を除き、PBS 150μLで洗浄後、血清非含有のHam’s F−10培地で2回洗浄した。その後、DEAEカラムを用いて分離したWTのHexAおよびアミノ酸置換型HexAを500nmol/hとなるように血清非含有の培地で希釈してウェルに添加し、2日間培養した後、10%血清となるように血清を添加し、さらに2日間培養した。培地を除き、4%パラホルムアルデヒド(PFA)を100μL加え、4℃、一晩固定した。PFAを除去後、PBS 250μLで5回洗浄し、過酸化水素(H)を0.3%となるように全量100μL添加し、RT、30分放置した。Hを除去後、PBS 250μLで5回洗浄を行い、5% goat serum、1%BSA/PBSをウェルに添加し、4℃、一晩ブロッキングした。液を除去後、一次抗体;抗GM2モノクローナル抗体を100倍希釈で4℃、一晩反応後、液を捨て、PBSで洗浄した。二次抗体;Biotin−cojugated anti−mouse IgM antibodyを1000倍希釈で添加し、1時間反応後、液を除き、PBSで洗浄後、三次抗体;HRP conjugated anti−Biotin antibodyを1000倍希釈で添加し、1時間反応させた。液を除き、PBSで洗浄後、ペルオキシダーゼ発色キット(SUMILON社)を用いて検出した。
(13) Native−PAGEの結果
図1にNative−PAGEの結果を示す電気泳動の写真を示す。同図において、各記号は下記のとおりである。図示のように、「8」、「B6」、「B8」、「B9」および「A2」の全ての細胞株において、HexAが産生されており、特に、「B6」および「B9」において、HexAおよびHexBが選択的に産生され、HexSは産生されなかった。
CHO:Hexを発現しない細胞株の酵素抽出液
CHO hHEXA:HexAの野生型(WT)αサブユニットのみ発現するCHO細胞株の酵素抽出液
CHO hHEXA/hHEXB:HexAの野生型(WT)αサブユニットおよび野生型(WT)βサブユニットを発現するCHO細胞株の酵素抽出液
「8」、「B6」、「B8」、「B9」および「A2」:前述のアミノ酸残基の置換を行ったCHO細胞株の酵素抽出液
(14) 熱安定性評価の結果
前記(11)の熱安定性の評価の結果を図2のグラフに示す。同図は、8日目の酵素活性の結果である。なお、同図では、後述の「G4:S51N/A53T」の結果も合わせて示している。図示のように、アミノ酸残基を置換もしくは欠失させた「8」、「B6」、「B8」、「B9」および「A2」の全てにおいて、野生型(WT)に対し、熱安定性が向上した。特に、「B9」では、野生型の約2倍の熱安定性を示した。
(15) GM2ガングリオシド分解能評価の結果
前記(12)のGM2ガングリオシド分解能評価の結果を図3のグラフに示す。図示のように、健常者の細胞株であるF592では、GM2ガングリオシドは分解されているが、Sandhoff病患者の細胞株であるF572では、GM2ガングリオシドが蓄積していた。前記F572に対し、野生型(WT)のHexAおよび組換型のHexA(「8」、「B6」、「B8」、「B9」および「A2」)を投与(500nmol/h)すると、GM2ガングリオシドが分解された。特に、「8」、「B8」および「B9」は、野生型(WT)に対し、高いGM2ガングリオシド分解活性を示した。これらのことから、本発明の組換えHexAは、リソソームへの輸送効率に優れるといえる。
(実施例2)
本実施例では、アミノ酸置換による糖鎖追加型の組換えHexAである「G4」を調製し、その機能(熱安定性、GM2ガングリオシド分解能)を評価した。
(1) ヒト繊維芽細胞及び細胞培養
ヒト繊維芽細胞及び細胞培養は、実施例1と同様とした。
(2) 試薬、材料、キット等
試薬、材料およびキット等は、実施例1と同様のものを使用した。
(3) アミノ酸置換型HEXA発現プラスミドベクターの構築
pTriEx−hHEXAをテンプレートとし、前記表3の「G4」に示す糖鎖付加部位を追加するためのミスセンス変異を導入したHEXA遺伝子を、PCR法により増幅した。そして増幅された変異導入hHEXA cDNA の5´末端を制限酵素XhoIで、また3´末端をBglIIで処理した後、Hygromycin耐性遺伝子を持つプラスミドであるpCX hygroのCAG promoter下流に存在する両制限酵素部位に組み込み、糖鎖追加型ミスセンス変異導入型HEXA発現プラスミドベクター「G4」とした。
(4) シークエンシング
精製したプラスミドDNAを554ng(100fmol)取り、MilliQ HOで10μLにメスアップした後、96℃、1分インキュベートした。Quick start master mix 4μL、3.3μMシークエンスプライマー 2μLを加え優しく撹拌した後、PCRを行った。反応条件は、96℃ 20秒、50℃ 20秒、60℃ 4分で30サイクル行った。反応後、3M NaOAc 2μLとEtOH 60μLを加え反応を止めた後、直ぐに14000rpm、4℃、15min遠心した。上清を除去後、75% EtOHで2回洗浄した後、speed vacで乾燥後、Sample Loading Solution 40μLに溶かし、−30℃で保存した。そして、CEQ8000 dye terminator cycle sequencingを用いて配列を解析した。
(5) 遺伝子および細胞株の樹立
構築したベクターを、既に樹立したHEXB単独発現CHO細胞株に対して、Unifectorを用いたリポフェクション法にて導入し、G418とハイグロマイシンによる薬剤セレクション後、限界希釈法にてシングルコロニーを選別し、恒常発現株であるCHO ghHEXA/hHEXB:S51N/A53T(G4)株を樹立した。また、対照として、アミノ酸残基の置換および欠失のない野生型のαサブユニットおよびβサブユニットを発現するCHO hHEXA/hHEXBも、前述と同様にして作製した。
(6) 細胞株からのHexAの分離
CHO hHEXA/hHEXB(野生型)株および前記S51N/A53T株を、それぞれ血清非存在下で7日間培養後、5000rpm、4℃、10分遠心後、培養液の上清を回収した。その後、30,000cutのAmicon Ultraを用いて上清を濃縮し、10mM リン酸ナトリウムバッファー(pH 6.0)でバッファー交換後さらに濃縮した。この濃縮液に対し、プロテアーゼインヒビターを添加後、0.22μm poreの滅菌フィルターを用いてfiltrationした。この濃縮液を4−MUG分解活性で285200nmol/h分、Hitrap FF column(1mL)に充填し、AKTAを用いてNaCl濃度勾配(0〜0.3M)により溶出し分画した。素通り画分をHexB画分、0〜0.15M NaCl勾配溶出画分をHexA画分とし採取した。採取した分画液は、10mM リン酸ナトリウムバッファー(pH 6.0)でバッファー交換後、4℃で保存した。
(7) Hex酵素活性測定
Hex酵素活性測定は、実施例1と同様にして実施した。
(8) Western blotting
Western blottingは、実施例1と同様にして実施した。
(9) 熱安定性の評価方法
熱安定性の評価方法は、実施例1同様にして実施した。
(10) Cell Enzyme−linked immnunosorbent assay(Cell ELISA)
図4に示す手順により、Cell ELISAにより、GM2ガングリオシド分解能評価を実施した。すなわち、まず、コラーゲンコートした96ウェルプレート(IWAKI社)でF572をコンフルエントになるまで培養後、培地を除き、PBS 150μLで洗浄後、血清非含有のHam’s F−10培地で2回洗浄した。その後、DEAEカラムを用いて分離したWT HexAおよびG−HexAを50 nmol/h、150nmol/hおよび500nmol/hの各濃度となるように血清非含有の培地で希釈してウェルに添加し、2日間培養した後、10%血清となるように血清を添加し、さらに2日間培養した。なお、マンノース−6−リン酸(M6P)を添加する実験では、組換え酵素を添加する30分前に、最終濃度5mMとなるように培地にM6Pを添加した。つぎに、培地を除き、4%パラホルムアルデヒド(PFA)を100μL加え、4℃、一晩固定した。PFAを除去後、PBS 250μLで5回洗浄し、過酸化水素(H)を0.3%となるように全量100μL添加し、RT、30分放置した。Hを除去後、PBS 250μLで5回洗浄を行い、5% goat serum、1%BSA/PBSをウェルに添加し、4℃、一晩ブロッキングした。液を除去後、一次抗体;抗GM2モノクローナル抗体を100倍希釈で4℃、一晩反応後、液を捨て、PBSで洗浄した。二次抗体;Biotin−cojugated anti−mouse IgM antibodyを1000倍希釈で添加し、1時間反応後、液を除き、PBSで洗浄後、三次抗体;HRP conjugated anti−Biotin antibodyを1000倍希釈で添加し、1時間反応させた。液を除き、PBSで洗浄後、ペルオキシダーゼ発色キット(SUMILON社)を用いて検出した。
(11) SDS−PAGEの結果
図5にSDS−PAGEの結果を示す電気泳動の写真を示す。図示のように、アミン酸残基を置換して糖鎖追加型にしたS51N/A53T(G4)では、野生型(WT)のHexAの分子量58kDに比べ、59kDに高分子量化していた。なお、同図において、CHOhβは、野生型hHEXB遺伝子を単独で導入したCHO細胞株(クローン)または前記細胞株の抽出液を示す。
(12) 酵素活性測定の結果
G4の酵素活性測定の結果を、図6のグラフに示す。図示のように、G4は、野生型(WT)と同等の酵素活性を示した。なお、同図において、CHOは、hHEX遺伝子を導入していないCHO株(または、その抽出液)であり、hαは、野生型hHEXA遺伝子を単独で導入したCHO株(または、その抽出液)であり、hβは、野生型hHEXB遺伝子を単独で導入したCHO株(または、その抽出液)である。
(13) 熱安定性の評価結果
熱安定性の評価結果を、図2のグラフに示す。同図に示すように、G4(S51N/A53T)は、野生型(WT)に対し、熱安定性に優れていた。
(14) GM2ガングリオシド分解能評価の結果
GM2ガングリオシド分解能の評価結果を図7のグラフに示す。なお、横軸における50、100、150の数字は、酵素の投与量(nmol/h)を示す。図示のように、健常者の細胞株であるF592では、GM2ガングリオシドは分解されているが、Sandhoff病患者の細胞株であるF572では、GM2ガングリオシドが蓄積していた。前記F572に対し、野生型(WT)のHexAおよび組換型のHexA(「G4」)を投与すると、投与量に応じて、GM2ガングリオシドが分解された。これらのことから、本発明の組換えHexAは、リソソームへの輸送効率に優れるといえる。一方、マンノース−6−リン酸(M6P)を酵素と併せて投与すると、GM2ガングリオシドの分解能が低下した。これらのことより、G4には、糖鎖が付加(追加)されていることが確認できた。
以上説明したように、本発明の組換αサブユニットおよびHexAは、熱安定性およびリソソームへの輸送効率の少なくとも一方に優れる。
図1は、本発明の一実施例における電気泳動の結果を示す写真である。 図2は、前記実施例における酵素の熱安定性の評価結果を示すグラフである。 図3は、前記実施例におけるGM2ガングリオシドの分解能の評価結果を示すグラフである。 図4は、前記実施例におけるCell ELISAの手順を示すフローチャートである。 図5は、本発明のその他の実施例における電気泳動の結果を示す写真である。 図6は、前記実施例における酵素活性の測定結果を示すグラフである。 図7は、前記実施例におけるGM2ガングリオシドの分解能の評価結果を示すグラフである。

Claims (17)

  1. β−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を構成するα−サブユニットであって、配列番号1記載のアミノ酸配列において、下記の(a1)から(a12)の少なくとも一つのアミノ酸残基の置換もしくは欠失が行われているアミノ酸配列からなることを特徴とするβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
    (a1) 第519番目バリン(V)のアラニン(A)への置換(V519A)
    (a2) 第518番目アスパラギン(N)のチロシン(Y)への置換(N518Y)
    (a3) 第432番目リシン(K)のアルギニン(R)への置換(K432R)
    (a4) 第429番目プロリン(P)のグルタミン(Q)への置換(P429Q)
    (a5) 第521番目フェニルアラニン(F)のチロシン(Y)への置換(F521Y)
    (a6) 第209番目プロリン(P)のグルタミン(Q)への置換(P209Q)
    (a7) 第228番目アスパラギン(N)のセリン(S)への置換(N228S)
    (a8) 第229番目プロリン(P)のロイシン(L)への置換(P229L)
    (a9) 第230番目バリン(V)のセリン(S)への置換(V230S)
    (a10)第231番目トレオニン(T)の欠失
    (a11)第51番目セリン(S)のアスパラギン(N)への置換(S51N)
    (a12)第53番目アラニン(A)のトレオニン(T)への置換(A53T)
  2. 前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)の置換(V519A)のみが行われているアミノ酸配列からなる請求項1記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
  3. 前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)および前記(a2)の置換(N518Y/V519A)のみが行われているアミノ酸配列からなる請求項1記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
  4. 前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)、前記(a2)、前記(a3)および前記(a4)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A)のみが行われているアミノ酸配列からなる請求項1記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
  5. 前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a1)、前記(a2)、前記(a3)、前記(a4)および前記(a5)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A/F521Y)のみが行われているアミノ酸配列からなる請求項1記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
  6. 前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a6)、前記(a7)、前記(a8)および前記(a9)の置換(P209Q/N228S/P229L/V230S)並びに前記(a10)の欠失のみが行われているアミノ酸配列からなる請求項1記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
  7. 前記配列番号1のアミノ酸配列において、前記(a11)および前記(a12)の置換(S51N/A53T)のみが行われているアミノ酸配列からなる請求項1記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニット。
  8. α−サブユニットおよびβ−サブユニットから構成されるβ−ヘキソサミニダーゼAであって、前記α−サブユニットが、請求項1から7のいずれか一項に記載のα−サブユニットであるβ−ヘキソサミニダーゼA。
  9. β−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を構成するα−サブユニットをコードする遺伝子であって、配列番号2記載の塩基配列において、下記の(b1)から(b12)の少なくとも一つの塩基の置換もしくは欠失が行われている塩基配列からなることを特徴とするβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
    (b1) 第1555番目から第1557番目のgtaのgctへの置換
    (b2) 第1552番目から第1554番目のaatのtatへの置換
    (b3) 第1234番目から第1236番目のaagのaggへの置換
    (b4) 第1225番目から第1227番目のcctのcagへの置換
    (b5) 第1555番目から第1557番目のttcのtacへの置換
    (b6) 第625番目から第627番目のcctのcaaへの置換
    (b7) 第682番目から第684番目のaacのagcへの置換
    (b8) 第685番目から第687番目のcctのcttへの置換
    (b9) 第688番目から第690番目のgtcのagcへの置換
    (b10)第691番目から第693番目のaccの欠失
    (b11)第161番目から第163番目のagcのaacへの置換
    (b12)第167番目から第169番目のgccのaccへの置換
  10. 前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)の置換(V519A)のみが行われている塩基配列からなる請求項9記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
  11. 前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)および前記(b2)の置換(N518Y/V519A)のみが行われている塩基配列からなる請求項9記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
  12. 前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)、前記(b2)、前記(b3)および前記(b4)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A)のみが行われている塩基配列からなる請求項9記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
  13. 前記配列番号2の塩基配列において、前記(b1)、前記(b2)、前記(b3)、前記(b4)および前記(b5)の置換(P429Q/K432R/N518Y/V519A/F521Y)のみが行われている塩基配列からなる請求項9記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
  14. 前記配列番号2の塩基配列において、前記(b6)、前記(b7)、前記(b8)および前記(b9)の置換(P209Q/N228S/P229L/V230S)並びに前記(b10)の欠失のみが行われている塩基配列からなる請求項9記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
  15. 前記配列番号2の塩基配列において、前記(b11)および前記(b12)の置換(S51N/A53T)のみが行われている塩基配列からなる請求項9記載のβ−ヘキソサミニダーゼAのα−サブユニットをコードする遺伝子。
  16. 請求項9から15のいずれか一項に記載の遺伝子が発現可能に挿入されていることを特徴とするベクター。
  17. α−サブユニットおよびβ−サブユニットから構成されるβ−ヘキソサミニダーゼA(HexA)を発現可能な形質転換細胞であって、請求項16記載のベクターを含み、前記α−サブユニットが、前記ベクターにより発現可能であることを特徴とする形質転換細胞。
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