JP2008194030A - 異常プリオンタンパク質検出用組成物ならびにそれを用いた検出方法、異常プリオンタンパク質増殖阻止方法、そのために使用できる異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料及び食品、およびスーパーオキシド生成防止方法およびプリオン由来ペプチドもしくはプリオンタンパク質検出用組成物ならびに検出方法 - Google Patents

異常プリオンタンパク質検出用組成物ならびにそれを用いた検出方法、異常プリオンタンパク質増殖阻止方法、そのために使用できる異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料及び食品、およびスーパーオキシド生成防止方法およびプリオン由来ペプチドもしくはプリオンタンパク質検出用組成物ならびに検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スーパーオキシド生成を阻害することにより異常プリオンタンパク質の増殖を阻止することができる異常プリオンタンパク質増殖阻止方法、スーパーオキシド生成阻害方法、プリオン由来ペプチド又はプリオンタンパク質の検出方法を提供する。
【解決手段】飼料又は食品などにスーパーオキシド生成阻害剤を添加しスーパーオキシド生成を阻害することにより異常プリオンタンパク質の増殖を阻止することができる。また、動物に食餌することにより異常プリオンタンパク質の増殖を阻止でき、それによりBSEなどのプリオン病の発症を予防できる。さらに、スーパーオキシド生成阻害剤を使用し、スーパーオキシドの生成を阻害できる。また、プリオン由来ペプチド又はプリオンタンパク質の検出用組成物は、酸化水素と銅イオンと基質とから構成されていて、プリオン由来ペプチド又はプリオンタンパク質を効率よく選出できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、異常プリオンタンパク質検出用組成物ならびにそれを用いた検出方法、異常プリオンタンパク質増殖阻止方法およびそのために使用できる異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料ならびに食品に関するものである。更に詳細には、この発明は、異常プリオンタンパク質増殖阻止方法および異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料ならびに食品とともに、異常プリオンタンパク質生成の際のスーパーオキシドの発生を防止することからなるスーパーオキシド生成防止方法に関するものである。また、この発明は、異常プリオンタンパク質検出用キットならびにそれを用いた検出方法に関するものである。
プリオンタンパク質は、動物の正常個体に正常プリオンタンパク質として存在し、この正常プリオンタンパク質が変異した病的感染型プリオンタンパク質がプリオン病の病因の1つとなっている。プリオン病に感染した動物の脳の病的感染性プリオンタンパク質は、部分的にプロテアーゼ抵抗性であるのに対して、非感染の動物の脳からの正常プリオンタンパク質は完全に感受性を有している(非特許文献1、2)。
一般に、正常プリオンタンパク質は内在細胞性プリオンタンパク質(PrPc)であり、病的感染性プリオンタンパク質(PrPsc)は、宿主ゲノムにコードされている正常プリオンタンパク質のアイソフォーム型タンパク質である(非特許文献1)。このような異常プリオンタンパク質は、プリオン病と呼称される一群の神経変性疾患の病因に関与していて、例えば、ウシの海綿状脳症(BSE: Bovine Spongiform Encephalopathy)、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD: Creutzfeldt-Jacob Disease)等の伝達性海綿状脳症 (TSE: Transmissible Spongiform Encephalopathies)などが知られている(非特許文献1)。さらに、かかる異常なタンパク原繊維の蓄積は、プリオン痴呆ばかりではなく、アルツハイマー病、パーキンソン氏病、運動ニューロン病などのいくつかの神経変性疾患などの多くの異なる「プリオン配座」疾患の顕著な病理学的特長である(非特許文献3)。アルツハイマー病において脳中に蓄積するβーアミロイドや、パーキンソン氏病においてルーイ体(Lewy body)中に蓄積するαーシニュークレイン(synuclein)の場合には、中毒機構が、過酸化水素 (H2O2) や水酸基ラジカル (OH) などの反応性酸素種(ROS: Reactive Oxygen Species) が生成しているとの証拠があり、神経変性疾患における細胞死の病因論の基礎をなす根本的な分子機構の1つが異常なタンパク質の凝集体の生成中における直接的ROS生成であるとの見解を支持している(非特許文献3,4)。
哺乳類のプリオンタンパク質類(PrP)には、図1に示すように、4種類の明確な配列が存在し、6個ないし7個の銅結合部位の存在が推定されている。神経生化学において、金属の存在の重要性が提起され、銅結合プリオンタンパク質(PrP)の相反する二つの役割として、神経細胞の機能に必要な抗酸化剤としての役割と、神経変性プロセスにつながる酸化促進剤としての役割とが提案されていて(非特許文献5)、現在では、PrPc の抗酸化的役割は十分に認められている。
また、銅結合 PrP は、スーパーオキシドジスムターゼ (SOD) 様活性をインビトロ(in vitro)で示し、その発現が細胞への酸化的損傷に対する細胞応答に寄与しているのではないかとの報告がされている(非特許文献6)。腫瘍細胞凝集塊(スフェロイド)中における ROS の増加が PrPc や他の ROS 除去酵素、例えば銅、亜鉛 SOD、カタラーゼなどの産生を促進する一方、ROS を低下させる処理をすると PrPc の発現を効果的に制御することが報告されている(非特許文献7)。このことは、腫瘍細胞凝集塊中の PrPc 発現が内部酸化還元状態によって制御され、ROS から細胞保護するための要件を満たしていることを示唆している。興味深いことに、SOD 様活性の劇的な低下が、スクレイピー感染マウスの脳から単離されたアフィニティー精製全 PrP 生成物中に示され、プリオン病が PrP を変性して不活性化し、ROS を除去することが示されている(非特許文献6)。
また、生物系中における ROS の別の主要構成物の一つであるスーパーオキシドアニオン(O2ー)は、銅担持 PrPc ペプチドに依存した過酸化水素生成に加えて、ある種の補因子の存在下での銅結合 PrPc フラグメントによって生成されると報告されている。
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そこで、本発明者らは、スーパーオキシド生成能を有する銅担持 PrPc ペプチドの化学発光法ならびに発光法による高感度検出法およびその検出法を用いて、初めて異常プリオンタンパク質の検出が可能になることを見出した。また、本発明者らは、異常プリオンタンパク質の増殖を阻止する方法を鋭意研究した結果、スーパーオキシド生成阻害剤を添加することにより異常プリオンタンパク質の増殖を阻止できることを見出して、この発明を完成した。
したがって、この発明は、スーパーオキシド生成活性を指標にして、これまで迅速にかつ高感度に測定が不可能であった、重合度は低いが感染能を有するプリオンタンパク質の検出を可能にするものである。
かかるプリオンタンパク質の検出を可能にするために、この発明は、過酸化水素と、銅イオンと、基質とからなるプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用組成物およびそれを用いたプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法を提供することを目的としている。
また、この発明は、特に、飼料もしくは食品にスーパーオキシド生成阻害剤を添加して、異常プリオンタンパク質増殖を阻止することからなる異常プリオンタンパク質増殖阻止方法を提供することを目的とする。
さらに、この発明は、スーパーオキシド生成阻害剤を含み、異常プリオンタンパク質増殖を阻止できる異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料もしくは食品を提供することを別の目的とする。
加えて、この発明は、スーパーオキシド生成阻害剤を添加することによって、異常プリオンタンパク質からのスーパーオキシド生成を阻止することからなるスーパーオキシド生成防止方法を提供することを別の目的とする。
その上、この発明は、過酸化水素と、銅イオンと、基質とからなるプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用キットおよびそれを用いたプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法を提供することをさらに別の目的としている。
上記目的を達成するために、この発明は、過酸化水素と、銅イオンと、基質とからなるプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用組成物およびそれを用いたプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法を提供する。
また、この発明は、その1つの形態として、スーパーオキシド生成阻害剤を添加することにより、異常プリオンタンパク質増殖を阻止できる異常プリオンタンパク質増殖阻止方法を提供する。
また、この発明は、その別の形態として、飼料もしくは食品に、プリオンタンパク質増殖を阻止することができるスーパーオキシド生成阻害剤を添加した異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料もしくは食品を提供する。
さらに、この発明は、その更に別の形態として、上記スーパーオキシド生成阻害剤を添加することによって、異常プリオンタンパク質からのスーパーオキシド生成を阻止することからなるスーパーオキシド生成防止方法を提供する。
さらにまた、この発明は、上記形態のそれぞれの好ましい態様として、上記スーパーオキシド生成阻害剤が、チオール含有化合物、スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤、銅−スーパーオキシド反応キレータ類、生体内還元保持酵素もしくは薬剤または抗酸化ビタミン類であることから構成されている。
加えて、この発明は、過酸化水素と、銅イオンと、基質とからなるプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用キットおよびそれを用いたプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法を提供する。
以上のように、この発明は、スーパーオキシド生成活性を指標にして、これまで迅速にかつ高感度に測定が不可能であった、重合度は低いが感染能を有するプリオンタンパク質を高感度に検出することができるという効果を有している。
また、この発明は、スーパーオキシド生成阻害剤を添加することにより、異常プリオンタンパク質増殖を阻止できる異常プリオンタンパク質増殖阻止方法を提供することができる。
この発明は、スーパーオキシド生成活性に基づいて、重合度は低いが感染能を有するプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出を可能にするものである。そのためのプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質を検出するための組成としては、過酸化水素と、銅イオンと、基質とから構成されている。
この発明に使用することができる銅イオンを発生する物質としては、例えば、硫酸銅、硝酸銅や塩化銅などが挙げられる。これら銅イオン発生物質のうち、例えば硫酸銅が好ましい。
かかる銅イオン発生物質の使用量は、組成物容量に対して、一般的には約 0.018 μg/ml(約 1 μM)〜180 μg/ml(約 10 mM)、好ましくは約 0.09 μg/ml(約 5 μM)〜 90 μg/ml(約 5 mM)、より好ましくは約 0.54μg/ml(約 30 μM)〜18 μg/ml(約 1 mM)の範囲がよい。
また、この発明に使用することができる基質としては、例えば、チロシン、フェニルアラニン、およびそれらの派生物(N−アセチルチロシン、メタチロシンなど)から選ばれるアミノ酸類もしくは3−ヒドロキシ安息香酸もしくは4−ヒドロキシ安息香酸などの安息香酸類またはフェニルエチルアミン、ベンジルアミンおよびチラミンから選ばれる芳香族アミンなどが挙げられる。これら基質のうち、例えばチラミンおよびチロシンが特に好ましい。
また、かかる基質の使用量は、組成物容量に対して、一般的には約 約 0.18 μg/ml 〜約 1.8 mg/ml(チラミンとして約 1 μM 〜10 mMに相当)、好ましくは約 約1.8 μg/ml 〜0.54 mg/ml(チラミンとして約 10 μM〜3 mMに相当)、より好ましくは約 9 μg/ml〜 0.18 mg/ml(チラミンとして約0.05 mM〜1 mMに相当)の範囲がよい。
この発明による異常プリオンタンパク質などの検出は、プリオン由来ペプチドが有するスーパーオキシドの生成活性を検出することによって行うことができる。例えば、プリオン由来ペプチドを含むリン酸バッファー生理食塩水に、硫酸銅などの銅イオン発生物質、過酸化水素、CLA(2−メチル−6−フェニル−3,7−ジヒドロジイミダゾール[1,2−a]ピラジン−3−オン)などのルシフェリン同族体からなる化学発光剤、チロシンなどの基質を溶解して反応液を作成し、この反応液中で発生する CLA の化学発光度を光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定することによって行うことができる。
さらに、この発明に係る異常プリオンタンパク質増殖阻止方法は、飼料などにスーパーオキシド生成阻害剤を添加することにより、異常プリオンタンパク質増殖を阻止することができる。
この発明に使用されるスーパーオキシド生成阻害剤としては、例えば、チオール含有化合物、スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤、銅−スーパーオキシド反応キレータ類、生体内還元保持酵素もしくは薬剤または抗酸化ビタミン類などが挙げられる。
これらのスーパーオキシド生成阻害剤としては、例えば、システイン、N−アセチルシステイン、ジチオスレイトール、メルカプトエタノールまたはグルタチオンなどが挙げられる。スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤としては、例えば、チロン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ジメチルチオウレアまたはヒドロキノンなどが挙げられる。銅−スーパーオキシド反応キレータ類としては、例えば、オルトフェナンスロリン、ジピリジル、サリチル酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、アスピリンなどが挙げられ、また生体内還元保持酵素もしくは薬剤としては、例えば、グルタチオンレダクダーゼなどが挙げられ、さらに抗酸化ビタミン類としては、例えば、アスコルビン酸またはαートコフェロールなどが挙げられる。
この発明によれば、上記のようにして得られる異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料または食品を動物に食餌することによって異常プリオンタンパク質の増殖を阻止することができる。なお、この発明に係る飼料または食品の組成は、スーパーオキシド生成阻害剤を添加すること以外は、特に家畜に通常食餌しているものと実質的に同一の組成であってよく、特に限定されるものではない。
この発明に係る異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料または食品において、通常組成の動物用飼料もしくは食品に添加するスーパーオキシド生成阻害剤の割合は、特に限定されるものではなく、従来投与されてきた抗生物質などの投与量を参考にして決めるとよいが、例えば、0.1 mg/kg 〜 1,000 mg/kg 体重、好ましくは 1 mg/kg 〜 500 mg/kg 体重の範囲の割合で添加するのがよい。
この発明は、その別の形態として、スーパーオキシドの生成を防止する方法を提供する。この発明によれば、例えば、スーパーオキシド生成阻害剤を添加した動物用飼料もしくは食品を食餌することによって、スーパーオキシドの生成を防止することができ、それによって異常プリオンタンパク質の増殖を阻止することができる。ここで使用することができるスーパーオキシド生成阻害剤としては、前記したごとく、チオール含有化合物、スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤、銅−スーパーオキシド反応キレータ類、生体内還元保持酵素もしくは薬剤または抗酸化ビタミン類などが挙げられる。このスーパーオキシド生成防止方法において添加されるスーパーオキシド生成阻害剤の量にしても、特に限定されるものではなく、上記同様の量を使用するのがよい。
以下、この発明を実施例により詳細に説明するが、この発明は下記実施例によって一切制限されるものではなく、下記実施例はこの発明を具体的に説明する目的のために記載するものであることを理解すべきである。
各種チオール化合物のスーパーオキシドアニオン(O2 )に対する生成阻害活性を次のようにして調べた。本実施例で使用したチオール化合物は、Nーアセチルシステイン(NACys)、ジチオスレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール(2-ME)および還元型グルタチオン(GSH)である。
まず、プリオンタンパク質(PrP)の銅結合配列に相当するアミノ酸配列(VNITKQHTVTTTT、純度 99.02%)のペプチドを常法に従って合成した。
本実施例では、リン酸バッファー生理食塩水(PBS)0.2 ml に、O2 に対する特異的な化学発光剤である Cypridina ルシフェリン同族体(CLA: 2−メチル−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾール[1,2−a]ピラジン−3−オン)と、フェニルエチルアミン(PEA)5 μM、上記ペプチド 0.3 mM、硫酸銅 0.9 mM、上記チオール(使用量については図2参照)、過酸化水素 1 mM およびチラミン 3 mM を、この順序に溶解して反応液を得た。
このようにして得られた反応液についてCLAの化学発光度をCHEM−GLOW光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定した。その結果を図2に示す。なお、CLA−化学発光度はスーパーオキシドアニオン(O2 )の発生を特異的に示している。
本実施例は、スーパーオキシド生成に必要な構成要素を検討するための実施例である。
(例1)
ペプチド 0.25 mM、過酸化水素 0.5 mM、硫酸銅 0.5 mM、チロシン 0.5 mM を実施例1と同様に処理をして、CLA の化学発光度をCHEM−GLOW光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定した。その結果を図3の1として示す。
(例2)
例1からペプチドを除外した組成について例1と同様に処理をして、CLA の化学発光度をCHEM−GLOW光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定した。その結果を図3の2として示す。
(例3)
例1から過酸化水素を除外した組成について例1と同様に処理をして、CLA の化学発光度をCHEM−GLOW光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定した。その結果を図3の3として示す。
(例4)
例1から硫酸銅を除外した組成について例1と同様に処理をして、CLA の化学発光度をCHEM−GLOW光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定した。その結果を図3の4として示す。
(例5)
例1からチロシンを除外した組成について例1と同様に処理をして、CLA の化学発光度をCHEM−GLOW光度計を用いて相対発光単位(rlu)として測定した。その結果を図3の5として示す。
実施例2の例1と実質的に同様にして各基質(0.5 mM)による発光強度を測定した。基質としては、チロシン、チラミン、フェニルエチルアミンおよびフェニルアラニンをそれぞれ使用した。その結果を図4の1、2、3および4にそれぞれ示す。
基質(0.5 mM)として、4−ヒドロキシ安息香酸と3−ヒドロキシ安息香酸とをそれぞれ用いて、実施例4と実質的に同様にして処理をして、CLA の発光強度を測定した。その結果は図示していないが、チロシンと同程度の発光強度を示した。
この発明に係るプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出法は、プリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質を高感度に検出することが可能である。
また、この発明に係る異常プリオンタンパク質増殖阻止方法は、異常プリオンタンパク質の増殖を阻止することによって、いわゆるプリオン病発症の予防や治療にも有用である。
哺乳類のプリオンタンパク質類(PrP)に存在する4個の明確な配列を示している図である。 プリオン由来タンパク質を含む反応液における活性酸素生成に対する各種阻害剤の影響を示すグラフである。 スーパーオキシド生成に必要な構成組成の違いによる CLA の化学発光度を測定した相対発光単位(rlu)を示した図である。 基質の違いによる CLA の化学発光度を測定した相対発光単位(rlu)を示した図である。

Claims (11)

  1. 飼料または食品にスーパーオキシド生成阻害剤を添加してスーパーオキシド生成を阻害することによって異常プリオンタンパク質の増殖を阻止することを特徴とする異常プリオンタンパク質増殖阻止方法。
  2. 請求項1に記載の異常プリオンタンパク質増殖阻止方法において、前記スーパーオキシド生成阻害剤が、チオール含有化合物、スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤、銅‐スーパーオキシド反応キレータ類、生体内還元保持酵素もしくは薬剤または抗酸化ビタミン類であることを特徴とする異常プリオンタンパク質増殖阻止方法。
  3. 請求項1または2に記載の異常プリオンタンパク質増殖阻止方法において、前記スーパーオキシド生成阻害剤が、システイン、N‐アセチルシステイン、ジチオスレイトール、メルカプトエタノールまたはグルタチオンの少なくともいずれか1つであること;前記スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤がチロン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ジメチルチオウレア、またはヒドロキノンの少なくともいずれか1つであること;銅‐スーパーオキシド反応キレータ類がオルトフェナンスロリン、ジピリジル、サリチル酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、アスピリンであること;前記生体内還元保持酵素もしくは薬剤がグルタチオンレダクダーゼであること;または前記抗酸化ビタミン類がアスコルビン酸またはαートコフェロールであることを特徴とする異常プリオンタンパク質増殖阻止方法。
  4. 飼料または食品にスーパーオキシド生成阻害剤を添加してスーパーオキシド生成が阻害されていることを特徴とする異常プリオンタンパク質増殖阻止用飼料または食品。
  5. スーパーオキシド生成阻害剤を添加することによって、異常プリオンタンパク質からのスーパーオキシド生成を阻止することを特徴とするスーパーオキシド生成防止方法。
  6. 請求項5に記載のスーパーオキシド生成防止方法において、前記スーパーオキシド生成阻害剤が、チオール含有化合物、スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤、銅‐スーパーオキシド反応キレータ類、生体内還元保持酵素もしくは薬剤または抗酸化ビタミン類であることを特徴とするスーパーオキシド生成防止方法。
  7. 請求項5または6に記載のスーパーオキシド生成防止方法において、前記スーパーオキシド生成阻害剤が、システイン、N‐アセチルシステイン、ジチオスレイトール、メルカプトエタノールまたはグルタチオンの少なくともいずれか1つであること;前記スーパーオキシド除去剤もしくは関連活性酸素除去剤がチロン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ジメチルチオウレアまたはヒドロキノンの少なくともいずれか1つであること;銅‐スーパーオキシド反応キレータ類がオルトフェナンスロリン、ジピリジル、サリチル酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、アスピリンから選ばれる何れかであること;前記生体内還元保持酵素もしくは薬剤がグルタチオンレダクダーゼであること;または前記抗酸化ビタミン類がアスコルビン酸またはαートコフェロールであることを特徴とするスーパーオキシド生成防止方法。
  8. 過酸化水素と、銅イオンと、基質とからなることを特徴とするプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用組成物。
  9. 請求項8に記載のプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用組成物において、銅イオンが硫酸銅などの銅イオン発生物質から発生した銅イオンであること、また基質がチロシン、フェニルアラニンなどのアミノ酸または3−ヒドロキシ安息香酸もしくは4−ヒドロキシ安息香酸であることを特徴とするプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用組成物。
  10. 過酸化水素と、銅イオンと、基質とからなるプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質検出用組成物を使用してプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質を検出することを特徴とするプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法。
  11. 請求項10に記載のプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法において、銅イオンが硫酸銅などの銅イオン発生物質から発生した銅イオンであること、また基質がチロシン、フェニルアラニンなどのアミノ酸または3−ヒドロキシ安息香酸もしくは4−ヒドロキシ安息香酸であることを特徴とするプリオン由来ペプチドまたはプリオンタンパク質の検出方法。
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