JP2008188029A - 整復後の頬骨弓安定具 - Google Patents
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Abstract
【課題】
頬骨弓骨折の治療において、整復した後の頬骨弓が動かないようにでき、しかもその動かない状態が維持できるようにした頬骨弓安定具を提供する。
【解決手段】
頬骨弓安定具Kは、固定補助体1と、ポンプ装置2と、これらを繋ぐ管体3を備えている。固定補助体1は、外管体10と内管体11を備えている。固定補助体1の先端の外管体10と内管体11の隙間14は、閉塞部12によって閉塞してある。外管体10は、頬骨弓Bの内方側に配置される凹部形成部101と、凹部形成部101の両側に設けてある膨縮部100,100aを備えている。膨縮部100,100aは、ポンプ装置2から送られた空気によって膨らんで、頬骨弓Bの上部側と下部側からこの頬骨弓Bを挟んで、整復した状態で動かないよう安定させる。
【選択図】 図1
頬骨弓骨折の治療において、整復した後の頬骨弓が動かないようにでき、しかもその動かない状態が維持できるようにした頬骨弓安定具を提供する。
【解決手段】
頬骨弓安定具Kは、固定補助体1と、ポンプ装置2と、これらを繋ぐ管体3を備えている。固定補助体1は、外管体10と内管体11を備えている。固定補助体1の先端の外管体10と内管体11の隙間14は、閉塞部12によって閉塞してある。外管体10は、頬骨弓Bの内方側に配置される凹部形成部101と、凹部形成部101の両側に設けてある膨縮部100,100aを備えている。膨縮部100,100aは、ポンプ装置2から送られた空気によって膨らんで、頬骨弓Bの上部側と下部側からこの頬骨弓Bを挟んで、整復した状態で動かないよう安定させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は整復後の頬骨弓安定具に関する。更に詳しくは、頬骨弓骨折の治療において、整復した後の頬骨弓が動かないよう安定でき、しかもその動かない状態が維持できるようにした整復後の頬骨弓安定具に関する。
顔面骨骨折のひとつに頬骨弓が外力を受けて内方に折れる頬骨弓骨折がある。頬骨弓骨折は、頬骨弓の三、四箇所が折れて内方に陥没した状態となることが多い(図5、図6参照)。
頬骨弓の外側部分には顔面神経という重要な神経が通っているので、従来、頬骨弓骨折の整復は、頬骨弓の外側部分を切り開くことができず、それより上側のこめかみの辺りに切り込みを入れ、そこから頬骨弓に届くよう筋肉と筋膜との間に金属のへら状の器具を下向きに差し込み、前記のへらによって頬骨弓を外方に押しやって行っている。頬骨弓骨折治療では、整復された頬骨弓は、通常、器具等によって固定されない。従って、整復後はそのまま繋がるまで安静状態が維持される。
なお、特許文献1には、骨折した骨の整列および安定化を図るようにする骨折合板が開示されており、当該文献には頬骨弓を整復した状態で固定するようにした図が描かれている。
しかし、上記したような頬骨弓骨折の治療には、次のような課題があった。
まず、特許文献1に開示してある骨折合板を使ったものは、手術が頭頂部から顔の前半分の皮膚を剥いで行うような全身麻酔を必要とする大掛かりなものになるので、患者への負担も大きく現実的な治療方法でない。従って、このような治療方法は通常採用されない。
まず、特許文献1に開示してある骨折合板を使ったものは、手術が頭頂部から顔の前半分の皮膚を剥いで行うような全身麻酔を必要とする大掛かりなものになるので、患者への負担も大きく現実的な治療方法でない。従って、このような治療方法は通常採用されない。
従って、頬骨弓骨折治療では、上記前者の方法が採用されることが多い。しかし、この場合では、整復された頬骨弓が器具等によって固定されておらず、骨折箇所が繋がるまで安静状態を保つ必要があったので、患者に多大な苦痛を負わせてしまうという課題があった。
また、骨折箇所が固定されていないので不注意によって外力が加わり、これによって頬骨弓が正常な位置からずれてしまうことがあった。ずれてしまった頬骨弓を元の状態に戻すためには再び手術をする必要があり、更に患者に負担を負わせることになる。
更に、頬骨弓骨折は、頬骨弓のつけ根部分など、その折れ方によっては整復した状態を安定して維持することが難しい場合があり、このような折れ方では元の状態に戻らずずれた状態で繋がってしまうこともあった。このまま繋がると頬骨弓部分に凹みが形成されてしまうので見た目が悪くなる。
本発明の目的は、頬骨弓骨折の治療において、整復した後の頬骨弓が動かないよう安定でき、しかもその動かない状態が維持できるようにする整復後の頬骨弓安定具を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
内方に折れた頬骨弓を整復した状態で動かないよう安定させる頬骨弓安定具であって、
頬骨弓の内方側に配置される凹部形成部を有し、当該凹部形成部の両側に膨らんだり縮んだりする膨縮部が設けてある固定補助体と、
作動流体を送って上記膨縮部を膨らませたり、作動流体を引いて上記膨縮部を縮めたりする流体制御手段と、
流体制御手段と固定補助体とを繋いでおり、作動流体が内部を流通可能な管体と、
を備えていることを特徴とする、
整復後の頬骨弓安定具である。
第1の発明にあっては、
内方に折れた頬骨弓を整復した状態で動かないよう安定させる頬骨弓安定具であって、
頬骨弓の内方側に配置される凹部形成部を有し、当該凹部形成部の両側に膨らんだり縮んだりする膨縮部が設けてある固定補助体と、
作動流体を送って上記膨縮部を膨らませたり、作動流体を引いて上記膨縮部を縮めたりする流体制御手段と、
流体制御手段と固定補助体とを繋いでおり、作動流体が内部を流通可能な管体と、
を備えていることを特徴とする、
整復後の頬骨弓安定具である。
第2の発明にあっては、
体液を吸引して体外へ排出する手段が設けてあることを特徴とする、
第1の発明に係る整復後の頬骨弓安定具である。
体液を吸引して体外へ排出する手段が設けてあることを特徴とする、
第1の発明に係る整復後の頬骨弓安定具である。
(作 用)
本発明に係る整復後の頬骨弓安定具は、次のようにして使用する。
まず、従来から行われている施術方法により、内方に折れた頬骨弓を整復する。そして、その際に使用した器具によってできた筋肉と筋膜との隙間に、固定補助体を膨縮部を縮めた状態で差し込んで入れる。固定補助体は、レントゲン写真(撮像)等を診ながら、凹部形成部が頬骨弓と対応し、膨縮部が頬骨弓の内方側にあたる上部側と下部側に設けられるよう配置する。
本発明に係る整復後の頬骨弓安定具は、次のようにして使用する。
まず、従来から行われている施術方法により、内方に折れた頬骨弓を整復する。そして、その際に使用した器具によってできた筋肉と筋膜との隙間に、固定補助体を膨縮部を縮めた状態で差し込んで入れる。固定補助体は、レントゲン写真(撮像)等を診ながら、凹部形成部が頬骨弓と対応し、膨縮部が頬骨弓の内方側にあたる上部側と下部側に設けられるよう配置する。
次に、流体制御手段を操作して作動流体を固定補助体に送る。こうして膨縮部が膨らみ、頬骨弓は凹部形成部によって内方側から押さえられたような状態になり、かつ膨縮部によって挟まれた状態となって、整復した状態で動かず、しかもその動かない状態が維持できる。
本発明に係る頬骨弓安定具は、膨縮部内の作動流体を引いて縮ませた状態で抜いて取り外される。
本発明に係る頬骨弓安定具は、膨縮部内の作動流体を引いて縮ませた状態で抜いて取り外される。
体液を吸引して体外へ排出する手段を備えたものは、固定補助体を体内に設けた状態でその周りに血液等の体液が溜まったような場合において、体液を吸引して体外へ排出することができる。
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る整復後の頬骨弓安定具によれば、整復した後の頬骨弓が動かないよう安定でき、しかもその状態が維持できるので、多少の外力が加わった場合でも正常な位置からずれ難くなる。従って、患者は今までのような安静状態でなく、ある程度通常と同じような生活をしながら治療できる。つまり、頬骨弓骨折の治療において患者の負担を軽減することができる。
(a)本発明に係る整復後の頬骨弓安定具によれば、整復した後の頬骨弓が動かないよう安定でき、しかもその状態が維持できるので、多少の外力が加わった場合でも正常な位置からずれ難くなる。従って、患者は今までのような安静状態でなく、ある程度通常と同じような生活をしながら治療できる。つまり、頬骨弓骨折の治療において患者の負担を軽減することができる。
(b)また、本発明に係る整復後の頬骨弓安定具は、整復した後の頬骨弓が動かないよう安定でき、しかもその状態が維持できるので、例えば、頬骨弓のつけ根部分など、整復した状態を安定して維持することが難しかったような骨折でも、整復後にずれてしまう前に動かないようにすることができる。従って、本発明に係る頬骨弓安定具は、このような折れ方の場合でも元の状態に戻すことができる。
(c)本発明に係る整復後の頬骨弓安定具は、流体制御手段により作動流体を固定補助体に送って膨縮部を膨らませるだけの操作なので、取り扱いが簡単である。従って、整復後の頬骨弓安定具は操作に熟練を要さない。
(d)体液を吸引して体外へ排出する手段を備えたものは、固定補助体を体内に設けた状態でその周りに血液等の体液が溜まったような場合において、体液を吸引して体外へ排出することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る頬骨弓安定具の一実施の形態を示す説明図、
図2は図1に示す頬骨弓安定具の先端に設けた固定補助体を示す拡大説明図である。
なお、図2(a)は固定補助体の膨縮部を縮めた状態を示しており、図2(b)は固定補助体の膨縮部を膨らませた状態を示している。
図1は本発明に係る頬骨弓安定具の一実施の形態を示す説明図、
図2は図1に示す頬骨弓安定具の先端に設けた固定補助体を示す拡大説明図である。
なお、図2(a)は固定補助体の膨縮部を縮めた状態を示しており、図2(b)は固定補助体の膨縮部を膨らませた状態を示している。
符号Kは整復後の頬骨弓安定具を示している。頬骨弓安定具Kは、内方に折れた頬骨弓B(図5,図6参照)を整復した状態で、保持し安定するものである。
頬骨弓安定具Kは、整復した頬骨弓Bの内方側に設けられる固定補助体1と、流体制御手段であるポンプ装置2と、固定補助体1とポンプ装置2を繋ぐ管体3を備えて構成されている。
固定補助体1は、外管体10と、外管体10内に挿入して二重管構造を有するよう設けてある内管体11を備えている。固定補助体1の先端は、外管体10と内管体11の間が閉塞部12によって気密(または液密)状態になるよう閉塞してあり、内管体11は開口部13によって開口状態になるよう形成してある。外管体10と内管体11の間に形成された隙間14には、空気等の流体が流通可能である。固定補助体1を構成する外管体10と内管体11は、変形性、柔軟性及び伸縮性を有する合成樹脂で形成してある。
外管体10には、頬骨弓Bの内方側に配置される凹部形成部101と、凹部形成部101の両側に設けてあり、膨らんだり縮んだりして外形が変形する膨縮部100,100aが設けてある。凹部形成部101は、両方の膨縮部100,100aが膨らむことで相対的に凹んで凹形状を形成する。本実施の形態で外管体10は、膨縮部100にあたる部分の管厚を凹部形成部101や他の部分よりも薄くなるよう形成して、このことによって外管体10と内管体11の隙間14に空気等の流体が送られたときに膨縮部100が膨らみ、凹部形成部101は変形しないようにしてある。
ポンプ装置2は、固定補助体1の膨縮部100,100aに流体を送ったり引いたり(抜いたり)して、この膨縮部100,100aを膨らませたり縮めたり制御するものである。ポンプ装置2は、筒形状を有するシリンダ部材20と、このシリンダ部材20の内部で内壁に密着しながら往復運動でき、固定補助体1に流体を送ったり引いたりするピストン部材21を備えている。シリンダ部材20の先端部には、管体3と接続するための径小な短管状の接続管22が設けてある。また、シリンダ部材20の基端部には、ピストン部材21の操作時に指を掛ける指掛部200が形成してあり、ピストン部材21の基端部には、ピストン部材21を押圧するときに指を載せる指載部210が形成してある。本実施の形態においてポンプ装置2は、一般的に使用されている合成樹脂製の注射器を使用している。
管体3は、所要長さを有しており固定補助体1の外管体10の基端部と気密(または液密)状態で接続してある外管30と、外管30内に通して二重管構造を有するよう設けてあり、内管体11の基端部と気密(または液密)状態で接続してある内管31を備えている。外管30と内管31の間に形成された隙間34には、空気等の流体が流通可能である。外管30は内管31よりも長さが短く、外管30の基端部から内管31が所要長さ延びた状態になっている。
外管30の基端部には、内管31を通す内管挿通路320と、内管挿通路320から分岐してあり、外管30と内管31の間に形成された隙間34に流体を流通させることができるようにする流通路321を備えた分岐管32が接続してある。分岐管32は、内管挿通路320の先端部が外管30と気密(液密)状態になるよう接続してあり、内管挿通路320の基端部については内部を通って出た内管31と気密(または液密)状態になるよう接続してある。
流通路321の基端部には弁装置33が取り付けてある。弁装置33は、ポンプ装置2側から送られた空気等の流体を一方向に通し、操作したときだけ送った流体を引くことができる公知の逆止弁構造を有している。弁装置33には、上記したポンプ装置2の接続管22が接続してある。
内管挿通路320を通って出た内管31の基端部には、内管体11の先端に設けた開口部13から内管31内部を通して体液等が吸引できるようにする手段である吸引装置(図示省略)を接続するための接続部310が設けてある。接続部310には吸引装置が接続される。
(作 用)
図3は整復した頬骨弓の内方側に固定補助体を配置し、膨縮部を膨らませて頬骨弓が動かないよう安定させた状態を示す要部拡大説明図、
図4は図3に示す状態を下側から断面視して示す説明図である。
図5は右側の頬骨弓の骨折状態を示す説明図を表している。
図6は図5に示す頬骨弓の骨折状態を下側から断面視して示す説明図を表している。
図4及び図6において示す二点鎖線(想像線)は顔面の輪郭を示している。
図3は整復した頬骨弓の内方側に固定補助体を配置し、膨縮部を膨らませて頬骨弓が動かないよう安定させた状態を示す要部拡大説明図、
図4は図3に示す状態を下側から断面視して示す説明図である。
図5は右側の頬骨弓の骨折状態を示す説明図を表している。
図6は図5に示す頬骨弓の骨折状態を下側から断面視して示す説明図を表している。
図4及び図6において示す二点鎖線(想像線)は顔面の輪郭を示している。
図1ないし図6を参照し、本実施の形態で示す頬骨弓安定具Kを使用して、整復した頬骨弓が動かないよう安定化する方法及び作用を説明する。
まず、従来から行われている施術方法により、内方に折れた頬骨弓Bを整復する。頬骨弓Bの整復は、上記したようにこめかみの辺りに切り込みを入れ、そこから頬骨弓Bに届くよう筋肉と筋膜との間に金属のへら状の器具を下向きに差し込み、前記したへらによって頬骨弓Bを外方に押しやって行われる。そして、頬骨弓Bは図3,図4に示す状態になるよう整復される。頬骨弓Bの整復後、へら状の器具を引き抜く。
まず、従来から行われている施術方法により、内方に折れた頬骨弓Bを整復する。頬骨弓Bの整復は、上記したようにこめかみの辺りに切り込みを入れ、そこから頬骨弓Bに届くよう筋肉と筋膜との間に金属のへら状の器具を下向きに差し込み、前記したへらによって頬骨弓Bを外方に押しやって行われる。そして、頬骨弓Bは図3,図4に示す状態になるよう整復される。頬骨弓Bの整復後、へら状の器具を引き抜く。
次に、この器具を差し込んだことによりできた筋肉と筋膜との隙間に、頬骨弓安定具Kの固定補助体1を頬骨弓Bと対応する位置まで差し込んで入れる。固定補助体1は両方の膨縮部100,100aを縮めた状態で差し込む。そして、レントゲン写真(撮像)等を診ながら、固定補助体1の凹部形成部101が頬骨弓Bと対応し、それぞれの膨縮部100,100aが頬骨弓Bの内方側にあたる上部側と下部側に設けられるよう配置する。
固定補助体1を上記位置に配置した状態で、ピストン部材21をシリンダ部材20内に押し込む。シリンダ部材20には、空気が充填されている。こうして弁装置33及び流通路321から外管30と内管31の間に形成された隙間34を通して、空気を固定補助体1の外管体10と内管体11の間の隙間14に送る。
固定補助体1は、外管体10と内管体11の隙間14に空気が送られることによって、他の部分よりも薄肉状に形成してある両方の膨縮部100,100aが球体形状を有するよう膨らむ。膨縮部100,100aは、頬骨弓Bの上部側と下部側にあたる位置に配置してあるので、これにより頬骨弓Bは、凹部形成部101によって内方側から押さえられたような状態になり、かつ膨らんだ両方の膨縮部100,100aによって挟まれた状態となる。こうして頬骨弓Bは整復した状態で動かないよう安定でき、しかもその状態が維持できる。
頬骨弓安定具Kは、頬骨弓Bがある程度つながるまで、体内に入れたままの状態にしておく。頬骨弓安定具Kを体内に入れたままにしておくことにより、頬骨弓Bの周りに僅かながら空間が形成され、その空間を埋めようとして血液等の体液が溜まるようになる。このような体液は、感染症を発症させる原因にも成り兼ねず不衛生なので、体内から除去することが好ましい。
頬骨弓安定具Kには、固定補助体1及び管体3が二重管構造を有しており、内管挿通路320を通って出た内管31の接続部310に吸引装置(図示省略)が設けてあるので、内管体11の先端に形成した開口部13から内管31の内部を通して上記体液を吸引して体外へ排出することができる。なお、本実施の形態では内管31の内部を通して体液を吸引する場合を例示したが、内管31の使い方としては、例えば、内部を通して体内へ薬液等を供給したりすることも可能である。
頬骨弓Bを動かないようにしていた固定補助体1は、弁装置33を操作して膨縮部100,100aから空気を引き、縮ませることで頬骨弓Bを挟んでいた状態を解除して体内から抜いて取り外される。
このように頬骨弓安定具Kによれば、頬骨弓Bを整復した状態で動かないよう安定でき、しかもその状態が維持できるので、多少の外力が加わった場合でも正常な位置からずれ難くなる。従って、患者は今までのような安静状態でなく、ある程度通常と同じような生活をしながら治療できる。つまり、頬骨弓骨折の治療において患者の負担を軽減することができる。
また、頬骨弓安定具Kは、例えば、頬骨弓のつけ根部分など、整復した状態を安定して維持することが難しかったような骨折でも、整復後にずれてしまう前に動かないようにすることができる。つまり、頬骨弓安定具Kは、このような折れ方の場合でも元の状態に戻すことができる。
頬骨弓安定具Kは、ポンプ装置2により空気を固定補助体1に送って膨縮部100,100aを膨らませるだけの操作なので、取り扱いが簡単である。従って、頬骨弓安定具Kは操作に熟練を要さない。
本実施の形態で示す頬骨弓安定具Kにおいて、内管体11と内管31は一体のもの、即ち、内管31を外管体10内に差し込んで内管体11を形成したが、これは限定するものではなく、内管体11と内管31は別体のものを気密(または液密)状態で繋いで設けることもできる。
本実施の形態で外管体10と内管体11は、合成樹脂で形成したものを示したが、これは限定するものではなく、例えば、材料は、合成ゴムやシリコン等を使用することもできる。
また、本実施の形態で外管体10は、膨縮部100,100aにあたる部分の管厚を凹部形成部101や他の部分よりも薄くなるよう形成したが、外管体10の構造はこれに限定するものではない。外管体10と内管体11の隙間14に空気等の流体が送られたときに膨縮部100,100aが膨らみ、凹部形成部101は変形しないようにできれば、例えば、外管体の略全体を膨張可能な材料で形成し、その所要位置に膨張しない材料で形成された部材を設けて、その部分が膨らまないようにして形成することもできる。
本実施の形態において膨縮部100,100aは、ポンプ装置2によって送られた空気によって膨らむようにしたが、これは限定するものではなく、固定補助体1を引き抜くときに膨縮部100,100aを縮ませることができれば、例えば、他の気体や液体を使用することもできる。例えば、膨縮部を膨らませる手段として液体である造影剤を使用した場合では、レントゲン撮影時に膨縮部100の状態が把握し易い。また、流体を送ったりするポンプ装置2も注射器に限定するものではなく、公知のポンプ構造のものが使用できる。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
K 頬骨弓安定具
B 頬骨弓
1 固定補助体
10 外管体
100 膨縮部
101 凹部形成部
11 内管体
12 閉塞部
13 開口部
14 隙間
2 ポンプ装置
20 シリンダ部材
200 指掛部
21 ピストン部材
210 指載部
22 接続管
3 管体
30 外管
31 内管
310 接続部
32 分岐管
320 内管挿通路
321 流通路
33 弁装置
34 隙間
B 頬骨弓
1 固定補助体
10 外管体
100 膨縮部
101 凹部形成部
11 内管体
12 閉塞部
13 開口部
14 隙間
2 ポンプ装置
20 シリンダ部材
200 指掛部
21 ピストン部材
210 指載部
22 接続管
3 管体
30 外管
31 内管
310 接続部
32 分岐管
320 内管挿通路
321 流通路
33 弁装置
34 隙間
Claims (2)
- 内方に折れた頬骨弓を整復した状態で動かないよう安定させる頬骨弓安定具であって、
頬骨弓の内方側に配置される凹部形成部を有し、当該凹部形成部の両側に膨らんだり縮んだりする膨縮部(100,100a)が設けてある固定補助体(1)と、
作動流体を送って上記膨縮部(100,100a)を膨らませたり、作動流体を引いて上記膨縮部(100,100a)を縮めたりする流体制御手段と、
流体制御手段と固定補助体(1)とを繋いでおり、作動流体が内部を流通可能な管体(3)と、
を備えていることを特徴とする、
整復後の頬骨弓安定具。 - 体液を吸引して体外へ排出する手段が設けてあることを特徴とする、
請求項1記載の整復後の頬骨弓安定具。
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